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2012年11月13日00時00分 〜
記事 [外国人参政権・外国人住民基本法01] スリ常習犯「券売機の水声」 電車内の窃盗未遂で逮捕(産経)18回目の逮捕歴ある韓国籍は祖国に強制送還してあげるべき
  ↑参考画像  はだしのゲンより


電車内で財布を盗もうとしたとして、警視庁捜査3課は、窃盗未遂の現行犯で、韓国籍で住所不定、無職、柳水声(やなぎ・すいせい)容疑者(76)を逮捕した。同課によると、容疑を認めている。

 
柳容疑者はこれまでに窃盗容疑での逮捕歴が18回あり、いずれも駅の券売機周辺ですりを繰り返していたことから、捜査員の間で「券売機の水声」と呼ばれていた。

 
逮捕容疑は6日午前9時5分ごろ、JR中央線中野−新宿間の電車内で、横浜市に住む建築士の男性(65)のショルダーバッグから財布を盗み取ろうとしたとしている。

 
同課によると、今年9月以降、中央線沿線の電車内ですりの被害が相次いでおり、警戒中の捜査員が発見した。券売機周辺ではなく電車内の犯行だったことについて、同課幹部は「ICカードが普及し、券売機で切符を買う乗客が減ったからではないか」と話している。
http://sankei.jp.msn.com/region/news/121109/tky12110917530004-n1.htm


なんでこういう事例で強制送還しないの?

   韓国        日本         台湾
★★★★★★   ○○★○○○   ★□★□□★
★★★★○★   ★○□★○★   □○□□★□
★★★★★★   ○○★○★○   ■□★□□★
★○★★★★   ★●○○★○   □★□★○□
★★★★★★   ○○○□○○   □□□□□□
★★★□★★   ★○★○○★   □★□□★□

良い韓国人☆   良い日本人○   良い台湾人□
悪い韓国人★   悪い日本人●   悪い台湾人■


犯罪者の滞在を許可できないように法改正するだけで
在日の50%が追放できるのに・・・

もう一回きく


犯罪者は入国出来ないのに、なんで日本で犯罪犯した在日は強制送還しないんだ?
http://www.asyura2.com/09/gaikokujin01/msg/845.html

記事 [テスト26] gif 投稿テスト




http://www.asyura2.com/12/test26/msg/949.html
記事 [音楽10] 雲のように風のように/佐野量子

主題歌&主人公:佐野量子

この歌の歌詞、カタカナ語が一語も出てこないそうです。

面白いアニメだと思うんだけど、知ってる人あんまりいないんだよね。

記事 [カルト10] 副島隆彦 誰も書かない世の中の裏側 イルミナティ=フリーメイソンとは何か4月刊ザ・フナイ2010年10月号
この連載の3が抜けてしまっていますがご了承を。
 ちなみにフリーメイソンロッジと日蓮宗の平信徒を例えている解説が長々と続き却って読む人間を混乱させて煙に巻いているような印象を持つ文章なのであるが。

以下転載
 私のイルミナティ=フリーメイソン論の4回目である。
 これまで解説してきたとおり、ドイツ南部の大きな州であるバイエルン(ババリア)州(州都はミュンヘン)で始まり拡大したイルミナティ(光明会)=フリーメイソン運動は、1776年から全欧州に広がった。そして直ちに北アメリカへも火の粉が飛ぶように広がり、同年、トマス・ジェファーソンらによって、独立宣言(アメリカ独立運動の始まり)がなされた。ジェファーソンやフランクリンやワシントンたちはフリーメイソンの会員である。この13 年後にはフランス大革命も勃発した。フランス革命もフリーメイソン市民たちが企画し蜂起したものである。
 商工業者、職人(技術者)、芸術家たちの自主的な集まりであり、僧侶(司祭は司教たち)から嫌われさげすまれたキリスト教徒の平信徒(仏教や神道では、在家衆、氏子)の集まり(crowd)としてヨーロッパの全都市で瞬く間に組織されていった。大きな思想運動というのは、爆発現象と同じで、一旦火がつくと、全世界に一気に広まる。

ロッジの思想ネットワーク

 ここでロッジlodgeという集会(会衆)場について説明する。ロッジが果たした役割が大きい。ロッジというものを日本で類推すると、それは“お講”である。古くからいろいろの“お講”があった。例えば日本の新興宗教の最大の団体である創価学会のことを例に挙げよう。創価学会は、かつては、富士山の山裾に総本山がある日蓮正宗の平信徒の団体であった。(1974ねんまで)。日蓮宗の中の新しい方である日蓮正宗から分裂して、言うことを聞かなくなった信者の団体である。今も本山の僧侶集団との思想的な闘いを続けている。
 映画『ダヴィンチ・コード』に出てくるオプス・デイ(ローマ・カトリック教会の信徒組織の主要な1つだった)という信徒集団と全く同じような感じだ。創価学会は、今では日蓮正宗の総本山である富士山大石寺のお坊様たちと対立して、破門されている。だから現の池田大作名誉会長は、かつてはこの大石寺の平信徒たちの自主的な組織である『法華講』の総代である講頭だった。
 日蓮宗の内部は多くの宗派に別れていて、古都京都の内側だけで細かく20宗派に別れているらしい。思想集団(宗教を含む)には長い歴史の中での対立や相克や分裂が必ず起きる。
 法華講からは、本山(僧侶の集団)にお布施(供養、喜捨)が上納されてくるので、それが自分たち教団本山の僧侶たちの貴重な運営資金となる。ところが本山からみれば、創価学会は増長して自分たち僧侶の言うことを聞かなくなってしまった信徒たちだ。両者は大変、仲が悪くなって、それで1991年に正式に集団破門された。
 ここで起きたことはヨーロッパの18世紀のイルミナティ=フリーメイソンの成立期(創世期)の話と全く同じである。もっと遡ると、1307年(の「13日の金曜日」の“呪われた日”)に起きたシオン修道会=テンプル騎士団への大弾圧の話と同じである。法華講への加盟団体は今もたくさんあって、彼らは本山の言うことよく聞いて、お坊さまを定期的に本部から読んでもらって教えを聞く従順な団体である。この平信徒の“お講”の仕組みは、おそらく他の仏教の教団も大きくは変わらない。
 ヨーロッパでは、日本の“お講”に相当するロッジ(あるいはクラウド)が、18世紀に入ると営利活動の自由と金銭欲望の肯定、それから性欲の解放を求めて、教会の僧侶(神父)たちと対立を始め抗争した。

ネットワークの支配力

 日本語のフリーメイソンは、英語ではメイソンリーMsaonryとかマツォニックMazonicという。メイソン(石工)は、ヨーロッパの建築職人たちである。これが「フリー」(自由、気まま)であるということは、建築現場の職を求めて、都市から都市へと石工職人たちがある程度、自由に移動したいということである。日本でいえば、江戸時代のテキヤ系の人たちだ。この行商人や露店商人たちが移動民が、全国に仲間のネットワークをつくっていた。お互いの信頼関係を頼って移動して、各地で止めてもらえる仕組みを作った。だから行った先々で泊めてもらえる場所が、まさしくロッジである。だから集会所であると共に宿泊施設でもある。
 例えば、映画『男はつらいよ』の“フーテンの寅さん”は、主人公の車寅次郎たちの車氏の一族の自由移動と商業権益を守るネットワークが全国にあり、「神農」という神様を祀る集団である。
 このようにして“ネットワーク”なるものの本性が少しずつ分かってくる。ネットワークを持つ者達が、その国を支配するのである。本当のネットワークは、いわゆるテレビ局のネットワーク(全国送網)とかのことではない。日本の真のネットワークは何かについては、この稿では説明できない。
 ところで日本の暴力団には3つの系統がある。
前述したテキヤ系と、沖仲仕(川筋物。港湾労働者、河川・港湾のクーリー)系、それから賭博をやることで収入を得る博徒系の3つである。
 昔は、今のような便利なベルトコンベアーやクレーン車などの動力機械はなかった。河川や港湾などで船荷の積み下ろしをするのは、すべて人力であり大勢の人足の仕事であった。そのためにはものすごく多くの川筋物人足や港湾労者を必要とした。即ち多くの人々が集まって、それでご飯が食べられた、ということである。経済法則に従って人間が結集するとそれは必ず大きな政治勢力になる。漁労民系の人々もこれに重なる。集団漁法で漁をする人々も古代から漁民集団として形成された。
 日本の武士集団の起源は、「若宮信仰」(豊漁の祈願をする。鶴岡八幡宮など)を持つ、実は海洋性の部族である、とする学説(和歌森太郎氏ら)がある。海女族という。川筋物や港湾荷役を束ねたのが日本の暴力団のひとつの流れである。それが神戸の港湾労働者を組織して、やがて神戸の港湾労働者を組織して、やがて米軍後押しを密かに受けて、“全国制覇”を行った団体ができた。
 16世紀の戦国時代の覇者(天下人)であった織田信長はこのような背景から生まれた。
今の名古屋(尾張)の木曽川、長良川、揖斐川の川沿いの一帯の広大な湿地帯の河川流域の、大きな物流を支配していた、沖仲仕たちの総領、棟梁が織田氏である。織田氏は、だから大きく伊勢湾の湾岸一帯に古代からいた。即ち、紀元1世紀ごろ。この頃にできた熱田神宮が氏神の海女族の系譜である。織田氏は、足利幕府の管領職だった斯波氏の家来(被官)となった。
 そして、実力で織田氏をまとめた信長が、尾張一国の戦国大名となった。この地域には、蜂須賀小六(のちの四国の大名になる)のような一族郎党にたくさん分かれて、川筋者としてそれぞれ血縁集団を作っていた。この蜂須賀党に担ぎあげられたのが豊臣秀吉(期の下藤吉郎)である。戦国大名というのは、“まむしの道三”と呼ばれた岐阜の斉藤道三のような、金貸し、油売り商人のような商人出身の人物が多い。そうでないと、数百人、数千人の家来を養うことができない。全てはお金(収入)の問題であり、稼ぐ力のない者は指導者(棟梁)になれない。
 だから、日本人の大好きな戦国時代ものの作品も戦争中心の合戦ものではなくて、本当はお金の話から真実を解明すべきなのだ。信長や秀吉や家康たちは、沖仲仕(川筋者)や、農民が武装して集住した集団や、一向一揆の中から出てきた武装民(国人、地侍)の頭領(棟梁)なのだ。
 今の日本人が思い描いている戦国大名というのはすべてがウソだ。昭和の初期以降のチャンバラ映画や、今のテレビ番組の“時代劇”が作り上げた虚妄である。本当の本物の戦国大名というのは、今の広域暴力団の山口組の大幹部のような威勢、風体をした人々だったろう。そうでなければ周囲を威圧してひれ伏させることはできない。彼ら、今の暴力団の大幹部たちが毎月定例会に出席するような感じが、戦国大名たちの真の実像に近い。タコ入道のような風体だけが、時間を越えて、人類史の真実を示している。どこの国でもそうだろう。現在は、デモクラシー(代議制民主政体)であるから、権力者である政権政治家たちは温和そうな顔をしている。しかし、実際は、政敵を謀略で失脚させたり、口封じの殺人でも平気でやらせることのできる人間の集団だ。だから、政治家の顔の皮膚の表面を剥がせば、戦国大名や暴力団の大親分に劣らぬ風体が表れるだろう。それを現実の政治という。どこの国も、どんな時代もそうなのである。
 日本の暴力団のもう一つの系統がテキヤ系である。行商人や移動する職人たちの横のつながり、即ちネットワークである。伝統的に日本のヤクザは、芸能にかかわった。「河原乞食」と呼ばれた遊芸の芸人たちを組織して、小屋がけをして各地の興行主になり、売春業や旅籠業を営んだりした。これが西洋のロッジの思想である。だから、フリーメイソンのロッジは日本で言えばテキヤ業である。職人や行商人たちは全国を移動して、その先々で“仁義に従った啖呵を切る”という人物証明の儀式をきちんと行えば泊めてもらえる。だから欧米のマツォニック、メイソンリーの組織と同じである。ユースホステルという世界的な簡易宿泊施設運動や、それから、ライオンズクラブ、ロータリークラブもこの系統である。

“お講”が果たしたこと

 “お講”が、法華講や阿弥陀籤講の他にもいろいろとあった。江戸時代には「富士山を見に行く講」というものもあった。“富士講”と言う。東京(江戸)には、今でもあちこちの古い講演やお寺に、築山(富士塚、石で築き上げた小山)が残っている。それらの山の上に立つと、昔は本当に富士山が見えた。このような行事を行う人々の集まりを富士講といった。それは、溶岩をゴロゴロと集めて積み重ねてある高さ10mほどの小山で、これで富士山に登ったことと同じ意味を持つと人気を集めた。富士山信仰(富嶽信仰)を庶民が身近で実現しようとして、このような“お講”を作った。これでも、ささやかな秘密結社であって、そこではかなり親密な“寄り合い”が行われただろう。
 あるいは“無尽講”というものが生まれた。無尽とは、みんなでお金を出し合って壺に入れ、くじで当った者だけがそのお金を使えることにした資金の融通の集まりである。これが日本における共済事業や保険業の起源である。多くの人が集まってお金を出し合って、困っている人、あるいは一番当座の資金を欲しがっている人に貸した。このような集まりも“お講”である。無尽講が、庶民の中から生まれた初期の銀行業の始まりである。
 この無尽講がのちに、相互銀行や信用金庫になっていった。だから例えば、東京相互銀行というのは、昔は「東京殖産無尽」だった。東京相和銀行になり、やがてアメリカ資本に買収され、今はテキサス州にあるローンスター(ひとつ星。テキサス州の州の旗)という名の消費者金融の大手の金融法人の日本法人となって、東京スター銀行になっている。このように“お講”という考えは、都市の市民層の中に必然的に生まれた自主的な相互支援団体である。
ヨーロッパにも古くから無尽講に似たトンツィーン債(トンチン債)という金融の相互扶助の仕組みがある。ここから最も初期の保険業(生命保険や海難保険)が生まれた。

為替の仕組みをつくったテンプル騎士団

 近代銀行の基礎・土台になったのは為替業である。この為替という仕組みを作ったのは、前述したテンプル騎士団である。これがヨーロッパのフリーメイソン(各都市の石工組合のメットワーク)の原型になった。11世紀の十字軍運動(クルーセイダーズ。聖地エルサレムの奪回運動)のときに始まった。このテンプル騎士団やマルタ騎士団(疾病兵士たちのための病院船を主宰した。のちにドイツの聖ヨハネ騎士団に併合される)などの騎士団(ナイト)の運動である。「ナイト」(騎士)と言うが、もともとは決して武士(戦闘員)ではない。貴族の周りにいた「従者」のことで、日本の「中間」とか「小者」に相当し、御用聞きの商人たちが真の実像である。テンプル騎士団が、都市と都市をつなぐ「為替」の制度の仕組みをつくった。
 テンプル騎士団は、王侯貴族たち相手の戦費や軍資金の金貸し業もやった。そして、地中海世界を含めたヨーロッパ中の各都市に、ネットワークを築いた。
 十字軍運動というのは、今は世界帝国アメリカが音頭を取って、各国に割り当てで「お前の国はイラクに2000人兵隊を出せ」と命令する。多国籍軍による「紛争当事団への平和維持活動PKO」である。この美名のその実態は帝国の言うことを聞かない反抗的な国々(rogue nations ならず者国家、あるいはbandit states 山賊国家という)に対する共同の懲罰軍事出兵である。イラクやアフガニスタンでやっている。ところがアメリカ軍は、なぜか失敗してコソコソと帰ってゆく。それの祖型である十字軍遠征に参加する貴族たちに、テンプル騎士団が金を貸した。あるいは、商人たちが旅行するときに、大金の現金を持って移動すると危険なので、約束手形のような証券(紙キレ)を持参して行った先々の都市で現金を手に入れることができるようにした。この「為替」の仕組みもテンプル騎士団がつくった。
 為替は、外国送金(レミッタンス、あるいはファンド・トランスファー)でもあるが、実際には現金の紙幣の束を「送金」などしない。現地での用立てのために、信用の連鎖による資金の立て替えをする。銀行業は、1日あたりの大変な金額のお金が動く。しかし、本支店間の決済で、その日の帳尻を合わせるから本当に移動する現金は、ものすごく小さく全体の2%ぐらいである。
 為替の仕組みはとても大事だ。国際金融は、為替の仕組みから始まった。現在では、外為法(「外国為替及び外国貿易法」)と呼ばれる法律に基づいて、政府に認可された外国為替公認銀行(江戸時代であれば幕府が認めた両替商)だけが行えて、資金の国外への移動は厳しく管理されている。そして銀行間での信用の供与で、国際金融の助け合いをするので、現金が移動するのではない。外国紙幣は、旅行者用のマネーショップで売買される程度の他は動かない。為替あるいは両替は、前述した各々の国の外為法で「必ず外国通貨を市場で買って交換したことにしなさい」と強制している。しかし、実際には抜け穴がたくさんある。このことは書かない。お金の移動に対して、今の政府、役人(官僚)たちはものすごく神経質になっている。彼らは金融を世界中で自分たちの力で徹底的に統制したいのだ。

為替と金融のネットワーク

 日本の為替や両替は、江戸時代の初めの頃から三井財閥(越後屋)が握ってきた。江戸と大坂の間で為替が発達した。例えば、江戸の、日本橋の三井本店の窓口で、「この50両を大阪に住む誰それに渡してくれ」と頼んだら、三井が手数料を1割の5両とか取った上で、残りの45両を大阪の三井の窓口で受取人が受け取れる仕組みだ。このようにして両替商は双方の間の信用を取り持つ。実際に50両を飛脚が運ぶわけではない。これが為替の仕組みである。しかしそれでも両替商のために早飛脚というのがあって、ある時まとめて、それらの約束証文の束だけを実際に飛脚たちが、今の現金輸送車のガードマンたちのように厳重に運んだろう。
 だから、越後屋(今の日本橋室町の三越デパート)=三井商店は、江戸時代を通じて両替商、為替業で、日本最大の金融資本になった。そして早々と、すでに幕末に上海からやってきたロスチャイルド家と組んで、日本の金融を動かす財閥となった。ここで三野村利左衛門という幕末・維新期の三井の大番頭が果たした役割は大きい。この三野村利左衛門がのちの渋沢栄一を育てたのである。三野村利左衛門は、幕府と倒幕軍の両方に冥加金という大金を払っている。
 13世紀以来のテンプル騎士団の為替の仕組みと情報ネットワークの作り方をそっくり受け継いでヨーロッパ最大の金融財閥に成長したのが、のちの18世紀(フランス革命とナポレオンの時代)のロスチャイルド家である。だからロスチャイルド家は“テンプル騎士団の正当の嫡子”なのである。イルミナティ=フリーメイソン運動が爆発的に隆盛した、まさしく1770年代からロスチャイルド金融財閥も同時期に勃興した。金融と情報ネットワークはロスチャイルド家によって欧州全体に張り巡らされた。そのために、ロスチャイルド家の創業者のマイヤー・アムシェルは5人の息子を各々、アムシェル(長男・フランクフルト)、サロモン(次男・ウィーン)、ネイサン(三男・ロンドン)、カール(四男・ナポリ)、ジェームズ(五男・パリ)に配置したのである。まだ電信技術はないから、彼らは伝書鳩を使った。日本の江戸時代の米相場でも、情報伝達の最速の手段として、30kmおきに山の上に狼煙台を作って、次々に狼煙を上げて、人より先に相場への情報を伝えたという。
 日本では、幕末・明治初期(1860年代)に早々と代々の当主である三井高利が明治新政府の筆頭の御用商人となった。これが現在の三井住友=ロスチャイルドの勢力である。三井家が実力ある政治家や官僚のトップたちを資金の力で動かしたことは目に見えるようだ。それが三井=政友会の結合である。これに対して三菱=民政党の対抗勢力が生まれた。三井財閥の明治政府における最大の代理人が井上馨(幼名聞多)内務卿である。井上馨が今の日比谷に鹿鳴館(という社交界用のダンスホール)を作ってヨーロッパ貴族文化を無理やり日本に移植した。
 三井財閥や鴻池財閥(幕府に取り潰されたが、三和銀行として生き延びた)は、武士や町人だけでなく農民にも金を貸して田畑を担保(抵当権をつけること)にとって、借金を返せなくなった農民から田畑をとりあげて、巨大な地主となり大きな農業資本を築いた面もある。欧州ロスチャイルド家と日本の三井家は全く同じ道を歩いてきた。
 ところで「約束手形は、ゴールドスミス goldsmith (金細工師)という職業の人たちが始めた」と経済学の教科書には書いてある。金細工師たちが客から装飾用の金を預かっていて、やがて、金そのものの価値よりも、金細工師が発行する約束証書(金の預かり証書)が、紙幣の代わりとなって金持ちたち(即ち市民)の間で使われるようになった。それが約束手形や小切手(チェック)という信用貨幣の始まりである。

近代の自由思想を育て守った大商人たち

 このようにして、13世紀のテンプル騎士団(弾圧されて地下に潜った)に集った初期の商人たちが、為替の制度を守り育てた。そして、これが15世紀ぐらいからフリーメイソンたちの運動につながる。職人や商人としてヨーロッパ中を移動する人間たちの間で、これらの手続きや仕組みが発達した。そしてこれらの民間の私的な団体がネットワークをつくって保有する財力は、当時のヨーロッパ各国の国王をしのぐほどになった。
 ただし、この為替と金融ネットワークが作られたのは、ヨーロッパの中心部(ウィーンを中心とする神聖ローマ帝国。「ミッテル・オイローパ」と言う)である。南ドイツの最大の富豪であったメディチ家の話は、この稿ではできない。
 フッガー家とメディチ家はアルプス山脈で各種の鉱山を掘り当てて、鉛や銅や錫などの鉱物資源を自分達の富の源泉にした大商人の名家である。メディチ家は、鉛製の鉄砲の弾を販売してヨーロッパ最大の富豪になった。メディチ家はレオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロやガリレオ・ガリレイたちを匿って庇護した。そして、ローマ法王(カトリック教会)と対立して、近代の自由思想の先駆けとなった大商人(大市民)である。メディチ家は決して貴族ではない。だから、フリーメイソンたちの活動の理解者である。
 メディチ家は、フローレンス(フィレンツェ)の都市の支配者(執政官)であるが、ローマ法王派の有力市民たちに政争でフィレンツェから追放されたりもした。メディチ家は、「新プラトニズム」という思想運動の主宰者である。フィレンツェに「プラトン学院」という学問研究所をつくって、暗にローマ教会と対立し、「もっと、普通の人間を大切にせよ」という自由思想を始めた。これを“ルネサンス(renaissance 文芸復興)と言う。別名をユマニズム(humanism)と言い「人間復興」と言う。人道主義、人権思想の始まりだ。
 新プラトニズムは、グノーシス教(Agnosticism 不可知論の思想集団)と一体である。カバラの思想とも一体である。だから、これらネオ・プラトニズムやグノーシスやカバラを悪魔主義や神秘主義だとして忌み嫌い、「悪魔の集団である」として、排除することをローマ教会側が仕掛けられたのである。メディチ家やそのあとを継ぐロスチャイルド家たちは、」確かに金融財閥になっていったのだが、決して「闇の支配者」や「世界を操る悪魔集団」などではない。

愚かな陰謀論にだまされるな

 以後の20世紀の100年間は、石油と共に興ったアメリカの民族資本であるロックフェラー家が世界を支配している。ロックフェラー家が、まだ今も世界の支配の頂点なのであって、ヨーロッパ勢ではない。だから、「ロスチャイルド家が裏側から、ロックフェラー家を操っている」などありえない。このことも、本連載で私がずっと説明してきた。いわゆる“陰謀論家たち”がロックフェラー家によって計画的に操られ、愚か極まりない情報操作されているのである。このことに、私は、相当に慎重な注意を傾ける。
 組織、団体のファウンダー(創設者)の思想を少しでもいいからきちんと学ぶことだ。読んで理解することだ。7月号でも書いたが(投稿者註:イルミナティ=フリーメイソンとは何かその1のこと)、イルミナティの創始者である神学者のアダム・ヴァイスハウプトは、ハッキリと「自分たちの団体の祭壇にはリーズン(reason 理性。合理性。金銭と強欲)を神として掲げる」と書いている。「この時に、人類が2000年来抱えてきた一番難しい問題が、解決されるのだ」と彼は書いている。イルミナティという団体、組織の結集の理由を公然と書いている。
 「闇の世界」や「闇の支配者」などいない。彼らは、公然と表に出て来て、そして、世界中の人間たちを堂々と、金融と軍事力で脅して、騙して、支配している。このことを正面から指摘し続けることが大事だ。愚かな陰謀論に嵌ること自体が愚かである。恐れたり、勝手に脅えたりして、自ら悪魔崇拝のようになるのが一番いけない。私たちは、ゴキブリが家具の隙間に逃げ込むような感じで自分自身が卑屈になてしまって、現に日本を属国として支配するアメリカ帝国、およびロックフェラー財閥に屈服してはならない。日本は起ち上がるべきなのだ。
 秘密結社、ザ・シークレット・ソサエティ the secret societyというのも私の研究によって、日本でもようやく大きく解明されつつある。秘密結社はどれもこれもが闇の集団で、秘密の儀式を行い、悪魔教を崇拝する恐ろしい集団だという、低能の考えが一部の人々にしみついている。いわゆる、アホの陰謀論を信じる人間たち」を私は大きく打ち破る。
 「結社」と訳されているザ・ソサエティなるものは、普通に訳すと、「社会」で、日本で使われている社会学とか「社会」だ。本当は、ソサエティというのは「結社」のことだ。営利の共同仲間なら、「コンパニー」company だろう。「結社」とは英語では association アソシエーションだ。1つの目的のために集まる人間集団という意味である。民法学で「社団」と言う。
 だから、結社というのはここまで説明してきたとおり、「在家」の平信徒の集団の人々である。彼らは決してお坊さまや貴族ではない、豊かな平民たちである。
 これで、私のフリーメイソン=イルミナティ論をひとまず終わる。

転載終了
もう、何がなんだか分からない文章です。延々在家信者やお講の話が続いて、イルミナティ=フリーメイソンが在家信者なら何を信じている信者なのか?冒頭で創価学会と日蓮正宗との関係で例えるのはなんかカルト臭いですね。

>>メディチ家はレオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロやガリレオ・ガリレイたちを匿って庇護した。そして、ローマ法王(カトリック教会)と対立して、近代の自由思想の先駆けとなった大商人(大市民)である。メディチ家は決して貴族ではない。だから、フリーメイソンたちの活動の理解者である。
 メディチ家は、フローレンス(フィレンツェ)の都市の支配者(執政官)であるが、ローマ法王派の有力市民たちに政争でフィレンツェから追放されたりもした。メディチ家は、「新プラトニズム」という思想運動の主宰者である。フィレンツェに「プラトン学院」という学問研究所をつくって、暗にローマ教会と対立し、「もっと、普通の人間を大切にせよ」という自由思想を始めた。これを“ルネサンス(renaissance 文芸復興)と言う。別名をユマニズム(humanism)と言い「人間復興」と言う。人道主義、人権思想の始まりだ。

ところで副島氏の最近の著書がルネッサンスについての解説本ですが、メディチ家の新プラトン学院について書かれています。上記の部分を強調して書いた本みたいです。今読んでますが私から見て以前から構想があった割にお粗末な内容の本ですね。
このプラトンアカデミーについて副島氏の定義するアホ陰謀論側の説から反論してみましょう。
 『イルミナティ悪魔の13血流』フリッツスプリングマイヤー著 太田龍監訳KKベストセラーズ 1998年刊 
おおっなんと副島氏が出している『ヨーロッパ隠された血の歴史』と同じ出版社ではありませんか!!!奇遇ですね〜。
関連記事はフリーマン家第五章からの抜粋です。まず簡単に解説しますがフリーマン家はシオン修道院に関係している家系らしく、最初はシオン修道院のことについて書かれています。
P217より抜粋転載

メロビング王朝、メディチ家、黒い貴族…に発するシオン修道院の存在

 そもそもシオン修道院は、強い権力を持つ多数の家系が構想したもので、ロレーヌ家、ギーズ家、メディチ家、スフォルツァ家、エステ家、ゴンザーガ家、サンクレール(シンクレア)家を含むメロビング王朝の大勢の子孫たちが関与していたらしい。メディチ家は黒い貴族とも結びつきがあった。
 創設時から、シオン修道院は錬金術(古代エジプトに由来する一種の黒魔術で、『エジプト死者の書』に出ている)を行ってきた。一四四四年頃、メロビング王家の子孫ルネ・アンジューは、コジモ・デ・メディチを説得し、プラトンやピタゴラス」の著作や、錬金術に関する書物が翻訳されていたサンマルコの地に、教会とは無関係の図書館を設立した。それまで、すべての図書館はカトリック教会の管理下にあった。このコジモ・デ・メディチの図書館から、ギリシアやエジプトの刺激のある教義が広まり、やがて、人間性と神秘学の復興であるルネサンスへとつながっていく。中世の時代には、魔術と秘教はすっかり影を潜め、こういう思考形式は、古代の書物から学び直すべきだとまでいわれていた。皮肉なことに、魔術や異教が姿を消していた中世が体制派によって『暗黒時代』という烙印を押され、学問不毛の時代という誤った色分けがなされてきたのである。

転載終了
なんと!フリッツ・スプリングマイヤー氏によると、フリーマン家はシオンの修道院のトップの家系であり、聖杯を保護するのがシオン修道院の役目でありメロビング家と関係がある。聖杯に関係する家系はキリストというよりダビデの直系という意味でありユダヤに関係している。上っ面は聖杯なのでキリスト教と関係があるということになっている。
でもそれはイルミナティに繋がっていたということだ。15世紀にカトリックにすでにユダヤズブズブと言う訳ですがな。
つまり、メロビング家というユダヤのダビデ直系の人物のルイ・アンジューから頼まれたメディチ家が表向きカトリック支配で徹底排除された魔術、錬金術その他異教の教えが途絶えたのを復興すげく、書物を集めてプラトンアカデミアを作った。それだけでなくスペイン領が一部アラブに支配されていたからイスラム文化も流入した。それらの文化が入ってリナシメント或いはルネッサンスが起きたということである。そこではっちゃけすぎて何も後ろ盾が無い自己主張の強い人間はヒ素なんかで毒殺された。分をわきまえたダ・ヴィンチやらミケランジェロなんかは長生きできたという訳なのでは?まあ、これは、私の推測なんだけどね。メロビング家はフランスにいただろうからダ・ヴィンチが最後フランスに渡ったのは分かるような気がするね。
だっから、イルミナティはヒラム・アビフの頃からあってフリーメイソン前身がテンプル騎士団だったら整合性のある話になるんだけどな。
フリッツ・スプリングマイヤー氏の本から解釈すると、副島氏が尊敬するコジモ・デ・メディチはイルミナティとダビデの家系のユダヤ人とズブズブというか盲従しているってことになる。副島氏から見たらこの意見は極北もいいところなんでしょうな。
まあ、面白かろうと思っておまけで付けときますわな。

http://www.asyura2.com/12/cult10/msg/371.html

記事 [原発・フッ素28] 11.11 霞が関周辺8か所で反原発の抗議活動 人々の声 (MBS,NHK,日テレ,テレ東,TBS,東京MX)
11.11 霞が関周辺8か所で反原発の抗議活動 人々の声
http://www.youtube.com/watch?v=T36T8-3dYgs
http://www.dailymotion.com/video/xv1g10_11-11
http://www.veoh.com/watch/v40105377ePM3hhAb

「あの事故起きてから
人間の手でどうにもできひんもん作ったらあかんなと思ってて
それを家で考えててもどうしようもないし
何かできることないかなと思って」

「地元なのにただテレビ見てては駄目だと思って
自分達が地獄みたいな思いして逃げてきたから
皆にあの苦しみは絶対味わわせたくないと思って反対したんです」

「一貫性を持ってこのまま進んで欲しい、脱原発で
このお天気の中でもこれだけの人が集まるわけですから
皆の気持ちを受けてもらいたいなと」

「子供や孫のためにと思って」

「どうしても原発を止めて欲しい
自分の子供だけじゃなくて
将来を考えて原発は必要ない」

「これだけ集まってるので
一人一人の思いを受け止めて
政府の人達も考えて欲しい」

「原発反対だということを行動で表したいということで来ました」

「政府に原発を止める方向の政策を出してもらいたい」

「科学者が心配しているんですから直ちに止めるべきだと思います」

東京 反原発で大規模抗議活動
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121111/k10013410781000.html
http://megalodon.jp/2012-1111-2046-35/www3.nhk.or.jp/news/html/20121111/k10013410781000.html
埼玉県桶川市から4歳の息子と参加した40代の母親は、「子供のことを考えると
原発はなくしてほしいと訴えたくて参加しました」と話しました。
また、千葉県柏市から来た60代の男性は、
「大飯原発の運転再開はありえません。これだけ多くの人が原発に反対する
声を上げていることを、政府に分かってほしい」と話していました。

大飯原発停止など求め国会周辺で抗議活動
http://news.tbs.co.jp/20121111/newseye/tbs_newseye5179293.html
http://megalodon.jp/2012-1113-0033-28/news.tbs.co.jp/20121111/newseye/tbs_newseye5179293.html
http://www.youtube.com/watch?v=JL-8RoWAytE

総理官邸前で“反原発”訴える大規模デモ
http://www.youtube.com/watch?v=NQe6aGcV6fM

東京・霞が関周辺8か所で反原発の抗議活動
http://www.news24.jp/articles/2012/11/11/07217502.html

首相官邸周辺 反原発を訴え 集会とデモ
http://www.mxtv.co.jp/mxnews/news/201211117.html
http://megalodon.jp/2012-1112-1459-42/www.mxtv.co.jp/mxnews/news/201211117.html
http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/648.html

記事 [原発・フッ素28] 原発の安全性は活断層評価では不十分
原発の安全性は活断層評価では不十分


 大飯原発の敷地内に活断層があるかないかでかなり話題になっている。活断層評価は、何万年に一回とか何十万年に一回動くかどうかを見ることになるから、活断層が実際にあってもあまり関係ないと考えている方がかなり多く居るはずだ。

 しかし、ここには誤解と言うか、巧妙な仕掛けと言うか、そういったものがある。

 まず、活断層そのものについてだ。
活断層があるかないかが重要な問題とされている。自分としては事実として大飯原発敷地内に活断層があると思うが、実を言うと、活断層がないとされてもそれが安全だというわけではない。つまり、活断層がなくとも大きな揺れがあることがあるからだ。

 1995年の阪神大震災では震度7、つまり、これ以上の震度階級がない最大震度を記録した地域が神戸側に幅1キロ、長さ20キロから30キロにわたって表れた。
( http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/ba/31/index2.html の図3 )

 しかし、この神戸側に活断層は発見されていない。野島断層が淡路島には現れたが、神戸側ではトレンチを掘るなりして調査をしたにもかかわらず活断層を見つけることができなかったのだ。

 そもそも、活断層とはどういったものなのか。活断層の定義としてその断層が前回動いたのがいつ頃かということが問題にされる。「数十万年前以降」に活動したものを活断層とするわけだ。
( http://kotobank.jp/word/%E6%B4%BB%E6%96%AD%E5%B1%A4 )
しかし、この定義と現実とは合わない。

 なぜなら、もっとも頑丈に作ってあるはずの高速道路の鉄筋コンクリートの柱が倒壊するほどの揺れがあった場所でも活断層が発見されないことがあるからだ。阪神大震災はまさにこういった事例だった。

 現在の活断層調査は地表面を調査するか、せいぜい数十メートル掘り下げて調査するだけだ。ところが被害を与えるような地震のすべては震源深さが5キロから数十キロはある。現実に震度5程度までは地震が起こっても地表面に割れが観察できることはほとんどない。「地表地震断層が出現するのはM6.8以上からで、確実に出現するのはM7.2以上」
( http://www.geog.or.jp/journal/back/pdf110-6/p771-783.pdf )とさえ言われている。だから、地表に姿を現さない活断層を伏在活断層と呼ぶことまで行われている。

 阪神大震災を起こした兵庫県南部地震はマグニチュード7.3、震源深さ16キロの地震だった。7.3は7.2より大きい。だから、実際に震源側の淡路島では野島断層が地表に姿を現し、震度7を記録した地域があった。しかし、同じく震度7を記録した神戸側では地表活断層は発見されていない。

 原発の安全性で問題なのは建物が壊れるかどうかだ。だから、揺れがどれほどあるかが基本的な問題だ。原発敷地内に活断層がなくても、原発が破壊されるような地震がどの程度あるのかが本来の問題なのだ。原発敷地内に活断層が見られなくとも頑丈なコンクリートの柱が粉々に破壊されることがあるからだ。

 一応、揺れが大きくなるのは断層がずれたからだということで、その断層面の大きさに注目して、断層面の広がりを示す震源域の大きさを考えてみよう。

 1995年の兵庫県南部地震はM7.3で震源域の広さは幅15キロ、長さ50キロ程度だという。
( http://www.bousaihaku.com/cgi-bin/hp/index2.cgi?ac1=B101&ac2=&ac3=4483&Page=hpd2_view )

 2004年の中越地震はM6.8で幅20キロ、長さ50キロ程度だ。
( http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/aftershocks/kiso_aftershock.html の図3 )

 2008年の岩手・宮城内陸地震はM7.2で幅35キロ、長さ45キロ程度だ。
( http://www.hinet.bosai.go.jp/topics/iwate-miyagi080614/ の「主な地震の震央分布図」 )

 よって、M7で幅30キロ、長さ40キロと仮定してみよう。マグニチュードと震源域の大きさが比例しないのはこれらのマグニチュードがモーメントマグニチュードではなかったり、断層面が傾いていたり、または震源深さが関係するからだ。

 一般的に海溝型の大きな地震が発生する前にその地域一帯を地震空白域として、その空白域の周辺でマグニチュードが1程度小さい地震が頻発する現象がある。これを地震の活動期と呼ぶ。ここでは、1946年の昭和南海地震発生前の状況で、どの程度の頻度で地震が起こるか見てみよう。

 http://www.hinet.bosai.go.jp/about_earthquake/sec7.3.html にある 図7.12 1946年南海地震(M8.0)の発生前40年間(左)と最近40年間(右)における,近畿地方周辺の地震活動(M>6) の比較(「1995年兵庫県南部地震」,京大防災研より) を見てみよう。

 1909年の姉川地震(M6.8)に始まって、1946年の昭和南海地震(M8.0)前までにマグニチュード6以上の地震がこの辺一帯で11回も起こっているのだ。(図7.12はそのままではよく見えないがパソコン画面で拡大してみると鳥取地震が起こったところで同じ1943年にM6.2の地震が2回起こっているのが分かる。)琵琶湖の北東側で起こった姉川地震と鳥取県の東部で起こった鳥取地震含む一帯の面積を縦60キロ、横200キロと見積もって、この地域、つまり、若狭湾周辺の面積を12000平方キロとする。

 マグニチュード7の地震の震源域は30キロ×40キロの1200平方キロと仮定したから、若狭湾周辺の地震頻発域にはマグニチュード7の震源域がちょうど10個収まることになる。

 この地域で40年間で6回マグニチュード6以上の地震が起こってきたので、かなり雑だがこれらの地震がすべてマグニチュード7であったと仮定する。

 すると、ある一つの震源域がマグニチュード7の地震を起こす確率は40年間で0.6回と言うことになる。

 若狭湾の原発群が立地する地域の広さは縦20キロ、幅100キロ程度だと仮定すると面積は2000平方キロとなる。2000平方キロは1200平方キロの約2倍だから、この広さでマグニチュード7の地震が起こる確率は40年で0.6の2倍、つまり1回程度ということだ。なお、これは昭和南海地震の起きる前40年間で考えた数値だ。

 今重要なのは、今後の確率だ。東日本太平洋沖地震は1000年に1度の地震とされる。日本列島全体に大きなゆがみが新たに生じたので、次の南海地震はより大型化するはずだ。次の南海地震が30年以内に発生する確率は90%程度とされるので、40年後に起こると仮定する。次の南海地震はマグニチュード9とされるのでその大きさは昭和南海地震の32倍にもなる。これがそのまま震源周辺域での地震活動に結びつくわけではないだろうが数倍程度にはなるだろう。つまり、若狭湾の原発群が直下型のマグニチュード7程度の地震に襲われる可能性は40年間で数回、つまり、10年に1回程度となる。

 九州にある玄海原発や川内原発、四国にある伊方原発はどうだろうか。九州にある原発はプレート境界に近い。特に川内原発はアムールプレートの南端近くにあり、桜島や新燃岳の噴火活動活発化もあり、直下型の地震が起こる可能性は高い。事実、1997年に鹿児島県北西部地震がマグニチュード6.3、6.2の大きさで続けて2回起こっている。また、伊方原発は中央構造線のほぼ真上にあり、鹿児島県北西部地震はその中央構造線の末端に位置している。だから、中央構造線での地震活動が活発化している可能性もある。
なお、大きな地震が起きたのちの余震活動では、震源域の端のほうで大きな余震が起きる傾向があるという。
( http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/aftershocks/kiso_aftershock.html には次のように書かれている。
[5]大きな余震は余震域の端の周辺で起きやすい傾向があります。
平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震では、余震域の南端付近(茨城県沖)でマグニチュード7.6の最大余震が、北端付近(岩手県沖)でマグニチュード7.4の大きな余震が発生しました。)

 以上の話は、活断層が原発直下にあるかないかよりも震源域の広がりを意識したものだ。そして、震源域を考えた確率論のほうが現実をよく表していることがはっきりしたはずだ。

 では、なぜ、活断層評価ということが重要視されてきたのだろうか。
非常に簡単に言ってしまえば、活断層評価はあいまいでいくらでも解釈次第で確率を甘く評価でき、原発立地が可能になるからだ。

 浜岡原発は東海地震の震源域の真上に立地している。東海地震が繰り返しあの地域で起こることが分かる前に浜岡原発が作られたと昨年マスコミで繰り返し報道されたが、それは明確な間違えで、浜岡原発の建設認可がされる前に東海地震が繰り返しあの地域で起こってきたことが地震学会で確認されていた。このことをまったく無視して浜岡原発は作られたのだ。

 活断層かどうかの判定基準を十数万年前から40万年前というより長期間に最近変更したのは、活断層かどうかの判定基準を厳しくしたことになるが、一般的な印象は、40万年に一度しか動かない活断層なら原発直下にあっても当分は安全だというものだろう。まして、活断層かどうかの判定はかなりあいまいで、地滑りが上向き方向に起こる可能性さえあるとする議論が規制委員会では認められてしまうのだから、40万年に一度という判定基準は単に活断層があっても当分動かないから大丈夫と言う印象を与えるためと見えてしまう。
日本政府も日本の電力会社も、原発による発電コストは1kwh5円程度で火力や水力、地熱などに比べて最も安いと言ってきた。そして、その陰で、使用済み核燃料については再利用を図るとし、高速増殖炉の開発に何兆円も費やして失敗してきている。再処理工場も同じで六ヶ所村の再処理工場はいまだに稼働していない。そして、これらのコストは原発の発電コストにきちんと反映されてきてはいなかったのだ。更に、高レベル廃棄物の処分は全く可能になっていない。地層処分についてはやっと今年になってから日本学術会議で不可能だと認められた。しかし、地上での乾式貯蔵になればコストは無制限と言っていいほど膨れ上がる。ここまで現実にはコストがかかるものを推し進めてきたのは電気代に総括原価方式と言う原価計算の方法が認められてきたからだ。コストをかければかけるだけ利益が増えるという方式で、一基建設するのに3000億円程度かかる原発は総括原価方式では利益を生むもとになっていた。

 しかし、福島第一原発事故が起こった昨年来、原発のコストは大変に高いものだということがやっと認められだした。しかし、それでも、現在ある原発は停止するともったいないということで再稼働を推し進める動きが各所から出ている。

 その根拠が活断層評価だ。数十万年に一度だから当分の間動かしても大丈夫と言うものだ。しかし、太平洋戦争終了の前後に起こった昭和南海地震や昭和東南海地震の後、日本全体は地震の静穏期に入ってしまい、たまたま地震があまり起こらなかっただけだ。1995年の阪神大震災以来日本全体が地震の活動期に入っている。
 
 繰り返すが、活断層評価による再稼働判断はおかしい。間違っていると言ってもいいくらいだ。震源域による直下型地震がどの程度起こるかという確率評価をするべきだ。
 
*6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<1211>>TC:38110,BC:13088,PC:?、 Mc:?

http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/649.html

記事 [自然災害18] 原発板リンク:原発の安全性は活断層評価では不十分
原発の安全性は活断層評価では不十分
http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/649.html
投稿者 taked4700 日時 2012 年 11 月 13 日 04:31:02: 9XFNe/BiX575U

活断層評価はいくらでも甘い評価ができる。また、何万年、何十万年に一度という誤解を与えることによって原発立地が可能な印象を与えてしまう。
http://www.asyura2.com/12/jisin18/msg/610.html

記事 [経世済民78] JR大阪三越伊勢丹、埋没の危機  日本車「北米頼み」 生活者に近づく ブランドで価格競争脱却? ファミレス
JR大阪三越伊勢丹、埋没の危機

巻き返しは「伊勢丹流」でなく「三越流」で

2012年11月13日(火)  南 充浩

 まもなく、阪急百貨店うめだ本店のリニューアルグランドオープンの日がやってくる。10月25日にオープンした二期棟には、まだ施工中の区画があるため、これで本当の全館リニューアルオープンとなる。今回のリニューアルオープンに伴って、関西のアパレル業界の方から「JR大阪三越伊勢丹はどうなるのでしょう」と尋ねられることが増えた。

 前回も触れたが、JR大阪三越伊勢丹を運営するJR西日本は10月26日、JR大阪三越伊勢丹の売れ行き不振により、188億4100万円の特別損失を計上したと発表した。また三越伊勢丹ホールディングス(HD)も同様に特別損失を計上し、JR大阪三越伊勢丹の黒字化目標を4年後の2016年3月期とすると公表した。裏を返せば、今期を含めてあと3期は赤字が続く厳しい状況にあることが分かる。

 2011年5月に開業したJR大阪三越伊勢丹の当初の初年度売り上げ目標は550億円だった。しかし、実績はその目標を200億円以上下回ってしまった。この不振について様々な原因が挙げられているが、その1つとして「自主編集売り場」を指摘する声は多い。

「大阪の消費者が慣れていない」が不振の原因?

 現在の百貨店には、多くのブランドがテナントショップに近い形で出店している。「A」というブランドの商品は、その百貨店内ショップに行けば、一式そろえることができる。しかし、JR大阪三越伊勢丹の「自主編集売り場」は、ジャケットやコートといったアイテムごとに売り場を構成しており、「A」というブランドの商品もアイテムごとにバラバラの場所で売られている。この売り場形態に「東京の伊勢丹新宿本店では支持されているが、大阪の消費者は慣れていない」ことが不振の原因だとされている。

 JR大阪三越伊勢丹は「これが伊勢丹の強み」として、しばらくはこの売り場の形態を変えないことを今年8月の時点で明言している。また、「あの陳列の良さがわからない消費者はセンスがない」という意見もときどき聞こえてくる。

 オープン時の内覧会で売り場を見たが、確かに商品が美しく陳列されている売り場で、他店からもお手本になるようなディスプレイだと思った。自主編集でここまで美しく陳列できる百貨店はあまりないと思われる。しかし、それが受け入れられていないから、現時点での実績なのだろう。

 そもそも、伊勢丹流の売り場が成功している店が新宿本店以外にあるだろうか。店舗としては、JR京都伊勢丹が成功を収めている。しかし、現在のJR京都伊勢丹は伊勢丹流の「自主編集売り場」ではなく、従来型百貨店のテナントショップ形式が主軸である。

 以前、日経ビジネスオンラインの記者の眼で「『伊勢丹幻想』から脱せよ」という記事が掲載された。その中に、「バーゲン後ろ倒しをしても顧客が付いてくるのは伊勢丹新宿本店だけだとも感じている」という1文があった。これは、今夏に三越伊勢丹HDが主導した「バーゲン後ろ倒し」だけでなく、自主編集売り場についても同じことが言える。

 自主編集売り場を作って顧客が付いてくるのは、三越伊勢丹HD全体ではなく、伊勢丹の、それも新宿本店だけだろう。その理由は「ニッチ」な固定ファンが待ち望んでいるからである。

 これは今回リニューアルした阪急百貨店うめだ本店にも当てはまる。今回のリニューアルでは、9階の半分近くを「祝祭広場」にしたり、13階に野外中庭を作ったりという取り組みをしている。これらが梅田以外の土地で成功するとはとても思えない。こうした売り場の作り方も「ニッチ」なファンが多数いる、うめだ本店だからこそできるのだと思う。

 三越伊勢丹HDに話しを戻すと、もともと伊勢丹は地方店の運営に長けているわけではない。過去には、小倉伊勢丹や吉祥寺店を閉店、札幌の老舗百貨店である丸井今井の支援でも苦戦した。JR京都伊勢丹は初年度こそ振るわなかったものの、駅前という立地を生かした割り切った売り場構成にすることで、徐々に売れ行きが好転し始めた。JR大阪三越伊勢丹が現在の「自主編集売り場」にこだわっている間は、売れ行きが浮上することはないだろうと推測している。

周囲には特長あるライバルがずらり

 JR大阪駅周辺を見回してみる。JR大阪三越伊勢丹の周辺には、特長が明確な商業施設が並んでいる。

 5階にずらりとラグジュアリーブランドを揃えた阪急百貨店うめだ本店。ユニクロや東急ハンズ、ポケモンセンターなどの導入で30〜40代のファミリー層を獲得した大丸梅田店。人気セレクトショップの旗艦店を取りそろえたファッションビル「ルクア」。少し離れると食品とレディースジーンズに定評がある阪神百貨店、阪急百貨店うめだ本店の裏には阪急メンズ館とファッションビル「HEPファイブ」があり、その隣にはヤングレディースブランドがならぶ商業施設「エスト1」がある。

 さらに大阪駅構内に先日、飲食に強そうなエキナカ施設「エキマルシェ大阪」がオープンした。はっきり言って商品的に供給過多であるが、いずれもそれなりに消費者から支持を得ている(エキマルシェ大阪は未知数だが)。

 その中にあって、強みが「自主編集売り場」だけのJR大阪三越伊勢丹は埋没しかけている。ましてや来春には、JR大阪駅の道路を挟んだ北側に「グランフロント」という新商業施設がオープンし、供給過多にますます拍車がかかることになる。

 では、JR大阪三越伊勢丹はどうすべきか。なかなか難しいが、個人的には伊勢丹色ではなく、三越色を前面に押し出し、年配層に特化してみてはどうかと思う。若年層や、30代、40代のファミリー層の所得は減少している。今さらここを掘り起こしたところで、隣接する施設に勝つことは難しいだろう。

 それよりも団塊世代から上の年代に的を絞ってみてはどうだろうか。可処分所得は間違いなく多い。この世代の男性は衣料品の購入にはあまり積極的ではないものの、飲食や雑貨などには興味を示す。この年代をターゲットにした商業施設は近隣にない。

 それに三越は大阪・北浜に店舗を構えていたころから年配層には強かった。昔から「若者の店」という印象はまったくなく、富裕な中高年の店と認識されていた。この頃の雰囲気を再現してみてはどうだろうか。年配層向けに、三越北浜店を今風にリニューアルした店をして打ち出すのだ。「ニッチ」なファンに向けた新宿本店スタイルの「自主編集売り場」を維持し続けるよりはよほど効果的だと思うのだが、伊勢丹色に染まった現在の三越伊勢丹HDでは無理な話かもしれない。

(この記事は、有料会員向けサービス「日経ビジネスDigital」で先行公開していた記事を再掲載したものです)


南 充浩(みなみ・みつひろ)

フリーライター、広報アドバイザー。1970年生まれ。洋服店での販売職・店長を経て繊維業界紙に記者として入社。その後、Tシャツメーカーの広報、編集プロダクションでの雑誌編集・広告営業を経て、展示会主催業者、専門学校広報を経て独立。業界紙やウェブ、一般ファッション雑誌などに繊維・アパレル業界に関する記事を書きつつ、生地製造産地の広報を請け負っている。


「糸へん」小耳早耳

普段、私たちが何気なく身に着けている衣服の数々。これらを作る世界では何が起きているのか。業界に精通した筆者がファストファッションから国内産地の実情まで、アパレルや繊維といったいわゆる「糸へん」産業にまつわる最新動向を鮮やかに切り取る。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20121109/239258/?top_updt

日本車「北米頼み」の危うさ

2012年11月13日(火)  吉野 次郎 、 張 勇祥 、 伊藤 正倫

中国での不買運動と欧州危機の煽りで、日系自動車各社が北米依存を強めている。ホンダは北米での販売比率が42%に達し、富士重工は過去最高の売り上げを見込む。だが今年末以降、米国の経済減速が懸念され、依存のリスクが高まっている。

 日系自動車メーカー各社の2012年4〜9月期決算がほぼ出揃った。世界景気の減速感が強まる中、需要が比較的堅調な「北米頼み」の構図が鮮明になりつつある。

 10月29日、記者会見に臨んだホンダの池史彦専務は、「中国や欧州、南米、インドでの販売台数の減少や、新興国の通貨安を見込み、2013年3月期の業績見通しを修正した」と切り出した。売り上げ見通しは4月に掲げた10兆3000億円から今回5000億円減額して9兆8000億円に、営業利益は6200億円から1000億円減額して5200億円に、それぞれ下方修正した。


左から三菱自の益子修社長、山内孝マツダ社長、日産の志賀俊之COO、伊東孝紳ホンダ社長、豊田章男トヨタ社長。先月、都内で会見
 当初、全世界で2013年3月期に430万台の販売を見込んでいたが、今回18万台減らして412万台としたことが響いた。特に計画台数を大きく減らした地域が、中国市場と欧州市場だ。中国では以前からの景気減速に加えて、日本政府が沖縄県・尖閣諸島を国有化したことをきっかけに9月半ば以降、日本車の不買運動が広がった。また欧州では、債務危機が消費を一段と冷え込ませている。

 中国、欧州市場での販売不振で、相対的に高まったのが、ホンダの北米市場への依存度だ。北米での販売見通しは当初の174万台を据え置いたことで、全体に占める構成比は従来予想の40.5%から42.2%に向上した。

 ホンダは北米市場に過度に依存する企業体質から、全世界でバランスよく稼げる体質への転換を目指す一環として、昨年から新興国で現地開発体制の強化を急いでいる。だが、その矢先に中国や欧州で販売不振に陥り、北米依存体質からの脱却は遠のいてしまった。

中国の販売不振、日米で吸収

 「中国での販売減が当社の収益に与える影響は小さい」と強気なのは、富士重工業の吉永泰之社長だ。5月に公表した2013年3月期の中国での販売計画は6万2000台だったが、今回2万1700台減らして4万300台に変更した。

 中国で販売する予定だった自動車は、米国と日本市場に振り向ける。日米では「インプレッサ」などの販売が絶好調で、ディーラー在庫が足りない状況。日米の工場では生産能力の増強を図っているが、それでも不足しているため、中国向けを急遽充当することにした。

 これにより今回、日本市場では2013年3月期に当初より1万4900台多い16万300台を販売する計画に改めた。米国市場はさらに多く上積みする。当初計画より2万4800台多い34万8800台を販売する予定だという。2013年3月期に全世界で販売する71万4400台のうち半数近くを米国が占めることになりそうだ。

 米国事業が牽引し、2013年3月期の売り上げは過去最高となる1兆8400億円を、営業利益は820億円を見込む。北米頼みの事業体質がさらに強まった格好だ。

 トヨタ自動車の小澤哲・副社長は、「中国と欧州の市場環境が不透明になった」と話す。欧州での2013年3月期の販売計画は、今年8月に掲げた83万台から今回4万台減らして79万台とした。より深刻なのが中国だ。2012年10月〜2013年3月の6カ月間で販売が20万台落ち込み、2013年3月期に最終損益ベースで300億円の減益要因になると推計する。


 対照的に「自動車市場が好調に推移している」(小澤副社長)というのが北米だ。当初と比べて2万台増となる240万台の販売計画を新たに打ち出した。タイやインドネシアでの販売も下支えし、全世界では当初計画の880万台から875万台へ、5万台の下方修正にとどめた。

 2013年3月期の連結売り上げ見通しは、従来の22兆円から今回7000億円減の21兆3000億円へ下方修正したものの、コスト削減などで営業利益は500億円増の1兆500億円に上方修正した。

 ただ、頼みの綱である北米の自動車需要が今後も持ちこたえられる保証はどこにもない。今年末から来年初頭にかけて米国では大型減税策の期限が切れるうえ、財政赤字の削減を目指した予算管理法の執行により、歳出カットが始まる。米国などでは「財政の崖」というキーワードで、財政引き締めが経済に悪影響を及ぼす恐れが指摘される。北米依存度の高まりとともに、日系自動車メーカー各社が直面する米国の景気減速リスクはますます大きくなっている。

 米国市場に見切りをつける動きも出てきた。スズキは11月6日、円高や市場動向などから採算性を確保していくことは困難とし、米国本土での4輪車販売事業から撤退すると発表した。

「入社以来、一番厳しい局面」

 このほか製造業では川上の化学品や鉄鋼で、日系メーカーが2012年4〜9月期に軒並み中国の景気減速に苦しむ実態が浮き彫りになった。

 神戸製鋼所の藤原寛明・副社長は10月30日の決算発表の席上で「私が入社して三十数年が経つが、今が一番厳しい」と顔を曇らせた。同社は、2013年3月期の連結最終損益が600億円の赤字となる見通し。赤字は2期連続だ。「これまでなら、市況が悪化しても国内で減産を続けて耐えれば、やがて改善した。だが、今回は違う」と藤原副社長。市況悪化の主因は中国にある。

 中国は2008年、リーマンショックへの対応策として4兆元の景気刺激策を発動。この時期に相次いで製鉄所の建設が始まり、昨年あたりから順次稼働を始めた。ところが、足元では中国経済の減速が鮮明になっており、国内需要は弱含んでいる。この結果、中国は鉄鋼設備が過剰となり、製品価格は下落した。JFEホールディングスも2013年3月期の純利益予想を従来の800億円から350億円に下方修正した。

 化学メーカーでは、旭化成やクラレなど大手が2013年3月期の業績見通しを軒並み下方修正した。旭化成の化学部門における主力製品の1つが合成ゴムやABS樹脂の原料となるアクリロニトリルだが、中国などの需要減を受けて市況が低迷。純利益見通しを従来の665億円から505億円に引き下げた。

 クラレも純利益の予想を350億円から300億円に修正した。主力樹脂のポバールは欧州などで需要が低迷。日中関係の悪化については、顧客である自動車や電機メーカーが影響を受けているため、間接的に響く可能性を考慮せざるを得ないとする。


吉野 次郎(よしの・じろう)

日経ビジネス記者。1期生として慶応義塾大学環境情報学部を卒業。1996年に日経BPに入社し、通信業界の専門誌「日経コミュニケーション」で2001年までNTTと新電電の競争や業界再編成を取材。2007年まで通信と放送の専門誌「日経ニューメディア」で、通信と放送の融合やデジタル化をテーマに放送業界を取材。現在は「日経ビジネス」で電機やIT(情報技術)業界をカバーする。好きな季節は真夏。暑ければ暑いほどよい。お腹の出っ張りが気になる年齢にさしかかり、ダイエット中。間もなく大型バイク免許を取得する予定。著書に『テレビはインターネットがなぜ嫌いなのか』(日経BP)。

伊藤 正倫(いとう・まさのり)

日経ビジネス記者。

張 勇祥(ちょう・ゆうしょう)

日経ビジネス記者


時事深層

“ここさえ読めば毎週のニュースの本質がわかる”―ニュース連動の解説記事。日経ビジネス編集部が、景気、業界再編の動きから最新マーケティング動向やヒット商品まで幅広くウォッチ。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20121109/239248/?ST=print


「価格競争に乗るのでは、生活者にいかに近づくかを考える」

第12回(最終回):BOPからMOPへ 〜生活者の半歩先を行くために〜

2012年11月13日(火)  山下 充洋

 新興国ビジネスに乗り出そうとしている企業なら、「BOP(ベース・オブ・ピラミッド)ビジネス」への関心も高いことだろう。BOP、すなわち所得ピラミッドの底辺の層は人口のボリュームの最も多い層でもある。そこを相手にモノを売れば、事業ボリュームが見込める。将来、人々の生活が豊かになり、購買力がアップすれば、さらに売り上げを伸ばすことができるという考え方だ。
 ところが、新興国のBOPは急激な勢いで成長し、BOPの上層部はすでにLMOP(ローアー・ミドル・オブ・ピラミッド)に育ちつつあるようなのだ。マンダムでも、BOP向けにヒットを飛ばした小分け商品の中には、売り上げが横ばいになり始めたものがあると言う。高級品には手が届かないが、今までの商品では飽き足りないという人たちが増える中で、日本メーカーがブランディングを得意とする外資と闘っていくためには、どのような工夫や心構えが必要なのだろうか? (聞き手は、伊藤暢人)
かつて、世界中が「日本製=高品質」と認めていた時代がありました。昨今の新興国において、日本製品はどのような印象を持たれているのでしょうか?

山下:正直なところ、信頼、歴史、安心感などは持っているけど単価は少し高くて……十把一からげ、の印象ですね。「商品は売れるが、ブランドが定着・浸透しない」というのが日本メーカーとその製品のイメージです。

 売らんがために安くしてしまうというか、高いものを売る自信がなさそうに見えるというか・・・・・・。一度ブランドが浸透すれば、たとえ主力商品がA・B・CからX・Y・Zに変わったとしても、同じように認知されます。でも、日本メーカーの場合は、A・B・Cは爆発的に売れたけれど、10年後に出したX・Y・Zはダメだったというパターンが多いような気がします。

 決して、単純に高額だからと言うワケではないと私は思います。そもそも、「ブランド力がある=高額商品が売れる」ということではないんですよね。単価の安いものでも、爆発的に売れて、マーケットに浸透し、「あの商品(カテゴリー)といえば、あのブランドだね」と知れわたり、信頼され、認められていれば立派にブランドとして確立します。たとえば食品業界なら、単価が数十円や数百円の売れ筋商品を持つブランドメーカーがありますよね。

 その点、化粧品は生活必需品ではなく嗜好品であり“おしゃれ=文化”を売る商材ですから、どうしても高いところから低いところへ流れると言う習性があり、そこで高額商品が売れるメーカーが強いという印象になりがちというのは否めません。ですが、たとえ価格ラインが高くても、売れなくて店の棚でホコリをかぶっているとしたら、ブランドイメージは劣化し、勿論定着せず、ブランド力は高いとはいえず、マーケティングの考え方が間違っているのだと思います。

 マンダムの場合は、新興国マーケットに5グラムサイズの小袋入りの整髪料を投入してヒットさせた実績があります。つまり、商品の平均単価を下げることなく、商品の品質は維持しつつ、サイジングによって絶対的価格だけを下げ、BOPにも手の届く商品をつくったわけです。誤解しないでいただきたいのは、「小袋(サチェット)」という特殊な商品を売ることが“目的”だったわけではなく、生活者に近づくための“手段”として小袋という形態を選んだのだということ。まずは、使ったことのない整髪料を手にとってもらい、使い心地を確認してもらい、やがて生活者に経済力がついてきたら、レギュラーサイズの商品やより質の高い商品に乗り換えてもらおうというのが前提なんです。安いものを売ることを目的にしていたのでは、いくら頑張ってもブランド力はつきません。

既に新興国の主力マーケットは、BOPからMOPに移りつつあるのでしょうか?

山下:そうですね。一概に新興国と言ってもバラつきがありますが、一部の急成長している国では、BOPの層がさらにトップ、ミドル、ボトムの3層に分かれ、BOPのトップ層が中間層(MOP)の最下層(LMOP)のに近づくことで、マーケットの厚みが出てきた感じです。メーカーとしては、下の上〜中の上までの厚い層をつかめば、マーケットボリュームが見込める分だけ商売が回しやすくなるので、どうしてもポジションを獲りたいところ。価格帯で言うと、欧米の外資系ブランドの半分から6掛け程度、でもローカルメーカーの商品よりは3〜5割くらい値が張るけれどもデザインや品質を考えるとリーズナブルで手が届かないこともない、くらいの線を狙って商品開発を進めるとヒットする可能性も高くブランドイメージも損なわれない。

 当然、ライバルたる外資系もラインを下げてMOP寄りの商品を出してくるので競争は激化していますが、いつまでもBOPビジネスだけに居残っていても低価格競争に巻き込まれて疲弊するばかりだし、続ければ続けるほど「安いブランド」というイメージが定着してしまうのでマズイ。数年前までは、BOPビジネスでの成功を目論んで、新興国に進出するメーカーが多かったのですが、現実はもうすでに次の段階に入っていると感じています。つまりすでに新興国が成長段階に入ってしまった現状では、厳しいことを言うようですが、初期から(もしくはできるだけ早い段階で)BOP向けとMOP向けの両輪を回しながら、ブランドン定着を図り、中長期で高級ラインをつくる体制を整え、機を見て高い方にシフトしていく対応が求められる状況です。

 昔の成功談を聞いて後を追っても遅過ぎます。準備ができて進出した頃には、消費者から「もう、そんなのいらない」とそっぽを向かれかねません。この連載で何度もお伝えしてきましたが、新興国の変化のスピードは非常に速いので、計画は大筋のストーリー程度のものであり、常に修正されるもので、実行段階で細部を修正しながら進行することと肝に銘じておきましょう。市場の変化と時流を読んで臨機応変に対応するのがビジネスと自覚してください。

 本格的にMOPにシフトすべきタイミングを見極めるには、設備投資、外国投資、最低賃金、失業率といったマクロ経済指標の変化に目を光らせておくことも大事です。だが、もっとも頼りになるのは現地での“実感”です。国全体の勢いが上がっているときを逃さないことです。

 その拡大している内需を支えているのはどの層(トップ、ミドル、ボトム)で、どの業態(資源、耐久消費財、開発、不動産など)で、一時的なものか、一部分なのか、全体、全国、全階層で湧き上がる力強さか、という実感をつかめるように、いかに各方面にアンテナを広げ、感度を磨いておくかが現地責任者の腕の見せ所です。

ターゲットやコンセプトを現地でズレなく伝えるには?

インドネシアでの「ギャツビー」のブランディングは成功しましたが、その要所はどこにあるのでしょうか?

山下:ありがとうございます。ブランディングがうまくいったかいかないか、その評価方法は国によっても異なりますので、語るのはなかなか難しいです。ただ、大事にしていたことがあるとすれば、「どこにいっても同じ」と感じてもらえるようにマーケティングを徹底することですかね。商品づくりにおいても、販促や広告などにおいても、進出したすべての国の生活者が等しく、「若々しくて、やんちゃで、オシャレでカッコイイ!」と感じてもらえるように展開する。手法や媒体や言語は異なるけれども、受け手に同じように感じてもらえるように注意を払いました。

 そのためには、国や地域による“感覚の違い”をしっかりと把握することが重要です。たとえば、よくターゲットを定めるときに年齢で区切ってしまいますが、日本の18歳とインドネシアの18歳とでは、考え方もライフスタイルもかなり違っています。中国とインドでも違います。ですから、年齢を決めるにしても、「日本で17〜18歳と設定したのは、『初めて化粧品に興味を持つ多感な時期』だから」と、定義付けの背景を明確にして、その国でこの条件に合う年齢は何歳くらいだろうか、ということを詰めていくわけです。

 今の例の年齢は定量的なことですが、定性的なことでも同じです。「かっこいい」と感じる内容が、日本と海外とでは違うんです。特に経済的に成熟した国と新興国とでは大きなギャップがありますね。今の日本なら、アイドルタレントのような人がお笑いをやるのも「かっこいい」と評価されますが、新興国ではまだ早い。昭和の日本のアイドルや俳優たちのように、カッコイイ人はあくまでもカッコイイことだけをしていなければ(笑)。ここを間違ってCMやポスターをつくってしまうと、せっかくのコンセプトが消費者に届きません。俗に言う「下手ウマ」は通じ難い国があります。

 一度、安っぽい印象がつくと、そこから高級感や品格を取り戻そうとしてもなかなか難しいものです。

 特にMOPビジネスを考えているなら、文字通りミドルクラスのイメージは保っておかねばなりません。ミドルからトップならまだ比較的簡単にシフトできますが、ボトムからミドルに移行するのは大変です。たとえば、シャンプーや整髪料なら、主原料にプラスする香料などの添加物を品質の良いものに換えたり、容器デザインを凝ったものにしたり、キャップをポンプにグレードアップしたりすればいい。つまり、量から質(中身)をアピールする商品づくりや宣伝・販促に切り替えていくなどですね。

となると、消費者により近い現地スタッフにある程度の権限委譲をして、タイムリーな決断をさせることも大事ですよね。

山下:特に広告宣伝や販促のツールに関しては、現地の広告代理店やデザイナーらに委ねています。ただし、先ほど話した“感覚の違い”を残したまま作業を進めるのはマズイので、マーケティングの段階で、「これは聞いた?」「どんな答えだった?」「間違えはない?」と確認します。質問内容にズレが出ないようにコントロールして、間違いなく自分たちが思う「若々しくて、やんちゃで、オシャレでカッコイイ」ものになることだけは担保しておきます。

 もちろん、任せっきりではなく、微調整はしますよ。いくら現地で受けるやり方だからといっても、ローカルのメーカーと同じような印象だと差別化できませんから、少しは高級感とか日系企業らしさとか、「あぁ、海外ブランドは一味違うな」と感じてもらえるような、きらっとした部分を加えておきたいところです。

むすびに変えて…会社も社員もハッピーになるには

最後に、新興国ビジネスを検討している日本メーカーが、気をつけておくべきことがあれば教えてください。

山下:急成長を遂げた昨今の新興国には、かつての諦め感から脱却し、自国に対する自信を持ち始めており、一種のナショナリズムのようなものが生まれつつあります。それは国粋的な、右翼的なものではなく、自信や誇り、自立心のようなものです。今までは、十分な高等教育を受けられない人が多かったでしょうが、大学を卒業した人や海外留学の経験を持つ人、経営を学んだ人なども増えてきたことで、ビジネスの世界にも「理論や理屈を理解できる、説明できる人材」が現れ始めています。

 そうなると、かつてのように日本人か来て「とにかくやれ!」と上から目線で強制しても通用しませんし、逆に反発を招くリスクがあります。残念ながら日本人に対する憧れの気持ち、絶対に勝てない、かなわないと感じるかつての畏怖の念が薄まっているので、ローカルの人材が「腑に落ちた」と思えるような論理的な説明ができる人材を送り込まなければ、いいローカルの社員を採用、継続使用できず、せっかくの海外進出した事業がうまくいかないでしょう。日本に残ってもエース級で活躍できるような人材、ある程度経験を積んで年端の行った人を選抜し、抜てきする覚悟がないと、想像もできない落とし穴に落ちる恐れがあります。

 経済成長が止まっている日本では、決して経験できないようなことができるチャンスが新興国には溢れています。本社としては、経営者を育てるつもりで、エース級の人材を送り込む覚悟を持ってほしい。そして、彼らが現地での仕事をやり遂げ帰任したときには、その経験やノウハウを大いに評価し、そして国内の組織に還元できるようなポストにつけるような配慮があれば、もっともっと日本の若手ビジネスマンが世界で活躍できるでしょう。

 そうすれば、組織もその恩恵を受けるようになり、双方「ウィン・ウィン」の関係になると思います。かつてのように、日本が、日本企業が、日本人が、日本のパスポートが、世界中で憧れの存在で、燦然と輝き、「Look Japan!」と呼ばれる復活の日が来ることを願って止みません。

 律義で、勤勉で、正義と公平を宗とし、誠意を持って物事に接する、偉大なる文化の国日本に生まれたことを誇りに思いながら世界の市場で戦い続けましょう。読者の皆さんの成功と成長を祈念しています。

 ニッポン・バンザイ!

(この連載は今回で修了します。構成:服部 貴美子)


山下 充洋(やました・みつひろ)

1987年、マンダムに入社。入社2年目にシンガポール駐在員事務所を開設して所長となり、現地総代理店の買収、マレーシア現地法人の新設、タイ現地法人の再建に携わった。2001年、マンダムにとって最大の子会社マンダム・インドネシアの社長に就任。2005〜2007年の第一次中期経営計画を策定し、計画通りに1兆ルピアの売り上げ目標を達成した。インドネシアで社長を務めていた7年では、売り上げを約3倍に成長させている。通算20年にわたって、海外に駐在した。
2008年、大阪の本社に帰国し海外事業部担当執行役員(兼海外事業部長)に就任、インドネシアを含む中国・インド・ドバイを含む同社の海外事業部門全体を統括した。
2012年9月末に同社を退社。


新興国市場で成功するための実践講座

日中関係に緊張が高まる中、東南アジアやインドなどの新興国への進出を改めて考える日本企業が増えている。とはいえ、すでに世界的な大企業が本格的に進出しており、現地企業も力をつけ始めているこうした市場では、苦戦を強いられている日本企業も少なくない。化粧品メーカー、マンダムで20年間海外に駐在し、インドネシアを起点に新興国市場の開拓で実績を積んできた元執行役員の山下充洋氏が、その体験をもとに成功につながるノウハウを実践的に解説する(山下氏は2012年9月末でマンダムを退社していますが、この記事は同社に所属していた時点での取材に基づきます)。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20121022/238400/?ST=print


ブランドは価格競争脱却の切り札にはなり得ない

ブランド論の第一人者、デービッド・アーカー氏に聞く

2012年11月12日(月)  中野目 純一

 薄型テレビの価格が下げ止まらず、国内電機メーカーが巨額の赤字を計上するなど、製品のコモディティー化から、日本企業の多くが泥沼の価格競争に巻き込まれている。そうした苦境から抜け出すために、「ブランド力の向上」を目指す動きが広がっているが、それは有効な戦略なのか。ブランド論の世界的第一人者で、電通顧問を務めて日本企業の動向に詳しいデービッド・アーカー米カリフォルニア大学バークレー校名誉教授に聞いた。
 昨年に出版した著書『カテゴリー・イノベーション―ブランド・レレバンスで戦わずして勝つ』(日本経済新聞出版社)で新たな知見を披露したアーカー氏は、「新製品開発やマーケティングにお金をかけてブランド力を高めようとするのは誤った戦略だ」と指摘。売り上げシェアを劇的に変えるための新しい方策を提示する。

(聞き手は中野目 純一)
昨年に出版した近著で「カテゴリー・イノベーション」という新しいコンセプトを提示した。それはどのようなものか。

アーカー:一言で表現すれば、製品やサービスの新しいカテゴリー(分野)、あるいは既存のカテゴリーの中に新しいサブカテゴリーを創り出すことだ。

 なかなか分かりにくい概念なので、具体的な例を使って説明しよう。ここではビールという製品カテゴリーを例に挙げる。私は日本のビール業界を長年にわたって調べてきたが、その市場シェアが大きく変わった局面が過去に4回あった。


デービッド・アーカー(David A.Aaker)氏
米カリフォルニア大学バークレー校経営大学院名誉教授。プロフェット社副会長。電通顧問。ブランド論の第一人者であり、ブランド・エクイティ戦略やブランド・ポートフォリオ戦略を提唱した。著書に『ブランド・ポートフォリオ戦略』(ダイヤモンド社)、『ブランド・エクイティ戦略―競争優位をつくりだす名前、シンボル、スローガン』(同)、『カテゴリー・イノベーション―ブランド・レレバンスで戦わずして勝つ』(日本経済新聞出版社)などがある。
(写真:菅野 勝男)
 そのうち、3回はビールというカテゴリーの下に新たなサブカテゴリーができたことが契機となった。具体的に言うと、アサヒビールの「アサヒスーパードライ」、キリンビールの「キリン一番搾り」、そして発泡酒の登場である。これらはビールというカテゴリーの中で、それぞれ新しいサブカテゴリーを形成した。その結果、日本のビール業界におけるメーカーの市場シェアは、大きく塗り替わった。

 このように、市場のシェアが劇的に変わるのは、少数の例外を除いて、新しいカテゴリーやサブカテゴリーが創出された場合に限られる。企業は売り上げや利益を増やし、市場シェアを高めるために、新製品の開発やマーケティングに多額の費用を投じる。しかし、現実には既存のカテゴリーの中でいくらそうした取り組みに力を入れても、業績や市場シェアが大きく変わることはない。

 コンピューター産業を見ても、業界の勢力図が大きく変わったのは、ミニコンピューターやサーバー、ワークステーションといった新しいサブカテゴリーが形成された時だった。

確かにアサヒのスーパードライはビールの中に「ドライビール」という新しいカテゴリーを生み出した商品であるし、その登場によって日本のビール業界の市場シェアは大きく変わった。新しいカテゴリーの形成によってそれほどの大きな変化が生じる理由について詳しく知りたい。

アーカー:それは新しいカテゴリーを形成することによって、経済学が教えるところの「競争のない状態」を生み出せるからだ。アサヒがスーパードライを発売した時、ドライビールはほかに存在しなかった。

 キリンなど競合他社は既存のビールの販売強化などで対抗したが、消費者はドライビールを既存のビールとは異なるものと受け止め、ドライビールを買い求めた。ドライビールを求めている消費者に、いくら既存のビールを訴求しても購入してはもらえない。

 アサヒは、ドライビールというサブカテゴリーの中で唯一製品を販売し、いわば独占状態を築くことができたわけだ。そして、ドライビールを求める消費者にスーパードライを販売し、売り上げをどんどん伸ばしていった。その結果、ビールというカテゴリーの中での市場シェアをも飛躍的に高めた。

競争のない状態を作れるから価格競争も防げる

 新しいカテゴリーを形成して、競争のない状態を作り出せれば、値下げをする必要もなく価格を維持でき、製品がコモディティー(汎用品)になることも防げる。製品のコモディティー化によって価格競争に巻き込まれている多くの日本企業にとって、カテゴリー・イノベーションに取り組むことがそうした苦境から抜け出す唯一の道だろう。

 多くの企業は、広告宣伝や販促活動、さらにはソーシャルメディアを通じたマーケティングに多額の費用を投じてブランド力を高めることが、価格競争から脱却するために有効な方策だと考えているが、それは誤りだ。カテゴリー・イノベーションこそ、その唯一の方策である。

 大がかりなマーケティングによるブランド強化から、カテゴリー・イノベーションの実現へと一刻も早く舵を切るべきだ。それは、従来の経営戦略やマーケティングを根本から見直すことになるので、容易なことではない。しかしそれでも取り組まなければならない。

新しいカテゴリーはどうやって形成すればいいのか。

アーカー:まずは新しいカテゴリーの形成につながる製品やサービスのコンセプトを創り出す。次にそのコンセプトについて評価する。さらに、新しいカテゴリーを積極的に管理し、競争相手による模倣を防ぐ参入障壁を築くことも求められる。

最初のコンセプトを創り出すところは非常に難しいのではないか。どう取り組めばいいのか。

アーカー:『カテゴリー・イノベーション』では、コンセプトの見つけ方について1章を割いて詳述している(第4章「新しいコンセプトを見つけ出す」)。そこでは、新しい製品やサービスのコンセプト創出に役立つことが証明されている14のアプローチや方法を紹介している。顧客との協働や市場トレンドの調査、他社の製品やサービスの研究などを挙げている。

 このように方法やアプローチはいくつもあるが、どれを採用するかはさほど重要な問題ではない。さらに、コンセプトにつながるアイデアはそもそも企業の内部に既にあることが実は多い。

 問題は、そのアイデアをコンセプトにまとめ、経営資源を投入し、事業化まで持っていく強い意志と忍耐力を持ち続けることができるかどうかだ。さらに、事業化した新しいカテゴリーやサブカテゴリーを積極的に管理して、競合に対する参入障壁を築くことも重要だ。

 日本企業、例えば現在、国際的な価格競争にさらされて苦境にある電機メーカーも、薄型テレビをはじめ数多くの新たなサブカテゴリーを創り出してきた。しかし、競合に対する参入障壁を築く点はおろそかになっていた。この点は多くの日本企業に共通する課題だろう。

競合に対する参入障壁を築く4つの方法

参入障壁を築く方法にはどのようなものがあるのか。

アーカー:まずは新しいカテゴリーの代名詞的な存在になることだ。そのためには、ブランドではなくカテゴリーについて語り続け、自社がそのカテゴリーの先駆者であることを消費者の間に浸透させることが必要だ。ブランドの強化には、そうしたコンセンサスが出来上がった後に取り組めばいい。

 次に有効なのは、新しいカテゴリーの形成につながったイノベーション自体をブランド化することだ。その成功例として、トヨタ自動車がハイブリッド技術自体を消費者に訴求して、「ハイブリッドカーと言えばトヨタ」というイメージを広めたことが挙げられる。いったんこうしたイメージが定着すれば、競合他社がそれを覆すのは困難だ。

 3番目の方法は、できるだけ速く販売を拡大することだ。これはアサヒがスーパードライで実行した。生産能力を一気に増強して、スーパードライを愛飲する顧客を次々と増やす。競合他社がドライビールの対抗商品を出してきた時には、アサヒは既に顧客の囲い込みに成功していた。

 4番目の方法としては、イノベーションを実行し続けることが挙げられる。その好例が米アップルがデジタル携帯音楽プレーヤーの「iPod」で実行したことだろう。同社は、iPodで「ナノ」「シャッフル」「タッチ」といったバリエーションを次々と投入し、消費者に対する訴求点を変えて、競合他社が容易に追随するのを許さなかった。

著書『カテゴリー・イノベーション』では、カテゴリー・イノベーションをサポートする組織についても、1章を割いて説明している。そうしたのはなぜか。

アーカー:カテゴリー・イノベーションを実現するには、組織を変革しなければならないからだ。背景には、成功している組織ほど、イノベーションに取り組むのが難しいという問題がある。

 コア事業が成功している企業は、その事業にフォーカスし、いわゆる「カイゼン」によって、製品やサービスを少しでも良くし、価格を引き下げてその事業を伸ばそうと努力する。その半面、成功するかどうか確実でない新しいカテゴリーへ投資することには非常に消極的だ。

 しかし、カテゴリー・イノベーションを実現するためには、既存のビジネスと新しいビジネス機会の両方にどうにかしてフォーカスしなければならない。それにはまず市場の現場に足を運んで情報を集め、新たな商機を見逃さずにつかめるようになることが必要だ。

 もっとも、情報を集めるだけでは十分ではない。商機を見いだしたら、それを実現する実行力を持つことも欠かせない。

 3番目に企業の本社などに全社の経営資源を再配分する仕組みを持つことが求められる。そうした仕組みによってカテゴリー・イノベーションを担う部署にも経営資源が回るようにしなければ、既存のコア事業がすべての経営資源を吸い取ってしまうだろう。

経営トップのサポートが欠かせない

カテゴリー・イノベーションを実現するうえでは、企業のトップの役割も重要なのではないか。

アーカー:その通りだ。CEO(最高経営責任者)のサポートなくして、カテゴリー・イノベーションを行うことは非常に困難だ。例えば、アップルはiPodのほかに、デジタルコンテンツ配信サービスのiTunes、直営店のアップルストア、タブレット(高機能携帯端末)のiPad、スマートフォン(高機能携帯電話)のiPhoneといったカテゴリー・イノベーションを相次いで実現してきた。これらはいずれも、前CEOのスティーブ・ジョブズ氏がいなかったら、成し得なかっただろう。

 トヨタのハイブリッド車、プリウスにしてもそうだ。当時の同社のトップ(奥田碩氏)は、ハイブリッド車の開発に当たって「(当初の予定から1年前倒しして)3年以内に発売にこぎ着ける」と主張して、開発部隊をバックアップしたと聞く。ソニーがウォークマンを開発した時にも、当時の経営トップ(盛田昭夫氏)の強力な支持があったそうだ。

 企業の規模が大きくなるほど、階層も増え、「ノー」と言う人も増えていく。ジョブズ氏やかつてのソニーのトップのような強力な経営トップがいなければ、イノベーションの芽は簡単に摘み取られてしまう。現在の日本企業には強い権限を持ったトップがおらず、何事も合議で決定しようとする傾向が強まっていることが、イノベーションの妨げになっている。

 こうした意思決定のあり方や組織の構造にメスを入れて、イノベーションを実行できる形に変えていけるかどうか。これも、多くの日本企業にとって、困難ではあるが取り組まなければならない課題だ。ここでも個々の企業の実行力が問われる。


中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長。日経アーキテクチュア、日経コンストラクション、日経ビズテックの記者を経て、2005年12月日経ビジネス記者。2012年4月から現職。


キーパーソンに聞く

日経ビジネスのデスクが、話題の人、旬の人にインタビューします。このコラムを開けば毎日1人、新しいキーパーソンに出会えます。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20121109/239253/?ST=print

 


アイデアが出るファミレス、出ないファミレス

細田守監督(「おおかみこどもの雨と雪」) 第2回

2012年11月13日(火)  澤本 嘉光 、 清野 由美

(前回から読む)

細田:澤本さんの発想法を、みんなすごく知りたいと思うんですが。

澤本:いや、発想法なんてそんなすごいものはなくて、だいたいぽーっと考えているときに、出てくるんで・・・。

細田:というと?

澤本:もともと僕には妄想癖がありまして、たとえば地下鉄でロシア人を見かけたとします。いや、見ただけだとロシア人って分からないんですが、金髪だから、多分ロシア人だろう、と(笑)。

 それで、その人がちょっとおどおどした様子だと、「あいつはロシアから来たスパイで、これから外務省に行くところなんだけど、字が読めないから間違った方向の地下鉄に乗っている。霞が関からどんどん遠ざかっている…」というようにストーリーを作り始めて。

細田:妄想でいろいろ楽しんでいるんですね。

澤本:一種、変態ですよね(笑)。で、そんな中に、今、与えられてる課題を解く、という行為も含めちゃってる感じなので。「このロシア人は携帯をかけたいけど電波がつながらずに困っている……」とか考えて、携帯の課題に強引に結び付けるとか。秘訣、とか、方法、って本当にないんですよね。つまらない答えなんですが。

 広告を作ることって、クイズを解くこととすごく似ているところがありまして。

広告って、クイズとパズル

澤本:たとえば今、僕の手許に「凍頂烏龍茶」というペットボトル入りの新製品がありますが、これを広告するときは、「凍頂」という名前が付いたお茶であることを第一に伝えねばならないし、それが「おいしいこと」や「健康によいこと」など、いろいろな特性をも同時に分かりやすく伝えなければならない。

 それらの商品特性が課題であり、同時にヒントで、それらのヒントから「見ている人はどうやってこの商品を訴えれば興味を持って聞いてくれるか、それにクライアントも同意してくれるか」という答えを求めていくわけです。そういうクイズを永遠に解きまくっている感じがあります。


細田 守(ほそだ・まもる)
アニメーション映画監督
1967年、富山県生まれ。金沢美術工芸大学卒業。91年東映動画(現・東映アニメーション)に入社。アニメーターとして活躍後、演出家に転向。その後フリーとなり、劇場アニメ「時をかける少女」(2006年・角川ヘラルド映画)を監督し、小規模上映ながらロングラン・ヒットとなり国内外の数多くの賞を受賞。続く「サマーウォーズ」(09年・ワーナー・ブラザーズ映画)では16.5億円の興行収入を達成し、ベルリン国際映画祭にも正式招待された。11年には自身のアニメーション映画制作会社「スタジオ地図」を設立。最新作で自身が監督・脚本・原作を務めた12年公開の「おおかみこどもの雨と雪」(東宝)は、この記事の公開時点で興行収入41億円を超える大ヒットとなった。現在、日本を代表するアニメーション映画監督の旗手として国際的に知られる。
(写真:大槻 純一、以下同)
細田:そこに表現はどう入ってくるんですか。

澤本:そこから先はパズルをどうやって組み合わせていくかの話になりまして、こっちの表現だったら、この要素が入れられる。あっちの表現だったら、あの要素が打ち出せると、試行錯誤しながらベストの組み合わせを探していくんです。シミュレーションの繰り返しですね。

細田:ピースはうまく嵌まりますか。

澤本:難しいです!でも、考えている途中で、何かをきっかけに、「ああ、全部のピースが嵌まった」という瞬間があるんです。

 それをカッコよく言うと、「降りてきた!」になるんですが、普通にしていては絶対に「降りて」こなくて、降りてくるまでにず〜っと考えているんです(笑)。

細田:そんなに長く。

澤本:ああ、もう嫌だ、と思ったときに、何かをふと見て、不意にパーッと視界が広がっていったり。

細田:たとえば目の前にロシア人がいるとか(笑)。

澤本:ロシア人、大事ですよね(笑)。シミュレーションで言えば、練習ってわけじゃないんですが、たとえばコーヒーショップで、カウンターで注文をしている人に、勝手に頭の中でベートーベンとか、サザエさんの主題歌とかのBGMを付けてみたり、ということはよくやっていますね。BGMによって頭の中で展開するその人の持つストーリーが全然違ってくるんで。

細田:それは違うでしょうねえ。

澤本:コーヒーショップが好きなのは、人がいるから、で。いろいろな刺激があるから、そこにいると企画がどんどんできるような気がする。また、他人に見られているという意識で自分を追い込む。周りの人に、「俺は頑張ってますオーラ」を出したいと思って、外見頑張ってる風を装おうとして、ホントに頑張ったり。そういう人間として小さい事でなんとか気持ちを上げています。

細田:それで、頑張る(笑)。

細田:「場」というのが自分に与えるものってありますよね。

澤本:おっしゃる通りで、「場」は大事ですね。好きな喫茶店とか。

細田:そこでも人にBGMを付けたりしているんですか。

澤本:ええ。BGMとかSE(効果音)とか。


澤本 嘉光
CMプランナー/電通コミュニケーション・デザイン・センター(CDC)エグゼクティブ・クリエーティブディレクター。1966年、長崎県生まれ。東京大学文学部卒業後、電通に入社。クリエーティブ局に配属。東京ガス「ガス・パッ・チョ!」シリーズ、トヨタ自動車「ドラえもん」シリーズなどを担当。JAAAクリエイター・オブ・ザ・イヤーを唯一、3回受賞している。カンヌ国際広告祭賞など内外の受賞多数。2007年に始まったソフトバンクモバイル「白戸家シリーズ」は5年目に突入し、いまや国民的CMに成長。コラムの執筆、東方神起などの楽曲の作詞の他、08年に映画「犬と私の10の約束」(松竹)の原作、脚本、小説を執筆。12年に小説『お父さんは同級生』(幻冬舎)を上梓。
細田:SEは重要ですね(笑)。

澤本:たとえば、トイレから帰ってくる人に、ちょっと軽やかなモーツァルト的なBGMをあてると、相当機嫌よく出たな、と。トイレに並んでいる人に、ダースベーダーの音楽を付けると、「ああ、もう我慢の限界で殺意抱き始めたな」って。

細田:まさか当人は、澤本さんの妄想の中で遊ばれているとは思わないでしょうね。

澤本:音はすごく大事ですよね。CMの映像を編集しているときも同じで、僕は編集のときにそうやって音楽を変えたりしてやたら試します。

 仮編(仮編集)をやっているときに、「何か面白くないな、イマイチだな」と思っても映像は変えられない。でもBGMを変えるだけで、劇的に面白くなったりするんです。

細田:ああ、よく分かります。

澤本:ラジオCMを作ったとき、喫茶店での会話というシチュエーション設定でシナリオを書いたことがあったんですね。喫茶店というと、だいたい軽音楽みたいなのが流れているんだけど、それじゃあ、さほど面白くないので、取りあえず「波止場」のSEを持ってきて、ボーッと汽笛を鳴らしてみた。同じせりふでも、それだけですごく面白くなったんです。

細田:そういう実験を常日頃からしている、ということですよね。

澤本:ええ。普段からそういうゲームをずっとしている、という感じです。細田さんもアイディアを考え付くのは、ファミレスだとうかがいましたが。

いいアイディアは、仕事場では生まれない

細田:そうですね。ほとんどファミレスです。やっぱり何かいいアイディアを思い付かなきゃいけないときに、仕事場では絶対ムリというか。

澤本:ムリですよね。

細田:うん、本当は仕事場って、仕事をするための場所なのに、そこではぜんぜん仕事にならない。だから僕の場合はやっぱりファミレスで、それもロイヤルホストの確率が高い。あの、これはお店の名前を出してもいいんですかね?

澤本:いいことにしましょう。

細田:たとえばデニーズにも今まですごいお世話になっているし、あそこでいろいろなアイディアをモノにできたこともあるけれども、やっぱりトータルの打率でいうと、ロイヤルホストが今のところ一番という感じです。

 ロイヤルホストって、鉄板で肉をジューみたいな音が常に響いているじゃないですか。ウエイトレスの人が、すごい分厚いステーキをがーっと客のテーブルに持って行く音。あれを聞きながら、こっちは食欲をぐっとこらえてね。食べちゃだめなんですよ。

 食っちゃだめで、そのカチャカチャという、食べている人の出す音を聞きながら、禁欲的に自分を追い込んでやる、というのがいいんです。

澤本:そうすると食事のシーンが多くなりませんか。


(C)2012「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会、スタジオ地図作品(※編注:本文の内容はこの場面を指しているわけではありません)
細田:まさにそうなんですよ!この会話は別に食卓でなくてもいいのに、いつのまにか食事のシーンにしてしまっている(笑)。

なるべく僕が職場でアイディアを思い付かないようにしているというのは、最終的に映画を通して伝える相手が、職場の人間じゃないということがあります。
澤本:と言われますと?

細田:職場で考えちゃうと、職場に都合のいいアイディアにしかならないと思うんですよね。でも僕らの作る映画を見てくれる人って、ファミレスにいる親子とか、おじいちゃんと孫とかいう人たちになりますよね。

澤本:あと、草野球帰りの人たちとかがビールを飲んでいたりする。

細田:そう。要はそういう人たちに向けてどれだけ伝わるか、興味を持ってもらえるかどうか、みたいなことが常に頭にあります。だって、毎日映画漬けで、映画をいっぱい観ている評論家の方なんかは、おそらくファミレスには来ないです、きっと。

 やっぱり、親戚連れでワイワイやっていたりと、草野球帰りのおやじさんたちが騒いでいる場所でないとだめだ、と思います。

澤本:そういう人と話すんですか?


「サマーウォーズ」(C)2009 SUMMERWARS FILM PARTNERS
細田:話しかけられますね。「兄ちゃん、何? 漫画描いているの?」とか言って邪魔しに来る(笑)。僕は「いや、すみません、違います」とか言って、手で隠したりして。隠すくせに「このおじちゃんにも伝わるにはどうすればいいか」なんていつの間にか考えているんですけどね。

澤本:その「場」にいる人を意識するっていうか、そういうところからの刺激って大きいですよね。

細田:誰がそこにいるかというのはね、大きい。

仮想空間OZのビジュアルコンセプトは、あのメニューから生まれた

澤本:空間というものが与える力は、人間にとってすごくでかいと思うんですよ。向こうに誰がいる、というのもそうだし、その空間がかもし出す空気というものがある。こんなこと言うと気持ち悪いですけど、その空間が発している霊気というのはあって。たとえば僕が、実はスタバよりタリーズの方が物事を考えるのにいいかも、と感じるのは、僕の中でタリーズの方がスタバよりもちょっといいことがありそう、という意識があるから。雰囲気というか。根拠はないんですけどね、何となく。これ、街によっても違うんですが。

細田:今回の映画では、僕はスタバでいろいろ思い付いたな。

澤本:ファミレスではなく?

細田:ただ、僕が行っていたスタバは、ほかのおしゃれな場所にあるスタバとはちょっと違うんです。店の前にテーブルが並ぶオープンスペースがあるんですが……。

澤本:じゃあ、店外で。

細田:ただそこは全然おしゃれじゃなくて、となりの焼き鳥屋さんから焼き鳥を焼く煙が猛烈に流れ込んでくる(笑)。井の頭公園の入口の……。

澤本:ああ、焼き鳥屋さんの隣りにスタバがありますね。

細田:ええ。もうすごく煙いんですよ。絵コンテ用紙が燻製されちゃうくらい(笑)。でもいいんですよね、そこ。子供たちや犬を連れた人がたくさん行き交っていて、賑やかで幸せな気持ちになる。

澤本:細田さんのアニメの、ものすごいインパクトのビジュアルはそうして出てくるんですか。たとえば「サマーウォーズ」に出てきた「OZ(オズ)」という仮想空間のビジュアルにも、僕は参っちゃったのですが、その源は何なんですか。すごく素朴な疑問なんですけれども。


映画「サマーウォーズ」より仮想空間「OZ」
(C)2009 SUMMERWARS FILM PARTNERS
※「サマーウォーズ」
 2009年公開。買い物からコミュニケーションから納税まで、人々の生活全般をつかさどるインターネット上の仮想空間「OZ(オズ)」。ある日、謎の人口知能ラブマシーンがオズに侵入、仮想世界を撹乱し、現実世界も大混乱に陥る。非常事態を打開するために、信州・上田の旧家、陣内家の一族が結束してラブマシーンに戦いを挑む。
細田:うーん。何でしょうね。

澤本:尋常な想像力ではないな、って。

細田:いやいや、全然そんなこと、ないです。今の文脈でいうと、「オズ」のビジュアルコンセプトを思い付いたきっかけの一つは、ロイヤルホストのメニューのデザイン(pdfはこちら)なんです。

澤本:あ、分かります。

細田:ロイヤルホストの「ジェネラル」であり「伝統と、ちょっと高級な雰囲気」が大事というか(笑)。

澤本:そうですね。ロイヤルって名前自体も高貴ですよね(笑)。

細田:そう、あらゆる人が集う場所、という存在感がね。これはちょっと言えないけど、ターゲットを限定したような、ほかのファミレスのメニューからだと、なかなか思い浮かばないんです。

 それで、さっき、澤本さんがおっしゃった、「広告はクイズを解くようなこと」というのは、あらためて、その通りだろうなと思いますね。たとえば映画や芸術って、どういうふうに作ってもいいようなところがあると思われているけれども、やっぱりどこかに1個、正解があるんじゃないかと思っているんです。

「このモチーフで、この尺で、アニメーションという方法だったら、正解はこれです」みたいのが実はあるんじゃないか。それを、作り手の事情に流されてしまったり、行き当たりばったりの成り行きで作ってしまっては、ぜんぜんダメなんじゃないかと。
 アニメなりの、この映画なりの、枠組みの正解って絶対あるな、と思うから、その正解にどのようにたどり着くかというのがすごく大事だと思うんです。

自分のしたいことを上回る「正解」がある

澤本:その正解というのは、自分が一番したいこととは限らないでしょう。

細田:自分がしたいことよりも、さらに正解の方がレベルが高いということが往々にしてあり得るということなんですね。正解を探し当てるのはとても大変ですが、挑戦し、向かっていかないとダメだと思うんです。

澤本:大変ですよね。アニメや映画の監督が偉いな、と僕が思うのは、それを決めるのって本人じゃないですか。そこがすごいと思うんですよ。

 広告の場合は、そこら辺がちょっとゆるくて、僕がプランナーをするときは、その上にクリエイティブ・ディレクターという人がいて、そのおかげで僕も仕事を続けられていると思うんですよ。ソフトバンクモバイルでもトヨタ自動車でも、上に佐々木宏さんというクリエイティブ・ディレクターがいて、僕に圧をかけ続けているからこそ、僕は広告を作ることができる。

※プランナー
正しくはCMプランナー。テレビCMのシナリオを作る人。世界の広告シーンの中でも、日本だけにある肩書きで、日本で独自に発達した職能。
※クリエイティブ・ディレクター
広告キャンペーン全体のトーン&マナーを統括する人。
澤本:たぶん自分が全部100%をやっていると、自分の限界がどこかにあって、「まあ、いいや、それで」と思っちゃうと思うんですよ。甘えというか。自分でできるものは自分の能力を超えないというか。でも、佐々木さんというクリエイティブ・ディレクターにアイディアを持っていくと、たまに僕の意図することとは全然違うことを言い出して、びっくりするんです。

 事故みたいなものですし(笑)、最初は「ええっ?」となるんですが、佐々木さんの意見を聞いていると、だったら、こうしたら面白くなるかな、と思えてきて、アイディアを練り直し、やり直し、とやっていくうちに、当初の意図を超えた、もっと面白いものができてくる。

細田:なるほど。

澤本:毎回、すごい苦しいんですけど、ずっと苦しみ続けているから、40代半ばになっても、まだ広告を考えていられると思ってもいるんです。どこかでこの苦行をやめちゃったら、いったん止まってしまったその先はもう考えられなくなると思うんですよね。

細田:上がりで、終わっちゃうというか。

澤本:ええ。アニメ映画の監督は、そこを自己更新していかなきゃならないでしょう。それはすごいな、と思います。

細田:まあ僕1人じゃなくて、プロデューサー陣と相談してやっていきますけどね。

澤本:プロデューサーは1人ですか。

細田:いや、複数人いるんです。しかも映画は製作委員会方式が主流になっているので、各社からのプロデューサーが年々増強されて、すごいパワフルになっています。そんな彼らにどう応えるか、みたいなことは、監督にはあるんです。

 プロデューサーはみんな仲が良くて、夜中とかに一緒に飯を食って、楽しそうにきゃっきゃ言い合っているんですよ。羨ましいなと思うところもあります。監督は1人しかいないので孤独ですよ。夜中に1人で飯食って、きゃっきゃ言うわけにはいかない(笑)。

(横から) いろいろあるんですよ。(と、細田さんのスタジオのプロデューサーの声)

細田:はい。もちろん仲がいいばっかりじゃないだろうけどね。ののしり合ったりもしてるだろうけど(笑)。プロデューサーそれぞれの映画観とか人生観とか、そういう視点の広がりには、すごい刺激を受けています。

澤本:そうですよね。「全部自分でやっていいよ」と言われたら、僕はたぶん「頼むからそれはやめてくれ」と懇願しますね。


撮影協力:MAREBITO(マレビト)
「2号店」は出したくない

細田:澤本さんにとっての佐々木さんという師匠格は、僕の場合で言えば、会社員時代に自分がアシスタントで付いていた、山内重保さんや幾原邦彦さんといった、演出の諸先輩たちですね。

 でも、会社から独立しちゃうと、監督は自分の価値観や切り口で勝負しなけれればならなくなりますから。師匠とはいえ、ライバルになってしまうんですよ。たとえばラーメン屋さんのようなお店を持っちゃうようなところがあって、別のお店に手伝いに行くわけにはいかないんです。

澤本:教えを請いたいときでも、だめですか。

細田:東映時代は「こういうときはどうするんですか」と、よく聞いたし、作品を作るときも、山内さんだったらどう考えるだろうか、幾原さんだったらどう考えるだろうか、ということを、念頭に置いたりしていたんです。

でも、独立して監督になった後は、聞きに行けなくなりました。自分のお店をやっていて、それじゃあいけないような気がする。
 それに僕の場合、映画が当たっても続編を作ったりはしないので、ラーメン屋で当たったから次はラーメン屋の2号店、ということができない。次はカレー屋さんとか焼き肉屋さんとか、前とは違うお店を考えなきゃいけない。ラーメン屋のノウハウが次に持ち越せないんです。

澤本:毎回、違う店を立ち上げているんですね。すごい。

細田:だから、ラーメン屋が当たっていても、次は何の保証もない、みたいな。

澤本:たとえば宮崎駿さんだったらどうする、というふうなことはありますか。

細田:確かに東映の大先輩ではあるのですが、直接指導を受けているわけではないので、あまり……。そういえば、映画ジャンルの本で『ワイルダーならどうする?』という本があるんですけど、ビリー・ワイルダーにキャメロン・クロウという監督がインタビューしたもので、ワイルダーの全作品について聞いているんです。

澤本:へえ。

細田:要するに、若い映画監督が、映画史上に業績を残した巨匠の映画監督に聞いているんですよ。「あの映画の現場はどんな雰囲気でしたか」とか、「この映画は失敗作でしたよね」とか、普通の映画ジャーナリストだったら聞きづらいことも、監督の立場で結構ずばずばっと聞いていて。

 その本は、僕が繰り返し読んでいる本の一つで、自分が別の映画監督に、こんなうまく聞けるかどうかは自信がないんだけれど。

 それで、その本の面白いところは「このときはどうして現場がうまくいかなかったんですか」という、現場のマネジメントについても、聞き手がしっかり聞いているところなんです。

澤本:ああ、そういうことって、実は本当に知りたいことですよね。

細田:映画の本って、映像論とか表現論とかばかりになりがちなんだけど、現場で監督がどういうふうに周りのケツを拭いているのか、みたいなことって、実はすごく大事で。

澤本:現場での対処法ですよね。

細田:それについて言えば、あともう1冊、『未来映画術』という本がありまして。それは、スタンリー・キューブリック監督が『2001年宇宙の旅』の現場がどういう現場だったかということを書いた本なんです。

 キューブリックの現場はすさまじい現場、今までやったことがない撮影ばっかりの現場で、みんな大変なんです。その大変な現場で、監督がどういう態度であったか、という記録なわけですが、そういう本の記述がすごく勉強になります。

澤本:この表現の意図は、とか、モチーフは、とかいうような問いじゃないんですか?

細田:それは、中学校でいう「授業」ですよね。でも、これらの本は「生徒指導」という、授業とは違う部分なんです。

澤本:生徒指導の部分が、映画監督でいう現場マネジメントというわけですね。

全員が「ライトスタッフ」なんて、ありえませんから

細田:そのマネジメントはプロデューサーと共同でやっていくんですが、監督しか担えない部分もあるんです。でも、そういう肝心なところって、映画の記録になかなか残っていないんですよ。

澤本:現場のスタッフの中に、1人でも自分の感性と違う人がいたら、チームは機能しないという感じですか。

細田:アニメ演出のやり方はさまざまで、スタッフはいるけどみんなアシスタントで、本当に一から十まで、全部1人でやりたいという人もいますし、この人はすげえと認めている人とチームを組むのがいい、という人もいます。

 僕はどちらかといえば後者で、別の才能を持っている人へのあこがれが常にあるので、そういう人と組めて、その人の能力を発揮するシーンをお願いできたりすると、すごくうれしい。

澤本:自分が見込んだ人たちの仕事を見たい、というのはありますよね。

細田:その人たちのいい仕事を見るために、自分がいい絵コンテを描かなきゃいけないって思うんですよね。たとえば、よそではアシスタントだったとしても、起用の仕方で、その人の存在感が出て、作品に強烈な影響を及ぼすみたいなことはあるわけです。そういう部分を、監督としてどう引き出していくかが大事だなと思うんです。

澤本:僕もそういうことは、密かに意識しています。みんなを見守るお父さんの気持ちというか(笑)。

細田:全員がライトスタッフで、無駄なく作品が作っていければそれにこしたことはないけれど、すごく頼りにしていた人が何かの事情で外れなきゃいけないとか、とにかく現場では想定外の事態がしょっちゅう起こるじゃないですか。

澤本:ああ、分かります。

細田:そういう場合はどうリカバーするか、みたいなことが実は監督にとって、いちばん必要な腕でもあるんです。

澤本:表現とは別に、そういう力は絶対に必要ですよね。

→続きます。


清野 由美(きよの・ゆみ)

ジャーナリスト。
1960年生まれ。82年東京女子大学卒業後、草思社編集部勤務、英国留学を経て、トレンド情報誌創刊に参加。「世界を股にかけた地を這う取材」の経験を積み、91年にフリーランスに転じる。国内外の都市開発、デザイン、トレンド、ライフスタイルを取材する一方で、時代の先端を行く各界の人物記事に力を注ぐ。『アエラ』『朝日新聞』『日本経済新聞』『日経ベンチャー(現・日経トップリーダー)』などで執筆。著書に『セーラが町にやってきた』(プレジデント社/日経ビジネス人文庫)、『ほんものの日本人』(弊社刊)、『新・都市論TOKYO』『新・ムラ論 TOKYO』(集英社新書・隈研吾氏と共著)『「オトコらしくない」から、うまくいく』(佐藤悦子氏と共著・日本経済新聞出版社)など。

澤本 嘉光(さわもと・よしみつ)

CMプランナー/電通コミュニケーション・デザイン・センター(CDC)エグゼクティブ・クリエーティブディレクター。1966年、長崎県生まれ。東京大学文学部卒業後、電通に入社。クリエーティブ局に配属。東京ガス「ガス・パッ・チョ!」シリーズ、トヨタ自動車「ドラえもん」シリーズなどを担当。JAAAクリエイター・オブ・ザ・イヤーを唯一、3回受賞している。カンヌ国際広告祭賞など内外の受賞多数。2007年に始まったソフトバンクモバイル「白戸家シリーズ」は5年目に突入し、いまや国民的CMに成長。コラムの執筆、東方神起などの楽曲の作詞の他、08年に映画「犬と私の10の約束」(松竹)の原作、脚本、小説を執筆。12年に小説『お父さんは同級生』(幻冬舎)を上梓。


澤本嘉光の「偉人×異人」対談

いまや国民的なCMとなった「白土家シリーズ」を手がけるCMプランナー、澤本嘉光氏のセレクトによる、「人に発信するプロ」たちとの対談企画。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20121106/239108/?ST=print
http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/494.html

記事 [戦争b10] 兵隊に行きたくない中国の一人っ子たち 日本人投資家が「不買」で反撃  中国共産党を悩ます権力と富
JBpress>海外>中国 [中国]
兵隊に行きたくない中国の一人っ子たち
簡単には兵力増強できない中国軍の実状
2012年11月13日(Tue) 姫田 小夏
 「依法服兵役是公民的栄誉義務」(法に基づく服役は国民の栄誉ある義務)

 そんなスローガンが書かれた横断幕が、上海市内の大学構内にも掲げられた。

 中国人民解放軍(以下、人民解放軍)は毎年定期的に募集を行っている。今年はさらに“賢い知識青年”の比率を高めようと力を入れており、特に大学生の入隊に期待している模様だ。


「兵役は栄誉ある義務」を訴える横断幕
 中国には兵役の義務がある。「中華人民共和国憲法」第55条は「祖国を防衛し、侵略に抵抗することは一人ひとりの国民的神聖な職務である」と謳っている(ただし実際には、個人の志願に委ねられており、韓国のような厳格な徴兵はない)。

 「中華人民共和国兵役法」(以下、兵役法)第12条によれば、満18〜22歳(高等教育機関での学習者は24歳まで延長)の者が徴兵される、とある。つまり現在は、1988〜1994年生まれである「80后(80年代生まれ)の末期と90后(90年代生まれ)の前半」がその対象となる。

 人民解放軍は人員を派遣し、中国各地の大学を訪問し説明会を行うなどして、大学生をかき集める。だが、その歩留まりが思わしくない。中国のニュースサイト「人民網」によれば、2011年は歩留まりの低さが目立った年だったという。

 山東省と言えば、全国の10分の1に相当する新兵を創出する一大拠点。裏を返せば多くの貧農を抱えているというわけなのだが、ついに昨年は人員が計画の数に満たず、2度も募集キャンペーンを繰り返した。

 その理由はいくつかある。出生率の低下がその1つだ。90年代生まれは、中国の第3次ベビーブーム(1985〜1990年)を終えた後の世代で、その出生率低下は大学受験者数などにも影響が表れるほど。山東省でもまさしく新兵募集を巡って90年代の出生率低下に頭を悩ましている。

 また、かつての貧農は、国や地方政府から支給される手当を目当てに息子を兵役に送り込んだものだったが、今では就職先や学業の場に恵まれ、息子に軍隊生活の苦労をさせずとも、そこそこの生活ができるようになった。

 その一方で、企業では猫の手も借りたいほどの人手不足。軍と企業が若者を引っ張り合う状況が生まれており、これが「新兵不足」につながっているとも言われている。

いまどきの一人っ子にはムリ?

 「国防意識の低下」も大きく指摘される。個人の価値が多様化し、本人たちも「苦労はしたくない」という意識が強い。また各家庭の親も「大事な一人息子を太陽の下で働かせて汗をかかせるなどとんでもない」という思いを抱いている。

 こんなエピソードがある。

 2011年、北京大学では3500人の学生が参加して2週間の軍事訓練を行ったが、めまいで医務室に転がり込んだ学生の数は延べ6000人を超えたともいう。


上海市内の大学構内に張られた入隊募集のポスター
 中国では、大学や専門学校の新入生を対象に、1〜2週間にわたって軍事訓練が行われる。訓練内容は様々で、中には「直立不動を一定時間続ける」というメニューもある。だが、残暑厳しい9月という天候も禍いし、バタバタと倒れる男子学生が続出するらしい。

 また、ある大学生が訓練5日目にして退学したことも話題になった。「毎日風呂に入れない、食堂の食事がまずい」というのがその理由だった。

 一方、2012年9月、河南省のある大学では軍事訓練が突然中止になった。指導にあたる人民解放軍の兵士が現場の配備に駆り出され、訓練に手が回らなくなったというのだ。中止の通知を受けた学生たちが手を叩いて喜んだことは想像に難くない。誰もがこの訓練にうんざりしているのだ。

進む兵役逃れ

 中国では大学生でも学業を中断して兵役に臨む。しかし、条件が厳しいため最終審査に残る人材は限られる。

 男性なら162センチ以上、女性であれば160センチ以上の背丈、また(身長−110)の標準体重が求められる。視力も裸眼で右目4.9(日本で言う0.8)、左目4.8(日本で言う0.6)以上が求められる。

 筆者が訪問した80后の一人息子を持つ母親Aさんは「うちの息子も申し込みましたが、視力が悪いため不合格でした」と打ち明ける。

 近年の若い兵士の“質”低下は、以前から指摘されるところでもあった。2011年9月に発表された「国民体質測定結果」によれば、小中学生の視力の悪化や肥満傾向に加え、健康と基礎体力が25年連続で下降線を描いているという問題が指摘された。

 中国では体育の授業が疎かにされているせいもある。中国の体育の授業は、日本の授業で求められるような発達段階に応じたプログラム設計や、それに基づいた学生に対する達成度の要求などが明確ではない。学生たちも、国数英には力を入れるが、体育、美術では力を抜く、といった具合である。学生の体力増強のために、現在、中国教育部では「体育の成績を大学入試の評価に加える」などの議論が展開されている。

 他方、審査をクリアしても最後の最後で入隊を拒否するケースも少なくない。条件から外れようと故意に薬物を服用し、血液検査や尿検査で「不合格」になろうとするケースもある。

 前出のAさんは「そういう息子を持つ家庭に対しては、町内ぐるみで参加を促すようにしているんですが・・・」と語る。

 兵役は義務とはいえ、ある程度の自由度があるため、そもそも兵役に服さない学生も存在する。応じなければ学費の補助などの優遇が受けられないほか、「人事档案」(職場や団体が保管する個人の身の上調書)にその行状記録が残ってしまう。

 それでも過酷な軍隊生活を嫌がる若者は少なくない。湖南省長沙市の出身のBさん(23歳)は「当時のクラスメイトで兵役に就いた者はほとんどいない」と話している。

テレビドラマで国防意識を高揚

 中国国防部(日本の防衛省に相当)にとっては、こうした若者の「兵役離れ」が大きな問題になっている。何しろ、960万平方キロメートルという、世界第3位でアジア最大の国土と延々たる国境線を抱える上、昨今、尖閣諸島周辺にきな臭さが立ちこめているため、防衛力配備にはより多くの人手が必要となっているのだ。

 人民解放軍は隊員募集期間の到来に先立ち、今年は一種の心理的誘導作戦を展開した(毎年何らかの仕掛けはあるようだが)。それは、国慶節期間中に放映された、若者の入隊をテーマにした「我是特殊兵」(私は特殊兵)というテレビドラマである。

 男子学生の主人公が恋人を追って入隊を決意するが、軍隊生活は想像以上に過酷な世界であることを知る。それがドラマの始まりだ。

 論理的に物事を思考する大学生には、上官の命令の不条理が受け入れられない。班長の暴君ぶりに「非人道的だ」と反抗する主人公だが、必ず重い処罰が加えられる。

 「軍隊とは何か」という問いから始まるこの作品が描くのは、上下関係の中からも生まれ出てくる人間愛、過酷な生活を通して結ばれる人間の絆の強さである。そこからは、視聴者をホロッとさせながらも、国民の国防意識を高めようという意図が伝わってくる。

 今年の入隊応募者は、この映画に感化された者も少なくないようだ。大学生の間では「自分もあの主人公のように・・・」といった志願者も少なくないようで、ネット上には「積極的に行くぞ」「あのドラマを見たからには!」などの書き込みが散見される。

「軍事教育で鍛え上げてほしい」という親も

 さて、親の本音はどうなのか。

 前出のAさんは「上海人の家庭ならば“行かせたくない”というのが本音でしょう。息子の苦労が気になりますから。正直に言えば、息子が近視でよかったです」と打ち明ける。

 その一方で、苦労を知らない「90后」「80后末期」生まれが厳しい軍隊生活で人として成長することを期待する家庭もある。ネットには「90后の親ならば、独立心を養うために絶対入隊させるべきだ」とする書き込みが現れる。「団体精神の育成」「厳しい規律に耐え抜く意志」「苦労を乗り越える我慢強さ」などが軍事教育で身につけられると期待する声は少なくない。

 しかし、“中国版新人類”と呼ばれる90年代生まれの学生たちの間には、「絶対服従を求める軍隊教育はムリ」という拒絶反応は依然強い。

 反日感情には簡単に火がついても、「お国のために」という気持ちはなかなか燃え上がらない。かつては一致した個人、家庭、軍の利害も、今はそのバランスを失いつつある。「愛国」というスローガンだけでは増強が難しい兵力の実情が浮かび上がる。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/36495

JBpress>海外>Financial Times [Financial Times]
日中摩擦、日本人投資家が「不買」で反撃
2012年11月13日(Tue) Financial Times
(2012年11月12日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 アジアの2大経済大国である日中間で領有権を巡る論争が繰り広げられる中、中国人消費者による日本製品の不買運動に呼応するような形で、日本の個人投資家が中国の資産に背を向けている。

中国株ファンドの設定中止相次ぐ


野村の調査では、人民元の評価が過去最低となった〔AFPBB News〕

 調査会社リッパーのアナリストらによると、日本国内の資産運用会社はここ数週間で、上海株に投資するために合計で670億円募集しようとしていたファンドの設定計画を中止した。

 日本最大の証券会社、野村が個人投資家を対象に行った最新の月次調査では、今後3カ月間で投資対象として「魅力的な」通貨を1つ選ぶよう求めた設問で、人民元が過去最低の評価に落ち込んだ。

 日本政府が9月半ばに、論争の的になっている東シナ海の島々を国有化して以来、中国の消費者が日本ブランドの製品を避けるようになったため、化粧品会社の資生堂や時計メーカーのシチズンなどの日本企業では中国での売り上げが急減している。

 そして今、日本の家計は同じような対抗手段で応酬し、中国の株式や債券、銀行口座に流れ込む投資を抑制しているとアナリストらは言う。

感情論も影響

 「こうした事態には、感情が関係している」。三菱東京UFJ銀行のグローバル市場リサーチ部門の東アジア責任者、クリフ・タン氏(香港在勤)はこう話す。「たとえ島を巡る論争がなかったとしても、成長パターンの減速のせいで、(日本人投資家にとって)中国の輝きはいくらか褪せていたはずだ。だが、政治的な問題が多少の追い討ちになった」

 世界最大の純債権国である日本の個人投資家――比喩的に「ミセス・ワタナベ」として知られ、集団として1500兆円以上の資産を所有している――は、外国の資産や通貨の価値に対して大きな影響を及ぼすことができる。

 DIAMアセットマネジメントの商品企画部長、浜田好浩氏は、島を巡る論争は中国に投資する日本のファンドに「暗い影を落とした」と言う。DIAMは10月以来、同社の9400万元(1500万ドル)規模の債券ファンドを売ってくれる日本の銀行や証券会社を見つけるのに苦労している。

 リッパーによると、10月にA株のファンド設定を中止した資産運用会社4社のうち、これまでのところ1社だけ――岡三アセットマネジメント――が再挑戦すると話しているという。岡三は今月末から100億円募集する計画だ。

投資の回復は時間の問題?

 企業も一連の混乱を踏まえて中国での事業拡大計画を見直しており、人民元に対するエクスポージャーの拡大を見合わせている。ディール・ロジックのデータによると、日本企業が最後に香港市場で「点心」債を発行したのは、7月のことだ。

 多くの人は、やがては、緊張が和らぐにつれて投資の流れが戻ってくると考えている。「投資先として中国経済と日本経済のどちらかを選ばなければならないとしたら、多くの人は前者を選ぶだろう」と、国際通貨研究所(IIMA)のエコノミスト、植田賢司氏は話している。

By Ben McLannahan in Tokyo

http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/36529


中国共産党を悩ます権力と富

2012年11月13日(火)  The Economist

中国共産党幹部の家族が巨額の蓄財をしているとの報道が相次いでいる。指導部の世代交代を控え、当局はこうした報道の統制に躍起だ。だが新指導部の構成には、各地で抗議行動を起こす中流階級が影響力を持つ。


 中国では目下、街角に「反体制的な」スローガンが貼られていないか監視の目が光る。インターネット検閲当局は時間を問わず活動し、警察は反体制派への見張りを強め、書店では役人が地下出版物をチェックしている。

 この11月に予定されている10年に1度の指導部の交代を前に、中国共産党幹部は、自分たちの動きについての噂を抑え、民衆が不満を抱える証拠を消し去ろうと懸命だ。

温首相の家族が27億ドルの蓄財


米ニューヨーク・タイムズは10月25日、温家宝首相の家族が27億ドルもの資産を築いたと報じた
 そんな時期に温家宝(ウェンジャーバオ)首相の家族が、温氏が指導部入りした後の10年間に巨額の蓄財をしていたことが明るみに出たのは最悪だった。1980年代後半以降、指導部交代の時期に党がこれほどスキャンダルと危機に見舞われたことはない。

 本誌エコノミストが印刷に回される時点で、共産党は総勢370人もいる委員からなる中央委員会を北京で開催、11月8日に開幕する大規模な世代交代の政治ショーに向けて最後の準備を進めている。このショーは、2200人超の代議員が参加する全国代表大会(党大会)で始まり、数日後の新政治局委員発表へと続き、温氏は政治局から退任することになる*1。

*1=首相としての退任は来年3月

 米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が10月25日に報じた調査報道記事は、温氏が築いてきた質素で庶民的な「人民の首相」という世評を打ち砕いた。同紙は、温氏の家族が計約27億ドル(約2200億円)の財産を蓄えていた証拠を示したのだ。

 中国共産党にとっては、政治局委員の薄熙来(ボーシーライ)氏が殺人を隠蔽し、家族が大規模な腐敗に関与していた疑いで、公職から追放するに至るという数十年ぶりの大醜聞をさらけ出したばかり。

 6月には米通信社ブルームバーグが、習近平(シーチンピ)氏の家族が商取引により巨額の蓄財をしていたことを報道。習氏はこの11月に胡錦濤(フーチンタオ)氏から党総書記の地位を、さらに3月には国家主席の地位を引き継ぐ人物である。

 中国では指導部入りした幹部の家族が蓄財していることはかねて噂されてきたが、一連の報道はそうした噂を裏づけた格好だ(もっとも報じられた蓄財の規模は、こうしたことに慣れた冷笑的な者でさえ驚くものだった)。

 薄氏は今年初めまで、今回の指導部人事で党の最高機関入りが予想されていた人物。その薄氏を党自身が断罪したことを考えると、一連の調査は中国政治体制のまさに中枢で、富と権力がつながっていることを裏づけている。

 そこに利害の抵触があることは明らかだが、NYTもブルームバーグも、家族の事業との関係で党幹部個人に不正があると非難しているわけではない。

 だが、拡大を続ける貧富の格差に不満が広がる国内では、これらの報道が国民の間に辛辣な空気を生んでいる。

 中国では、6月からブルームバーグのサイトが閲覧できず、NYTの英語版サイトも中国語版サイトも同じ措置が取られた。中国外務省の広報官は例によって、NYTには中国に汚名を着せ、不安を扇動する「隠れた動機」があると非難した。

検閲から透けて見える党の不安

 北京で今月、党大会が開催される期間中、世論を統制し、批判を封じ込めようとしている中国共産党にとり、確かにネットは邪魔な存在だ。今回の指導部交代は、ソーシャルメディア時代の幕開け後初めての経験となる。

 中国でツイッターは遮断されているが、国内で開発された同様のサービスは人気が高く、検閲当局はこれらを懸命に抑え込もうとしているものの、まず不可能な状況だ。

 当局の懸念を推し量る手がかりはある。中国のミニブログは、首相の姓(「温かい」という意味がある)と、単語「資産」と組み合わせて検索するだけで遮断される。「首相」と「一族」でも同様だ。

 中国メディアをモニターしているサイト「中国数字時代」によると、中国の最も富裕な実業家の1人で、党大会の代議員でもある梁穏根(リャンウェンゲン)氏*2の政治的経歴についての報道もこの1カ月は規制されている。以前は、国内メディアも梁氏が中国で初めて民間の起業家として党中央委員に任命されるのではないかと報じていた。

*2=中国の建機大手、三一集団(湖南省)の創業者で、董事長

 民間の実業家を党に迎え入れることは、慎重ながらも歓迎されるようになってきていたが、現在は党と富裕層とのつながりを示唆するような発言はすべてタブーとされているようだ。

 当局が検閲で覆い隠そうと躍起になっているニュースはほかにもある。10月に上海の150kmほど南にある港湾都市寧波(ニンポー)で10月に数千人規模の抗議デモが発生した事件もその1つ。地元の化学工場の拡張計画による環境汚染を不安視する住民のデモ隊が、警察と衝突した。騒動から数日後の10月28日、市当局は工場拡張計画の一部撤回を発表した。

 政治の行く末を左右するこの時期、党幹部は何としても国内の動揺を抑えたいらしい(ちなみに、北京市内のタクシーですら、乗客が窓から抗議ビラをまかないようにと、後部座席の窓を開けられないようにするよう命じられている)。寧波の騒動も普段ならこれほど危惧されなかったはずだ。

 10年前、現指導部への交代に先立って党が最も注意したのは、国有企業が100万人単位で解雇した工場労働者層による抗議運動だった。だが、党はかなり前から工場労働者の支持を権力維持の決定的要素とは見ていない。

 現在最も重要な支持基盤は、力を増しつつある中間層だ。だが、最近は都市部の中間層がデモを起こすケースが増えており、寧波のデモも彼らが党を常に支持するわけではないことを示す一例にすぎない。7月には中国南西部にある四川省の什邡(シーファ)で、銅の精錬工場の建設に反対して数万人を超える規模のデモが起こった。同月、上海近くの啓東(チートン)で工場の排水管敷設に反対する抗議のデモが発生した時も、同規模の数万人が集まった。いずれの場合も当局が反対派の要求に譲歩した。

 こうした国内の緊張と、東シナ海に浮かぶ島を巡って最近、日本との間で高まっている対外的な緊張が重なって、近く発表される新指導部の人事を巡る最高幹部間の闘争を複雑なものにしていることは間違いない。

 胡錦濤氏が、強大な権力を持つ党中央軍事委員会主席の座にとどまるかどうかも、まだ不明だ。胡氏が前任者たちと同様、あと2〜3年、この地位にとどまる意思があるなら、内外の安定に関する党の懸念を軍を掌握し続けることを正当化する材料に使うだろう。

「革命は改善期にこそ発生する」

 胡氏の前任者、江沢民(ジャンツーミン)氏がいまだ影響力を維持していることも、事態を複雑にしている。胡氏と江氏の関係はよくなかったと言われている。

 86歳になる江氏が最近公の場に姿を見せることが多いのも、自分の影響力がまだ無視できないものであることをアピールするためと思われる。

 習氏は69歳の胡氏よりも江氏に近いと考えられているが、国家主席就任後も、胡氏と江氏の両者に気を配らなければならないことは間違いない。

 党はメディア統制を試みているが、機関紙に掲載される数々の記事を統制し切れていない。このことからも、多くの自由主義的知識人が見るように、社会的緊張が高まっていることは明らかだ。知識人たちは今以上に迅速な政治改革を要求している。その要求はどうやら、新指導者の習氏に対し、極端に慎重だった胡氏よりも大胆になれと迫るものだ。

 このところ中国の書店や知識人ブロガーの間の議論では、19世紀のフランスの歴史家アレクシ・ド・トクヴィルの著作が不思議なリバイバルを果たしている。「革命は、条件が最も厳しい時期ではなく、改善期にこそ発生する傾向がある」というトクヴィルの持論は、国の向かう方向に苛立つ中国人民の琴線に触れるところがあるようだ。

(©2012 The Economist Newspaper Limited.
Nov. 3-9, 2012. All rights reserved.)
英エコノミスト誌の記事は、日経ビジネスがライセンス契約に基づき翻訳したものです。英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。


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記事 [戦争b10] 強まる中国の支配と突破口を求める北朝鮮   中朝関係の歴史と現況
JBpress>日本再生>国防 [国防]
強まる中国の支配と突破口を求める北朝鮮
中朝関係の歴史と現況
2012年11月13日(Tue) 矢野 義昭
 中国と北朝鮮は歴史的に緊密な外交関係を保ってきた。1950年に中国は北朝鮮支援のため戦争に参加し、血で固められた友誼関係を築いた。(敬称略)

 冷戦初期には中朝は、1961年の両国間の軍事同盟以外にも、マルクス・レーニン主義イデオロギーを共有しており、また朝鮮戦争間と戦後復興での中国の対北朝鮮支援もあり、両国関係は緊密であった。

北朝鮮を米軍との間の緩衝地帯と見なす中国

 特に中国の指導者は北朝鮮を、韓国に駐留する米軍との緩衝地帯と見なしていた。さらに両国は分断国家としてのイデオロギーも共有していた。

 中ソ対立が激しかった1963年に、周恩来は、北朝鮮との秘密会談で共産ブロック内での中国の孤立化に風穴を開け金日成の支持を得るため、1949年以来厳格な姿勢を取ってきた中朝国境の領土問題で柔軟な姿勢を取り北朝鮮の要求に応じるように、中国側代表団に指示した。

 その後、中国の文化大革命と金日成に対する紅衛兵による批判が原因で、1968年3月から翌年3月の間、白頭山地区で中朝両軍の小規模な軍事衝突があった。

 その間、中国は北朝鮮との国境を閉鎖していた。1970年11月に中国政府は北朝鮮への批判を止め、北朝鮮政府との関係改善を図った。70年代に入り両国関係は好転し、1970年1月、両国政府は鴨緑江と図們江の航行条約に署名した。

 1970年代には中朝間では利害関係とイデオロギーが共有されていたことから、両国関係は数十年間にわたり友好関係が続くと見られていたが、80年代に入り、ケ小平が中国の指導者となり、改革開放政策を取り市場メカニズムを取り入れると両国関係は悪化し始めた。

 1992年に中国が韓国と国交を回復すると中朝関係はさらに悪化した。孤立感を深めた北朝鮮は核開発を本格化させ国際的な圧力が強まった。これに反発した北朝鮮は、翌年核拡散防止条約(NPT)脱退を宣言するなど、朝鮮半島の緊張は高まった。

 しかし、1994年に米朝枠組み合意が成立し北朝鮮の核疑惑をめぐる緊張が緩和されると、中朝間の公式的な関係も改善に向かった。

 経済関係も2000年代に入り急速に緊密になった。他方では、北朝鮮の核開発疑惑が再び浮上し、2003年に北朝鮮は再度NPT脱退を宣言し、その後2006年には核実験を強行し、国連安保理決議に基づく厳しい経済制裁を受けることになった。

 そのような経済的孤立の中で、中国は北朝鮮への支援を継続して経済関係を拡大し、2009年までには中国が北朝鮮の経済分野での支配的なパートナーになるまでになった。

 ただし軍事面での北朝鮮との協力関係には中国は慎重に取り組んでいる。

2009年、中朝友好の年を宣言

 2011年7月の中朝友好協力相互援助条約締結50周年では、中朝は相互に祝賀代表団を送って「代を継いでの友好」を確認し合ったものの、同条約が明示している有事の際の「自動介入条項」の有効性について、中国側は曖昧な姿勢を取り、北朝鮮側との間に微妙な温度差が見られたと報じられている(「読売新聞」平成23年7月13日)。

 2008年6月26日には北朝鮮が核計画の申告を中国に提出、これを受けて米国は北朝鮮のテロ支援国家指定を解除した。ただしその後実質的な成果を挙げるには至らなかった。

 2009年元旦には、胡錦濤と金正日は、新年の挨拶を交わし、両国の外交関係樹立60周年を記念して、2009年を「中朝友好の年」とすることを宣言した。しかし、2009年5月の北朝鮮の2回目の核実験以降、6カ国協議は中止された。

 2009年末以降、中国は米国と北朝鮮との間の直接の対話を促すようになった。

 2012年1月、中国を訪問中の李明博韓国大統領は9日、胡錦濤国家主席との首脳会談で北朝鮮の核問題と関連し、「必要ならば、6カ国協議の前提条件を満たす方向で、関係国の対話が再開されることを望む」と明らかにした(Daily NK, January 10, 2012)。

 しかしその後も協議再開の見通しは立っていない。

 中国政府は北朝鮮との軍事同盟を維持し経済援助を続けてはいるが、近年両国間の目標と利害は相反するようになっている。北朝鮮は依然として閉鎖的でかつ極度にイデオロギー的で破滅的な経済政策を取っている。

 それに対して中国は、かつてのイデオロギー的な熱狂を否定し実利的で競争力のある市場指向の経済体制を取っている。

 中国政府の立場では、これらの経済問題よりは、北朝鮮の安定保持という北朝鮮政府との共通の利害の方が依然としてより重要ではあるが、中朝の利害の共通性と両国の統治の差異によりもたらされる緊張はますます高まっている。そのことが外部の政策立案者に、中朝関係は複雑で曖昧という印象を与えている。

 中国の指導者たちは、北朝鮮について政治的あるいは戦略的に相矛盾した政策判断を迫られている。

北朝鮮の崩壊を何としても避けたい中国

 一方では、北朝鮮との緊密な関係を維持しなければならない要因がある。例えば、社会主義イデオロギーの共通性、これまで中国が北朝鮮に投入してきた人的物的資源、中国政府への信頼の維持、強まる経済関係、韓国に対する緩衝地帯、北朝鮮の国家破綻によりもたらされる破滅的な影響などの要因がある。

 他方には、中国をいら立たせる要因がある。例えば、北朝鮮の瀬戸際政策、北朝鮮への底なしの経済支援による資金の浪費、北朝鮮の核政策が北東アジアでの核軍拡競争を招く懸念、北朝鮮の挑発により中国が紛争に巻き込まれる恐れなどである。

 中国が国連の経済制裁決議にもかかわらず、北朝鮮に対して食料やエネルギーの援助を行うのは、中国の立場に立てば、北の体制崩壊、南北間の戦争、韓国による北の併合などの中国にとり最悪の事態を回避するための措置と見ることもできる。

 中国の北朝鮮に対する外交政策の目標は、北朝鮮への影響力を最大限に行使することにあると見られるが、その確実な方法は中国にも不明で、北朝鮮は、中国には従わないとの意思を予期しない形で示す傾向がある。

 中国にとり食料やエネルギーの援助は、北朝鮮への経済的な影響力を強め、北朝鮮の経済改革を促し、中国が北朝鮮を操る能力を高め、相互依存関係を深めることにより経済規模の小さい北朝鮮側の選択肢をコントロールすることもでき、北朝鮮の利害をより中国寄りにできるという効果がある。

 北朝鮮から見れば中国との関係は二律背反的な要素をはらんでいる。20年近くにわたり中国は北朝鮮政権にとり、経済面外交面での支援をしてくれる最も信頼のおける存在であった。

 しかし中国が時折示す国連安保理での制裁への同調と援助の削減は、北朝鮮に中国への過度の依存に対する懸念を深めさせた。

 冷戦時代には金日成は中ソ対立を利用して両国から経済援助を引き出してきた。しかし中国の援助は1990年代中ごろから少なくなり、北朝鮮は、特に飢餓から逃れるために、一時的に台湾を含むその他の国からの援助に頼った。

 2008年に先立つ10年間は、韓国の左翼政権が「太陽政策」を唱え、北朝鮮にかなりの経済的援助と外交的な支援を行った。

 1990年代中頃からは、北朝鮮は米国に食糧援助とエネルギー支援を求めた。日本も、2004年末に北朝鮮の工作機関による拉致問題により協議が紛糾し対北貿易を中止にするまで、北朝鮮に大量の資金援助を行った。

北朝鮮経済への支配を強める中国

 他方、2008年末から中国は北朝鮮に対するこれまでにない支配的な貿易相手先として登場している。

 北朝鮮の核問題は、中朝関係と地域の戦略的状況に新しい局面をもたらした。2009年の4月から5月にかけて、北朝鮮が弾道ミサイルの発射試験と2回目の核実験を行ったことは、中国の我慢の限度を超えた挑発的行為であった。

 その年の5月の核実験とその後の北朝鮮政府による声明から、北朝鮮は決して核兵器計画を諦めることはなく、その目標が核兵器保有国になることであることが明らかとなった。

 中国は、それ以降北朝鮮に対する態度を変え、朝鮮半島の非核化と安定化に対朝外交の焦点を絞るようになった。北朝鮮が核放棄をする可能性は乏しいが、核関連活動に対する制裁により北朝鮮の経済が不安定化する可能性は残っている。

 6カ国協議における中国の議長国としての役割により、北朝鮮との関係において、中国は微妙なバランスを取らざるを得ない立場にある。

 6カ国協議では中国は、北朝鮮の安定化と体制の護持を優先的な課題として、米国その他の参加国が非核化で指導力を発揮するのを歓迎している。

 中国政府は米国政府が北朝鮮と2国間協議を通じて核問題を協議するように促し、また北朝鮮に対して2010年に6カ国協議に復帰するように求めた。

 中国の言動は相矛盾したものになっている。中国は北朝鮮の核実験を非難した国連の決議1874号を支持した。しかし中国政府は、朝鮮半島の基本的な平和と安定を守り、北朝鮮という緩衝地帯を崩壊させて韓国よりも敵対的な米国が中国との国境まで北上してくるような統一朝鮮の出現を阻止する条項を入れることを主張した。

 決議1874に票を投ずるときには、中国代表は、北朝鮮の主権と領土の統一、安全保障上の合法的な懸念および北朝鮮の開発による利点が尊重されること、さらにNPT復帰後は北朝鮮が条約加盟国としての原子力エネルギーの平和利用の権利を保障されることを主張した。

 また他方で中国は、積極的に北朝鮮支援も行っている。2009年10月4日、中朝外交関係樹立60周年には温家宝首相が首相として18年ぶりにピョンヤンを大型の随行団を引き連れて親善訪問した。

北朝鮮の中国国境に大規模な自由貿易地区を新設

 両国は、相互の援助を誓約し、経済技術協力を含むいくつかの文書に署名し、総額約1億5000万ドルと見積もられる中朝両国間の鴨緑江にかかる大橋の新たな建造を促進することに合意した。そのほかに温家宝は5000万ドル相当の経済協力を約束した。

 2009年11月には、中国が通化―丹東経済地区と呼ばれる新しい大規模開発地区を計画していると報じられた。

 この計画では、橋の再建、港湾の新設、自由貿易地区の新設、倉庫、産業移転施設などが予定されている。また同計画の対象地区には西部中朝国境のほぼ半ばに当たる約350キロメートルが含まれている。

 金正日は、2000年、2001年、2004年、2006年に続き、3年以上経過した2010年に5回目と6回目の訪中をした。2009年10月に温家宝が金正日と会談した際に、再度の訪中に招待した。

 2010年3月には韓国哨戒艦・天安の沈没事件、同年11月には延坪島への砲撃があり、中国政府は微妙な立場に立たされた。2011年1月の胡錦濤―バラク・オバマ会談への悪影響を恐れ、中国は北朝鮮に、もしも韓国が2010年12月の紛争中の島での砲撃訓練を延期したなら、核戦争の脅威を控えるように要求したと報じられている。

 このように中朝の外交関係は、近年改善され、経済的な交流が深まるだけではなく、次回詳しく述べるが、国防相訪問などの軍事交流も再開されている。

 しかし中国としては、朝鮮半島の安定的な発展とさらなる北朝鮮に対する経済的支配を強化し、北朝鮮に対する政治的外交的な影響力を強めつつも、中国にとり重要な緩衝地帯の安定を崩したり、核問題を悪化させて米韓との軍事衝突に至ることも、逆に北朝鮮が経済的に行き詰まり不安定化して難民が押し寄せるような事態も阻止することが、対北朝鮮外交の方針と思われる。

 他方の北朝鮮は、中国の経済援助を歓迎してはいるものの、その支配力があまりにも強まり植民地化することは、中国式の改革開放を取り入れることにより、体制が動揺する危険をはらんでおり回避しなければならないと見ているであろう。

 しかし金正恩自身は経済の立て直しのためには、改革が必要と認識しており、金正日が踏み込めなかった社会の開放、民衆への情報開示に踏み切る兆候も見られる。

 これに対して軍を中心に、警戒感が高まり、北朝鮮指導部内でも対立があるのかもしれない。また対中一辺倒を避けるため、米日韓との外交関係の立て直しも図られる可能性がある。

 日本に対しても拉致問題などで問題解決に動く可能性もあり、そのことは日本人の遺骨収集団受け入れにも表れている。日本としてもこのような北朝鮮側の動きに応じて、機敏かつ柔軟に対応し北朝鮮側とのパイプをつくり、拉致問題などの早期解決を図るべき時ではないだろうか。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36513

http://www.asyura2.com/12/warb10/msg/437.html

記事 [戦争b10] 最前線ルポ ニッポンの国境 尖閣問題:無遠慮な言葉と鋭い剣 隠された戦争〜アジアシフト。本音を漏らしたオバマ大統領   


最前線ルポ ニッポンの国境

2012年11月12日(月)  日経ビジネス特集取材班

 尖閣諸島問題による日中関係の悪化で中国各地に広がった大規模な反日デモ。その後も続く日本製品の不買が日本企業の中国ビジネスに大きな打撃を与え、国境問題も加熱させている。第1部では、中国の反日はどこまで深刻で、いつまで続くのかといった問題意識から、取材班が北京や湖南省長沙、四川省成都など中国の複数都市に入り、取材した。

 そこで感じたのは、日本での想像をはるかに上回る反日感情の強さだった。「日中間で戦争が起きたらトヨタはアフターサービスを継続できるのか」。北京のあるトヨタ自動車系販売店の中国人マネージャーは、来店客から頻繁に聞かれて答えに詰まると嘆いていた。同店舗の10月の販売は通常の4割に落ち込んでいる。

 今回出会った中国人の多くが「日中が戦争をするのでは」という危機感を強く感じていた。日本製品の不買は日本を懲らしめるためだけではない。日中関係の悪化が長期に及び、さらに深刻になる可能性も視野に、日本製品を購入することのリスクを中国の消費者がより強く感じるようになっている。不買の根は相当深い。

 反日デモが暴徒化し、日系企業の施設への破壊活動に発展、その後に日本製品の不買が広がる。2005年、2010年も同様の事態が発生した。このサイクルは日中関係が悪化するたびにこれからも繰り返す可能性が高い。中国で事業を続ける日本企業はこうした前提にたち、中国リスク対策を考え直す必要がありそうだ。

 第2部では北方領土などの国境問題も取り上げた。北方領土には本誌記者が入り、韓国企業が存在感を増している様子などを取材した。

 これらの島を守ることは、領有権やプライド、愛国心の問題にとどまらない。将来の日本経済、将来のわれわれのビジネスに直結する。「領土」問題は「経済」問題でもあるのだ。


特集の読みどころ

企業が直面する変化や課題に多角的に切り込む日経ビジネスの特集。その執筆の動機やきっかけ、誌面に込められたメッセージをお届けします。誌面と併せてお読みいただくことで、理解がより深まる連載です。

JBpress>海外>The Economist [The Economist]
尖閣諸島問題:無遠慮な言葉と鋭い剣
2012年11月13日(Tue) The Economist
(英エコノミスト誌 2012年11月10日号)

東シナ海での日中の対立で、中国が火に油を注いでいるように見える理由


尖閣諸島を巡る日中間の対立はエスカレートしているように見える〔AFPBB News〕

 11月第2週に入って通算3回目の会談を持ったにもかかわらず、中国では釣魚島、日本では尖閣諸島と呼ばれる小さな無人島群を巡る日中の対立には終わりが見えない。それどころか、対立は激しくなっているようだ。

 中国の報道官は、日本の恥ずべき帝国主義の過去を引き合いに出し、日本側に譲歩するよう警告している。島の近海では、毎日のように両国の船舶がにらみ合っている。

 このような状況では、11月5日から日米が共同統合演習「キーン・ソード(鋭い剣)」を始めたことがプラスになるわけもない。これは定期的に行われている海上演習で、今回は日本から3万4000人、米国から1万人が参加し、島の近海で実施されている。少なくとも、演習内容は変更され、侵略された島を奪還する訓練は中止された。

誰のためにもならない緊張状態

 現在の緊張状態はどの国のためにもならず、とりわけ中国にとっては何の利益にもならない。指導部の交代により国内で政治的な不確実性が生じているため、今は隣国にケンカを売るのに良いタイミングとはとても言えない。

 そして、日本も中国の消費者による不買運動や商取引での非公式な制裁に苦しんでいるが、日本の投資家や観光客がおびえていることで、中国も同じように損失を被っている。

 中国は好戦的だという認識は、その他の地域でも中国の国益を損ねている。南シナ海における領有権問題を巡る主張で中国と食い違いを見せている東南アジアの国々は、北方での中国の行動を注視し、軍事費を増強したり、米国との関係を強化したりしている。

 そして、小さいながらも現実的なリスクが存在する。現在の対立が衝突に発展し、衝突が報復を引き起こし、さらなる報復の応酬から戦争に発展するリスクだ。

 しかもこれは、場合によっては、米国をも巻き込む可能性がある。1960年に締結された日米安保条約では、日本が万一攻撃を受けた場合、米国が防衛を援助すると定めている。米国は島の主権について特定の立場を取らないが、島は日本の施政下にあり、それゆえ安保条約の適用対象になると明言している。

 10月後半には米政府の元高官4人が日中両国を訪問し、この点について中国側にくぎを刺している。米国務長官のヒラリー・クリントン氏に対する非公開の報告の中でこの4人は、日中の双方が望んでいないとはいえ、島を巡る「誤解や誤算」が軍事衝突に発展する恐れを懸念していたと伝えられている。

 それでも、中国は紛争を収拾しようとするどころか、危険なまでにヒートアップさせている。対立のきっかけとなった行動――日本政府が9月に3島を民間の所有者から買い取ったこと――に関して、中国は日本側の理由付けを顧慮することさえ拒否した。

 野田佳彦首相の意図は、当時東京都知事を務めていた石原慎太郎氏による購入の動きを阻止することだった。右派の石原氏は日本の主権をより積極的に行使することを望んでいる。中国はこの行動を、日本の領有権を確固たるものとし、現状を変えることが狙いであると捉えた。

 大多数の中国のアナリストは、その後自らの党を立ち上げた石原氏と野田首相が共謀しているのではないかと疑いの目を向けている。

 中国は島の「国有化」に対抗するため、島周囲の「領海基線」に関する主張を申し立て、(軍ではなく)政府の巡視船をさらに頻繁に送り込んでいる。中国外交部は島を巡る状況が「根本的に変化」したと指摘し、日本の船舶を領海から「駆逐」したと主張している。

 つまり中国は、今や日本の主権の主張に異議を申し立てるだけでなく、日本政府による施政についても問題にしているのだ。

日本の軍国主義の復活?

 そんな中、中国軍幹部や外交官は、現在の対立を日本の軍国主義的な過去と結び付けている。中国人民解放軍の中将で軍事科学院の副院長を務める任海泉氏は10月29日、オーストラリアで開催された地域安全保障の会合で、かつてオーストラリアのダーウィンにも爆弾を落としたファシスト国家としての日本の過去に言及した。

 任氏はさらに、中国の影響力を弱めるとともに、中国を封じ込めるうえで日本により多くの責務を負わせるために、米国が緊張を煽っているとの恐れが中国側にあることもほのめかした。

 中国の政府高官や学識者は日本の政治の右傾化について苦々しく不満を述べている。駐英中国大使の劉曉明氏は英フィナンシャル・タイムズ紙(同紙は本誌=英エコノミスト=の株式の一部を所有している)への寄稿の中で、「反軍事ファシズム戦争の結果を否定しようとしている」と日本を非難した。

 日本による占領や戦時中の残虐行為の記憶は、中国ではいまだに鮮明だ。しかし、西側の人間の耳には、ファシズムへの言及は驚くほどの誤解に聞こえる。

 日本が戦争に敗れてから、もう70年近く経った。しばしば機能不全に陥るとはいえ、今では安定した民主主義国になっている。声が大きい右派の国家主義者もわずかながら存在するが、尖閣諸島に関する日本の政策が過去の帝国主義の復活を告げるものだという見解は、不合理に思える。

 中国の強硬路線の理由として、日本のアナリストは尖閣諸島の紛争そのものとは無関係ないくつかの要因に目を向けている。日本が衰退し、米国の関心がそれている今、中国は日米同盟の強さを試したいのだという。

 そして、何より大きな要素として日本のアナリストが指摘するのは、中国の指導部の交代だ。中国共産党中央政治局の関心がほかのことに向かっている機に乗じて、軍などの強硬派が政策を混乱させている、あるいは、このような時には、指導者を目指す者なら是が非でも国家主権を守るというイメージを保つしかないというのが、日本側の見方だ。

見せかけのゲーム

 しかし実際には、この対立を通して、中国側の発言や行動に混乱や分裂の兆候はほとんど見受けられない。その言動には一貫性があり、十分に調整されているように見える。日本にとっては受け入れ難いことだが、もしかしたら、中国の報道官たちの発言は真意そのままなのかもしれない。

 もしかしたら、島を巡る状況が変化した背景には日本の右派の存在があり、対峙しなければならないと本気で考えている可能性がある。中国側から見ても、指導部の交代は大きな意味を持つ。ただしそれは、中国の敵がこれを乗じるべきチャンスと見ているという意味でのことだ。中国は断固たる態度で臨まなくてはならないというわけだ。

 消息通の中国のあるアナリストは、紛争は回避できると今でも考えている。公式に認められていない暗黙の「妥協」が実質的には既に存在し、中国は3島の「国有化」を、日本は中国がたびたび島付近を訪れることを認めざるを得ない状態に至ったというのだ。

 もしそうなら、戦争よりはるかに良いことだ。ただし、両国とも実行に移すことなく、自国が島々を支配しているというふりをしなければならない。これ以上誤解や誤算を招きやすい状況も想像しにくい。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36523

アジア・シフト。本音を漏らしたオバマ大統領

第2次政権の外交課題を整理しよう

2012年11月13日(火)  菅原 出

 今回も、前回に引き続き第2期オバマ政権の外交・安全保障上の課題についてまとめていこう。前回は中東における新たなテロの潮流により、中東・北アフリカ地域が不安定化するというリスク。それからイランの核問題がオバマ第2期政権の大きな外交課題になる、という点について触れた。

イラン軍機が米無人機を攻撃

 その後、イランをめぐっては興味深い動きがいくつかあったので紹介しておきたい。一つは、イランの戦闘機が米国の無人機を撃ち落とすべく攻撃を行っていたという事件である。

 「11月1日にイランの領空に近い空域で偵察活動中の米軍の無人機に、イランの戦闘機Su-25が接近し発砲したものの、無人機が無傷で逃げ切る、という事件が起きていた」。11月9日になって米国防総省筋からこの情報が漏れて、欧米メディアの報じるところとなった。恐らく、国防総省は、大統領選挙前にはこの事件を発表することを控えたのではないかと思われる。

 最近、ヒズボラの運用する無人機をイスラエル空軍が撃沈したので、イランはその報復、もしくはそれと同じことをやろうとしたのかもしれない。米国の無人機が飛行していた正確な場所や、イラン戦闘機がどのような攻撃をしたのかなどの詳細についてはまだ明らかにされていない。

 第2期オバマ政権は、イラン核問題をめぐって再びイランとの外交交渉のテーブルにつく可能性が高い。だが、本格的な交渉のためのカードをつくるため、もしくはイスラエルによる空爆の可能性などもあり、イランと米国の間でも相当緊張が高まるような事件が発生する可能性が十分あることも注意すべきであろう。

2010年にイラン攻撃を命じたネタニヤフ

 ちなみに、最近、イスラエルのテレビ「チャンネル2」が、「2010年にネタニヤフ首相とバラク国防長官がイラン攻撃を軍に命じていたものの、当時のイスラエル軍参謀総長と情報機関モサドの長官が反対したことで攻撃が避けられた」というドキュメンタリーを発表して話題になっている。

 これは当時の軍参謀総長だったガビ・アシュケナジ氏やモサド長官だったメイール・ダガン氏、バラク長官やネタニヤフ首相のインタビューまで収録された本格的なドキュメンタリーだけに、世界の注目を集めている。

 それによれば、ネタニヤフ首相は、当時数名の安保チームだけを集めた会議で、軍に対して「set the systems for P-plus」と命じたという。

 これはイランに対する攻撃作戦を早々に開始するので、その準備に取り掛かるように命じたもの。アシュケナジ参謀総長とモサドの長官だったダガン氏は、「戦争を決定する権限は内閣にある。それを無視して首相と国防相で戦争をハイジャックする気か」と猛反発したという。

 バラク国防長官は「結局のところ軍から攻撃任務を遂行するだけの能力がないと伝えられて断念した」という驚くべき証言まで飛び出している。

 ここで注目されるのは、「ネタニヤフ首相が米国に事前に相談なしに攻撃命令を与えていた」という事実である。やはりイスラエルはやる時には米国にも言わずに攻撃をするのだ、という点が改めて確認されたことだろう。

 しかし、それでもイスラエル国内、しかもその安保エスタブリッシュメントの中に、軍事攻撃にこれだけ反発する向きが強いということも興味深い。もっともこの2年でイランの核能力も向上しており、さまざまな状況が変化しているため、イラン攻撃に対する賛否についても当時と現在ではかなり変化している可能性はある。

イスラエル軍公認のドキュメンタリーの意味

 もう1つ注目されるのは、「このドキュメンタリーがイスラエル軍の許可なしには放映されなかった」という点である。実際、軍の検閲により、この事件が起きたのが2010年の正確にいつの時点なのかという情報は明らかにされていない。ということは、「ネタニヤフ首相とバラク国防相が戦争を乗っ取ろうとしたこと。軍事攻撃を一方的に命じたこと、それに軍や情報機関が反対した」という事実を、イスラエル軍は公にしてよい、と許可したことを意味している。

 これは来年1月のイスラエルでの選挙を前にして、軍のエスタブリッシュメントによるネタニヤフなどの強硬派政治家に対する牽制、もしくはメッセージと取ることもできるのではないか。イスラエル国内での、イラン核問題をめぐる内部抗争もますます激化しているわけである。

 いずれにしても、こうしたイスラエル国内の事情も含めて、イラン・イスラエル関係は今後、相当緊張して行くことが確実である。第2期オバマ政権はイランの核開発問題に相当深くコミットして行かざるを得なくなるであろう。

難航必至の米・アフガニスタン安保条約をめぐる交渉

 次にアフガニスタン情勢である。米国は2014年末までにアフガニスタンでの戦闘ミッションを完了し、治安権限を全てアフガニスタン側に移譲する計画を進めている。すでに第1期オバマ政権下で増派された3万3000人の兵力は9月末で撤収を完了。第2期オバマ政権では、残りの6万8000人をどのようなペースで撤収させていくのか、について早々に決定されることになろう。

 また2014年以降、少なくとも10年間は、「戦略的パートナーシップ協定」で合意されているように、米軍はアフガニスタンでの駐留を続ける予定だ。だが、それがどの程度の規模になり、またどんな役割になるかは、今後のアフガニスタン政府との交渉で決定されることになっている。第2期オバマ政権の課題の1つは、「米・アフガン安保条約」をどのような内容にするのか、であろう。

 ここで大きな問題となるのは、米兵の待遇を定める、いわゆる「地位協定」である。日米安保条約でもそうだが、米兵がホスト国の法律で訴追の対象にならないようにするのが米国政府の基本方針である。そうでなければ、米兵がアフガニスタン政府にあらぬ容疑をかけられて同国で裁判にかけられる、という事態を防ぐことはできない。イラクでもこの問題で交渉がまとまらず、結局、米軍は全面的にイラクから撤退することになった。

 本来はあれだけ資金を注ぎ込んで整備した軍事基地を維持し、小規模でもいいので米軍の駐留を続け、イランに対する牽制をしたいところであったが、米国はこの地位協定で満足のいく条件をイラク側に飲ますことができなかったのである。

 当然オバマ政権としては、このイラクでの失敗を繰り返さずに、米国の条件でアフガンでの小規模駐留を続けていくのがベストである。だが、すでにカルザイ政権は「米兵がアフガニスタンの法律の枠外に置かれるのは許されない」と述べており、交渉は難航することが予想されている。

 一方、アフガニスタンの治安は確実に悪化しており、「2014年までにアフガン治安部隊を一人前に育成する」という現在の計画も修正を余儀なくされるだろう。アフガン国軍や警察内部に潜入したタリバンの同調者やさまざまな別の理由から米軍やNATO軍に対して牙をむくいわゆる「インサイダー攻撃」が後を絶たない。今年になってからアフガン軍や警察に殺害されたNATO軍関係者の数はすでに60人に上っている。

 治安が悪化する中で、米軍をどのように撤退させ、アルカイダなどのテロ勢力を押さえ込みながら、この地域でのプレゼンスを維持するか。これだけ一つとっても相当の政治的資源を必要とする大きな課題である。

シリア反体制派の組織化に乗り出したオバマ政権

 シリア情勢も日に日に悪化しており、第2期オバマ政権はさらにこの問題でリーダーシップを発揮することが望まれるだろう。

 最近オバマ政権は、シリア反体制派の支援に関して、さまざまな勢力が反アサド連合に合流し、ますます反体制派の足並みがそろわなくなっていることから、より積極的に反体制派勢力の組織化に乗り出す構えを見せている。

 10月31日にクリントン国務長官が、それまで米国が支援してきた反体制派の1つ「シリア国民評議会(SNC)」への支援を停止することを表明。クリントン長官は、パリに拠点を置くSNCはがシリアの反体制派の利害を代表しているとは言えない、と支援停止の理由を説明した。

 代わりにクリントン長官は、最近各国政府に対し、シリア反体制派の新しい組織の中核を担うべき組織と個人の名前を記したリストを配布したことも明らかにした。要するにイスラム過激派組織の影響力の強い団体を排除して、「アメリカのお気に入り」の団体や個人を特定し、「こいつらを支援してそれ以外のところには支援をしないように」と各国に通達したのである。

 このように米国はより積極的にシリア反体制派内の組織化に一歩踏み込み始めた。オバマ大統領は軍事介入を避ける方針だが、このように政治的に深入りすればするほど、政治的・外交的な資源を投入せざるを得なくなる。シリア情勢はイランの孤立化作戦ともリンクしているだけに、第2期オバマ政権にとって、「イラン核」と「シリア内戦」はセットで対応せざるを得なくなるだろう。

オバマ新政権はどこまで政治的資源をアジアに振り向けられるか

 こうした中で、第2期オバマ政権は中国やアジア太平洋地域への政策も展開しなければならない。すでに第1期オバマ政権はアジア太平洋へのシフトを表明し、第2期政権では本格的にそのリバランシングに向けて資源をアジア太平洋方面に振り向けたいところだ。

 しかし、これまで見てきたように、中東ではリビア、北アフリカから中東にかけて新たなテロ勢力の台頭により治安情勢が悪化している。シリアもさまざまな政治的介入を余儀なくされそうである。アフガンも状況はガタガタだ。そしてイランとイスラエル関係もますます緊張していく。こうした中で、現実的にどれだけ対中政策に政治的資源を振り向けられるか、この点はオバマ第2期政権の大きな課題になるであろう。

 一つ注目したいのは、オバマ大統領がロムニー氏との外交政策をめぐる直接討論の際、「中国の軍事力の増強を懸念しており、オバマ政権がアジア方面へ軍事力をシフトしているのは、この中国の台頭に対するリアクションである」と述べたことである。これは、それまでオバマ政権が「対外的には隠そうと努めてきた」ことである。つい最近もパネッタ国防長官が北京訪問時に、「中国に対抗するために我々はアジア・太平洋に軍事的なプレゼンスを強化しようとしているのではない」と何度も強調していた。

 最近の大統領選挙では、中国に対して強硬姿勢をとることがどの候補者にも重要な要素となっている。そんな「反中比べ」で負けまいとしたためか、これまで「米軍のアジア・シフトは中国を念頭に入れたものではない」と散々説明してきたのをかなぐり捨てて、オバマ大統領は本音を言ってしまったのである。

 いずれにしても、第2期オバマ政権の下で、こうした米軍によるアジア太平洋へのシフトは進むことになり、貿易面では米中摩擦は加熱することになるだろう。しかし、現時点でどこまで軍事的に中国との緊張関係を高める用意があるのか、となると軍事的なエスカレーションは望んでいないというのが本音であろう。中東で政治的な資源がとられれば取られるほど、ホワイトハウスとしては中国に対して厳しい対応は取りにくくなる。このジレンマの構図は基本的に近年ずっと変化していない。

 今後、第2期政権で国務長官に誰が任命されるかも重要になってくるだろう。クリントン国務長官は比較的中国に対しては厳しい態度で臨み、アジア太平洋への米国のプレゼンスを回復する上で重要な外交を展開してきた。今後もこの路線を引き継ぐ国務長官が任命されるかどうかが注目である。

 第2期オバマ政権の下でも、米国が抱える外交課題は盛りだくさんである。日本がどのように思おうが、米国の国家としての優先順位、脅威の認識は日本とは異なる。こうした第2期オバマ政権の現状をしっかりと認識しつつ、どのように米国の限られた戦略資源を、アジアの平和に有利なように使ってもらうか、使わせるかを考えるのが日本の外交当局の役目になるであろう。


菅原 出(すがわら・いずる)


1969年、東京生まれ。中央大学法学部政治学科卒。平成6年よりオランダ留学。同9年アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。国際関係学修士。在蘭日系企業勤務、フリーのジャーナリスト、東京財団リサーチフェロー、英危機管理会社役員などを経て、現在は国際政治アナリスト。会員制ニュースレター『ドキュメント・レポート』を毎週発行。著書に『外注される戦争』(草思社)、『戦争詐欺師』(講談社)、『ウィキリークスの衝撃』(日経BP社)などがある。


隠された戦争

この10年は、まさに「対テロ戦争の時代」だったと言って間違いないだろう。そして今、この大規模戦争の時代が「終わり」を迎えようとしている。6月22日、オバマ大統領がホワイトハウスで演説し、アフガニスタンから米軍を撤退させる計画を発表したのである。
米国は一つの時代に区切りをつける決断を下したが、イラクもアフガニスタンも安定の兆しを見せておらず、紛争とテロ、混乱と無秩序は、世界のあらゆる地域に広がっている。そして東アジアでは、中国という大国が着実に力を蓄え、米国の覇権に挑戦し始めたかに見える。
無秩序と混乱、そしてテロの脅威が拡大し、しかも新興国・中国の挑戦を受ける米国は、これから限られた資源を使ってどのような安全保障政策をとっていくのだろうか。ポスト「対テロ戦争時代」の米国の新しい戦争をレポートする。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20121112/239295/?ST=print


http://www.asyura2.com/12/warb10/msg/438.html

記事 [自然災害18] 本当に怖いのは南海トラフ巨大地震より「富士山噴火」?


本当に怖いのは南海トラフ巨大地震より「富士山噴火」?

地震には発生する“順番=シナリオ”がある

2012年11月13日(火)  渡辺 実 、 原 如宏

 内閣府発表の「南海トラフ巨大地震」被害想定を受け、静岡県下田市の防災関係機関や街の人々を緊急取材した“チームぶら防”。どこか雲をつかむような南海トラフ巨大地震とその被害想定に対してメスを入れてきた、防災の鬼こと防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏が最後に語ったのは、最悪でありながら現実味を帯びた、ある“シナリオ”だった。

寝姿山の展望台から臨む下田湾。幕末の1854年12月23日に起きた安政東海地震では、推定6〜7メートルの津波が押し寄せ、下田の街を壊滅させた。果たして、そんな苦い歴史は繰り返されるのか…
 静岡県下田市を訪れ、これまで3回にわたって内閣府が発表した「南海トラフ巨大地震」の被害想定がもたらした衝撃と、その真の狙いについて追究してきたチームぶら防。下田編の最後となる今回は、2つの話題を取り上げてみたい。

 1つは「南海トラフ巨大地震は実際に起きるのか?」。そしてもう1つは「今、切迫性が高まっている本当の“危機”は何なのか?」という疑問だ。あえて根本的なテーマに立ち返った理由は、街を歩きながら話を聞いた下田で暮らす人々の多くが、「そんな巨大地震は起きるの?」といった素朴な疑問を抱いているから。そして何より、「もう諦めちゃうよ」と笑い飛ばす表情の裏に、どう備えるべきかといった防災の基本を見失いかけている心情が垣間見え、渡辺氏はより強い危機感を募らせたからだ。

 今回発表された南海トラフ巨大地震の想定震源域に近く、津波や地震によって大きな被害を受けると考えられる地域に住んでいれば、誰しも「ホントにそんな巨大地震は来るの?」と疑いたくなるのは当然だ。特に東海地震の危険性について子供の頃から教え込まれてきた静岡県民なら、東海地震を今回想定の南海トラフ巨大地震に置き換えて考えてしまう方も多いだろう。


下田市内を散歩する観光客の多くが足を止める蔵のような建物。そこは、明治20年創業という下田市内でも老舗の酒屋、「土藤(つちとう)商店」。こちらで南海トラフ巨大地震に対する思いを伺った
進む高齢化、お年寄りは逃げ切れるのか?


すぐ近くが漁港という、下田市内でも海側にある土藤商店。同店の金澤順子さんは津波からの避難について、非常に高い関心を持っていた
 チームぶら防は、古くから下田をよく知っている人の話を聞くため、今年で創業125年を迎えるという老舗酒屋、「土藤(つちとう)商店」を訪れた。あいさつもそこそこに、南海トラフ巨大地震の話題でもちきりとなった。取材に応じてくれた金澤順子さんは、「耐震補強をしているとはいえ、建物は大丈夫なのか。地震が来たときに、5分で本当に逃げられるのか……」と不安に思っているという。

 そして「揺れがそれほど強いと感じなかったときの対応が難しいですね。店を放って逃げられないかもしれません。せめてシャッターだけは閉めたくなるでしょう。でも、すぐに津波が来るといわれているので、手間取ると命にかかわります。実際のところ、その時の判断は難しいでしょうね……」(金澤さん)と胸の内を明かす。


どこへ行っても、建物の耐震性や津波からの避難が話題になった下田市内のぶらり。防災の鬼を出迎えてくれた土藤商店の金澤さんも「先生、本当のところ、どうなんですか?」といって、巨大地震の可能性についての話に……
 高齢化が急速に進んでいるという下田市。「近所にも、一人暮らしのお年寄りが多いですよ。うちにも祖父がいます。90歳を超えていますが、まだ元気で『地震が来たら真っ先にバイクに乗って逃げるんだ』と話しています」(金澤さん)とも語ってくれた。元気なお年寄りはよいとしても、地域としてどのように助け合えばいいのか。日本各地で同じような問題に直面することになるだろう。

 また金澤さんご一家のように、普段からどうやって避難するかについて家族内で話し合い、何度も避難訓練を重ねていても、本当に地震が来たときに予定通りの行動がとれるかという不安は残る。こればかりは、いざとなってみないとわからないのかもしれない。


「明日起きても不思議ではないというが、本当のところは違う。特に過去に一度も起きたことがない今回想定の南海トラフ巨大地震は、起きる可能性は極めて低い」と金澤さんの質問に答える渡辺氏
 そして本題である南海トラフ巨大地震については、不安と疑念が入り交じったまなざしで「先生、本当に起きるのでしょうか?」という質問を防災の鬼へぶつけた。突然、これまで静岡県が想定していた高さの3倍以上という大津波が来るといわれても、従来取り組んできたこと以外に新たにできることは無いというのだ。

 下田市のぶらり取材で、何度となく尋ねられたこの質問。渡辺氏の答えはいつも「今回想定した最悪ケースの南海トラフ巨大地震は、今すぐに発生するような類の地震ではない」と明快だった。対策についても、「今まで通り、長年やってきたことをまずは着実に続けていくことだ」とアドバイスする。

巨大地震の前には内陸の地震活動が活発化する


「お前たち、これ以上南海トラフ巨大地震に触れるな!!」と天が怒ったのか、突然降り出した土砂降りの雨。しかし渡辺氏と金澤さんは、そんなことなど全く気にする様子もなく、静岡県による東海地震の被害想定と国が出した南海トラフ巨大地震の被害想定の違いなど、より深い内容で盛り上がっていた…。
 もちろん下田市民も、心の奥底には「こんな想定外の地震なんて、起こらないのでは?」という気持ちを持っているかもしれない。だが、ぬぐいきれない不安感から、「本当に起きますか?」という質問を防災の鬼にせざるを得なかったようだ。いや、誰かに「そんなの起きませんよ」と言ってもらいたかったのかもしれない。戸惑いや諦めともいえる、何とも混迷した様子が、会話の端々から感じ取れた。

 さて、今回公表された南海トラフ巨大地震の被害想定に対し、最初は「怖い怖い! こいつは困ったなあ…」とぼやきを連発していた、チームぶら防のお気楽プロデューサーS。渡辺氏と金澤さんとの会話を聞いているうちに、「結局のところ、あまり心配しなくても大丈夫ってことなんですね。それならこれにて一件落着、安心して東京へ帰りましょう」と脳天気なコメントを発するまでに…。すっかり不安は解消されたようだ。

 しかし、そこは「脅しは防災の基本」と言ってはばからない防災の鬼。甘い言葉だけでは終わるはずがない。


話を終えた後は店内でお酒を物色…という防災の鬼。しかし、ここでも鋭いチェックが入った。「ほら、ここ。地震で酒瓶が棚から落ちないように、柵があるよ。前側だけでなく、後ろ側まで柵を作っているのがすばらしいね」(渡辺氏)

渡辺氏の指摘に、金澤さんは「昔、地震で商品が落ちて割れたとき、店内ににおいがしみついて大変だったと、祖母から聞きました。いろいろなお酒が混ざるので強烈なにおいがしたそうです」とエピソードを語る
 「とんでもない! 勘違いしないでほしいのは、最悪想定の南海トラフ巨大地震は起こらなくても、100年から150年周期で発生する、マグニチュード8クラスの東海地震は必ず起こるということだ。これは歴史が証明している。でもね、そんな東海地震が起きる前に、僕らは大きな地震を経験する可能性があるんだよ」と、またまた新たな恐怖を突きつけ始めた渡辺氏。


「リスクを挙げたらきりがなくなるけれど、地震の揺れ、強大な津波、大規模な火災、そして富士山、さらには原発も…。静岡県には山のようにリスクがある」と、行く先々で恐怖をばらまく防災の鬼
 さらに「静岡県には地震が起因となる、もう一つ大きな“リスク”を抱えている。何か分かる? 実は、それもちょっと心配になってきたんだよね…」と、悪魔のようにささやいた。

 防災の鬼が語り始めたのは、単なる脅しではないようだ。それは歴史的見地から考察するという、これまで言われてきた地震の予測だった。「地震(歴史)は繰り返す…と考えるならば、海溝型の巨大地震が起こる前には、内陸側で大きな地震が起こるのが常だ。ぶら防で真っ先に取り上げた『首都直下地震』は、そんな内陸で起こる大きな地震の一つといっていい」と渡辺氏は話す。


店内で、幕末に下田へ来航したペリーやハリスに献上酒として出されたという「保命酒(ほうめいしゅ)」を見つけた渡辺氏。「まさしく、これが命を助ける力となってくれればいいね」と、最後はにこやかに締めくくった
 …つまり、海溝型南海トラフ巨大地震の前に別の内陸の巨大地震が控えている。「首都直下地震」も“その一つ”なら、もっと別の巨大地震も存在するということになるが…。もう、日本の未来は地震でボロボロになってしまうのではないか?

 「じゃあ、もっと切迫性の高い“危機”について考えていこうか」(渡辺氏)

東海地震前には「神縄・国府津―松田断層帯」が動く


「最後に、もう一度海側から下田を見てみよう…」といって、湾内を巡る観光船へ乗り込んだチームぶら防
 土藤商店に別れを告げたチームぶら防。今度は一転、ぶらりの場所を船上へと移し、予測される地震のシナリオについて考えることに。

 先ほどの意味深な渡辺氏の言葉だが、首都直下地震と南海トラフ巨大地震は、直接的には連動しない。けれど「地球規模の地震活動という広い視野で考えるならば、海溝型の地震と内陸側の地震という関係が成立する」と渡辺氏。そして今の状況(切迫性)を加味すれば、「まず首都直下地震など内陸側で大地震が起きる、と考えるのが自然だ」と私見を述べた。


「過去の歴史と、今の状況(地震の発生確率)などを照らし合わせれば、首都直下地震のほかにも神縄・国府津―松田断層帯などの内陸地震が発生する可能性がある」と渡辺氏は見る。1854年に起きた安政東海地震の前年にも、小田原市付近でマグニチュード6.7と推定される地震が起きているのだ
 また、渡辺氏は「首都直下地震のほかにも、内陸での地震は起きる可能性がある。特に懸念されているのは、静岡県の北東部から神奈川県の南西部(丹沢山地南縁〜神奈川県小田原市)にかけて走っている『神縄・国府津―松田断層帯』だ」と指摘する。

 文部科学省に設置された地震調査研究推進本部の地震調査委員会は、同断層について今後30年以内の地震発生確率を最大16%と推定している。これは国内の活断層において、トップクラスに分類される危険度だ。「このような大きな地震が内陸を襲ってから、東海地震がドカッ! と起きる。これが過去の歴史から考えられる、東海地震へと至る道筋、順序といわれている」と防災の鬼は指摘する。


東海地震の前に活動すると渡辺氏が指摘した「神縄・国府津―松田断層帯」。全長が約25キロメートル(静岡県の駿東郡小山町から神奈川県足柄上郡山北町、松田町、大井町を経て、小田原市に至る)の断層帯だ(出典:地震調査研究推進本部事務局(文部科学省研究開発局地震・防災研究課))

「全国地震動予測地図」に掲載された、「主要活断層帯の評価結果」。図内では陸地と海域での地震に対して、今後30年以内に地震が起こる確率を示している(出典:文部科学省、2010年発行)
 特に東海地震については、四半世紀前から『前回、1940年代には起こっていない』という学説を前提にして、国と県は地震対策を進めてきた。明日起きても不思議ではないといわれながら、幸いにも現在に至っている。しかし油断は禁物だ。

 渡辺氏は「21世紀を迎え、前回は地震が起きた東南海地震(1944年、マグニチュード7.9)、東南海地震(1946年、マグニチュード8)においても、再来周期に入ってしまった。従来から指摘されている南海トラフ沿いの巨大地震は100〜150年周期(前回は約90年後に発生)として考えれば、次は21世紀前半には起きなければおかしい」という。

 「自分の年齢を考え、21世紀の前半ならまだ生きている…という人は、必ずや南海トラフで起きる巨大地震に遭遇する。だからこそ、コラムの初回に『今の若者はあと2回、巨大地震を経験する』と述べた。そのうちの一つが首都直下地震で、もう一つが南海トラフ沿いで起こる巨大地震ということになる。おそらく私は、南海トラフの地震までは生きていないかもしれない。もし生きていてもリタイアしているだろうから、“遺言”だと言ったのだ」(渡辺氏)


下田の海を見つめながら「首都直下地震までは経験するだろうが、南海トラフ巨大地震までは生きていないかもしれないなぁ…」としみじみ話す渡辺氏
本当の最悪なシナリオは「富士山噴火」か!


「富士山の真下にマグマがたまり、もうパンパンだという調査結果が出始めた」と怖い指摘をする防災の鬼
 今回もまた、救いのないような話が飛び交うこのコラム。居ても立ってもいられなくなったスタッフ、ライターHが「地震をあと2回経験するのは仕方がないとして、まだ“リスク”があるといっていましたよね。それはいったい何なんですか?」と聞いた。

 「日本を代表する山といえば、もう分かるよね。富士山だよ。東日本大震災の後、2011年3月15日に静岡県富士宮市で震度6強の地震が起きた。気象庁は震源を静岡県東部と発表しているけれど、これはね、富士山の真下で起きた地震なの。この知らせを聞いたとき、我々のような防災の専門家たちは背筋が寒くなったのだから…」と、渡辺氏。

 巨大地震と富士山の噴火。過去の歴史を見ると、「関係性がある」というのだ。例えば火山灰が成層圏まで達したといわれる「宝永大噴火」では、まさしく東海・南海・東南海が連動した「宝永地震」(1707年10月28日)から、49日後に噴火活動が始まっている。安政東海地震(1854年)後にも、富士山が小噴火したという文献もある。また、2004年スマトラ巨大津波地震など、これまで世界で起きたマグニチュード9クラスの巨大地震の後には火山が噴火している。


「懸念される富士山の噴火も観測網が発達した今は、火山性微動など事前に検知できる。噴火活動は、ある程度の予測が可能」と渡辺氏
 こうした背景のある中で、渡辺氏は「富士山の地下にあるマグマだまりが、もうパンパンになっているという調査結果が出始めた」ことを懸念する。富士山が噴火するような状況というのは、地震も起こりやすい環境になっているといえる。「噴火する前には、必ず火山性微動が起きて、その微動が一定期間継続する。現在の観測網で噴火の前兆はとらえられるから、今後どうなるのか、ぶら防としても動向を見守る必要がある」(渡辺氏)と、そう遠くない将来に起きるであろうもう一つのリスクに対して念を押した。

 歴史的見地から学ぶ――地震研究には欠かせない視点だが、東日本大震災ではこうした前提が大きく崩れた。想定外の震源域を持つ巨大地震が起こり、結果、“前提”を大きく飛躍させるような議論をせざるを得なくなったからだ。

 これまで防災の鬼が下田で語ってきた南海トラフ巨大地震に対する見解。これらをベースに8月29日の南海トラフ巨大地震の被害想定発表会見を見直してみると、「こんなことをいっていたのか…」と発見と文言に対する冷静な判断ができる。


「大きすぎる話に戸惑うことなく、できることから身を守る対策を進めていこうじゃないか」とここ下田で決意を新たにした防災の鬼だった
 今回、南海トラフ巨大地震被害想定会見の冒頭、中川正春内閣府特命担当大臣(防災、「新しい公共」、男女共同参画担当)は、想定した地震の規模について「数千年、数万年クラス(の地震)」と、極めて発生頻度は低いとしながら、『(想定外だった)東日本大震災を踏まえて言えば、この巨大地震が明日起こるかもしれない。そんな可能性も秘めた形をもって対策をやっていかなければいけない。切迫感を持って、あらゆる施策をまとめていきたい』と発言している。しかし、「この会見後、政府からは何も具体的な対策や施策は出されずに、政局、政争に奔走しているのが現実だ」と怒りをあらわにする渡辺氏。

冷静な目を持ち対策の手を緩めないことが大切


南海トラフ巨大地震の実態をつかむために、静岡県下田市までやってきたチームぶら防。結局のところ、市民レベルでやれることは今までと何ら変わらない。これまでの対策を信じて、自信をもって、さらに積み重ねていく努力こそが求められる
 “前例にない対策”を推し進めるのは良いとしても、肝心の対策がまだ全く示されていない…。その点を踏まえて渡辺氏は「今回、情報の出し方に問題があった」と指摘する。もちろん「最悪の数字をことさら強調して報じたマスコミの責任も大いにある」(渡辺氏)が、見出しに踊った死者数や津波の高さしか記憶に残らず、早期避難すると被害を8割も減らせる、防災・減災の必要性という被害想定の真意が的確に伝わらなかった点は、今後の防災報道の課題として重く受け止めるべきだろう。


なんだかんだと恐ろしいこばかり言っても、久しぶりに訪れた下田のぶらりを思いっきりエンジョイした防災の鬼、渡辺氏であった…。
 実際には過去一度も連動したことのな巨大な震源域で策定した今回の被害想定だが、そんな巨大地震を政府は記者会見で「明日起きるかもしれない」と国民に対して明確に示した。国民に緊迫感を持ってもらうための発言だったなら、ある意味では成功だったのかもしれない。しかし、被害想定を出しっぱなしで、そこでストップしてはダメだ。南海トラフ巨大地震に関するワーキンググループはまだ動いている。今後も引き続き、ライフラインや日本経済全体に与える被害想定、長周期振動による影響など、様々な想定が発表されていく。渡辺氏が強調するように、それらの発表を注意深くチェックしなければならない。

 これからも新しい想定が示されるたびに、各種メディアは大きく報じるだろう。その際、数字だけを額面どおりに受け取り一喜一憂するだけではなく、自ら冷静に資料を見て、そうした数字が“生まれた”背景まで考えてみる習慣を身につけるべきだ。どんな天文学的な数値になろうが、市民一人ひとりができること、今やるべきこと、現実的な当面の対策は結局のところほとんど変わらない。絶対にあきらめてはダメ。防災・減災は積み重ね。立ち止まることなく着実に進めていくしかないのだ。

“ぶら防”に参加した学生による
防災ラジオ番組も絶賛放送中!

 この連載に登場した国際ボランティア団体「IVUSA」に参加する岩村友香里さん(日本大学4年生)、生田目有美さん(法政大学3年生)、石井将さん(国士舘大学3年生)ら、現役の大学生。現在、彼らは防災番組『大学生が防災ラジオをはじめました』を制作している。この番組内では、連動企画として「渡辺実のぶらり防災・危機管理」も放送されている。ぜひ、お聴きください!

 番組は全国25局あまりのコミュニティFM局で放送中。順次拡大していく予定だ。お近くの地域に該当するコミュニティFM局のある方は、こちらのラジオ番組もお楽しみに。なお、一部のコミュニティFMはPCやスマートフォンでも聴けます。

・FMびゅー(北海道室蘭市) (土)17:30〜18:00
・ラジオふらの(北海道富良野市) (水)16:00〜16:30
・ラジオカロスサッポロ(北海道札幌市) (日)12:30〜13:00
・AIRてっし (北海道名寄市) (木)11:30〜12:00
  再放送(土)13:00〜13:30
・e-niwa(いーにわ)FM77.8(北海道恵庭市) (月)18:00〜18:30
  再放送(土)16:00〜16:30
・FMねむろ(北海道根室市) (日)15:30〜16:00
・FM AZUR(青森県むつ市) (月)10:00〜10:30
・エフエムゆーとぴあ(秋田県湯沢市) (火)14:00〜14:30
※サイマル放送あり
・おおふなとさいがいエフエム(岩手県大船渡市) (月)14:00〜14:30
・ラジオ石巻(宮城県石巻市) (火)9:00〜9:30
※サイマル放送あり
・BAY-WAVE(宮城県塩竃市) (土)14:30〜15:00
※サイマル放送あり
・南相馬ひばりエフエム(福島県南相馬市) (金)13:00〜13:30
※サイマル放送あり
・SEA WAVE FMいわき(福島県いわき市) (日)10:30〜11:00
※サイマル放送あり
・KITAKATA CITY FM(福島県喜多方市) (日)15:30〜16:00
※サイマル放送あり
・RADIO AGATT(新潟県新発田市) (木)13:00〜13:30
・FM OZE(群馬県沼田市) (月)14:30〜15:00
・いせさきFM(群馬県伊勢崎市) (日)18:30〜19:00
・かつしかFM (東京都葛飾区) (火)9:30〜10:00
※サイマル放送あり
・伊豆伊東なぎさステーション (静岡県伊東市) (木)14:30〜15:00
  再放送(土)16:00〜16:30
・Hits FM (岐阜県高山市) (日)21:00〜21:30
・FMジャングル (兵庫県豊岡市) (月)13:30〜14:00
※サイマル放送あり
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渡辺 実(わたなべ・みのる)

防災・危機監理ジャーナリスト。株式会社まちづくり計画研究所所長、NPO法人日本災害情報サポートネットワーク理事長。日本災害情報学会理事。国内外の被災地へ即座に入り、都市・地域防災へのアドバイスやマスメディアの災害報道への協力をはじめ、さまざまな角度から防災・減災に取り組む。全国の講演・研修活動を通じて各自治体や企業、市民の防災への取り組み方や課題も伝え続けている。著書『都市住民のための防災読本』『大地震にそなえる 自分と大切な人を守る方法』『高層難民』他多数、防災アプリ『彼女を守る51の方法』も監修。

原 如宏(はら ゆきひろ)

ゲーム雑誌、インターネット雑誌、パソコン雑誌の編集者を経て、2005年7月からフリーライターとして活動。パソコン、インターネットの話題から、車、経済、食べ物まで、ジャンルにこだわらず手がける。主な連載は、日経トレンディネット「クラウド調査隊」、Yomiuri Onlineの「トラブル解決Q&A」やフロム・ナウ「ライターHの“デジモノ放談”」など。Twitterの公式アカウント(@raitanohara)にて、最新のクラウドサービスや機器のテスト状況、記事の後日談などをつぶやいている。


渡辺実のぶらり防災・危機管理

正しく恐れる”をモットーに、防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏が街に繰り出し、身近なエリアに潜む危険をあぶり出しながら、誤解されている防災の知識や対策などについて指摘する。まずは東京・丸の内からスタート。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20121112/239296/?ST=print
http://www.asyura2.com/12/jisin18/msg/611.html

記事 [エネルギー2] 欧・中の景気減退が背中を押す 国内石油化学の設備再編
【第754回】 2012年11月13日 

欧・中の景気減退が背中を押す
国内石油化学の設備再編
 総合化学大手は2013年3月期の業績予想を軒並み下方修正した。欧州と中国の景気減退によって石油化学事業の苦戦が想定以上に長引くためだ。最大手の三菱ケミカルホールディングスは純利益を従来予想の500億円から210億円(前期比41%減)に修正するなど、各社とも悪化となった。

「業績回復の見通しが、なかなか立てられない」と嘆く化学大手首脳たちの頭にあるのは、国内余剰設備の再編である。

 国内のエチレン生産能力は現在、約750万トン、そのうち内需は500万トン程度。かねて需給に見合った設備の再構築が業界における最大の課題で、ますますその機運が高まっているのは、日本の石化事業が三重苦に見舞われているからだ。

 一つ目は中国の大幅な需要減で市況が悪化し、原価と販売価格の差が縮小していることだ。

 二つ目は中東や中国で設備の新設・増強が相次ぎ、国内品の国際競争力が一層低下していること。「余剰分を輸出して調整する手法はもう限界」(化学大手首脳)にあり、円高で廉価な汎用樹脂などの輸入が急増しているような状況だ。しかも三つ目の要因として16年ごろから北米でシェールガスをベースとした大型設備が立ち上がる。日本より最大5割も低いコストで生産できるとあって、世界の石化ビジネスの大きな転換点となる。


水島コンビナートではエチレン設備の集約に向けて準備が進んでいる
Photo:読売新聞/AFLO
 待ったなしの状況の中で再編の焦点となるのは水島地区(岡山県)と千葉地区のコンビナートだ。

 6月には鹿島地区(茨城県)で三菱がエチレン設備1基の廃止を決めた。同社はエチレンの国内生産能力を約3割減らす方針で、水島でも昨年、旭化成との統合運営を開始。まだ明言はしていないが、両社が1基ずつ持つエチレン設備の集約について水面下では具体的な準備が進んでいるもようだ。

 同様に三井化学と出光興産も一昨年から千葉地区で共同運営をしており、近く1基化への集約を進めるとささやかれている。目下の状況が、背中を押すことは間違いない。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 柳澤里佳)
http://diamond.jp/articles/-/27790
http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/802.html

記事 [経世済民78] 日経平均 忍者の里 11/12 気になったニュース /・・米国株は今夜が?
http://sora660.blog2.fc2.com/

● 気になったニュース ●
・日本
7〜9月のGDP伸び率、年率換算-3.5% 閣僚からは強い危機感
政府、経済対策の検討加速 「危機感持って対応」一致
藤村官房長官「消費税率引き上げ環境整える」 GDPマイナス成長 

・米国
バーナンキ米FRB議長の「ルールブック」、後任の手足縛る恐れも

・EU他
ギリシャめぐる決定、トロイカの報告書が不可欠-フィンランド
12日のユーロ圏財務相会合、ギリシャの支払い能力維持目指す

・中国・アジア
韓国大統領府 家宅捜索を拒否=土地不正購入疑惑
焦点:江沢民前総書記の影響力、次期指導部の手足縛る可能性
Q4、地方債・都市開発投資債券発行額が2000億元超に=中国

・中東
イラン空軍、大規模演習を開始=イラン国営通信

● メモ ●
IEA:米石油生産、20年までにサウジアラビア超える見通し
ギリシャ、13日Tビル入札で50億ユーロの借り換えに自信示す
投資の知恵袋 Money&Investment年金マネーは金を目指す 株安下で堅調さ光る


● 雑感・メモ ●
日経は相も変わらず、日中は動かず。
夜間だけやった方がいい感じですね。

本日は日本時間深夜ユーロ圏財務相会合。

ギリシャの16日の国債償還は、13日のTビル入札で
とりあえず乗り切る感じですが、明日のTビル償還は
3カ月物10億ユーロと
1カ月物21億2500万ユーロとの事なので、
12月・来年2月頃また償還云々となるのでしょうか?

米の財政の崖については、大統領が解決策を模索するため
14日に経済界、
16日に市民団体の指導者らと会談。
また、同日、上下両院の民主党および共和党の指導部と
交渉を開始する予定。

今週末から来週頭にかけてはASEAN首脳会議があるので、
大統領も出席なら、その頃の暴落もなさそう。
上下ウダウダといった感じでしょうか?

中東では、イラン空軍が大規模軍事演習。

明日は5MAと日足上値抵抗ラインが重なってますが、
どうなる?
とりあえずギリシャの16日デフォルトが回避されても
スペインのスト、後のフランスの格付け等々出てくるで
しょうし、上りを待つといった所でしょうか?

日足の下値ラインは、明日は8600割れ・500にあり。
週足下値抵抗ラインは560辺りにクロスありますが…
行ったら行ったで、とりあえずはノーポジ。
動くまで待つ感じですね…


[松藤民輔の呟き]◆先週の特徴・・米国株は今夜が?
http://blog.ushinomiya.co.jp/economics/d2866-3?PHPSESSID=1ff131e0d1642c676a2cb89c5dfd6aee

先週は金上昇とドルDXと米国国債が買われた。
同時に3つが上昇する現象は珍しい。
それは米国株下落時の安全資産としてのドル、金、米国国債に資金流入が始まった。
そう考えれば金の上昇はこれからが本番であろう。
先週の欧州株、中国株、日本株の下へのリーバーサルはこれらの市場における株価の下落本格化を示している。

★米国株は今夜が決め手、陽性暴落か否かの?


http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/495.html

記事 [IT11] アップル、中国本土でも「iPhone 5」発売へ 世界第2位の市場、製品投入の遅れがアップルの課題
JBpress>海外>IT [IT]
アップル、中国本土でも「iPhone 5」発売へ
世界第2位の市場、製品投入の遅れがアップルの課題
2012年11月13日(Tue) 小久保 重信
 米ウォールストリート・ジャーナルによると、中国で加入者数第3位の携帯電話会社、中国電信(チャイナ・テレコム)がまもなく米アップルの最新スマートフォン「 アイフォーン(iPhone)5 」の販売を始めるもようだ。

 同紙は、中国共産党大会に合わせて設けられた記者会見の場で、中国電信の王会長が「11月下旬か遅くとも12月初旬に販売を開始する」と語ったと伝えている。

第2位の中国聯通も認可待ち


最新モデルの発売に際しては当局からの許可が必要になる〔AFPBB News〕

 同国ではこれまで中国電信と、加入者数第2位の中国聯通(チャイナ・ユニコム)の2社がアイフォーンを取り扱ってきた。しかし最新モデルの発売に際しては当局から許可を得る必要がある。

 中国聯通の常会長も、中国電信の王会長ほど明確な話はしなかったが「認可を待っている段階」と述べたとウォールストリート・ジャーナルは伝えている。

 そもそも中国でアイフォーンの販売が始まったのは「アイフォーン3GS」時代の2009年10〜12月期。それから今年3月に中国電信がアイフォーン4Sを販売するまでの間、同国では中国聯通がアイフォーンを独占販売していた。

 また加入者数がこの2社合計の2倍以上と言われる同国第1位の中国移動(チャイナ・モバイル)については、これまで何度かアップルと交渉を行っていると報じられたが、現在のところ両社からの正式発表はない。

Android端末のシェアが急拡大

 いずれにしても、2位と3位の通信事業者だけでも、合計加入者数は3億3000万人以上に上り、アップルはようやく米国に次ぐ世界2位の巨大市場でアイフォーンの最新版を販売できるようになる。同国では富裕層や中流層の増加に伴いアイフォーンのような高級端末に対する需要が旺盛になっている。

 ただし、同社は安閑としていられない状況にもある。というのもアップルは同国で常に最新モデルの市場投入が遅れるからだ。ウォールストリート・ジャーナルによると、これは主にアップルが米国市場への供給を優先することに加え、前述のとおり中国では認可を待つ必要があるからだという。

 しかしこうして市場投入のタイミングが遅れることで、米グーグルの「アンドロイド(Android)」搭載端末がシェアを伸ばし、アップルの顧客を奪っている。

 ウォールストリート・ジャーナルが引用した中国の市場調査会社アナリシス・インターナショナルによると、今年4〜6月期における同国でのアイフォーンの販売台数は230万台、これに対しアンドロイド端末は350万台で、アンドロイドのシェアは1年前の41%から59%に拡大した。

中国の売り上げ、全売上高の15%に

 一方でアップルの中国における売上高は拡大している。アップルが10月末に米証券取引委員会(SEC)に提出した年次報告書(Form 10-K)によると、今や同社の中国市場における売り上げの全売上高に占める割合は約15%となり、日本の約7%の2倍以上。アップルで売上比率が2桁台に達している市場は米国以外では中国だけという。

 そうした中、今年3月に米国や日本など世界各国で発売した前モデルの第3世代アイパッド(iPad)をアップルが中国本土で発売したのは、4カ月遅れの7月下旬だった。もしこうした製品投入の遅れがなければ、アップルの売上高はさらに伸びていたはずと指摘されている。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36528
http://www.asyura2.com/09/it11/msg/779.html

記事 [IT11] 『龍が如く』誕生秘話 “不自由さ”を残したことで生まれた大ヒットゲーム
【第17回】 2012年11月13日 武田 隆 [エイベック研究所 代表取締役]
【名越稔洋氏×武田隆氏対談】(後編)
『龍が如く』誕生秘話
“不自由さ”を残したことで生まれた大ヒットゲーム
ヒット商品の仕掛け人が語る制作秘話はおもしろいものだと相場が決まっている。株式会社セガのヒットメーカー、名越稔洋氏の場合もまたしかり。
名越氏といえば、全世界500万本以上を売り上げたゲーム『龍が如く』の生みの親。この作品が誕生する過程にはどのような経緯があったのだろうか?
お話をうかがっていくと、『龍が如く』はコンセプトメイキングやターゲットユーザーの選定に一日の長があっただけでなく、ある点に徹底的にこだわり抜いていることが重要なカギを握っているのだとわかる。では、その「ある点」とは……?前編にひきつづき名越ワールド炸裂の対談は、ファンならずとも一読の価値ありだ。

繁華街をコンセプトにした時点で、勝算があった『龍が如く』

武田 私は名越さんが『龍が如く』の開発に入る前、その構想を聞かせていただいたことがあります。でもその時、「繁華街を自由に歩き回れるゲーム」と聞いて、どんなゲームかまったく想像ができませんでした。


名越稔洋(なごし・としひろ)
株式会社セガ 取締役CCO(Chief Creative Officer)。1965年6月17日生まれ AB型。山口県下関市出身。1989年セガ入社後、鈴木裕のもとCGデザイナーとして『バーチャファイター』シリーズの制作などに参加。1994年初のプロデュース作品『デイトナUSA』を発売し、ドライブゲーム史上に残る大ヒットを記録。2005年に大ヒットとなる『龍が如く』を手がけ注目を集める。『龍が如く』シリーズは全世界500万本以上のセールスを記録。
名越 それだけ聞いても、訳がわからないですよね(笑)。設定もストーリーも、それまでのゲームとはぜんぜん違うものでしたから。

武田 正直、お話をうかがったときは、こんなにヒットするゲームになるとは思えませんでした(笑)。「まだこれは世の中にはないものだから、つくってみないとわからない。自分はこれに賭ける」と名越さんがおっしゃっていたのを、よく覚えています。

名越 じつは「実在の繁華街」をコンセプトにした時点で、半分勝ったと思っていたんです。

武田 確信があったんですね。

名越 ゲームで何かの世界観をつくるときには、みんなが知っているものをテーマにするのが鉄則なんです。でも、メジャーなものは、たいていもう誰かが先につくってるんですね。

 そこで、ふと自分がかつてホームにしていた飲み屋街のことを思い出しました。そういう猥雑な繁華街をゲームの世界で再現したらどうなるだろうと思ったんです。繁華街って、今までメインテーマとして扱われたことはほとんどないけれど、みんなが知っていて興味もあるはず。「知らない世界をのぞいてみたい」という下心をくすぐるものがあるだろう、と分析していました。あとは踏み込んで、どれだけリアルに再現できるかがキーになるな、と。

 また、『龍が如く』というゲームの特殊性は、マーケティング的に徹底的に絞り込みをしているところにもあります。ゲームをつくっていると、いろいろ考慮しなきゃいけないことが出てくるんですよ。たとえば、海外展開を見据えて、舞台を海外にしたほうがいいんじゃないかとか。女性ウケを考えて、もっと主人公は親しみやすいイケメンのほうがいいんじゃないかとか(笑)。そういう意見は、もう全部突っぱねることにしました。

ターゲットを絞ると、クリエイティビティが加速する

武田 顧客ターゲットを絞り込むことで、コンセプトを際立たせていったわけですね。

名越 メンバーにも、そういった意見はいっさい相手にしなくていい、ただ基本コンセプトに従って、世界観をつくることに集中してほしいと伝えたら、とたんに内容が濃くなっていったんです。

 そこからは、メンバーが自発的に限界を超えてくるようになりました。僕がひとつメッセージを出すと、それに対して現場が出してくるものが、予想の先を行くようになったんです。結局、リーダーである僕が、流行や社会のルールにとらわれずに、取捨選択の「捨」の部分をはっきりさせることが必要だったんだと、わかりました。


武田 隆(たけだ・たかし)
エイベック研究所代表取締役。日本大学芸術学部にてメディア美学者武邑光裕氏に師事。1996年、学生ベンチャーとして起業。クライアント企業各社との数年に及ぶ共同実験を経て、ソーシャルメディアをマーケティングに活用する「企業コミュニティ」の理論と手法を独自開発。その理論の中核には「心あたたまる関係と経済効果の融合」がある。システムの完成に合わせ、2000年同研究所を株式会社化。その後、自らの足で2000社の企業を回る。花王、カゴメ、ベネッセなど業界トップの会社から評価を得て、累計300社のマーケティングを支援。ソーシャルメディア構築市場トップシェア(矢野経済研究所調べ)。2011年7月に出版した著書『ソーシャルメディア進化論』は第6刷のロングセラーとなっている。JFN(FM)系列ラジオ番組「マーケの達人」の司会進行役を務める。1974年生まれ。海浜幕張出身。
武田 そのころに名越さんとご一緒することがありましたが、まさに“リアル『龍が如く』”というか、主人公の桐生一馬が乗り移ったみたいになっていらっしゃいましたよね(笑)。

名越 そういう部分もあったかもしれません(笑)。実際、毎日のようによく飲んでいましたしね。

 ゲームというのは、何かを模したうえで、それをバーチャルで体験するものだ、ともいえます。ゲームの舞台に似た繁華街は現実にあるのだから、あれはバーチャルではないという人もいました。でも、街に存在するすべての店に全部入ったことある人がいるか、というといないですよね。

武田 興味があっても、なかなか入れない店もあります(笑)。

名越 そうすると、そこを自由に歩き回る、というのは十分にバーチャルな体験になるんです。

武田 セガは『バーチャレーシング』など、もともとシミュレーションでバーチャルな世界を追求してきたゲーム会社ですよね。『龍が如く』はまったく異色のゲームに見えますが、しっかりセガの伝統の流れも汲んでいるわけですね。

名越 そうです。これは『バーチャレーシング』や『バーチャファイター』のプロデューサーだった鈴木裕から受け継いだことなのですが、バーチャルって、「本物」になってはいけないんです。

 たとえばドライブゲームだと、摩擦係数や慣性、景色など、現実に似せるための要素がいろいろあります。それが、そっくり現実どおりじゃダメなんです。ドライブの楽しさを引き出す「ちょうどいい」ところで、パラメータを調整しなければいけない。

現実をそっくり再現すると、ゲームはつまらなくなる

武田 現実を、正確にシミュレーションするだけではダメなんですね。

名越 それではゲームとしてつまらなくなってしまう。現実のケンカでも、『龍が如く』のバトルみたいに1対3で戦ったらほぼ100%負けるんですよ。でも、現実がそうだからといって毎回負けていたら楽しくないですよね。だから、たとえ100人を相手にケンカしても、楽しかったり爽快になったりするように、システムを調整してある。

武田 ディズニーランドのシンデレラ城も上に行くほど、城壁の石が小さく積まれていて、強化遠近法で実際より高く見えるようにデザインされていると聞きました。

名越 それと同じです。『龍が如く』って、実は2割が女性ユーザーなんです。その女性ユーザーにどこがおもしろかったかアンケートをとると、ドラマを楽しんでくれているのはもちろん、それと同じくらい「バトルがよかった」「戦っていて気持ちがよかった」という意見が多かったんです。それは、ひとえにうまく勝てるからだと思います。

 たとえば『バーチャファイター』だと、1/60秒でフレーム(画面の1コマ)管理をしていて、このタイミングでこのボタンを押さないと絶対に技が出ないというように、難易度の高い技は相当出しにくく設定していました。

 でも『龍が如く』は、より強い技が簡単に出やすい選択にしてあるんです。ある程度、勝つための行動をとっていると、どんな操作でも勝てる方向にフラグを振る。そして、勝つとやっぱり気持ちがいいんですよね。これも、強い人間になったような気持ちが味わえる、ひとつのバーチャル体験です。

武田 なるほど、だから『龍が如く』はプレイしやすいんですね。簡単というわけではないですが、先に進めないこともなく、ちょうどいい感じがしました。

名越 「ちょうどいいゲームがいいゲームだ」というのは僕のポリシーです。いま、ゲームが海外に合わせて重厚長大になる傾向がありますが、それではエンディングも見られない。僕からすると、長すぎると思います。

不自由をデザインすることで、自由を感じさせる

名越 バーチャルをつくるうえで、現実そのままではダメですが、現実からスタートするというのは必須です。軸はやはり現実にあるんです。

『龍が如く』では、実在の繁華街の風景などをかなり正確に模しています。道路の縁石の高さなど、調べてみてわからないところは、実際に測りにいくということを繰り返していました。写真などを撮っていると怪しまれるから、ササッと逃げたりしながらね(笑)。

武田 それでいうと、戦闘シーンなどで、ただの背景だと思っていた路上のパイロン(カラーコーン)や看板などがつかめるのがおもしろいですよね。『龍が如く』が自由度の高いゲームだと言われるのもわかります。

名越 いや、ほんとは不自由なんですよ。

武田 え!?

名越 よく「自由なゲームですよね」と言っていただくんですが、本当はできないことのほうが多い。

武田 不自由をデザインすることで、自由を感じられるようになる、ということですか?

名越 そのとおりです。また、作品性を守るための不自由、というのもあります。たとえば『龍が如く』は、自分から人を殴ることは絶対にできない仕様になっているんですよ。相手に絡まれないと、ケンカは始まらない。だから、暴力ゲームと言われるのはいささか心外なんですよね。

 また、子どもが死ぬシーンと薬物が出てくるシーンも絶対に使わない。これは『龍が如く』というゲームの作品性を守るためには、譲れない部分です。いま、7作目の公開を控えていますが、シリーズを通して一度も許したことはないです。

 すべてが自由だと、強いメッセージを保ったゲームではなくなってしまうんです。クリエーターによって考え方はいろいろあるかもしれませんが、ゲームというのはプレイヤーに決められた設定、役割、そしてルールがあって初めて成り立つものだと私は信じています。

武田 それは、企業コミュニティの運営にも通じるかもしれません。

これからは、企業組織もクリエイトする対象に

武田 企業コミュニティに人を集めて「さあ、何でもいいから自由に発言してください」と言っても、参加者は困ってしまうんです。

 そこで、たとえばある商品について、1年以上使っている先輩ユーザーに、購入を考えている人、もしくは買って日が浅い後輩ユーザーが質問をするという役割を提供します。ある種のルール、不自由を設計する。そうすると、堰を切ったようにみなさんが発言を始めるということがあります。

名越 たしかにその役割設定は、ゲームのルールに似ていますね。

武田 『龍が如く』も、プレイしていると「あれも触れる」「これもつかめる」という経験から自由に感じるのですが、それは逆につかめない場所があるからこそ、感じる自由なんですね。

名越 そのとおりです。それって、経営にも近いと思うんですよね。

武田 それはおもしろい観点ですね。名越さんは、今年の4月から、セガの取締役になられたんですよね。

名越 はい。会社のルールというのは、定款に始まって、人事制度みたいなところまで細かく決まっていますよね。それによってできないこともたくさんあるし、不満もある。しかし、逆に会社にいることで得られていること、守られていることもたくさんあります。社員にいま自分の置かれている環境がいいと感じてもらうのは、ゲームの不自由を上手に設計するのに似ていると思うんです。

武田 ゲームクリエイターの名越さんならではの経営論ですね。いまやっぱり関心は、組織をどうつくるかというほうに向いていらっしゃるのでしょうか。

名越 そうですね。うちはゲームをつくる会社なので、社員のクリエイティビティに足かせははめたくない。かといって、アイデアだけで具現化できない組織にはしたくない。そのバランスが難しいですね。


大ヒット作『龍が如く』誕生の極意は、マーケティングや企業組織のクリエイトまで展開できそうだ。
武田 これからは、組織もクリエイトする対象になっていくのでしょうね。私もその心構えで経営をしています。

名越 絶対、そうだと思います。僕はもともとグラフィックデザイナーからキャリアを始めているので、こういう言い方になりますが、セガという会社を「デザインする」という感覚に近づいています。

 やはり、セガはゲームをつくる会社ですから、その商品がもつメッセージ性がそのままブランドにつながっていくんですよね。だから、ブランドを守るのはもちろん、未来を見せるような、いまのブランドを超えていくようなものをつくっていきたいと思っています。

※次回は、劇作家・演出家の平田オリザ氏との対談を11月27日(火)に配信予定です。

【編集部からのお知らせ】
大好評ロングセラー! 武田隆著『ソーシャルメディア進化論』


定価:1,890円(税込) 四六判・並製・336頁ISBN:978-4-478-01631-2
◆内容紹介
当コラムの筆者、武田隆氏(エイベック研究所 代表取締役)の『ソーシャルメディア進化論』は発売以来ご高評をいただいております。
本書は、花王、ベネッセ、カゴメ、レナウン、ユーキャンはじめ約300社の支援実績を誇るソーシャルメディア・マーケティングの第一人者である武田隆氏が、12年の歳月をかけて確立させた日本発・世界初のマーケティング手法を初公開した話題作です。

「ソーシャルメディアとは何なのか?」
「ソーシャルメディアで本当に消費者との関係は築けるのか?」
「その関係を収益化することはできるのか?」

――これらの疑問を解決し、ソーシャルメディアの現在と未来の姿を描き出した本書に、ぜひご注目ください。

※こちらから、本書の終章「希望ある世界」の一部を試し読みいただけます(クリックするとPDFが開きます)。

絶賛発売中!⇒[Amazon.co.jp] [紀伊國屋BookWeb] [楽天ブックス]

◆内容目次
序 章 冒険に旅立つ前に
第1章 見える人と見えない人
第2章 インターネット・クラシックへの旅
第3章 ソーシャルメディアの地図
第4章 企業コミュニティへの招待
第5章 つながることが価値になる・前編
第6章 つながることが価値になる・後編
終 章 希望ある世界
http://diamond.jp/articles/print/27525
http://www.asyura2.com/09/it11/msg/780.html

記事 [IT11] データ民主主義って、知っていますか?〜グーグルの壮大な「試行錯誤型」経営
【第47講】 2012年11月13日 三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]
データ民主主義って、知っていますか?
〜グーグルの壮大な「試行錯誤型」経営
大統領選でオバマ陣営を支えた
グーグルの「A/Bテスト」

 今回は、壮絶な誹謗中傷合戦に終始したアメリカ大統領選挙でしたが、前回は少し違いました。2008年、グーグルでプロダクトマネジャーを務めていたダン・シロカーは、グーグルを休職してバラク・オバマ(2009年初から第44代アメリカ合衆国大統領)の選挙キャンペーンに加わることになりました。

 その2週間前、オバマがグーグル本社で講演したときの「私は、事実やデータに基づく選挙戦をやりたい。だから、エンジニアのみなさんの助けが必要だ」に惹かれた(*1)のです。

 ネット広報を担当したシロカーはまず、目標となる指標を定め(「オバマWebサイトへの訪問者数」→「Webサイトへの登録者」→「メールマガジンの登録者数」→「寄付金の額」など)、施策の効果を数字で測定し、その改善を図り続けました。

 結果として、シロカーは「Webサイトへの登録率40%増、メールアドレス300万件増、ボランティアの30万人増、寄付金6000万ドルアップ」に貢献した(*2)といわれています。それを支えたのが、彼がグーグルで経験していた「A/Bテスト」です。


*1 オバマは当時のCEOシュミットによる「100万の32ビット整数を効果的にソートするにはどうすればよいと思われますか?」というムチャ振りに「バブルソートを使うのは間違いでしょう」と的確に答えたという。
*2 シロカーによるブログ(2010/11/29)参照。

年間7000回の試行錯誤がグーグルを改善する

 A/Bテストとは、AとBのやり方を、両方試しにやってみて、よかった方を採用する、という方法です。もともとはダイレクトメールで用いられた手法で「どっちのチラシのほうが、レスポンス率が高いか」などをこれで決めていました。

 インターネット上では、これをもっと低コストで手軽に素早く行えます。

 たとえばWebサイト上で使う画像や説明文などを、複数パターン(新しいものを1つでもいい)を用意します。そして、それらを入れ変えたWebサイトを実際に並列で公開してしまうのです。サイトを訪れる人のうち、数%だけを(本人に知られぬよう)新しいパターンに誘導して、じっと様子を見るのです。

 そこで得られた、実際のクリック数やコンバージョン率などを基に、どのパターンが優れているかを見極めます。

 単純な例ではユーザー登録時の「必須入力項目」もあります。Long Formに比べて、業種や電話番号を削ったMedium Formでは登録率が2ポイント(20%)向上し、さらに従業員数などを削ったShort Formでは3.4ポイント(34%)向上しました。

       (コンバージョンアップ研究所「フォーム項目を4つ消したら、CVRはどれだけ上がる?」)
 2011年、グーグルはこういったA/Bテストを約7000回行ったといいます。

JOANNが行った「ミシンの大胆な販促」

 ネット・ビジネスでのA/Bテストのいいところは、「大きなジャンプが試せる」ことです。もちろん、小さな変更の効果を正確に測れることも利点です。しかし、ビジュアルの大幅な変更や、独創的なアイデアといったものは、これまでその効果を事前に予測しようがなく、大きなリスクを伴うものでした。

 でももしその大幅な変更が、リスクなく試せるなら?

 JOANN(ジョアン)は全米49州に790の店舗を持つ、アメリカ最大の布クラフトショップです。そのネットストア JoAnn.comでは、1万3000種類もの布地とともに、さまざまな家庭用縫製器具を扱っています。ミシンだけでも182種類!

 JOANNはWebサイトの改修に合わせて、さまざまな販促方法を試してみました。月間、100万人(1日3000人)以上の人が訪れるので、実験結果はすぐわかります。

 せっかくなので、普段はやらない、意味のなさそうなものも「ちょっと大胆に」やってみました。たとえば「ミシン2台買ったら1割引!」

 ……いったい誰が、一度に家庭用ミシンを2台など買うのでしょう?

 でもこのプロモーションは、圧倒的に高い販促効果をあげ、Webサイト訪問者1人当たり売上げを3倍以上(209%増)に引き上げました。ミシンを1割引で手に入れたいお客さんが、JoAnn.comの代わりにもう1台分のミシンの営業を引き受けてくれたのです。

 ああ、本当に世の中、やってみなくちゃ、わからない。

グーグルの「試行錯誤型」経営

 グーグルの根幹はその検索サービスにあり、その機能の改善が大切なことは言うまでもありません。しかし同時に、グーグルはその「情報」における地位を不動にするために、そしてそのミッションである「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」に向けて、さまざまな新サービスを、導入(かつ撤退)し続けています。

 2003年、Pyra Labsを買収してブログサービスに参入。有料サービスも無料化され、「Blogger」は世界で最も使われているサービスに。2004年にはPicasaの買収によって、画像の保存・閲覧も可能になりました。

 2004年、メールへの参入。「Gmail」は大成功でした。同年、地図にも参入し、その「Google マップ」は、先日のiPhone5の地図騒動でも逆に名を上げました。「Google Earth」も同年です。人工衛星や航空写真データをデータベース化したKeyholeを買収してのスタートでした。

 2006年の「YouTube」買収は16.5億ドルをかけたものでしたが、グーグルの広告収入増にしっかり貢献しています。

 でも、順調なものばかりでは、ありません。

 2005年には動画コンテンツの検索・配信サービス「Google ビデオ」と、カスタマイズ可能な個人用ポータル「iGoogle」が導入されました。しかしいずれも最近、閉鎖(*3)が決まりました。

 2006年に始まったオンラインメモサービス「Google ノートブック」も、2009年に開発が停止され、2011年9月に提供終了となりました。

 2007年にスタートした知識共有ツール「Knol」は、Wikipediaにかなわず、2012年4月に停止され、2010年に鳴り物入りでスタートしたソーシャルサービス「Google Buzz」もTwitterなどに勝てず、2011年11月に閉鎖(*4)され「Google+」に統合という形になりました。

*3 Googleビデオは2012年夏に閉鎖された。iGoogleは2013年11月に閉鎖予定。
*4 ソーシャルサービスは同年6月からスタートした「Google+」への集中を図っている。

成長の原動力は
小規模ベンチャーのイノベーションから

 なぜグーグルは「本業」に特化せず、これほどまでに無節操(?)に、さまざまなITサービスを開発・買収しては提供し、閉鎖しまくって来たのでしょう?

 グーグルを2001年から10年間CEOとして率いたエリック・シュミット(現会長)は、2003年にこう言っていました。

「社会の中で、仕事も経済成長も、中小のベンチャー企業から生まれている。みんな、相変わらずフォーチューン・トップ500とかにしか注目していないが、ベンチャーが経済を動かすという原理は、米国以外の国にも当てはまる」
「新しいプレーヤーの数がきわめて多いことをわれわれは喜ぶべきだし、それはチャンスの多様性を生み出していることにもなる。そして、そうしたサイクルはすでにスタートしている」
(「Google CEOが語るIT業界復活のシナリオ」2003/7/19から要約)

 業界をひっくり返すような「破壊的(Disruptive)イノベーション」は、遠く離れたところから密かに始まるとクレイトン・クリステンセンは『イノベーションのジレンマ』(1997年)で主張しました。そして(グーグルのような)リーダー企業こそが、新しいイノベーションに乗り遅れて、「担当の変更」(*5)が起こるのだと。それを避けるためには、一見ムダな試行錯誤を、小さくいろいろやってみるしかないのです。

 グーグルにはこれまで幸いなことに(大量の)お金と、試行錯誤を積極的に行うリーダーシップがありました(*6)。

*5 シュンペーターが『経済発展の理論』(1912年)で主張した。ある業界でイノベーションが起こると、業界を担う企業が総入れ替えになること。
*6 2011年4月にCEOに復帰したラリー・ペイジは、同年秋以降、約30の商品・サービスを停止し経営資源の集中を図っている。

A/Bテストの新ルール
〜話し合わずにやってみて結果で決める

 グーグルがA/Bテストに最初に挑んだのは2000年2月のことだといいます。準備不足で所期の目的は達せられませんでしたが、「検索結果の表示時間がダイジ」という大きな教訓を得ました。やってみたからわかったのです。

 Amazonで買い物をすると、カートの中身の確認時に「○○とよく一緒に購入されている商品」というおすすめがでてきます。お金を払う(レジに進む)前に、もう一段の衝動買いを狙っているわけです。

 これを提案したグレッグ・リンデンは当時、上司たちから徹底的に否定されました。デモまでつくったのに、テストすら許されませんでした。憤慨したリンデンは、A/Bテストを勝手にやりました。そしてその機能がAmazonにもたらす膨大な利益を明らかにしたうえで、そういった反対意見を一気に葬り去りました。

 オバマの選挙運動を支援したシロカー(*7)は、そういったデータの力による「上下関係の消滅」を「データ民主主義」と呼びます。A/Bテストの結果データの前に、身分や地位の上下はなく、すべての民は平等なのです。

 だから選択肢を出して、つくって、試してみればいいのです。頭の堅い上司の許可を得ることも、みなで事前に合意を取ることも、顧客をムリに説得することも、必要ない!

 データ民主主義の下での「試行錯誤型経営」がもう始まっているのです。

 ……「でも、それはネット・ビジネスだけの話でしょ」と、思っていますか?

 そんなこともありません。ものづくりの世界でも、そういった「手軽につくって試す」試行錯誤型経営の波は、押し寄せてきているのです。そのことについて、詳しくはクリス・アンダーソン(*8)の『MAKERS』やティム・ブラウンの『デザイン思考が世界を変える』をどうぞ。

*7 シロカーはその後、グーグルの同僚とA/Bテストを含めたWebサイト最適化支援会社Optimizelyを立ち上げた。2012年の大統領選では、両陣営ともが採用して話題となった。
*8 クリス・アンダーソンは『フリー』『ロングテール』の著者でもある。

 読まれての感想やご要望を、是非、HPまでお寄せ下さい。Official Websiteの「お問い合わせ」で受け付けています。

参考図書
『イノベーションのジレンマ』クレイトン・クリステンセン(翔泳社)
『その数字が戦略を決める』イアン・エアーズ(文藝春秋)
『WIRED Vol.5』(コンデナスト・ジャパン)
『MAKERS』クリス・アンダーソン(NHK出版)
『デザイン思考が世界を変える』ティム・ブラウン(早川書房)

お知らせ:『一瞬で大切なことを伝える技術』の姉妹本『実例で必ず身につく! 一瞬で大切なことを伝える技術』が7/23に発刊となりました。好評です。新人研修等のテキストにも採用されています! 本の感想も合わせて、Official Websiteにお寄せください。
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記事 [エネルギー2] 環境汚染を再生エネルギーに変える日本の技術 パームオイル廃液からバイオマス発電や新プラスチック材料
JBpress>海外>アジア [アジア]
環境汚染を再生エネルギーに変える日本の技術
パームオイル廃液からバイオマス発電や新プラスチック材料
2012年11月13日(Tue) 宇田 真
 前回の「インドネシア経済を支えるパームオイルの光と陰」では、パームオイルとそれが引き起こす環境問題を取り上げたが、今回は環境問題のなかでも廃水問題を解決するビジネスについてお伝えしたい。

高濃度の汚水が環境問題を引き起こすパームオイル搾油所


インドネシア・サワラク州のプランテーションで、パームを収穫する作業員〔AFPBB News〕

 パームオイルの搾油所はインドネシアとマレーシア両国で約1000カ所あると言われ、そこから毎年1億トンの廃水(Palm Oil Mill Effluentの頭文字をとりPOMEと呼ばれる)が出ていると推計されている。

 インドネシアとマレーシアでのPOMEがどの程度汚染されているかというと、COD(化学的酸素要求量)の量が1リットルあたり5万ミリグラム、BOD(生物化学的酸素要求量)が1リットルあたり2万5000ミリグラムという平均値がある。

 これを日本の環境省の一律廃水基準に当てはめると、日本ではCOD、BODともに1リットルあたり160ミリグラム以下と定められているので、POMEのCOD、BODは日本の基準のそれぞれ300倍、150倍という桁違いの汚水ということがお分かりいただけるだろう。

 前回の記事でふれたように、POMEはいったん巨大な池に溜め込まれ、微生物の分解によりメタンガスを発生させながらCODとBODを100ミリグラム程度に下げて河川に排出される仕組みになっている。ただ、実際には雨が降れば周辺にあふれ出すので、基準が守られているとは言えなかった。

 今、これまで放置されてきたPOMEによる環境破壊の問題は、改善される方向に向かいつつある。

 きっかけの1つとして、新たにパームプランテーション事業に参入してきた南アフリカなどの国々が、廃水基準を遵守するようになったことが挙げられる。企業イメージを気にする欧米の日用品、食品メーカーが、環境破壊を放置しているパームオイル会社の商品を買わなくなることを懸念するようになったためだ。

 一方、国としても各社の自主性にまかせず、規制を強化する必要がある。マレーシアはそれほどではないが、インドネシアはトレーサビリティが難しいと言われている。

 トレーサビリティとは、購入したパームオイルがどこのプランテーションで生産され、どこでどのオイルと混ざり、どのルートをたどってここに至ったのかを追跡できるかどうかである。

 これが困難ということは、環境にやさしいパームオイルと環境破壊をしたパームオイルが知らないうちに混ざっている可能性があることを意味する。全体を良くしないと、ブランドイメージの悪化はまぬがれない。

排出権ビジネスが困難なメタン―発電事業への期待が高まる

 POMEの浄化については、1990年代後半に、京都議定書によりCDM(Clean Development Mechanism)が動き出したことで、まずメタンの回収と回収したメタンの燃焼による発電が可能かどうか、実現可能性のための調査が行われた。

 CDMとは、簡単に言えば二酸化炭素やメタンの回収を行うことで、回収分の排出権が獲得でき、それを第三者に販売してお金に換えたり、自身の削減ノルマに使える仕組みである。

 京都議定書では各国が二酸化炭素の排出量を一定量減らすというコミットメントを行い、排出権を確保すればその分排出量が減ったということにできる仕組みを作った。

 メタンは二酸化炭素の21倍の価値があり(二酸化炭素換算で21倍に評価される)、効率的に排出権を獲得できることから注目された。しかし、京都議定書が2012年末で期限を迎えるために、CDMによる収益に依存したモデルはむずかしくなっているのが実情である。

 そのため、最近の傾向としてCDMはおまけの収益として期待せず、発電事業のみで収益を上げるプロジェクトがいくつか立ち上がっている。

 例えば、マレーシアのAmInvestment(マレーシア第3位の銀行であるAmBankの投資銀行部門)は、運用するアジア・ウォーター・ファンドを通じて、マレーシアのサバ州の搾油所の浄水プロジェクトを企画している。

 このプロジェクトは、廃水からメタンを回収し、それを燃焼させることでガスタービンを回し発電するというもので、生み出した電気は搾油所に販売する。搾油所と長期の売電契約を結ぶことで、安定的な収益を確保できる。

 日本勢が関わっているプロジェクトでは、九州工業大学がマレーシアのFELDA*と共同で同様のビジネスを展開しようとしている。

*Felda Global Ventures Holdings Bhd(ティッカーFGVH.KL)今年の6月に上場し31億ドルを調達したマレーシア最大の政府系パームプランテーション会社

 筆者の知る限り、九州工業大学は国公立の単科大学としては、日本で唯一海外にサテライトキャンパスを持っているユニークな大学である。マレーシアのマレーシアプトラ大学の中に設置されており、ここがプロジェクトの拠点となる。

九州工業大学による画期的なプロジェクトが進行中

 九州工業大学のプロジェクトは、メタンの回収と発電だけでなく、パームの実を取った後の芯(空果房:Empty Fruit Bunchまたは略してEFBという)を材料に、プラスチック原料を生産する工程も併せて行う計画であり、非常に画期的なプロジェクトとなっている。

 通常、実を取った後の芯は細かく砕いて肥料にするか、乾燥して焼却し、ボイラーを動かしたり発電するのに使われていた。

 いわゆるバイオマス発電と言われるもので、九州工業大学とFELDAはすでに廃棄される芯を使ったバイオマス発電を実施している。(参考:「マレーシア最大のパーム会社Feldaが2基目のバイオマス発電」アジア・バイオマスエネルギー強力推進オフィス)


さまざまな分野で再生可能エネルギーへの取り組みが始まっている〔AFPBB News〕

 この芯を、捨てたり焼いたりする代わりに、過熱水蒸気処理技術を使い、細かく砕き、汎用プラスチック原料を混ぜて、プラスチックコンポジットとするのが今回のプロジェクトである。

 もともと捨てるようなものなので原料費はかからないことから、安価なプラスチック原料を生産できる。製造に必要な電気や蒸気は、メタンガスを利用して作られるので、製造コストが安くなり、競争力があると期待される。

 これらのプロジェクトはインドネシアよりもマレーシアが先行している。理由としては、マレーシアの規制当局の方がインドネシアの規制当局よりも厳しい対応をし、ペナルティーが科せられるリスクが高いためと言われている。

 ペナルティーを払うよりも、メタン回収の費用を払った方が得だという発想から、パームプランテーションの経営者が費用を払いやすい。

 インドネシアの場合、賄賂を払ってペナルティーを帳消しにしてもらう傾向がまだ強いと言われており、設備投資をしてメタンを回収するメリットがまだ出にくいのが実情だ。

 パームオイルの環境問題に限らず、日本勢がすぐれた技術を生かして環境問題の改善に貢献する例は数多くある。今後もこのような取り組みが行われ、日本経済の発展と地球環境の改善につながることを期待している。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36485
http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/803.html

記事 [経世済民78] 不気味な金融市場・・預金保機構・特融創設へ!
http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/

今、金融市場は不気味な動きをしており、大暴落が近いのかも知れません。

あるスイスのヘッジファンドは保有株式・債券を全て売却し、金現物も売却して、暴落に備え始めたと言われており、意見交換しておりますジュネーブのプライベートバンカーから緊急の面会依頼(意見交換)がきております。

何かがおかしいと感じるのは私だけではなく、世界中の敏感な運用担当者が感じはじめていることで、彼ら皆、苛立ち、恐れ、不機嫌になって来ています。
これはリーマンショック前にも見られたことですが、破壊の規模は今回が遥かに大きく感じられます。

取り越し苦労かも知れませんが、世界中の金融市場の奥底で巨大な地割れが起こっており、その地割れが地上に迫ってきているのかも知れません。


◆預金保機構・特融創設へ!・・リーマン・ショック以上の金融危機を想定しているようだ。
http://www.eagle-hit.com/

9日付の記事であるが、金融庁がひそかに動きだしているようだ。
短いが重大な意味を帯びていよう。

【時事通信 9日22:06】
金融庁、預保版「特融」創設=無担保・無制限で危機回避−保険・証券にも公的資金

金融庁は9日、リーマン・ショックのような国際金融危機を回避するため、預金保険機構による「特別融資」制度を創設する方針を固めた。

経営破綻すれば金融システム不安につながるような大規模金融機関に対して、日銀の特別融資(日銀特融)と同様に無担保・無制限で貸し出し、危機の連鎖を断ち切る。
銀行に限定していた公的資金の注入対象も保険、証券会社などに広げる。

 金融庁は12日、金融審議会(首相の諮問機関)に新たな金融危機対応措置の原案として提示する。年末までに詳細を詰め、来年の通常国会にも関連法案を提出する。

★預金保険機構が無担保・無制限の「特融」を実行できるようにするというわけだが、対象が、保険、証券会社までに広がっている。日銀のなにやらリーマン・ショック以上の金融危機を想定しているようだ。

だが、それ以上に今回の措置は、預金保険機構の財源は確保が目的だろう。
つまり、現状、預金保険機構には金融危機に対応できるほどの財源はないということだ。

記事ではどれだけの規模になるかは定かではないが、特融を認めるのであれば、当然財源の拡充が大前提である。
通常の金融機関が支払っている以上の財源が必要となろう。
となれば、政府が後ろ盾となり、財源を注入することになる。いわば、税金である。


http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/496.html

記事 [IT11] テクノロジーの進化で可能となった 「個客」マーケティング
JBpress>ニュース・経営>経営のためのIT活用実学 [経営のためのIT活用実学]
テクノロジーの進化で可能となった
「個客」マーケティング
2012年11月13日(Tue) JBpress
 企業のマーケティング活動の中で、Webをベースとしたデジタルマーケティングが大きな比重を占めるようになった。スマートフォンやタブレット端末、ソーシャルメディアといった新しいチャネルも普及し、効果的なデジタルマーケティングの方法と可能性が議論され、模索されている。

 それに伴い、マーケティングそのものの役割も大きく変化しつつある。日本IBM スマーター・コマース担当パートナーの浅野智也氏は、「マーケティングは、もはや製品やサービスのプロモーション活動だけにとどまりません。顧客との関係構築、維持やブランド、企業文化そのものに影響を与える役割にまで拡大しています」と語る。

 マーケティングをITと融合させ、単に広告宣伝活動を行うだけではなく顧客とのより密接で継続的な関係をつくり上げることが、企業にとって大きな課題となっている。その中で世界の先進企業はどんな課題を抱え、どんな試みをしているのか。マーケティング最前線の動向と今後の行方を浅野氏に聞いた。

プロダクト志向、サービス志向から顧客志向へ

──企業のマーケティングは、現在どのような変化を迎えていますか。

浅野智也氏(以下、敬称略) 今まで企業と顧客のコミュニケーションは一方向でした。つまり、最初に企業が市場調査を行い、それに応じて商品やサービスを開発します。プロモーションをかけてお客様に買っていただき、繰り返し買っていただくことでロイヤルティーを高める、という形です。

 それが、ソーシャルメディアやスマートフォンなどの登場によってコミュニケーションが双方向で行われるようになってきました。今はほぼリアルタイムで、テストマーケティングや企業の問いかけに対する意見や回答をお客様からいただける場が出来上がっています。従来のように自分たちの商品やサービスを誰が買ってくれるかを探すのではなく、目の前にいるお客様が今日何を欲しがっているかを考えようという形に変化しつつあります。

──そうした企業は実際に現れているのでしょうか。

浅野 世界の先進企業は、今までのプロダクト志向、サービス志向から顧客志向への転換を始めています。

 ただし一口に顧客と言っても、今までのようにセグメンテーションして顧客を「かたまり」で捉えるのではなく、より「個人」に近づこうという動きが進んでいます。実際に個のレベルでのマーケティングを行い、成果を挙げる企業が現れています。

 例えば、電気製品の販売を主とするアメリカの小売会社があります。複数の店舗を持ち、ネットでも販売し、自動販売機で家電を売ることもあるという、多様なチャネルを持っている会社です。この会社は、顧客の行動を詳細に分析し、それを基に顧客に合わせたオファーを最適なタイミングで最適なチャネルを通して提供しています。


日本IBMスマーター・コマース担当パートナーの浅野智也氏
 具体的には、プロモーションに対する反応、主要品目の買い替えサイクル、頻繁に利用するチャネル、会員割引制度加入の有無など、一人ひとりの顧客の行動の情報を細かく収集し、今までの顧客セグメントとは違った形で、顧客がどんなアクションを取る傾向があるかを分析します。それを踏まえて、プロモーションを展開するときにいちばん効果的なオファー、チャネルを選択するのです。この手法によって、全体で5〜7%のマーケティング費用を削減し、ROI(投資対効果)を向上させるという効果につながっています。

──「個」のレベルで顧客を捉えるマーケティングは、基本的に「B to C」に限った話と考えていいのですか。

浅野 B to C の小売業が最も適していることは確かですが、「B to B」でも十分に有効な手法です。法人を相手にビジネスを進めていても、その法人で案件を担当しているのは個人です。個人を特定し、その人のニーズを理解できれば成功確率はぐっと高くなります。最近は、このように個々の担当者を捉えた「B to I」(Business to Influencer)のアプローチを行う企業が現れてきています。

企業のIT投資はフロントオフィス側へ移行していく

──顧客を「個」のレベルで把握すべしという議論は、かなり前から行われてきたと思いますが。

浅野 確かにそうです。しかし、適切なテクノロジーがなかったり膨大な投資が必要だったりしたため、実現することが困難でした。それが今、ソーシャルメディアとテクノロジーの進化によって現実味を帯びてきました。

 企業内の情報システムの歴史は大きく3つに分けられ、現在、第3世代に突入したと捉えることができます。第1世代は計算をするためのシステム、第2世代は業務プログラムを遂行するシステムでした。第3世代は、データ量の飛躍的増加(“ビッグデータ”)を背景に登場した、莫大なデータを活用・分析することにより最適な解を提案し、経営者を補佐してくれるシステムです。

 そうしたシステムの登場に伴い、今後、企業のIT投資が会計システムや人事システムなどのバックオフィス側から、フロントオフィス側に移行していくと考えています。マーケティング関係のIT投資も増えていくことでしょう。ガートナーは、2017年にはマーケティング担当役員(CMO)が意思決定するIT投資がCIOのそれを上回るだろうと予測しています。また、今後3年間で企業がマーケティング分析に費やす費用は60%増えるだろうというリポートもあります。

──情報システムが人工知能のようになって最適なプロモーションをつくっていくということですね。

浅野 ITはもちろんマーケティング業務の省力化にも大きく寄与します。例えば、ファッション通販サイト「ZOZO TOWN」を運営するスタートトゥデイは、「Unica」というキャンペーンマネジメントシステムとデータウエアハウスを使ってキャンペーンを行い、顧客接点の最適化を実現しています。

 電子情報をベースに展開することで、紙のチラシを作るよりもキャンペーンの準備期間を大幅に短縮できます。ZOZO TOWN の場合は準備期間が5日間から3時間へと短縮されました。また、顧客一人ひとりの興味対象や嗜好に合ったメール配信をすることで、レスポンス率が500%増加、メールクリック率が1000%増加しています。結果的にリピーター顧客が増加し、スタートトゥデイは8期連続最高益を更新しました。

 IBM自身もUnicaを利用して効果を挙げています。キャンペーンを展開する際に、ダイレクトメールやセミナーに対するお客様の反応を見ながらフォローメールを送るのですが、この作業をUnicaが自動的に行います。Unicaを使って、興味を持ったお客様に適切なフォローをするナーチャリング(案件の醸成活動)を行うことによって、最終的な契約締結率が格段に増えました。

「ビッグデータ」という天然資源

──「個のレベルで顧客を理解する」ことはグローバルな共通課題と言えますか。

浅野 IBMが昨年行った世界のCEOへのインタビュー調査の結果でも、それは明らかです。今後の顧客満足度の向上のために必要な変革として、最も多くのCEOが挙げていた項目が、「個々の顧客ニーズの理解」でした。一人ひとりのお客様がどう考えどう行動するのか、にフォーカスしなければならないということです。

──それを達成するためのカギは何でしょうか。

浅野 大きな課題として2つ挙げられます。いわゆるビッグデータとソーシャルメディアの活用です。

 全世界の1700名以上のCMOへのインタビュー調査で、今後自社に最も影響を与える外部要因について尋ねたところ、「データ量の飛躍的増加」が最も多い回答でした。しかし、70%以上のCEOが対応の準備が不足していると感じていました。また、影響を与える外部要因の第2位に挙げられた項目はソーシャルメディアでした。

──なぜビッグデータへの対応が課題になっているのでしょうか。

浅野 現在はあらゆる情報のデジタル化が進み、大量のデジタルデータが創出されています。企業内には、お客様がECサイトを閲覧したときの情報、購買データや電子クーポンの利用状況など、ものすごい量のデータが眠っています。例えばあるお客様がECサイトで、このページをずっと見続けたあと、次にこのページに飛んだとか、これまで分析しきれなかったデータがいっぱいあるわけです。

 例えて言えば、ビッグデータというのは天然資源です。地中から金塊を掘り出すように、膨大なデータを分析して、価値のあるインサイトを抽出することができるかどうかが大きなカギとなります。お客様に適したリコメンド商品を提示するのも1つのやり方でしょう。企業の中には、もっと他の様々なプロモーションにつなげられる、価値ある膨大なデータが眠ったままになっているということです。

ソーシャルメディアは一過性のブームではない

──ソーシャルメディアについては、多くの企業が重要性を理解しつつも、実際にどうやって使ったらいいかいまだによく分からず、迷っている状況ではないでしょうか。

浅野 確かにソーシャルメディアは使い方が難しいですね。ソーシャルメディアでの情報発信やお客様とのコミュニケーションがネガティブな方向に働いて、ブランドが失墜する恐れもあります。フェイスブック活用のビジネス効果を疑って、そこに投資していた広告費を引き上げたGM(ゼネラル・モーターズ)のような事例もあります。

 しかし、要は商材と使い方だと思います。実際にソーシャルメディアを活用して売り上げを伸ばしているEコマースサイトもあります。例えばアメリカの1-800-FLOWERSというフラワーショップはフェイスブックを積極的に活用してお客様とコミュニケーションを取ることで、ロイヤルティーを高めています。花を贈るという行動は人と人の関係に密接に結びついているので、ソーシャルメディアと親和性が高いと考えられます。

 現在、Eコマースサイトはどのサイトも基本的に同じようなつくりで、同じような商材を扱っていますよね。その中でいかにソーシャルメディアを活用するかが差別化の大きなポイントになることは間違いありません。

 IBMが行ったグローバルCEOへのインタビュー調査でも、多くの先進企業がフェイス・トゥ・フェイスの顧客対応を継続しつつソーシャルメディアの活用を計画しています。世界の先進企業の多くはソーシャルメディアは一過性のブームではない、と考えているのです。

──これまでのお話で、もはやテクノロジーを抜きにマーケティングは語れないということがよく分かりました。

浅野 そうですね。マーケティング組織はより多くのデータを管理し、より要求の厳しい顧客を理解して交流しなければならなくなっています。今まで以上に多くの仕事を抱えることになりますが、デジタル革命によって市場そのものが大きく変貌していますので、全力で対応する必要があると思います。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36515
http://www.asyura2.com/09/it11/msg/782.html

記事 [不安と不健康15] 医師会の猛反対を振り切り メタボ薬が大衆薬に「初」転用
【第755回】 2012年11月13日 週刊ダイヤモンド編集部
医師会の猛反対を振り切り
メタボ薬が大衆薬に「初」転用

通常のOTC薬では申請から承認までの期間は約10カ月。「エパデール」は申請からすでに3年以上が経過していた
「蟻の穴から堤も崩れる。今回の件が“蟻の一穴”になるのではないか」──。日本医師会関係者は高脂血症治療薬「エパデール」が大衆薬(OTC薬)に転用されることを嘆き恐れている。

 10月中旬、厚生労働省が主催する薬事・食品衛生審議会の一般用医薬品部会はエパデールのOTC化を了承、早ければ年内にも正式承認されることになった。来年にも持田製薬が生産するエパデールを大正製薬と日水製薬がOTC薬として発売する見通しだ。

 病院や診療所で医師が処方する医療用医薬品から、OTC薬に転用(スイッチ)された薬は「スイッチOTC薬」と呼ばれる。スイッチOTC薬になると、消費者は医師の処方箋なしに薬局・薬店の店頭で購入できるようになる。昨年は第一三共が解熱鎮痛剤「ロキソニン」、エスエス製薬が鼻炎薬「アレジオン」のスイッチOTC薬を発売し、話題となった。

 エパデールをスイッチOTC薬にする申請が出されたのは2009年7月。10年、11年とも部会で審議されたが、医師会側委員の反対で「継続審議」となった。今年10月の部会でも医師会側委員は強硬に反対したが、多数決で決着した。

 厚生労働省はスイッチOTC薬を医療費削減策の一つとして期待しているが、医師会をはじめ、医師や病院経営者からは、「安全性で問題がある」「受診抑制につながる」として反対が根強かった。もっともエパデールの原料は、イワシの油。安全性は高いとされる。

 それでも承認が強硬に反対されてきたのは、「生活習慣病薬」として初のスイッチOTC薬であるためだ。

 OTC薬は解熱鎮痛剤のように、“一時的な症状”を改善する薬が中心だ。対して、高脂血症のような生活習慣病は、長期にわたって薬を服用する必要がある。つまり、開業医たちにとっては、“常連客”となり得る患者を失うことになりかねない。

「スイッチOTC薬の議論は、経済合理性や科学的根拠というよりも、政治的な領域になっている」と審議会関係者。冒頭で医師会関係者が口にした「蟻の一穴」は、「エパデールをきっかけに、生活習慣病領域のスイッチOTC薬が増える懸念」を意味する。

 過去に公的に作られたスイッチOTC薬の候補リストを見ると、有名な血圧降下剤や高脂血症治療薬、糖尿病治療薬などが含まれている。海外を見ると、英国では高脂血症の代表的な医療用医薬品であるスタチン系薬剤がOTC薬として販売されている。日本に比べて欧米はスイッチOTC薬の種類が豊富だ。

 医師会の政治力は凋落傾向にある。政府の医療費削減策は今後強まる一方。政治的状況を見ても、今後はスイッチOTC薬が増える流れにある。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 山本猛嗣)
http://diamond.jp/articles/print/27789
http://www.asyura2.com/09/health15/msg/648.html

記事 [エネルギー2] 原油と天然ガス価格の二重構造 国際市況に比べ割安な米国価格
 
【第2回】 2012年11月13日 芥田知至 [三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員]
原油と天然ガス価格の二重構造
国際市況に比べ割安な米国価格
 米国のエネルギー市況を見ると、年初に比べて、原油価格(WTI、ウエストテキサスインターミディエイト)は1割超の下落となっているが、天然ガス(ヘンリーハブ)は2割超も上昇した。これは、シェールガス革命で天然ガス価格は下がり、中東の地政学リスクによって原油市況が押し上げられているというイメージとは異なる。

 確かに足元では、中国や欧州での需要鈍化が原油安につながり、減産見込みや冬場の暖房需要が天然ガス市況を押し上げた。

 エネルギー市場の今後の展開を考える上では、エネルギー関連の技術革新が集中的に起こっている「閉鎖的な米国のエネルギー市況」と、地政学問題による「リスクプレミアムが上乗せされた国際エネルギー市況」という現在の二重の構図を押さえておくことが重要だと思われる。


 まず、原油については、米国産のWTI原油は、欧州北海産のブレント原油に比べて2割安である。

 実際には、米国でも海外市況の影響を受けやすい沿海部では、欧州並みの価格で原油が取引されているが、シェールガス開発の技術は原油にも転用されて内陸部では生産が増え原油が荷余りしている。米国では沿海部と内陸部では、1バレル当たり20ドルも価格差があるという状況になっている。

 11年前には、1バレルの原油が20ドル前後で取引されていた。価格差が20ドルというのは尋常ではない。部分的には、列車での輸送が行われるほどだ。内陸部から沿海部に原油を輸送するパイプラインを建設・稼働させれば、大きな利益が生じるはずだが、オバマ政権では環境問題などを見極める必要があるとして、パイプラインの新設計画に慎重なスタンスを取ってきた。

 一方、天然ガスについては、米国のヘンリーハブにおける価格は、英国のNBP(National Balancing Point)における価格の3分の1である。この価格の著しい低迷ぶりは、シェールガス革命によって、米国では極めて潤沢に天然ガスが生産されるようになったことを示している。天然ガスは、パイプラインを通じての輸送が主流であり、欧州と米国の間のようにパイプラインが接続されていない地域では、需給がまったく異なってしまう。

 米国内での天然ガス開発の急進展や市況低迷は、エネルギー業者にも想定外であり、不採算のため撤退する動きも出ているほどだ。

 パイプラインが敷設できない長距離については、LNG(液化天然ガス)として輸送する方法がある。LNGは、パイプラインに比べて、冷却設備や専用タンカーの建造が必要な分、輸送方法が割高だが、天然ガスをLNGにして輸出したいという声は、米国内のエネルギー産業でも根強い。

 環境問題との折り合い等をどのように判断するのか、大統領選挙を終えて、エネルギー政策面でも新たな展開が生じやすくなるだろう。それは米国の内外で存在するエネルギー価格差の収束を規定することになる。

(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員 芥田知至)

http://diamond.jp/articles/print/27785
http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/804.html

記事 [国際7] 3つどもえの接戦が繰り広げられている韓国の大統領選挙の行方
【第11回】 2012年11月13日 廉 宗淳 [イーコーポレーションドットジェーピー株式会社代表取締役社長]
3つどもえの接戦が繰り広げられている韓国の大統領選挙の行方
韓国は12月の大統領選挙を目前に控えています(12月19日投開票)。現在、与党セヌリ党の朴槿恵(パク・クンヘ)氏、民主統合党の文在寅(ムン・ジェイン)氏、無所属の安哲秀(アン・チョルス)氏の3人の立候補者が激しい接戦を繰り広げている最中です(安氏と文氏は候補者の一本化で協議が進んでいます)。この3人に共通しているのは、ICTを韓国の戦略産業の中心と位置付けている点です。また、今回の選挙戦はICTを駆使していることがこれまでにない特徴です。実際どのような選挙戦が繰り広げられているのか紹介しましょう。

ICTを国家戦略として語ることが
不可欠となっている選挙戦

 韓国では12月19日の大統領選挙を目前に控え、現在、民主統合党の文在寅(ムン・ジェイン)氏、無所属の安哲秀(アン・チョルス)氏、与党の朴槿恵(パク・クンヘ)氏の3人の立候補者が大接戦を繰り広げています。まず、3者に共通しているのは、ICTが韓国の戦略産業の中心であると位置付けている点です。

 例えば、与党の候補である朴槿恵(パク・クンヘ)氏の「創造経済論」の七つの課題を紹介しましょう。

 一つ目は、国民を幸福にできる技術を開発し、全産業に適用することです。具体的には、ヘルスケアや安全保障など国民が生活のあらゆる面で技術的な恩恵を受けられるようにするとしています。そのため、ITを含む科学技術を農業、漁業、製造業と融合させ、国民生活に浸透させていくと言っています。

 二つ目は、ソフトウェア産業を未来再成長産業として育成するということです。特に、ソフトウェアは無料であると思う考え方を撤廃し、適切な値段を支払うような文化を創ると宣言しています。

 三つ目は、ソフトウェアとデザインを融合させるということです。なぜ、日本も韓国もアップルに負けたのでしょうか。それは、ハードウェアを作る高い技術力はあっても、ソフトウェアとデザインを融合させて一つの付加価値を作り出すという考え方が日本人にも韓国人にもなかったからではないでしょうか。そこで、ベンチャー企業などを応援し、こういった創造性が芽生えるような土壌を国として作っていこうというのです。

四つ目は、創造的な電子政府を作るということです。この政府では、行政が持っているあらゆる情報を大幅に開放し、新しい市場を作っていくとしています。

 五つ目は、新たに未来創造科学部という省庁を創設するということです。ここでは、創意のある融合人材を育成し、研究開発を支援するとしています。現在、韓国には、知識を一つの大きな財産を見なし、経済活動を行っていこうという知識経済部という省庁がありますが、未来創造科学部は知識をはるかに超えた創造を主軸とする省庁となります。

 六つ目は、創業国家を作るということです。韓国では定年が早いため、退職後も国民が自立していけるように、エンジェルキャピタルを用意するなど創業支援を行っていくとしています。

 七つ目は、青年の失業率の高さの解消です。そのため、学歴を乗り越えた採用システムを国家的に構築し、企業が人を採用する際には、学歴ではなくその人の情熱や創意を評価するようにするとしています。また、青年が海外で就職できるような仕組みも作ると言っています。

 次に、最大野党の民主統合党の文在寅(ムン・ジェイン)氏は、10月15日の政策発表会において、自分が当選したら、IT強国コリアの威厳を取り戻し、第2のインターネット革命を起し、ICTルネサンス時代を拓きたいと公約しています。特に、韓国経済のさらなる飛躍のためには、ICT先進国としての威厳の回復が必須であると言い、ICT産業振興5大政策を発表しました。その大まかな内容は以下の通りです。

 一つ目は、ICT産業を国家戦略産業として育成することです。ICT産業を国家戦略産業として育成するために、大統領府直轄の国家戦略産業支援管室を設けます。ここではICT経済と産業活性化政策を樹立し、政府として、法律、資本市場、制度などでICT産業の生態系を育成できる環境を整備するとしています。

 二つ目は、韓国をインターネット自由国家にすることです。インターネット時代を迎える中、国民の表現の自由を最大限保証するとともに、誰でも経済的な面で苦労することなくSNSなどインターネットを利用できるよう、家計支出から通信費用が占める割合を大幅に減らす法案を考えるとしています。

 三つ目は、ICT分野で良き仕事を50万人分以上作ることです。最近、「江南スタイル」という曲で、米国のビルボードチャートで6週連続2位になっている韓国人歌手PSY(サイ)の成功事例は、競争力あるコンテンツとICTが結合すると、過去には想像すらできなかったことが可能になるという好例ですが、これらが、インターネットが持つ魅力であり、力であり、価値であるとしています。そして、このような価値を活かすことで、良き仕事を50万人分以上作ることは可能であると宣言しています。

 四つ目は、「相生」(共生)と融合のICT生態系をしっかりと作ることです。民主統合党は2000年代、ITベンチャーブームを起こした金大中(キム・デジュン)大統領を輩出した政党であり、自らソフトウェアのプログラムも書いた盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が引き継いた政党でもあります。伝統もあり、経験もあります。ICT創業の精神と起業家精神を目覚めさせ、ICT分野を良き仕事の宝庫にさせること、そして、相生と融合のICT産業の生態系を作ることです。

 五つ目は、政府内にICTの司令塔を作ることです。金大中大統領の時代に新設され、韓国のICT産業に大きな威力を発揮したものの、今の李明博(イ・ミョンバク)大統領が廃止した情報通信部の機能を持つ政府機関を復活させ、改めて、ICT立国を目指すとしています。

 3人目の安哲秀(アン・チョルス)氏は、まだ、具体的な公約は出していないものの、国内最大のセキュリティソフトの開発とサービスを行うアンラボ社の創業者であることから、ICTに関する知識や知見が豊富であるのは明らかで、国政においても大いにそれらの能力を発揮したいと語っています。

高いスマホ普及率を背景に
ネットを駆使した選挙活動が盛ん

 さて、今回の選挙活動の最大の特徴はICTを駆使している点にあります。

 国民は各候補者がどのようなビジョンを持っているのかが分からなければ、誰に投票すればよいか分かりません。そこで、各候補の下には、デジタル選挙活動を効果的に行うため、デジタル選挙戦略本部が組織されています。そして、国民一人ひとりに自分のビジョンを届けようと、フェイスブックやツイッターなどSNSを使った激しい選挙活動が展開されているのです。

 その背景には、スマートフォンなどモバイル機器の普及があります。現在、韓国国民5000万人のうち、スマートフォンを持っている人はすでに3000万人を突破しており、インターネットは新聞やTV以上に影響力の強いメディアとなっています。

 特に、無所属の安哲秀氏はどこの政党にも入っていないハンディを克服するため、ICTをフル活用し、国民一人ひとりに自分のビジョンを直接訴えかけ、支持を得ようとしています。日本の場合、党の支持を得ていない無所属の候補者が当選することはほとんどあり得ないのではないでしょうか。それゆえ、もし安哲秀氏が当選したら、新しい時代の幕開けということになることでしょう。

 このようにICTは、自分のビジョンを国民一人ひとりに確実に届けるための有効なツールとなっていますが、それだけにとどまりません。これまでの選挙活動では不可能だったことも可能にしています。

 例えば、文在寅氏は、今回、無色透明な政治資金を獲得するための選挙資金ファンド「ダムジェンイファンド」を創設しました。大統領選挙において選挙活動を行うには莫大な資金が必要です。しかしながら、特定の業界団体から資金援助を受けてしまうと、必然的に利害関係が発生し、自分が本当に実現したいビジョンを主張できなくなってしまう可能性が出てきます。自分のビジョンを正々堂々と主張するには、無色透明な政治資金を得る必要があります。そこで、文氏が始めたのが、選挙資金用ファンドです。

 選挙管理委員会が定めた、第18代大統領選挙の選挙費用制限額は、555億7900万ウォンで、その中で、200億ウォンを国民から一時的に借りる試みです。実際、このフォンドは募集からわずか56時間で3万4799人が参加し、目標金額200億ウォンが集まるなど、国民からの参加は活発でした。


ファンドで200億ウォンを集めたことを知らせる文在寅氏のウェブサイト(http://www.moonfund.co.kr/より)
 このファンドの仕組みは次の通りです。

 選挙終了後、文氏の所属政党である民主統合党は、選挙管理委員会から2013年2月27日(選挙日から70日以内)までに、選挙補てん金を支払ってもらうことになります。しかし、そこには条件があります。文候補が今度の選挙で、公職選挙法で定める得票率15%以上を獲得できなかった場合には、選挙補てん金は支払われません。

 しかし、候補者が大統領選挙に出馬し、当選または落選をしたとしても15%以上の得票を得られれば、国からもらった選挙補てん金から、投資金額と年利3%の利子が上乗せされた形で投資家はリターンを受け取ることができるのです。もちろん、文氏の得票率が15%を下回ると投資したお金は戻らないことを承知の上での、一種の政治献金です。

 その点で、一方の安哲秀氏は、「ICTを駆使することで、いかにお金を使わずに選挙活動を行うかということに挑戦している候補者」という言い方もできるかもしれません。

 実は、安氏は、約2年前からツイッターと自分のホームページを通じて、若者にさまざまな呼びかけを行ってきました。韓国では、青年の失業者と自殺者が多く、青年が夢や希望を描きづらい社会となっています。そういった若者に向けて、SNSなどを利用して広く呼びかけるだけでなく、実際に、学生会館などで「希望コンサート」と呼ばれるコンサートを実施したり、講演活動を行ったりしてきたのです。そのため、現在、3人の中では最も若者の支持率が高い候補者なのです。

 いずれにせよ、私自身は、特定の業界団体の選挙資金に頼ることなく、自分のビジョンを堂々と主張する、そんな候補者を応援したいと思っています。安氏と文氏は候補者の一本化に向けた協議を始めていますが、そう簡単には実現せず、最後の段階でもしかしたら劇的に文氏に一本化されるのではないかと考えています。

日本の国家機関のICTリテラシーの低さを露呈した誤認逮捕

 また、韓国では各党が大統領候補者を選ぶ際に、ネットで「予備選」を実施しています。これは、党内で大統領への立候補者を募り、さらに複数の立候補者に対して、党員や選挙に参加したいと希望する支持者を束ねて、投票団を結成し投票を行います。国民がインターネットやスマートフォンなどを使ってネット投票を実施して、候補者を一人に絞り込むというものです。民主統合党の文在寅氏は、このネット予備選によって選ばれた候補者なのです。

 ところで、これは余談ですが、以前、進歩党という党で党首を選ぶ際に、ネット投票を行ったところ、データが改ざんされていることが判明しました。同じIPアドレスから、何回も投票されていたのです。その結果、投票が無効になったと同時に、選挙違反者が複数逮捕されるという事態に陥ったのです。

 とはいえ、韓国では、このようにサイバー犯罪は多いものの、国家機関のICTリテラシーが高いので、すぐに検挙されます。一方、日本では先日パソコンを遠隔操作するウイルスに感染したパソコンユーザーが誤認逮捕されるという事件が起こりました。しかも誤認逮捕だということが分かったのは、真犯人が声明を出したからです。日本の国家機関のICTリテラシーの低さを露呈するものでした。韓国が日本よりネットが社会隅々まで入り込んでいることから、なおさら、そういったミスを犯すことは決してあってはならないし、国全体が混乱に落ちる可能性が高く、それらに対しては万全を期していると思います。

 さて、このような状況を鑑みるに、近い将来、韓国では国政選挙でもインターネット選挙が実現されるのではないかと思われる方も多いのではないかと思います。しかし、私は当分先のことになるだろうと思っています。それは、サイバー犯罪を阻止するのは至難の業だからです。ICTリテラシーの高い韓国でさえ、選挙の際は、今でも投票場へ自ら足を運び、紙に記入し、政府から配布されたハンコを押印して投票しているのです。

 しかしながら、日本と違う点は、投票用紙にあらかじめ候補者の名前が印刷されており、投票者は自分が支持する候補者の名前の上にハンコを押すだけだということです。開票時には、投票用紙をスキャナーを使って読み取り集計します。つまり、電子投票システムは実現していないものの、電子開票システムは実現しています。韓国でもこのような状況なのですから、日本でインターネット選挙が実現するには、このような憂慮を払拭してから考えることをお勧めしたいです。

 11月7日に米国大統領選挙の投開票があり、オバマ大統領が再選されたと報じられています。いずれにせよ、今後は、政治活動においてインターネットを利用することによって国民の参加意識を高めることが大事なのではないか思いました。
http://diamond.jp/articles/print/27838
http://www.asyura2.com/12/kokusai7/msg/193.html

記事 [社会問題9] 生まれ変わっても今のパートナーを選ぶ? 夫婦円満でも意外に少ない
【第100回】 2012年11月13日 小川 たまか [編集・ライター/プレスラボ取締役]
生まれ変わっても今のパートナーを選ぶ?
夫婦円満でも意外に少ない

「もちろん選ぶ」派は37%
 11月22日の「いい夫婦の日」を前に、「いい夫婦の日をすすめる会」が夫婦関係に関する調査を行った。この調査結果によると、「生まれ変わっても今のパートナーを選ぶ」と答えた人は全体の37%だった。同調査では、この他にも結婚に至るまでの交際期間や、パートナーを選んだ理由についても聞いている。

 調査は2007年から毎年実施。対象者は調査会社モニターより抽出した18歳以上の既婚者(男女)800人。

50代男性、40〜60代女性に多いのはなぜ?
「生まれ変わったら別のパートナーを選ぶ」

 まず、「生まれ変わったとしたら、今のパートナー(夫もしくは妻)を選びますか」という問いに対しては、冒頭で触れた通り、最も多かったのは「考える」と答えた人で全体の43%で、次いで「もちろん今の相手を選ぶ」(37%)、「別の人を選ぶ」(21%)となった。

 性別・年代によってやや差があり、「もちろん今の相手を選ぶ」を選んだ人が平均よりも多かったのは男性では30代以下、40代、60代。それぞれ50%弱の人が「もちろん今の相手を選ぶ」と答えている。これに対して、女性で「もちろん今の相手を選ぶ」と超えた割合が全体より多かったのは30代以下のみだった。

 一方、50代の男性と、40代、50代、60代の女性では、平均と同等かそれより低い結果となった。この結果から、どちらかというと男性の方が、パートナーへの“信頼”が厚いと読み取れる。結婚生活が比較的短いであろう30代以下の多くの男女が「もちろん今の相手を選ぶ」と答えている一方で、50代の男女はどちらもそう答えた割合が低い。子育てが一段落したころに夫婦の危機が訪れるというのはよく聞く話だが、実際にこの調査でも、それを裏付ける様な結果が出た。


「別の人を選ぶ」層は
「親や知人のすすめ」で結婚した人が多い?

 では、仲の良い夫婦とそうでない夫婦の違いはどこにあるのだろう。結婚前の交際期間を聞いたところ、「半年未満」(12.8%)、「半年以上1年未満」(23.5%)、「1年以上2年未満」(23.5%)と、2年未満が全体の約6割を占めたが、調査元に寄れば、「生まれ変わったら別の人を選ぶ」「考える」と答えた層には、「半年未満」「半年以上1年未満」の割合が多く、特に「別の人を選ぶ」層でその傾向が強かったという。

 さらに、「生まれ変わったら今のパートナーを選ぶか」の問いに対する回答で「今の相手を選ぶ」層、「考える」層、「別の人を選ぶ」層に分け、「今のパートナーを選んだ理由」を複数回答で聞いた。すると、「別の人を選ぶ」層の答えで他よりも圧倒的に多かったのは「親や知人のすすめ」(約35%)。また、「今の相手を選ぶ」層の答えで、他の層と比べて目立って多かったのは、「性格」「優しさ」「安心感」「愛情」「容姿」だった。「フィーリング」は「今の相手を選ぶ」層、「考える」層ともに多く、「タイミング」は「考える」層で多い結果に。「経済力」と答えた人は、どの層でも少なかった。

 結婚生活で多少の不都合があったとしても、自分が選んだ相手なら「我慢も必要」と思えるもの。昔と比べて自己決定が自由な時代であるだけに、「親や知人のすすめ」で決めた結婚に、今になって後悔する人もいるようだ。

「生まれ変わっても今のパートナーを選ぶ」と答えた人が37%と聞くと少ないような気もするが、とはいえ、夫婦仲が「とても円満」「まぁ円満」と答えた人は合わせて79%と大半を占める。違うパートナーを選んだ場合を妄想することはあっても、現状には「まぁ満足」しているのが多くの人の正直な気持ちなのかもしれない

(プレスラボ 小川たまか)
http://diamond.jp/articles/print/27774
http://www.asyura2.com/12/social9/msg/201.html

記事 [音楽10] スティーブ・ウインウッド、スペンサー時代の曲をジュールズで唄う「アイム・ア・マン」


http://www.asyura2.com/12/music10/msg/169.html

記事 [音楽10] ドラム以外は、繰り返しがない曲・・約束されていない曲 4人の感性の同期とぶつかり合い

約束されていないと書いたが、
キーだけは、たぶん、今日は、なんとかで行こう・・
みたいなものは、あったと思われる・・

ドラム以外のメンバーはロック・ミュージックの呪縛(繰り返し)から
解放され、強烈な感性の応酬となるが、
決して、混沌とせず、楽曲として、起床転結があり、
楽曲としての一体感がある・・

フリップが・・珍しく、ひきまくっている・・
貴重な音源である・・
http://www.asyura2.com/12/music10/msg/170.html

記事 [原発・フッ素28] 一部地域でそば出荷自粛要請 岩手 (NHK) 
http://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/6043429711.html?t=1352718615977
11月12日 19時02分 NHK盛岡放送局


盛岡市の旧渋民村と一関市の大原地区で採れたソバの実から国の基準を上回る放射性物質が検出され、県はこれらの地区でのソバの出荷や販売などを自粛するよう要請しました。

岩手県によりますと、10月下旬から11月上旬にかけて盛岡市玉山区旧渋民村の下田地区と、一関市大東町の大原地区で採れたソバの実を検査した結果、下田地区で1キロあたり120ベクレル、大原地区で110ベクレルの放射性セシウムが検出され、国の基準の100ベクレルを上回りました。

このため県は旧渋民村と大原地区で生産されたソバの出荷や販売などを自粛するよう要請しました。

ソバをめぐっては、10月、一関市大東町旧興田村の中川地区でも基準を超え、旧興田村の中川、沖田、鳥海の3地区で出荷自粛が行われていましたが、その後の調査で検査対象のソバを乾燥させた際に室内に高い放射性物質を含む他の食品が置いてあったことが原因と分かりました。

この地区の他のソバについてはいずれも基準を下回ったことから県はこの地区のソバに問題はないと判断し、12日、出荷自粛を解除しました。



http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/650.html

記事 [日本の事件30] 政治板リンク:布川事件国賠提訴 元被告の桜井さん「正しい組織になって」(東京新聞)
布川事件国賠提訴 元被告の桜井さん「正しい組織になって」(東京新聞)
http://www.asyura2.com/12/senkyo138/msg/699.html
投稿者 gataro 日時 2012 年 11 月 13 日 09:22:34: KbIx4LOvH6Ccw



http://www.asyura2.com/11/nihon30/msg/636.html

記事 [原発・フッ素28] 原発再稼働「請い願っている」 松宮薫 経済産業省副大臣が発言 (朝日新聞) 
http://www.asahi.com/business/update/1108/TKY201211080654.html

2012年11月8日18時54分

松宮勲経済産業副大臣は8日、関西電力大飯原発3、4号機以外のすべての原発が止まっている現状について「原子力規制委員会が一日も早く全国各地の停止している原発の再稼働を決めるよう、請い願っている」と述べた。

 札幌市内であった経済界など地元団体との意見交換会で語った。規制委は政府から独立した立場から原発の再稼働の安全基準を来夏にも取りまとめることにしている。枝野幸男経済産業相らはこれまで、規制委が所管する原発の安全性の判断についての発言は避けており、規制委に早期の再稼働を促す発言が出るのは異例だ。

 松宮氏はまた「この状態が来年、再来年と続くととんでもないことになる。電力会社の存続が無理になる」としたうえで、「私個人としてはこういうこと(原発停止)が再来しないよう願う」とも話した。松宮氏は旧通商産業省(現経産省)出身で、大飯原発など原発が立地する衆院福井3区が地元。

【諸星晃一】
http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/651.html

記事 [音楽10] 手嶌葵  虹 〜 映画「西の魔女が死んだ」より
手嶌葵が主題歌「虹」を歌う


映画「西の魔女が死んだ」予告編
http://www.youtube.com/watch?v=xm7lq9vBW8E

syswing さんが 2011/03/25 にアップロード


特報
http://www.youtube.com/watch?v=GjrNsKZHgx8

Ikima83 さんが 2009/05/16 にアップロード

「虹」カヴァー
http://www.youtube.com/watch?v=R_xGyWUjp_8&feature=related
tezcheokome さんが 2012/05/04 に公開
「手嶌葵さんの『虹』を歌ってみました。
ピアノの演奏は、ushirokatsushiさんによるものです。」


虹 -手嶌葵-(piano accompaniment)
http://www.youtube.com/watch?v=O0tAKoCXrfY

ushirokatsushi さんが 2012/04/15 に公開
「手嶌葵さんの虹のピアノ伴奏を作ってみました。
良かったら歌ってみてください。
もし歌をあてて録音してくださったら是非聴かせてください。」
http://www.asyura2.com/12/music10/msg/171.html

記事 [カルト10] 小沢無罪判決は秘書の無実にも踏み込み検察・マスコミ・審査会・裁判所が偽ユダヤの指示ででっち上げたのは明白である。
郷原の判決文解釈を読んだだけだが小沢も国民も5年苦しんだ事に見合う大収穫である。
偽ユダヤと偽キムチが半世紀にわたって切り口によっては一世紀にわたって隠してきた傀儡支配や分断支配のカラクリを
明かすような判決であり目先の政治を見れば大きなダメージを受けたが長期的な目でみれば根本療法のきっかけになる判決
であり驚異的なねばりで当たり前の判決を引き出した小沢はMVPである。
医者ではないがここまで小沢が暴いてくれれば後は暇がたっぷりあるネットじじいととりあえず結婚離れで時間がある団塊
ジュニアの出番であり偽キムチの国内統治と偽ユダヤの世界統治のカラクリを子細に暴き上から下から腐った構造をあるいは
解体しあるいはガラス張りにして世界を治療していく必要がありそれがたっぷり時間を与えられた者のまたその年代にすべき
事ができずに中途半端な時間のある者の使命である。
日本人ならばできる筈である。
http://www.asyura2.com/12/cult10/msg/372.html
記事 [原発・フッ素28] 福島第一原発10月も毎時1000万ベクレルの放射性セシウム垂れ流し!9か月間状況変わらず (ベスト&ワースト) 
http://www.best-worst.net/news_amdghTYGx8.html
2012年11月12日 16:00 ベスト&ワースト


■福島第一原発事故は現在進行形

2012年10月22日、東京電力が「福島第一原子力発電所1〜4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ進捗状況(概要版)」を発表した。

同資料では、福島第一原発1〜3号機原子炉建屋からの現時点の放出量(セシウム)放出量に関する最新データが公開された。

http://www.best-worst.net/files/455/1c50995e07ea301dee81c45d9318df31.jpg


1〜3号機原子炉建屋からの現時点の放出量(セシウム)を,原子炉建屋上部等の空気中放射性物質濃度(ダスト濃度)を基に,1号機約0.002 億ベクレル/時,2号機約0.008 億ベクレル/時,3号機約0.006 億ベクレル/時と評価。1〜3号機合計の放出量は設備状況が変わらないこと等から先月と同様に最大で約0.1 億ベクレル/時と評価。これによる敷地境界における被ばく線量は0.03mSv/年と評価。(これまでに放出された放射性物質の影響を除く)

10月も9月と変わらず最大で毎時1000万ベクレルの放射性セシウムが放出されている。

単純計算すると最大で1日2億4000万ベクレルが放出されていることになる。


■いつまで放射性セシウムの放出は続くのか?

設備状況が変わらず、放射性セシウムが漏れ続けている状況は2月から同じである。

グラフを見ると一見収束したように見えるが、現在9か月連続で毎時1000ベクレルを放出していることになる。

7月時点の毎時10億ベクレルと比べれば、9か月間を合計しても、10%に満たない量である。確かに最初に放出された量が膨大すぎるため、現在の数値が小さく見えてしまう。

そして、既に放出された放射性セシウムはまだ自然界に存在している。除染も行われているが、除染とは「移染」にすぎない。

現在放出されている毎時1000万ベクレルは相対的に少ない量であるかもしれない。

しかし、この放射性セシウムの放出が9か月続いている状況は福島第一原発事故が現在進行形であるという事実を示しているものであるともいえるのはないだろうか。

除染が移染であるという事実から、日本国内の放射性セシウム量は、徐々にではあるかもしれないが増えていっているのは確実である。

・野生キノコの放射性セシウム記録更新
・栃木県の河川放射性セシウム記録更新
・野生鳥獣の放射性セシウム記録更新

放射性セシウム汚染はリアルタイムで進行中だ。

【naka773】



http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/652.html

記事 [原発・フッ素28] IEAが原発増加予測、引き下げ 脱原発の機運高まりで (共同通信 47news)
http://www.47news.jp/CN/201211/CN2012111201002080.html

2012/11/12 21:06 【ロンドン共同】

国際エネルギー機関(IEA)は12日、2035年までの世界の原子力による発電量の増加予想を、10年に比べ約58%増とし、昨年発表した70%超の増加から大幅に下方修正した。同日発表した12年版「世界エネルギー展望」報告書などで明らかにした。

 東京電力福島第1原発事故を受け、日本だけでなく、ドイツやフランスでも原子力利用の低下など脱原発の機運が高まっていることが理由。「事故を受け、原子力に期待される役割は縮小している」として、電力構成に占める原子力のシェアも低下を見込んだ。
http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/653.html

記事 [ペンネーム登録待ち板6] 11月29日(木)国民の生活が第一代表、小沢一郎氏が茨城に来ます!
「国民の生活が第一 茨城県連設立記念パーティー」にゲストとして小沢一郎氏が来ます。
パーティーの詳細は以下の通り。

●日 時:平成24年11月29日(木) 18時30分 開会(18時 開場)
●会 場:ホテルレイクビュー水戸 2階・飛天
     〒310-0015 茨城県水戸市宮町1丁目6-1 / TEL.029-224-2727
●会 費:5,000円
●ゲスト:党代表 小沢一郎 代議士
●主 催:国民の生活が第一 茨城県連設立記念パーティー実行委員会

【お申し込み】 …お申し込みは、電話またはメールにて承ります。
 ●お電話の方は、Tel.0297-83-8900(石井章 取手事務所)へ。

その他、詳しくは、衆議院議員 石井章公式サイト内をご覧下さい。
http://ishiiakira.com/?p=531
http://www.asyura2.com/10/nametoroku6/msg/2804.html

記事 [音楽10] スティービー・ワンダーで「風に吹かれて」



http://www.asyura2.com/12/music10/msg/172.html

記事 [マスコミ・電通批評13] 週刊朝日連載企画の真相 「こんなことを書いていいのか」内部からの反対を編集長が押し切って掲載 (J-CASTニュース) 
http://www.j-cast.com/2012/11/12153605.html?p=all
2012/11/12 21:12  J-CASTニュース


日本維新の会代表の橋下徹・大阪市長の出自をテーマにした週刊「朝日」の連載問題をめぐり、発行元の朝日新聞出版は2012年11月12日の臨時取締役会で、神徳英雄社長の辞任を決めた。またこの日午後、同社の篠崎充社長代行らが大阪市役所を訪問し、橋下市長に第三者機関「報道と人権委員会」による検証結果を報告するとともに、謝罪した。

橋下市長は「すべて理解でき、納得できました」と述べたが、第三者機関の検証は記事掲載に至るまでの真相にどこまで切り込んだのか。

■第三者機関「人間の主体的尊厳性を見失った記事」

橋下市長に報告した朝日新聞社の第三者機関「報道と人権委員会」の見解は、週刊朝日編集部の編集長、デスク、記者、雑誌統括兼コンプライアンス担当(以下、雑誌統括)、筆者の佐野眞一氏らへの聞き取り調査などを経てまとめた。

その内容はまず要旨として、連載第1回目(10月26日号)について

「見出しを含め、記事及び記事作成過程を通して橋下氏の出自を根拠にその人格を否定するという誤った考えを基調としている。人間の主体的尊厳性を見失っているというべきである」

と厳しく追及し、

「部落差別を助長する表現が複数個所あり、差別されている人々をさらに苦しめる内容になっている。各所に橋下氏を直接侮辱する表現も見られる。さらに記事の主要部分が信憑性の疑わしい噂話で構成されており、事実の正確性に関しても問題がある」

と指摘している。

続いて企画段階の問題点として、「本企画は15回ほどの連載予定で、差別や偏見を助長する危険の伴う極めてセンシティブな内容ながら、企画書やレジュメもコンテもなく慎重な検討作業を欠いていた」と記した。

 記事チェック段階の問題点として挙げたのは、記事を読んだ朝日新聞出版の雑誌統括が

「「こんなことを書いていいのか」「完全な差別表現でありダメだ」」

と編集長に意見したにもかかわらず、被差別部落の地区の特定などが削除や訂正されなかったことだ。表紙がすでに校了しており、この時点で掲載中止は不可能な状況だったため、最後は編集長が「これは佐野さんの原稿です。これで行かせてください」と押し切ったという。

編集部内ではセンシティブな記事を掲載する際は顧問弁護士に助言を求めていたが、こうしたチェックを受けることなく最後は「時間切れ」の状況で掲載された、と指摘する。

掲載後の対応についても、当初は記事の正当化とも取れるコメントを出したうえ、週刊朝日11月2日号に掲載した編集長名のおわび記事でも「タイトルや複数の不適切な記述のおわびにとどまり、問題の本質に気づいていなかった」としている。

■朝日新聞出版「チェック体制の欠如が最大の問題」

第三者機関の見解を受け、朝日新聞出版が作成した経過報告書は「企画書もないまま取材をスタートさせ、編集長、複数のデスクでの企画内容の検討が致命的に不足していた」と、チェック体制の欠陥を最大の問題としてとらえている。

雑誌統括が修正を提案したにもかかわらず、編集部は作家のオリジナリティーを尊重することに気をとられ、「人格攻撃の差別記事という自覚がなかった」と省みたうえで、「結果的に掲載を止められなかったことは社としてチェック体制が機能しなかったためです」としている。

再発防止策として、記者の人権研修、コンプライアンス担当の専任化、デスク(副編集長)の原稿相互チェック体制の強化をあげ、「読者への誓い」として「創刊90年の長い歴史を持つ週刊朝日は今回の記事で社会からの信頼を失い、読者を裏切りました。(中略)私たちは編集部のみならず、全社員が危機感を共有し、社をあげて失墜した信頼の回復に全力で努めていく所存です」と記した。

■佐野氏、第三者機関の指摘は「真摯に受け止めます」

第三者機関の見解を受けて、佐野氏も11月12日、コメントを発表した。

佐野氏は

「人権や差別に対する配慮が足らなかったというご指摘は真摯に受け止めます。記述や表現に慎重さを欠いていた点は認めざるを得ません」

とし、

「私の至らなかった最大の点は、現実に差別に苦しんでいる方々に寄り添う深い思いと配慮を欠いたことです。(中略)今後は慎重なうえにも慎重な記述を心がけます。ご迷惑をおかけしたことを深くお詫びいたします」

としている。



http://www.asyura2.com/12/hihyo13/msg/512.html

記事 [音楽10] 少年時代のビージーズ「風に吹かれて」

http://www.asyura2.com/12/music10/msg/173.html
記事 [経世済民78] 化粧が剥げてきた米株式市場・・・アップル株の下落
http://green.ap.teacup.com/pekepon/950.html
 
・Appleの株価がピークの3割減に
一時は700ドルを突破したAppleの株価ですが、550ドルを切っています。
アメリカの株価を牽引していたApple株の下落は何を意味するのか?

オバマ再任を受けて、ダウ平均も下げています。
アナリスト達は「財政の崖」が意識されて下げていると説明しますが、
米株価は、景気とは無関係の上昇を続け、
既にリーマンショック以前の最高値を更新していました。

緩和マネーが流れ込んで、バブルになっていたとも言えますが、
大統領戦までは、オバマ支援の為に買上げあられていたとも解釈できます。
大統領戦が終わって、一気にピークアウトしたのでしょう。

アップル株は、大した理由も無く下げていますが、
ロイターなどは、「ジョブス亡き現体制への不安」などと、
曖昧な「危機」を吹聴しているイメージを受けます。
空売りで儲けているインサイダー達への援護射撃でしょうか?

アップルの株価ピークは9月頃でしたから、
本来、決算を過ぎて下落するはずの米株が、
大統領戦の影響で、下落を先延ばししていただけとも言えます。


・下落し続けるFacebook株は、株価バブルの象徴 
一方、株価バブルの象徴とも言えるFacebook。
公開以来下落を続け、とうとう半値。

そもそもFacebookっておかしく無いですか?
皆さん、顔写真から、学歴から職歴まで曝していて、
ほとんど「履歴書」を公開しているのと変わりません。

ネットの「匿名性」に真っ向から挑戦するFacebookですが、
一時の熱狂が収まれば、「何でオレ、こんな個人情報さらしてんだ?」って正気に戻るはず。

だいたい、飲み会の写真なんてアップされた日には、
「忙しいから、仕事の提出を延ばして!!」なんてウソがバレちゃうじゃん!!

守秘義務が厳しいアメリカ人も、プロジェクトの進行具合をボロボロ書いてたり、
きっと、今に問題になること必至。

日本の若い会社員達も、仕事の内容を書き過ぎ!!
だいたい、「誰と打ち合わせ」なんて書いたら、
ライバル企業にどの面下げて営業に行くのでしょうか?

今、名刺を渡すと、Facebookで検索掛ける人も多く、
私なども、「マラソンやられるんですね」なんて、いきなり言われてビックリ。

私の知り合いも「○○さんとこと、お仕事されているんですね」と言われて
冷や汗をかいたと言っていました。

一方で個人情報保護と大騒ぎしながら、
もう一方では、プライベートの生活の内容までダダ漏れ・・・・。
この異常性に気付かない訳が無い。
いつか皆、冷静になる時がやって来た時、Facebookは絶対に破綻します。


・日経平均が再び8500円の攻防に
米株式と平行して変化する日経平均。
8700円を割って、絶対防衛ラインの8500円の攻防へ。

外資などは、ここで上手に売り買いを繰り返せば、
日銀の買い支えマネーを美味しく頂く事が出来る。

日銀は一回、買い支えを止めて、外資に冷や汗をかかせれば良いのに・・・。
でも、四半期決算を前に、日経株価8000円割れなんて、シャレにならないですね。

為替差益を確保する為に、円安に誘導して、
外資はガッチリと利益を確保するのでしょう。


・「財政の崖」解消後に一気に下げる?
世界景気の冷え込みは、疑い様の無い事実ですが、
「財政の崖」が解決するまでは債権市場も停滞気味でしょう。

リスクマネーも株式市場に足止め状態ですが、
「財政の崖」が解決した時、リスクを取って株価が上昇するか・・・?
多分、リスクオフで、債権市場に資金が流れ、米国債を援護するハズ。
これは、昨年8月と同じ状況。


・中東情勢から目が離せない年末
これから年末に掛けて、感謝祭、クリスマスと欧米の市場はお休みムード。
一方、イスラム教にクリスマスは無い。

前回のイスラエルとヒズボラの紛争は12月に起きており、
12月中旬以降に、イスラエル絡みでドンパチが始まると、
市場関係者もおちおちと休暇を楽しんでいられなくなるかも知れません。


「人力でGO」は、基本的に「最悪はこうなる」と予測するブログですが、
株価の下落の予測は、結構当たっていると思います。

・・・・こんな事書いちゃうと、外すんですよね。
株なんて持っていないから、他人事ですが。



http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/497.html

記事 [原発・フッ素28] 原発爆発への備え(技術編)  武田邦彦 
原発爆発への備え(技術編)
http://takedanet.com/2012/11/post_5e53.html
平成24年11月12日 武田邦彦(中部大学)



どんなに万全を尽くしていても、人間のやることは間違いがある。特に原発や航空機、船舶などの高度な技術を要するものは、危険で一杯である。だから、「万全の安全性と万が一の備え」の二つがなければ到底、使うことはできない。

ところが、原発については「事故は起こるはずがない」という日本の悪しき文科系(官僚と電力の事務系)の力で、これまで事故に対する備えを禁止されていた。

たとえば、北海道の横路元知事は「原発反対」の社会党でありながら、自衛隊の「泊原発の事故時の訓練」をかたくなに拒否、「事故は起こるはずがない」という態度を取っていた。まさに「虚構の政治家」だった。私は北海道の人がなぜ彼の虚像に気がつかなかったのか、不思議に思う。北海道の人は比較的冷静沈着なのになぜこのような人が知事や議員として活動しているのだろうか?

・・・・・・・・・

原発を運転するに当たっては確率の高い事故から順番に想定し、それが起こったときの予測手段、通報、避難、拡大防止、沈静化、生活の維持、治療などを防災計画として研究し、検討しておかなければならないのは当然である。

原発の重大事故には「被曝する側の危険性」として次のように分類される。
1)原子炉の科学的な爆発事故、
2)原子炉のテロによる攻撃、
3)爆発に至らない短期の漏洩事故、
4)長期にわたる漏洩。

2011年の福島第一の爆発事故は1)に相当する。テロによる攻撃は原子炉ばかりではなく、運転管理室(パネル)への攻撃の可能性が強いので、事故のあとの防御が難しくなると考えられ、3)では2007年の中越沖地震時の柏崎刈羽原子力発電所の事故がこれに相当する。この場合は漏洩した放射性物質の量が周辺に警報を発するべきかどうかの判断がもっとも重要になる。

まず第一の点だが、初期段階で重要なのは「爆発の兆候」を見いだすことと、「どの程度の兆候があったら地元消防に連絡するのか」という判断基準である。2011年の爆発事故の時の公開記録を見ると、3月11日の地震のあと数時間後の午後6時頃には「制御棒が入って核反応は止めることができたが、冷却が不能になり爆発が予想される」という状態になった。

仮に通常の工学的常識が原子力にも適応されていれば、この時点で発電所長は地元消防に「1日程度の後に原発が爆発する可能性がある」と通報しなければならなかった。このことだけでも工学的にはサボタージュによって事故の影響を拡大した責任がある。このような手順はすでに鉄鋼業、化学工業などで「一定の技術」になっていて、それこそ科学技術なので「気がつかない、気がつく」の問題ではない。

科学技術は学問だから「気がつく、思いつく」などはあり得ず、原発を動かすに当たって、1)予想されるアタック、2)それによって起こる現象、3)それが周辺に及ぼす影響、などは決まり切った科学的手順で検討される。2011年の福島爆発事故では「想定外」という言葉が使われたが、これは責任逃れで使う「文科系的な用語」であって、科学技術の世界ではあり得ない。

すべてのアタックは「想定内」であり、その中で「あまりにも起こる確率の低いものは除く」とするが、その時に定めた確率は数字で明記される。原発の場合は、第一段の事故確率は数1000年に一回で1万年以内の事象とされているので、今回の津波がたとえ1000年に一度でも、「想定内」であり、「確率内」ということになる。

爆発する可能性が出てきたときに、それが明々白々なら現場の技術者から直接、地元消防(住民の救護を担当する役所で、消防でなくても良いが、定めておかなければならない。福島原発の場合、救護を担当する役所が決まっておらず、大飯原発が再開された今でも救護担当が地方自治体なのか、政府の機関が急行するのか、自衛隊なのか決まっていない)に連絡することが工業界では決まっている。

仮に複雑な事象で爆発するかどうかの確率が10%程度以上なら、発電所所長が消防(救護担当役所)に連絡する。プラントの危機は所長より上の人の判断は不要であり、介在させてはいけないことが多くの経験からわかっている。現場の危機は技術的なことであり、人の健康や命に関することに経営的、政治的な判断を入れてはいけないからだ。

2011年3月の爆発事故は、3月11日に爆発の判断が容易だったか(私は容易と考えている)、困難だったかによるが、通報は運転主任か発電所長から地元に連絡し、地元は防災計画に従って住民の避難をさせるのが当然であった。これは「技術上の基準」であり、経営や政治とは全く無縁であることを今回の事故でも確認しておく必要がある。

化学工業、鉄鋼業、エネルギー産業、薬品、ガスなどを扱う工業はその社会的責任から、「経営判断を入れずに非常時の通報を行う」という倫理は日本社会に定着していたので、2011年の原発事故はきわめて異例であり、周辺の住民に多大の損害を与えた点で何らかの法的な措置も必要であるし、また今後の原発の再開に当たっては、通報と防災の完備が前提となろう。

爆発の予想が発電所から発せられた場合、住民に対しては避難を開始し、電力会社および国では被害を抑える緊急出動が必要となる。住民の避難については別途検討が必要だが、それは別の機会にして、まず電力と国の緊急出動を定めておく必要がある。

今回のような電源喪失の場合は、緊急電源車を急行させること、テロの場合には自衛隊か警察隊の派遣が必要であり、場合によっては重火器を用いた戦闘もありうる。テロの可能性のある世界の原発では自動小銃などをもった兵士が警備しているのをよく見かけるが、日本の場合、ほとんど無防備であることと、仮にテロのあった場合、付近の自衛隊からどの程度の時間で戦闘が開始できるのかも明らかではない。

再録になるが、北海道自衛隊の司令官が泊原発の非常時の際の訓練をやりたいと当時の横路知事に申し入れたところ、もともと原発は危険だから反対という立場を取っていた横路知事がこともあろうに「原発は安全で事故が起こらないから訓練は認められない」と言った。いったい、社会党はどういう見識で原発に反対していたのか、横路という議員は今でも議員をやっているが、北海道の人はなぜ選出するのか、理解に苦しむ。このような一つ一つの指導層の曖昧さが事故につながっているので、つみは深い。

(事故の際の科学技術としての考え方については別途追加したい)



http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/654.html

記事 [テスト27] テスト
「日本一新運動」の原点―135
 2012年11月13日 : (日本一新の会。)


     日本一新の会・代表 平野貞夫妙観

 11月12日(月)、東京高裁で「国民の生活が第一」代表・小沢一郎氏の控訴審判決が行われ、小川正持裁判長は小沢氏を無罪とした。一審・東京地裁判決を支持し、検察官役の指定弁護士による控訴を棄却した。

 判決後、記者会見した小沢弁護団の弘中惇一郎弁護士は「一審判決は若干すっきりしないところがあったが、控訴審ですっきりした。理にかなった判決だ。・・・(小沢さんだけでなく)この事件全体で犯罪がなかったとはっきり言っている」と、判決を評価した。さらに「そもそもの捜査自体が極めて問題だ」と検察を批判した。

 これからの問題は、検察官役の指定弁護士側が最高裁に上告するかどうかである。上告は、憲法違反や判例違反のほか、重大な事実の誤り、著しく正義に反する場合にかぎられるため、法治国家の常識では想定できない。しかし、この事件そのものが、民主主義国家、法治国家では許されない暴挙であったことを考えると、まだまだ十分な監視が必要である。

 日本国は3年9ヶ月にわたった「小沢問題」で、崩壊の過程に入った。それを回復させるためにも「小沢問題」は何であったのか、この機会に、その概要と問題を総括しておく。


(西松建設をめぐる政治献金問題)

@『政治捜査』の予感

 平成21年3月1日、私は千葉市で行われた知事選挙の事務所開きで、旧知の森法務大臣(当時)に会った。森大臣が、堂本知事に私を紹介したことばに、当時の小沢民主党代表への『政治捜査』を予感させるものがあった。「平成になって日本の政治を崩壊させた悪は、小沢民主党代表です。その背後で手伝っていたのがこの平野さんです」という趣旨だった。場違いな話に何が起きるのかと嫌な予感がした。政権交代の可能性が高い総選挙が、半年以内には実施されるという時期であった。

 2日後の3月3日、突然、小沢代表の陸山会事務所が東京地検特捜部によって強制捜査をうけ、大久保秘書が逮捕された。政治資金規正法違反容疑だった。翌4日、私はテレビ朝日のスーパーモーニングで、森大臣の暴言を踏まえ、「戦前の検察ファッショの再現で、議会民主政治の危機だ」と抗議の発言をした。


A 西松建設関係事件の問題点

 大久保秘書逮捕の容疑は、西松建設のダミーの政治団体であることを知りながら、寄付として政治資金報告書に記載したという「虚偽記載」だった。5日には、西松建設から同様の献金をうけた政治家も数人いることが判明し、漆間内閣官房副長官が同日夜の記者懇談で、「西松の捜査は自民党関係者には波及しない」と発言。首相官邸と検察が、小沢代表を狙った政治捜査であることを露呈した。

 これまでの「虚偽記載」とは、仮にあったとしても強制捜査をする前に、行政指導による対応をすることが慣行であった。それを、突如として異常な強制捜査を行ったのは、特捜部の狙いが公判維持より「小沢政権を絶対につくらせない」という検察のクーデターであった。


B 捜査と裁判の実態と政治捜査の傍証

 特捜部は平成21年度末の多忙な時期に全国各地から検事を動員して、東北地方のゼネコン支社を強制捜査した。特捜部とマスメディアの共同作業で、小沢さんの人格攻撃を行ったが、「天の声」や「斡旋利得」の証拠はなかった。大久保秘書は3月24日に起訴される。小沢代表は5月の連休直後、民主党への政権交代を確実にするため、代表を辞任し鳩山代表と交代する。

 その後、大久保秘書の西松建設関係の「虚偽記載」の裁判は、検察側証人が「西松建設の政治団体はダミーではない」と証言して、検察調書の証言を翻し、裁判の体をなさなくなった。何のための強制捜査であったのか、検察は批判をうけることになる。

 この事件が麻生政権による政治捜査であったことを証明するもうひとつの証言がある。民主党への政権交代が行われた直後、私の友人で某財界人の話だが、「大久保秘書逮捕の数ヶ月後、森法務大臣と会食した時大久保秘書逮捕は私の指示でやったことだ≠ニ話していた」とのこと。私は政治捜査の傍証証言になると思い、一部のテレビや、「メルマガ・日本一新」で採り上げたが、司法の場でも、政治の場でも無視された。


(陸山会の土地購入問題)

 何としても政権交代を阻止したい麻生政権は、小沢さんの西松建設問題に続いて、郵政不正問題を捜査し、石井一民主党副代表を狙ったが不発に終わった。そのとばっちりで、厚労省の村木厚子局長が逮捕された。これは大阪地検特捜部の不祥事(フロッピーディスク書換事件)が発覚し、無罪となる。検察による事件の捏造が社会問題となった。

 それでも検察は、小沢さんに対する執念を燃やし続け、今度は陸山会の土地購入に目をつけて、性懲りもなく「土地購入に裏金が使われたシナリオ」をでっち上げた。検察は、服役中の水谷建設元社長から「小沢氏に、一億円の金を渡した」とするあやふやな供述をとり、それが土地購入の原資の一部とのシナリオだった。

 平成22年1月15日、特捜部は陸山会の土地購入について、平成16年の政治資金報告書に「虚偽記載」があるとして、元秘書の石川衆議院議員、池田秘書、会計責任者であった大久保元秘書の3人を逮捕した。土地購入資金の原資に不正がないことを知った上での、「小沢排除」の別件逮捕であった。

 特捜部は2月4日、石川議員ら元秘書3人を虚偽記載で起訴した。「記載ミス」といわれるものだが、会計士の多くは正当な記載であるとの意見である。小沢事務所の裏金を狙ったもので、またもや検察は全国のゼネコン約50社を強制捜査をしたが、証拠のかけらも出ることはなかった。水谷建設の話だけが目立ったが、社長と元会長の話が食い違い、「一億円を渡した」とする供述の信憑性が疑われるだけであった。裏金は勿論、秘書と虚偽記載の共謀の立証もできず、小沢さんは嫌疑不十分で不起訴となった。


(検察審査会の暴走と指定弁護士の暴挙)

 平成22年2月12日、「真実を求める会」という組織の実体が不明な市民団体が、小沢さんの不起訴処分について、検察審査会に審査の申し立てを行った。この「申し立て」は、石川議員を取り調べた特捜部の幹部が予告していたものであった。

 その後の流れは4月27日、第5検察審査会が1回目の起訴相当議決。受けて5月21日、特捜部は再び不起訴処分。10月4日、第五検察審査会は、9月14日付の起訴再議決を公表、翌23年1月31日、検事役の指定弁護士が小沢さんを強制起訴した。

 第5検察審査会が2度目の起訴議決を行い、小沢さんを強制起訴するに至った経緯は、菅政権内の小沢排除派が、法務省官房長や最高裁判事などを歴任した法曹界大物の、スキャンダル隠蔽と取引した疑惑がある。また、石川議員ら3人の秘書の公判で、検察側が小沢さんを検察審査会により、強制起訴に至らしめる「虚偽捜査報告書」の存在が判明した。

 さらに、村木元厚労省局長事件で受刑中の前田元特捜検事が、陸山会事件の公判で「この事件そのものが、一部の特捜幹部による妄想に近いものであった」と指摘した。この事件が特捜部の暴走であると同時に、暴走させた政治権力の関与を証言したものといえる。

 10月6日、小沢さんは東京地裁の第1回公判で、検察の捜査を「明確な犯罪事実と根拠がなく、特定の政治家を対象に強制捜査を行ったことは、明白な国家権力の濫用であり、民主主義国家、法治国家では許されない暴力行為である」と陳述した。平成24年4月26日、東京地裁は検察審査会の強制起訴に対して、無罪と判決した。その際、検察が虚偽の捜査報告書を検察審査会に送付していたことを厳しく批判した。このような経緯にもかかわらず、検事役の指定弁護士は上訴したのである。


(「小沢問題」の本質は何か!)

 一連の最大の問題は、法治国家として検察権が正常に機能していないことである。これについては、郷原信郎氏の対談著書『失われた正義 検察崩壊』(毎日新聞社刊)で、すべてが語られている。

 衆議院事務局33年、参議院議員12年間を務めた私の立場からいえば、「検察崩壊」をもたらした原因には、政治の劣化を指摘せざるを得ない。  

「小沢問題」の始まりは、麻生自民党政権が検察権を乱用しての議会民主政治の破壊であったが、その企みは失敗した。もっとも人倫に反した「おぞましい」行為は、菅民主党政権による検察審査会制度の悪用による「小沢排除」である。これらのことが、ほとんど解明されていない。

 崩壊したのは検察だけではない。小沢問題の3年9ヶ月は、国会の崩壊の道でもあった。また、政治の劣化を誘導したのは巨大メディアの不健全な姿勢であり、このままだと「国家の崩壊」となる。

 この機会に声を大にして私が言いたいことは、『小沢でなければ日本は滅ぶ』ということだ。

追記
 ☆本号は無限拡散希望につき、転載許諾を必要としませんので、お取り扱いをよろしくお願い申し上げます。


元記事リンク:http://blog.goo.ne.jp/yampr7/e/23f87c1cc764e475ff5a5d34dac83bd5

http://www.asyura2.com/12/test27/msg/437.html

記事 [テスト27] Re: テスト
「日本一新運動」の原点―135
 2012年11月13日 : (日本一新の会。)


     日本一新の会・代表 平野貞夫妙観

 11月12日(月)、東京高裁で「国民の生活が第一」代表・小沢一郎氏の控訴審判決が行われ、小川正持裁判長は小沢氏を無罪とした。一審・東京地裁判決を支持し、検察官役の指定弁護士による控訴を棄却した。

 判決後、記者会見した小沢弁護団の弘中惇一郎弁護士は「一審判決は若干すっきりしないところがあったが、控訴審ですっきりした。理にかなった判決だ。・・・(小沢さんだけでなく)この事件全体で犯罪がなかったとはっきり言っている」と、判決を評価した。さらに「そもそもの捜査自体が極めて問題だ」と検察を批判した。

 これからの問題は、検察官役の指定弁護士側が最高裁に上告するかどうかである。上告は、憲法違反や判例違反のほか、重大な事実の誤り、著しく正義に反する場合にかぎられるため、法治国家の常識では想定できない。しかし、この事件そのものが、民主主義国家、法治国家では許されない暴挙であったことを考えると、まだまだ十分な監視が必要である。

 日本国は3年9ヶ月にわたった「小沢問題」で、崩壊の過程に入った。それを回復させるためにも「小沢問題」は何であったのか、この機会に、その概要と問題を総括しておく。


(西松建設をめぐる政治献金問題)

@『政治捜査』の予感

 平成21年3月1日、私は千葉市で行われた知事選挙の事務所開きで、旧知の森法務大臣(当時)に会った。森大臣が、堂本知事に私を紹介したことばに、当時の小沢民主党代表への『政治捜査』を予感させるものがあった。「平成になって日本の政治を崩壊させた悪は、小沢民主党代表です。その背後で手伝っていたのがこの平野さんです」という趣旨だった。場違いな話に何が起きるのかと嫌な予感がした。政権交代の可能性が高い総選挙が、半年以内には実施されるという時期であった。

 2日後の3月3日、突然、小沢代表の陸山会事務所が東京地検特捜部によって強制捜査をうけ、大久保秘書が逮捕された。政治資金規正法違反容疑だった。翌4日、私はテレビ朝日のスーパーモーニングで、森大臣の暴言を踏まえ、「戦前の検察ファッショの再現で、議会民主政治の危機だ」と抗議の発言をした。


A 西松建設関係事件の問題点

 大久保秘書逮捕の容疑は、西松建設のダミーの政治団体であることを知りながら、寄付として政治資金報告書に記載したという「虚偽記載」だった。5日には、西松建設から同様の献金をうけた政治家も数人いることが判明し、漆間内閣官房副長官が同日夜の記者懇談で、「西松の捜査は自民党関係者には波及しない」と発言。首相官邸と検察が、小沢代表を狙った政治捜査であることを露呈した。

 これまでの「虚偽記載」とは、仮にあったとしても強制捜査をする前に、行政指導による対応をすることが慣行であった。それを、突如として異常な強制捜査を行ったのは、特捜部の狙いが公判維持より「小沢政権を絶対につくらせない」という検察のクーデターであった。


B 捜査と裁判の実態と政治捜査の傍証

 特捜部は平成21年度末の多忙な時期に全国各地から検事を動員して、東北地方のゼネコン支社を強制捜査した。特捜部とマスメディアの共同作業で、小沢さんの人格攻撃を行ったが、「天の声」や「斡旋利得」の証拠はなかった。大久保秘書は3月24日に起訴される。小沢代表は5月の連休直後、民主党への政権交代を確実にするため、代表を辞任し鳩山代表と交代する。

 その後、大久保秘書の西松建設関係の「虚偽記載」の裁判は、検察側証人が「西松建設の政治団体はダミーではない」と証言して、検察調書の証言を翻し、裁判の体をなさなくなった。何のための強制捜査であったのか、検察は批判をうけることになる。

 この事件が麻生政権による政治捜査であったことを証明するもうひとつの証言がある。民主党への政権交代が行われた直後、私の友人で某財界人の話だが、「大久保秘書逮捕の数ヶ月後、森法務大臣と会食した時大久保秘書逮捕は私の指示でやったことだ≠ニ話していた」とのこと。私は政治捜査の傍証証言になると思い、一部のテレビや、「メルマガ・日本一新」で採り上げたが、司法の場でも、政治の場でも無視された。


(陸山会の土地購入問題)

 何としても政権交代を阻止したい麻生政権は、小沢さんの西松建設問題に続いて、郵政不正問題を捜査し、石井一民主党副代表を狙ったが不発に終わった。そのとばっちりで、厚労省の村木厚子局長が逮捕された。これは大阪地検特捜部の不祥事(フロッピーディスク書換事件)が発覚し、無罪となる。検察による事件の捏造が社会問題となった。

 それでも検察は、小沢さんに対する執念を燃やし続け、今度は陸山会の土地購入に目をつけて、性懲りもなく「土地購入に裏金が使われたシナリオ」をでっち上げた。検察は、服役中の水谷建設元社長から「小沢氏に、一億円の金を渡した」とするあやふやな供述をとり、それが土地購入の原資の一部とのシナリオだった。

 平成22年1月15日、特捜部は陸山会の土地購入について、平成16年の政治資金報告書に「虚偽記載」があるとして、元秘書の石川衆議院議員、池田秘書、会計責任者であった大久保元秘書の3人を逮捕した。土地購入資金の原資に不正がないことを知った上での、「小沢排除」の別件逮捕であった。

 特捜部は2月4日、石川議員ら元秘書3人を虚偽記載で起訴した。「記載ミス」といわれるものだが、会計士の多くは正当な記載であるとの意見である。小沢事務所の裏金を狙ったもので、またもや検察は全国のゼネコン約50社を強制捜査をしたが、証拠のかけらも出ることはなかった。水谷建設の話だけが目立ったが、社長と元会長の話が食い違い、「一億円を渡した」とする供述の信憑性が疑われるだけであった。裏金は勿論、秘書と虚偽記載の共謀の立証もできず、小沢さんは嫌疑不十分で不起訴となった。


(検察審査会の暴走と指定弁護士の暴挙)

 平成22年2月12日、「真実を求める会」という組織の実体が不明な市民団体が、小沢さんの不起訴処分について、検察審査会に審査の申し立てを行った。この「申し立て」は、石川議員を取り調べた特捜部の幹部が予告していたものであった。

 その後の流れは4月27日、第5検察審査会が1回目の起訴相当議決。受けて5月21日、特捜部は再び不起訴処分。10月4日、第五検察審査会は、9月14日付の起訴再議決を公表、翌23年1月31日、検事役の指定弁護士が小沢さんを強制起訴した。

 第5検察審査会が2度目の起訴議決を行い、小沢さんを強制起訴するに至った経緯は、菅政権内の小沢排除派が、法務省官房長や最高裁判事などを歴任した法曹界大物の、スキャンダル隠蔽と取引した疑惑がある。また、石川議員ら3人の秘書の公判で、検察側が小沢さんを検察審査会により、強制起訴に至らしめる「虚偽捜査報告書」の存在が判明した。

 さらに、村木元厚労省局長事件で受刑中の前田元特捜検事が、陸山会事件の公判で「この事件そのものが、一部の特捜幹部による妄想に近いものであった」と指摘した。この事件が特捜部の暴走であると同時に、暴走させた政治権力の関与を証言したものといえる。

 10月6日、小沢さんは東京地裁の第1回公判で、検察の捜査を「明確な犯罪事実と根拠がなく、特定の政治家を対象に強制捜査を行ったことは、明白な国家権力の濫用であり、民主主義国家、法治国家では許されない暴力行為である」と陳述した。平成24年4月26日、東京地裁は検察審査会の強制起訴に対して、無罪と判決した。その際、検察が虚偽の捜査報告書を検察審査会に送付していたことを厳しく批判した。このような経緯にもかかわらず、検事役の指定弁護士は上訴したのである。


(「小沢問題」の本質は何か!)

 一連の最大の問題は、法治国家として検察権が正常に機能していないことである。これについては、郷原信郎氏の対談著書『失われた正義 検察崩壊』(毎日新聞社刊)で、すべてが語られている。

 衆議院事務局33年、参議院議員12年間を務めた私の立場からいえば、「検察崩壊」をもたらした原因には、政治の劣化を指摘せざるを得ない。  

「小沢問題」の始まりは、麻生自民党政権が検察権を乱用しての議会民主政治の破壊であったが、その企みは失敗した。もっとも人倫に反した「おぞましい」行為は、菅民主党政権による検察審査会制度の悪用による「小沢排除」である。これらのことが、ほとんど解明されていない。

 崩壊したのは検察だけではない。小沢問題の3年9ヶ月は、国会の崩壊の道でもあった。また、政治の劣化を誘導したのは巨大メディアの不健全な姿勢であり、このままだと「国家の崩壊」となる。

 この機会に声を大にして私が言いたいことは、『小沢でなければ日本は滅ぶ』ということだ。

追記
 ☆本号は無限拡散希望につき、転載許諾を必要としませんので、お取り扱いをよろしくお願い申し上げます。


元記事リンク:http://blog.goo.ne.jp/yampr7/e/23f87c1cc764e475ff5a5d34dac83bd5


http://www.asyura2.com/12/test27/msg/438.html

記事 [カルト10] バーナンキがTPPが嫌なら曖昧にせず正直に言ってくれた方がいいそうだが、日米安保を今年度で解消したいと言うべきである。
日本人は世界中から米国に集まる者達や彼らの産み出した文化は好きだが米国を牛耳っている偽ユダヤは大嫌いなのである。
従ってトータルではカツアゲはするわ借金は返さないわの米国とは手を切りたいのである。
TPPとはお荷物のヒモと正式に入籍して自分だけでなく親兄弟の財産までヒモに食い荒らされるという事でありお断りであり
この際ヒモも追い出したいのである。
ヒモの舎弟が偽キムチでありとりあえず舎弟を韓国に強制送還したいのである。
天皇を侮辱したまま謝罪なしの明博君はとうとう官邸の強制捜査が始まったようで例によってブタ箱行きか下山の必要のない
登山コースである。
漢江の奇跡と言われ在日の星だった男の末路は哀れである。
所詮は日本の富を横流ししてきただけの寄生虫であり因果応報の自業自得である。
小沢事件が一区切りし偽ユダヤと偽キムチによる富の簒奪は全ての日本人の知る所となったが連中はこれからどうするのか。
日本人は例によって全部知ってるよだけど動かないよというまな板の鯉作戦を展開するが南米や中東にように感情を正直に
表現してくれれば連中も鎮圧のしようがあるがメールを千通送っても留守電を千件入れても反応がなくかといって着信拒否
する訳でもなくただ無反応というのは連中からすれば不気味な筈である。
新聞もテレビも小沢無罪判決を小さく小さく報道するように心掛けているようだがネットではそれに反して深い議論がジワリ
ジワリと広がり今まで偽キムチマスコミの報道を鵜呑みんしていた人がどんどん覚醒している。
しかし抗議のデモをする訳でもなくサザエさんみたいに旅行の添乗員をしていたつもりが後ろを振り返ったら誰もついてきて
いなかった又は嫌々引率に従ってぞろぞろついてきているが皆スマホか携帯に目をやっており支配できているような全くできて
いないような恐怖心を味わっている筈である。
小沢事件が起きる前は多くの者が米国の方針に従うのが当たり前で無難でありマスコミも偏向報道はあるがまあまあ信用できる
というような評判だったと思うがそれがマスゴミという厳しいエールだったのだと思うが今やマスナシという感じである。
リサイクル可能なゴミですらなくただの雑音でシャットアウトすればナッシングという事である。
それぐらい信用を失ってもうネット参加者一人一人がテレビ局であり新聞社であらねばならないという感じである。
かなり長い間更正する為の期間を与えた上での事でありそれも当然である。
マスコミを見たら嘘と思え検察を見たら冤罪と思え米国をみたら泥棒と思えというのが合言葉しつつあるがそれも自業自得である。

http://www.asyura2.com/12/cult10/msg/373.html
記事 [テスト27] テスト2
平野貞夫著『小沢でなければ日本は滅ぶ』を読んで
 2012年11月13日 : (日本一新の会。)


   日本一新の会・達増 拓也
           (岩手県知事)

 平野貞夫先生の近著『小沢でなければ日本は滅ぶ』(イースト・プレス)の読みどころは多々あるが、私が特に重要だと指摘したいのは、東日本大震災後の小沢一郎氏の動きである。

 民主党の代表経験者や自民党の総裁経験者などを動員して、菅内閣を指導する「非常事態対策院」を設立する構想があり、その構想の中心に小沢氏がいた、ということが『小沢でなければ…』に書かれている。3月19日に行われた菅首相と民主党代表経験者の会合が一つのハイライトだったが、菅首相が突如、谷垣自民党総裁に電話で入閣要請をして断られ、挙国体制はひとまず頓挫した。

その後、3月28日に中曽根元首相にこの構想が伝えられ、中曽根氏もその気になったのが二度目のハイライトである。小沢氏は、そのような重要な状況下で、同日岩手入りして東京にとんぼ返りしたのだった。しかし翌日、菅首相サイドが断って来て、構想は幻に終わる。

私は3月16日の岩手県災害対策本部会議の席上、マスコミの前で、関東大震災の直後に政府が帝都復興院を設け、岩手県水沢出身の後藤新平が総裁となったことを紹介しながら、今回は「東北復興院」が必要である、と述べた。水沢を含む岩手県南をエリアとする「岩手日日新聞」だけが翌日記事にした。その週末に共同通信から受けたインタビューでも同じことを述べ、そのインタビューは共同通信の配信網には乗ったが、掲載した新聞は無かった。

私は岩手県水沢出身の小沢一郎氏を総裁とする「東北復興院」の設立を期待して発言していたのであり、同じ時期に国政の中央で「非常事態対策院」構想を巡る動きがあったのだが、実を結ばなかったのは本当に残念である。被災県の知事として自重していたのだが、もっとはっきりと、「菅内閣の対応ではダメだ」「超党派の挙国体制が必要だ」「小沢一郎氏が災害対策の指揮を執るべきだ」と発言すればよかったと反省する。

「被災地が地元なのだから、小沢氏はすぐに、ずっと、被災地入りすべきだった」という意見があるが、挙国体制作りこそ小沢氏がすべき、小沢氏でなければできない、重要な役割だった。6月の菅内閣不信任案を巡る動きも、その一環だったのだ。

また、「小沢氏が大震災に背を向けて東京から逃げようとしていた」というのは全くのでたらめだ、ということもよく分かる。そもそも発想の次元が違う。なお、小沢氏が東京にあって、震災がれきの処理などの重要課題に適切に対処していたことも、『小沢でなければ日本は滅ぶ』に書かれている。

これを書いている今日、小沢氏の二審無罪判決が出た。私は、ツイッターに次のように書いた。

「小沢一郎氏無罪。この間、多くの国民が検察の問題や戦後史の本質について深く学び、主権者国民の自覚によって日本を建て直さなければと痛感したと思う。大震災に引き起こされた自覚と相まって、日本を変える力になると期待する。」

 今からでも遅くない。小沢一郎氏は、自覚した国民と共にある。自覚した国民の力が、新しい日本を創る。
(終)

追記
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http://www.asyura2.com/12/test27/msg/439.html

記事 [テスト27] Re: テスト2
平野貞夫著『小沢でなければ日本は滅ぶ』を読んで
 2012年11月13日 : (日本一新の会。)


   日本一新の会・達増 拓也
           (岩手県知事)

 平野貞夫先生の近著『小沢でなければ日本は滅ぶ』(イースト・プレス)の読みどころは多々あるが、私が特に重要だと指摘したいのは、東日本大震災後の小沢一郎氏の動きである。

 民主党の代表経験者や自民党の総裁経験者などを動員して、菅内閣を指導する「非常事態対策院」を設立する構想があり、その構想の中心に小沢氏がいた、ということが『小沢でなければ…』に書かれている。3月19日に行われた菅首相と民主党代表経験者の会合が一つのハイライトだったが、菅首相が突如、谷垣自民党総裁に電話で入閣要請をして断られ、挙国体制はひとまず頓挫した。

その後、3月28日に中曽根元首相にこの構想が伝えられ、中曽根氏もその気になったのが二度目のハイライトである。小沢氏は、そのような重要な状況下で、同日岩手入りして東京にとんぼ返りしたのだった。しかし翌日、菅首相サイドが断って来て、構想は幻に終わる。

私は3月16日の岩手県災害対策本部会議の席上、マスコミの前で、関東大震災の直後に政府が帝都復興院を設け、岩手県水沢出身の後藤新平が総裁となったことを紹介しながら、今回は「東北復興院」が必要である、と述べた。水沢を含む岩手県南をエリアとする「岩手日日新聞」だけが翌日記事にした。その週末に共同通信から受けたインタビューでも同じことを述べ、そのインタビューは共同通信の配信網には乗ったが、掲載した新聞は無かった。

私は岩手県水沢出身の小沢一郎氏を総裁とする「東北復興院」の設立を期待して発言していたのであり、同じ時期に国政の中央で「非常事態対策院」構想を巡る動きがあったのだが、実を結ばなかったのは本当に残念である。被災県の知事として自重していたのだが、もっとはっきりと、「菅内閣の対応ではダメだ」「超党派の挙国体制が必要だ」「小沢一郎氏が災害対策の指揮を執るべきだ」と発言すればよかったと反省する。

「被災地が地元なのだから、小沢氏はすぐに、ずっと、被災地入りすべきだった」という意見があるが、挙国体制作りこそ小沢氏がすべき、小沢氏でなければできない、重要な役割だった。6月の菅内閣不信任案を巡る動きも、その一環だったのだ。

また、「小沢氏が大震災に背を向けて東京から逃げようとしていた」というのは全くのでたらめだ、ということもよく分かる。そもそも発想の次元が違う。なお、小沢氏が東京にあって、震災がれきの処理などの重要課題に適切に対処していたことも、『小沢でなければ日本は滅ぶ』に書かれている。

これを書いている今日、小沢氏の二審無罪判決が出た。私は、ツイッターに次のように書いた。

「小沢一郎氏無罪。この間、多くの国民が検察の問題や戦後史の本質について深く学び、主権者国民の自覚によって日本を建て直さなければと痛感したと思う。大震災に引き起こされた自覚と相まって、日本を変える力になると期待する。」

 今からでも遅くない。小沢一郎氏は、自覚した国民と共にある。自覚した国民の力が、新しい日本を創る。
                                                     (終)

追記
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記事 [テスト27] Re: テスト2
平野貞夫著『小沢でなければ日本は滅ぶ』を読んで
 2012年11月13日 : (日本一新の会。)


   日本一新の会・達増 拓也
           (岩手県知事)

 平野貞夫先生の近著『小沢でなければ日本は滅ぶ』(イースト・プレス)の読みどころは多々あるが、私が特に重要だと指摘したいのは、東日本大震災後の小沢一郎氏の動きである。

 民主党の代表経験者や自民党の総裁経験者などを動員して、菅内閣を指導する「非常事態対策院」を設立する構想があり、その構想の中心に小沢氏がいた、ということが『小沢でなければ…』に書かれている。3月19日に行われた菅首相と民主党代表経験者の会合が一つのハイライトだったが、菅首相が突如、谷垣自民党総裁に電話で入閣要請をして断られ、挙国体制はひとまず頓挫した。

その後、3月28日に中曽根元首相にこの構想が伝えられ、中曽根氏もその気になったのが二度目のハイライトである。小沢氏は、そのような重要な状況下で、同日岩手入りして東京にとんぼ返りしたのだった。しかし翌日、菅首相サイドが断って来て、構想は幻に終わる。

私は3月16日の岩手県災害対策本部会議の席上、マスコミの前で、関東大震災の直後に政府が帝都復興院を設け、岩手県水沢出身の後藤新平が総裁となったことを紹介しながら、今回は「東北復興院」が必要である、と述べた。水沢を含む岩手県南をエリアとする「岩手日日新聞」だけが翌日記事にした。その週末に共同通信から受けたインタビューでも同じことを述べ、そのインタビューは共同通信の配信網には乗ったが、掲載した新聞は無かった。

私は岩手県水沢出身の小沢一郎氏を総裁とする「東北復興院」の設立を期待して発言していたのであり、同じ時期に国政の中央で「非常事態対策院」構想を巡る動きがあったのだが、実を結ばなかったのは本当に残念である。被災県の知事として自重していたのだが、もっとはっきりと、「菅内閣の対応ではダメだ」「超党派の挙国体制が必要だ」「小沢一郎氏が災害対策の指揮を執るべきだ」と発言すればよかったと反省する。

「被災地が地元なのだから、小沢氏はすぐに、ずっと、被災地入りすべきだった」という意見があるが、挙国体制作りこそ小沢氏がすべき、小沢氏でなければできない、重要な役割だった。6月の菅内閣不信任案を巡る動きも、その一環だったのだ。

また、「小沢氏が大震災に背を向けて東京から逃げようとしていた」というのは全くのでたらめだ、ということもよく分かる。そもそも発想の次元が違う。なお、小沢氏が東京にあって、震災がれきの処理などの重要課題に適切に対処していたことも、『小沢でなければ日本は滅ぶ』に書かれている。

これを書いている今日、小沢氏の二審無罪判決が出た。私は、ツイッターに次のように書いた。

「小沢一郎氏無罪。この間、多くの国民が検察の問題や戦後史の本質について深く学び、主権者国民の自覚によって日本を建て直さなければと痛感したと思う。大震災に引き起こされた自覚と相まって、日本を変える力になると期待する。」

 今からでも遅くない。小沢一郎氏は、自覚した国民と共にある。自覚した国民の力が、新しい日本を創る。
                                                              (終)

追記
 ☆本号は無限拡散希望につき、転載許諾を必要としませんので、お取り扱いをよろしくお願い申し上げます。


元記事リンク:http://blog.goo.ne.jp/yampr7/e/23f87c1cc764e475ff5a5d34dac83bd5


http://www.asyura2.com/12/test27/msg/441.html

記事 [中国3] 労働者の低賃金労働をもとに蓄積された資本を、共産党幹部が国外に持ち出し資本逃避は中国共産党体制崩壊の序奏なのだ。田村秀男
株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu275.html
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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労働者の低賃金労働をもとに蓄積された資本を、共産党幹部が
国外に持ち出し、資本逃避は中国共産党体制崩壊の序奏なのだ。

2012年11月13日 火曜日

◆中国さぶる「資本逃避」 共産党支配“負の副産物揺” 11月9日 田村秀男
http://tamurah.iza.ne.jp/blog/

 中国共産党全国大会が8日から北京で始まった。習近平新総書記体制をさっそく揺さぶるのが資本逃避問題である。中国は厳しくカネの出入りを規制しているが、党の既得権者たちにとってはザルも同然、巨額の資金を自在に動かす。大半は「熱銭=ホットマネー」と呼ぶ投機資金である。

カネに色はないが、熱銭はあらかた推計できる。貿易収支などの合法資金と、非合法の流入資金が外貨準備を構成する。そこで外準の増加額から合法資金流入額を差し引いて作成したのがグラフである。

中国の株式市場が活気を帯びてきた2003年ごろから投機資金が中国本土に流れ込むようになった。その後、上海株価の急落とともに流入額は激減した。08年9月のリーマン・ショック後の09年3月には逆に約2000億ドル(16兆円)の資金が海外に流出した。流入に転じたのは09年後半からである。ピーク時の11年6月には実に4100億ドル(32兆8000億円)以上もなだれこんだ。

その背景は、不動産バブルである。バブルが崩壊局面に転じると、熱銭は逃げ出した。今年9月時点での年間ベースの流出額は2300億ドル(18兆4000億円)以上、中国の国内総生産(GDP)比で3%以上と推計される。

米欧のアナリストたちはこの程度の資本逃避は中国経済への打撃要因とはみていない。アジア通貨危機の際にGDPの23%の資本逃避が起き、スハルト政権が崩壊したインドネシアに比べるとたいしたことはない、というわけだが、楽観的すぎよう。

資本逃避は共産党支配体制の負の副産物である。ニューヨーク・タイムズ紙は10月26日付で温家宝首相一族が海外を中心に約27億ドル(約2160億円)もの巨額不正蓄財があると暴露した。北京はネットでのアクセスを遮断すると同時に、温家宝一族の弁護士を通じて否定声明を出した。中国の党幹部が海外メディアで同種のスキャンダルを報じられた場合、通常は無視する。不正確な噂話が多いのでほっとけ、というわけだ。今回はムキになっているので、かえって「報道は正しい」と知り合いの中国人は言う。

温氏にとどまらない。夫人の英国人殺害事件のために失脚した薄煕来元重慶市党書記の場合、夫人がためた海外資産は約1000億円という情報がネットで流れている。夫人の裁判は非公開で、しかも不正蓄財問題を素通りし、もっぱら殺人案件に絞った。海外への資金流しが問題なら、党幹部はみんな同罪だ。

党幹部は海外に一族や子弟を住まわせ、国内の特権を利用して荒稼ぎした富を海外で運用するケースが多い。習近平氏自身、娘はハーバード大学に留学、一族の多くは海外で市民権を得た上で、中国国内でビジネス活動している。労働者の低賃金労働をもとに蓄積された資本を、共産党幹部が国外に持ち出し、国内では貧富の格差が広がる。資本逃避は中国共産党体制崩壊の序奏なのだ。(産経新聞特別記者・田村秀男)


(私のコメント)


中国共産党の腐敗は、中国国民は知っている事ですが、一体何のための共産主義革命だったのでしょうか。共産主義革命においては数千万人が殺されたと言う事ですが、共産主義革命が起きる前よりも政府の腐敗が大きくなっている。もちろん胡錦濤政権でも腐敗や汚職追放はやっていますが、地方政府どまりであり中央政府要人にはお咎めが無い。

共産主義幹部が特権階級となり数千億円もの不正蓄財を行なっている。数千億円もの不正蓄財が行なえるほど中国が豊かになったと言う事ですが、汚職などで不正蓄財されたマネーは不正に国外に持ち出されてタックスヘイブンなどに預けられている。薄煕来はやはり夫人名義で数千億円海外に持ち出されたと言う事ですが、毛沢東派と言う事で温家宝首相に切られた。

汚職を取り締る方が派手に汚職している言う事は救いようがありませんが、国民は低賃金労働を強いられて搾取されたマネーが共産党幹部に渡っている事になる。汚職のスケールが大きすぎて日本とは比べ物になりませんが、田中角栄や小沢一郎は数億円の汚職疑惑で起訴されましたが、小沢一郎は結局は無罪となった。

温家宝一族の不正蓄財がニューヨークタイムズに暴露されましたが、失脚した薄煕来一派が暴露したと言う説もあります。「株式日記」ではいつかは第二次文化大革命が起きると予想していますが、起きなくても政権の腐敗は国家の機能を麻痺させて経済発展は停止してしまう。中南米諸国がいい例ですが金持ち達はマネーをアメリカに持って行ってしまって国内では使われない。

国家はアルゼンチンのようにデフォルトを起こしたり、インフレで二桁金利では国家経済は発展するはずが無い。中国だっていずれそうなるでしょうが、経済発展しているように見えるのは海外からの投資が集まり外国企業が技術移転させてきたからだ。しかしインフレなどによって労働者の賃金が上がって外資の投資は逃げ始めている。

中国共産党政府は、国民の政府への批判を逸らせる為に反日を煽っていますが、国民の反日デモは中国共産党政府への八つ当たりなのだ。ならば日本はそれを逆利用して尖閣や靖国で中国を刺激して中国中に反日デモの嵐を起こさせたらどうだろう。日系企業は焼き討ちに遭い日系スーパーが襲撃されるだろう。しかし今となっては中国から引き揚げる事は不可能であり、操業を停止しても税金はバンバンかけられる。

中国に進出した日系企業には泣いてもらわなければなりませんが、もはや日中関係を修復する事は不可能だろう。日本はよくても中国政府が収拾が付かない。中国経済は外資の資本と技術によって発展してきたのであり、中国政府はその外資に税金や保険負担を倍増させて絞り上げている。中国に進出した企業で儲けているのはごく僅かであり、今から引き揚げたくても不可能になっている。

第二次文化大革命よりも可能性が高いのは、共産党政府が腐敗汚職で行き詰れば軍部がクーデターを起こす事が考えられます。中南米でもクーデター騒ぎは年中行事になりましたが、中国でも同じ事が起きるだろう。地方の軍閥が反乱を起こして国家分裂を起こす事もありえる。経済発展している時は何とか暴動は抑えられても、経済が停滞して来れば国民の不満が爆発する。

中国のような国は、毛沢東のような冷酷な独裁者でなければ国家として纏まりは付かないのであり、共産党革命前の中国に戻るだけなのだろう。ソ連崩壊もCIAですら予測が付きませんでしたが、中国共産党政府の崩壊も突然起きるだろう。国民の国外脱出も止めようがありませんが日本にもボートピープルが押し寄せるだろう。


◆中国国家ぐるみの妨害工作 撤退できない日本企業 経営者を拉致する可能性も 11月12日 ZAKZAK
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20121112/plt1211121133001-n1.htm

日本政府が沖縄県・尖閣諸島を国有化して以降、対立が続く日中関係。中国本土での日系企業に対する大規模デモは落ち着いたかに見えるが、水面下では不気味な動きが広がっている。専門家は日系企業に勤務する中国人労働者の暴発を警戒、「工場や社屋を不法占拠し、日本人経営者を拉致する可能性もある」と危ぶむ。その裏では目下、第18回党大会を開催中の共産党の影がチラついているというから穏やかではない。

 「小日本は出て行け!」。今年7月、商業都市・上海に近い江蘇省南通市で過激なシュプレヒコールが上がった。地元住民ら5000人以上が大規模な抗議デモを引き起こしたのだ。

 標的になったのは大手製紙会社、王子製紙の現地工場。デモ隊は暴徒化し、工場を占拠した。

 「工場廃水をめぐる地元住民の反対運動が発端だったが、従業員が待遇への不満を爆発させ、それに根強い反日感情が合わさって過激化した。中国でも最大規模のプロジェクトだったが、このデモのために事業計画の見直しを迫られた」(経済アナリスト)

 ここ最近、日本企業の現地法人や工場が中国人従業員の標的になるケースが急増している。

 中国事情に詳しいジャーナリストの富坂聰氏は「市民の権利意識が急上昇したのが要因で、集団となって経営陣に賃上げや待遇改善を要求している。圧倒的な数の力にモノを言わせる『民』の力が台頭している」と背景を説明する。

 2010年には、広東省仏山市にあるホンダの部品工場が長期ストで操業停止に追い込まれ、約30%の賃上げを余儀なくされた。

 相次ぐ賃上げで人件費は高騰し、「上海周辺はタイの3倍の雇用コストがかかるまでになっている」(同)。

 安い労働力というメリットが薄れ、尖閣問題も加わり、日系企業のなかではベトナムなど周辺国に新天地を求める動きが出始めている。だが、この現象を黙って見ていないのが共産党だ。

 『第二次尖閣戦争』(共著、祥伝社新書)などで知られ、中国の労働問題に詳しいジャーナリストの青木直人氏は「労働集約型産業の日系企業の中国撤退が始まりつつあるが、問題はそれがスムーズに行くかということ。引き際を間違えると、大きなトラブルになる」と警告する。

 中国商務省のデータでは、今年1〜9月の日本の対中直接投資は56億2000万ドル(約4440億円)に上る。欧州連合(EU)27カ国の48億3000万ドル、米国の23億7000万ドルをしのぎ、日系企業への依存度はかなり高い。

 そんな“お得意様”をみすみす手放すはずはなく、いざとなれば国家ぐるみで妨害工作に出るというのだ。

 「日系企業に撤退されると、税収のほか雇用の受け皿もなくなる。中国政府はすでに阻止する方策を打ち、企業内に『企業党委員会』という中国共産党の組織を配置した。ここで企業内部を監視し、撤退の動きを察知すれば、労働者を動員して大規模な労働争議を起こす構えでいる」(青木氏)

 反日感情に染まる中国人労働者を巧みに誘導するという。

 「『愛国無罪』の名のもとに1000人単位の中国人労働者たちが暴走を始める可能性がある。工場や会社を占拠し、経営者や工場長の拉致監禁などの暴挙に出る。現地駐在員たちは命の危険もある」(同)

 不動産バブルの崩壊が囁かれ、経済成長率も鈍化するなど、ほころびが見え始める大国。われわれは無事に逃げ出すことができるのか。



http://www.asyura2.com/12/china3/msg/331.html

記事 [戦争b10] スペイン:66年米軍機事故で水爆落下、土壌放置進む汚染 (毎日新聞) 
スペイン:66年米軍機事故で水爆落下、土壌放置進む汚染
http://mainichi.jp/select/news/20121113k0000e030192000c.html
毎日新聞 2012年11月13日 15時00分


 【パロマレス(スペイン南部)篠田航一】東西冷戦期の1966年1月、スペインのパロマレスで米軍機が搭載していた核兵器の水素爆弾4個が落下し放射性物質プルトニウムが漏れ出した「パロマレス事故」で、当時撤去の対象とされず現場に放置されていた土壌5万立方メートルから、プルトニウムが変化し、同程度に有毒性の高いアメリシウム241が検出されたことがスペイン科学省の調査で分かった。土壌撤去には特殊な技術が必要なためスペインが米国に協力を要請しているが、米側は応じていない。米西間の外交問題に発展している。

 事故は米軍爆撃機B52と米空中給油機が空中で衝突し、水素爆弾4個のうち3個が陸地に落下。2個からプルトニウムが流出した。1個は海中から引き揚げられた。両機の乗員7人が死亡。住民に死傷者はなかった。

 事故後、現場周辺では1平方メートル当たり最高120キロベクレルのプルトニウムを検出。墜落現場はその10倍に達した。現場周辺の放射線量は86年の旧ソ連・チェルノブイリ事故で移住対象とされた数値に匹敵。米軍は当時、汚染土砂1300立方メートルを撤去した。

 しかし、最近になって同省が現場周辺で詳しい調査を実施したところ、「土地使用制限基準値の1グラム当たり1ベクレルを超す高レベルのアメリシウムを含む土壌が5万立方メートル残る」(同省エネルギー環境技術センター)ことが分かったという。

 アメリシウム241は半減期が432年と長く、人体に有害な放射線アルファ線を放出する。現場周辺は立ち入り禁止となり、一部住民からは被ばく反応が出たとの報道もあるが、センターは「事故との因果関係を証明できる事例はない」としている。

 マドリード・コンプルテンセ大学のラファエル・モレノ・イスキエルド教授(50)が情報公開請求で入手した米国防総省報告書(75年)によると、米スペイン両政府は当時、欧州への核兵器配備を重視。一部地域の「除染を断念する」ことで合意していた。

 ◇アメリシウムとは

 プルトニウムが変化してできる有毒性の高い放射性物質。使用済み核燃料などに含まれる。自然界には元来存在しないとされ、核実験場や原発事故現場の周辺で検出されている。プルトニウムとウランの混合燃料を使う福井県敦賀市の高速増殖原型炉「もんじゅ」でも運転停止期間中に燃料の一部がアメリシウムに変化したことが確認された。1940年代、原爆製造に携わった米物理学者シーボーグ博士らが発見した。


       ◇

スペイン:汚染土壌、核配備優先し隠蔽…米軍機の水爆落下
http://mainichi.jp/select/news/20121113k0000e030193000c.html
毎日新聞 2012年11月13日 15時01分

 米軍機の事故で放射性物質がスペイン南部の村を汚染した66年1月の「パロマレス事故」で、汚染土壌から有害なアメリシウムが検出されたことが判明した。半世紀近く後の今も汚染土壌が放置される背景には、東西冷戦という当時の国際情勢の下で、欧州への核兵器配備の支障となることを懸念した米・スペイン両国政府が事態収拾を急いだことがある。放射能漏れの事実を1カ月以上も隠蔽(いんぺい)するなど徹底した情報統制も繰り広げていた。【パロマレス(スペイン南部)篠田航一】

 米国は60年代、ソ連のミサイル先制攻撃を恐れ、核兵器を積んだ戦略爆撃機を欧州で24時間態勢で飛行させていた。パロマレス事故はその過程で発生した。2年後の68年にも米軍はグリーンランド(デンマーク領)で同様の水爆落下事故を起こし、放射性物質を飛散させている。核兵器の紛失や関連事故は米軍内部で「ブロークンアロー(折れた矢)」と呼ばれ、50〜80年代に少なくとも32件発生したことが後に判明している。

 事故現場の大半は米本土の空軍基地周辺や海上だったが、パロマレス事故は欧州本土で起きた「冷戦期の一大事件」(パロマレス村を管轄するクエバス・デル・アルマンソーラ市のカイセド市長)だった。

 当時のスペインの親米フランコ独裁政権は反共を掲げ、核を積んだ米潜水艦の寄港を事実上黙認したとされる。両政府の政治的思惑により事故の情報開示は遅れ、除染も不十分なまま幕引きが図られた。

 90年代からマドリード・コンプルテンセ大学のモレノ教授が情報公開請求などを通じて当時の状況を調査。米エネルギー省の報告書(66年2月)によると、水爆の捜索は当初「飛行機の残骸と機密材料の回収」とされていた。また、75年の国防総省報告書によると、事故後の1月下旬に米海軍は情報公開を訴えたが、同省が拒否。3月2日にようやく「土壌と草木に少量の放射性物質がある」と認め、一部土壌を撤去したという。

 パロマレスでは、住民のがん発生率が高いとの報道もある。現場周辺では「風評被害で特産物のトマトやスイカが売れなくなる。何十年たっても事故の話はしたくない」(70代女性)といった反応も少なくない。

 土砂撤去にはスペイン政府が米国に協力を要請している。クリントン米国務長官は昨年7月、「深刻に受け止めている」と述べたが、具体策には言及しておらず進展はない。



http://www.asyura2.com/12/warb10/msg/439.html

記事 [原発・フッ素28] エトス・プロジェクトを通して国際原子力ロビーは何を目指しているのか(言霊の交換)(惨事が惨事と認定されないよう計画)
(転写開始)
<言霊の交換>
http://echoechanges-echoechanges.blogspot.fr/2012/07/blog-post_409.html#!/2012/07/blog-post_409.html(凄く重いですbyこーるてん)
<エトス・プロジェクト>を通して国際原子力ロビーは何を目指しているのか?/その1
コリン・コバヤシ

国際原子力ロビーは福島原発事故の問題を手中に納めるため、日本で本格的に動き出している。この惨事が惨事と認定されないように、原子力産業の発展のくびきとならないようにするためである。昨年から、福島で,東京で,広島で、日本の原子力ロビーやそれに関与している御用学者達が盛んに連動して動き始めていることも周知の通りである。
昨年秋から、<エートス・プロジェクト>などという、倫理性や精神性を包み込む名称をタイトルにして、原子力推進勢力が復興計画を福島で行なおうとしている。この計画の組織者達は何を意図しているのか、数回にわたって検証したい。


その1:日本にも襲いはじめた<エートス>プロジェクトとは何なのか?

まず、バーゼル大学医学部名誉教授ミッシェル・フェルネックスの<エートス・プロジェクト>に関するインタヴュー(ユーチューブ上で公開中:http://youtu.be/2_oKtjnh52c)を見て頂き、そして、彼が2002年、クリラッド(フランスの市民放射能測定所)の機関紙22号に載せた論文「鍵となる嘘 —あるいはいかにチェルノブイリに刻まれた記憶を消し去ること」を合わせて読んで頂いた上で、拙稿に戻って頂こう。
http://echoechanges-echoechanges.blogspot.fr/2012/07/blog-post_16.html


また、ウラディミール・チェルトコフ監督のドキュメンタリー映画「真実はどこに? —放射能汚染を巡って」(ユーチューブ上で公開中:http://www.youtube.com/watch?v=oryOrsOy6LI)をまだ見ていない人がいたら,ぜひ見て頂きたい。


福島原発事故が起こってから、国際原子力ロビーは様々なかたちで、この事故の放射能による悪影響を極力少ないものに見せるために、様々な手を打って来ている。目に見えて大きな組織作りの最初は、日本財団[1](これは極右翼でA級戦犯だった笹川良一が創設した笹川財団が発展して改名した同じ財団)が主催して福島で行なわれた「国際専門家会議」である。この会議は参加者の顔ぶれを見るだけでも、まさに国際原子力ロビーと共犯関係にある国連の諸機関(IAEA, WHO, UNSCEAR, ICRPなど)が総動員されている。この中に、本稿の主題である<エートス・プロジェクト>のフランス人責任者ジャック・ロシャールがちゃんと場を確保している。


原子力関連の国際機関とは?1986年のチェルノブイリ原発事故以来、この事故の真実隠蔽に奔走して来たのは、まぎれもなくIAEA(国際原子力機関)であり、この組織は、原子力の推進を図る組織であり、監視機関ではないことは,すでに多くの人の知るところである。共犯はUNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)、WHO (世界保健機関), ICRP(国際放射線防護委員会)である。そしてそれに力を貸して来たのは、むろん世界の原子力産業である。 IAEAは、1953年米国大統領アイゼンハワーの<アトム・フォー・ピース>(平和のための原子)以降、その方針に従って、安全保障理事会に直属する形で、1957年に設立され、原子力エネルギーの平和利用の促進(ほとんどが要するに原発推進である)と、核兵器に転用されないための監督機関の役割を担っている。1959年にはWHOと合意書を交わし、原子力に限っては、WHOはどのような研究も調査も勝手にすることができない関係になっていることは、再三指摘しておく必要がある。
 これらの原子力関連国際機関の委員はおおよそ、共通して複数の役職を持っている。アンスケアの代表理事アベル・フリオ・ゴンザレスは、アルジェンチンの原子力当局の顧問だが、IAEAの理事だったし、またICRPの委員でもある、といった具合である。ロシャールも仏原子力ロビーの民間窓口CEPNの会長であると同時に、ICRPの委員も務めている。
IAEAが国際チェルノブイリ・プロジェクト報告を1991年に出し、放射能の影響はほとんど問題にならないかのような結論を出したことは、よく記憶にとどめておくべきことである。議長に就任したのは、広島でABCC機関の代表を務めた他ならぬ重松逸造であり、原爆被曝者追跡調査の責任者でもあったこの医者があたかも報告書の信頼性に担保を与えた形になっている。
この報告書がベースとなって、原子力ロビーによる被曝影響の無化と記憶の否認のために、あらゆる方策を講じられているのである。
とりわけ、チェルノブイリの被曝地域である三か国(ベラルーシ、ウクライナ、ロシア)の中でも、最もひどい被爆国となったベラルーシでは、1996年から2001年の間、<ETHOSエートス>プロジェクトという企画が、CEPN(原子力分野における防護の評価研究センター)という民間団体によって、欧州連合も参加する形で、展開された。このCEPNはNPOだが、フランスの原子力ロビー、EDF (仏電力公社)、CEA(仏原子力庁=要するに核兵器の製造と原子力の管理・研究)、AREVAグループ(Cogemaに続いて、再編された世界最大原子力複合産業体)の三大組織とIRSN(国立放射能防護と原子力安全研究所)が共同で設立したNGOで、いわば仏原子力ロビーの民間に対するロビー活動の窓口と言っていいだろう。組織の定款は一般の非営利市民団体と同じであるが、年間予算が数百万ユーロという相当な予算を手にしている。この組織が行なっているのは、原子力産業分野での保安評価であるが、原発事故など苛酷事故のリスク評価を行っているムタディス・コンサルタント社と一緒に、仏原子力ロビーのテコとなっているのである。仏原子力ロビーがムタディスに,苛酷事故が起こった時にどのように危機管理すればいいのかを研究させている。「(原子力産業の)事業を正当化しながら、それに伴うリスクを正当化すること」が目指されているわけだ。ちなみにCEPN代表のジャック・ロシャールは経済学者で、物理学者でも医師でもない。
多くの大学や研究者に呼びかけられ、多大な予算が投入され、<善意の>大学教授、<善意の>研究者が集まった。パリ - グリニョン国立農業研究院、コンピエーニュ工科大学などだ。そして欧州委員会も協賛、助成するのである。CEPNが軸となって、このプロジェクトは、その後、<エートス2>、<COREコア>、<サージュ>と継続されるが、ここには、ラアーグ再処理場の市民による放射能監視をする役割を担っていて、いわば原子力推進派の反対側にいると見なされるはずの「アクロACRO」までも参加している。


こうした原発事故の後の対応は、たしかに「放射線防護だけでなく精神的、社会的、経済的、政治的、倫理的な面から成る複雑な過程」(ロシャールの説明)だが、何より、健康問題が中心的課題となるべきところ、後者の精神的、社会的、経済的、政治的、倫理的な面に主題がすり替えられている。これらの側面は、実際、福島や周辺県で、真摯に長年に渡って農業や漁業に打ち込んで来た生産者や住民にとって、感じやすい部分であり、また彼らの思いが帰郷、復興、再開に向けて思いが募っているとき、ジャック・ロシャールの語る<住民参加型の復興>の思惑にスッポリと重なるのである。それこそが罠なのだ。原発事故後の様々な健康障害は、実は放射能ではなく、精神ストレス、経済的、社会的な様々な原因によるのであって、放射能によるものではない、というのが国際原子力ロビーの主要な主張なのである。つまり、放射能を免罪すること。これこそが,彼らの目的であり、それは真実を覆い隠すことで成立している戦略なのである。

次回その2では、ベラルーシで行なわれたエートス・プロジェクトがどうだったのかを見ていきたい。

 


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[1] 日本財団は、歴史否定主義的な立場を取っており、南京虐殺、従軍慰安婦問題も否定している。放射能に対してもその悪影響はないとする否定主義の立場を取っており、そうした立場から、チェルノブイリへの医療協力プロジェクト(1991-1996年)も行なっており、重松逸造が議長を務めた国際チェルノブイリ・プロジェクトも前身だった笹川財団から基金が出ている。チェルノブイリ笹川協力委員会は、重松、長龍、山下各氏がメンバーの委員会山下俊一教授のチェルノブイリ調査への助成も笹川記念保健協力財団が出資している。東京財団は、その子財団。参考:http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/1999/00198/contents/002.htm

(転写終了)

原発・フッ素28
http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/655.html

記事 [エネルギー2] 環境汚染を再生エネルギーに変える日本の技術 パームオイル廃液からバイオマス発電や新プラスチック材料

JBpress>海外>アジア [アジア]

環境汚染を再生エネルギーに変える日本の技術
パームオイル廃液からバイオマス発電や新プラスチック材料

2012年11月13日(Tue) 宇田 真

 前回の「インドネシア経済を支えるパームオイルの光と陰」では、パームオイルとそれが引き起こす環境問題を取り上げたが、今回は環境問題のなかでも廃水問題を解決するビジネスについてお伝えしたい。

高濃度の汚水が環境問題を引き起こすパームオイル搾油所

環境に優しい「持続可能なパーム油」、需要増のなか苦戦

インドネシア・サワラク州のプランテーションで、パームを収穫する作業員〔AFPBB News

 パームオイルの搾油所はインドネシアとマレーシア両国で約1000カ所あると言われ、そこから毎年1億トンの廃水(Palm Oil Mill Effluentの頭文字をとりPOMEと呼ばれる)が出ていると推計されている。

 インドネシアとマレーシアでのPOMEがどの程度汚染されているかというと、COD(化学的酸素要求量)の量が1リットルあたり5万ミリグラム、BOD(生物化学的酸素要求量)が1リットルあたり2万5000ミリグラムという平均値がある。

 これを日本の環境省の一律廃水基準に当てはめると、日本ではCOD、BODともに1リットルあたり160ミリグラム以下と定められているので、POMEのCOD、BODは日本の基準のそれぞれ300倍、150倍という桁違いの汚水ということがお分かりいただけるだろう。

 前回の記事でふれたように、POMEはいったん巨大な池に溜め込まれ、微生物の分解によりメタンガスを発生させながらCODとBODを100ミリグラム程度に下げて河川に排出される仕組みになっている。ただ、実際には雨が降れば周辺にあふれ出すので、基準が守られているとは言えなかった。

 今、これまで放置されてきたPOMEによる環境破壊の問題は、改善される方向に向かいつつある。

 きっかけの1つとして、新たにパームプランテーション事業に参入してきた南アフリカなどの国々が、廃水基準を遵守するようになったことが挙げられる。企業イメージを気にする欧米の日用品、食品メーカーが、環境破壊を放置しているパームオイル会社の商品を買わなくなることを懸念するようになったためだ。

 一方、国としても各社の自主性にまかせず、規制を強化する必要がある。マレーシアはそれほどではないが、インドネシアはトレーサビリティが難しいと言われている。

 トレーサビリティとは、購入したパームオイルがどこのプランテーションで生産され、どこでどのオイルと混ざり、どのルートをたどってここに至ったのかを追跡できるかどうかである。

 これが困難ということは、環境にやさしいパームオイルと環境破壊をしたパームオイルが知らないうちに混ざっている可能性があることを意味する。全体を良くしないと、ブランドイメージの悪化はまぬがれない。

排出権ビジネスが困難なメタン―発電事業への期待が高まる

 POMEの浄化については、1990年代後半に、京都議定書によりCDM(Clean Development Mechanism)が動き出したことで、まずメタンの回収と回収したメタンの燃焼による発電が可能かどうか、実現可能性のための調査が行われた。

 CDMとは、簡単に言えば二酸化炭素やメタンの回収を行うことで、回収分の排出権が獲得でき、それを第三者に販売してお金に換えたり、自身の削減ノルマに使える仕組みである。

 京都議定書では各国が二酸化炭素の排出量を一定量減らすというコミットメントを行い、排出権を確保すればその分排出量が減ったということにできる仕組みを作った。

 メタンは二酸化炭素の21倍の価値があり(二酸化炭素換算で21倍に評価される)、効率的に排出権を獲得できることから注目された。しかし、京都議定書が2012年末で期限を迎えるために、CDMによる収益に依存したモデルはむずかしくなっているのが実情である。

 そのため、最近の傾向としてCDMはおまけの収益として期待せず、発電事業のみで収益を上げるプロジェクトがいくつか立ち上がっている。

 例えば、マレーシアのAmInvestment(マレーシア第3位の銀行であるAmBankの投資銀行部門)は、運用するアジア・ウォーター・ファンドを通じて、マレーシアのサバ州の搾油所の浄水プロジェクトを企画している。

 このプロジェクトは、廃水からメタンを回収し、それを燃焼させることでガスタービンを回し発電するというもので、生み出した電気は搾油所に販売する。搾油所と長期の売電契約を結ぶことで、安定的な収益を確保できる。

 日本勢が関わっているプロジェクトでは、九州工業大学がマレーシアのFELDA*と共同で同様のビジネスを展開しようとしている。

*Felda Global Ventures Holdings Bhd(ティッカーFGVH.KL)今年の6月に上場し31億ドルを調達したマレーシア最大の政府系パームプランテーション会社

 筆者の知る限り、九州工業大学は国公立の単科大学としては、日本で唯一海外にサテライトキャンパスを持っているユニークな大学である。マレーシアのマレーシアプトラ大学の中に設置されており、ここがプロジェクトの拠点となる。

九州工業大学による画期的なプロジェクトが進行中

 九州工業大学のプロジェクトは、メタンの回収と発電だけでなく、パームの実を取った後の芯(空果房:Empty Fruit Bunchまたは略してEFBという)を材料に、プラスチック原料を生産する工程も併せて行う計画であり、非常に画期的なプロジェクトとなっている。

 通常、実を取った後の芯は細かく砕いて肥料にするか、乾燥して焼却し、ボイラーを動かしたり発電するのに使われていた。

 いわゆるバイオマス発電と言われるもので、九州工業大学とFELDAはすでに廃棄される芯を使ったバイオマス発電を実施している。(参考:「マレーシア最大のパーム会社Feldaが2基目のバイオマス発電」アジア・バイオマスエネルギー強力推進オフィス)

メガソーラー、京都市などで運転開始

さまざまな分野で再生可能エネルギーへの取り組みが始まっている〔AFPBB News

 この芯を、捨てたり焼いたりする代わりに、過熱水蒸気処理技術を使い、細かく砕き、汎用プラスチック原料を混ぜて、プラスチックコンポジットとするのが今回のプロジェクトである。

 もともと捨てるようなものなので原料費はかからないことから、安価なプラスチック原料を生産できる。製造に必要な電気や蒸気は、メタンガスを利用して作られるので、製造コストが安くなり、競争力があると期待される。

 これらのプロジェクトはインドネシアよりもマレーシアが先行している。理由としては、マレーシアの規制当局の方がインドネシアの規制当局よりも厳しい対応をし、ペナルティーが科せられるリスクが高いためと言われている。

 ペナルティーを払うよりも、メタン回収の費用を払った方が得だという発想から、パームプランテーションの経営者が費用を払いやすい。

 インドネシアの場合、賄賂を払ってペナルティーを帳消しにしてもらう傾向がまだ強いと言われており、設備投資をしてメタンを回収するメリットがまだ出にくいのが実情だ。

 パームオイルの環境問題に限らず、日本勢がすぐれた技術を生かして環境問題の改善に貢献する例は数多くある。今後もこのような取り組みが行われ、日本経済の発展と地球環境の改善につながることを期待している。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36485
http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/805.html
記事 [経世済民78] ギリシャ財政目標の2年延期、326億ユーロ必要=トロイカ  過熱する香港の不動産バブル QE3で歪むエマージング経済
ギリシャ財政目標の2年延期、326億ユーロ必要=トロイカ
2012年 11月 13日 04:02 JST
トップニュース
米ブラックフライデーの前倒しに拍車、小売り大手が感謝祭に開始
米株ほぼ横ばい、「財政の崖」協議長期化の見方広がる
北海ブレント先物が110ドル超え、中東の緊張の高まりなどで

[ベルリン 12日 ロイター] 12日に明らかになったユーロ圏財務相会合のために用意された文書の草案によると、ギリシャは基礎的財政収支(プライマリーバランス)目標を達成する期限の2年延長が認められるもようで、これにより追加的に326億ユーロの資金が必要になる。

国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)、欧州委員会の3機関で構成される「トロイカ」が取りまとめたもので、ギリシャに対する次回融資実施を決定する際、ユーロ圏財務相がたたき台として利用する。

草案は「改訂したわれわれの財政プログラムは、予想より2年先の2016年までにプライマリーバランスを対国内総生産(GDP)比で4.5%の黒字にすることを目標とする」と記述。「よりなだらかな経路とすることで、景気に与える財政調整の影響が緩やかになる」とした。

目標達成期限が2年延長されればギリシャ経済がより迅速に成長に復することができるとの見方がある。ただ、財政再建のペースが鈍ると、ギリシャの支払能力を維持するため、ユーロ圏が同国に追加融資を行う必要が生じる。

草案は「2014年までの期間に不足分を穴埋めするには、今年3月の見積もりと比べて短期的に約150億ユーロの追加資金が必要になる」としている。

関連ニュース

トロイカのギリシャ報告書、改革実施期限の2年延長を提言=独紙 2012年11月13日
IMFとギリシャの修正合意草案、財政調整期間の2年延長盛り込む 2012年11月13日
対ギリシャ次回融資、12日中に決定される公算小さい=独財務省 2012年11月12日
ギリシャ債務、2020年もGDP比140%超える可能性=ECB 2012年11月10日
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE8AB01N20121112?rpc=188


【第251回】 2012年11月13日 加藤 出 [東短リサーチ取締役]
過熱する香港の不動産バブル
QE3で歪むエマージング経済
 香港の住宅価格は2007年以降64%も上昇した。世界の主要国・地域で最も高騰している。2位はオーストラリアの+23%、3位はシンガポールの+21%。中国本土は+18%、ドイツは+7%、日本は▲13%、米国は▲28%だ(英「エコノミスト」8月18日号)。中国本土からの投資資金に加え、FRBの“QE”の影響などによる海外のホットマネー流入が香港の資産市場を過熱させている。

 香港の繁華街チムシャツイを10月27日(土)に歩いていたら、至るところで、ものすごい数の不動産セールスマンに取り囲まれた。どんな新築マンションなのかとちょっと興味を示すと事務所に連れていかれそうになる。いつものことなのかと思ったら、その日は特に激しかったらしい。

 香港政府が前日に、永住権を持たない人の住宅購入や、会社名義での住宅購入に印紙税を15%課すことを突然発表したからである。発表時にジョン・ツアン財務長官は、FRBの“QE3”の影響にも触れつつ、「小、中規模のアパート価格はこの9カ月で21%も上昇した。住宅価格は普通の人には購入不可能な水準になってしまった。不動産市場のバブルのリスクが高まっている」と説明した。

 ただし、10月26日の増税発表(午後6時)から実施(午前0時)までの間には6時間あった。その間に買ってしまおうとする投資家が香港の不動産販売会社に駆け込んだという。「南華早報」によると、ある女性は、深◎(シンセン、◎は土扁に川)にいる友人に到着するまでの間、行列に並んでいてくれ、と頼まれた。その友人は子供のために香港で物件を物色していたが、突然の増税を聞いて、あわてて1400万香港ドル(1.4億円)のマンションを二つ購入することになったそうだ。

 増税後の香港の住宅販売件数は急減速した。10月29日から11月4日までに売れた戸数は、前週に比べ40%の下落だ。大手不動産会社がマンション購入に関心を持つ中国本土の投資家に尋ねたところ、62%が今後6カ月は様子を見ると答えたという。ただし、販売価格の下落はゆっくりだろうという予想が今は多い。業者は当面は在庫を抱えて耐えようとするのではないかという観測が聞かれる。

 国際都市としての香港の自由な魅力に引き付けられて、永住権は持たないものの、香港で働き、香港に税金を払ってきた中国本土生まれの若い人々や外国人は数多くいる。彼らは、近年のマンション価格高騰と今回の増税で、住宅購入がますます困難になったと憤慨している。先進国の超金融緩和政策は、エマージング経済にさまざまな歪みをもたらしている。

(東短リサーチ取締役 加藤 出)
http://diamond.jp/articles/print/27786

http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/498.html

記事 [経世済民78] 日本の大企業が再び輝きを取り戻すには  二期連続大赤字は“ 負の遺産”からの手切れ金?パナソニック ニッチを狙え小型風力

日本の大企業が再び輝きを取り戻すには

赤羽雄二 ブレークスルーパートナーズ代表取締役に聞く

2012年11月13日(火)  瀬川 明秀

 日本を代表する製造業が軒並み厳しい状況に追い込まれている。例えば、家電産業ではパナソニックは7500億円以上の赤字を2期連続で出し、ソニーはTV事業が8期連続の営業赤字、本体の最終損益も4期連続のマイナスだ。シャープは存続も危ぶまれる状況。2013年3月期決算の業績見通しは、営業赤字が1550億円に、当期赤字は4500億円と2年連続で過去最悪を更新している。シャープは「コンサルなど外部の知恵も集め再建の道を探っている」というが、どう再建するのか。今回は個別分析ではなく、日本企業の復活の道筋にフォーカスして、ブレークスルーパートナーズの赤羽雄二氏に話しを聞いた。

 赤羽氏にお願いした理由は、国内外の大企業再建に携わってきた実務者だからだ。コマツの技術者を経て、1986年からはマッキンゼーで韓国LGグループの経営改革に取り組んできた。マッキンゼーでは一般に数カ月から半年程度のプロジェクトが大半を占める中、10年もの長期に渡り、トップと一緒に改革を実践してきた経験を持つ人はそれほど多くはない。日本では4年間、大手消費財企業の組織運営と改革に携わった。2000年からは日本のベンチャー育成に注力してきたが、今年からは再び、大企業の課題解決にも取り組み始めた。「いよいよ日本が危機的な状況になってきた」からだ。

(聞き手は瀬川明秀=日経ビジネス)
日本をけん引してきた大企業が苦しんでいます。製造の現場が海外にシフトし、あらゆる産業がサービス化していく産業転換が進行しているとはいえ、変化に対応する前に、「弱点」が一気に吹き出てきたように見えます。


赤羽雄二(あかばゆうじ)
 東京大学工学部を1978年3月に卒業後、小松製作所で建設現場用の超大型ダンプトラックの設計・開発。86年、マッキンゼーに入社、1990年から10年半にわたってフルタイムで韓国企業、特に財閥の経営指導に携わる。2000年 ブレークスルーパートナーズ株式会社を創業。情報通信・IT・半導体などの分野のベンチャーを支援。そのほか経済産業省「産業競争力と知的財産を考える研究会」委員、総務省「ITベンチャー研究会」委員、総務省「ICTベンチャーの人材確保の在り方に関する研究会」委員などを勤める。現在、1社あたり500万円出資、オフィス・サーバー無料提供のインキュベータである、ブレークスルーキャンプ by IMJ 運営統括。ブログも運営。
赤羽:トヨタなどの自動車産業、パナソニック、ソニー、シャープ、キヤノン、リコー、ブラザー、カシオ、オリンパスなどの家電・電子機器産業、日立製作所、三菱電機、東芝などの重電・電機産業、富士通、NEC、沖電気などのシステム・機器産業、新日鉄などの製鉄産業・・・かつて栄光に輝いていた企業たちがみな元気がありません。

 産業構造が変わり「もはや製造業の時代ではない」と言われる方もいらっしゃいますが、日本の大企業はこれまで世界の多くの市場でブランドを確立し、大きな利益をもたらしてきました。日本国内でも大きな雇用を生み出してきました。このまま人材を抱えこんだまま倒れれば本当に大変です。

 何万人もの人を採用できるサービス、IT企業には限りがあります。また、雇用のミスマッチもあります。世界中でインターネットやIT関連の企業が爆発的に成長していますが、日本企業の名前を聞くことはほとんどありません。一部の企業のみです。

 大企業の低迷は、雇用不安さらには日本の将来への不安感にまでつながっていると思います。

日本人は昔から「マネジメントが苦手」

 何ゆえに、いまこの時期なのでしょうか?

赤羽:円高、震災ショック、エネルギー不足、世界経済の低迷、中国問題など外的な悪材料がそろっています。ただ、それはきっかけに過ぎません。何ゆえ今か、というよりも「よくぞ、いままでもった」と見ています。日本企業の競争力が低下してきていることは前から指摘されてきたことです。ただ、私としては「低下したのではなく、実はもともと低いのではないか」という仮説を持ち始めました。

といいますのは?

 もともと日本は、ムラ社会をベースにしています。村で暮らす人たちにとっては、チームワークが大事で、強い自己主張をせずに協力し合うことをよしとしてきた社会です。それに加えて、手先が器用で、徹底的に工夫することもいとわない人が多い。種子島の鉄砲のように、あっという間に見よう見まねで大量生産できる高い能力があります。箱庭、盆栽など、限られた空間でのきめ細かな工夫を重ねることもできます。集団での力強さ、能力の高さは、高度成長期の大量生産に特に発揮されました。

 一方で、日本のリーダーが優れているのか、といえば実は違うのではないかと最近は考えています。最近の大企業リーダーに関しては、ご存知の通りです。政治家、官僚も尊敬できるリーダーはまずいません。明治以降の日本軍の歴史を見ると、多くの場合、戦略がお粗末。兵站の混乱、諜報戦の感度の低さなど、だめなリーダーが指揮する組織の典型です。

 日本はチームワーク、団体行動が重要な大量生産は得意でも、成熟期の方向転換、不確定な時代での舵取りは苦手なのではないか、というのが私の最近の考え方です。

 リーダーの問題以外にも、社会全体の保守性の問題があります。不思議なことに、日本はリーダーがいなくなり、「上」がいなくなった混乱期だけ、若者が出てきて元気になるのです。幕末の混乱、終戦直後しかり。日本は組織、社会としての「上」がいない時に成長します。戦後成長してきたのも、年寄りたちがいない混乱期ゆえ、誰もがチャンスがあったのです。ライバルとなる国も周辺にはいなかったし、米国の購買力が一気に伸びた時代です。この追い風にのって輸出で急成長し、終戦23年後の1968年には国民総生産(GNP)が資本主義国家の中で世界第2位に達しました。

 日本企業は、90年代までは比較的順調に発展して来たと思いますが、このプロセスの中で、優れた経営者がいたのでしょうか。

 確かに、現場でのエピソードは豊富です。社長が現場で指揮を執り、「もっと小さなモノを作れ!」「軽いものを作れ!」「もっと安くいいものを作れ!」という掛け声で、世界中で売れる家電・半導体・携帯電話・自動車・鉄鋼等を開発し、事業を拡大してきました。ところが、事業を大きく右から左にかじ取りする大胆な意思決定で成功した企業は、実はそれほど多くなかったのではないでしょうか。もちろん本田宗一郎さん、松下幸之助さんなど素晴らしい経営力・人間力をもった経営者はいらっしゃいましたが、あの時代だから大成功したわけで、現代の経営者に求められている経営の判断ができたのかどうかは未知数です。

 ですから「昔の日本人経営者は素晴らしいのに、今の連中はなぜできない」と言うのは簡単ですが、ちょっと違うのかも知れません。もともと日本人は、あるいは日本人の組織は、今の大企業が必要としているような経営の舵取りに必要な意思決定、ダイナミックな方向転換、システム構想力は苦手だったのかも知れないと思い始めています。

先行き不透明な時代だけど、おぼろげながら見えています

 日本人の経営力が低下したのではなく、もともと日本人は外国人に比べて、大胆な経営という意味でのマネジメント力が弱く、商品企画も苦手なのではないかと考えた方がつじつまが合います。多くの日本人が後発と見ていた韓国のサムスンなどは、経営者が果敢に決断をし、事業を発展させてきましたし、携帯電話等でも企画力・開発力が高く大成功しています。サムスンもLGも、多くの技術・部品を日本に依存しながら最終商品では日本企業をさっさと追い抜いていきました。

 日本は、携帯電話、テレビ、さらには白物家電も競争力を失いました。もちろん、携帯電話のヒンジとか、コンデンサー、ねじ、液晶等の部品・素材では高い世界シェアを誇っているものも多くありますが、それは研究開発能力と精密な加工・生産力が高いからであって、大きな事業としての商品企画力があるからではありません。

 自動車はまだ競争力を保っていますが、韓国の現代自動車等の追い上げは加速しています。

 日本企業が今後どう勝ち残っていくか考えるために、我々は何が得意で何はそれほど得意でないのか冷静に考えてみようと思います。

 そういう観点では、日本が強かったのは、高度成長期に代表される高品質・低価格の商品であり、その大量生産です。既存商品の改良にはすさまじい力を発揮しました。「もっと安く、もっと小さく、もっと多く」で勝てる時には圧倒的な勝利を収めたのではないでしょうか。

 既存商品の改良時には、無数のアイデアが湧いてきます。日本の電気釜で炊くとおいしいということで、今でも秋葉原で電気釜を何個も買って帰るアジアの方などは有名です。家電・自動車等も無数の小アイデアの固まりです。オイルショックの時は、世界中を驚かせる低燃費の自動車を開発し、その後の成長につなげました。

 日本人全体が自信を持っていたと思います。誰も日本の将来を疑いませんでした。

 ただ、よくよく見てみると、既存商品の無数の改善と大量生産は得意でも、不連続な商品の開発、全く新しいものを生みだし、大きく成長させることは実はそこまで得意ではなさそうだということです。

 画期的な商品を生みだそうと決断し、経営資源を当て、大きく育てていく経営力・商品開発力に関しては、そこまで強みを持っていなかったのかも知れない、ということです。ウォークマンを発想しヒットさせることはできても、iTunes Storeを生みだし、携帯電話を全く違う次元のものにし、世界最大級の時価総額の会社を生み出すことはあまり得意ではなかったようだ、ということです。

 シャープペン、電気釜、卓上電子計算機、トリニトロンテレビを生み出すことはできても、製販分離・垂直分業し、ハードウェア・ソフトウェアを総合的に組み合わせた巨大情報産業を生み出すこと、そこでの勝者になることは得意ではなかった、ということです。

 こう考えると、日本人は、日本企業は商品企画力、特にシステム的にスケールの大きいものへの構想力がそれほど得意ではなかったのかなと思います。半導体、家電から自動車くらいまでは非常に得意ですが、それより大きなもの、不連続的な発展をしたもの、システム発想が必要なもの、ソフトウェア技術が主体なものになると、例外はあってもあまり得意ではなさそうです。

造船産業は?

赤羽:「造船があるじゃないか」との指摘も受けますが、競争力はかなり前に失っています。また、船もある意味では「箱庭」的に閉じた世界での最適化で、その中で成功を収めた時期がありました。飛行機も、大規模プラントも、発電システムも、インターネットインフラも、シリコンバレー等のエコシステムも、圧倒的な競争力ある大学システムも、新たな都市システムの構築にも苦労しています。

 ただ、「弱点」があるのはしかたないことです。どの国にも強みもあるけど、弱みもある。過去の威光にとらわれず、弱点を正視し、弱点を踏まえた上で策を練る必要があるのでは、という思いです。

先行きが不透明な時代です。策を練るのも大変ですね。

赤羽:そうですね。よく「先行きが不透明だ」といいますが、これまで起きたことはそれなりに想像がついていたことです。考えたくないということで考えることを避けていた点は否めません。半導体、家電、PC、携帯電話等の競争力低下は結構見えていました。シャープ、パナソニック、ソニー等の将来がかなり微妙だということは何年も前から見えていました。ソニーのテレビは8期連続赤字ですから経営の素人でも4年ほど前に何とかしなければと思いますよね。

 今後起きることは、おぼろげながら皆さんも分かってはいると思います。仮に、過去の成功体験にとらわれた会長、社長には見えなくとも、経営幹部のだれかが見えているはず。突然、パソコンがなくなるわけではないように、現状の延長線上にある程度以上、未来は見えています。

 驚くほど突然世界が変わることは、あまりありません。

 例えば、我々の身の回りのことで考えてみましょう。

 「今後も日本人はモノをあまり買わないでしょう。モノを買うのは急成長中のアジア。購買力は欧米等の先進国からアジアにシフトする。ネットワーク化はさらに進む。家電製品、自動車、住宅などなどあらゆるハードウェアにIPアドレスがつき、つながっていくでしょう。その中でコモディティ化したハードウェアで差別化していくのは難しい。付加価値を産むのはサービス。そのサービスは、膨大なデータを取得し的確に分析することや(ビックデータ)、マーケティング技術の進化でさらに加速しています。その結果、すでにあるからというだけで続いていた既存事業、商慣習があるが故に何とか続いていた事業は徐々にあるいは急速に消え、本当に価値ある製品、サービスだけ生き残り、急成長していきます」

 とまあ、こうした予想はできるのです。自分の事業であれば、より鮮明にみえるでしょう。こうした予想の元、新たな成長策、あるいは再建策を練る必要があります。

 もちろん、再建に関して奇策はありません。再建は、出血をすぐに止め、キャッシュを産む事業に集中することです。必要なリストラ、必要な人材活性化をすることです。アクションを取ったが、結果として8年間赤字を継続する、といったことと対極です。

 まず既存事業の選別です。自社の現時点での実力で高収益を出せる事業にできるのか、新しい競争原理の中で付加価値を生み出せるのかを客観的に、冷徹に判断するしかありません。

 大きな利益を生み出すことのできる分野なのか。ターゲット顧客が明確で、彼らの購買に至るプロセスを十分把握し対応しうるのか。競合と差別化できるのか。自分たちでやるべきところはどこで、外部を活用すべきところはどこか。

 過去の成功体験や、現会長・社長の思惑とは別に、峻別していきます。どこの国のどの価格のセグメントで勝負するのか、国内で開発・生産するのか、海外で開発・生産すのか・・・すべてメリハリをもって決めることです。

 壁にぶち当たっているほとんどの大企業、過去の栄光にあぐらをかくほとんどの大企業で、何が問題かさし当たりどうすべきか、社員は多分分かっていると思います。少なくとも、少しでも会社のこと、世界の競争相手のことを考えた社員、幹部には分かっているはずです。

 分かっているのにできてないのは何故か。トップがそれを直視しないか、わかっていても突き詰めた議論をしないか、議論しても決断しない、できないか、決断しても反対を押し切って実行しないか、そういった理由からです。

 もう日本は世界第二の大国でも何でもありません。大半の大企業は、世界的な競争力を持っていません。高度成長期、高品質大量生産の時代ではありません。ハードウェアもアナログ回路設計も差別化要因としてはかなりむずかしくなってきました。

 今私たちにできることは、日本企業の経営力、商品企画・開発力はレベルが低いという自覚をもって、本気で変わろうとするしかありません。痛みの伴う決断をし、真剣に取り組むしかありません。私の知っている欧米の一流大企業、韓国の一流財閥等に比べ、経営者の本気度、徹底力、経営改革貫徹力が違います。腹の据わり方が違います。結果として商品企画・開発力も大きな差がついてしまいました。

90年代の韓国LGグループ 経営陣の真剣な姿勢をみよ

覚悟が必要だと

赤羽:私は、90年から2000年まで、韓国LGグループの経営改革に10年間半取り組みました。LGグループは今でこそ世界的なグループであり、携帯電話、家電、FDP、リチウムイオン電池等で圧倒的な存在感ですが、90年には、はるかに低いイメージしかありませんでした。それを、先代会長、現会長、多くの社長が先頭に立ち、圧倒的なリーダーシップで経営改革を推進してきました。

 「我々の技術力、商品力はまだまだレベルが低い。だけど夢は大きいし、やり遂げる自信もある。ぜひ手伝って欲しい」。

 LGグループのトップたちは皆、おごりもなければ卑屈さもなく、ただただ驚くほどのハングリー精神と真剣さ、真摯さで協力を求めてきました。その姿勢に私は感銘を受けました。マッキンゼーは会社トップへのコンサルティングの会社ですが、実は巨大企業の場合、会長、社長と直接取り組む案件ばかりではなく、事業部長クラスがクライアントになることが非常に多いのです。LGグループへのコンサルティングは、本来のトップマネジメントコンサルティングとして非常にやりがいがある、貴重な経験でした。マッキンゼー社内でも人気で、私が世界中から100人以上のコンサルタントを呼び集め、入れ替わり立ち替わりプロジェクトに参加していただき、何十というプロジェクトを遂行しました。

 グループ各社の最優秀人材を数名ずつグループV-推進本部に派遣していただき、合計30名のチェンジエージェント(変革の担い手)集団を作りました。問題把握・問題解決力の特訓をしました。すべてのマッキンゼープロジェクトには彼らを1,2名ずつアサインして、マッキンゼーのコンサルタントと全く同様にトレーニングし、実践を積んでいただきました。ユーザーインタビュー、データ収集、分析、報告書作成、組織改革、実行支援すべてです。それ以外に、50社それぞれにビジョン推進チームを作り、平均10名程度のチェンジエージェントを育成し、数百のプロジェクトを実施し続けました。

 トップマネジメントコンサルティングの場合、マッキンゼー以外の会社でもそうだと思いますが、通常、我々がプロジェクトを実施し報告書を出す段階で一旦は終了になります。あとはクライアント側が「どうもありがとうございます。こちらで検討します」と言い、改めて社内で吟味します。その結果、結局は実践しないケースも多いのです。数千万円〜1億円を超すコンサルティング報酬は何のためだったのか、ということになりがちです。

 ですが、LGグループの経営陣は違いました。「提案をうけたことはすぐやる」「すべてやる」と言って、即実践していました。実際、提案づくりから一緒にやっているわけですから早いです。電光石火です。

 強く印象に残っていることが1つあります。LGグループの経営改革チームではマッキンゼーのコンサルタントとLGグループ各社から選抜された社員で構成されます。マッキンゼーのコンサルタントには同じ社内の人間なのでいろいろ厳しく指導しましたが、LG社員はお客様だったので、最初はやはり私も遠慮して接していました。

 その時、LGグループV-推進本部のチームリーダーで後にLG電子のCEOになられた素晴らしいリーダーが「赤羽さん、なぜ私の部下を差別するのですか。もっともっと厳しく指導してマッキンゼーのコンサルタントを育てているように徹底的に育ててください」と強く求めました。自分の部下を育てなければただではおかないぞ、というこれ以上ない真剣な姿勢でした。

 その時から彼らへの私の接し方が激変したのは言うまでもありません。また、選ばれたメンバーの目の色が変わったのも当然です。最高の成長機会を与えられ、かつプロジェクトリーダークラスになったら、月給の12〜18ヶ月分(通常は6ヶ月分)のボーナスを支給される特別待遇も受けるようになったわけですから。これは、私が交渉して、反対を押し切り、導入していただきました。LGグループ10数万人中のエリートになりました。

 最初は、グループV-推進本部に優秀な社員を出すことを渋っていたグループ各社の社長も、半年ほど送ると見違えるようになって帰ってくることを知り、必要以上に送り込んでくるほどになりました。

 こうやって、LGグループは、高いフィーを払ってマッキンゼーを雇い、それの何十倍以上の成果を出すべく最善手を尽くし、その果実を勝ち取ったのです。

 プロジェクトメンバーには社員をグループV-推進本部に入れ替わり立ち替わりで数十名、グループ全体で数百名を投入し、大成果を挙げました。今日の躍進は確実にその結果です。

 こういった大規模な活動をする上では、組織の反対やノイズも大きかったと思いますが、中心となって活動している私にはいっさいノイズを入れず、大きな成果を出すことだけ求め続けました。社員にも最高速度で成長すること、あらゆる施策を徹底的にやり遂げること、私から何もかも吸収することを求めていました。

 その真剣な姿勢は、日本の経営者も見習うべきではないでしょうか。

 あの10年間、私はリーダーとして月曜日の朝、韓国に行き、金曜日の夜に日本に戻ってくる生活を続けました。家族は大変でしたが、それだけのハードな生活を続けたのは、彼らのあまりにも真剣な態度にこたえようと思ったからです。普通は思いますよね。

 翻ってみると、日本の大企業にとって、痛みが伴う決断をし、遂行できるかどうかがすべてだと思います。2000年初頭にも家電業界には厳しい時代がありました。当時、家電・電機業界各社の合計で10万人規模の人材削減が行われました。少なくとも、報道上はそうなっていました。ただ、実際は、営業関連会社に人材を吸収させたり、子会社化したり人数合わせでしのいだのが実態だったと思います。

 しかし、今回は崖っぷちです。もう余裕がありません。

3年計画で取り組む新事業

大胆なリストラをする。その一方で儲かる事業を立ち上げなければなりません。

赤羽:経営者の意識が変わり、果敢に立ち上がって、決めるべきことを決め、取るべき責任を取り、官僚的な組織を壊し、旗を振るようになれば大企業もかなりのスピードで変わります。

 韓国LGグループでの経営改革10年の経験、日本の大手消費財企業での4年の経験からほぼ断言できます。方法論は明確ですし、確立しています。どこをどう動かせば組織がどう動くか、人がどう動くか、明確にイメージできます。

 まずは足場固めとして、既存事業のビジョン・戦略・ビジネスモデル・組織を時代に即して整理し直し、1年後、2年後、3年後の目標を設定し、選択と集中、商品企画・開発力の強化、グローバルな開発・マーケティング体制構築を進めます。

 新事業に関しては、社長直属か、あるいは副社長か事業本部長直属の複数の新事業立ち上げチームを置き、市場導入まで、社内での開発競争を促すことです。

 経営者の視点で、部下に徹底的に要求し、議論し、最善手を打っているかどうか追及し続けます。それがトップの責任です。

 社長がその気になれば、新事業のチームリーダーに、熱意、向上心、柔軟性のある責任者を任命することができるはずです。強力な推進・支援体制を構築して、アクセルを一気に踏むこともできるでしょう。韓国LGグループは今の日本の大企業よりはるかに不利・不安な状況から全力疾走を続け、真剣勝負を続け、今の地位を築きました。もちろん、今もアクセルは踏みっぱなしのままです。

注意すべきことは

赤羽:新事業を進める時には、注意すべき点が幾つかあります。例えば、既存事業のメンバーが新事業部門の足を引っ張ることが起きるはず。表だって引っ張らなくても、土地勘のない領域での新事業で不安な新事業立ち上げメンバーの心を折る発言は容易にできます。本人たちの自覚なく、悪意のある発言ができます。

 したがって、新事業は既存事業から隔離した場所立ち上げを進め、他事業のメンバーとの接触を断つことが大事です。IBMがPC事業に進出した際の例を持ち出すまでもありません。また、新事業であるがゆえに、それに必要なスキル・人材・経験・文化が社内に存在しないことがよくあります。

 そこで命をかけたプロジェクトリーダーを選び、現場に最大限権限を与え、最速で外部から人材を確保し、事業を推進しなければなりません。この時、事業を成功させた経験のない管理部の人間に「管理・支援」をさせるとかなりの確率で足を引っ張ります。

といいますのは?

赤羽:そういった管理部の人間がどんなに好意的・良心的に接しても、新事業のスピードをそぐ方向になりがちだからです。新しい分野での新事業立ち上げは、管理ではできません。

 起業家が必要です。起業家に対して、起業家経験のある先輩が支援しなければその事業を立ち上げは加速しません。少し動いたとしても、それ以上急速に立ち上がることはありません。管理部で口がたつ人は特に要注意です。新事業立ち上げの責任者は容易にやりこめられてしまい、どんどんぶれていってしまったり、管理部の人の自己満足のため、保身のために延々と資料作成をさせられます。

 もし、社長がこういった新事業立ち上げの旗振りをしない場合、下の人間は悩んでしまいます。プロジェクトリーダーを厳選して、複数の新事業プロジェクトを立ち上げ、それを新事業支援チームで支援しつつノウハウを蓄積し、外部のノウハウも積極的に導入して、実績を挙げていくしかありません。当たるも八卦ではなく、十分確率の高い活動として新事業立ち上げを複数推進していくべきです。方法論は確立しています。

 社長が率先垂範し、反対を押し切り、実績を出せば、周囲の見る目が少しずつ変わってきます。ある時点を超えると、本当に雰囲気がガラッと変わってくると思います。 その時、日本のムラ社会は大きく変わり、付和雷同型で雪崩を打って変わっていくと思います。

 うちの社長はそういったことはとてもできない、と社長室長、執行役員が心配する大企業がほとんどかも知れません。そういった社長は本当はすぐ交代していただきたいですが、それがかなわない場合、社長として新事業立ち上げにどう取り組むべきかのガイダンスは十分にできることです。研究開発を成功させたり、新商品をヒットさせることに比べはるかに簡単です。

 私は、LGグループの改革の際、大人数の経営会議で社長が大テーブルの端に据わっていたのを真ん中に据わっていただいたり、社長がジャケットを脱がないと誰も脱げないので、脱ぐようお願いしたりもしました。「寒いかも知れませんが、ジャケットをお脱ぎいただけますか?」とまで言ってです。このレベルのアクション数百の積み重ねで会社は変わります。新事業立ち上げも十分できます。

人間心理学、社会学を無視した再建プログラムはありえない

赤羽さんの再建のお話には、トップと社員の関係といいますか、社員の心理に触れたお話が多いですね。


赤羽:リストラや提携など、再建プランを描くことは外部の専門家でもできますが、組織にいるのは人間です。実際に成功させるには、社員の心理を織り込んだ実務プランが必須なのです。人間心理、社会学を無視した再建などありません。というか、それって当たり前のことですよね?

 日本の風土にあった方法が大事です。

 例えば、日本では、新事業チームを結成しても、なかなか最適な人材を集めることができないものです。で余っている人材だけでチームを構成することも多いのですが、そういうチームが真剣勝負をし、人生を賭け、背水の陣で臨むことは期待しづらいですよね。

 多くの会社では、死にものぐるいで頑張っても、あるいは普通に仕事をしていても、昇給にも昇進にも余り関係ない。逆に、失敗すると評価が下がる。これでは、新事業立ち上げに全力投球しようという人は現れません。

社内ベンチャーではなく、新規事業のための「子会社」をつくれ

 専門である「ベンチャー」を立ち上げるのはどうでしょうか。社内ベンチャー制度です。

赤羽:社内ベンチャーは難しいです。ベンチャーとは完全に名ばかりで、何もリスクがない中で活動しているだけでは、命を懸けた取り組みには到底なり得ません。失敗しても、いずれ本体に戻ることが分かっている制度は研修と同じであり、人事部が頑張っていますというアピールする材料にはなっても、新事業を立ち上げることは難しいです。

 それよりも、新事業としての立ち上げを図る研究所や事業部のチームを、そのまま100%子会社として分社化し、しばらく別会社として運営するというやり方が日本ではいいのではないかと考えています。

 100%子会社でも、別会社として経営することで、リーダーが育ち、経営できる人材が育ちます。経験を重ねるうちに、見違えるほど成長し活躍する社長が生まれてくるはずです。やがて、その会社に「出資したい」という外部企業や投資家が登場し、資金調達の可能性も生まれます。


 この時、経理・管理部門は本社で一括するなど、子会社化する上でのコストはほとんどかけないようにすることも大切です。追加コストを最小化し、新事業立ち上げ支援チームにも問題把握・解決力の高いメンバーを入れ育てて支援すれば、新事業を成功させる確度が高まってくると思います。会社として新事業立ち上げスキルが格段に上がります。

 これまで、日本の大企業はたくさんの子会社を作ってきました。子会社化しても、もともと競争力がなかったり、絶対に成功させるという意気込みがそもそもなかったり、適切な支援がなかったり、多くの場合、既存事業で培われた管理部門・管理体質の押しつけで足を引っ張ったりなどの経営力不足から、赤字垂れ流しも多かったと思います。

 放置すると子会社の内情が見えづらくなり、下手をすると放漫経営の温床になったりとデメリットも大きかったでしょう。

 私が提案している100%子会社化は、あくまで「新事業」にフォーカスし、社長自ら腕まくりして支援し、数社以上競わせて切磋琢磨する環境作りをすることを合わせた、本格的な新事業立ち上げスキームです。

 既存事業の経営改革と、有望な新事業立ち上げは、確実に成果を出せます。大企業の経営者がコミットし、腕まくりして取り組んでいただければ本当に嬉しく思います。


瀬川 明秀(せがわ・あきひで)

日経ビジネス副編集長。日経BPビジョナリー経営研究所 研究員。

キーパーソンに聞く

日経ビジネスのデスクが、話題の人、旬の人にインタビューします。このコラムを開けば毎日1人、新しいキーパーソンに出会えます。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20121112/239314/?ST=print


【第253回】 2012年11月13日 真壁昭夫 [信州大学教授]
二期連続大赤字は“ 負の遺産”からの手切れ金?
崖っぷちのパナソニックに見え始めた「復活への光」
黒字から一転、大幅赤字へ転落
崖っぷちのパナソニック業績予想

 10月31日、パナソニックは2013年3月期の業績予想を、それまでの500億円の黒字から7650億円の赤字へと大幅な下方修正を行なった。これによって同社は、2期連続で7000億円を超える大幅な赤字を計上することになる。配当も63年ぶりに無配に落ち込む。わが国を代表する電機メーカーが、まさに崖っぷちに立たされているのである。

 株式市場は、この大幅下方修正を嫌気して一斉に売りを浴びせ、株価は年初来安値を幾度も繰り返す軟調な展開になった。同じ家電メーカーのシャープ、ソニーの業績も苦戦を強いられており、かつて世界市場を席巻した我が国の家電メーカーは、その威光を完全に失った格好だ。

 国内外の投資家からは、「日本の家電メーカーの業績低迷、株価下落は、現在の日本を象徴する存在になってしまった」との声が聞かれる。

 今回のパナソニックの大幅赤字の背景には、中国経済の減速などで家電製品の販売が伸び悩んでいることに加えて、過去の企業統合などに係る7000億円を越える“負の遺産”の後始末が大きなマイナス要因となっている。

 2013年3月期に“負の遺産”を償却することで、とりあえず後ろ向きの重荷を清算できるものの、今後の業績回復には稼げるビジネスモデルをつくることが必要になる。

 一方、アップルやサムスンは、スマートフォンやタブレットPCなどの売れ筋製品を武器に、日本の家電メーカーとは比べ物にならない収益を上げている。わが国の家電メーカーが軒並み大幅な赤字に落ち込む姿を見ると、まさに時の移り変わりの早さを感じる。

 力の強いものが生き残るのではなく、環境の変化に上手く対応できた種族だけが生き残る――。産業界でも激しい生存競争が続いていることを、思い知らされる。

 2013年3月期の決算予想を見ると、最初に思いつく言葉は“負の遺産”整理だ。具体的にパナソニックは、来年3月の決算で携帯電話、リチウム電池、太陽電池の3つの事業分野を中心に、合計で3000億円を上回る減損処理を実施する。これらは、同社が過去に行なった企業統合などで計上した“のれん代”の償却だ。

大赤字の背景に多額の損失処理
「負の遺産」の1つは“のれん代”

 “のれん代”とは、企業が持つ営業権を意味する。より具体的には、企業を買収する際に、当該企業の純資産評価額と実際の買収価格の差額、つまりプレミアム(割り増し金)だ。

 何故、プレミアムが発生するかというと、将来買収する企業が成長力のある分野を持っていると、その企業を買収するときに、一種のプレミアムを払うことが必要になる。そのプレミアムが営業権=“のれん代”と考えるとわかり易い。

 今回、パナソニックが多額の“のれん代”の償却を余儀なくされる背景には、今まで携帯電話、リチウムイオン電池、太陽電池などの分野で事業統合などを行なったものの、当初考えていたほどの利益を上げることが難しくなったからだ。つまり、これらの事業の収益見込みを間違えたということだ。有体に言えば、経営者が価格の判断を間違ったのである。

 携帯電話事業については、2002年に2代前の中村邦夫社長が、元の松下通信工業を完全子会社にするときに発生した“のれん代”だ。リチウム電池と太陽電池については、先代の社長、現在の会長である大槻文雄氏が買収した三洋電機に係わる“のれん代”などである。

 それを見てもわかるように、来年3月期に見込まれるパナソニックの大幅赤字は、いわば、過去の“負の遺産”を大掃除するためのコストと言えるだろう。

 現在の津賀一宏社長は、来年3月に“負の遺産”を一挙に片づけることを決意したのである。それは、経営者としてそれなりに尊重できる決断と言える。逆に言えば、今までそれを処理しなかった、歴代の経営者の資質が疑われることになるだろう。

 大幅赤字予想のもう1つの理由は、繰延税金資産の取り崩しだ。繰延税金資産とは、今までに支払った税金のうち、将来に負担すべきだった部分について、今後の納税額から控除される金額を言う。

 たとえば、今年100億円の納税を行なったとする。そのうち、来期以降の税金を先払いした部分が10億円あると、その10億円分は、来年以降の納税額から差し引かれるため、結果的に将来の企業の税負担額が10億円分だけ減少することになる。その10億円を、繰延税金資産としてバランスシートの資産に計上しておくのである。

もう1つの「負の遺産」は
繰延税金資産の損失処理

 ところが、今回のパナソニックのように大幅な赤字が続くと、納税額はかなり減少してほとんどゼロになる可能性が高い。そうなると、税金の支払いがないため、税金支払いについて控除を受けることができない。

 しかも、繰延した税金は現金で返ってくるわけではないため、バランスシート上に資産として計上しておくことは適切ではなくなる。結果として、過去に計上した繰延税金資産を損失として扱うことになる。

 2013年3月期のパナソニックの決算予想の中には、こうした繰延税金資産が約4125億円含まれている。この繰延税金資産の取り崩しに伴う損失は、言ってみれば、過去の“負の遺産”を清算するために発生する損失だ。

 同社は、“のれん代”の減損損失2378億円など事業構造改革費用で3555億円、それに繰延税金資産の取り崩しで4125億円、合計すると8000億円近い損失を見込んでいる。こうした決算予想の中身を見ると、パナソニックの2年連続の大幅赤字が“負の遺産”の後始末であることがよくわかる。これによって、パナソニックは、過去の大きな“負の遺産”から解放されることになる。

 来年3月期、パナソニックは“負の遺産”から解き放たれることになる。ただしそれによって、同社がV字型の回復を達成すると見るのは尚早だ。何故なら、重荷を背中から降ろしたものの、今後どのように稼いでいくかというビジネスモデルが描けないからだ。稼げなければ、いずれ同社がジリ貧状態に追い込まれることは明らかだ。

 問題は、何をして稼ぐかだ。かつて、パナソニックが松下電器産業だった頃、同社は“まねした電気”とあだ名されることがあった。この“まねした電気”の呼称は、決して蔑称ではなかった。

“まねした電気”の真骨頂を取り戻せ
経営次第でパナソニックの復活は可能

 当時の松下電器は、他のライバルが開発した新製品によく似た製品を、すぐに世に送り出す手法に定評があった。つまり、ライバル企業の真似をするので、“まねした電気”だった。

 しかし、ただ真似をするだけではなく、松下電器が出す製品は、多くの場合、本家本元の製品よりも使いやすい工夫がなされていることが多かった。そのため、当時の松下電器は、ライバルに遅れることなく高収益を維持することができた。それが、松下電器のカルチャーであり、有効なビジネスモデルだった。

 ところが、1990年に米国のMCAを買収した頃から、松下電器に少しずつ変化が見られた。その後、半導体分野に進出したり、様々な分野にテリトリーを広げた。2000年代に入ると、傘下の通信メーカーを完全子会社化して携帯電話に参入したり、三洋電気を買収して、太陽電池やリチウムイオン電池などの分野に出て行った。

 これらの分野は、当時としては相応の成長性が見込める分野であり、経営判断自体は間違っていなかっただろう。しかし問題は、これらの分野で韓国や中国企業などの追い上げが厳しくなり、激しい競争によって収益性を確保することが難しくなったことだ。

 そうした状況を考えると、「ダメならすぐに撤退を考える」という姿勢が必要だった。パナソニックは、それができなかった。長期間、赤字を垂れ流した薄型テレビが良い例だ。

 そうした状況を変革するのは、経営者しかいない。しっかりした経営判断を行なうことができれば、パナソニックには十分な再建余地はあると見る。アジア諸国中心に、パナソニックの高いブランド・ロイヤリティは、今でも充分に通用するはずだし、白物家電分野だけ取ってみても、まだ収益をひねり出す機会はあるはずだ。

 そうした機会を生かすことができるか否かは、経営者の判断にかかっている。期待を持って成り行きを注視したい。
http://diamond.jp/articles/print/27784

超大手の手が回らないニッチを狙え!

新風巻き起こす小型風力

2012年11月13日(火)  宇賀神 宰司

 海岸や平原などで巨大な風車がビュンビュン回る風力発電装置。原発事故以降、太陽光発電、地熱発電などとともに期待が集まる再生可能エネルギーだ。

 風力発電は風車の半径の2乗に比例して発電量が増えることから、発電効率の向上を狙って、日本では大型風力発電の建設が相次いだ。

 しかし、5年ほど前から、大型風力発電の新規建設が難しくなった。大型風車が出す騒音や低周波による周辺住民への健康被害が深刻化したことが背景にある。

 そこで注目が集まるようになったのが洋上風力発電だ。海岸の沖合いに設置する洋上風力発電は住宅地から離れているため騒音公害の心配がない。さらには一般的に、海上は陸上に比べて風力が安定しているため発電効率もよい。複数の実証実験が国内で動き出している。

 問題は設置コスト。陸上に比べ2〜4倍かかると言われている。当然だが、いちいち海上に出かける必要もあり、保守費用も割高になる。設置には漁業関係者などとの調整が必要といった課題もある。

 プロジェクトの規模も巨大で、これまでは超大手企業でないとなかなか手がけられないと言われてきた。

騒音を減らすなら羽を短くすればいい

 だがここに、巨大化する一方の風力発電に挑む1社のベンチャーがある。福岡県筑紫野市にあるウィンドレンズだ。

 「風力発電が陸上に設置できないのは、風車が騒音や低周波を出すからだ。羽根が風を切るときにより生じる騒音や風車の支柱と羽根の干渉による低周波の発生を防ぐには、羽根を短くすればいい」

 逆張りの発想で同社の高田佐太一社長が着目したのは小型風力発電だ。

 前述のように風力発電は風車の羽根が大きいほうが発電量が増える。小型化すると騒音問題は解決するが、十分な発電量を確保できない。

 そこで同社が着目したのが、「風レンズ」と呼ぶ風車を抜ける風力を増やす技術だ。社名のウィンドレンズもここから取った。「光を1点に集めるレンズのように、周囲の空気を巻き込んで風力を増やすことから風レンズと名付けた」と高田社長は話す。

 販売している風レンズ風車は高さ13.4m、羽根の直径はわずか2.5m。だが、一目で通常の風車との違いは分かる。


「風レンズ風車」の羽根を持つウィンドウレンズの高田佐太一社長(左)。九州大学の伊都新キャンパスに設置した風レンズ風車(右)(撮影:笹山明浩)
 福岡市と糸島市にまたがる九州大学の伊都新キャンパス。東京ドーム約60個分の275ヘクタールという広大な敷地の中に、風レンズ風車が点在する。写真のように羽根の外側にフードが取り付けられている。これがポイントだ。

 このフードにより周囲に気圧の差を生み出し、風速が1.4倍に増加する。風力発電の発電量は風速の3乗に比例するため、風速が1.4倍なら発電量は約3倍になる。この技術により羽根が小さくても風車はパワフルに回る。

 実際、筆者が伊都新キャンパスに訪れた日、風は弱かったが、ふと肌に風を感じた瞬間、風車も回りだした。1基で5キロワットの出力がある。風車の直径が12メートル、出力100キロワットの製品も開発した。「この程度までなら騒音や低周波による被害は抑えられる」(高田社長)との判断からだ。

 風レンズ風車は自治体や教育機関などへの設置とともに、一般消費者からも問い合わせが多く寄せられる。海岸や平原など一定の風力が確保できないと、風レンズ風車と言えども十分な発電が得られないため、設置可能な場所は限られるが、着実に市場は広がっているという。

 5キロワットの小型風力発電の設置費用は現在400万円程度。高田社長は「年間1000台まで量産できれば200万円まで下げられる。5年以内に実現したい」と意気込む。

可能性にかけて起業

 高田社長はもともとポンプ製造の酉島製作所で大型風力発電の施工を担当していたが、設置が難しくなったことから同社は事業を縮小。高田社長も担当を外れた。

 フードを搭載した小型風車は、九州大学の大屋裕二教授が2004年に取得した特許をベースに開発したもの。風力発電の可能性を捨て切れなかった高田社長は大屋教授から風車の共同研究の依頼を受けたのを機に、小型風力発電の市場を切り開くべく、2008年にウィンドレンズを立ち上げたのだ。

 風車が大型化して、効率と騒音公害を避けるため洋上へ。巨大発電所が主流になれば大企業や政府でないと手がけられない事業となり、ベンチャーの出る幕はなくなる。

 そこを逆張りの発想で小型風力に注目して、風力の弱さを技術力で解決した。まさにこうした技術革新とその事業化こそがベンチャーの役割だ。

 高田社長は「風力のような巨大インフラ産業ではベンチャーはとても太刀打ちできないと言われた。しかし、風レンズ風車のような小型の製品は、ベンチャーだからこそ手がけられる。設置には細かい準備が必要で大手企業はそこまでしてまで参入しようとは考えない」と明言する。

 ウィンドレンズのようなベンチャーがどんどん生まれてくれば、エネルギー産業はもっと活性化して、日本が抱えるエネルギー不足の解決にもつながっていくだろう。


宇賀神 宰司(うがじん・さいじ)

日経ビジネス記者。1993年に日経BP社に入社し、パソコン専門誌「日経MAC」「日経クリック」「日経WinPC」の編集を担当する。2002年〜2004年、米ニューヨークに留学。帰国後、中小企業のためのIT化情報サイト「SMB+IT」「日経ベンチャー(現・日経トップリーダー)」の編集を経て、2007年から「日経ビジネス」編集部。流通、中小ベンチャー、マネジメント、IT(情報技術)を担当する。2011年、約4カ月にわたりケニアの首都ナイロビに滞在。趣味はサーフィン、スノーボードとサンバ楽器演奏。


記者の眼

日経ビジネスに在籍する30人以上の記者が、日々の取材で得た情報を基に、独自の視点で執筆するコラムです。原則平日毎日の公開になります。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20121108/239216/?ST=print



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記事 [経世済民78]  ユーロを救うのは競争力に非ず 土に憧れるIT長者 大学にもインセンティブを


JBpress>海外>Financial Times [Financial Times]
ユーロを救うのは競争力に非ず
2012年11月13日(Tue) Financial Times
(2012年11月12日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 ドイツでは2002年の総選挙の後、政府が労働・福祉分野を中心とする一連の経済改革に乗り出した。ドイツ経済は2005年頃まで伸び悩んだが、その後は着実に回復し、2009年の景気後退までそれが続いた――。

 事実は確かにこの通りだ。しかし欧州では、この改革が新たな「ドイツ経済の奇跡」をもたらしたという物語が流布している。

前後即因果の誤謬

 この物語は前後即因果の誤謬、つまり、Aという出来事はBという出来事より先に起こったからAはBの原因だという誤った認識の一種にほかならない。まず改革が行われた。その後、経済が成長した。したがって両者の間には因果関係があり、したがってこの図式はほかの国にも適用できるというわけだ。

 欧州の当局者は一人残らずこの議論の連鎖を受け入れているらしく、これによる誤ったロジックを今度はフランスに当てはめようとしている。


オランド政権はガロワ報告書の提言を取り入れ、フランスの競争力向上を図る政策を打ち出したが・・・〔AFPBB News〕

 フランスでは先週、航空宇宙大手EADS元会長のルイ・ガロワ氏が、フランスの競争力を高める方法をまとめた報告書を提出した。この報告と、それに伴って始まった議論からは、改革の性質を巡る知的混乱がさらに広がっている様子がうかがえる。

 筆者が見る限り、ここには3種類の誤認が隠れている。ドイツの改革の効果についての誤認、フランスで、かつイタリアとスペインで今必要とされる改革の種類についての誤認、そして競争力に重点を置くことについての誤認の3種類だ。

 第1の誤認はドイツに関するものだ。ドイツ経済は第2次世界大戦後、外国為替の固定相場制の下で力強い成長を遂げた。

ドイツの経済改革と経済パフォーマンス改善の関係

 ドイツ経済の最初の奇跡は、1950年代から1960年代にかけてのブレトンウッズ体制の時代に実現したが、ドイツはこの時、同体制下のほかの国々に対して実質為替レートを引き下げることに成功していたのだ。

 今のドイツがユーロ圏で全く同じことをして繁栄を謳歌しているのは、何ら不思議なことではない。2000年代初めの経済危機後に見せた景気回復は、長期にわたる賃金の抑制によるものだった。


ドイツでも2000年代半ば頃までは経済改革に反対したり、賃上げを要求したりするデモが相次いでいた〔AFPBB News〕

 では、ドイツの経済改革と賃金の抑制との間には、何か関係があるのだろうか? もし関係があったのであれば、10年前の経済改革とその後の経済パフォーマンス改善との間に因果関係を見いだすこともできるだろう。

 この問いに答えるためには、賃金政策と失業の間に見られるトレードオフ関係の性質と、当時存在したほかの要因に目を向ける必要がある。

 ドイツの労働組合は失業の発生を防ぐために賃金の引き下げを受け入れたが、その一方で、インフレと失業のトレードオフの性質――いわゆるフィリップス曲線――はずっと安定的だった。

 つまり、ドイツの労働組合と雇用主はこの曲線に沿って、以前よりも賃金水準が低く雇用が多い状況に移動したが、経済改革がこのトレードオフ自体の性質を変えたわけではなかったのだ。

 では、当時の経済改革は、労働組合にこのようなトレードオフを受け入れさせることによって、この曲線上の移動に少なくとも手を貸したという可能性はないだろうか? この問いに答えるのは上記の問いに比べると難しいが、労働組合があのような行動を取った最大の理由は中欧へのアウトソーシング(業務委託)の進展という一種の外的ショックにあるというのが筆者の直観的な見立てだ。

 労働者がよその地域に移動することがあまりない国では、工場が1つ閉鎖されると、なかなか解消されない失業が発生してしまうからだ。

フランスやスペインに必要な改革

 第2に、フランスの経済問題を解決するには、賢明かつ的を絞ったアプローチを取るべきである。

 フランスとスペインは、ともに若者の高失業に苦しんでいる。この問題はよく理解されており、分断化された労働市場に原因があることが分かっている。終身雇用契約を結んでいる労働者は守られているが、それ以外の労働者や若者は冷遇されているという分断だ。

 スペインでは若者の失業率が52%に達しており、経済改革ではこの問題に最優先で取り組む必要があるだろう。

 したがって、具体的かつ明確な目的のある改革――終身雇用契約と有期雇用契約の区別を取り払う単一労働契約の導入、年金改革など――と、その効果が実証されていない改革とは区別して考えるべきだ。また、純粋に右翼的なイデオロギーから生じている改革とも区別すべきだろう。

競争力という漠然とした概念

 第3に、競争力なるものにいつも注目が集まるのはなぜなのだろうか? ビジネスに携わる人々は競争力の話ばかりしているが、実を言うと、この概念はマクロ経済においてはそれほど役に立たない。

 これは2つの概念が融合してできている。1つは、実質為替レートで表現されるマクロ経済の競争力。もう1つは、その国の技術力のダイナミズム(活発さ)を表す全要素生産性(TFP)だ。


単位労働コストの引き下げをユーロ圏の共通政策にすると、ゼロサムゲームになる〔AFPBB News〕

 単位労働コストの引き下げがその国の利益になるのは、引き下げるのは自国だけでほかの国々は引き下げない場合に限られる。単位労働コストの引き下げをすべてのユーロ参加国の政策として主張しても、ゼロサムゲームに終わるのがオチだ。

 すべての国がこれを同時に引き下げることはできない。ユーロ加盟国は単位労働コストをドイツ並みの水準に引き下げるべきだという主張があるとしても、ドイツがその間に同じことをしないと考える理由はどこにもないのだ。

 となれば、残るのはTFPだ。TFPの引き上げは結構なことだが、それなら競争力などという曖昧な概念を間にはさんだりせず、TFPに直接的を絞った方がいいだろう。また、我々はTFPなるものを、自分たちが思っているほどには知らないかもしれない。

国際収支の危機の解決が先決

 具体的な改革は効果を上げる可能性がある。しかし、今回の危機は結局のところ国際収支の危機なのであり、構造改革でこれを解決できるなどと思い違いをしてはいけない。

 欧州はこの危機を先に解決しなければならない。ヨーロッパ人は、制度改革や構造改革を巡る昔からの議論に時間を費やしたがるが、そんなところに逃げ場を求めてはいけない。制度改革や構造改革はどうでもいいというわけではないが、今の危機の解決にはどちらも無関係なのだ。

By Wolfgang Munchau
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/36532


【第8回】 2012年11月13日 佐藤芳之(さとう・よしゆき/オーガニック・ソリューションズ・ルワンダ代表)
ケニアが育てた100万人の“グランパ”(1)
土に憧れるIT長者
100万人の“グランパ”(おじいちゃん)と呼ばれたすごい日本人がアフリカにいた!
20代で単身アフリカに渡って50年――。ケニアで年商30億円のナッツ工場を経営し、国の人口の40人に1人にあたる100万人の生活に関わっていた伝説の日本人起業家、佐藤芳之さん(73歳)。
4年前、ナッツ工場をタダ同然でケニア人の同僚に売り払った佐藤さんは、68歳にしてルワンダに移り、公衆衛生ビジネスでゼロからスタートを切った。次なる目標は50年で新たに100万人を養うこと。
座右の銘はジェームズ・ディーンが残した「永遠に生きるがごとく夢みて、今日、死ぬがごとく生きろ」。その言葉を半世紀以上にわたりアフリカの地で実践してきた佐藤さんの目を通して見える世界とは……

動物から人間に変わる瞬間


1939年生まれ。宮城県南三陸町で幼年期を過ごす。1963年、東京外国語大学インド・パキスタン語科を卒業後、アフリカ独立運動の父エンクルマに憧れて日本人初の留学生としてガーナへ渡り、東レ・ミルズに現地職員として入社。製材工場、鉛筆工場、ビニールシート工場、ナッツ工場など、小規模な工場を次々と立ちあげ、うち一つを最終的に「ケニア・ナッツ・カンパニー」として年商30億円の企業にまで成長させる。2008年に同社をタダ同然で譲渡したのちは、ルワンダに移り、バイオ液を利用した公衆衛生事業に取り組んでいる。現在73歳。趣味は水泳と草原で聴くマーラー。怖いものは妻。
 東京に降り立つと、自分が動物から人間へ変わるのを感じる。

 私が半世紀前から生きているのは、他人の食糧を盗んだ者が当然のように殺されたり、一夜のうちに大事な畑をゾウの群れにめちゃくちゃにされてしまったりするような場所だ。また、4年前からビジネスを本格的にはじめたルワンダでは、みなさんもご存知の通り、たったの100日間で80万〜100万人が殺された。

 日本にいると「一人の命は地球より重い」と言われたりするけれど、アフリカにいると「一人の命はパンよりも軽い」と実感する。動物がサバンナで生き延びるように、誰もが食べるために一生懸命だ。

 そういう場所から飛行機で16時間ほどで辿りつくと、東京はまるで別世界。何者からも命を狙われないし、無防備な恰好でぼーっと歩いていても危険な目にあうことはない。だから、着いて数時間が経つと、自分が動物であることをすっかり忘れてしまう。肉体ありきの存在であることが頭から抜け落ちてしまう。

 そうして人間になった私は東京の街中で、スマートフォンをいじりながら進む人々のあいだを歩いていき、難しいチャートやパワーポイントを持ち出してくるビジネスマンと話したり、眼鏡をかけた細面の記者や編集者と会ったりする。心地のいい椅子に座ってコーヒーを飲み、ガラス越しにビル群を眺めているうちに、たくさんの言葉が交わされて物事が進んでいく。

 このギャップは一体何だろう?

 半年に一度ほど東京を訪れるたびに考え込んでしまう。

洗練された頭脳が勝つ世界

 このあいだ、外資系のコンサルティング・ファームの人と話す機会があった。仕立てのいいスーツと誰からも好感を持たれそうなピンストライプのシャツに身を包んだコンサルタントは、気持ちのいい笑顔を浮かべて私に挨拶をした。

 挨拶のあと、たがいのバックグラウンドについて一通り話し、それからビジネスの話に入った。複雑なデータが分析され、緻密な予測が立てられ、最後に実に理にかなった解決策が提示される。すべてがとてもソフィスティケート(洗練)されていて、ロジカルで美しい。

 彼らはこの地球上でおそらくピカイチの頭脳の持ち主だ。国内外のベストの大学を卒業して、「東京にタクシーは何台走っているでしょう?」「マイクロバスにピンポン球はいくつ詰められるでしょう?」という難問奇問に難なく答えて入社、「アップ・オア・アウト(昇進するか、辞職するか)」の厳しい競争を勝ち抜いていく。彼らはエリートとして社会から一目置かれ、サラリーマンの平均給与よりもずっと高い報酬を手にする。

 思うに、彼らは「人間」の頂点に君臨する存在なのだ。平たく言えば、「一番アタマのいい奴」。動物的なものをとことん削ぎ落として、人間的なものを極限まで高めていく。日本、とりわけ東京という場所は、ニューヨークよりも、ロンドンよりも、世界中のどの都市よりも、彼らのような人材が生きやすい場所だ。身の安全が完全に保証されていて、あらゆる物事が腕力のあるなしではなく、言葉と論理を操る力で決着していく。

グローバル・ビジネスの本当の姿

 先日、娘夫婦が住むベルギーの港町・アントワープを訪ねた。

 みなさんもご存知の通り、ベルギーは1885年、当時の国王レオポルド2世の時代にアフリカのコンゴを私有地化し、1908年からコンゴ民主共和国として独立する1960年まで植民地支配を続けた。その植民地時代にアフリカから持ち帰った収集品が、最近新装されたアントワープ美術館に展示されていた。

 その美術館へ、私はベルギーの建設・開発最大手のDredging, Environmental and Marine-Engineering N.V.を経営するベルギー人の友人と出かけた。彼は今年のロンドン・オリンピックを手がけ、次回のブラジル、リオ・デ・ジャネイロ・オリンピックでもチャンスをものにしようと虎視眈々と狙っている。要するに、超やり手の実業家だ。

 館内にずらりと並べられた「収奪の歴史」を二人で眺めていた時、彼がぽつりと言った。「ビジネスの競争はここにある『収奪』と少しも変わらない。『奪うか奪われるか』『やるかやられるか』だ」。世界中でハードなビジネスを勝ち抜いてきたすご腕の彼が、レオポルドヴィル(現在はコンゴの首都、キンシャサ)からベルギーに向けて発つ船の荷役作業を映す古びたビデオを前に立ちすくんでいる。その姿を見て、グッと来るものを感じた。

 私自身も24歳でアフリカ・ガーナに渡ってから、これまでに製材工場からはじまって鉛筆工場、ビニールシート工場、ナッツ工場……と実にいろいろなビジネスをやってきたけれども、彼の言葉には「そうだよな」と共感する。

 日本、特に世界でも稀に見るほど洗練された街・東京にいると、つい忘れてしまうが、ビジネスとは「生きるか死ぬか」「殺すか殺されるか」のとても動物的でシビアな世界なのだと思う。

 たとえば、以前、僕がケニアで経営していたナッツ工場でこんなことがあった。当時、銀行に口座を持っている人などほとんどいなかったし、送金のシステムも整っていなかったので、工場では給料を現金で手渡すことになっていた。すると、その金を目当てに「強盗偽社員」があらわれて、給料をもらう長い列に紛れ込む。

 すると、その「偽社員」を見つけるやいなや、本物の社員たちは彼を袋叩きにして殺してしまうのだ。そばにいる警備員は見て見ぬ振り。後になってやって来た警察官も「偽社員」の無惨な遺体を見て「よくやった」と褒めている。当然、殺した側が罪に問われることもない。人の仕事の報酬を盗んで人の生存権を脅かす者は、死んで当然なのだ。

 ビジネス=仕事とは、本来「生きるか死ぬか」の問題、命の問題なんだと、その一件の報告を受けてつくづく思った。そして、労働の報酬を手に入れられるかどうかは「殺すか殺されるか」の問題なのだ。ここではアフリカ(ケニア)の例を引き合いに出したが、北米、ブラジル、ヨーロッパ……と、これまで地球上のさまざまな場所でビジネスをしてきた経験からしても、あのベルギー人実業家の言葉は真実を言い当てていると思う。

「土を耕したい」と言ったIT起業家

 次回掲載号(11月27日)にも書く予定だが、「アフリカへ行きたい」と訴えて私のもとを訪れる日本人は結構いる。たいていは大学生だが、なかにはすでに専門の仕事を持っている社会人もいる。

 最近、あるIT起業家と知り合った。まだ30代半ばだが、すでに成功し30代前半にして年収は10億円を超えていたらしい。もちろん生活は悠々自適で、ゴルフ三昧の日々を送っている。私の30代前半といえば、結婚したものの定職にも就かず、でも漠然と「留学をしていたアフリカに戻って何かやりたいなあ」と思いながら当てもなくパチンコ屋に通う日々だった。そんなことを思い返しつつ、彼の話を聞いていた。

 別の日には、FTSEグループに務める女性とも話す機会があった。FTSEグループといえば、ロンドン証券取引所の子会社で債券や株のインデックス(指標)を作っている企業だ。

 二人には共通するものがあった。それは、「土」への憧れ。アフリカで土地を耕して、ナッツやコーヒーの木を植えて収穫する。そういう本当に原始的で、肉体的な仕事に二人は強く惹かれたらしい。結局、二人には、これからルワンダ、ウガンダ、ブルンジで新たにはじめようとしている農業資材ビジネスに協力してもらうことになった。

 普通に暮らしていれば命が危険にさらされることなど万に一度もないような環境で、頭脳をフルに発揮しエリートとして生きている二人。その二人が、アフリカの地で作物を育てるという、このうえなく泥臭い仕事に惹かれるのは、考えてみれば、皮肉なことだなあ、と思う。

 「未来はアフリカにあるのかもしれない」。50年前に初めて足を踏み入れた時には思いもしなかったけれど、今になると、そう実感する。人類は与えられた頭脳を働かせて、便利なものを次々に生み出し、複雑な経済や社会のシステムを作り出しはしたけれど、最後の最後に求めるのは、人間としてではなく動物として土に触れたり、何一つさえぎるものがない大空を眺めたりすることなのかもしれない。

                   (次回は11月27日更新予定です)
http://diamond.jp/articles/print/27363


【第68回】 2012年11月13日 出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役社長]
大学にもインセンティブを!
予算やお金の面から考える教育改革
 田中文科相の新設大学認可を巡る一連の騒動は、擦った揉んだの末に、ひとまず、常識的な線に落ち着いたように思われる。しかし、少子高齢化にもかかわらず、年々大学の新設が認可され、大学数が増え続けていくことに、一抹の疑問を抱く向きは少なくない。わが国の現在の大学の在り方について、100%納得している市民は、恐らく決して多くはないであろう。今回は、大学改革について考えてみたい。

予算は大学にではなく
学生につけるべき

 わが国の大学には、大量の国費(税金)が投入されている。文科省のHP(大学関係者の皆様へ)によると、今年の大学関係予算は、総計でおよそ2兆円近くにのぼる。在学者数は約300万人であるから、1人当たり、約65万円の税金が費消されている計算になる。

 わが国の大学等進学率は57.6%(2011年)、これに対して、アメリカの進学率(フルタイム)は54.5%(2008年)、英国の進学率(フルタイム)は66.1%(2008年)、フランスは41.0%(2009年)、ドイツは26.5%(2009年)であるから、わが国の大学の数自体は、決して少ない訳ではない。

 また、大学に対する公財政支出の投入割合を見ると(2008年)、わが国の0.5%(対GDP、これに加えて私費負担が1.0%)に対して、アメリカが1.0%(私費負担1.7%。以下同じ)、英国が0.6%(0.6%)、フランスが1.2%(0.2%)、ドイツが1.0%(0.2%)となっているので、わが国の高等教育費の水準自体は、欧州諸国と比べればそれほど大差はないが、公財政支出と私費負担の割合が、欧州諸国とは逆転していることが読み取れよう。

 このように見てくると、大学に対する公財政支出は、将来的には増やす方向で検討すべきだと思われるが、現下のわが国の厳しい財政状況を勘案すれば、まずは、現行の約2兆円をより効率的に使うことが、何よりも肝要であろう(以上の数値データは、何れも文科省HP「教育指標の国際比較」(平成24(2012)年版)による)。

 それでは、どのようにすればいいか。国立大学と私立大学とをどのように按分するか、いくつか割り切らなければならない技術的な問題はあるが、原則として、予算を大学にではなく、学生につければいいと考える。すなわち、前年の学生の在籍数に比例して、予算を配分するのである。

 要するに、学生が選んだ良い大学は年々予算が増え、そうでない大学(例えば定員割れの大学等)は、予算が減って、自然淘汰が進むことになる。顧客に選ばれない企業が倒産していくように、学生に選ばれない大学も、本来は淘汰されるべきなのだ。

 このような仕組みを上手く予算に組み込めば、大学は、学生に満足のいく教育を必死に行おうと努力するだろう。すなわち、教育の質を高めるべく、健全なインセンティブが大学に働くことになるのである。

先生にも授業を
必死で行うインセンティブを

 大学の次は、先生の番である。わが国は、既に課題先進国であって(キャッチアップは、20世紀に終わりを告げた)、自分のアタマで考える優秀な学生を、必死に育てていかなければならない状況下にある。そうであれば、大学の先生方にも、教育に必死になって取り組まざるを得ないようなインセンティブを付与することが望ましい。

 そして、その方法は、それほど難しいものでもあるまい。例えば、先生方の年俸の半分は研究に対する報酬であり、半分は教育に対する報酬であると割り切ってみることにする。教育に対する報酬部分は(教育の)受益者である学生のアンケートを参考に上下させればいい。アンケートには、

 @予習教材の指定等、シラバスに沿った事前準備の指導
A授業の分かりやすさや工夫の仕方
B学びの量質両面にわたる豊かさ
Cシラバス通りに講義が進捗したかどうか

 等を細かく記入させ、5段階くらいで評価して、その評価を報酬に反映させる。例えば、5ランクは+10%、4ランクは+5%、3ランクは±0%、2ランクは−5%、1ランクは−10%といった具合にである。

 学生の評価を導入すると、全員合格させる等、学生に媚びる先生が出てこないか心配になるという声がない訳ではないが、それは杞憂に過ぎないと考える。シラバス作成の段階で、例えば優は全体の10%、良は30%、可は30%、不可(落第)は30%といったように、予め合否判断の基準を大学で定めておけば、それで事足りるのではないか。

 一度教授に昇格すると、十年一日のごとく、全て同じ講義を繰り返し、それで定年を迎える先生もいるという噂を聞かないでもないが、授業に情熱を注ぎ込み、学生を鍛えることに生き甲斐を見い出す良い先生を育てる為のインセンティブは、およそ高等教育には欠かせないと考える。

 研究に対する報酬についても、最終的には何らかのインセンティブを付与することが望ましいが、多くの学生の声が反映される教育の方が、よりインセンティブを与えやすいと思うので、まず、教育に対する報酬を変動化させることから始めるべきではないか。

 ともあれ、学生に対する日々の教育に必死に取り組んでいる先生と、十年一日の如くの先生とが同じ報酬であるという悪平等は、早急に是正されるべきではないだろうか。大学には自治があり、教授を選ぶのは教授会の固有の権限であるとお叱りを受けそうだが、大学に教育を行う責務がある以上、少なくともその部分については、パフォーマンスによって大学の行政当局が先生方の報酬を上げ下げしても、大学や教授会の自治を侵すことにはならないと考えるが、どうか。

高等教育費の私費負担部分は
原則ローンで代替させよ

 大学と先生方にだけインセンティブを付与し、学生にインセンティブを付与しないのは明らかに不公平である。前述したように、わが国の高等教育費に占める私費負担の割合は相当に高く、生まれた家庭が貧しければ大学には行けないのではないかという指摘も一部に散見される。そうであれば、生活費を含めて、大学生活にかかる費用は、原則として、銀行ローンで賄うようなシステムに変えてはどうか。

 わが国の法人企業は1997年以来貯蓄超過状態にあり、高度成長と人口の増加を前提とした住宅ローンにも将来多くを望めないであろう銀行の活用策としても、学生ローンは、十分社会的な意味があると考える。私費負担部分をローンに代替させれば、次のようなメリットが得られるのではないか。

 @効果(卒業資格)対費用(ローン)を多くの学生が真剣に考えるようになり、本当に大学に進学したい若者だけが進学するようになる。

 A優秀な学生(例えば、上位10%)には、卒業時の成績証明書の提示でもって、ローンの返却を(一部)免除すれば、必死に勉強する大学生が誕生する。勉強だけが全てではないという声もあると思うが、そうであれば、例えばオリンピックのメダリストや全日本選手権で優勝した学生も上位10%に準じるように扱えばいいと考える。免除した部分は税金で補填すればいい。公共事業を増やすよりは、わが国の中長期的な成長に資するだろう。

 B前述したように、例えば30%の学生は落第させるというスタンダードを確立すれば(落第すればローンがそれだけ嵩むことになるので)、大学全体が必死に勉強する風土へと転換される。

 もちろん、以上の方策は、例えば大学が自己責任で資金を集めて、優秀な学生に奨学金を付与するような制度を決して妨げるものではない。また、グローバルに優秀な学生を集め、必死に勉強する大学を創っていくためには、秋入学の早期実現や青田買いの禁止等、やるべきことは他にもたくさんある。今回は、予算やお金を梃子にして、大学、先生、学生にインセンティブを与える方法を中心に、私見を述べてみた次第である。

 なお、本文とは関係がないが、前回のコラムで、「日本の将来は明るい!」と書き、女性の活躍を期待すると述べた。ところで、11月11(日)の日経新聞サーベイ欄(9面)によると、「管理職の女性割り当て『賛成』54%」とあるではないか。クオーター制に対する市民の理解が、これほどまでに進んでいるとは、正直なところ、筆者には驚き以外の何物でもなかった。改めて、「日本の将来は明るい」と実感したことを、ここに付言しておきたい。

(文中意見に係る部分はすべて筆者の個人的見解である。)
http://diamond.jp/articles/print/27783


http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/500.html

記事 [原発・フッ素28] 原発ゼロすぐに 各地の11・11(しんぶん赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-11-13/2012111316_01_1.html

「しんぶん赤旗」 2012年11月13日(火)
原発ゼロすぐに 各地の11・11

 「即時原発ゼロ」「再稼働反対」などをかかげて11日、全国各地で集会やデモ、パレードなどが繰り広げられました。(大阪府で予定されていた「LOVE脱原発OSAKA1111」は、荒天のため中止になりました)


(写真)雨の中、国会前に集まった人たち


(写真)「原発なくせ」の思いひとつに首相官邸前で訴える人たち

大間つくるな


(写真)青森県大間町で「原発建設工事中止」などを唱和しながらデモ行進する集会参加者たち

 青森県大間町では、大間原発建設工事の即時中止を求める集会が、380人の参加で原発敷地の隣接地で開かれました。

 大間町で、原発建設反対の声を上げ続ける佐藤亮一さんは、「原発反対の町民はもっといる」とのべ、参加者の大きな拍手に包まれました。

 北海道函館市から駆けつけた「大間原発訴訟の会」の竹田とし子代表、青森県労連の奥村榮議長らが、「原発をゼロに」などと訴えました。日本共産党から高橋ちづ子衆院議員らが参加しました。

政治を変える


(写真)札幌市のデモ行進で先頭を歩く畠山和也代表委員(前列左)、泊原発原告団の常田益代副団長(同中央)

 北海道では「11・11札幌アクション」が札幌市内で開かれ、1000人が参加しデモ行進しました。

 原発問題全道連絡会の畠山和也代表委員は主催者あいさつで「今度の選挙で原発ゼロの国会議員を多数にする活動を強めよう」と訴えました。

 函館市では「ストップ! 大間原発、原発ゼロへ」の集会とデモがおこなわれ、400人が参加しました。

 日本共産党の紙智子参院議員が「政治を変えて大間原発の建設を中止させよう」とよびかけました。

いのち守ろう


(写真)JR福島駅前で「即時原発ゼロ」を訴え、宣伝行動する、福島共同復興センターの人たち

 福島県では、県内7カ所で集会やパレードなどがおこなわれました。福島市では、JR福島駅前通りでリレートークと宣伝署名行動。約80人が参加し、横断幕や「原発ゼロ 放射能からいのちを守ろう」と書いたのぼりなどをかかげ、にぎやかに取り組みました。

 日本共産党からも、渡部チイ子衆院1区候補らが訴えました。

 全町避難の浪江町から10年前、福島市に転居した女性(60)は、「いたたまれない思いで署名した。政府は、つらい暮らしをしている人の生活を見てほしい」と語りました。

子の健康考え


(写真)福岡市で「原発いらない」などと唱和しながらデモ行進する参加者

 福岡県内では、実行委員会などが主催する「さよなら原発11・11集会」の福岡市会場に1000人、北九州市会場に500人余が参加。そのほか、つどい(大牟田市)やパレード(久留米市)など6カ所、計約2000人が参加しました。

 福岡市会場の冷泉公園では、「100人の母親たち」トークの亀山ののこさん(写真家)がマイクを握り、「子どもの健康のことなどを考えると原発問題は無関心ではいられない」と訴えました。

立地県でノー


(写真)福井市内をパレードする参加者たち

 関西電力大飯原発をかかえる福井県でも集会やパレード、ライブがおこなわれました。

 福井市の集会には約250人が参加。敦賀市に住む元原発労働者や福井県出身の歌手、僧侶が「再稼働などありえない」と訴えました。

 坂井市では、毎週金曜日に福井市内の関電前抗議行動を呼びかけるレゲエ歌手のSing J Roy(シング・ジェイ・ロイ)さんらが、平和で原発のない未来への思いをこめてライブをおこないました。

子どもも一緒


(写真)子ども連れの参加者が目立った高知市の集会

ゼロまで粘る


(写真)鳥取県米子市で原発ゼロを訴えて餅つきをする人たち


<関連キーワード>

エネルギー
原発

* 写真は「しんぶん赤旗」日刊紙(16面)から 
http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/656.html

記事 [議論30] 人類はすでに長い間 より愚かになっている 学者調べ
人類はすでに長い間 より愚かになっている 学者調べ
http://japanese.ruvr.ru/2012_11_13/jinrui-oroka-ni-natteiru/


スタンフォード大学の研究グループが発表した報告によれば、人類は知的能力、感情能力を失い続けているという。

トレンズ・イン・ジェネティックス誌に掲載された研究によれば、知性および感性は遺伝的変異に最も影響されやすく、そのような変異は最近知性の向上にはつながっていないという。人類は生産発展と都市化のなかで、そのような知性を必要としていないことが理由だという。

デイリーメール紙によれば、知性の低下が技術にとって脅威となる頃には、進化の方法としては時代遅れとなった自然淘汰という方法に代わる手段が遺伝学者によって考えられるだろうと指摘している。
ーーーーーーーーーーー

やっぱりなー
て感じなんだけどがっくり
環境と食物が関係有ると思う

脳の劣化した人間は自分の脳の劣化に気が付かない
http://www.asyura2.com/09/dispute30/msg/730.html

食料自給率、競争、文化としての農村、腐らない野菜が食べたいよ
http://www.asyura2.com/12/senkyo138/msg/662.html

http://www.asyura2.com/09/dispute30/msg/745.html

記事 [テスト27] 注意!人権法審議入り断念は罠!改正で目的を通すつもりです! (ふじふじのフィルター)
◆注意!人権法審議入り断念は罠!改正で目的を通すつもりです! (転載)
 2012年11月13日 : (ふじふじのフィルター)


 転載です。「人権擁護委員会法の一部改正する法律案」。この改正も反対表明しないとだめだということです!

保守速報


【注意】人権法審議入り断念は罠!改正で目的を通すつもりです!
【法務省「人権関連の法案を2つに分けて提出」】

  人権1

811:可愛い奥様:2012/11/13(火) 11:28:47.83 ID:4Qlw8Pzm0
これは既出かな?


919 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/13(火) 10:56:13.47 ID:zBIkmKUW0
◆注意!人権法審議入り断念は罠!改正で目的を通すつもりです!

  人権2

  人権3

  人権4


11月9日に、閣法として、確かに、
「欠格条項の削除」を盛り込んだ改正案が、衆議院に上程されてしまっています。

人 権 委 員 会 設 置 法 案 と は 、” 別 ” に 、です。
  http://ameblo.jp/siryousitu/entry-11403229742.html


◆第181回国会 議案の一覧
7 人権委員会設置法案
8 人権擁護委員法の一部を改正する法律案

  http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_gian.htm

   ↑ コレ。
間違いないですね。

法務省と民主党は、この法案を2つに分け、多くの人が気付きにくい、また、
中間派議員やねぼけ議員らが誤魔化されやすい、「既存の法律の改正」によって、
新しい法案を出さなくてもその目的の一部が達成されるよう、算段を練ったとみていいでしょう。

「人権委員会設置法案の今国会の審議見送り」のニュースが出たことで、
この法案に気付いたばかりの人たちからの、意見送付が沈静化する可能性があります。

この法案の審議入りがなくても、同じくらい危険な状況だということ、
しっかり把握しなければならないと思います。

これを通したら、『人権委員会に超強権』を与える以外の部分、
法案の目的の半分ほどを実現したも同然となります。

このことの指摘を添えて、議員さんたちへ意見送付、
法務省へ、「欠格条項の削除反対」の意見送付が必要と思われます。

という内容がこのブログにあったんですが、どうなんでしょうか。


817 :可愛い奥様:2012/11/13(火) 11:45:07.60 ID:LexDsaLt0
>>811
残念ながら本当だよ。
犯罪歴やテロ団体への所属歴があっても人権擁護委員になれる。

欠格条項の削除ってのはそういうこと。


元記事リンク:http://fujifujinovember.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/9-caff.html


http://www.asyura2.com/12/test27/msg/442.html

記事 [原発・フッ素28] スペイン:汚染土壌、核配備優先し隠蔽…米軍機の水爆落下(毎日新聞)46年前水爆誤落下、プルトニウム猛毒変性
スペイン:汚染土壌、核配備優先し隠蔽…米軍機の水爆落下(毎日新聞大阪本社夕刊)
毎日新聞 2012年11月13日 15時01分(最終更新 11月13日 15時25分)

http://mainichi.jp/select/news/20121113k0000e030193000c.html

パロマレスの位置
拡大写真
 米軍機の事故で放射性物質がスペイン南部の村を汚染した66年1月の「パロマレス事故」で、汚染土壌から有害なアメリシウムが検出されたことが判明した。半世紀近く後の今も汚染土壌が放置される背景には、東西冷戦という当時の国際情勢の下で、欧州への核兵器配備の支障となることを懸念した米・スペイン両国政府が事態収拾を急いだことがある。放射能漏れの事実を1カ月以上も隠蔽(いんぺい)するなど徹底した情報統制も繰り広げていた。【パロマレス(スペイン南部)篠田航一】

 米国は60年代、ソ連のミサイル先制攻撃を恐れ、核兵器を積んだ戦略爆撃機を欧州で24時間態勢で飛行させていた。パロマレス事故はその過程で発生した。2年後の68年にも米軍はグリーンランド(デンマーク領)で同様の水爆落下事故を起こし、放射性物質を飛散させている。核兵器の紛失や関連事故は米軍内部で「ブロークンアロー(折れた矢)」と呼ばれ、50〜80年代に少なくとも32件発生したことが後に判明している。

 事故現場の大半は米本土の空軍基地周辺や海上だったが、パロマレス事故は欧州本土で起きた「冷戦期の一大事件」(パロマレス村を管轄するクエバス・デル・アルマンソーラ市のカイセド市長)だった。

 当時のスペインの親米フランコ独裁政権は反共を掲げ、核を積んだ米潜水艦の寄港を事実上黙認したとされる。両政府の政治的思惑により事故の情報開示は遅れ、除染も不十分なまま幕引きが図られた。

 90年代からマドリード・コンプルテンセ大学のモレノ教授が情報公開請求などを通じて当時の状況を調査。米エネルギー省の報告書(66年2月)によると、水爆の捜索は当初「飛行機の残骸と機密材料の回収」とされていた。また、75年の国防総省報告書によると、事故後の1月下旬に米海軍は情報公開を訴えたが、同省が拒否。3月2日にようやく「土壌と草木に少量の放射性物質がある」と認め、一部土壌を撤去したという。

 パロマレスでは、住民のがん発生率が高いとの報道もある。現場周辺では「風評被害で特産物のトマトやスイカが売れなくなる。何十年たっても事故の話はしたくない」(70代女性)といった反応も少なくない。

 土砂撤去にはスペイン政府が米国に協力を要請している。クリントン米国務長官は昨年7月、「深刻に受け止めている」と述べたが、具体策には言及しておらず進展はない。
http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/657.html

記事 [戦争b10] 中国:党と軍、矛盾深化?
中国:党と軍、矛盾深化?
http://japanese.ruvr.ru/2012_11_01/chuugoku-tou-gun/
第18回中国共産党大会で行われる中国エリートの世代交代にともなって、軍上層部の改変も行われる。今日、情勢ウォッチャーの中には、軍と政治の方向性の不一致を指摘するものもいる。この問題について、ロシア外務省外交アカデミーのアレクサンドル・ルーキン副学長が自身の意見を述べた。
最近、参謀本部、政治部門、軍自部門、中国人民解放軍後方部隊の各指導部の新しい顔ぶれが発表された。これらポストには、経済改革の成功および中国の台頭、軍への最新技術の導入を経験した世代が入っている。今日、人民解放軍は世界最大の人員を誇り(約225万人)、軍事費でも世界2位の規模を誇る(約1000億米ドル)。新たな力を感覚した中国軍は、世界の他の軍隊と同様に、自らの力をどこかで試してみたいと欲している。人民軍は近年、国際平和維持部隊に積極的に参加しているが、彼らにはどうやら、物足りないようだ。中国の軍隊は自己の利益に関心を持つプロの機構へと変じたようだ。

公式プロパガンダでは、軍は党の指導に従うものとの強調が絶えずなされているが、中国ウォッチャーは軍と政治の乖離の兆候を指摘している。政治部門は諸外国との調和的関係の建設という志向を強調しているが、軍の新世代は、「中国は要求があれば米国のように強硬な態度をとる用意がある」と考えている。こうした考えを多くの軍事アナリスト、現役および退役将校が抱懐している。彼らは政治部門に対し一層軍事的な外交を求めるばかりでなく、軍隊というものは外政方針の形成にも積極的に関与しなければならない、と考えている。

現在、軍事関係者は、世界における中国の役割をどう捉えているのだろう?2010年に出版され、即座に有名になった書物『中国の夢』の中で、国立国防大学の教授で上級陸軍大佐のリュー・ミンフ氏は、21世紀、中国は世界一の大国になる、と述べている。さもなければ、米国の圧力により、中国は世界の発展から遠退けられてしまうだろう。「もしも中国が軍事力で米国とロシアを超えるという目標を設定しなければ、結局、第三の大国の地位に甘んじることになるだろう」。

軍事科学研究所の政治評論家で将軍のリュー・ユアン氏(リューー・シャオツィ(劉少奇)元国家主席の息子)が刊行したある書籍の巻頭言には、抑圧を跳ね除けよ、との呼びかけと共に、戦争は「国の大事」であり、文明や文化、歴史と密接不可分のものである、と書かれている。

また、上級空軍大佐ダイ・シュエ氏の著した『C型包囲:いかにして中国は内憂外患を突破するか』という特徴的なタイトルの書物にも、同様の問題が扱われている。著者によれば、米国が音頭を取って、ベトナム、インド、日本、さらにアフガニスタンを基地に米国自身も参加して、中国包囲網が敷かれている。こうした状況の下では、米国との戦争は事実上不可避であり、国益を守るためには、中国政府は海空軍を筆頭に自国の軍隊を増強しなければならない。同様に、米国に範をとって、海外にも軍事基地を設営しなければならない。

今年、係争諸島をめぐって日本との対立が先鋭化したが、これによって益々、中国の軍事アナリストらのレトリックは強硬化したようだ。軍事科学アカデミーの国際軍事研究所所長で将軍のリュー・ユアン氏は、漁船数百隻を投入しての、日本とのパルチザン海戦を提案している。リュー・ユアン氏は諸島を軍事力で制圧し、ここに軍事演習場を構築することを呼びかけている。シェンジェン(深せん)市で行われた最近の会議で、同氏は「尚武精神なき民族に未来なし」と発言した。

もしも中国の政治において、軍の好戦的気分の高揚が進む一方なのであれば、中国自身にとってのみならず、国際社会全体にとっての大惨事を招来しかねない。中国に対して、近隣諸国が同盟を組み、中国脅威論を公然と議論するであろう。中国と諸外国との関係に大きく左右される世界経済の成長ということは、その場合、忘れ去られるだろう。中国の指導部は、明らかに、この問題を理解している。中国の将校たちに対して、党への忠誠が呼びかけられ、軍のチェファンジュン・バオ紙の社説に書かれているように、「原則的問題については動揺を避けねばならない」。

中国の政治エリートは、どうやら、比較的抑制的な政治路線と、軍に対する政治部門の厳格な統制という方針で、コンセンサスを維持していくようだ。

アレクサンドル・ルーキン
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人類はすでに長い間 より愚かになっている 学者調べ
http://www.asyura2.com/09/dispute30/msg/745.html
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中国にもネトウヨが居て軍産複合体が有る見たいね。

そして人類はだんだん愚かに成っていると言う。

いったいどうしたら良いのか???
http://www.asyura2.com/12/warb10/msg/440.html

記事 [テスト27] 注意!人権法審議入り断念は罠!改正で目的を通すつもりです! (しおんの勉強部屋)
◆注意!人権法審議入り断念は罠!改正で目的を通すつもりです!
 2012-11-13 : (しおんの勉強部屋)


産経ニュースに、「 人権救済法案審議入りを断念 政府・民主党 」というタイトルのニュースが出ました。

人権救済法案審議入りを断念 政府・民主党
2012.11.12 23:51 [民主党] MSN産経ニュース

 政府・民主党は12日、人権侵害救済機関「人権委員会」を法務省の外局として新設する「人権委員会設置法案」(人権救済法案)の今国会での審議を断念する方針を固めた。法案に反対する自民党を押し切る形で審議入りすれば、特例公債法案をめぐる与野党修正協議に影響が出かねず、今国会成立は困難と判断した。


思わず、

「良かった。言論の自由は、人が人らしく生きるために、絶対に、大切にされなければいけないもんね。」

と、胸をなでおろしたのですが・・・

ところがどっこい、この「審議入りしませ〜ん」というニュースには、信じられないようなウラが隠されていることがわかりました。

人権委員会の設置や、その権限、人権委員になれる人を決める、今回の法案について、法務省は、「人権関連の法案を2つに分けて提出」しており、そのうちの、「現行法の改正」に、とんでもない内容が含まれていることが判明したのです。

以下、茶文字は、この問題に長く取り組んでいるグループからの、今回の法務省と民主党の暴挙を告発する、引用です。


(一部引用)

(今回の人権委員会設置法案の閣法提出については)「人権擁護委員法の一部を改正する法律案を国会に提出することについて」も閣議決定されています。 
では一体、人権擁護委員法の何をどのように改正しようとしているのかご存知ですか?

既存の人権擁護委員法では

人権擁護委員は、犯罪者やテロ団体のメンバーなどは就任できませんでしたが、野田総理が閣議決定した法案の改訂部分の対照表を見ると
------

人権擁護委員法の改正、人権擁護委員の欠格条項

(旧:現在)
第七条  左の各号のいずれかに該当する者は、人権擁護委員になることはできない。
 一  禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又は執行を受けることがなくなるまでの者
 二  前号に該当する者を除くほか、人権の侵犯に当たる犯罪行為のあつた者
 三  日本国憲法 施行の日以後において、日本国憲法 又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者
2  人権擁護委員が、前項各号の一に該当するに至つたときは、当然失職する。

(新:改正後)
(削る)

つまり、犯罪者や反社会的テロリストたちが擁護委員になれるよう、わざわざ欠格条項を削除しようというのです。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

以下は法務省発表のそれぞれの原文です。

法務省公式該当頁
http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken03_00141.html


人権擁護委員法の一部を改正する法律案

法律案要綱[PDF:64KB]
http://www.moj.go.jp/content/000101538.pdf

法律案[PDF:84KB]
http://www.moj.go.jp/content/000101535.pdf

理由[PDF:43KB]
http://www.moj.go.jp/content/000101539.pdf

新旧対照条文[PDF:121KB]
http://www.moj.go.jp/content/000101537.pdf


新旧対象文と見ると、ほとんどの文面が削除されていて、法律案がスカスカのものになっています。
またその理由については、わずかに、「諸状況の変化にともない、、」とされているだけです。
正直言って、まるで理解できませんでした。

人権擁護局がいくら愚か者の集団だとしても、仮にも非常勤とは言え国家公務員に対して欠格事項を全て削除するという暴挙に出るとまでは思えず、自分の理解が足りない、読み違いではないかと悩んでいました。
未だに十分理解出来ていません。

しかしながら、これはどう読んでも人権擁護委員の資格の欠格条項を全て削除したとしか思えず、もし、私にそう読めるなら、少なくとも法に詳しくない同様の一般国民には、同じように読める条文と思います。

これは、大変なことだと思い、読んでみたところ、11月9日に、閣法として、確かに、「欠格条項の削除」を盛り込んだ改正案が、衆議院に上程されてしまっています。

人 権 委 員 会 設 置 法 案 と は 、” 別 ” に 、です。
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_gian.htm


◆第181回国会 議案の一覧

7 人権委員会設置法案
8 人権擁護委員法の一部を改正する法律案

↑ コレ。

間違いないですね。

法務省と民主党は、この法案を2つに分け、多くの人が気付きにくい、また、中間派議員やねぼけ議員らが誤魔化されやすい、「既存の法律の改正」によって、新しい法案を出さなくてもその目的の一部が達成されるよう、算段を練ったとみていいでしょう。

「人権委員会設置法案の今国会の審議見送り」のニュースが出たことで、この法案に気付いたばかりの人たちからの、意見送付が沈静化する可能性があります。
この法案の審議入りがなくても、同じくらい危険な状況だということ、しっかり把握しなければならないと思います。

これを通したら、『人権委員会に超強権』を与える以外の部分、法案の目的の半分ほどを実現したも同然となります。

このことの指摘を添えて、議員さんたちへ意見送付、法務省へ、「欠格条項の削除反対」の意見送付が必要と思われます。

とりあえず、法務省が「国民のみなさまからご意見」を募っているところへのリンクを貼っときます。
ご意見フォームで「8」の改正案に問題あるんじゃないですか、とひとまず伝えましょう。
意見記入フォームの宛先で、「法務省」にチェックを入れてください。
   ↓   ↓   ↓
https://www.e-gov.go.jp/policy/servlet/Propose


自民党にも。手軽に送れるご意見メッセージフォームです。
「欠格条項の削除は大問題なので、改正を阻止願います」と私は送るつもりです。
   ↓   ↓   ↓
https://ssl.jimin.jp/m/contact

◆ 自民党へのご意見 ◆

一番聞く耳を持たなそうな、官邸のご意見募集フォームも、一応。
民意は、届けなければ届かないから。
   ↓   ↓   ↓
https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html

1、官邸要望先
https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html

●野田佳彦首相
議員会館 FAX  03−3508−3441
船橋事務所 FAX  047−496−1222

●前原誠司国家戦略相
議員会館 FAX  03−3592−6696
京都事務所 FAX  075−702−9726

2、法務省

●滝実法務大臣
議員会館 FAX  03−3508−3861
奈良事務所 FAX  0743−55−7081

●法務省 人権擁護局 FAX 03−3592−7675

今ここで出来る、意見送付(=ネットFAX)がありますので、情報を。
ファックスがなくても、パソコンで・・
ネットですぐに送れる、オンライン・ファックスサービスがあります。
マイファックス・フリー。1つのメールアドレスで、1日2通まで送れます。
(アドレスが2つある人は、4箇所に送れる、ってことです。)

  ↓  ↓  ↓
http://www.myfax.com/free/


リンク先を見るとわかりますが、意見送付はきわめて簡単。

☆ 入力必須項目は、赤い星印 &添付ファイルだけ。
☆ 相手先のFAX番号につく、最初の「0(ゼロ)」は、取ってから、入力

例) 法務省人権擁護局FAX03−3592−7675
               ↓  ↓  ↓
             335927675  ←こうなります。

☆ ワードやメモ帳を開き、人権委員会設置法案への意見を書いて、
「参照」をクリックし、そのファイルを選んで添付、「send」を押す。

☆ さきほど入力した自分のメールボックスを見ると、確認メールが来ているので、送信のリンクを押す。

☆ 送れたかどうかは、「送れましたよ」メール(英語)が来るので、わかる。

説明は、以上です。
わかりにくい、という方のために、使い方を解説したサイトは、ここです。
http://www.amamoba.com/setuyaku/myfax-free.html


◆無料のファックス「myfax」の使い方!メールアドレス確認が面倒だが便利です

法務省や政府は、いつでも、「国民のみなさま」からの意見を募集しています。
FAXが無い方は、ご検討くださいませ。

(※私は一度、本文に直接日本語を入力してテストを送ったけど、文字化けして届かなかったので、そのときにやってみて成功した、「ワード文書を添付する」という方法をお勧めさせていただきました。)


元記事リンク:http://ameblo.jp/siryousitu/entry-11403229742.html



http://www.asyura2.com/12/test27/msg/443.html

記事 [原発・フッ素28] (大阪・ガレキ阻止)ガレキ反対の市民四人を大阪府警が逮捕と大阪市試験焼却決定がシンクロする異常。(木下黄太のブログ)
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/62af19449e804c0d1c083eb521ff94dd
【大阪・ガレキ阻止】ガレキ反対の市民四人を大阪府警が逮捕と大阪市試験焼却決定がシンクロする異常。
2012-11-13 21:20:36

 大阪でガレキ阻止を訴える市民四人が逮捕される異常事態がおきています。このなかには、僕も面識がある女性一人も含まれていて、ガレキ阻止の運動を潰すために、やれることは何でもやるという姿勢がはっきりと読み取れます。

 本当にどうして、そこまでして、ガレキを大阪で焼却しなければならないのか、まったく理解不能ですし、市民が陳情書や請願を様々な形で、出し続けている実態があることを、公安手法的なやり方で逮捕して潰そうとすることは、一般市民の健康被害への不安をあからさまに隠ぺいしようとする流れだと僕は認識します。

 こうした、動きが、しかも試験焼却決定のニュースとシンクロして流れていることが、相手側の「意図」を感じる構図になっています。

 今、日本社会の中でおきていることは、健康被害を怖れ懸念する声をののしるどころか、国家権力のシステムを使って抹殺しようとする行為に出ているという事です。おそらく、他自治体でガレキ拒否の動きも伝えられる中で、大阪で「どうしても進めたい」という意志が露骨にむき出しになっています。

 これは、衆議院選挙が近づく中で、権力のパワーを巡る戦いの中で、橋下市長が、その拡大をもくろみ、これがある種の既存勢力の別働隊として機能している事と、強く連関していると僕は思っています。

 ただし、こうしたことは、チェルノブイリ後に、西ドイツなどでも、弾圧の実態として、反対者が逮捕される状況はおきました。ある意味、乗り越えるべき壁かもしれません。

 放射能の危険を回避することを主張することさえ、ぎりぎりまで追い込まれる日本。今は、放射能との闘いと言う意味でも、あるいは、国や権力との向き合いとしても、「戦時中」なのだと僕は思います。どちらにしても、闘い貫かない限り、僕らに明日はありません。絶望の中の、絶望の明日さえも、掴むことは難しいのです

転写終了

原発・フッ素28
http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/658.html

記事 [原発・フッ素28] from MRIC 内部被曝通信 福島・浜通りから〜公表され始めた内部被曝の検査結果 
from MRIC

  □ 内部被曝通信 福島・浜通りから〜公表され始めた内部被曝の検査結果

   ■ 坪倉 正治:南相馬市立総合病院


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■from MRIC
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

福島県いわき市にある、ときわ会常磐病院がホールボディーカウンター
(WBC)の結果を公表しました(
http://www.tokiwa.or.jp/hallbodyanswer.html )。私もデータの処理など、少
しお手伝いさせていただいています。

2012年4月1日から9月30日までに行われた、4751名(内、いわき市在住の方が
4494名)の検査結果です。16歳以上の509名中、検出限界以上が18名(3.5%)。
15歳以下の4062名中、検出限界以上は1名(11歳男性)でした。

10Bq/kg以上の値を示す方はいらっしゃいませんでした。

器械は当院やひらた中央病院などと同じ、Fastscan。検出限界は同じく
220〜250Bq/body程度です。検査をされた方の多くは小学生またはそれ以
下の子供達です。子供の検査を優先して欲しいという要望を受けたと聞いていま
す。体が小さいと値の安定性が悪くなりますので、今後、大人の検査も参照しな
がら進まなければなりませんが、とりあえずのところ、総じて相双地区の結果と
比べれば値は、遜色無い〜若干低いぐらいの状況だと思います。

徐々にいわき市を含む、原発から南側の地域で、現在の内部被曝検査の結果が出
てきています。いわき市では、ときわ会常磐病院の検査に加えて、いわき市が主
導して市独自に行っている、いわき共立病院での検査も進んでいます(
http://www.city.iwaki.fukushima.jp/topics/014295.html )。

こちらの病院でも毎日、スタッフが一生懸命、検査を続けていると聞いていま
す。ひらた中央病院で行われている、茨城県の牛久市の検査など、茨城県の市町
村が独自に行っている検査結果も出てきています。今後いかに継続的に検査を
行って行くか、さらに甲状腺のフォローなどの問題点も残っています。

とはいえ、あちこちの場所で淡々と検査が進み、値がある程度以下に維持されて
いることは良いことだと思います。

ときわ会常磐病院は、内部被曝検査を2012年4月から開始しています。私が最初
に病院にお伺いしたのは2月のことでした。常磐会長から内部被曝検査の独自で
の導入を考えているが、どういう検査で何が分かるのか説明会をして欲しいと依
頼を受けて、お伺いしました。

お会いする方の多くが、体育会系でハキハキした方ばかりで、導入に際しての
様々な調整も、非常にスピーディーに仕事をされていらっしゃる印象です。

実は、ときわ会の方々のことは、震災直後から存じ上げていました。

震災直後、様々な医療問題が生じましたが、その中で大きな問題になったことの
一つが、透析患者さんの診療です。通常透析にはたくさんの無菌の水が必要で
す。震災直後、流通のストップや生活インフラの破綻により、透析が出来なくな
りました。

透析は数日でも出来ないと、それだけで体に排泄できない老廃物が溜まり致命的
になります。

ときわ会は、透析の患者さんを多く診療している医療機関です。透析患者さん達
は震災直後、東京や千葉など、様々な医療機関に緊急避難しました。その際、受
け入れ先の一つである亀田総合病院が大きく活躍したことをご存知の方もいらっ
しゃるかと思います。

「医療ガバナンス学会」のメールマガジン
Vol.103 ネットワークによる救援活動 http://medg.jp/mt/2011/04/vol103.html
Vol.144 いわきから亀田総合病院への透析患者受け入れ
http://medg.jp/mt/2011/04/vol144.html
Vol.404 東日本大震災透析患者移送体験記
http://medg.jp/mt/2012/02/vol404.html

前回では、医療機関が少ないことを取り上げました。この事故後、医療機関は批
判の対象になりやすいご時世ですが、常磐病院を始めとして、多くの県内の地元
病院が、地元に住んでいる方々の健康を守るため、震災前から震災直後、そして
その後もずっと淡々と医療人が働いていることを、是非皆さんに知ってもらいた
いと思いました。

写真:ときわ会のスタッフの方々と

http://www.asahi.com/health/hamadori/TKY201211090492.html

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http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/659.html

記事 [カルト10] 偽キムチ人権法を諦めた野田ブーは擁護委員法を改正し偽キムチが人権委員なれるようにしようとしているようである。
全く懲りない連中で前科者もなれるようにしようという事のようである。
その意味は在日を人権委員にするのは今回は諦めたが帰化したり国籍ロンダリングをした者達を登用しやすくしようという
事のようである。
偽キムチ以外では180ヵ国から帰化した者が人権委員になる事は構わないが偽キムチの場合は別である。
連中は真面目に暮らしてる在日が気の毒になるぐらい犯罪率が高く影響力のある在日帰化人ほど脛に傷を持つ者が多いから
日本人で改心した人を人権委員にしようというヤンキー先生だったり入れ墨弁護士だったり元やくざだった住職を人権委員
にしてもいいではないかという話ではなく現役で悪さを働いている偽キムチの帰化人を人権委員にしようという話なのである。
身近で言えば偽キムチの前科者の大物を町会長や民生委員にするようなものであり絶対阻止しなければいけないのである。
私の町内会でも自公政権時代に商店街の連中が主催した盆踊りに創価おばさんが大挙して現れた時期が長く続き異様な雰囲気
になった事があったし町内会にも区議と都議が厚かましい自民議員以上に入り込み私もそうだが当時は民主党に期待していた
者が実力次第の飲み会以外は全党締め出すようにしたがそのようになってしまうのである。
ネットでは大津事件も尼ヶ崎事件も偽キムチの仕業である事が特定され今は創価自体の仕業かどうかを議論されている段階で
ある。
過去の凶悪犯罪も全て通名で私達は日本人の不良の仕業と思わされてきたが全て偽キムチの仕業である事が分かってきた。
件数が多すぎてネット族もそこまでは追跡しきれていないようだが保険金殺人だ不可解な自殺だ振り込め詐欺だとマスコミで
騒がれてもいっこうになくならない犯罪も全て連中の仕業だろう。
そんな連中を人権委員にしようというのが今回の改正案であり偽キムチ人権法よりはましだが連中の犯罪がエスカレートして
しまうのは目に見えているのである。
偽キムチも偽ユダヤも一度追い出して仕切り直しをしないと少子高齢化の日本はいずれ移民を受け入れる必要に迫られるが
今のまま受け入れれば我々も彼らも迷惑するのである。
もはや真面目な在日に免じて連中の犯罪を我慢する段階は終わったのであり通名廃止と偽部落解放同盟の解散と総連も民団も
解散させて厳しい審査を経て帰化するかそれ以外の者は強制送還するしかないのである。
真面目な在日も日本を選ぶか韓国を選ぶか問われており今のまま間接的に犯罪に加担するあり方はもう許されないと知るべき
である。
http://www.asyura2.com/12/cult10/msg/374.html
記事 [原発・フッ素28] 福島第1原発でも使われているヨウ素、セシウム、ストロンチウムを除去する空気清浄機 (まっちゃんのブログ) 
http://ameblo.jp/misininiminisi/entry-11403681129.html
2012-11-13 20:59:42NEW  まっちゃんのブログ


ワカイダ・エンジ、放射性物質99%除去する空気清浄機を開発

ワカイダ・エンジニアリングは、室内の放射性物質を99%以上除去できる

家庭用空気清浄機を開発、受注を始めた。東京大学、東洋紡と共同開発した

独自の活性炭素繊維フィルターを搭載し、15畳の室内を約1時間で空気清浄する。

同フィルターは東日本大震災後、東京電力福島第一原子力発電所の一部施設で

採用された実績があり、新たに家庭用を投入して事業領域を拡大する。

受注を始めた「WACジュニア」の価格は12万5000円。

サイズは幅342ミリ×奥行き171ミリ×高さ550ミリメートル。

大気中の直径0・3マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の微細粒子を米国試験規格で99%以上除去する。

ソース
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0620120316hham.html



http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/660.html

記事 [原発・フッ素28] 埼玉県産のお茶から300Bq/kg 検出 熊本産のお茶からも80Bq/kg 検出 (まっちゃんのブログ) 
http://ameblo.jp/misininiminisi/entry-11403723222.html
2012-11-13 21:42:23NEW  まっちゃんのブログ


夏のある日、原子力資料情報室のスタッフが放射能検査済みという

表示つきの埼玉県産の茶葉を購入しました。

検査済みのお茶なら安心して飲めるだろうと考えての購入でしたが

実際に放射能測定をしてみると約300Bq/kgの放射性セシウム

が含まれていたのです。お茶の放射能基準値は飲料水の状態で10Bq/kg以下

ですが、流通する茶葉からこのような高い値が検出された事に驚きました。
 
お茶の入れ方や濃さはひとそれぞれです。抹茶では茶葉をそのまま摂取します。

はたして流通している茶葉や抹茶は摂取する状態で本当に放射能基準値を

満たしているのか? 今回は特別に茶葉を対象に調査を行いました。

抹茶(粉状態)の放射能測定結果を図にまとめます。

日本地図に星印で示された産地(および産地表示なし)の抹茶を

各1銘柄購入し放射能を測定しました。

このうち、埼玉(セシウム合計120Bq/kg)、鹿児島(80Bq/kg)

静岡(40Bq/kg)の3種類から放射性セシウムが検出されました(検出限界14Bq/kg)。

http://ameblo.jp/misininiminisi/image-11403723222-12284631151.html


茶葉の産地別放射能測定結果(各県1銘柄のみ)

測定器:NaIシンチレーション式スペクトロメータ(EMF211)、測定時間:120min

測定容器:350mlポリ容器

ソース 原子力資料情報室
 http://www.cnic.jp/4774



http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/661.html

記事 [国際7] 韓国政府の来年「独島予算」 約3倍に:中国中央テレビがニュースでこのネタをわざわざ取り上げていた(ふむふむ

韓国政府の来年「独島予算」 約3倍に
2012年11月12日11時53分
[ⓒ 中央日報日本語版]

対外的に独島(ドクト、日本名・竹島)が韓国固有の領土であることを知らせ、そのために歴史的な根拠を確保するのに使う外交通商部の来年度の独島予算が、国会常任委で大幅に増額された。

11日の韓国メディアによると、国会外交通商統一委員会は9日の全体会議で、独島に関する領土主権守護事業予算62億2000万ウォン(約4億7000万円)を含む2013年度外交部予算案を議決した。

外交通商委を通過した独島予算案は、政府が提出した予算42億2000万ウォンより20億ウォン多く、今年の約3倍にのぼる。

http://japanese.joins.com/article/973/162973.html?servcode=A00§code=A10


http://www.asyura2.com/12/kokusai7/msg/194.html

記事 [エネルギー2] 海洋エネ発電、被災地で実験 東大、自治体・地元企業と

海洋エネ発電、被災地で実験 東大、自治体・地元企業と

 東京大学は東日本大震災の被災地で自治体や地元企業と組み、潮流や波力を使った発電実験をする。三陸沿岸に豊富に存在する海洋エネルギーを活用し、災害に強い分散型電源と位置付けるとともに、地元企業が発電装置を製作することで再生可能エネルギー関連の新産業創出を後押しし、復興のモデルとする。

 東大の丸山康樹客員教授を中心とする研究グループが2014年度の発電開始を目指して、岩手県久慈市と宮城県塩釜市で現地調査を始めた。

 久慈市には出力40キロワットの波力発電装置を2台設置する。久慈港にある石油備蓄基地前の海域への設置を検討している。振り子状に動く板が海中で波の力を受け止めて発電する装置を開発し、装置の製作と設置は地元の造船会社に依頼する。電力は久慈港の漁協施設などに供給する計画だ。

 塩釜市では松島湾の浦戸諸島に出力5キロワットの潮力発電装置を設ける。毎秒1メートルの潮流がある海域に、水平方向に回転する水車を沈める。浦戸諸島は震災時に津波で海底ケーブルが切断された。再生可能エネルギーを使った災害に強い分散型電源の実用化を目指す。

[日経新聞11月12日夕刊P.1]

http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/806.html

記事 [原発・フッ素28] 脱原発へ 女性たちの闘い
脱原発へ 女性たちの闘い
http://www.youtube.com/watch?v=P6X9aDUgyxw
http://www.dailymotion.com/video/xv263p
http://www.veoh.com/watch/v40143034kgHX4XHZ

11.11 関西電力前
「地震列島のこの国で原発を稼動すること自体が
絶対に危ないともう証明されましたからね
じっとしてられなくて」

「ま、誰かが何とかしてくれるやろうみたいな気分やったんが
そんなことをやってたからこうなっちゃったんやな
というのがあると思うんです
特に子供達に申し訳ないという気持ちがすごい強い」

「今、声を上げないと止められないんじゃないか」

「よくよく考えてみると脱原発とか原発賛成とか
意思を示す機会は意外なほど少ない
デモはもちろん必要だと思ってますけれども
それだけでは世の中は変わらない
それの受け皿となる実際に政策を変えるようなところが必要」
(緑の党 共同代表 長谷川羽衣子)

「日本の人は福島の事故が福島の地域に限られることではなく
日本全体の問題だと実感し始めている
認識していないのは国会議事堂の中にいる政治家達だけではないでしょうか」
(ドイツ緑の党ベアベル・ヘーン議員)
http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/662.html

   

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