「、世界保健機関(WHO)、国際原子力機関(IAEA)、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)などもチェルノブイリ事故で影響を受けたベラルーシ、ロシアやウクライナの人々の20年間の調査結果を取りまとめています。また、現在も継続して調査が進められています。
これらの報告書によると、子どもたちの急性障害(皮下出血、めまいなど)についての報告はありません。」
専門家が答える 暮らしの放射線Q&Aから
http://radi-info.com/index.html@p=3201.html
千葉県在住 30代 専業主婦 女性 の方からいただいたご質問
「チェルノブイリへのかけはし」という団体の野呂代表の公式ホームページでは、この関東圏の放射線量では鼻血以外にもいろいろな症状が将来にわたって出る、0.07マイクロで鼻血が出る、それは25年間ベラルーシの子供たちを見て分かっていると書いてあります。ここのサイトとはまったく違う見解で書かれていてこちらの専門の先生方とこのような25年間チェルノブイリを体験してきた方のどちらを信じていいのか分からず不安を感じずにはいられません。
このようなサイトがあることをご存じでしょうか。そしてどのように思われますか。
回答掲載日:2012年1月12日
このようなサイトがあることを回答者は知っています。
それについて説明致します。少し長くなりますが、お読みください。
0.07μSvという空間線量率が継続したとして、これを年間の被ばく線量に換算しますと0.6mSv/yとなります。この値は直ちに健康に影響を与えるものではありません。また自然放射線による年間被ばく量の世界平均は2.4mSv/yです。日本平均では1.5mSv/y、またブラジル等では10mSv/yを超える地域もあります。
また、飛行機に乗るなど高度が上昇すると、宇宙線と呼ばれる宇宙から降り注ぐ放射線によって被ばくしますが、例えば東京-NY間を飛行機で往復する間に0.1mSv被ばくすると言われています(参考:放医研HP 放射線影響早見図 http://www.nirs.go.jp/data/pdf/hayamizu/j/0407-hi.pdf )。このような自然放射線が鼻血などの原因とは考えられていません。
放射線被ばくによる紅斑(毛細血管拡張)が発症するのは、1回に受ける放射線量が3〜6Gy(GyはSvと同じと考えてください。)のときと言われています。また、放射線影響研究所のHPに記載があるように、原爆被爆者の皮下出血といった急性放射線症についても同程度の線量で、被ばく後数日から数週間におけて起こったということです。これらのことから、0.6mSv/yという僅かな被ばく量の増加で、子どもの鼻血が増加するということはないと思います。
ベラルーシの子どもたちが鼻血を出したという事例の数やその期間等、数値的な情報がわからない以上、回答者は本当に鼻血を出す子どもが増えているのかを判断することはできません。
「チェルノブイリへのかけはし」で述べられていることについて是非を判断することはできませんが、世界保健機関(WHO)、国際原子力機関(IAEA)、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)などもチェルノブイリ事故で影響を受けたベラルーシ、ロシアやウクライナの人々の20年間の調査結果を取りまとめています。また、現在も継続して調査が進められています。
これらの報告書によると、子どもたちの急性障害(皮下出血、めまいなど)についての報告はありません。また、放射線被ばくしてから2から5年後に白血病がする可能性があり、白血病になると血小板が減り、青あざができやすくなる、鼻血等の出血が認められるといった症状が出ます。しかし現在のところチェルノブイリ事故で被ばくした人のうち、放射線による白血病の発症が認められているのは、高い線量を受けた事故処理作業員のみです。
放射線影響研究所, 急性放射線症:http://www.rerf.or.jp/radefx/early/acute.html
UNSCEAR, UNSCEAR 2008 Report of the General Assembly with with Scientific Annexs:http://www.unscear.org/docs/reports/2008/09-86753_Report_2008_GA_Report_corr2.pdf
世界保機関(WHO), チェルノブイリ事故の健康影響, 概要(ファクトシート)(2006年4月)(和訳): http://www.nihs.go.jp/hse/c-hazard/npp-ac/WHOFS_Chernobyl_200604.pdf
国立がんセンター、がん対策情報センター、白血病の診断と治療:http://ganjoho.jp/public/cancer/data/leukemia_basis.html
<参考リンク>
◆波動の力で放射能の負のエネルギーを原子転換!
http://joy-healing.jp/readings/special/20.html
野呂
・・・波動が高いものだと、放射能の負のエネルギーを原子転換させることができるようなんです。EM菌を発見・普及されている比嘉先生は「放射能のような強いエネルギーの中で増殖する微生物がある」とおっしゃっていました。実際、ベラルーシで比嘉先生のEMXを使いましたが、効果があったんですよ。
中西
え!EMで効果があったんですか?
野呂
汚染地でEMX を飲んで、体内の放射能値がゼロになった人もいます。かなり放射能汚染のひどいところにEM菌を撒いて2、3年後に計測したら、蒔いたところだけ放射能反応が感知されませんでした・・・・
(対談:野呂美加さん×中西研二 | NPO法人JOYヒーリングの会
http://joy-healing.jp/readings/special/20.html)
⇒この水は、「チェルノブイリのかけはし」のサイトや野呂さんの講演会でも宣伝しており、中西さんが関連するVOICEというヒーリンググッズのサイト(http://www.voice-inc.co.jp/)で販売しています!
◆EM菌による放射能除染は詐欺モドキのオカルト(大槻義彦のページ)
http://ohtsuki-yoshihiko.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/em-24f4.html
実におどろくべき『科学たわごと』です。EM菌とやらが放射性セシウムを除染するというのです。そのことを主張し、実際に福島で除染している張本人はれっきとした国立大学の名誉教授だというのですからあきれた話です。フジテレビのニュース番組に出演してこのような除染の批判をしてほしいという話がありました。
細菌、ウィールスの類がどんなにあがいてもセシウムの原子核を壊変して放射能を出さない核種にすることはありません。細菌、ウィールスなどの生化学反応は0.1eV(電子ボルト)とか0.01e1Vとかですから、原子核壊変に必要なエネルギー1MeV(メガ電子ボルト=1000キロ電子ボルト)から10MeVに比較してあまりにも小さいエネルギーです。
もし、もしもです、仮に、本当にEM菌が原子核壊変を起こすほどのエネルギーを出せるのなら、これは大変です!つまりこのEM菌とやらで原子爆弾も作れることになりますから!EM菌による除染とやらがいかにばかばかしいかお分かりでしょう。
フジテレビはこれら除染詐欺師の『データ』をもってきました。ある場所で放射能が強かったのに、日を経るごとにEM菌のはたらきでその線量が下がって行く、というデータでした。笑わせるな!放射能汚染は場所によってばらつきがあります。私も実際福島県、栃木県北部、宮城県南部でたくさんの測定をしました。場所によっては当初平均の10倍の数値を示す場所はざらにあります。ところがこの場所での線量も次第に減少することが多いのです。それは放射性の埃、ごみ、付着土砂などは拡散して均等化します。この拡散の効果で強い線量は次第に減少します。
地元の皆様、この種の科学詐欺に騙されないようにお願いします。