株式日記と経済展望
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宗主国(米国)は保護国(韓国)の心情に思いが至らない。
「韓国が米国を裏切って中共側につく」などとは毛頭考えていない。
2013年3月24日 日曜日
◆習近平の「富国強兵策」で、東ユーラシアは戦国時代に突入。流行語大賞は「弱肉強食」「富国強兵」「権謀術数」「合従連衡」の四字か? 3月23日 じじ放談
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中国(中共)が描いていたベストシナリオは「米国をアジアから排斥し、中国が主導する東アジア経済圏の構築」であった。菅・野田民主党政権時代、中共中央はさまざまなルートを使って対日政治工作(反TPP)を仕掛けた。中共中央が下した対日政治工作は「日中韓FTAを加速させること」「日本政府のTPP加盟協議入りを断固阻止せよ」「野田内閣がTPP加盟協議入りを強行するようであれば、野田内閣を退陣に追い込むべし」ということであったはずだ。民主党野田内閣(当時)は、米国の督促と中共の妨害工作の狭間で身動きできず切羽詰まった。結果、民主党の誰も希望しない「衆院解散」に追い込まれてしまった。窮鼠(野田総理)が猫(民主党)を噛んだ瞬間だ。
(日中韓FTA交渉とTPP加盟協議の関係)
3月15日、安倍総理が「TPP加盟協議入り」を表明したことで、中共中央は「TPP協議が妥結する前に中日韓FTAを妥結させなければならない」に戦術を転換。中共中央は「自由貿易圏から排除されるのではないか」との不安で夜も眠れない。
安倍内閣は「内閣の総力を上げてTPP交渉に臨む」と決定したから、事実上「日中韓FTA交渉は事務方任せ」となる。安倍内閣は「日中韓FTAの協議が進展している雰囲気を醸成し「対米交渉の切り札」として使う。「米国さん。そんな無理筋を押し付けるのであれば、我が国は、日中韓FTAを先行させてもよいのですよ。それでも良いのですか?」と脅す。かくして日米折衝は「双方痛み分け」で一件落着。
安倍首相は「日米が作る新たな経済秩序はTPPにとどまらず、その先のもっと大きなAPECの発展版アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)のルール作りのたたき台になる」(と考えている)。安倍首相は中国を意識し、米国に接近する。アジア市場を狙う米中に一歩も引かないしたたかさが問われる(以上、21日付け日本経済新聞より抜粋)
米国と中共の利益が相反する経済連携協定(縄張り)の狭間にあって、漁夫の利を得た安倍総理は「日米共同のルール作り」を提起した。
韓国経済は中華経済圏の格下のメンバーとなった。韓国の保守政権は安全保障では米国に依存、経済は中共に依存するという股裂き状態にある。韓国では国民の不満を緩和すべく、財閥規制を強化し、格差の是正を図る政治が求められている。一方、米国が要請する「TPP加盟」に応じたならば北京が激怒し、北京の希望に沿う政策を追求すれば米国が怒り狂う。加えて、親米派と親中共派の対立で、韓国の政局はさらに混乱し収拾がつかなくなる。
右足を米国の縄で、左足を中共の縄で縛られ双方から引っぱられる「股裂きの刑」だ。これが日和見主義国家の宿命(さだめ)なのだ。かくして韓国経済は100年以上前の李氏朝鮮時代に逆戻りし、南北朝鮮(韓国)の経済格差が解消する。円滑な民族統一が進む。(中略)
習近平がいう「中国の核心的利益」が、台湾の国家承認問題、チベット・ウイグル・内モンゴル問題、尖閣諸島の領有権問題、南シナ海の南沙諸島、西沙諸島の領有権問題であることはいうまでもない。そういえば、メドベージェフが北方四島を視察した時期に合せて、中共が尖閣諸島の我が領海内で騒動を起こし、韓国李明博大統領が竹島を訪問してテレビで宣伝した。当時から指摘されていたように、中共・韓国・ロシアが共同謀議して行ったことが明白になった。(北朝鮮風にいうと)「李明博は反日・親中共の賊徒」になった。
プーチンのロシアは、習近平訪露に合せて、わざわざ、ロシア太平洋艦隊隷下の駆逐艦等をベトナム中部のカムラン湾に寄港させる。カムラン湾は中越紛争の現場である南シナ海南沙諸島、西沙諸島を臨む軍港だ。近年、ベトナムは中共海軍を牽制するために、カムラン湾に米太平洋艦隊隷下の軍艦、インド海軍の軍艦を寄港させている。ベトナム単独では勝ち目がないから、米・印・露との連携を深め中共海軍に対峙する構えだ。
プーチンはあえて中共の嫌がる行為(中国の核心的利益を損なう行為)を演出した。「ロシアは中国の同盟国ではないのだから、そんなに当てにしてもらっても困る」というメッセージだ。4月下旬、安倍総理との首脳会談を控えているから、プーチンもいろんな選択肢を残しておきたいのだろう。
なお、ベトナム戦争直後、ケ小平の中共軍数十万人がベトナム領に侵攻したとき、ソ連邦(ロシア)はベトナムを支援し軍事物資等を供与した。また、ベトナムはロシアから通常型潜水艦6隻を購入する予定で、本年から引渡し(要員の訓練を含む)が始まる。(中略)
4.北朝鮮、韓国、そしてベトナムの安全保障戦略
(1)北朝鮮(高句麗・渤海の末裔)
国連安保理の経済制裁、日米韓の経済封鎖、中共の軍事的圧力の中で独立独歩「核保有国めざしてまっしぐら」というのも、大した根性だといわねばならない。「餓死しても核は手放さない」という訳なのだ。もっとも、中共が細々と供与してきた食料・燃料等が途絶えると北朝鮮は数か月でお陀仏。
北朝鮮は自らの国力(経済)を勘案せず、闇雲に核兵器とミサイル開発に注力した。結果、国民多数が餓死するというこの世の地獄が出現。根性だけでは飯は食えないし、国民を養うことはできない。隋の煬帝軍100万を打ち破った高句麗の末裔とはいえ、いかにも無謀、現実吟味力を失った哀れな姿だ。北朝鮮有事も遠くはない。
(2)韓国(新羅の末裔)
韓国は米国の軍事力で保護されながら、堂々と中共と手を結ぶ厚かましさだ。中共中央は北朝鮮指導部を見捨てたのか、あるいは韓国のTPP加盟を阻止する狙いか、あるいは両方か、は不明であるが、「韓国を懐柔し陣営に取り込む」ことに専念し、甘言をもって韓国に急速接近中。「もうひと押しで韓国は落ちる」と考えている様子だ。
宗主国(米国)は保護国(韓国)の心情に思いが至らない。「韓国が米国を裏切って中共側につく」などとは毛頭考えていない。米国が「TPPに加盟せよ」といえば、韓国は即座に「イエス・サー」と答えるものと考える。米国にとって韓国は「従順な優等生」だが、日本は「反抗だけは一人前の落第生」と評価しているはずだ。米国は韓国にさまざまな恩典を与えてきた。「核の傘」「外交通商相を国連事務総長に」「韓国系米国人を世界銀行総裁に」「米韓FTAの締結」等、至れり尽くせりの便宜を図ってやったと考えている。感謝はされても、「飼い犬(韓国)に足を噛まれることがある」とは想定していない。(後略)
(私のコメント)
昨日はヨーロッパ情勢を書きましたが、今日は東アジア情勢に目を向けてみたいと思います。ヨーロッパも東アジアも、アメリカの後退とドイツの台頭と中国の台頭が当面の課題になります。アメリカはEUの解体と(アメリカ抜きの)東アジア共同体の妨害工作を行なっている。中国はアメリカを追い抜く勢いで東アジア共同体を目指している。
ASEAN+3がその第一歩ですが、中国にとって韓国は取り込めても日本を取り込むことは難しいだろう。それに対抗してオバマ大統領はTPPの日本参加を求めてきましたが、日本が東アジア共同体に加わるか、TPPに加わるかで東アジアの情勢は大きく変わってくる。「株式日記」のコメント欄には連日のようにTPPに関するコメントが貼り付けられていますが、アメリカがあまりにも理不尽な要求を突きつけてきたら東アジア共同体の方に動くフェイントをかませばいい。
世界第一位のアメリカと、世界第二位の中国との間で、世界第三位の日本がどちらに付くかは大きな駆け引きになる。しかしアメリカは一時は中国と手を組んでG2を世界戦略としようとしましたが、これは中国以外の国を全て敵に回しかねない戦略だ。日本も鳩山政権が誕生してアメリカ離れを模索した。米中のG2戦略とは日本封じ込め戦略であり、中国はアメリカの資本と技術で日本を追い越す経済大国となった。
クリントン大統領やオバマ大統領がG2戦略を進めたのは、中国が経済的に豊かになれば民主的な巨大市場になると思ったからでしょうが、中国は軍事増強して軍事力でアメリカに対抗しようと言う野心を現して来た。それが南シナ海や東シナ海での領海を拡大する動きですが、海軍力の増強で太平洋を東西に分割する協定まで持ち出した。
アメリカの東アジア政策は、不可解なものが多く中国との戦略的互恵関係は、物作りは中国に任せて金融立国で世界戦略を行使して行こうとしたものだ。しかし物作りを放棄した賭博経済は外れれば取り返しのつかないことになる。キプロスもタックスヘイブンとなって金融立国となりましたが、このような金融立国戦略は一度破綻したら何もかも失ってしまう。
オバマ大統領は製造業の復権を目指していますが、中国に行ってしまった製造業を呼び戻さなければなりません。中国も技術の習得が終われば外資の追い出しにかかってくるだろう。日本企業も反日運動の成果で賃上げストライキが相次いでコスト高になって来ている。日本はチャイナ+1でアジアシフトが進んで来ていますが、いつかが中国のバブルは弾けるだろう。
中国にしても韓国にしても日本を敵にすることでアメリカと組めると思っている。90年代はそれで成功して来た。第一次安倍内閣も「戦後レジームからの脱却」でアメリカを怒らせてしまったようだ。だから韓国は「従軍慰安婦」でアメリカで運動を働きかけている。アメリカにとっても日本は侵略戦争をした犯罪国家であり、日本の帝国主義からアジアから開放したと言うプロパガンダは捨てられない。
日本は中国や韓国から持ち出される歴史問題に対して十分な反論をしようとはせず、東京裁判史観を受け入れてきた。小泉総理は靖国神社参拝を止めなかった事からアメリカ議会での演説は拒否された。このように中国や韓国は歴史問題を持ち出せばアメリカは中韓に味方してくれると計算している。今まではそれで上手くいってきたからだ。
アメリカの北朝鮮に対する政策も不可解なものであり、核を開発しようがミサイルを開発しようがテロリストに渡らなければいいといった曖昧なものであり、中国に北朝鮮を任せてしまった。中国は表では反対しながらも、北朝鮮にアメリカまで届くミサイルと核爆弾を持たせてしまった。移動式のミサイル発射台も中国から持ち込まれたものだ。アメリカはそれに気がつくのが遅すぎた。
じじ放談のブログでも、『米国は韓国にさまざまな恩典を与えてきた。「核の傘」「外交通商相を国連事務総長に」「韓国系米国人を世界銀行総裁に」「米韓FTAの締結」等、至れり尽くせりの便宜を図ってやったと考えている。感謝はされても、「飼い犬(韓国)に足を噛まれることがある」とは想定していない。』と指摘していますが、アメリカ人にはなかなかそれが分からない。