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013/6/24 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
大手企業や市場関係者が“赤いハゲタカ”と呼ぶ中国政府系ファンドはアベノミクスでどう動いたか――。
企業が公表する「大株主の状況」を見れば、ある程度知ることができる。昨年9月末時点では「SSBT OD05」など中国政府系ファンドが大株主に名を連ねたのは180社。時価総額にして3兆658億円だった。
「13年3月末は174社と6社減りましたが時価総額は4兆2447億円と急増です」(ちばぎん証券顧問の安藤富士男氏)
09年3月末は1556億円(13社)に過ぎなかったのに、たった4年で4兆円超えだ。保有額トップはトヨタ自動車の3001億円、以下、三菱UFJ・FG、三井住友FG、ホンダ、みずほFGと続く(別表@参照)。株主順位では三菱UFJやみずほFG、日立製作所、野村HD、三井物産、東京海上が堂々3位にランクインしている。
「中国の景気は減速気味だし、尖閣問題も未解決。大株主として無理難題を要求してくる可能性は高まっています。そればかりか、赤いハゲタカが一気に保有株を放出したら、日本市場は大混乱に陥ります」(市場関係者)
しかも中国政府系ファンドの投資動向に変化が出てきたという。
「富士重工への投資が気になります。1年前は10位以下だったのに、突如5位に躍り出た。これまでは、まず10位、9位あたりに顔を出し、その後、順位を上げてきた。ところが一気に5位です。また中国ファンドはずっと業界トップクラスへの投資でしたが、富士重は中堅です。投資スタンスに変化が見られます」(安藤富士男氏)
新たに大株主となった企業は、通信工事のミライト、衣料のパル、クスリのアオキなど意外性がある(別表A参照)。何だか不気味だが、見方を変えると投資の指南役となりそうだ。
「中国政府が目をつけた企業は、アベノミクスで株価上昇が期待できる銘柄群でしょう。赤いハゲタカが株主順位を上げた企業も狙い目となります」(証券アナリスト)
キャノンは6位→5位→4位、NTTは7位→5位→4位だ。安倍バブルを賢く乗り切る投資術かもしれない。
◆保有額トップ30(表@)
[社 名] [時価総額] [株主順位]
トヨタ自動車 3001億円 9→9→9
三菱UFJ・FG 2039億円 3→3→3
三井住友FG 1438億円 3→4→4
ホンダ 1351億円 7→7→7
みずほFG 1154億円 3→3→3
キャノン 937億円 6→5→4
ソフトバンク 916億円 7→7→6
武田薬品 839億円 5→5→5
三菱地所 729億円 5→6→6
JR東日本 700億円 8→8→8
日立製作所 677億円 4→3→3
NTT 665億円 7→5→4
三菱商事 602億円 6→6→6
セブンン&アイHD 591億円 5→5→5
ファナック 578億円 5→6→6
日産自動車 562億円 7→7→8
信越化学 560億円 7→7→7
アステラス製薬 545億円 6→6→6
野村HD 533億円 3→3→3
三井物産 524億円 3→3→3
三井不動産 509億円 4→5→5
ブリヂストン 498億円 7→7→8
オリックス 486億円 4→4→4
NTTドコモ 478億円 4→4→4
コマツ 475億円 6→8→7
東芝 428億円 5→6→6
デンソー 426億円 9→9→10
東京海上HD 423億円 4→4→3
新日鉄住金 412億円 *→10→6
三菱重工 403億円 4→4→6
ちばぎん証券・安藤富士男顧問の調査。株主順位は、12年3月末→12年9月末→13年3月末の順。*は対象外
◆新たに大株主となった会社(表A)
[社 名][時価総額][順位]
富士重工 195億円 5
豊田自動織機 143億円 10
KDDI 134億円 10
日本ハム 58億円 10
東洋水産 58億円 8
住友重機 40億円 7
クスリのアオキ 16億円 8
ミライト 12億円 9
パル 4億円 10