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2013/7/1 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
円安や原材料価格の高騰に伴う値上げが、きょう(7月1日)から一気に本格化する。値上げの品目が増えるだけでなく、再度値上げされる商品まである。この傾向はまだまだ続きそう。というのも、「デフレ脱却」を狙う政府は水面下で値上げを歓迎しているからだ。国民生活はますます苦しくなるばかりだ。
◆7月また価格高騰ラッシュ メーカーに”定価”決定権
食用油は2度目
7月から値上げされるのは別表の通り。小麦粉、マヨネーズ、ハム・ソーセージ、食パンなど台所に常備する品が多く、家計を直撃するのは間違いない。特に食用油は、今年4月に続き2度目の値上げだ。それも大手3社揃っての再値上げ。値上げ幅も同じである。
「4月の値上げは消費者や小売店に受け入れられるかどうかビクビクしながらでしたが、『円安だから仕方ない』というムードが世間に浸透し、値上げしやすい空気になってきた。今後、小麦やパンなど他の商品も、秋に向けて再値上げが検討されるんじゃないか」(食品メーカー関係者)
値上げムードは街の小売店の店頭価格にも広がっている。本紙の定点調査では、4〜6月の1カ月半でトイレットペーパーが最大50円、オリーブオイルが最大200円値上がりしていた。5箱入りティッシュペーパーなどの店頭セールも減ってきているというから、消費者にとっては実質値上げのようなものだ。
これに追い打ちをかけるのが、22年ぶりの「独禁法の改正」による価格高騰だ。経済産業省と公正取引委員会がメーカーの「定価指定」を容認する方向で検討を始めたのである。
現状では、メーカーが定価を決めることは独禁法で禁じられている。だから、小売店は価格を競い合い、消費者は安い店を探して買うことができる。しかし安倍政権は、「安売り競争はメーカーを疲弊させる」とメーカーに小売価格の“決定権”を与えるつもりなのだ。
「メーカーが定価を指定できるようになれば、価格は硬直化し、高止まりするでしょう。つまり物価が上がる。政府はホンネではそれを望んでいる。『デフレ脱却』につながりますからね」(霞が関関係者)
来年4月には消費税が8%に上がるというのに、そのうえ安売りが減って、定価販売ばかりになるんじゃ、消費者はやってられない。
「この独禁法改正は過去20年間で進んだメーカーと小売りの力関係を逆転させ、メーカー主導に戻すものです。しかし、低価格を消費者が支持したからこそ現在の価格が形成されているのです。どこが最安値かネットを通じてわかる時代に、経産省と公取委のやろうとしていることはおかしい。安倍政権の企業寄り姿勢の最たるものです」(経済ジャーナリスト・有森隆氏)
値上げラッシュは、庶民イジメのアベノミクスの象徴だ。