サイバーテロ:放送通信委が訂正「農協への攻撃は内部から」
テレビ局への攻撃は海外から、農協の不正プログラムは内部で拡散
今月20日に韓国の主要放送局と金融機関のイントラネットが一斉にダウンした問題で、農協のネットワークをまひさせた不正プログラムは、中国ではなく農協内部のコンピューターからばらまかれていたことが確認された。だが、これは攻撃の経由地が韓国の農協と判明しただけであり、韓国国内のハッカーによる犯行と断定することはできない。官・民・軍の合同対応チームは今なお、北朝鮮のハッカー組織が外部から農協を経由して大規模なハッカー攻撃を行ったとみている。
韓国放送通信委員会は22日、ソウル市内の庁舎で記者会見を行い「当初は中国のIPアドレスがハッキングに利用されたとみられていたが、アドレスを詳しく分析した結果、中国のものではなく農協職員が社内で利用しているIPアドレスだったことが確認された」と発表を訂正した。IPアドレスとは、インターネットに接続しているコンピューターなどに割り当てられた個別の識別番号だ。
放送通信委は21日、農協のネットワークが中国のIPアドレス経由で攻撃され、アップデートサーバーに不正プログラムが仕込まれたとの調査結果を発表。韓国政府がわずか1日で発表内容を訂正したのは、国際機関公認の中国のIPアドレスと、農協が使用している私設のIPアドレスが同一で、調査の過程で誤認したからという。政府の合同対応チームが農協のシステムから発見したというIPアドレス(101.106.26.105)は、中国が所有する国際機関公認のIPアドレスだった。
一般企業は社内イントラネットの各機器に、任意の数字からなる私設IPアドレスを付与している。放送通信委ネットワーク保護チームのイ・スンウォン・チーム長は「偶然にも中国に割り当てられた国際公認IPアドレスと、農協が付与した私設IPアドレスが同一だった。私設IPアドレスを付与する際にも国際的な基準があるが、農協はこの基準を守っていなかったため、(調査の過程で)誤解が生じた」と説明した。政府は依然として、攻撃の起点を海外とみて捜査を続けている。放送通信委の関係者は「被害を受けた機関のうちMBC、YTN(いずれもテレビ局)のイントラネットからは、海外のIPアドレスが発見された。ほかの機関については調査中」と語った。
朴淳燦(パク・スンチャン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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