http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20130604/ecn1306040714002-n1.htm
ボーナス時期が近づいてきた。「住宅ローンを繰り上げ返済してリスクを減らしたい」。こう考える人も少なくないだろう。
しかし、「繰り上げ返済」のしすぎが別のリスクを抱えるかもしれない。
【突然リストラに…】
繰り上げ返済には、(1)期間短縮型(2)返済額軽減型の2つがある。
(1)は、毎月返済額を変えずにローンの期間を短くする方法。(2)は、借入期間を変えずに毎月の返済額を減らす方法だ。(2)を扱わない金融機関がある上、多くの人は、1回の繰り上げ返済による利息減少額が大きい(1)を選ぶ。だが、この繰り上げ返済のしすぎで、えらい目に遭うこともある。
Fさん(52歳)は、突然、リストラに遭った。就職活動開始後、半年たつが、仕事はみつからない。子供は高校生2人。これからますます学費がかかる。妻は働いているが、大黒柱の収入には届かない。失業保険と貯蓄の取り崩しで生活しているものの、不安は大きい。
Fさんの脳裏によぎるのは、毎年50万円ずつ10年も実行してきた繰り上げ返済。たしかに、ローンの総返済額や返済年数は減った。だが、今、欲しいのはお金なのだ。「あのときの500万円が手元にあれば…繰り上げ返済分を返してほしい」とFさん。今日も仕事探しの毎日だ。
【低利だからこそ…】
住宅ローンはさまざまな借入金のなかでも、非常に低利な商品だ。たとえば、車のローンは住宅ローンより高金利。ならば、ローンを組むより貯蓄を崩して買ったほうがよい人もいる。そのために、ボーナスを貯蓄に回しておく、という考え方もある。
つまり、繰り上げ返済は、家計や将来の状況次第で、頻繁に行ってもいい人と避けたほうがいい人がいる、ということだ。
繰り上げ返済するならば、(2)の返済額軽減型を選択する方法もある。ただし、返済中の金融機関が扱っているという条件での話。毎月の返済額が減るので、これを貯蓄していけば、万一の失業や病気にも頼りになる。
繰り上げ返済にはメリットが大きいが、いざというときはやはり現金。貯蓄をせずにとにかく「返済」と考えるのは避けたい。(不動産・住生活ライター 高田七穂)
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