過去10万年間で世界最大だった7万4000年前のスマトラ島(インドネシア)・トバ火山噴火から8年後の森林状況推定。寒冷・乾燥化で温帯、寒帯が壊滅的打撃を受けた(黒い部分)と気象庁気象研究所の小畑淳主任研究官らが学会発表した(小畑主任研究官提供)
巨大噴火後数年で森林壊滅=寒冷乾燥化で温帯と寒帯−地球モデルで影響推定・気象研
http://www.jiji.com/jc/eqa?k=2013051800205&g=eqa
2013/05/18-14:51 時事通信
約7万4000年前にインドネシア・スマトラ島のトバ火山で起きた巨大噴火について、気象庁気象研究所の小畑淳主任研究官らが地球環境に及ぼす影響をコンピューターでシミュレーションしたところ、寒冷・乾燥化のため温帯や寒帯の森林は数年以内にほとんど枯れてしまうことが分かった。元に戻るには20〜30年かかるという。18日に都内で開かれた日本気象学会で発表した。
トバの噴火は過去10万年間で世界最大とみられ、後にはカルデラ湖のトバ湖(長さ約100キロ、幅約30キロ)ができた。各地の巨大噴火の痕跡は地層や氷床に残り、掘削調査で灰などの噴出物を分析できるが、当時の地球環境に及ぼした影響の全体像を解明するのは難しい。
小畑さんによると、コンピューターで地球モデルを作り、巨大噴火の影響を調べる研究は近年各国で始まり、日本では初めて。噴火の規模と影響の対応関係が分かれば、過去の環境の解明や将来予測がより正確になると期待される。