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2013.04.15 Business Journal
生活習慣病のリスクが高く、健康の大敵だとされているのが「肥満」です。
そのため、私たちはつい「太っていると早死にする」と思ってしまいますが、『早死にするデブ、しないデブ』(李漢栄/監修、食ナビ実行委員会/編、竹書房/刊)によると、一概にそうは言えず、“早死にするデブ”と“早死にしないデブ”がいるそう。
今回は本書の中から、あまり知られていない肥満の秘密を紹介します。
■早死にするデブ、しないデブ
本書では、「軽い肥満の人は標準体重の人より早死にしない」とするアメリカの調査報告を紹介しています。
これによるとBMI(体格指数)が25〜30の人は、標準(18.5〜25)の人よりも死亡リスクが6%ほど低いとのことで、軽度の“デブ”は長生きできることを示しています。
では“早死にするデブ”とはどんなデブなのでしょうか。
要注意なのは「内臓脂肪型のデブ」。体脂肪だけではなく、臓器にも脂肪がべったりとついている人を指します。
腕や脚はほっそりしていても内臓には脂肪がついてしまっている人もいるので、パッと見ただけではわからない場合も。これはCTスキャンやMRIで検査するとすぐにわかるので、気になる人は健康診断などの際にチェックしてみるといいでしょう。
■一日7000キロカロリー摂取しても太らない人々
ヨガの修行にバターと牛乳だけを摂取するというものがあります。
カロリーで見ると、実に1日7000kcal以上も摂取することになりますが、修行者は太ることなく、どんどんやせていきます。
意外なことですが、脂肪摂取量の多さが肥満につながるわけではありません。
血液中のグルコースに反応して、それを体脂肪に変えてしまうインスリンという物質がありますが、脂肪が体内に入った時はそのインスリンやインスリン様成長因子は分泌されないのです。
肥満を誘発するのは脂肪ではなく炭水化物。
炭水化物は、体内に入るとインスリンが分泌され、体脂肪に変わりやすいのです。
■アルコールは太らない、は本当か?
年末年始など、飲み会の多い時期は太りやすいといわれますが、実はお酒自体には太る要因はほとんどありません(ただし、ビールだけは飲みすぎると太ります)。
もちろんアルコールにもカロリーはありますが、タンパク質やビタミンなどの栄養分が含まれていないため、体内に吸収されません。この時期に太ってしまうのは、お酒と一緒に食べる“おつまみ”や“肴”のせいなのです。
ただし、何もつまみを食べずにお酒だけ飲めばいいかというと、そんなこともありません。空腹でアルコールを摂取すると肝臓を傷めやすくなりますので、枝豆や豆腐、納豆などの大豆製品や、野菜やキノコなど食物繊維の多いものをつまみながら飲むのが、太りにくい飲み方だといえます。
本書は、医療従事者の立場からダイエットの危険性を指摘し、太っていても健康で長生きするための方法を紹介しています。
肥満=悪ではありません。無理なダイエットに走るよりも、“早死にしないデブ”として楽しく健康に暮らすことを目指してみませんか?
(文=新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。