米海洋大気局(NOAA)は10日、ハワイ島マウナロア観測所で測定している大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が、1958年の観測開始から初めて400ppm(1ppmは100万分の1)を超えたと発表した。産業革命前は280ppmと推定され、現在の濃度上昇率は半世紀前に比べて3倍になっている。NOAAは「温暖化が加速している」と警鐘を鳴らす。
CO2濃度は、周辺に工場などがあると高くなる。日本では常に世界平均を上回り、昨年、岩手県の観測地点で月平均値が初めて400ppmを超えた。これに対し、標高3397メートルにある同観測所は測定期間が最も長い上、産業活動などの影響を受けにくいため、地球の平均像を示す観測拠点となっている。
観測によると、先月から1日当たりの平均値が399ppmを超え、9日は400・03ppmに達した。国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」によると、400〜440ppmが継続すると、気温は2・4〜2・8度上昇すると予測している。
温暖化対策を巡る国際交渉では、猛暑や海面上昇を最小限に抑えるため、気温上昇を2度未満に抑えることを目指す。中沢高清・東北大名誉教授(気象学)は「すぐに大きな変化が表れるわけではないが、化石燃料の使い方を見直すなど対策を改めて考えるべきだ」と話す。【大場あい】
==============
■ことば
◇二酸化炭素(CO2)
地球温暖化を起こす温室効果ガスの一つ。太陽で暖められた地表面から放出された熱を吸収し、これまで地球の平均気温を約15度に保ってきた。しかし、化石燃料の消費に伴う人為的な排出が増え、大気中の濃度も急上昇。最近の気温上昇の最大原因とされている。
http://mainichi.jp/feature/news/20130511dde001040032000c.html
http://www.asyura2.com/09/nature4/msg/898.html