淡路島を襲った震度6弱の地震で倒れた寺院の塀。全国各地で再び大地震の悪夢が
列島再び地震頻発の恐怖 専門家「地下は大変動期、M6どこでも起こり得る」
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130415/dms1304151539005-n1.htm
2013.04.15 夕刊フジ
日本列島の地震活動が活発化している。13日早朝に兵庫県・淡路島を震度6弱の震動が襲い、14日には首都圏でも朝と夜に震度3−4の中規模な地震が連続して発生した。全国各地で頻発する不気味な揺れ。マグニチュード(M)9級の南海トラフ巨大地震の発生も懸念されるなか、阪神大震災の恐怖をよみがえらせた淡路の地震では、未知の断層が動いた可能性も浮上。専門家は「列島の地下が大変動期に入っている」とさらなる揺れの連鎖を警告している。
淡路の地震の恐怖も冷めやらぬなか、先週末には各地で地震が頻発した。
14日午後10時25分ごろ、福島県で震度4の地震があった。気象庁によると、震源地は福島県沖で、震源の深さは約50キロ。地震の規模はM5・2と推定され、東京都内でも震度2を記録した。
これに先立つ同日午前10時22分ごろには、関東地方の茨城、栃木、埼玉、神奈川で震度3の地震が発生。気象庁は、震源地を埼玉県北部、震源の深さは約100キロとしており、地震の規模はM4・7と推定される。
いずれも大きな被害は報告されていないが、不安は広がる。その前日、淡路島で1995年の阪神大震災をほうふつさせる推定M6・3の大地震があったばかりだからだ。「発生時間帯も『阪神−』とほとんど同じ。震源も近かったことから、あの日の悪夢を思い出した人も多かった」(地元住民)
今回の地震を引き起こした断層の北側には、阪神大震災を引き起こした野島断層がある。
政府の地震調査委員会は、「今回の地震は阪神大震災によってもたらされた応力分布の変化で起きた可能性もある」とし、両者に何らかの関連があるとの見方で一致。ただ、今回動いたのは「未知の断層である可能性が高い」とも指摘している。
調査委によると、地震を引き起こした断層は地層が上下方向にずれる逆断層で、南北方向に長さ10キロ程度延びているという。震源は深さ約15キロで、これまでのところ地表では痕跡は確認されていない。地震の規模がM6・8程度以下だと、動いた断層の痕跡が地表に現れない場合があるという。
南には、政府がM6・6程度の地震を引き起こす活断層としてこれまでも警戒してきた先山断層帯が隣接している。しかし今回の地震との関係は不明としている。
全国各地で地震が相次ぐ原因は何か。
地震学者は、「東日本大震災以降、日本近辺の地下は大変動期に入ったとみられる。エネルギーが蓄積され、M6程度の地震はどこでも起こり得る不安定な状況になっている」と指摘している。
懸念されるのは、M9級の南海トラフ巨大地震との関連。調査委は「今回の地震だけで切迫度を議論するのは難しい」と即断は避けているが、不安は消えない。