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2013/1/22 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
安倍首相はデフレ経済の克服を最優先するとして、日本銀行のインフレ目標を1%から2%に引き上げさせるために、政府と日銀の「共同文書」に書き込むという。しかし、10年以上ずっと金融緩和を続けてきた。日銀の輪転機をフル回転させ、カネをばらまけばデフレ不況を克服できるなら、とっくに物価は上がっている。結核には風邪薬が効かないのに、風邪薬を増やせば治ると言っているようなものだ。
国民の給料は減るばかりだ。これでは、もっと安いモノを買って節約するしかないではないか。
おまけに厚労省は、子持ち世帯や母子家庭における「生活保護」の支給水準が、同じタイプの「低所得世帯」の消費支出と比べて高いという数字を出して、3年間かけて生活保護の基準を10%切り下げるという。低所得者層は、本来、生活保護を申請すべき水準なのに申請していない人が多い。もともと、多く支出できるはずがないのだ。
問題はそれだけにとどまらない。生活保護費の基準引き下げに合わせて住民税の非課税基準や就学援助、“最低賃金”も下げられてしまうからだ。これでは貧困の底が抜けてしまうだろう。
さらに安倍政権を応援している経団連は、賃上げを拒否するどころか、定期昇給までなくそうとしている。加えて麻生財務相は、この10年、地方公務員の給与は下がり続けているのに、地方公務員の給与をカットしようとしている。地方公務員の給与引き下げは民間の給与水準の引き下げに跳ね返る。
国民一人一人の所得や収入を下げて、どうやってデフレ不況を克服するというのだろうか。
自公政権は、小泉「構造改革」で格差や貧困を深刻化させ、雇用の破壊と賃金下落というデフレの悪循環をもたらした張本人だ。維新もみんなの党も「構造改革」路線を主張する。こうして見ると、インフレターゲットの主張者は、格差や貧困をつくりだした責任にほおかむりして、デフレを日銀のせいにしているだけなのだ。
安倍首相は「縮小均衡の再分配から、成長による富の創出を」という。だが、「社会保障と賃金を減らしてデフレを続け、公共事業依存で財政赤字の創出を」の間違いではないのか。