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2013/3/19 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
いまや大手メディアは「TPP推進」の大合唱である。TPP参加を望む大手企業が広告主では反対できないのだろう。原発推進の時とまったく同じ構図だ。
大手メディアは、日本はTPP交渉に参加してルール作りに関与すべきだというが、本気でそう思っているのだろうか? 日本がTPP交渉に参加できるのは、早くても3カ月後。アメリカ議会の承認を得るのに少なくとも90日間かかり、その間は協定草案を見ることさえできない。しかも草案は2000ページともいわれ、読むだけで大変な作業だ。
一方、TPPは年内決着を目指しており、日本がルール作りに関わる時間はほとんど残っていない。あとからTPP交渉に参加したメキシコやカナダは、これまでに決まったルールを無条件で受け入れ、再協議もできないという念書を取られている。日本も事実上、同じ状況にある。
それでもTPP推進派は「聖域なき関税撤廃ではない」と日米首脳会談で確認されたというが、コメを例外にするのが精いっぱいだろう。
しかもTPPは関税問題だけではない。その点で、オバマ大統領は一括的な交渉権限を与えられておらず、TPPを決めるのは議会だ。それゆえオバマ大統領は、自民党が交渉参加6原則としてあげていたISD条項拒否、国民皆保険、安全基準、日本固有の政府調達・金融の維持など、何一つ約束していない。
各業界団体をバックにして米議会は、もし日本がTPPに参加するなら、アメリカの国内法とルールに従わせようとするだろう。しかも日本がTPPに入れば、アメリカのルールと違うと、ISD条項で訴えられるようになる。
そもそも自民党は総選挙前には、TPPよりもRCEP(東アジア地域包括的経済連携)の方が日本にとって有利だと主張していたはずだ。政府はTPP参加による経済効果を3兆2000億円と試算したが、総選挙前、自民党はASEANプラス3や、ASEANプラス6の経済効果を5兆円以上とはじいていた。なのに、なぜTPPを選ぶのか。
TPPは売国的条約、平成の不平等条約としか思えない。日本は議決権なきアメリカの51番目の州になりたいのか。