http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MKROP56JIJV501.html
4月5日(ブルームバーグ):資産家で著名投資家のジョージ・ソロス氏は5日、デフレ脱却に向けた日本銀行の政策が円の一斉売りをもたらすリスクを指摘した。パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のビル・グロース氏に続いて黒田東彦新総裁の下での日銀の政策に警鐘を鳴らした。
ソロス氏は経済専門局CNBCとのインタビューで、「実際すでに起きていることだが、円が下落し始めれば、日本国民は円が下がり続ける可能性が高いと気付き、自分たちの資金を海外に移そうとするだろう。そうすれば、円は雪崩を打って下落する可能性がある」と語った。
グロース氏は4日に、黒田日銀総裁が目指す2%のインフレ率を達成するには円が現在よりもはるかに大幅に下落することが必要だと指摘した。
日銀は4日、2%のインフレ目標達成の期限を2年とし、これに向け毎月の国債購入額を7兆円強とする策を打ち出した。円はこの6カ月ですでに約18%下落している。
ソロス氏は日銀の政策について、「彼らがやっていることで何かが起こり始めれば、彼らはそれを止めることができないかもしれない」と述べた。
また、グロース氏は主要7カ国(G7)が自国通貨の上昇ペースを抑えるために日本に円下落のペース調整を求める可能性があるとの見方も示した。同氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、日本のインフレ率が「2%に近づくためだけでも、はるかに大幅な円の下落が必要だ」として、「G7がこれを容認することは疑わしい。ある程度コントロールすることが必要だろう」と語っていた。
◆「黒田にそんなガッツがあるとは誰も信じなかった」ジョージ・ソロス・・米ドルと日本円のデキレース!
http://markethack.net/archives/51869882.html
CNBCがジョージ・ソロスにインタビューしています。今、日本に起きていることを世界的な視点から理解する上で重要な、そして我々個人が今度、どう行動すべきかに関して示唆に富む発言なので、抄訳しておきます。
円をショートして10億ドル儲けたそうだが。今でもショートしているのか? 日銀を破産させる気か?
日銀は投資家が円をショートすることを演出していると思う。
黒田総裁の采配をどう思う? 日本がついに25年間の眠りから覚め、切り詰めと不況から脱却しようとしているが。まるで突然、朝が来たような塩梅だが、あなたはこれを信じるか?
これはセンセーションだ。金融政策のタブーを打ち破っている。これは凄い大胆なことで、最近、アイネットに参加したターナーも昨夜のスピーチで語ったことだがとても果敢な試みだ。ターナーはFSAとESIを切り盛りしているがこの問題に関して彼は最もオリジナルな考え方を持つ人なので、アイネットに彼が参画したことを嬉しく思っている。彼の昨夜のスピーチがこの問題に関しての理論的な基礎を提供していると思う。それを見ると日本が今やろうとしていることがわかる。ひとつのやり方は国債を市場で購入することで債券の流通残高を増やさずに経済に刺激を与えるというものだ。片方で国債をイシューしておいて、もう片方でそれを買うので、政府が中央銀行を牛耳っているのと同じだ。この方法で景気が刺激できるのなら、活用されていないリソースを使うことになるので景気は拡大する。
でもそのためには皆が参加しなければいけないですよね? 若し人々がタタミの下にキャッシュを貯め込み続ければ、この試みは成功しない。
それはそうだ。だからこそ、何かドラマチックなことを打ち出して、庶民が無視できないような事を引き起こす必要があるのだ。実際、日本人は活性化されている。日本に行くと、人々は興奮している。なぜなら過去25年間、日本は緩慢な死への道を辿ってきたからだ。いま、日本はそれから覚めた。面白いのは今、欧州は日本を緩慢な死へ追いやったような政策を、いま採用しようとしている点だ。
懸念は無いのか? 本来中央銀行というのはセクシーな仕事ではないわけで、今ほど連日、中銀のことを頻繁に議論することは過去に無かった。皆が「ヘリコプター・ベン」になろうとしている。これを不安に思わないか?
もちろん不安だ。ターナーが昨夜説明したように(彼のスピーチはネットにUPされているので視聴できるが)日本の「緩慢な死」は、避けることができたミスだった。日本は自分で自分のことを痛み付けたのだ。今、欧州が採用している切り詰め策も、自ら自分を痛めつけるような政策だ。マクロ経済学の任務とは、避けられるミスを避けるということだ。これを理解しないと何百万人という庶民の生活に影響が出る。
避けられることが出来たミスとは何か?
活用されていないリソースに注目すべきだ。レバレッジを落とす過程で、デフレが生じると、それは失業を招く。そして資本も活用されない。人々はリスク回避姿勢になり、キャッシュを貯め込む。量的緩和政策や財政政策でそれらを是正することはできる。
ドイツが中心となって進められている欧州の切り詰め策にあなたは批判的だか。
火曜日の夜、フランクフルトでスピーチする。そこでどうすればよいかについて喋る。それは実際のところ今、日本で採られている政策に近い。ただ今日本がやろうとしている政策は、結構リスクも伴うものだ。なぜなら日本は過去25年間、なにもせず赤字を積み上げてきたので、もし新しいことを今はじめたら、それをはじめることはできるけど、ストップさせることは出来ないかもしれないからだ。若し円がどんどん円安になると、日本人は円安が今後も続くと信じるかも知れない。すると海外投資を増やしたいと考えるだろう。するといままでチョロチョロした円の減価が、とつぜん雪崩のようなことになるリスクもある。だから一度スタートしたことは、ストップできないかも知れないのだ。
あなたは円の暴落の可能性を言っているのか?
★資本逃避だ。人々が海外にお金を避難させる。たとえば米国財務省証券とかね。日本がデフレだったときはJGBの金利が1%でも実際には物価は下がったので実質ベースでは3%くらいの利回りになる計算だった。でも若し円が5%減価するとしたまえ。すると利回りが0.5%しかなければ、一年に4.5%近く損することになる。だから損を避けるために米国財務省証券にシフトするわけだ。
去年に比べれば為替が動いたので、もう同じ購買力はないですよね?
まだ始まって三ヶ月程度だ。それに黒田総裁にそんなガッツがあるなんて、誰も思わなかった。あんなにアグレッシブだとは思わなかった。日本の量的緩和は米国と同じ規模だけど、日本経済はそもそも米国の経済の3分の1のサイズだから、緩和は3倍パワフルだ。
あなたは日本のポジションは10%程度だそうですが?
今は運用にはタッチしていない。だからファンドの担当者が今後どうするかはわからない。
ミャンマーの通信会社に投資しているらしいが?
普及率は7%に過ぎない。今後、セル・タワーをどんどん立てる必要がある。先行投資が必要だ。ミャンマーは正しい路線を歩んでいる。
中国は?
中国は世界で最もダイナミックな国だ。ただ成長のモデルを変更する必要がある。いま彼らはそれをやっている。もちろん問題も多い。中国が不動産バブルになっていることは誰もが知っている。それは冷やしてやる必要がある。しかし政府はそのことを良く分かっているし、方策もある。だからクラッシュは起きないだろう。
欧州は?
残念ながら欧州の方向性は間違っている。日本と比べてみたまえ。日本は、過去25年やってきた「緩慢な死」からなんとか抜け出そうとしているのに、欧州はその日本とは正反対の方向を歩んでいる。
◆とうとう外貨準備高も減少へ(2000年度以降で初)・・キプロスの悪夢?外国送金を規制するリスクも!
http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/
財務省が発表しました3月年度末の外貨準備高は1兆2543億5600万ドル(118兆円)となり、一年前に比べ343億ドル(3兆4000億円)減少しています。
ただ、6ヶ月連続で減少を続けており、今回の日銀の暴走で、外国人が一斉に『円は不安だからドルで返してくれ』となった場合、外国人は日本国債を100兆円余り保有しており、株保有の分等も入れますと、日本の外貨準備高は一瞬にして「消滅」することになります。
財政赤字・貿易赤字・経常赤字に続き、外貨準備高も激減するとなりますと、キプロスと同じように外国への持ち出し制限1,000ドルという事態もあり得ますし、外国送金を規制するリスクも出てきます。
関連メモ:(金の正夢)
★ 円建て金価格は200円の急騰で5000円台を回復した。
(http://gold.tanaka.co.jp/commodity/souba/index.php)
★「金は実物資産であり、お札のように、刷れないもの。その相対的価値は、否が応でも増すばかりといえる。ただし、そのことに市場が気付くには時間が必要だ。インフレなり新たな資産バブルと目されるものの発生が、“気付き”を促すと思われる」(http://blog.goo.ne.jp/msi021112/e/66734c2f2e9a3320a447d583ccad4e9e)
★ 総じて、3日のニューヨーク市場のトリプル安は、黒田日銀のいっそうの「大胆」な「異次元」緩和・・グローバルな「追い風」となりそうだ。
なお、金プラチナ価格が1550ドル台、1530ドル台とそれぞれ急落している。
ドル高、株高でマネーが金プラチナから流出状態だ。
1500ドル前後まで下値模索が考えられるが・・円高で円建て金価格が下がれば、買いの局面だと思う。
(http://www.mmc.co.jp/gold/market/toshima_t/2013/1387.html)