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2013年 01月 18日 10:41 JST 記事を印刷する | ブックマーク[-] 文字サイズ [+]
[東京 18日 ロイター] 内閣府の西村康稔副大臣は18日、ロイターの取材に応じ、政府と日銀はデフレ脱却に向けた共同文書の内容で大筋合意したことを明らかにした。2%の物価目標を共有するが達成時期は明記しない。金融緩和手段は日銀に委ねる。同日午前に麻生太郎財務相、甘利明経済財政・再生相と白川方明日銀総裁が都内ホテルで詰めの協議を行い、次回の日銀金融政策決定会合後の22日に正式決定する予定。
副大臣によると、共同文書には政府も規制緩和などを推進し成長戦略を実行していく旨を記載するとともに、財政再建の重要性も盛り込む方向だ。雇用の安定については、他国中銀でも「米連邦準備理事会(FRB)などしか盛り込んでいない」として現時点では未定のもよう。物価目標達成に向けた進捗状況について日銀総裁が経済財政諮問会議で説明。説明責任についても記載する。物価目標の達成時期については明記しない方向。ただ「5年、10年先では困る」としており、中期的に目指す方向だ。
19日に外遊中の安倍晋三首相が帰国した後に最後の詰めを行い、21、22日の日銀の金融政策決定会合での判断を踏まえ、22日に正式決定する手順としている。
<毎月の基金増額とは次元の違う金融緩和希望>
今後日銀に臨む金融政策としては、日銀の専管事項としながら、「資産買い入れ基金の毎月の増額などでは市場が予想できてしまう。次元の違う大胆な政策を期待したい」と述べた。「民主党政権では日銀の金融政策も、政府の成長戦略も不十分だった。それぞれ次元の違う政策を打ち出す必要がある」と強調した。特にリーマン・ショック後の日銀のバランスシートの拡大ペースが米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)よりも小さかった点を挙げ、日銀が金融緩和を進める際の戦力の逐次投入を問題視した。
昨年11月以降の急速な円安進行についてロシア中銀や独財務相、米国地区連銀総裁などから批判が相次いでいるが、「現在の為替水準は円高修正の過程」との見解を示した。石破自民幹事長や甘利・経済財政・再生相が過度な円安をけん制しているが、「まだ(輸入コスト増大など)困るような円安ではない」との見方だ。
<次期日銀総裁の条件に国際的知名度>
4月に任期が切れる日銀総裁の後任の条件として、「1)大胆な金融緩和と成長戦略との目標を共有できる、2)国際的な連携に必要な英語でのコミュニケーションが可能なうえ国際金融界で知名度があり、3)市場とのコミュニケーションができる」ことを挙げた。官僚出身の是非は大きな問題ではないとも述べた。
(ロイターニュース 竹本能文、梶本哲史::編集 宮崎亜巳)