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2013/5/10 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
中国要人とは1対1の会談じゃなかった
きのう(9日)の参院本会議で川口順子環境委員長が解任された。国会の許可を得ずに中国出張を延期し、委員会が中止となったことを野党7党に問題視されたからだ。
大新聞は揃って「解任は行き過ぎ」「中国要人との会談には一定の意義があった」と川口擁護一色だったが、本当にそうなのか。
高支持率の安倍政権に対し、委員長のクビを取ることでしか存在感を示せない野党はふがいない。だが、環境委員長の川口が自分の中国滞在を「国益」として正当化することには違和感がある。
「川口さんは『国益』と主張していますが、外交は政府の仕事です。外交をやるなら政府の要職か、一議員としてやるべきです。参議院の委員長という役職である以上、何より国民の代表が集まる国会を重視しなければならないのは当然です」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)
その「国益」にしても本当に成果があったのか疑問だ。
これまで「川口氏は習近平体制で外交全般を総括する楊潔国務委員と会談するため、日程を延期した」と報じられてきた。だから誰もがてっきり1対1で会ったと思わされていた。ところが、違ったのだ。川口氏の事務所は「楊氏と会ったのは、『アジア平和・和解評議会』の発起人の1人として、他の参加者7人と一緒に同時通訳のない英語会談を30分間した」と説明した。つまり8人で30分間、1人当たり4分弱だ。それでどれだけ日本の「国益」にかなった実質的な話ができたのだろうか。
「そういうのを『立ち話外交』『袖口外交』と言うのです。本当に国益にかなうような出張だったのなら、具体的にどういう話をしたのか説明すればいいだけです。もっとも楊氏とは、日本政府は閣僚ですら誰も会えていないのですから、本当に中身のある会談ができていれば、こうして問題になる以前に川口氏本人が手柄話を一言一句、大宣伝したはずです。何の成果もなかったから、それができないのでしょう」(外交ジャーナリスト)
「国益」と言えば国民は納得する、だませると思うのはおごりだ。そんなに外交がしたいなら、解任される前に、委員長を辞職すればよかったんじゃないか。