領土的野心を隠さない中国の独裁者・習近平国家主席だが、政権転覆に直結する3本の導火線があるようだ(ロイター)
習近平氏を追い込む“3つの急所” 民衆の不満爆発で政権転覆も
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20130612/frn1306121811005-n1.htm
2013.06.12 夕刊フジ
9月の予定を3カ月前倒しにして行われた米中首脳会談。習近平国家主席が、沖縄県尖閣諸島の領有権を頑なに主張し、オバマ大統領と激しい応酬を繰り広げるシーンもあったという。野望をむき出しにする習主席だが、その背後をうかがうと、東シナ海の覇権どころではないほど危機が忍び寄っている。崩壊秒読みの経済に、間近に迫る超高齢化社会。高い失業率で民衆の不満は爆発寸前で、専門家は「一斉蜂起で政権転覆の危険もある」と指摘する。新リーダーを追い込む3つの急所とは−。
世界が注視するトップ会談で、中国の傲慢さが再び浮き彫りになった。
米カリフォルニア州パームスプリングズ近郊で先週末に行われた米中首脳会談では、北朝鮮の核問題などとともに尖閣問題が俎上にのぼった。
その際、習主席はオバマ大統領に対し、尖閣を「中国固有の領土」と主張し、中国の譲れない国益を意味する「核心的利益」との認識まで示したという。
東アジアの覇権をどこまでも狙う習主席だが、足下はぐらつき始めている。中国が抱える深刻な3つの問題が政権を追い詰めつつあるからだ。
『中国人民解放軍の内幕』(文春新書)の著書で知られるジャーナリストの富坂聰氏は「もっとも懸念されているのは、『超高齢化社会』の到来だ。2015年を境に生産年齢人口の減少が始まる。つまり、これまでの経済成長を支えてきた安価で大量の労働力という強みが失われることになる」と指摘する。
労働力の確保のため、中国では1950〜60年代に「産めよ増やせよ」の多産化政策が実施された。その結果、爆発的な人口増加という事態に直面し、それを抑制するため、79年から夫婦1組に子供は1人と定める「一人っ子政策」が施行された。
これによって人口抑制には成功したものの、厄介な難題を内包するようにもなった。
「中国では、男は60歳、女は55歳で定年を迎える。定年後の再雇用制度などはないため、下の世代が老後の面倒をみるほかない。ところが、これから労働市場の中心になる一人っ子政策後の80〜90年代生まれの世代は今の現役世代に比べて圧倒的に少ない。現役世代が一気に退職する2年後、いまの体制を維持できる保証はどこにもない」(富坂氏)
「超高齢化社会」の到来で発生する財政負担が2つ目の不安要素だ。
退職者にかかる社会保障費が重くのしかかり、国家財政を逼迫。同時に進行する内需縮小とのダブルパンチで中国経済はガタガタになる。
「2年後には2億200万人が一斉に現役を退く。彼らにかかる社会保障費は年間24兆2400億円に及ぶといわれている。それに、まともな保障が期待できないとわかっている庶民は、国に期待せずに貯蓄に走っている。このため、貯蓄率は高止まりしたままで内需は上がらず、一向に経済が活性化しない悪循環に陥っている」(同)
時限爆弾のように暴発の危険をはらむのが、深刻化する失業率の問題だ。
中国事情に詳しい評論家の宮崎正弘氏は「賃金相場が急騰し、急速にインフレが進んでいる。これによって庶民の暮らしはますます厳しくなっている。一方、都会に出稼ぎに来たものの仕事にありつけなかった農村出身者は2億6000万人。大学を卒業して就職にあぶれた『蟻族(ありぞく)』と呼ばれる若者は15万人に及ぶ。さらに一人っ子政策に反して生まれた『黒孩子(ヘイハイズ)』と呼ばれる戸籍のない子供は1億人いるともいわれる。爆発的不満を抱えた彼らが、暴発すれば政権転覆という事態もあり得る。その危険は高まっている」と話す。
破綻を予感しているのか、中国共産党の高級官僚たちによる海外への資産流出、米国での永住権申請件数も増え続けているという。
真に尖閣がほしいのか。あるいは爆発寸前の民衆の矛先を尖閣に向けさせようとしているだけなのかもしれない。難破船となりかねない赤い大国の流れ着く先は…。