【ボン阿部周一】地球温暖化が進むと、今世紀末には日本を含むアジアの大部分やアフリカ中部、南米で洪水発生の確率が高まり、河川氾濫の危険にさらされる世界の人口がこれまでの推定の25倍、最大約1億人に上るとの推計を、東京大などの研究チームが発表した。「温室効果ガス削減と同時に、洪水被害の軽減策が重要だ」と指摘している。
平林由希子・東大准教授(水文学)らは、公表されている11種の気候モデルと最新の河川氾濫モデルを使い、2100年までに各地の洪水リスクがどう変化するかを推計した。
その結果、世界の平均気温が今後100年間で1〜6度上昇する場合、全世界の約4割の地域で被災リスクが増え、100年に1回レベルの大洪水で河川氾濫に見舞われる地域の居住人口は20世紀後半の推定約420万人(全世界の人口の0.1%)から、今世紀末には、温暖化が最も著しいシナリオで25倍の約1億600万人、最も穏やかなシナリオでも7倍の約3000万人に拡大すると予測した。
これは同時期の世界人口の0.3〜1.1%にあたる。世界の人口が仮に今後一定だとした場合でも、地域拡大で影響人数は4〜14倍に増えるという。論文は9日付の英科学誌「ネイチャー・クライメート・チェンジ」に掲載された。
http://mainichi.jp/select/news/20130610k0000e040069000c.html
http://www.asyura2.com/13/nature5/msg/107.html