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2013/4/11 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
本当の力は大してないくせに脅しと撹乱作戦で何とか認めてもらおうと児戯の繰り返し
まったく厄介な国だ。また北朝鮮が挑発をエスカレートさせている。
「撃つぞ、撃つぞ」と、グアムまで届く中距離弾道ミサイル「ムスダン」をぶっ放す構えを世界中に見せつけている。
在ピョンヤンの各国外交官に「われわれは戦争に対応する準備はできている」と通告し、「4月10日以降の安全は保障できない」と退去を促した。実際、いつでも「ムスダン」を撃てる態勢らしい。もし「ムスダン」を発射したら、グアムまで届くだけに、アメリカも黙っていないだろう。
「戦争前夜」の危機を煽っている北朝鮮の狙いは、ハッキリしている。
「狙いは、アメリカの関心を引くことに尽きます。金正恩の本音は、アメリカに独裁体制を保障してもらいたい、です。なんとか、直接交渉のテーブルにアメリカを引っ張り出したい。戦争など望んでいないし、戦争をしたら体制が崩壊することは分かっている。アメリカのプロバスケ選手にも『戦争はしたくない』と吐露しています。ところが、オバマ大統領は北朝鮮の思惑を見透かして相手にもしない。それで、ますます、脅威を強めているのです」(元韓国国防省分析官で、拓大客員研究員の高永チョル氏)
要するに、母親に構ってもらえない幼児が駄々をこねているようなものだ。
◆橋下徹の正体が分かった「桜宮高校」への対応
本当は大した力もないくせに、相手を脅し、揺さぶることで存在を認めさせようとする――。
つくづく思うのは、北朝鮮の手口と、大阪の橋下徹市長(43)のヤリ口は、よく似ているということだ。
つい最近も、橋下市長は「口を出すなというなら、どうぞお好きにやって下さい」と、日銀総裁人事で自分に従わない「維新の会」の国会議員団に怒りを爆発させ、謝罪させている。
橋下市長はどんな男なのか。よく分かるのが、大阪市立「桜宮高校」の生徒が体罰を受けた翌日に自殺した時の対応ぶりだ。当初、橋下市長は〈試合中にビンタすることはある〉と体罰を容認していた。ところが、世間が体罰に批判的だと分かった途端、態度を一変。学校や教育委員会に対する攻撃をエスカレートさせていった。
「桜宮高校」の全職員70人の総入れ替えを要求し、廃校もあるとまくし立て、とうとう入試中止を決定してしまった。
そこには教育に対する理念のカケラもない。すべて政治的なパフォーマンスのためだ。
「橋下市長の手法は、まず極端なことをブチ上げて、存在を誇示するというものです。政治的なパフォーマンスは派手な方がいいから、どうしても極端になる。それで世間の注目を集めたら、少しずつハードルを下げていくというパターンです。しかも、批判を浴びると『嫌だったら選挙で落とせばいい』と開き直る。まったく幼児性が抜けていません」(政治評論家・本澤二郎氏)
◆「改憲」で政界を揺さぶる
相手を揺さぶることで、自分の存在を認めさせるという手法も、北朝鮮と橋下市長はよく似ている。橋下市長が「改憲」を強く打ち出しはじめたのも、政界を揺さぶるためだ。
「橋下代表が〈参院選で憲法改正は大きなテーマになる〉〈改憲勢力を3分の2にしたい〉と言い出したことで、政界は大きく揺さぶられ始めています。改憲が一大テーマになったら、自民も、民主も割れ、政界再編が起こる可能性がある。護憲政党の公明党が“連立政権”から離脱し、自民党は維新と連立するという選択肢も出てくるでしょう。橋下市長が投げた“改憲”というボールはクセ球ですよ。維新の会は、衆院で54議席という弱小野党なのに、一気に主導権を握る可能性が生まれています」(自民党関係者)
政治評論家の山口朝雄氏はこう言う。
「いま橋下市長は、このままでは自分の影響力はなくなってしまう、と強い危機感を持っているはずです。総選挙で54議席は確保したが、自民党が300議席という圧勝をしたため埋没してしまった。まったく国政で影響力を発揮できない状況です。7月の参院選も苦しい。週刊朝日に『賞味期限切れで焦る橋下市長』とバカにされて、〈民事、刑事の法的手段を取る〉とブチ切れたのも、痛いところを突かれたからです。北朝鮮ではないが、橋下市長は、生き残るためには、どんな手法でも使わざるを得ないのでしょう」
偶然なのか、マネをしたのか知らないが、北朝鮮と橋下市長の手口は、見れば見るほどよく似ているのだ。
◆安倍-橋下コンビが改憲する最悪事態
本当は大した力もないのだから、橋下市長のような男は相手にしないのに限る。最近はテレビで取り上げても視聴率が低いそうだ。
なのに、安倍首相は、9日も官邸で30分間、会談し「大阪を良くするために頑張ってください」とエールを送っている。橋下市長と会談するのは、今年に入って2度目だ。相手にすればするほど、自民党政権を揺さぶりかねないのに、大事にしているのは、よほど気が合うのだろう。安倍首相も同じレベルということだ。
それにしても、チンピラのような橋下市長に首長のイスを与えた有権者や、持ち上げてきた大手メディアの責任は重いというしかない。
「橋下市長は原発問題でも“脱原発”から“原発容認”へ発言が大きくブレている。言動が二転三転するのは、教育問題にしても、原発問題にしても、哲学がないからでしょう。テレビ芸人のように、その瞬間、何が受けるかを最優先している。だからか、橋下府政、橋下市政によって、大阪府民、大阪市民の生活が見違えるほど良くなったという話も聞かない。大新聞テレビは、橋下市長の本質をきちんと伝えるべきですよ。とくに、安倍首相と橋下市長がタッグを組んで憲法を変えたら、日本がどうなるのか、真相を報じるべきです」(本澤二郎氏=前出)
それでなくても、いま日本は「異次元の金融緩和」という実験によって、ガタガタになりかねない状況である。安倍―橋下コンビにメチャクチャな「改憲」をやられたら、地獄へ一直線である。