2013年2月11日:2月10日のシリアの首都近郊の戦闘は、2012年の反政府軍の首都攻勢以来の激戦になっているとアルジャジーラが報じている。ダマスカス近郊では、政府軍の砲撃と反政府軍の攻撃が熾烈を極め、市民の犠牲者も相当に出ているが、小さな村、チェックポイントであり地図上での確認ができない。戦闘が確認できた南部al-Hajar 、Daraaya、北東部Harasta、Douma、の他、最近ではJobarという地域名が出ているが、これはダマスカス市内から北東2キロの旧市街との説明があり、戦略上重要な地点とされている。左は、2012年7月〜8月にかけての反政府側による首都攻勢の際の戦闘発生地域の地図で、これでJobarの位置を見れば、現在ダマスカスのかなり中心近くで戦闘が起きているのがわかる。夏の攻勢と同じく、南部と北東部からの同時進攻のようだが、前回は攻め込んだ部隊が孤立する事態も起きていた。
写真はJobarの映像から、政府軍戦車を狙う反政府軍。
Jobar映像記録
http://www.liveleak.com/view?i=876_1360533447
Jobarの映像
http://www.liveleak.com/view?i=e26_1360496539
政府側は、条件無しなら対話に応じるとしているが、そんなことの実現の可能性はないだろう。
参照記事
http://www.aljazeera.com/news/middleeast/2013/02/201321019911209655.html
参照記事(記事内のビデオには遺体の映像を含みます)
http://www.uruknet.info/?p=m95070&hd=&size=1&l=e
過去ブログ:2012年7月:「首都攻勢」に出た反政府軍 政府高官4人爆死 シリア
http://blog.livedoor.jp/nappi11/archives/3493539.html
過去ブログ:2012 年8月5日:攻防は3都市に集中 シリア
http://blog.livedoor.jp/nappi11/archives/3511673.html
2012年7月のダマスカス攻略では、反政府側の武器弾薬、兵員の消耗で失敗に終わったが、今回は、ダマスカス周辺のパレスチナ難民の一部も反アサドで参加しているとの情報もあり、今回の市街戦は反政府側に有利ではないだろうか。ダマスカスでの医薬品、食料はかなり不足だと報じられている。
2012年2月8日ブログ:シリア政府側劣性 アサドに最終判断迫るが不調 シリア
http://blog.livedoor.jp/nappi11/archives/3691063.html
2月10日、「シリア国民連合」からの提案に対し、アサド側からは否定的な返答があったとアフマド・モアズ・ハティブSheikh Moaz Al-Khatib代表:写真 が落胆したとフェイスブックで発言したが、これは予想できたことだ。ハティブ議長は、アサド政府が拘束している16万人の釈放などを条件にしたとされている。
参照記事
http://www.hurriyetdailynews.com/syria-opposition-chief-laments-damascus-refusal-to-talk.aspx?pageID=238&nID=40850&NewsCatID=352
パネッタ米国防長官は2月7日の上院軍事委員会公聴会で、シリアのアサド政権と戦闘を続ける反体制派に武器を供与すべきだとオバマ大統領に進言したが、オバマ氏が最終的に却下したと明らかにした。
参照記事
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130208/mds13020814310001-n1.htm
http://blog.livedoor.jp/nappi11/archives/cat_62524.html
http://www.asyura2.com/12/warb10/msg/670.html