政治経済に関心をお持ちの皆様へ”
思い出そう!
2009年8月まで、長期自民党政権が何をやってきたかを!
長期大不況・格差拡大・商店街で廃業続出・自殺者3万人超14年連続!
地震大国・日本で超危険な原発推進!
その失政・悪政の責任は自民党にある!
当時高支持率だった、小泉・竹中改革の建前と本音、虚像と実像を考えよう!
「小泉・竹中改革の虚像と実像」(第1回)
T 小泉政権の経済政策は米国・官僚・財界の言いなり
1 構造改革の実態は「偽装改革」
(1)「官から民へ」は大都市と地方、大企業と中小企業など格差拡大を激化
5年に及ぶ小泉政治のもと、「小泉構造改革」なるものは、次の、新たな「構造問題」を生み出す政治であり続けた。
「構造改革が構造問題を生む」とは何か―この視点を欠いて小泉政治の全体像を検証することは望むべくもない。「新たな構造問題」のごく一端を例示すれば
@ 労働の解体―「働く貧困層」の輩出
A 「均衡ある国土発展」の崩壊―国土の53%に達した「限界過疎」集落
B 深化する所得移転の構造―「太る企業部門・痩せる家計部門」の構造化―などであ る。
小泉政権の掲げた「構造改革」なるもののうち、唯一、実効があったものは「労働の市場化」である。「働かせる側」にとってプラスの、「働く者」にとってはマイナスの、いずれも壮大な格差拡大の「改革効果」(偽装改革)であったことはいうまでもない 。
(2)米国の要求・『年次改革要望書』に従う小泉・竹中の経済政策
そもそも竹中氏は異常とも言うべき権力志向で「時の政権」に接近し、小渕、森、小泉と3代の政権にわたって影響力を行使してきた。
彼の経済政策というのは、いま検証するとほとんどが、アメリカ側が毎年に日本に提示している『年次改革要望書』どおりであり、日本固有の文化や伝統をまったく考慮しないものだった。
その最たるものが、不良債権処理と、その延長線上の郵政民営化である。
竹中構造改革は、まず金融機関に強権的に公的資金を投入し、不良債権の処理を迫った。
そして、銀行再編を仕掛けてメガバンクを統合した 。
2 「いざなぎ超え」景気回復の実態は横ばいのカラクリ
(1)一部大企業・富裕層に偏った成果配分の景気回復
売上高は増えないのに企業の利益(経常)は増え続ける。内需は回復の兆しをみせず、GDP(国内総生産)も拡大したわけではない。
勤労者所得(1人当り)も、家計の可処分所得も、なお低迷をつづけている。
それでも、小泉内閣は高らかに「いざなぎ超え」を宣言した。史上最長の景気回復だという。「奇妙な景気回復」は各種の数値からもうかがえる。
ほんものの「いざなぎ景気」は1965年11月から70年7月まで57ヶ月つづいた。
生活実感に近い名目GDPは2.2倍に成長した。
いわゆる所得倍増である。今回は2002年2月から06年11月で58ヶ月。
名目GDPの成長は1.04倍にとどまる。ほとんど横ばいのままだ。
企業の業績はどうか。
政府のいう史上最長の景気回復、その初決算に当たる03年3月期、東証一部上場企業の経常利益は72%も急増した。
翌年も27%増をつづけた。大企業・製造業では実に105%増の記録である。(03/3期)。
かくも利益が増えながら、それでは売上高はどうだったのか。
それぞれ1.2%、1.9%増えたに過ぎない。
国内市場の低迷がつづく。
よほどの技術革新でもない限り、なぜ売上高は増えないのに利益だけ、かくも大幅増なのか。
稼いだ利益はどこへいったのか。
第1に、日本の勤労者は「正当な労働の報酬」を手にしていない。
労働分配率の低下にとどまらず、正規から非正規(パート、派遣、請負、個人請負)への「雇用入れ替え」、人間リストラにより、可処分取得(年)250万円以下の勤労者が全勤労者の3分の1に達した。
企業の業績向上の成果が勤労者、国内市場におよぶトリプル・ダウン効果の経路が遮断された。
東証1部上場の大企業だけで金融資産80兆円(現・預金)を超え、なお月々16兆円ずつ積み上げた時期がある。
第2に、短期の株価経営。
経営者は時価総額の極大化をめざし、成果を労働ではなく株式配当に振り向けた。07年3月期、配当金総額は4兆円5000億円にも達する見込みだ(前期比10%増。過去最高)。
もっと重大な変化が起こっている。
第3に、グローバル化の先頭に立ち、その牽引を果たす日本の多国籍企業は、もはや国内市場が回復しようが、停滞をつづけようが、さほど意に介する必要はなくなったことだ。
たとえばトヨタ自動車の利益の8割は海外に由来する。
いま、日本の上位10社だけでわが国外貨収入の3分の1、上位30社で半分を稼ぐ。
小泉政権下の5年半、これが「圧縮された新自由主義改革」の遺産、すなわち「ネオ・リベラリズム循環」の正体なのである 。
3 小泉・竹中内閣は米国隷属の政権
(1)米国の子分「竹中平蔵」氏に権力を与える内閣改造
つまりは竹中平蔵という「トロイの木馬」が日本に送り込まれたということである 。
2002年10月に行われた内閣改造による、第2次小泉内閣は、ヘッジファンド、ハゲタカ・ファンドの利益を反映するアメリカの要求を実現するため、一民間人が内閣の政策の根幹を掌握することになった。
その金融相としての竹中の任務は、延々と10年も続いてきた銀行の不良債権処理を加速すること、しかもそれをアメリカが望む強硬策、いわゆるハード・ランディング路線によって行うことである。
それによって銀行の自己資本比率不足が露呈すれば国有化し、巨額の公的資金投入を行う。
そして一応健全体となったところで今度は投資ファンド(いわゆるハゲタカ・ファンド)が安く引き取って大儲け、という算段である。
こうした皮算用のからくりは、破綻した長銀を買い取った新生銀行と同じだと一般的に認識されているのである。
竹中金融相の初期動作は素早かった。
就任早々、米誌などに「(銀行が)大きすぎて潰せないという考えを持っていない」と発言したが、これは大手銀行のうち1、2行が整理され、それに伴い景気が悪化するのではとの懸念となり、さらなる株式下落を招いた。
9500円を回復していた日経平均は8400円台へと、1000円も急落したのである。この日経平均で1000円強の下落は、「竹中ショック」と呼ばれたが、この余波は続き、2003年5月にかけてさらに1000円近い下落を見たわけである 。
4 米国の日本支配戦略・グローバル基準がデフレ加速の要因
吉川元忠教授は米国の戦略について次のように主張している。
(1)グローバル基準=米国の謀略と魔力
2003年に入っても、株安はさらに続いた。そして4月末には日経平均で7600円という日本経済にとっては危機的水準となった。これは端的には竹中金融行政の動きに思惑をかき立てられたヘッジファンドの空売り攻勢が猛威を振るったためであった。しかし、なぜこの時期ヘッジファンドがやりたい放題できたのかについては、以前から株価低落につながり安い役割を果たしてきた「グローバル基準」があった。グローバル基準とは、次の3つが主なものだ。
@株式持合い解消(M&Aの容易化を目的にするという)
A会計にグローバル基準(時価会計など)導入
B銀行に対するBIS規制
そして銀行の不良債権処理が、事態を悪化させる重しの役割を果たしている。
この3つの要因が、互い因となり果となって、日本経済の複雑骨折をさらに悪化させてしまった 。
(2)グローバル基準の副作用=貸し渋り・貸し剥がし・デフレの誘因
持ち合い解消と時価会計を大きな動因として日本の株式市場は下落してきたわけである。
持合い株に評価損が生じた場合、たとえ収益に無関係だとしても、その約6割が自己資本を消耗させる要因となるので、株式の下落はそのまま邦銀の海外業務、さらには国内業務にまで、重大な影響を及ぼすことになるのである。
株価の下落で歯車は逆に回り出してしまった。
含み益がどんどん小さくなることもこたえたが、時価会計が導入されて以後は、株の含み損が発生すれば(その6割を)資本勘定から差し引かねばならなくなったため、資本が毀損される。
そして、自己資本比率はどんどん小さくなる。
そこで邦銀はBIS規制によって、比率を弾き出す際の分母である総資産を圧縮するようになる。
つまりは「貸し渋り」、「貸し剥がし」に走ってしまう。
ただその中で中小企業融資については維持確保を図るという政治的要請も行われた。
こうして、邦銀の国際業務を押さえ込もうということが、いつの間にか国内の「デフレ経済を加速」することになったのである。
間違いなく、このグローバル基準は、日本株の下落を加速し、人質となった邦銀の窮状を通して日本経済全体のデフレ不況を深刻化させていったのである 。
4.堂免信義の主張:主流派経済学の錯覚で格差拡大
天動説は視覚に見える現象をそのまま事実であるとした錯覚であり、それに基づいて宇宙を眺めても宇宙の実態を正しく認識することはできません。
経済学にも似たような錯覚があり、その錯覚に基づいていたために、資本主義経済の格差拡大作用に気づかなかったのである 。
(1)資本主義経済の貧困原因
貨幣と資本主義に基づく経済では、貧困の原因は3つある。
@機械化(効率向上) A競争 B格差拡大作用
市場主義は、“機械化は生産を増やし競争は価格を下げる”という効果があるとして、マルクスの指摘を無視している。たしかに効果はあるが、「副作用」もある。
(2)市場主義の副作用=失業増大、賃金減少、低所得者の貧困化促進
“機械化は人手を減らし、新産業が育つまで「失業」を増やす”。
価格低下は売り上げを減らし、賃金を確実に低下させる。低所得層は、効果以上に、副作用の犠牲になる危険性がある。
また、3つ目の“格差拡大作用”については、市場主義ばかりでなく経済学全体が気づいていない。
つまり、市場主義には貧困原因が3つとも見えていない。
その効果だけに着目し“自由で公正な競争”を追求し、世界の、特に先進国の貧困化を推進中である。
自由貿易とグローバル化は、世界を破滅に導いているのかも知れません。
南欧諸国の財政危機はその表れである 。
http://www.asyura2.com/10/nametoroku6/msg/2906.html