日本(日本に限らず西側諸国)では、北朝鮮は異様な論理を振りかざし挑発的な軍事行動をするとんでもない国家だと思う人が多いようだ。
私は、北朝鮮の動きを見ていると戦前の日本を思い浮かべ、韓国の動きを見ていると戦後の日本を見ている気分になる。
「戦後レジーム」にどっぷり浸ってしまった“我々”には北朝鮮の言動は理解を超えているが、北朝鮮を標的にした米韓軍事演習に対抗して軍事的行動を活発化させるのは当然だし、“貧乏人”の足元を見透かしたような対応に毅然と立ち向かいケソン工業団地を“一時的に”閉鎖してしまうのも立派だと言えなくもない。
今回の北朝鮮の提案は、口先だけの『核なき世界の建設』でノーベル平和賞を恥ずかしげもなく受賞したオバマ大統領への挑戦だと言えるだろう。
北朝鮮の核(兵器)開発も、NPTに加盟していなければ、とやかく文句を言われる筋合いがない話である。とりわけ、数千発のICBMを保有し、「先制核攻撃」さえ公言している米国に“諭される”テーマでは断じてないというのは「正論」であろう。
今回の北朝鮮の提案は、『朝鮮半島の非核化』は現実的な課題である一方、『核なき世界の建設』はせいぜい『特定国以外は核なき世界の建設』という欺瞞性に満ちていることを匂わせながら、本丸である米国に交渉を迫ってみたというものであろう。
オバマ大統領も、戦時下の最高司令官=大統領のまま口先だけの構想に対して授与されることになったノーベル平和賞を恥知らずにも受け取った“不名誉”を返上するため、北朝鮮の挑戦を受け、『核なき世界の建設』への第一歩としての『朝鮮半島の非核化』に向けた会談を行うと答えてみれば立派だが...どうだろうね。
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北朝鮮に変化 アメリカに前提条件なしの対話提案(06/16 12:06)
北朝鮮がアメリカに対し、前提条件をつけずに対話を提案しました。
北朝鮮の国営メディア「朝鮮中央通信」は、「朝鮮半島の緊張局面を解消し、地域の平和と安全を作るためにアメリカとの高官級会談を提案する」という国防委員会の談話を伝えました。さらに、高官級会談が開催されれば「アメリカが出した『核なき世界の建設』という問題を含めて、双方が希望するさまざまな問題を幅広く真剣に協議することができる」としています。会談場所や日時についても、「アメリカが決めれば良い」と無条件の対話を提案しています。今年に入って3回目の核実験や朝鮮戦争の休戦協定破棄など、北朝鮮が緊張を高めて以降、アメリカに公式に対話を提案するのはこれが初めてとなります。アメリカはこれまで、対話の前提として核開発放棄の具体的な動きを求めていて、今回、発表された対話提案に応じるかが注目されます。
http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000007252.html