東京電力本店=東京都千代田区内幸町で
東電:料金値上げ拒否1100件に電力供給停止検討
http://mainichi.jp/select/news/20130228k0000m020067000c.html
毎日新聞 2013年02月27日 20時54分(最終更新 02月27日 21時15分)
東京電力は27日、12年4月から始めた企業向け電気料金の値上げを拒否し、支払いを止めた約1100件の工場や事業所などに対し、電力供給の打ち切りを検討すると明らかにした。大手電力が電気料金の値上げ拒否を理由に電力供給を止めるのは異例。東電は「値上げを受け入れてもらった多くの顧客との不公平感をなくすため」としているが、対象の事業者からは強い反発を招きそうだ。
企業向け料金は自由化されており、原則1年ごとに料金契約を更新している。12年4月から今年1月末までに更新期を迎えた顧客の0.5%に相当する約1100件は値上げを拒否したまま契約が切れたが、電気を止めると事業への影響は大きく、値上げ時の民主党政権は「機械的に供給を停止すべきではない」との立場だったことなどから、東電は電力供給を継続。累計の未払い額は約70億円に上るという。
東電は引き続き、値上げを拒否している事業者に電話や訪問などで理解を求めるが、同意を得られる見込みがないと判断すれば、「個別の事情を十分考慮した上で」供給停止も視野に入れる。契約更新期を過ぎたものの、値上げ交渉中の事業者などは停止の対象外とする方向で、既に政府との調整に入った。
東電は12年4月、企業向け料金を平均16.7%(その後14.9%に圧縮)値上げし、契約更新時から適用してきた。東電は「経営合理化に努めているが、火力燃料費増加など値上げせざるを得ない事情を理解いただきたい」としている。【宮島寛】