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2012年11月08日00時33分 〜
記事 [原発・フッ素28] 大飯原発の活断層判断先送りとした規制庁・・・結局何も変わっていないっていう事! (がんばれ福島原発!) 
http://blog.goo.ne.jp/genshiryoku_2011/e/e49c2327eb8a53d772b604ae56042ff7
2012年11月08日 がんばれ福島原発!


関西電力大飯原発の敷地内をほぼ南北に走る「F―6断層(破砕帯)」について、

原子力規制委員会の現地調査団は4と7日、都内で開いた会合で検討したが、活断層との判断には

至らず再度現場のトレンチを再掘削して調査するとし、判断をまた先送りした。

しかし、敷地内の地層にずれがあるとの認識で一致しているとしながらも

調査団の渡辺満久・東洋大教授は「敷地内に活断層があることは確実だ。すぐに運転を停止して調査するべきだ」と主張。

重松紀生・産業技術総合研究所主任研究員は「地滑りなどの専門家も入れて、もう少し調査をした上で判断すべきだ」と主張。

御用学者・・・お金が回って来ている立場の人間とそれ以外の人間の主張が全く違うのは、怒りを通り越して

軽く笑いさえでてしまう。

今の日本のトップの常識は「お金は安全も常識超えるのだ!!」

安全を最優先とするのであれば、原発を一度止めて調査すればいいだけの話だが・・・

一度止めてしまうと、再稼動にまた大きな世論の声と格闘しなければならない為に、稼動させたまま

調査を継続するという、常識を逸脱した判断になるのだろう。

敷地内の地層のずれがあるという認識が一致していても、のらりくらりと逃げ口上を最初に述べた

規制委員会の田中委員長よ!!

福島原発事故で経験した「想定外」は既に通用しないぞ!

お金では無く、日本という国を守るという純粋な気持ちで判断すべきだろう。


http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/565.html

記事 [ペンネーム登録待ち板6] 日航ジャンボ123便 米軍アントヌッチ中尉が報告した1338イザヤ山には反射版が設置されており当時の砲撃による大穴もある
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投稿内容は以下です。

昭和60年8月12日の日航ジャンボ123便ソ連自衛隊核攻撃惨事(背景に中国共産党中国軍中国公安部台湾客家イスラムイラン)であるが、米軍アントヌッチ中尉の報告した1338m峰http://watchizu.gsi.go.jp/oldmap25k.html?meshcode=54380500付近には、反射板が設置されており、また、付近には、砲撃で空いた大穴がそのまま残っていたりする。大規模な、米軍(日米ユダヤ勢力)と中露(イスラムマルキスト勢力)の戦闘が発生していた状況が垣間見られる。
http://img.asyura2.com/us/bigdata/up1/source/6603.jpg
イザヤ山であるからして、ユダヤに対するイスラムマルキスト勢力による攻撃が発生したという状況である。

なお、1338山(イザヤ山)に登頂した11月7日は、おりしも中曽根大勲位(小沢中曽根界隈)の奥さんが死亡した日であった。
http://www.google.co.jp/search?q=%E4%B8%AD%E6%9B%BD%E6%A0%B9%E3%80%80%E5%A4%AB%E4%BA%BA%E3%80%80%E6%AD%BB%E5%8E%BB&rls=com.microsoft:ja:IE-SearchBox&ie=UTF-8&oe=UTF-8&sourceid=ie7&rlz=1I7GGLL_ja&redir_esc=&ei=SHiaUPThOKuViQf83oGADg
http://www.asyura2.com/10/nametoroku6/msg/2801.html

記事 [戦争b10] 「原発をミサイル攻撃すれば日本を消し去ることができる」 北朝鮮幹部、内部講演で 
http://sankei.jp.msn.com/world/news/121107/kor12110721030001-n1.htm
2012.11.7 21:02  産経新聞


 韓国のネットメディア「デーリーアン」は7日までに、2007年に北朝鮮の朝鮮労働党宣伝扇動部が海外の同胞団体幹部向けに行った講演内容とされる音声ファイルを入手し、内容を報じた。消息筋から得たという。

 報道によると、講師の宣伝扇動担当書記は講演の中で、北朝鮮のミサイルについて「日本全土を打撃できる」「北海道から九州の南端までを攻撃するならば(射程は)1500キロで可能で、(ミサイルは)すでに地下開発施設でできている」と主張。その上で、「ロケット(ミサイル)1発で、原子力発電所1カ所を攻撃すれば広島に落とされた原爆の320倍の爆発が起こり、日本という国を地球上から消し去ることができる」と発言している。(ソウル 加藤達也)


http://www.asyura2.com/12/warb10/msg/402.html

記事 [自然災害18] 活断層大地震に備えるために 第9回/活断層の真上に建つ敦賀原発
http://jishin-info.jp/column-06/column-06i.shtml

活断層大地震に備えるために
第9回/活断層の真上に建つ敦賀原発

鈴木康弘(すずきやすひろ)
名古屋大学災害対策室長

 福井県の敦賀原発は活断層の上に建てられている…。かねてから議論のあったこの事実を、敦賀原発を運転している日本原子力発電株式会社は、2008年3月末に初めて認めました。正確には原子炉自体は断層の真上ではありませんが、敷地内を浦底断層が通っていて、排水路が断層を横断するため切断の危険性があり、原子炉と断層の距離は200mしかありません。「もし仮に浦底断層が動いて地震が起きても、その強い震動に対して原子炉は重大な損傷を生じない」と電力会社は説明しています。私は建造物の強度については専門外のため、その妥当性はわかりませんが、少なくともこれは、初めから活断層があることを前提に設計した結果ではありません。

 1号炉が作られたのは古く、当時は活断層調査が十分には義務づけられていませんでした。1981年の2号炉や、2004年の3,4号炉増設審査の際には詳細な活断層調査が行われましたが、「活断層ではない」とされてきました。2004年の3,4号炉増設の審査の際には、電力会社が提出した調査結果に疑義が持たれ、再調査が命じられました。そのため、電力会社は大がかりなトレンチ調査(下の写真)を実施して、最終的に活断層であることを認めました。従来は、「数万年間動いていないため再活動の危険性はない」としてきたにもかかわらず、実際には数千年前にも活動していたことが明らかになりましたから、20年以上、誤った評価が行われてきたことになります。

 敷地内に活断層が走るということは非常に深刻です。東洋大の渡辺教授らと現地見学を行ったところ、断層がずれた痕跡は極めて新鮮でした。北側が隆起すると同時に横方向にも大きくずれているため、トレンチ調査で確認できる上下方向のずれよりも実際には数倍のずれ量を持っていることもわかりました。

 また、一般にこのような断層は小規模な分岐を伴うことも多く、現在確認されている「一本の断層」しか存在しないのかどうかにも疑問が残ります。原発建設前の1963年に撮影された航空写真を見ると、活断層の疑いがある地形が数か所あり、本来、原発建設前にこうしたものを対象にした徹底的な調査が必要です。建設当時にも相当な調査が行われていますが、「敷地内に活断層がある」という緊張感の中で、疑いのあるものを徹底的に追及したかどうか気がかりです。

 それでも、「従来から活断層の存在はある程度織り込んで原発設計が行われたのかもしれない」と関係者は言います。原子炉は断層から遠ざけるように、西側の山を切り開いて平地を作り、そこに配置しています。原子炉の下も掘り下げ、複数見つかった小断層の性状を詳細に調べたそうです。

 建設当時と現在では、情報公開に関する常識も大きく異なり、また活断層調査を今ほど十分には行わなかった時期に1号炉が建てられてしまったという背景もあり、一概に批判できる状況ではないかもしれません。しかし敦賀原発は未だ現役であり、敷地内を活断層が貫いているという極めて緊迫した条件下に置かれていることは事実です。そうした状況を知らずに建ててしまった例として、今後の取り扱いが注目されます。
http://www.asyura2.com/12/jisin18/msg/602.html

記事 [自然災害18] 日本沈没の科学 ― 防災に役立つ?地球科学の雑学 第6回/マグニチュードと断層面積
http://jishin-info.jp/column-03/column-03f.shtml

日本沈没の科学 ― 防災に役立つ?地球科学の雑学
第6回/マグニチュードと断層面積

山岡耕春(やまおかこうしゅん)
名古屋大学
大学院環境学研究科 教授

 「Q&A日本は沈む」では「マグニチュード15や20の地震はあるのでしょうか?」という趣旨の質問を取り上げました。震度は地面の揺れの強さを表す指標で、人間が決めたものです。震度の区分(震度階)は国によって異なったものを用いていますが、日本で用いられている震度の最大は7と決められています。それに対してマグニチュードは地震のエネルギーから数学的に換算した量ですから、その上限があるとすれば自然の側に法則があるはずです。マグニチュードにはいろいろな計算法がありますが、そのなかで最もイメージしやすいのは断層の面積と断層のすべりから換算したマグニチュードです。これはモーメントマグニチュードとも呼ばれています。

 地震とは、よく知られているように岩盤が内部の断層面に沿ってすべる現象です。モーメントマグニチュードのもととなる地震モーメントは断層面の面積とすべった長さ(すべり量)の積で表せます。ほとんどの場合、すべり量は断層面のサイズ(長さや幅など)と比例しますので、事実上マグニチュードは断層面の大きさで決まると見なすことができます。通常、断層面は長方形で近似することが多く、最近主流となった横長のテレビ画面のような形をイメージします。テレビ画面のサイズを対角線の長さを用いて表すように、ここでも断層面の大きさを長方形の一辺の長さで表しましょう。

 さて、断層面の大きさはマグニチュードが1増えると約3倍になります。そうするとすべりも3倍、面積は10倍になりますから、地震モーメントは約30倍になります。地震モーメントと地震のエネルギーは比例しますので、地震のエネルギーも約30倍になります。マグニチュード5の地震の断層は約3kmですから、マグニチュード6の地震では10km、マグニチュード7は30km、マグニチュード8は100kmと増えていきます。この調子で増やすと、マグニチュード10は1000km、マグニチュード12は10000kmと、理屈ではどんどん増やすことはできます。しかし地球の直径は約13000kmですから、もしマグニチュード12の地震が起きたら地球が真っ二つに割れてしまうことになります。

 このように地震のマグニチュードには上限があることがわかりました。ただし、実際には断層面としてずれるのは地球の表面付近に限られますので、マグニチュード12の地震が発生することはありません。歴史上最大の地震は1960年に発生したチリ地震でマグニチュード9.5でした。2004年に発生したスマトラ沖の巨大地震はチリ地震に次ぐ規模の地震で、マグニチュード9.3程度と推定されています。
http://www.asyura2.com/12/jisin18/msg/603.html

記事 [経世済民78] 21世紀日中関係展望委員会 緊急提言:提言内容は既に日中関係者共通認識のものであり、それを踏まえての具体策こそが必要

21世紀日中関係展望委員会 緊急提言

当協会の諮問機関である21世紀日中関係展望委員会は、本年9月初旬、国交回復40周年を迎えて日中両国が目指すべき指針として「世界に貢献する新たな日中関係の構築―日中韓FTAの早期成立と戦略的互恵関係の深化―」と題する提言書を発表しました。
しかしながら、提言発表後、尖閣諸島をめぐる外交上の問題が発生し、日中関係はかつてない厳しい困難に直面するに至っています。
事態の早急な改善を図るべきであるとの立場から、この度、「日中友好の大局に立ち不正常な事態の早期打開を」と題する緊急提言を発表しました。
緊急提言は以下ファイルをご覧ください。

(以下、ファイル内容の引用)

緊急提言
日中友好の大局に立ち不正常な事態の早期打開を
2012 年11 月1 日
21 世紀日中関係展望委員会
(日中経済協会の諮問機関)

21 世紀日中関係展望委員会は、本年9 月初旬、国交正常化40 周年を迎えて日
中両国が目指すべき指針として「世界に貢献する新たな日中関係の構築―日中
韓FTA の早期成立と戦略的互恵関係の深化―」と題する提言書を発表した。そ
の中で我々は、「日中両国は、相互依存関係の深化に伴い時として摩擦も生起す
るが、今後はより一層成熟した相互理解の基盤をつくり、世界から信頼される
日中関係を構築することが肝要」であることを強調した。
しかしながら、提言発表後、この記念すべき年であるにもかかわらず、尖閣
諸島をめぐる外交上の問題が発生し、日中関係はかつてない厳しい困難に直面
するに至っている。
当委員会は、今日の事態を深刻に受け止め、日中友好の大局に立ち、事態の
早急な改善を図るべきであるとの立場から、日中両国政府をはじめとする関係
者に対し、緊急提言を行うものである。

1.現状認識;相互不利益への懸念

日中経済協力は、国交正常化以来、相互依存と相互補完関係を基調に、とり
わけ中国の改革・開放政策以降、目覚しい進展を遂げてきた。これは、日中両
国の先人たちが、日中友好関係確立のために、営々と努力を積み重ねてきた偉
大な成果と言えるものである。

今日では、中国における日系企業の生産、物流、販売、サービス等の現場で
は、1000 万人を超える中国人と多数の日本人が、日々力を合わせ、協力して仕
事を行い、日中両国の経済発展を支えている。
しかしながら、現下の厳しい日中関係の中で、日中経済協会が会員に対して
行った調査によれば、半数以上が、9 月中旬に起きたデモによる破壊などの被害
に加え、不買、契約のキャンセル・延期、通関手続・許認可の遅延などの問題
を抱えていることが明らかとなった。

こうした不正常な状態が長期化する場合、日中双方の経済に大きな影響を及
ぼす。すなわち、日本企業の対中ビジネスが大きな影響を受けると同時に、生
産や販売の減少に伴い、中国側においても、パートナー企業の経営が悪化し、
中国人の雇用の減少や取引先中国企業からの部品、素材の調達等の縮小が懸念
される。

さらに我々は、両国国民が相互不信に陥り、お互いに対する感情を悪化させ
ることになれば、これまで日中両国の先人たちが営々として積み上げてきた共
同発展の協力関係が、大きく後退することを危惧するものである。


2.提言

(1) 日中友好の大局に立った早期の事態収束に向けての外交努力

日中両国政府は、尖閣諸島をめぐる外交上の問題について、日中共同声明及
び日中平和友好条約に則り、日中友好の大局に立って、両国政治指導者間の信
頼関係の再構築と外交当局の粘り強い意思疎通により、早急な事態の収束に向
け努力を重ねるべきである。

(2) 経済関係の速やかな正常化

日中経済協力は、永年にわたる日中友好互恵関係の中核を成すものである。
日中両国にとって不利益をもたらしている現下の不正常な経済関係を、速やか
に正常な関係に戻すことが喫緊の課題である。
これは日本のみならず、中国にとっても、今、まさに必要とされるものであ
る。さらには、世界第2、第3 の経済大国が協調的発展を遂げることを通じて、
アジア、ひいては世界の経済発展にも寄与するものである。

(3) 戦略的互恵関係の創造的な発展

日中両国は、現下の困難を克服するにとどまらず、戦略的互恵関係の創造的
な発展に向け、協力を強めていくべきである。
日中韓FTA は、戦略的互恵関係の基盤となるものであり、その早期締結に向
け政府間交渉を加速する必要がある。
日中両国が、エネルギー・環境、技術革新、高齢化社会、都市化、国際金融
システム等について、英知を結集して協力し、解決の方途を提示していくこと
ができれば、世界の持続的成長に大きく貢献するものである。

(4) 強固な相互信頼の再構築

今回の事態が、日中友好・協力の推進に尽力してきた方々をはじめ、両国国
民に与えた心理的な影響には甚大なものがある。
両国の官民関係者は、長い友好の歴史を回顧し、その重みについての認識を
共有しながら、青少年を始め国民各層・各分野の交流を再開・深化し、相互理
解と信頼をより強固なものとするよう、早急に取組むべきである。

3.おわりに

(1) 我々は、日中関係の現状を深く憂慮するものである。両国政府をはじめと
する関係者が、提言の早急な実現を図り、「求同存異」の基本的な考えにより友
好・交流の進展に努力し、日中関係が次の40 年に向けて明るい展望を拓くもの
となるよう、強く期待する。

(2) 我々は、延期、または中止となっている日中間の交流活動の再開に向け、
日中経済協会が積極的な努力を払うよう促したい。
特に、1975 年以降毎年派遣している協会の訪中代表団が、本年は延期を余儀
なくされた。訪中代表団は日中友好、協働の象徴であるので、協会は、状況の
推移を見つつ早期にこれを派遣し、交流再開の契機とすべきである。そして、
国家指導者との会見や関係政府機関との意見交換を通じて、世界を視野に入れ
たWIN-WIN の協力関係の道筋を再確認する必要がある。


21 世紀日中関係展望委員会名簿

委員長 福川 伸次 一般財団法人高度技術社会推進協会顧問(元通商産業事務次官)
委 員 池田 道雄 JX 日鉱日石エネルギー株式会社取締役副社長執行役員
〃 射手矢好雄 森・濱田松本法律事務所弁護士、一橋大学特任教授
〃 入山 幸 新日鐵住金株式会社常任顧問
〃 荻田 伍 アサヒグループホールディングス株式会社代表取締役会長兼CEO
〃 梶原 謙治 住友商事株式会社顧問
〃 兼好 克彦 三井住友海上火災保険株式会社専務執行役員東アジア・インド本部長
〃 関 志雄 株式会社野村資本市場研究所シニアフェロー
〃 北田 眞治 トヨタ自動車株式会社常務役員
〃 近藤 義雄 近藤公認会計士事務所所長・公認会計士
〃 佐藤 嘉恭 財団法人国際協力推進協会理事長(元駐中国特命全権大使)
〃 塩田 誠 独立行政法人中小企業基盤整備機構副理事長
〃 朱 建栄 東洋学園大学人文学部教授
〃 高尾 剛正 住友化学株式会社代表取締役副社長執行役員
〃 高原 明生 東京大学大学院法学政治学研究科教授
〃 戸矢 博道 全日本空輸株式会社顧問
〃 中垣 喜彦 電源開発株式会社相談役
〃 能仲 久嗣 株式会社東芝常任顧問
〃 八丁地 隆 株式会社日立製作所取締役
〃 藤野 文晤 藤野中国研究所所長
〃 古川 壽正 三井物産株式会社顧問
〃 丸川 知雄 東京大学社会科学研究所教授
〃 守村 卓 株式会社三菱東京UFJ 銀行副頭取
(氏名五十音順)


http://www.jc-web.or.jp/JCobj/Cnt/20121101_緊急提言(日本語).pdf


http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/432.html

記事 [原発・フッ素28] 原発事故巡り東電社員を参考人聴取 東京地検:菅氏までの歴代首相・勝俣前会長清水元社長武藤元副社長吉田元所長は法的責任を

原発事故巡り東電社員を参考人聴取 東京地検

 東京電力福島第1原子力発電所事故を巡り、当時の同社幹部らが業務上過失致死傷などの疑いで告訴・告発された問題で、東京地検が6日までに、東電社内の福島原子力事故調査委員会の担当社員から参考人として聴取していたことが分かった。調査の経緯や報告書の内容について説明を求めたとみられる。

 検察当局は東電関係者のほか、被災状況を把握するため、告訴・告発した福島県の被災者側にも聴取を要請している。聴取結果などを踏まえて元幹部らの立件の可否を判断する方針だが、事故原因の特定は難しく、捜査は難航も予想される。

 関係者によると、参考人聴取を受けたのは東電が6月に発表した社内事故調の最終報告書の取りまとめに関わった複数の社員。また東電から、原発事故時の対応を定めた当時のマニュアルや事故直後の社内テレビ会議の録画映像などの資料提供も受けたとみられる。
 原発事故を巡っては、福島県の被災者や市民団体などが、東電の勝俣恒久前会長(72)や清水正孝元社長(68)ら当時の幹部や政府関係者ら約40人を業務上過失致死傷などの疑いで告訴・告発した。

[日経新聞11月6日朝刊P.15]


http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/566.html

記事 [議論30] 国民を放り出した野田豚絞帝に政治の明日はあるのか?最悪腐敗の民主党!政治板)
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国民を放り出した野田豚絞帝に政治の明日はあるのか?最悪腐敗の民主党!
http://www.asyura2.com/12/senkyo138/msg/419.html
投稿者 天のあゆみ 日時 2012 年 11 月 07 日 22:27:51: ule849OXhf152

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http://www.asyura2.com/09/dispute30/msg/744.html

記事 [戦争b10] 第2期オバマ政権に突き付ける「イランの核」 失策続き、中東問題の“どろ沼”から足抜けできない
第2期オバマ政権に突き付ける「イランの核」

失策続き、中東問題の“どろ沼”から足抜けできない

2012年11月7日(水)  菅原 出

 11月6日、大接戦だった米大統領選挙を制したのは現職のオバマ大統領だった。9月末まではオバマ大統領の優勢で選挙戦を進めていたが、第1回目の候補者同士の討論会で共和党のロムニー候補が株を上げ、一気に差を縮めた。第2回、第3回の討論会ではオバマ大統領が巻き返したものの、その後支持率に大きな変化はなかった。


米大統領選挙 第3回候補者討論会(写真:ロイター/アフロ)
 10月末に米東部を襲ったハリケーン・サンディーでは、オバマ大統領が現職の強みを活かして被災地の救援に指導力を発揮したことや、10月の雇用統計で失業率がわずかながらも減少するなど、最後の最後にオバマ大統領に追い風が吹いたことも間違いない。

 いずれにしても、これだけの大接戦となったということは、対立候補である共和党への支持やオバマ大統領の政策への不満もそれだけ高かったことを意味しており、2期目の政権運営に大きな障害となっていくであろう。

 今回の大統領選挙では、対立候補のロムニー氏が、選挙戦終盤で外交問題を争点にすることを諦め、ほとんど経済問題に集中してしまったために、オバマ政権の外交分野の失敗があまり浮き彫りにされることはなかったが、ここではオバマ新大統領が今後直面するであろう外交的課題を整理しておこう。

第2期オバマ政権が直面する新たな「テロ問題」

 第3回目の討論会は外交がテーマだったが、この時に「米国に対するもっとも大きな脅威は何か?」というモデレーターの質問に対し、ロムニー候補はイランの核問題をあげ、オバマ大統領はアルカイダなどの国際テロ勢力をあげていた。この2つは、第2期オバマ政権にとって間違いなく外交・安全保障政策の最優先課題となるであろう。まずは、国際テロの問題から見ていこう。

 国際テロの問題というと、アフガニスタンやパキスタンで米軍やアフガン治安機関に対して自爆テロなどを実行しているアルカイダやハッカーニ・ネットワークといったイスラム過激派勢力のことを思い浮かべるだろう。しかし、最近米国で俄かに注目を集めているのは、中東や北アフリカで見られたいわゆる「アラブの春」によって出来た新体制の下で、新たな自由を得てしまった武装勢力のことである。

 その新しい脅威が誰の目にも明らかになったのが9月11日にリビア東部の都市ベンガジの米領事館が襲撃された事件であった。米国政府の出先機関である領事館が武装勢力に襲撃され、米国大使を含む4名の米国政府関係者が殺害されたのだが、これを実施したのは無名のローカルな武装民兵集団だった。このような反米武装勢力が中東各地で増殖していることは、米国にとって新たな脅威が出現したことを意味しており、このような事態を招いたのはオバマ政権の中東政策の失敗だ、と一時期ロムニー候補はオバマ氏を激しく非難していた。

 「リビアにおいてわが国の人々を殺害し、他の多くの国々で我々の大使館を襲った責任は、もちろんそれらを実行した者たちにある。だが、事態に翻弄されるがままにしておくのではなく、米国の偉大な力を行使して歴史をつくる責任は大統領にあるのだ」

 「オバマ大統領は戦争の潮流はおさまりつつあるなどと述べているが、今日の中東を見れば、イランは核兵器能力の取得に近づきつつあり、シリア紛争は中東全域の安全を脅かしている。中東全域で過激派の勢力が強まり、米国の大使や職員がアルカイダの手で殺害されるような事件が起きているのだ。中東における紛争のリスクは、オバマ大統領が政権の座について以来ますます強まっているのは火を見るより明らかだ」

 ロムニー候補は10月8日のヴァージニア州立軍事学校でのスピーチでこのように述べていた。結局、大統領選挙では、この問題でオバマ大統領は大きな失点をすることはなかったが、ロムニー氏が指摘したこの問題が解決されたわけではない。

明らかになるリビア領事館襲撃事件の真相

 実際、選挙戦中にこのリビア領事館襲撃事件の詳細が次々に明らかになっていったのだが、事実が判明すればするほど、事態の深刻さが浮き彫りになっていった。日本のメディアでは十分にカバーされてこなかったので、若干ここで補足説明しておこう。

 911の襲撃事件当日、ベンガジの米領事館の警備にあたっていたのは、米政府の外交警備要員5名と米政府が雇っていたリビアの民兵組織「リビア2月17日旅団」の警備員3名のみ。それ以外に領事館の近くにリビア人による緊急対応チームが1個チーム待機していたという。

 当初は反米デモに参加していた暴徒がエスカレートして領事館を襲撃したと伝えられていたが、後に明らかになった事実はベンガジの米領事館の前では実際には反米デモ運動は一切起きておらず、突然、武装集団による襲撃が夜の9時40分ごろに開始されたというものだった。

 すぐに警備は突破され領事館内への侵入を許し、近くに待機していた40名による緊急対応チームがかけつけて応戦したものの、武装勢力との激しい戦闘が続き、迫撃砲などによる攻撃に持ちこたえることができないと判断し、23時頃に領事館敷地から外に退避。領事館員たちは全員退避してそこから少し離れたセーフハウスに移ったが、そこにもすぐさま攻撃が加えられたという。

 明け方近くになり、やっと応援部隊がトリポリから到着してセーフハウスに到着したが、その時点でもさらに迫撃砲による攻撃が3方向から加えられ、この間の戦闘で外交警備要員の米国人2名が死亡。この後車両50台を超える大規模なリビア治安部隊の救援がきて、やっと米領事館員たちは空港まで離脱することができたのだという。

 つまり、911のリビア領事館襲撃事件は、その辺の不良が武器を持って勢いで襲ってきたものとは比較にならない大規模な攻撃だったのである。相当大掛かりかつ重武装した勢力による組織化された攻撃であり、領事館員たちのセーフハウスの場所や緊急対応チームの勢力まで事前に調べた上での周到な攻撃だったわけだ。

 しかもその後、米連邦捜査局(FBI)の捜査チームが、米軍のハードな警護に守られながら襲撃を受けたベンガジの米領事館の敷地に入ったのは事件が発生してから3週間後のことである。その間に領事館の全ての部屋が略奪にあい、外交的に重要な文書なども多数盗まれたことがわかっている。後に米メディアなどに持ち込まれた文書だけでも、米大使の行動日程や会談相手を記した文書、米領事館の警備のために契約していた現地の警備員の写真付きの履歴書など、テロリストに渡ったらさらなる殺害に発展するようなセンシティブな文書がダダ漏れになっていた。

パワーの空白で武装勢力の力がアップした

 今回の事件で明らかになったのは、武装民兵集団の拡散や彼らの武装レベルの高さ、攻撃のレベルの高さであり、米国にとっての新たな安全保障上の脅威に発展しているという問題認識であった。北アフリカから中東、そしてアフガニスタン、パキスタンに至るまで、この種の、この程度の規模の攻撃を実施することのできる武装集団が跋扈し、それを可能にする武器やノウハウが溢れ、またそのような攻撃の意思を持つ集団が野放しになっているということである。

 とりわけ北アフリカ、中東から南アジアまで、紛争や体制交代により国家のそれぞれの主権国家に及ぶパワーが弱まり、国境近辺を中心にパワーの空白が次々と生れ、そこに武器が流れ、さらに武装勢力の力がアップするという危険な負の連鎖が起きている。

 アラブの春に端を発する政権交代の波は、民主主義を生むのではなく、様々な勢力に活動の自由を提供する機会を与え、無秩序化が拡大し、その中で重武装した民兵組織が次々に台頭し始めている。イラク、アフガン、リビア、シリアで次々に紛争が続く中で、大量の武器と軍事的な能力を身につけた民兵や元兵士たちも拡散している。ベンガジの米領事館を襲ったようなミニ軍事作戦を展開するような能力を持つ勢力が、大量に発生しているのである。こうした勢力が新たな政権の体制に挑戦するだけでなく、これまで安定していた体制の秩序さえ脅かす存在に成長するリスクに、オバマ新政権は真剣に取り組まざるを得なくなるだろう。

第2期オバマ政権はイランとの外交交渉を再開する

 一方、イランの核開発問題も、第2期オバマ政権にとって「待ったなし」の大きな課題となるのは間違いない。イスラエルのネタニヤフ首相は、このままのペースでイランの核開発が続けば、2013年の夏にはイラン核武装化を防ぐ最後のレッドラインを超えると世界に警告を発しており、来年の上半期が、イラン核開発に歯止めをかける最後のチャンスだと考えられている。

 これに関して、欧米のイラン・ウォッチャーの間で、11月6日の米大統領選挙の後に、滞っていた欧米とイランの核問題をめぐる交渉が再開されるのではないか、との観測が強まっている。

 この問題が話題になったのは、これまたニューヨーク・タイムズ紙がすっぱ抜いた「米政府とイラン政府が2国間協議を行う事で合意した」との報道だった。第2回目の米大統領選挙の討論会の直前の10月20日に、「U.S. Officials Say Iran Has Agreed to Nuclear Talks」というタイトルのスクープ記事が配信されたのである。

 同紙は、「米国とイランが初めて、イランの核問題について2国間で交渉することに原則的に合意した」とオバマ政府高官からの情報として報じた。ホワイトハウスはすぐにこの報道を否定し、オバマ大統領も討論会の場で、同紙の報道は「本当ではない」と否定した。

 しかし、ホワイトハウス・スポークスマンの声明などを注意深く読んでみると、米政府は2国間協議について「最終的な合意に至った」というのは本当ではないと述べているだけであり、この記事が報じたそれ以外の部分を全面的に否定したわけではなかった。それどころか「オバマ政権は発足当初から2国間で協議をする準備ができていることは公にしてきた」と述べており、2国間協議をするということ自体は、自分たちの公約に反する事でも何でもないとの見解を示している。

 既にこれまでも欧米諸国とイランの交渉の際に、米政府とイラン政府の高官は継続的に接触・協議を続けてきている。欧州側からも、「これまでの議論では、テーマが余りに限定され過ぎており、お互いに妥協点を見出すことが困難だった。次回はもっとたくさんの要求ともっとたくさんの報酬を俎上に乗せて議論を行いたい」としている。

 欧州勢は、より多くの要求や報酬を議題に乗せれば、小さなステップから妥協が可能になり、少しずつ信頼醸成を積み重ねることができるのではないか、と期待しているようである。欧州勢の間では「more-moreアプローチ」などと呼ばれ、より幅の広い、包括的なアプローチでイランと交渉したいとの姿勢が出されている。

 状況が緊迫する中、大統領選挙が終わり次第、イラン核問題は、米政府がとりかからなければならない問題になってきているのは間違いない。オバマ大統領がすぐにイランとの核交渉を再開するかは微妙なところだが、今後数カ月以内にイラン核問題をめぐる外交活動が再び活発になり、少なくとも欧米諸国とイラン間の新たな交渉の道が開かれる可能性は高い。もっともイラン側が来年の大統領選挙までは国内がまとまらない可能性が高いので、交渉が再開されたとしても、何らかの合意に至るとは限らない。

 いずれにしても、第2期オバマ政権は、イラン核開発問題に多大な労力とリソースを注ぎ込むことになるだろう。

 アフガンからの米軍撤退問題やアジア太平洋・対中政策などについては次回に詳述しよう。(つづく)


菅原 出(すがわら・いずる)


1969年、東京生まれ。中央大学法学部政治学科卒。平成6年よりオランダ留学。同9年アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。国際関係学修士。在蘭日系企業勤務、フリーのジャーナリスト、東京財団リサーチフェロー、英危機管理会社役員などを経て、現在は国際政治アナリスト。会員制ニュースレター『ドキュメント・レポート』を毎週発行。著書に『外注される戦争』(草思社)、『戦争詐欺師』(講談社)、『ウィキリークスの衝撃』(日経BP社)などがある。


隠された戦争

この10年は、まさに「対テロ戦争の時代」だったと言って間違いないだろう。そして今、この大規模戦争の時代が「終わり」を迎えようとしている。6月22日、オバマ大統領がホワイトハウスで演説し、アフガニスタンから米軍を撤退させる計画を発表したのである。
米国は一つの時代に区切りをつける決断を下したが、イラクもアフガニスタンも安定の兆しを見せておらず、紛争とテロ、混乱と無秩序は、世界のあらゆる地域に広がっている。そして東アジアでは、中国という大国が着実に力を蓄え、米国の覇権に挑戦し始めたかに見える。
無秩序と混乱、そしてテロの脅威が拡大し、しかも新興国・中国の挑戦を受ける米国は、これから限られた資源を使ってどのような安全保障政策をとっていくのだろうか。ポスト「対テロ戦争時代」の米国の新しい戦争をレポートする。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20121107/239169/?ST=print
http://www.asyura2.com/12/warb10/msg/403.html

記事 [エネルギー2] 25%の国際公約は実現困難。だからこそ国内対策を着実に進める
25%の国際公約は実現困難。だからこそ国内対策を着実に進める

関荘一郎・環境省地球環境局長に今後の温暖化対策を聞く

2012年11月8日(木)  田中 太郎

昨年3月の原発事故によって、原発の活用を前提にした従来の温暖化対策が抜本的な見直しを迫られている。2020年に温室効果ガスの排出量を25%削減するという国際公約は、実現の見通しが立たない状況だ。今後の対策をいかに進めていくのか。9月に環境省地球環境局長に就任した関荘一郎氏に聞いた。(聞き手は田中太郎)
温暖化対策のかじ取りが非常に難しい時期に局長に就任した。

関 ほとんどの原発が停止している状況の中で、今後のエネルギーをどう確保するのかが非常に重要になっている。環境省は、温暖化対策のために原発を再稼働するという立場ではないが、エネルギーミックスがどうなるのかによって、温室効果ガスの排出量に大きく影響する。非常に難しい時期だ。

国際公約をどうするかは国内対策をまとめてから

「2020年に温室効果ガス排出量を1990年比で25%削減する」という目標を掲げた地球温暖化対策基本法案が宙に浮いている。廃案にするという話もささやかれいる。


関 荘一郎(せき・そういちろう)
環境省地球環境局長。1955年、大分県生まれ。78年東大工卒、旧厚生省入省。2006年環境省廃棄物対策課長、2010年水環境担当審議官、2011年11月除染担当審議官、2012年9月より現職。1997年に開かれ、京都議定書を採択した第3回気候変動条約締約国会議(COP3)に環境庁(当時)の担当として参加した
関 そういう決定はしていないし、検討もしていない。現在、温暖化対策の推進を目的にした政府案、自民党案、公明党案の3つが国会に提出され、継続審議になっているが、法律の裏付けを得て対策をしっかり進めていくためにも、いち早く審議して成立させていただきたい。政府案を提出した責任省庁として説明を続けていく。

政府が9月に発表した「革新的エネルギー・環境戦略」では、「2030年時点の温室効果ガス排出量を概ね2割削減(1990年比)することを目指す」とされた。国際公約があるにもかかわらず、国の目標がいつのまにか後退した印象がある。

関 ご存じのように政府は今夏、「エネルギー・環境に関する選択肢」の3シナリオを提示して国民的議論を行い、革新的エネルギー・環境戦略が固まった。選択肢をつくる際には、中央環境審議会中央環境審議会で何十回も議論を重ね、それぞれのシナリオで温暖化対策をどう進めるのか、温室効果ガスの排出量はどうなるのかを緻密に計算した。

では、革新的エネルギー・環境戦略にあるものが現在の目標で、国際公約は下ろすということか。

関 細野豪志・前環境大臣も、3.11以降の状況を考えると25%の目標達成は極めて難しいと国会で答弁している。ただ、国際的には(すべての主要国による公平かつ実効性のある国際枠組みの構築及び意欲的な目標の合意を前提にした)条件付きの25%削減が日本の目標であることに今のところ変わりはない。そういう意味ではかい離している。

 今後の目標をどうするかについては、年末までに2013年以降の「地球温暖化対策の計画」をまとめることになっており、政府内で議論中だ。それが固まってから、国際公約をどうするのかを検討することになるだろう。

新しい地球温暖化対策の計画はどのようなものになるのか。

関 現在の「京都議定書目標達成計画」のように、省エネなどの施策を積み上げることは当然するだろう。中央環境審議会でもすでにかなりの議論をしてきている。革新的エネルギー・環境戦略には省エネなどの数値目標をかなり踏み込んで書いてあり、これを達成していくことが必要になる。原発の再稼働がどうなるのかなど考慮しなければならない事項はいろいろあるが、さわさりとて地球温暖化は待ったなしだ。国際的な信用が失墜しないためにも、国内対策をしっかり推進する必要がある。

 削減目標をどう書くかは、率直に言って悩ましい。現時点では検討中としか言えない。

2国間オフセット・クレジットを国を挙げて推進

国際的な枠組みづくりも非常に重要な時期にきている。

関 今月末に開催される第18回気候変動条約締約国会議(COP18)で京都議定書の第2約束期間について話し合われるが、これには日本は義務を負わないことを表明している。それに代わる2020年からの新たな枠組みに対し、日本は貢献を求められている。

 従来から日本が主張している、すべての国が参加する公平な制度を目指して、途上国が主張している共通だが差異ある責任を踏まえつつ、実効性のある国際ルールを2020年から発効できるようにする。それを2015年までに決めようということになっているので、より良いルールづくりに環境省としても全力で取り組みたい。ただ、各国の利害が絡む国際交渉であるので、日本の主張で世界が大きく変わるという簡単なものではないことは承知している。

国際的な信用を失わないようにするためにも、日本が努力している姿勢を示すことが必要になる。現在の国連の枠組みではなく、海外の国と個別に温室効果ガス削減プロジェクトを実施して貢献分を日本の削減量にカウントする「2国間オフセット・クレジット」に政府は期待をかけているようだが。

関 日本が具体的に主張していくポイントの1つだ。現在の京都議定書では認められていないが、世界の温室効果ガス削減のための重要なツールになるので、2020年以降の新たな枠組みに取り入れられるように、日本政府を挙げて取り組んでいる。

 ルール化されるかは別として、いくつかの国とは協定を結ぶための話し合いを進めている。インドネシアやベトナム、インドとはかなり深いところまで話が進んでいる。

最大級の台風を乗り越えた浮体式洋上風力の実証事業

国内対策では、エネルギーの使用に課税する温暖化対策税が10月1日から導入されている。

関 エネルギー起源のCO2削減に効果を上げる省エネや再エネ対策に活用していくことが最大の課題だと考えている。これまで環境省はかけ声だけの“旗振り官庁”と言われることもあったが、再エネ事業などを具体的に後押しできるようになった。

プロジェクトにはどのようなものがあるのか。


長崎県・五島列島沖での「浮体式洋上風力発電」の実証事業。現在は出力100キロワットだが、2013年度には2メガワットの実証機を設置する計画(写真提供:環境省)
関 たとえば、長崎県・五島列島沖で浮体式洋上浮力発電の実証事業が始まっている。100キロワットの実証機が今年7月に稼働した。それが、今年はたまたま、すごい実証ができた。というのも、浮体式の風力発電で最大の懸念事項は天候が悪化した場合に壊れないかということだ。今夏は、戦後最大級の台風が2度襲ったが、何も問題が起きなかった。大変な期待が持てる。

 風力発電は、再エネの中では比較的安定しているが、地上には適地が少なくなっている。日本には遠浅の海が少なく、着床式の風力発電も設置しにくいこともあり、浮体式が成功すれば、立地の確保を進めやすくなる。来春には実機レベルの2メガワットの実証機も設置する。

 地熱発電についても、国立公園を所管している環境省だからこそ、立地場所に工夫ができる面もある。そのための調査にも、温暖化対策税を活用できる。納税者の方が納得できるような有効な施策を進めていきたい。


キーパーソンに聞く

日経ビジネスのデスクが、話題の人、旬の人にインタビューします。このコラムを開けば毎日1人、新しいキーパーソンに出会えます。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20121107/239178/?ST=print
http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/798.html

記事 [社会問題9] 無責任の産物としての大学設置騒動 卒業生が社会に出てからの一生を考えた議論をしているか
無責任の産物としての大学設置騒動

卒業生が社会に出てからの一生を考えた議論をしているか

2012年11月8日(木)  伊東 乾

 ただただ、本質と無関係なところで素っ頓狂なやり取りに終始しているなぁ、とあきれてみています・・・何の話か? 田中真紀子文科相の「大学新設不認可」関連のお話ですが。

ことのなりゆき

 実は今回は、橋下大阪市長の週刊朝日関連の話題の続きを、と思っていたのですが、11月に入ると、もうとっくに話としては過去のものとなり、かつて「八時だよ、全員集合」などでいかりや長介が言っていた「次行ってみよう」状態になっているわけですね。

 このテレビ視聴者的健忘症候群が、実は日本社会最大の病であると私は思っておるのですが、実際に話題としてはピークを過ぎ、編集部も現段階で同業批判は避けたいといい、つまるところその話を続けること自体をやめてみました。実はこれ自体が、私としては状況への最大の批判なのですが、どうしてそうか、というのは別の折に記したいと思います。

 さて、今回の田中真紀子文相のお話、簡単に振り返ってみましょう。

 11月2日、田中文科相は2013年に新設を予定していた秋田公立美術大、札幌保険医療大、岡崎女子大の3大学について新設を不認可としました。

 これら3大学はこれまで一貫して認可の手続きを進めてきたものでしたが、最後の段階である文科相の諮問機関「大学設置・学校法人審議会」が行った2013年度の開校認可の答申に対して「不認可」としたもので、現行制度過去30年で初めてとのこと。

 田中文科相は当初

「大学の質の低下が進んでいる」ので「大学設置の認可を審査する審議会制度を抜本的に見直」したく、「見直しを行う間は、大学の新設を認めない」として、3大学の新設を認めないとしました。またこれにあたって2012年10月25日、ずさんな経営が改善されないため私立学校法に基づいて「解散命令」が出される予定の堀越学園(群馬県高崎市)の事例に言及

「大学はたくさん作られてきたが、教育の質自体が低下」「そのために就職が不可能ということにもつながり、大学同士の競争の激化で、運営に問題も出ている」などとして、制度見直しの間は大学新設を認めないとしたものだと説明しました。

批判と姿勢の変化

 この田中大臣の「不認可決定」に対して、賛否双方でいくつか声が上がるわけですが、率直にいうと、ほとんどすべて素っ頓狂な話だと思わざるを得ませんでした。

 まず第一におかしいのは、田中大臣擁護論というより「よくやった」式の野次でしょう。いわく、官僚主導で進めてきた許認可に対して田中文科相は「政策判断」でこれを覆した、よくやった、うんぬん。

 各大学としては、遵法的に、また役所の指導に従って粛々と準備を進めてきたわけです。それをいきなり文科大臣が独断で覆せることになってしまったら、日本国は法治国家ではなくなってしまいます。そういう「人治国家」つまり権力者がその時々の思惑で、どのようにでも成文法に書かれたルールの決め事をひっくり返せる国家の状態は、国連などでは民度が低く民主主義が普及していない、独裁ないし寡占的な統治として、国際社会で信頼するに足りないものと見ています。

 実際、ちょっと前までは選挙で選ばれ公職にあった人が「日本は憲法を放棄できる」と発言をしても、あまりまじめに問題とされないという不思議な状態のこの国であります。正直心配になってしまいます。

 ともあれ、日本がそんなもの、つまり国際社会で恥さらしな低民度・権力寡占国家なぞになってしまってはたまりません。

 田中大臣のアドリブは、方法として駄目、手続きとしてペケなものといわねばなりません。

 が、しかし、では手続きだけ踏んでいればよいのか?というと、今度はその手続き自体の問題が問われてきます。ここについては田中大臣にもひとつ、筋道の通る部分があります。

人材育成の全体に誰も責任を持たない日本

 各大学はいままで、法の定めに従い、また政府・所轄官庁の指導に沿って大学設置の準備を進めてきた・・・そのとおりと思います。と同時に、日本は三権分立の国家システムですから役所、つまり行政府は勝手に立法したり、司法の裁きを下したりはできないわけですね。つまり、言われた決め事にもっぱら従い、その範囲の中でしか仕事ができない。

 現行のシステムに沿って設立準備を進めてきた、のは当然ですが、逆にいえば、その現行システムありきであって、それに対する建設的批判的な視点は、行政の中で成立しにくい状況にある。これもまた事実であります。

・・・いや、何をまどろっこしいことをいっているか、というと、つまり、今こういう大学を作ってどういう意味があるの? という全体像を批判的に検討する視座は行政の中では育ちにくいという事を言っているのです。具体的に言えば非常に簡単な話です。

 今回NOを言われた3つの大学を具体的に見てみると

〈1〉秋田公立美術大学(秋田市)美術学部美術学科=入学定員100人、3年次編入学定員10人
〈2〉札幌保健医療大学(札幌市)看護学部看護学科=入学定員100人
〈3〉岡崎女子大学(愛知県岡崎市)子ども教育学部子ども教育学科=入学定員100人

という枠にNOが出された格好だったわけです。たとえば「秋田公立美術大」ですが、芸術の教授屋としてぶっちゃけていいますよ、いま100人からの若い人が、貴重な青春の4年を「美術」に使ったとして、その先に「美術」の仕事が100、あると思われますか・・・?

 ないんですよ。ない。まったくない。ぜんぜん、もうあきれるほど一切、ない・・・まあ、秋田県下で10年間のうちになんらかの意味で美術にかかわる仕事、学校の美術教師なども含め役職やポストが散発的にぽつぽつとできてくることまでは否定しません。

 でもですね、毎年100人、は絶対にないんです。10年で1000人、美術家が必要ですか? 秋田県だけでなく、日本全体で考えても、そんなに美術人は社会に必要とされていない。

 これは、東京大学で建学以来初の音楽実技教官として13年やってきた私自身の経験として、また東京芸術大学はじめ伝統を誇る芸術系教育機関で非常勤指導もしてきた現場の証人として言わせてもらいますが・・・ないんですよ、そんな職。

 確かに学校を出て数年は、OBもOGみんないろんな形でがんばっています。それが20台後半になり30を過ぎ、結婚し子供ができ・・・なんて間に、だんだん別の生活になってゆく。それがいまの日本社会の現実です。

 例えば欧州などでは、まったく違う環境があります。私の専門でいうなら、例えば旧東側には音楽大学の大学院を出ると「国家演奏家資格」が取れ、生活が一定保証される可能性が高くなる国が少なくありません。

 これは要するに、お医者さんや弁護士と同様、社会人として活躍してゆけるプロとしての資格と、それを支える国の経済システムがあるということですね。

 実際、今回同じく認可されなかった札幌保健医療大学のケースでは、これは看護学部看護学科ですから美術大学とはずいぶん就職状況は違うはずです。むろん入学定員の100ずいぶん違っているはずです。

 しかし、それをどうして4年制の大学にする必要があるのか? ここは議論が分かれる可能性のあるところです。少なくとも4年制の「看護学科」をさらに「大学院重点化」して、看護師の修士という珍しい存在を作ったところ、そういった環境から先日の、世にも恥ずかしいiPS細胞移植詐欺、森口さんという人が出てきたのも、記憶に新しいところだと思うわけです。

 さて、では「岡崎女子大学こども教育学部」はどうなのか・・・この場合、現在の岡崎女子短期大学「幼児教育学科」を拡大発展させるわけですから、保母さんとか幼稚園の先生とか、やはり専門性をもった就労の可能性や資格などとは、美大よりは親和性が高いのかもしれません。

何の生き残りを賭けるのか?

 今回の3大学、ひとつひとつには越し方の由来があります。「岡崎女子短期大学」は4年制の「岡崎女子大学」に発展改組を望んでいるもの。札幌保険医療大学は札幌市の学校法人吉田学園が1996年に開校した札幌総合医療専門学校が元の形で、2002年に北海道保険看護専門学校開校、2006年にはこれを専門学校北海道保健看護大学校と改称し、晴れて4年制大学としてスタートしようとしていたもの。秋田公立美術大学も、秋田公立美術工芸短期大学を発展改組しようとするもの。いずれのケースでも短大、専門学校として運営してきた学校を4年制大学にしようという話で、根も葉もないところからいきなり大学を作ろうというようなものではありません。

 こうした新設大学に、改組の動機を伺うと(この3大学は直接は知りませんが、いままで数大学、新設時点で非常勤講師などで教えた経験もあることから申しますが)「これからの少子高齢化の中で、4大にしないとやってゆけない、生き残ってゆけない」という答えが、かなりの高確率で帰ってきます。

 これはつまり、今後は4大にしないと大学経営が成り立たない、志望者が集まってくれず、学校がつぶれてしまう、といっているわけですが、ここで私は逆に尋ねたいのです。

 なぜ学校がつぶれてはいけないのか?と。

 こんな話をすると、キョトンとされてしまうのですが、でもあえて問いましょう。なぜ学校がつぶれてはいけないのか?

 非常にはっきりしていることは、受験志願者としてやってくる学生たちにとっては、入学以前の大学は縁もゆかりもないわけで、つぶれようが何だろうが、あまり関係はありません。

 学校がつぶれて一番困るのは、そこで働いている人たちにほかなりません。つまり教職員の生活が成り立たなくなってしまうので、学校をつぶせないということになる。

 で「4大改組だ」という話になるわけですが、ではそこで学ぶ学生にとっては、どうなのでしょう?

 なるほど、志願者が減ってしまっては大変ですから、各大学とも入学志望者を確保するべく、学生=顧客の気を引くような看板をいろいろ立てますし、卒業後の進路も就職担当の事務方も先生も、足を棒にしてがんばってやっておられる。あたまが下がる現実です。

 で、ここで気になるのは。例えば「美術大学」であっても、進路は「美術職」(なんてそもそもほとんどないことは記したとおり)ではなく、ともかく行き先を見つける、食えなきゃ話にならないから、業種も職種もあれこれ言わず、ともかく雇ってくれるところを探すという方向に、いきおい、流れやすい傾向があると思うわけです。

 これっていったい、何なのでしょう? 大学とはそもそもは専門教育機関です。そのような高等教育組織として設立しながら、実際には社会にその専門職のニーズがあるとは限らず、就職担当は足を棒にしてがんばっている・・・どこか、根本的なところで、不思議なことになっているように思うのは、私だけでしょうか?

木を見つつ森も見なきゃ大臣は務まらない

 11月6日の記者会見で、田中文科相は

「全部、不認可ということではない」

であるとして、新基準で審査する意向を表明し、事実上の不認可撤回と報じられました。しかし、個別の大学にどういう落ち度があったのか、という質問に対しては

「個別の大学のことは全然考えていないし、落ち度なんていう細かいところまでは分からない」

とのことで、あくまで木を見ず森の概形を見ての話であるようです。教育はこれではいけません。審査は個別に行わなければ意味がない。木を見ながら、かつ同時に森の全体も考える、そういう仕事が閣僚の判断業務にほかならず、やや大味に過ぎるのでは、というのが、一大学教員として一連の推移を見ての正直な感想です。

 神は細部にやどる、といいますが、教育の本当の魂は、結局一人ひとりの卒業生、OB、OGたちの人生航路そのものとして現れてくるものに宿りますし、それ以外は何一つ本質的ではない、と断言しておきましょう。見かけの就職率の数字とか、経営収支の短期的改善とか、そんなことで教育の本質を論じたつもりになってはいけないと思います。

 現時点では、まだ、田中文科相自身も、またそれを批判する多くの異なる立場の意見も、一人ひとりの卒業生が社会に出てから過ごす一生、という一番の本質にほとんど触れていないように見えます。そんなレベルで制度を論じるのは、教育すなわち若い人のその後の一生を左右する問題を扱ううえで、無責任極まりないと率直に思っています。

 そのようなレベルの議論でなく、もっと実体とがっぷり四つに組み合った議論と、施策の改善が進めば、なによりだと思うのですけれど・・・


伊東 乾(いとう・けん)


1965年生まれ。作曲家=指揮者。ベルリン・ラオムムジーク・コレギウム芸術監督。東京大学大学院物理学専攻修士課程、同総合文化研究科博士課程修了。松村禎三、レナード・バーンスタイン、ピエール・ブーレーズらに学ぶ。2000年より東京大学大学院情報学環助教授(作曲=指揮・情報詩学研究室)、2007年より同准教授。東京藝術大学、慶応義塾大学SFC研究所などでも後進の指導に当たる。基礎研究と演奏創作、教育を横断するプロジェクトを推進。『さよなら、サイレント・ネイビー』(集英社)で物理学科時代の同級生でありオウムのサリン散布実行犯となった豊田亨の入信や死刑求刑にいたる過程を克明に描き、第4回開高健ノンフィクション賞受賞。科学技術政策や教育、倫理の問題にも深い関心を寄せる。他の著書に『表象のディスクール』(東大出版会)『知識・構造化ミッション』(日経BP)『反骨のコツ』(朝日新聞出版)『日本にノーベル賞が来る理由』(朝日新聞出版)など。


伊東 乾の「常識の源流探訪」

私たちが常識として受け入れていること。その常識はなぜ生まれたのか、生まれる必然があったのかを、ほとんどの人は考えたことがないに違いない。しかし、そのルーツには意外な真実が隠れていることが多い。著名な音楽家として、また東京大学の准教授として世界中に知己の多い伊東乾氏が、その人脈によって得られた価値ある情報を基に、常識の源流を解き明かす。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20121107/239140/?ST=print
http://www.asyura2.com/12/social9/msg/186.html

記事 [中国3] 中国新政権の課題、所得格差是正のカギを握る“陝西閥” 習近平が貧しい農村を経験した陝西省が進める「勧富済貧」
中国新政権の課題、所得格差是正のカギを握る“陝西閥”

習近平が貧しい農村を経験した陝西省が進める「勧富済貧」

2012年11月8日(木)  肖 敏捷

 全国人民代表大会(全人代)閉幕後の今年3月14日、温家宝総理は定例の記者会見に臨んだ。在任期間中、最後の記者会見ということもあって、温総理はいつも以上の熱弁を振るい、3時間に及ぶ異例な事態となった。筆者はこの日、出張先の台北のホテルでCCTVのテレビ中継をみていたが、いつものように温総理が古典を引用しはじめたところで、新味のある話はなさそうだとスイッチを切り、ホテルを出た。

 しかしその夜、ホテルに戻ってニュースをみた時、大変なことが起きたと気付いた。この記者会見の最後に、海外通信社の質問に答える形で、温家宝総理は厳しい表情で「重慶事件」に言及したのだ。その翌日、薄熙来氏に対し、職務停止の処分が下された。この歴史的瞬間を見逃してしまったことを少し後悔した。

 そして、あまりにも衝撃的だった「重慶事件」の陰に隠れ、記者会見で言及されたもう1つの大事な話を危うく見落とすところであった。温家宝総理は「残りの任期期間中に、まだいくつかやらなければならない難題があるが、収入分配体制改革包括方案(以下「包括方案」)の制定がその最優先課題だ」と述べたのである。

 確かに、2003年3月に総理に就任し、2004年3月に行った最初の所信演説にあたる「政府工作報告」の中で温家宝総理は、「収入分配調整機能を強化する」と表明した。前任者の朱鎔基総理は2003年3月、最後の所信演説の中で次期内閣への提案として、国民、とりわけ低所得者の収入を増やすことを取り上げた。したがって、収入分配改革は温総理が朱総理から受け継いだ課題だったといえる。

温家宝総理の未完の改革

 実際、2004年3月に温家宝総理の所信演説を受けて、国家発展改革委員会を筆頭とする関係省庁が、包括方案の作成に動き出した。しかし、温家宝総理の任期が残り数カ月となった時点でも、この方案はいまだに公表されていない。

 評価は後世に任せるが、少なくとも改革・開放以降、温家宝総理ほど毀誉褒貶の激しい指導者はいない。「平民総理」としてのイメージが強いだけに、国民の関心が最も高い所得分配に関する改革を軌道にすら載せられない事態に陥れば、これは間違いなく汚点として残るはずだ。だから、温家宝総理はどうしてもこの包括方案の成立に漕ぎ着けたかったのだろう。

 しかし、この包括方案が10年近く放置されたツケはあまりにも大きい。胡錦涛−温家宝政権のこの10年間、GDP規模が世界第2位に躍進するなど、中国経済の成長ぶりには目を見張るものがあるが、その一方で所得格差が著しく拡大してきたのも否定できない事実である。

 中国での所得格差がどの程度なのか、政府と民間の推計値の間に大きな隔たりがあるため、定量的に事態を把握するのは難しい。例えば、統計局によると、ここ数十年間、都市部と農村部の収入格差は平均2〜3倍の間で推移しているが、収入が最も高い10%の国民と最も低い10%の国民との所得格差は1988年の7.3倍から現在の23倍まで拡大したとの分析がある一方、23倍ではなく65倍(王小魯氏)との指摘もある。

所得格差の是正を阻む抵抗勢力

 真相はともかく、共産党機関紙傘下の人民網が今年2月に行ったアンケートでは、8割の回答者が「貧富格差の著しい拡大」を最も関心の高い項目として取り上げた。また、一人当たりGDPが全国でトップレベルにある深圳で、ストリートチルドレンが一向に減らないという現実がある一方、中国は世界最大の贅沢品消費市場であると同時に、中国人が海外で不動産などを買い漁っていることも事実である。

 いろいろな反論があるかもしれないが、所得格差は国民が容認できる水準をはるかに超えてしまい、社会安定を著しく脅かすまでに拡大していることは、政府も認めている事実だ。

 一方、包括方案が難航している背景として、既得権益者からの強い抵抗が指摘されている。

 では、一体誰が既得権益者なのか。改革・開放の時勢に乗って大成功を収めた数多くの民間企業家との見方があるかもしれないが、最大の既得権益者はやはり政府そのものである。

 許認可権、徴税権、土地所有権などはいずれも、権益を確保する強力な手段であるが、巨大国有企業の役割も見逃すことができない。巨大国有企業は確かに政府の財政収入を支える大黒柱であるが、有望産業の独占や銀行融資、上場など様々な特権を賦与されたため、中国経済を牛耳る絶大な勢力となるに至った。

 例えば、政府は国有企業の5割以上の株式を持っているにもかかわらず、それに見合った配当を国有企業からもらっていない。そのため、巨大国有企業の賃金水準が異常に高いことが、所得格差の拡大に拍車をかける元凶だとして批判されている。

 大学生の間で就職先として巨大国有企業の人気が最も高いのは、賃金が最も高く、福利厚生が最も充実しているためだ。包括方案の中身は知らないが、所得を高いところから低いところへ移転させるのが改革の趣旨であるため、巨大国有企業などから強い抵抗を受けても不思議はない。

 しかし、そもそも国有企業は誰のものなのか、権利ばかりを享受し、義務を果たさない国有企業に対する国民の不満が頂点に達しつつある。今年8月、李洪華という弁護士は長文の質問状を公開し、中央政府が直接コントロールしている118社の巨大国有企業に対し、経営陣の年収や国への配当などに関する情報公開を求めるとともに、国有企業の所有者は全国民であるため、そのすべての利益を国民に還元すべきだと、一部の特権階級が国有企業だけでなく、中国経済を支配する現状を強く批判した。

陝西省の「勧富済貧」は何を意味するのか?

 こうした中、中国の西部に位置する陝西省では、所得格差の是正をめぐる新たな試みが始まっている。一人当たりGDPなどの指標をみると、陝西省は中国のなかでも発展が遅れている地域として知られている。中央政府からの財政援助だけでは貧困撲滅の進展があまり期待できないため、ここ数年、陝西省政府が「勧富済貧」という対策を打ち出した。「勧富済貧」とは文字通り、富裕層に貧困層への救済を勧めることを意味する。

 中国の大手経済誌傘下の「財経網」によると、ここ数年、陝西省政府の呼びかけに応じ、低所得層を助けるため、私財を提供する民営企業家が増えている一方、石油や石炭、非鉄金属などの関連国有企業も、貧困撲滅プロジェクトに出資するようになった。

 たとえば2011年、低所得者向け公共住宅建設の出資者と出資額をみると、省政府が10億元であったのに対し、地元の石油会社が20億元と、「官民」の逆転現象が起きている。陝西省の北部では、石油や石炭、天然ガスなどの天然資源に恵まれているため、その開発で大きく潤っている関連の国有企業が少なくないためだ。

 この試みに対し、陝西省政府の関係者は「企業の正常な経営活動の妨げとならない範囲で、より多くの社会責任を果たしてもらうよう、説得を試みた成果だ」と説明している。

 1990年代までの国有(国営)企業は、従業員に対して政府に替わり「揺りかごから墓場まで」ほぼすべての社会責任を果たしてきた結果、ほとんどの国有企業が消えてしまった。しかし2000年以降、株式上場を口実にこういった責任を全部政府に押し付けた結果、生き残った国有企業は暴利を貪る「赤い資本主義」の先兵となった。この意味では、陝西省の「勧富済貧」は「勧奨」という比較的温厚な手段で、行き過ぎた市場化を是正しようとする試みだといえる。

陝西省をルーツとする最高指導者が誕生

 10月15日、陝西省の省都西安市から70キロ離れた富平県で大規模な記念イベントが行われた。ほとんど知られていない内陸部の田舎で行われたにもかかわらず、香港の新聞はこの記念イベントを大きく取り上げた。

 そのイベントとは、習仲勲氏の生誕99周年を記念するものだった。習仲勲氏は毛沢東氏とともに国民党から政権を勝ち取った立役者の一人で、広東省党書記や国務院副総理まで務め、2002年に亡くなった大物政治家として知られているが、その出身地はこの富平県である。習仲勲氏のために建設した霊園で行われたこの記念イベントには、地元の共産党や政府の関係者のほとんどが顔を揃え、高校生なども動員されたという。

 地元にとって習仲勲氏が誇りであるのは確かだが、なぜ、ここまで記念イベントに力を入れるのか。その理由は、習仲勲氏が習近平氏の父親であり、2012年11月8日から開催される共産党第十八回代表大会で、習近平氏が共産党総書記に選出される予定だからである。習近平氏の略歴で、出身地が陝西省富平県とされていることをみれば、地元政府の意図は分かりやすい。

 一方、出身地は陝西省富平県であるものの、習近平氏は実際には北京生まれであり、習氏の母親によると、北平(北京の旧称)に近いという意味で、「近平」と名付けたとのエピソードがある。

 1969年1月、16歳だった習近平氏は北京から陝西省の延川県梁家河村に下放され、ここで7年間を過ごした。その後、習近平氏は北京や河北省、福建省、浙江省などで要職を歴任し、陝西省とはほとんど関係を持っていない。しかし人生の中で最も多感な成長期に、中国で最も貧しい地域で過ごしたこの7年間が、中国の次期最高指導者の政治姿勢にどのような影響を与えるのかは興味深い。

「下放青年」を中心とする「陝西閥」が中国を変える

 中国の政治を議論する際、「太子党派」や「共青団派」などといった括りがよく聞かれるが、最近、「上海閥」の登場回数が少なくなっているような気がする。そもそも、こうした派閥そのものが本当に存在するかどうかも疑問だが、共通体験を持ち、気心の知れた仲間同士が自然に集まるのは不思議ではない。

 9月1日、貴州省党書記だった栗戦書氏が共産党中央弁公室主任に就任した。習近平氏の大番頭に抜擢された理由は、かつて河北省で勤務していた頃、習近平氏の勤務地に近く、お互いによく知っていたからと伝えられている。なお栗戦書氏は陝西省や貴州省など、いずれも中国で発展が最も遅れている地域でトップを務めてきた人物でもある。

 また、来週の正式発表を待つ必要があるが、香港紙は、10月22日に開催した政治局会議では、陝西省党書記の趙楽際氏は政治局入りを果たすと同時に、共産党や大国有企業などのトップ人事を掌握する中央組織部の部長に内定したと伝えた。趙氏は陝西省出身で、陝西省よりさらに奥地にある青海省で下放を体験、北京大学卒業後、青海省党書記などの要職を歴任した。

 温家宝総理が任期内の包括方案の制定にこだわるのは、この改革を既成事実として、次期政権の行動を促したい狙いがあるとみられる。習近平新政権が直面することになる課題は山積みだが、所得格差の是正をこれ以上先送りすれば、政権基盤の崩壊につながりかねない。逆に、この改革を突破口にすれば、国民からの支持が得られやすいはずだ。

 巨大国有企業、及びケ小平氏の「先富論」で豊かになった沿海地域などの既得権益者に挑むには、内陸部の現状に対する共通体験と使命感を持つ仲間同士の結束が必要だ。2008年3月の全人代開催期間中、陝西省代表団の代表たちと座談する際、習近平氏は「陝西省は私のルーツだ」と語ったと伝えられている。もし、従来の「上海閥」とか「広東閥」といった分け方を踏襲すれば、筆者は今後「陝西閥」の活躍を期待したい。

 無論、「陝西閥」とは陝西省出身とかの狭い定義ではなく、過去30年間の高成長に取り残された陝西省をはじめとする内陸部の振興、とりわけ、所得格差の是正に政治生命をかけ、習近平氏の改革をサポートするすべての関係者を含む。

 習近平政権の誕生に伴い、所得格差の是正をめぐる動きが加速すると期待される中、1980年代に深圳が全国の対外開放の窓口としての役割を果たしたのと同様、所得格差是正の「先進地域」として、陝西省政府の取り組んでいる「勧富済貧」が、今後全国に広がる可能性も否定できない。


肖 敏捷(しょう・びんしょう)

中国武漢大学を卒業後、バブルの最盛期に文部省(当時)国費留学生として来日。福島大学や筑波大学に留学した後、証券系シンクタンクに入り、東京、香港、上海と転々しながら、合計16年間中国経済を担当。その後の2年間、独立系資産運用会社に勤務。現在、フリーのエコノミストとして原稿執筆や講演会などの活動をしている。「日経ヴェリタス」の2010年3月の人気エコノミスト・ランキング5位に。中国経済のエコノミストがベスト5に入るのは異例。現在、テレビ東京の「モーニング・サテライト」のコメンテーターを担当中。著書に『人気中国人エコノミストによる中国経済事情』(日本経済新聞出版社、2010年)などがある。


肖敏捷の中国観〜複眼で斬る最新ニュース

これまで20年間、東京、香港、上海における生活・仕事の経験で培ってきた複眼的な視野に基づいて、 中国経済に関するホットな話題に斬り込む。また、この近くて遠い日本と中国の「若即若離(つかず離れず)」の距離感を大事に、両国間のヒト・モノ・カネ・情報の流れを追っていく。中国情報が溢れる時代、それらに埋没しない一味違う中国観の提供を目指す。随時掲載。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20121105/239069/?ST=print
http://www.asyura2.com/12/china3/msg/317.html

記事 [経世済民78] 日経平均 忍者の里 11・7 気になったニュース /オバマ再選に怯える市場・・つまり株価はゼロに!
http://sora660.blog2.fc2.com/
(ダイジェストされた各記事の詳細は、上記のURLへアクセスすればダウンロードできます)

● 気になったニュース ●

・米国
オバマ米大統領再選、次期米財務長官にはルー大統領首席補佐官が最有力
オバマ氏再選で米金融政策めぐる不透明感緩和、株安・債券高の可能性
米下院選、共和党が引き続き過半数維持へ
〔アングル〕オバマ氏勝利でドル安路線のあおり受ける日本、米経済実力見直しの期待も浮上
【コラム】「サンディ」はオバマ大統領の秘密兵器だったのか

・EU他
独コメルツ銀行、5000─6000人の人員削減の可能性=新聞
仏BNPパリバ第3四半期は大幅増益、バーゼルIII対応が完了
ギリシャで緊縮策抗議のゼネスト、交通機関や病院もストップ
ロンドン金融街、2013年に1.3万人のレイオフ実施へ=業界調査
プーチン大統領、国防相を解任−スキャンダルか政争か
ドイツとフィンランド、銀行監督機関案に懸念表明=内部文書

・中国・アジア
中国:習近平氏を共産党総書記に、党大会8〜14日−報道官
韓国の原子炉部品に関する偽造文書、匿名の機関が発行=知識経済省

● メモ ●
イタリアはユーロ圏に残る余裕ない、国民投票を−グリッロ氏
オバマ米大統領、18日のASEAN関連首脳会議に出席=カンボジア情報相

● 雑感・メモ ●
選挙当日のPKO上げ&利確+売り仕掛けは大統領選のパターン通りでした。
(略)
しかし、米はこのツケどうするつもりなのか…
日本だけが下げているように見えるのですが、
また日本にツケを回す気なのでしょうか…?


◆松藤民輔の呟き
・オバマ再選に怯える市場・・つまり株価はゼロに!
http://blog.ushinomiya.co.jp/economics/

ある月刊誌の見出しは、米株式市場に暴落予兆、大統領戦後に富裕層が売り浴びせか、とある。
相場の神様が、大統領選が終った後のNYダウはどうなるかの質問に、
★オバマが勝てばマイナス13,400ドル、つまり株価はゼロになってしまうとニコリともせず言い放った。
ロムニーになら?の質問にまあ、6,000ドル下落というところかな。
下落するがロムニーがましだと言う。が、オバマ勝利さて?


◆ああ投資道
・オバマ勝利織り込む・・年内一波乱は覚悟がいりそうです
http://skywalker333.blog27.fc2.com/blog-entry-1693.html

オバマ大統領勝利・・で株式上昇。原油、金も元気。

ナスダック +0.41% 3011 ダウ +1.02% 13245 S&P +0.79% 1428 BDI -24 947
VIX -4.56% 17.58 VXX -3.46% 34.33
ドルINDEX 80.72 ドル円 80.36 ユーロドル 1.2815 原油 88.41 金 1716
イタリア10年債 4.9% スペイン10年債 5.66%
BIDU +2.07% SOHU +0.2% RENN +1.52% STP +4.34% EDU +3.38% GAME +8.26%
IBN +1.13% TCL -2.03% TTM +0.85% SLT +1.86% SIFY -2.04% REDF -3.61%
PBR +1.15% MTL +2.44% ABX +1.37% AU +4.03% SWC +3.51% HL -6.48%


アメリカ大統領選の後は中国のトップ交代が見えてきます。
中国の地方政府は、膨大の債務を抱えているはずです。いずれ金融機関を襲う事態になるでしょう。
国有企業なので問題ないというのが市場の考えですが、イケイケ経済が後退している中でさすがの中国政府も財政に四苦八苦するようになるのではないでしょうか。

★スペインの失業率は「恐慌」状態です。欧州経済が復活するのには時間がかかりすぎる。中国にも悪影響を与え続ける。アメリカは毎日言ってる「財政の崖」が目の前。世界経済が正念場を迎えるのはこれからだ。

アメリカのQE中ですが、昨晩からサマータイム終了となり、この時期はファンドの45日ルールなどで
「リカク」が本格化する時期なんですよね。
★年内一波乱は覚悟がいりそうです。

http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/433.html

記事 [社会問題9] 生活保護 「こんな不公平ありえん」 働いた者がバカを見る制度 やくざにおびえる担当職員 たんすから現金4千万円 

【生活保護を問う】(2)
「こんな不公平ありえん」 働いた者がバカを見る制度
2012.10.14 19:00
 生活保護費と最低賃金や年金との逆転現象。働き盛りの若者や、コツコツと年金を払い続けてきた高齢者の間には「こんな不公平はあり得ない」と、やりきれない思いが渦巻いている。

 最低賃金は国が都道府県ごとに定める時給の下限で大阪府は昨年度786円。この額で1日8時間、1カ月22日間働くと、計13万8336円。社会保険料などを除いた手取りは11万7447円だ。

 一方、大阪市で生活保護が認められると、1人暮らしの18歳では生活扶助8万3700円に加え、住宅扶助4万2千円で毎月計12万7510円が支給される。

 これだけで最低賃金を1万円も上回っているが12月の期末扶助や冬季加算、公費負担の医療費をプラスすると、さらに差は広がる。

 昨年度、こうした逆転現象は大阪など10都道府県で起きた。逆転地域では今秋から順次、最低賃金が引き上げられることになったが、大阪、東京、北海道などでは来年度以降に解消が先送りにされている。

「もらってたまるか」

 年金も同様だ。大阪市内に住む72歳の女性が受け取っている年金は、介護保険料などを差し引かれたうえで、2カ月で14万3399円。医療・介護費は自己負担しなければならない。

 同市で生活保護を受けると、生活扶助だけで1カ月7万5770円が支給され、女性の年金額を上回るうえ医療費などは無料だ。

 女性は内職をしていた昭和47年に国民年金に加入。54年にパート勤務を始め、厚生年金に移行してまもなく、夫が体調を崩して入退院を繰り返すように。それでも老後のために、と自営業だった夫の国民年金を払い続けたが、夫は平成4年に亡くなった。

 女性は「生活保護も受給できたが『もらってたまるか』と息子2人を育てた。必死に年金をかけてきたのに、何もしてこなかった人が年金より多い生活保護費をもらっている。周りの人もみんな不満に思っている」と話した。

見直し議論 活発化

 不公平感を増す現行の生活保護制度について、抜本改革を求める声は強い。厚生労働省は9月、不正受給への罰則強化や制裁金導入を盛り込んだ対策の素案を提示。一方で橋下徹大阪市長が率いる新党「日本維新の会」や自民党は、生活保護の現金給付ではなく現物給付を打ち出すなど、次期衆院選をにらんだ議論は激しさを増している。

 「住宅にしてもね、何にしても、現物で支給できるものは現物支給っていうものを考えなきゃいけない」

 橋下市長は今年6月に制度見直しに言及。「働いたものがばかを見るような制度はね、おのずと破綻してしまう」と述べた。

 自民党もプロジェクトチームを設置。食費や住宅扶助の現物支給、給付水準の引き下げなどを訴える。

 生活保護問題に詳しい道中●(=隆の生の上に一)(りゅう)・関西国際大教授(社会保障論)は、戦後間もないときに設計された生活保護の制度疲労を指摘。最低賃金や年金との逆転現象については「各制度がばらばらに作られ、それぞれの整合が図られていないのが要因だ」と分析する。

 現在、年金だけで暮らせない人が生活保護を受給した場合、年金分は収入として保護費から減額されるが「年金のうち一定額は収入認定しないなど、『年金をかけても無駄』という風潮が生まれないようにする必要がある」と話す。
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/print/121014/waf12101419000013-c.htm


生活保護受給の女性の遺品たんすから現金4千万円 遺族100万円返還へ
2012.11.7 11:42 [社会保障]
 札幌市で生活保護を受けていた60代の女性の死後、自宅のたんすから現金4千万円が見つかっていたことが7日、市などへの取材で分かった。遺族は受給した生活保護費に相当する約100万円を市に返す意向という。

 市と厚別署によると、女性は今年6月に死亡するまでの約1年間、生活保護を受けた。女性宅のたんすを引き取ったリサイクル業者が、中に入っていた現金4千万円を見つけた。8月に拾得物として署に届けられ、調べで女性のものと分かった。

 市によると、預金がある場合は一般的に生活保護を受けられない。事前の調査では、たんす預金があることは分からなかったという。

不正受給で29回も海外旅行の男、裏の顔は中核派

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【生活保護】生活保護受給者が過去最多更新 厚労省「今後も増加の可能性」
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/121016/waf12101609550006-n1.htm


不正受給で29回も海外旅行の男、裏の顔は中核派
2012.10.16 09:53 [生活保護]
 大阪府高槻市で中核派活動家とされる男らが生活保護費を不正受給したとされる事件で、詐欺容疑で逮捕された無職、山本平(たいら)容疑者(49)が受給開始後に少なくとも29回、海外旅行に出かけていたことが15日、捜査関係者への取材で分かった。国内観光地へもたびたび出かけており、大阪府警は旅費の出所を調べている。

 捜査関係者によると、山本容疑者は鬱病などを理由に平成6年から高槻市で生活保護を受けていた。9年に妻の淳子容疑者(51)=同容疑で逮捕=と結婚してからは、夫婦で毎月15万〜16万円を受給していた。

 一方、山本容疑者は9年以降、ヨーロッパやハワイ、ニューカレドニアなど海外へ29回渡航。淳子容疑者も同伴などで27回の出国履歴があった。また、沖縄・石垣島も繰り返し訪問、スキューバダイビングなどをしていたとみられる。

 府警は保護費や利息収入のほかにまとまった収入があったとみて、山本容疑者の口座など資金の流れを捜査している。
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/121016/waf12101609550006-n1.htm

【生活保護を問う】「娘は元気か?」 やくざにおびえる担当職員 「暴力団には組織で対応を」
2012.9.4 08:34
 生活保護の申請・受給をめぐり、暴力団組員かどうかを警察に照会した件数が急増していることが判明した近畿の自治体。現場の職員らは組員の脅しなどに頭を悩ませてきており、「個人での対応には限界があった」と“緊密な連携”を歓迎する。ただ、組員側も身分を隠して申請するなど手口も巧妙化しており、警察当局は警戒を強めている。

 「昨日は早く帰宅したようだな」

 「娘は元気か」

 大阪府内の元ケースワーカーの男性はあるとき、生活保護の申請でやり取りしていた暴力団組員がささやく言葉に強い恐怖感を抱いた。ほかにも、現場では暴力団組員とみられる男が大声を上げたり、入れ墨や欠損した小指を見せてきたりすることがあるという。

 こうした場合、以前はケースワーカー個人に対応が委ねられることも多かったが、最近では組員と疑わしい人の訪問があった場合、必ず複数の職員で対応するようになった。

 応接室のドアは開けて密室にならないようにし、会話を録音することも。男性は「執拗(しつよう)な個人攻撃を受けると耐えられない。組織の危機管理として対応しないと」と話す。

 ある警察幹部は「暴力団排除条例の施行などで、組員のシノギ(収入)は厳しくなっている。あの手のこの手でシノギを探す中で、生活保護に目を付ける組員が少なくない」と指摘する。

 脅迫まがいの行為だけでなく、組員が身分を隠して不正受給するケースは後を絶たない。大阪府警では、平成20年は組員による不正受給の摘発はなかったが、21年に4件、22年に5件、昨年は7件と増加傾向をみせている。

 府警によると、昨年2月には、山口組系暴力団組員が大阪市内の区役所に「トラック運転手として働いていたが倒産した」などと嘘をつき、約220万円の保護費を詐取したとして逮捕された。

 組員は「組長の運転手をして、毎月10万円ほどもらっていたが、ゆとりのある生活をしたかったので組員であることを隠して申請した」と供述した。

 兵庫県警が今年7月、同県西宮市から保護費約160万円をだまし取ったとして、詐欺容疑で逮捕した山口組系組員(40)は保護申請時、暴力団組員でないことを確認する項目に印を付けていた。

 警察幹部は「公金が暴力団側に流れるのは決して許されない。少しでも不審に感じたら積極的に照会してもらいたい」としている。

http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/print/120904/wlf12090408370004-c.htm

【生活保護】公務員なのに「扶養できない」って… 東大阪市職員30人の親族が受給 
2012.6.25 08:50
 大阪府東大阪市の職員約30人の2親等以内の親族(親、子または兄弟姉妹)が生活保護を受給していることが24日、市関係者への取材で分かった。職員はいずれも、親族が生活保護を申請した際に「扶養することはできない」と市に回答していたという。市は「職員なら一定の収入がある」として、改めて扶養の可否について確認する方針。

市職員は平均年収716万円…

 受給者の扶養をめぐっては、個々の事情があるため、収入だけで明確に可否を判断できないのが実情だ。しかし、同市職員の大半が親族への仕送りすら断っており、公務員としての姿勢に疑問の声が上がりそうだ。

 生活保護法では、親子など、民法上の扶養義務者による援助を優先すると規定。先月、人気お笑い芸人の母親の受給が論議を呼んだことを受け、厚生労働省は、親族に十分な扶養能力がある場合は扶養義務を果たさせるよう、自治体に徹底させる方針を打ち出した。

 こうした経緯を受け、東大阪市が受給者の記録を調べたところ、約30世帯が同市職員を扶養義務者として申告していたことが判明した。市によると、記録上は「公務員」としか記されていないケースがあるため、さらに増える可能性もあるという。

 自治体は申請時に、扶養できそうな親族がいる場合、扶養の意思や能力の有無を尋ねる。市もこの職員らに対して調査したが、いずれも扶養できないと回答。仕送りを承諾したのもわずか1世帯の親族だけだった。

 市によると、同市の一般行政職員(平均42・8歳)の平均年収は715万5千円で、担当者は「職員なら必ず一定の収入があり、扶養できる可能性が高い。今後、優先して扶養の可否について調べたい」としている。

 同市では今年3月現在、約1万4千世帯、約2万1千人が生活保護を受給しており、10年前からほぼ倍増。生活保護費は、今年度の当初予算ベースで約365億円に上り、一般会計総額の18%を占め、財政を圧迫している。

 市は今年1月、市長を本部長とする「生活保護行政適正化推進本部」を設置。市内の警察署とも連携を強化し、不正受給防止や自立支援などに取り組んでいる。

 東大阪市は大阪府3番目の人口50万8060人(6月現在の推計)を抱え、平成17(2005)年4月、全国36番目となる中核市に移行している。
http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/print/120625/wlf12062508500004-c.htm


【生活保護を問う】(1)息子の嘘「今年は家族旅行するんや」…でも受給しない矜持
2012.10.14 18:30
 納税者にとって不公平感が募る生活保護制度。生活保護の給付水準が最低賃金で働いた場合の収入を上回る逆転現象は周知の事実で、さらに保護費から支払われる生活扶助が、基礎年金や低所得者の生活費を超える不均衡も生まれている。「入りやすく出やすい」を目指した生活保護の制度設計は「入りやすく出たくない」という“もらい得”のモラルハザードを招いているが、それでも「社会の一員として働く姿」を尊いと考え、生活保護を受給するより少ない年収で暮らす人ももちろんいる。

年収340万円 妻と子供4人

 「社会の一員として働く姿を子供に見せたい。生活保護には頼りたくない」

 手取り年収340万円で4人の子供を育てる大阪市内のタクシー運転手、立川光二さん(40)=仮名=は乾いた雑巾(ぞうきん)を絞るような暮らしを強いられながらも、受給を考えたことは一度もない。

 妻(39)と中学生の長男、小学生の次男と長女、さらに4歳の次女がいる。12年前に35年ローンで購入した中古の一軒家に住み、乗用車を1台所有している。

 育ち盛りの子供を抱えた生活は年々厳しさを増す。専業主婦だった妻は医療事務の資格を取り、家計を支えてくれるようになった。とはいえ、住宅と車のローン返済に約8万5千円、学習塾や保育所など子供の養育費に約15万円かかり、残りは全て生活費に消える。医療費は子ども手当の支給分を切り崩して捻出(ねんしゅつ)する。

「今年は家族旅行」長男が同級生についた嘘

 立川さん自身、経済的に困窮する家庭に育ち、大学進学をあきらめた経験がある。子供の教育には出費を惜しみたくない。犠牲になるのは食費や娯楽費だ。

 家族旅行は2年前、グループ会社のテーマパークに日帰りで行ったきり。勤務先でもらった割引チケットで入場料を安く済ませた。東京ディズニーランドやユニバーサル・スタジオ・ジャパンの華やかさは、とても見せてやれない。

 タクシーの売り上げが収入に直結するため、1日置きの乗務シフトを守り、連休は取らない。最近、長男が「今年は家族旅行するんや」と同級生に嘘をついていたことを知り、いたたまれない気持ちになった。

 全国のタクシー運転手の平均年収は、平成3年のピーク時より3割以上減少し近年は240〜250万円で推移。平均を上回る立川さんの年収は努力のたまものだが、業界全体が不況にあえぐ中、現状を維持するのが精いっぱいだ。

不正受給者には憤りより同情

 ぜいたくとは無縁の暮らし。それでも子供たちは勉強に励み、学年で上位の成績を収めてくれる。子ども手当の廃止など家計の負担は増える一方だが、子供の将来を思えばどんな辛い仕事も耐え抜く覚悟がある。

 生活保護の不正受給者には憤りよりも同情を感じるという立川さん。「働きもせず遊んで暮らしているなら、それが楽しい人生だとは思わない」とした上で、こう訴えた。

 「しんどいことがあっても、自力で生きてこそ価値があるんです」

もし立川さんが生活保護を受給すると…

 仮に立川家が大阪市で生活保護を受給すると、月に33万円余りを受け取れる。これはタクシー運転手としての給料に、妻の医療事務のパート代を合わせた夫婦の月収とほぼ同じ金額だ。

 年齢別に算定される食費や被服費などは6人で計20万2608円。そこに光熱水費など5万6040円が加わり、生活扶助は計25万8648円に上る。

 家賃にあたる住宅扶助は5万4千円。子供3人の文房具代などに充てる教育扶助が計1万9900円。毎月の保護日は合計で計33万2548円となる。

 医療・介護費、給食費も公賓負担。さらに11〜3月には暖房などの費用として冬季加算5810円が支給されるうえ、12月には「餅代」として8万5080円(1人1万4180円)が加わり、受給額は44万9238円と立川家の平均月収を大きく上回る。
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/121014/waf12101418310012-n1.htm

http://www.asyura2.com/12/social9/msg/187.html

記事 [経世済民78] Re: 米国株:大幅安、S&P500種下げは6月来の最大/米アップル株20%下落
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MD3RW76TTDS301.html
(更新日時: 2012/11/08 06:35 JST)

 11月7日(ブルームバーグ):7日の米国株 式相場は大幅安。S&P500種株価指数の下げは6月以来で最大となった。米大統領選でオバマ大統領の再選が決まり、投資家の注目は再び米国の財政討議や欧州の債務危機へと向けられた。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値ではS&P500種株価指数が2.4%下げて1394.53。S&P500種株価指数の産業別10指数 はいずれも下落。特に金融株やエネルギー株、テクノロジー株が下げた。ダウ工業株30種平均は312.95ドル(2.36%)安の12932.73ドル。

PNCウェルス・マネジメントのジェームズ・ダニガン最高投資責任者(CIO)は「この先、かなりの混乱が見られるだろう」と述べ、「財政の崖問題は大きな傷痕を残すだろう。決着は付くだろうが、そこまでの道筋は明確ではない」と続けた。

オバマ大統領は少なくとも303人の大統領選挙人を獲得、対抗するロムニー共和党候補の206人を引き離した。ただ、下院は共和党が過半数議席を押さえ、上院は民主党が過半数を維持するという「ねじれ」は今回の選挙でも解消されなかった。


■米アップル株下落、日中最高値からの下落20%で弱気相場入り
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MD4MPA6TTDV901.html

 11月7日(ブルームバーグ):7日の米株式市場では、アップルの株価が下落。他社との競争が激化する中、9月21日に付けた日中ベースでの高値からの下落率は20%に達し、弱気相場入りした。

ニューヨーク時間午前11時8分現在、アップル株 は前日比3%安の562.74ドル。一時560.70ドルに下げる場面があった。9月21日には日中ベースでの最高値705.07ドルを付けていた。


http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/434.html

記事 [経世済民78] 自分のクビを絞めていることに気づかないおバカな国よ 中国経済はこんなにボロボロになっていた デモをあおって自業自得 
第3部 
自分のクビを絞めていることに気づかないおバカな国よ 中国経済はこんなにボロボロになっていた デモをあおって自業自得
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33980
2012年11月08日(木)週刊現代 :現代ビジネス


 暴走する「反日」のウラ側で

「今回の反日運動で、日本の自動車メーカーは多大な影響を受けていますが、同時に中国の自動車メーカーも相当な打撃を被っています。

 たとえば反日運動が激しかった時期(9月18日〜10月3日)の株価を見ると、日産自動車と中国で合弁を組む東風汽車という自動車メーカーの株価の下落率は、日産のそれより大きかった。日産は中国での部品調達率が70%以上で、メンテナンスもディーラーも中国企業が行っている。日産は9月の中国での新車販売台数が前月比で約35%減りましたが、これは同時に、中国企業のクビを絞めることにもなっているのです」(日系証券会社の中国株アナリスト)

 中国の経済成長は投資と輸出に依存してきた。海外の企業が中国国内の生産拠点で生産したものを世界に輸出するモデルで、驚異的な経済成長を遂げた。しかし、全土で起こった激しい反日運動が、急成長に水を差す結果につながっている。中でも進出数が世界一の日本企業は1000万人規模の雇用を支えているため、日本製品の減産によって中国経済が大打撃を受ける。

「日本の自動車メーカーなどが現地工場で減産を始めれば、中国人の雇用にモロに影響が出る。もちろん輸出も落ち込むことになるので、中国経済にとってはダブルパンチとなる」(日本総研理事の湯元健治氏)

 それでも中国人たちは、反日活動をやめようとしない。タクシー運転手は日本人とわかると乗車拒否、中共中央宣伝部からは各テレビメディアに、日本の俳優やタレントを使うなという指示が出ている。

「日本製品の不買運動もかなり激しくなっており、すでに日本製の自動車に乗っている人はメーカーのエンブレムが見えないように『尖閣は中国のもの』というステッカーを貼っているほどです」(日本僑報社編集長の段躍中氏)

 こうした行為が、中国経済をさらに窮地に追い込んでいる。日本企業だけではなく、欧米など世界中の企業がチャイナリスクを嗅ぎ取り、「離中」を加速させようとしているのだ。

「生産拠点として最近注目を集めているのがミャンマー。人件費が中国の4分の1と安く、東南アジアの市場も取り込める。2億4000万人の人口を抱えるインドネシアをはじめとし、ASEANの加盟国全体の人口が6億人にのぼるため、たとえ中国での売り上げが減っても、カバーできてしまう。それにミャンマーやベトナムで生産した製品を中国に輸出すれば、中国市場を取り込むことも可能なのです」(第一生命経済研究所主席エコノミストの永濱利廣氏)

■市民の暮らしに深刻な影響

 中国から企業が出て行くだけではない。アメリカでは中国企業の排除≠ェ進んでいる。

「中国の通信設備大手の華為技術を米国市場から締め出そうとしたり、建機大手の三一集団が米国で進めていた風力発電事業に中止命令が出されています。いずれも安全保障上の理由とされていますが、中国側は猛反発。三一集団はオバマ大統領を訴えました。背後に中国政府が絡んでいることは疑いない。大国意識が異常に高揚していて、自制心を失った中国の姿が垣間見えます」(上海在住のジャーナリスト・姫田小夏氏)

 中国政府は公共事業を増やし、なんとか景気を下支えしているが、日本や欧米各国からの投資が急減すれば、先行きは厳しい。

 市民の生活レベルでも中国経済は崩壊寸前≠セ。最近訪中したジャーナリストの福島香織氏は、目の当たりにした不況の凄まじさをこう語る。

「物価が2〜3ヵ月で3〜4割も上がるインフレが進む中で、給料は上がらない。しかも賃貸マンションの家賃が高値にある状況で、人々が生活必需品さえ買えない事態になっています。だから、10月下旬までやっていたジャスコの10元セールには客が殺到していた。普段は40〜50元のものが10元で買えるからと、中国人の主婦たちがここぞとばかりにベビー服などを買い漁っていました」

 ジャスコは日本企業で、反日デモの対象となり、投石をくらってもいるのだが。

「中国のネットではこうした主婦をけしからんと批判する書き込みも出ています。でも、興味深いのは主婦たちがそれに反論していること。『私たちがジャスコに行って誰が傷つくんだ』『中国の国有企業にジャスコの真似ができるのか』といったものから、『国家は私たちの面倒も見てくれない。愛国を言う前に、日本企業並みのことをやって欲しい』といったものまでありました。目の前のモノを手に入れるためには、反日などと言っていられない。これが中国経済の現実です」(同前)

 中国の経済発展の象徴といえば不動産だろう。街中いたるところで重機がうなりを上げ、ピカピカのガラス張りの高層ビルが次々に建設されていく様は壮観だった。

 しかし、行き過ぎた不動産バブルを抑制するため、昨年初めから政府が購入規制をした結果、いまや業界はすっかり冷え込んでいる。内装、家具、鉄鋼など関連する何十もの業界にも影響が波及、バタバタと企業が倒産したが、日中関係がさらに状況を悪化させている。

「都心部の不動産業者は、日本の駐在員など外国人を相手に仕事をしていることが多いので、日系企業の事業縮小や駐在員帰国による打撃は避けられない。駅前の好立地のオフィスビルでも『テナント募集』の張り紙が出てきている。これからは日本人客を相手にしていた飲食店やクラブなどが廃業する可能性もあり、そうなればさらにテナントが減って、不動産業界は輪をかけて冬の時代に入っていくかもしれない」

 表向きは「反日」を装いながら日本にすがる中国---その実態はこんな風景からも垣間見える。

 9月中旬。都内の証券関係者を訪ね歩く、中国人集団がいた。

 その正体は、中国の証券行政を監督する証券監督管理委員会の幹部ら。関係者によれば、中国の取引所幹部の姿もあり、一行は日本の信託銀行、厚生年金の運用会社などを訪問していたという。

 折しも日中関係が火を噴き、中国本土では反日デモが各地で巻き起こっていた時期である。

 同じ頃、舞台を中国本土に移すと、株式市場で異変≠ェ起きていた。9月初頭に上海総合指数が連日の安値を更新。反日デモを嫌気した投資家がさらに売りを加速させ、一時2000ポイント割れし、ついに約3年8ヵ月ぶりの安値を更新したのだ。

■本音は日本の投資がほしい

「いまが買い時です」

「中国はいいですよ、ぜひ買ってください」

 前述した中国の金融関係者たちは、訪れる先々でこう「中国への投資」を呼びかけていたという。底値を抜けきらない株式市場のテコ入れのため、%本詣で≠するのが彼らの目的だったのだ。尖閣問題の真っ只中だけに、日本勢からは、

「どの面を下げて言ってるんだ」

 という声が漏れたという。

 こんなことも起きていた。

 9月23日、中国内陸部の重慶市。この日は、「国際経済顧問団会議」が開かれていた。黄奇帆市長を囲む形で外国企業などが参加、その中に日本の日立製作所、三井物産、双日などの企業幹部の姿があった。

 国交正常化40周年の式典が中止されることが伝えられたのが同日のこと。本来であれば日本勢の参加を「中止」とするのが中国側の筋だったろうが、日本からの投資目当ての市としては背に腹は代えられなかったのだ。

「巣は作ったものの、鳥が集まらない」

 いま中国の地方政府幹部たちは、こう嘆いているという。外国企業誘致のために土地を整備、無償で貸し出す施設なども作り、優遇税制も用意していた。それなのに、当てにしていた企業がまったく集まらないのだ。

「特に期待していたのが日系企業。だが、日中関係の悪化で進出計画を見直し始めた。地方政府としては中央に対して、『早く日本との関係を改善しろ』というのが本音だ」(中国事情に詳しいシンクタンク幹部)

 前出・姫田氏のもとには、最近、中国人たちからこんな相談が持ち込まれているという。

「日本企業をつなぐコンサルタントをしてくれないか、という案件です。相談の主は地方政府で『うちは反日デモと関係ないから、とにかく日本企業に来て欲しい』と言っています。日系企業は賃金も高いし、比較的労働条件が良いから、労働者が集まりやすい。日系企業が集積すれば周辺の飲食店やスーパーなど地元産業も潤うため、中国企業の進出も望めるという算段です。もちろんこのご時世、乗ってくる日系企業はいませんから、開発地はガラガラです」

 さきごろ中国政府が発表した今年7〜9月期のGDPは前年同期比で実質7・4%にとどまり、成長率の鈍化はこれで7四半期連続となった。二桁成長が当たり前、世界経済を牽引するエンジンとして輝いていた姿にも陰りが見える。

 リーマン・ショック後に世界各国が不況に陥る中で、中国だけが4兆元(当時のレートで約58兆円)の公共投資を断行するや世界中から企業が殺到した。高級外車がバンバン売れ、桁外れの成金長者が生まれた。中国人の親たちは子どもを外資系企業に就職させるため、米国に留学させるなど、ありったけのカネを教育につぎこんだ。

 しかし、公共投資は諸刃の剣だ。財政出動で大企業は一息つくが、一般市民はインフレに悩まされ、生活苦にあえぐ。就職できない大学生は無職化し、狭いアパートで5〜6人の共同生活を送っている。中小企業が次々に倒産し、自殺に追い込まれる経営者が続出している。

 そこへきて、日中関係の悪化である。

 中国側が日本に対して経済攻撃を仕掛けることで逆に、中国経済は自分のクビを絞めている。

 2010年の日中対立時、中国はレアアースの対日輸出を止めた。その後、日本企業が代替品の開発を進めたため、いまや需要は激減。中国のレアアース企業は苦しんでいる。教訓は今回いかされなかった。

「今後、中国経済が二桁成長をするほどのV字回復をすることは非常に難しい」(富士通総研上席主任研究員の米山秀隆氏)

 威勢よく振り上げた拳が、空振りして自分の顔面に戻ってくる。世界経済は互いに絡み合い、今後一国だけで成長を維持することは不可能だ。大国意識に浸りきっていた中国はいま、ようやくそのことに気づき始めている。

「週刊現代」2012年11月10日号より



http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/435.html

記事 [原発・フッ素28] こっそり押しつけられる放射能  拡大する管理なき被曝労働(2)
【第8回】 2012年11月8日 井部正之 [ジャーナリスト]
こっそり押しつけられる放射能
拡大する管理なき被曝労働(2)
福島第一原子力発電所事故以降、各地にばらまかれた放射性物質によって、さまざまな労働現場が放射線被曝を強いられる事態になっているといわれる。そうした知られざる被曝労働の1つ、焼却炉に設置されるサイレンサ(消音器)の修理で、設備内に残留する放射性物質による被曝の可能性がいっさい知らされていないとの下請け業者の告発を紹介した。今回は消音器修理における被曝実態について明らかにする。

飛び散る放射性粉じん

 前回の記事で紹介したように、焼却灰まみれの消音器は修理のために自治体の下水汚泥焼却施設から取り外され、取材に応じてくれた会社社長の元に送られてきた。その社長によると、発注者である自治体や工事を請け負った元請け企業らから、付着物に「何が含まれているかを知らされたことは一度もない」という。

 放射性物質の含有の可能性はおろか、多量の付着物が焼却灰であることすら知らされていなかったというから、ひどい話である。

 消音器が設置されていた焼却炉の集じん装置で捕集された焼却灰からは、1キロあたり数千ベクレル単位の放射性セシウムが現在も検出されている。焼却炉に設置された集じん装置は排ガス中の放射性物質を選択的に除去できるものではないし、排ガス中の粉じんのすべてを取り除けるものでもない。

 いくら集じん装置によって「きれいになったはず」の排ガスしか最後段に設置された消音器に入ってこないはず、といっても、集じん装置をくぐり抜けた焼却灰がある程度消音機に入ってくるのは当然だ。また集じん装置で取り除いた焼却灰に放射性物質が含まれている以上、集じん装置をくぐり抜けた焼却灰にも放射性物質が含まれていることは、これまた当然だろう。

 そう理論的には知っていたが、実際にあれほど大量の灰が付着していることまでは知らなかった。同様に焼却炉の構造に詳しい学者や市民団体関係者らからも驚きの声が届いた。

 では、焼却灰まみれの消音器の修理とは、具体的にどのような作業なのか。前出の会社社長はこう話す。

「トラック輸送された消音器が届いたら、フォークリフトで下ろし、吸入口と排気口をふさいであったプラスチックシートを外して、入荷がわかるよう写真を撮ります。自治体の仕事なので工程ごとに写真を撮って提出しなくちゃいけないんです。あとは工場に持って行って修理します」

 修理実務は別の会社に下請けに出されていた。消音器修理の実態を話してくれた社長の会社をA社、A社から修理を請け負った会社をB社として話を進める。

 さて修理作業だが、B社の工場に持ち込まれた消音器は円筒形の外装を真ん中から輪切りにし、吸音体と吸気口側、排気口側の2つの外装に分離する。この時使うのが「エアプラズマ切断機」で、中心温度が1万度にもなる超高温で溶かし切るという代物である。

「プラズマでの切断は高温と空気で内側から灰がバーッと出てきて、工場内で舞って大変だったそうです。出てきた灰で工場の床に敷いた鉄板がさびてしまったと後で文句を言われました」(A社社長)

 次に外装の内側に固定されたロックウール(岩綿)などの吸音体を取り外す。

「外装に溶接されたパンチングメタル(金属板を金型で打ち抜いて製造した金網)をグラインダー(回転式の研削砥石のついた電動工具)で削り取るのですが、振動しますから、かなり(焼却灰が)飛んでいたと思います」(同上)

 パンチングメタルに開いた無数の穴には焼却灰が詰まっていた。そこに作業員は頭を突っ込んで、グラインダーで溶接部分を削り切る。狭い場所での粉じん飛散作業なので、相当な曝露作業だった可能性がある。

 また吸音体を取り外した後の外装の洗浄でも、内側に付着した焼却灰が飛散した可能性があるが、この作業は最初の2つの作業に比べてそれほど粉じんが飛散していた様子ではなかったという。

 それ以降は取り外した部分を新しい部品に交換して溶接し直す。外装のみが再び利用され、それ以外はすべて新しくなっているというから、放射性物質への曝露が考えられるのは外装の切断とパンチングメタルの切断、洗浄作業、あとは焼却灰まみれの吸音体を廃棄するために運んだりする作業といったところだ。

内部被曝の可能性も

 B社社長に確認したところ、修理作業には延べ9人が関わった。外装の切断には作業員1人で半日、パンチングメタルの切断には2人で2日要したという。

 外装やパンチングメタルの切断作業は「粉じんが舞っている感じ。グラインダーの粉じんも舞うし、中のロックウールなんかも舞っていた」とB社社長も認める。

 A社社長も放射性物質による労働曝露の可能性を知らなかった以上、当然、その下請けであるB社社長は知るよしもない。B社を訪れた際に尋ねたところ、「えっ、放射能ですか」と驚いていた。

 上述した作業内容から、放射性物質の近くにいることによる外部被曝のみならず、外装やパンチングメタルの切断では作業時にかなり粉じんが舞っていたことから、作業員は鼻や口から放射性物質を吸い込んでしまう内部被曝の可能性もある。

 B社社長によれば、もともとそうした作業は粉じん曝露作業のため、防じんマスクは装着していた。だが、どの程度の防じん性能のマスクなのかはわからないという。

 フィルターの交換が可能な防じんマスクだったとの話なので、粒子の捕集効率が少なくとも95%以上のものとみられる。よって、防じんマスクの適切な使用と管理がされていれば作業時の内部被曝はかなり防ぐことができたといえるかもしれない。

 ただ、防じんマスクが十分に機能していたとしても、B社では宇宙服のような防護服は使っておらず、通常のどこにでもある作業着だった。防護服に付着した粉じんを吹き飛ばし、除じんする「エアシャワー装置」もないため、作業を終えた後、防じんマスクを外してから作業着に付着した焼却灰に曝露するといったことも考えられる。

 また放射性物質を扱う施設とは違って、工場の場内を負圧にして、専用の除じん装置による室内空気の管理がされるはずもない。工場内で飛散した焼却灰は換気口や出入口から外部に流出するはずだ。工場内の換気状況にもよるが、場内で舞った焼却灰が一度床に落ちた後で、それを掃き掃除することで再び飛散するといったことが繰り返された可能性もある。あるいは床を水で洗い流すなどしていれば、下水や雨水とともに排水されるかもしれない。

実際の曝露はどのくらいか

 では、実際どのくらいの放射性物質による曝露があったのか。

 厚生労働省電離放射線労働者健康対策室に確認したところ、「調査してみないとわかりません」という。当然だろう。

 その手がかりとなる公表資料は、現状では、この消音器が設置されていた自治体の下水汚泥焼却炉の焼却灰で数千ベクレル単位の放射性セシウムが現在も検出されていること以外ない。

 集じん装置で捕集された焼却灰とすり抜けたもので放射能濃度に違いがあるかどうかは、単純に一定割合が集じん機を通り抜けているとすれば、放射性物質の含有量は焼却灰と同程度かもしれない。あるいは集じん機によって粒子の大きい焼却灰は除去され、粒子の小さいものばかりがすり抜けているのだとすれば、微細な粒子ほど放射性セシウムが吸着されやすい(小さい粒子ほど質量・体積当たりの表面積が大きい)ことから、むしろ含有量は高くなる可能性もある。

 取材でA社を訪れた際、廃棄物の一部が残っているかもしれないというのでB社に案内してもらったところ、まだ廃棄前の部材が残っていた。だが、雨ざらしになっており、一部は雨で流されてしまった後のようだった。

 パンチングメタルの表面に付着する焼却灰をこそぎ取って持ち帰り、2つの試料にわけて分析してもらったところ、放射性セシウムが1キロあたり計134.7〜135.6ベクレルだった。

 しかし、1キロあたり数千ベクレル単位という焼却灰の放射性セシウム濃度に比べ、大幅に低い結果だった。これはなぜなのだろうか。

 試料を分析してくれた神戸大学大学院海事科学研究科教授の山内知也氏はこう解釈する。

「焼却灰の濃度に比べてちょっと低すぎる。焼却炉に2年程度設置されていて、原発事故より1年くらい前から使われていたということですから、消音器の設備に近いところは汚染があまりなくて、外側に放射性セシウムによる汚染があったということなのでしょう。それが運搬や作業時に落ちたでしょうし、雨ざらしになっていたということなので、さらに外側の汚染されていたところが落ちてしまって、内側のあまり汚染のないところばかり採取してしまったのではないか。雨で流れる前や外側の粉じんだけを採取できれば、もっと高濃度だったかもしれません」

法適用未満なら対策不要か

 厚労省によれば、放射性物質への曝露防止などを定める労働規制は現状では、労働安全衛生法の「電離放射線障害防止規則(電離則)」と「東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則(除染電離則)」の2つがある。

 今回の消音器修理では、除染作業ではないことから「除染電離則」は適用されず、可能性があるのは「電離則」となる。だが、電離則では「放射性物質」として扱う基準は、セシウムの場合1キロあたり1万ベクレル超だ。そのため、前述した1キロあたり計134.7〜135.6ベクレルという付着物の分析結果や数千ベクレル単位という自治体による焼却灰の分析結果では対象外となる。

 また3カ月間の作業で1.3ミリシーベルトの放射線被曝がある場合(毎時2.5マイクロシーベルト相当)などに、管理区域として指定し、放射線の曝露防止や線量管理をすることになっている。

「そこは調査しないとわかりませんが、仮に3カ月の曝露要件や毎時2.5マイクロシーベルトの放射線量に満たないのであれば、被曝量は取るに足らない程度なので、線量管理や防護措置は必要ありません」(厚労省)

 つまり、3カ月で1.3ミリシーベルトの被曝がなければ、個人線量計で放射線の被曝量を管理することはおろか、防じんマスクなどによる防護措置すら必要ないのだという。

 だが、NPO「東京労働安全衛生センター」事務局長の飯田勝泰氏はこう反論する。

「100ミリシーベルト未満の被曝であれば、健康障害はないというのが厚労省の言い分で、これは国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告に基づくもので厚労省独自の主張じゃないといつも言いますが、放射性物質による被曝はしきい値(一定濃度までは安全という値)がないというのがICRPの見解ですから、それ以下はいっさい健康影響がないとは言い切れないはずです」

 そのうえで、こう指摘する。

「この作業では電離則上の管理区域にならないことを前提としているわけですが、実効被曝線量が3カ月で1.3ミリシーベルトにならないから、法令上は対策が不要となるのでしょう。しかし、電離則でも被曝を抑えるのが前提となっていますし、たまたま測って放射能濃度が低かったからといって、何の対策もしないでよいというのはあまりにも乱暴な論理です。消音器に頭を突っ込んでグラインダーで削り取るような作業をしていて、そこに放射性物質がある。相当な曝露作業の可能性があるわけですから、単純な外部被曝の線量だけで判断せず、しっかりとした防護措置をしなければ、内部被曝は避けられません。当然、被曝線量の管理もすべきです」

 たしかに、しきい値がない以上、被曝はできるだけ減らすというのが基本的な考え方のはずだ。その観点からすれば、こうした対策は当然のはずだが、国にいわせるとそうではなくなる。おかしな話である。

 B社社長はこう話していた。

「うちは何が含まれているかなんて内容をまったく知らないで対応している。知ってたら当然扱わないですよ。これまで(付着している灰の)内容物が何かなんて気にしたこともなかった。(筆者に)言われて初めて考えるようになりました。あの後で従業員とも話をして、放射能が含まれたものは二度と扱わないと決めました」

 発注した自治体や元請け企業から現場にそうした情報が伝わってこなければ、現場で対策することは困難だ。B社社長のような「扱わない」との選択もできないことになる。A社やB社は被害者であり、やはり責任は発注元の自治体や元請け企業にあろう。

「もし放射能が入っているなんて知らされたら、どこも扱わないと思いますよ」

 そうB社社長は話していた。

 放射性物質を含むことや曝露の可能性を知らせず、現場に被曝を強いることが許されてよいはずがない。
http://diamond.jp/articles/print/27576
http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/567.html

記事 [医療崩壊3] 「医療費の自己負担が4割、5割になる!?」 保険代理店のセールストークが あてにならない4つの根拠
【第38回】 2012年11月8日 早川幸子 [フリーライター]
「医療費の自己負担が4割、5割になる!?」
保険代理店のセールストークが
あてにならない4つの根拠
「健康保険の自己負担割合は、1割から2割、3割と引き上げられてきました。今後も4割、5割になることは否定できないとボクは思っています。だから、民間の医療保険がますます重要な時代になってきます」

 この発言の主は、民間の生命保険を販売している代理店の職員だ。

 たしかに、1980年代以降、会社員の健康保険は、自己負担割合や高額療養費の限度額が段階的に引き上げられてきたし、「4割に引き上げるべきだ」と提案した官僚や学者もいる。

 超高齢化社会に突入し、厳しい健康保険財政も報じられている。医療を取り巻く環境によい材料が見当たらない今、自己負担割合の引き上げはまんざら嘘ではないようにも思える。実際、そうしたセールストークを聞いて、不安に駆られて民間の保険に加入した人も多いのではないだろうか。

 しかし、筆者は健康保険の自己負担割合は、そう簡単には引き上げられないと考えている。その4つの根拠をあげて、保険代理店の「ボク」の考えに対抗してみたいと思う。

根拠1
引き上げられてきたのは会社員の自己負担だけ。
会社員家族や自営業世帯はむしろ負担が減って平等化している

 健康保険は、加入者から集めた保険料をプールしておいて、病気やケガをした人が必要な医療を受けられる国の制度だ。

 事前に保険料を払っているのに、さらに窓口でも負担をしなければならないのは、純粋な保険の仕組みとしてはおかしなことだが、お金を払わずに好きなだけ病院や診療所を利用できると、必要以上に医療が使われる恐れもある。モラルハザードとして窓口負担を導入しているというのが国の説明だ。

 だが、別の見方をすれば、一部負担金があると、具合が悪いのにお金がなくて医療機関に行くことができず、症状を悪化させてしまったり、手遅れになったりする可能性もある。

 そのため、患者の自己負担割合は過大にならないように配慮されており、70歳未満の人は3割、小学校入学前の子どもは2割となっている。70歳以上の人は原則的に1割だが、現役並みの収入がある人は3割を負担する。

 このように、現在は会社員も自営業も同じ自己負担割合だが、以前は職業によって次のような変遷があった。

●会社員
会社員の健康保険が始まったのは、戦前の1927年。当時は、保険の理念通りに、自己負担なしでスタートしている。戦後、高度経済成長の勢いもあり、会社員は1960年代まで窓口負担ゼロの時代が続いたが、60年代後半に初診や入院のときの定額負担が導入される。その後、1984年に定率1割の自己負担となり、1997年に2割、2003年に3割と引き上げられた。

 健康保険は労働者のために作られたものなので、当初、家族は保障の対象外だった。1939年に家族も加入できる制度が任意で作られるが、自己負担割合は5割。1942年に家族給付も法定化されたが、自己負担割合は変わらずに5割だった。その後、1973年にようやく3割に引き下げられ、1981年には入院のみ2割になる。2003年には再び、入院も3割になる。

●自営業
自営業者が加入する国民健康保険は1938年に施行されたが、当時は任意制度で加入者も少なく、自己負担割合も組合によってまちまちだった。戦後、強制加入の制度が整備される中で徐々に保障の充実が図られ、皆保険が実現した1961年は世帯主の結核、精神障害に関しては3割で、その他の病気は5割負担と決定。1963年にすべての病気が3割負担で受診できるようになり、現在まで続いている。

 自営業の家族は、1961年にすべての病気が5割負担で始まったが、1968年に3割になっている。

 1973年には、会社員、自営業いずれも、医療費が高額になった場合に自己負担するお金に上限を設けた高額療養費が作られ、保障は充実してきた。

 こうして健康保険の歴史を見てみると、引き上げられたのは会社員の健康保険だけで、会社員の家族、自営業世帯の健康保険では、むしろ引き下げが行なわれ、全体的な平等性は保たれるようになったことが分かる。

 会社員の自己負担分だけ取り上げて、「どんどん上がってきたから、今後も引き上げられるはず」と結論づけるのは暴論だろう。

根拠2
2006年の改正健康保険法の付帯決議には、
安易に自己負担割合を引き上げないことが明記されている!

 大幅な医療制度改革が行われた、2006年の参議院厚生労働委員会で採決された改正健康保険法の条文には次のような付帯決議がつけられている。

≪将来にわたり国民皆保険制度を堅持し、平成十四年の健康保険法等の一部を改正する法律附則第二条第一項に明記された、「医療保険各法に規定する被保険者及び被扶養者の医療に係る給付の割合については、将来にわたり百分の七十を維持するものとする。」ことを始めとして、安易に公的医療保険の範囲の縮小を行わず、現行の公的医療保険の範囲の堅持に努めること。≫

 法律の条文なので難しく感じるかもしれないが、簡単にいうと「これから先の将来も、安易に患者の自己負担額を3割以上に引き上げない」ということが明記されているのだ。

 付帯決議は、実際に法律の条文にはならなかったものの、国会が政府の運営方針に注文をつけるという要素をもっている。法的な拘束力はないが、実際の政治の場面では無視できない力になる。

 昨年、医療機関を受診した患者から一律100円を徴収して医療財源に回すという案が厚生労働省で審議されたが、日本医師会などは、この付帯決議を楯に患者の負担増につながる定額負担に反対した。結局、100円の定額負担は合意にいたらず、導入が見送られている。

 もしも自己負担割合を4割、5割に引き上げようとする場合は、必ず、この付帯決議が話題になるはずだ。

根拠3
2006年に引き上げが決まった70〜74歳の自己負担割合が、
いまだに据え置かれたままになっている!

 2006年の医療制度改革では、70〜74歳の自己負担割合を2008年4月から1割から2割に引き上げられることが決まっていた。しかし、2007年の参院選で自公政権が敗北したことで実施が見送られ、その後も5年間凍結されたままとなっている。

 医療費を支払う側の健康保険組合や経済界からは、「法律で決まったことなのだから早く引き上げるべきだ」という声が上がっているが、医療者や患者だけではなく、身内の党内からも引き上げの実施には反対の意見があり、なかなか引き上げられないでいるのだ。

 解散総選挙が噂される今、有権者を敵に回すような自己負担引き上げを訴えるのは難しく、当分は引き上げが見送られるはずだ。

 すでに法律で決まった70〜74歳の自己負担の引き上げすら実施できないのに、医療制度の中心となる現役世代の自己負担割合を4割、5割に引き上げることなどできるのだろうか。現実的に考えれば、まず不可能だろう。

 医療制度ができるまでには、そこに関わる利害関係者の思惑が複雑に絡み合っており、さまざまな立場の人々の合意を形成しなければならない。

 国や健康保険組合は自己負担を引き上げたいと思っても、医療者や患者団体、市民など反対する人もいる。政治的に見ても、自己負担割合の引き上げは相当にハードルの高い問題なのだ。

根拠4
医療費の自己負担分が払えないために受診を控え、
手遅れになるケースが増加。患者の負担は限界にきている

 具合の悪さを自覚しながらも、お金がないための受診を控えて、まともな医療を受けられないまま死にいたるケースが増えている。こうした手遅れ事例は、全日本民主医療機関連合会(民医連)という医療団体が把握しているだけでも、2011年は67件に及ぶ。

 中には健康保険証をもっているのに、窓口での負担が払えないために受診を諦めていたケースもあり、自己負担の重さが指摘されている。

 医療費が高額になった場合は、高額療養費制度によって、負担に上限が設けられるので、たとえば70歳未満で一般的な収入の人が1カ月に医療100万円使っても、最終的な自己負担は9万円程度だ。

 ただし、白血病やリウマチの治療などで、価格の高い薬を継続的に飲み続けなければならない患者の中には、負担の重さに耐えかねて、症状が悪化するとわかっていても薬を減らしたり、治療を諦めている人もいる。

 厚生労働省でも、患者の経済的な負担が重いことは問題視しており、1年間に患者が自己負担する高額療養費に上限を設けるための仕組み作りが話し合われることになっている。

 つまり、現実は、自己負担を4割、5割に引き上げるどころか、できるだけ患者の負担を引き下げるためにはどうすればいいのかといったことが、真剣に考えられているのだ。

 長期に渡って高額な医療費を支払う患者の経済的負担はすでに限界にきているのに、それを4割、5割に引き上げるということは、人道的な視点からも許されることではないだろう。

 以上4点が、健康保険の自己負担割合は今後も引き上げられないだろうと、筆者が考える理由だ。

 保険代理店の職員は、生命保険を売る専門家ではあるが、健康保険の制度や歴史までを熟知しているわけではない。

 政策の決定過程を知らない人は、「国にお金がないんだから、自己負担割合が引き上げられるはず」と短絡的に考えがちだが、医療制度は人の命を左右する。財源論だけで簡単に決められるものではないのだ。

 本コラムの第34回の世論調査の投票結果でも、実に9割に近い人が「国民皆保険は維持すべき」と答えている。こうした結果が出た背景には、少ない窓口負担で必要な医療を受けられてきた制度への信頼があるからだろう。

 自己負担の引き上げは、これほどまで国民生活に浸透している制度の根底を揺るがす可能性を秘めているし、そう簡単に行えるものではないと考えるのが妥当ではないだろうか。
http://diamond.jp/articles/print/27575
http://www.asyura2.com/09/iryo03/msg/609.html

記事 [社会問題9] 地方の生活保護世帯で深刻な引きこもり問題が! 荒れる息子に悩む母親の孤独
【第127回】 2012年11月8日 池上正樹 [ジャーナリスト]
地方の生活保護世帯で深刻な引きこもり問題が!
荒れる息子に悩む母親の孤独
 仕事などに就けず、社会から孤立しがちな子どもを抱える親たちが集まって、情報交換したり、勉強し合ったりすることは、とても大事なことだ。

 ただ、周囲の視線が厳しい土地柄の地域ではいまでも、家族会などに参加したり、声を上げたりすることを躊躇して、1人で思い悩んでいる人たちは少なくない。

地域的な事情を乗り越えて
秋田で「引きこもり」家族会が設立

 11月4日、秋田に「引きこもり」家族会が設立されると聞いて、取材に出かけた。

 主催したのは、「引きこもり」家族会の全国組織『NPO法人全国引きこもりKHJ親の会(家族会連合会)』(池田佳世代表)。

 同会は、全国39ヵ所に支部があり、生きづらさを抱える青年たちが復活できるよう、親が集まって相談会や学習会を続けてきた。秋田県でも2003年に、同会の支部が設立されていたものの、地域的な事情などもあって、活動が継続されていなかったのだという。

 この日、秋田駅近くにある「秋田にぎわい交流館」の小さな会場には、当連載で紹介した「藤里方式」が評判になり(連載第92回、第93回、第109回参照)、『ひきこもり 町おこしに発つ』(秋田魁新報社)という本にまでなった同県藤里町社会福祉協議会の菊池まゆみ事務局長をはじめ、医療機関として全国初の「ひきこもり外来」を開設している新潟県佐潟荘の中垣内正和副院長や、同会の池田代表が、それぞれ身銭を切って駆けつけた。

「親の会につながれれば、切羽詰っていた親たちも、とりあえずはホッとして、子どもも楽になる」からと、池田さんたちは持ち出しで家族会の設立をサポートしている。

「車がないから働けない!」「おまえのせいだ!」
荒れる息子に追い詰められる母親

 秋田県の近郊の市から参加した60歳代の母親A子さんは、10年ほど引きこもる息子と一緒に暮らしている。

 息子は、大学を卒業後、都会の会社に就職したものの、1年余り経ってから突然、会社を辞め、実家にUターンしてきた。以来、家からまったく出なくなり、文字通りの「引きこもり」状態を続けている。

「誰にも会いたくない」
「人には会いたくない」

 そう訴える息子は、誰ともつながっていない。

 家にいても、何かにちょっと触っただけで、何度も手を洗った。

 症状を見てもらうため、精神科の医療機関にも一緒に同行して行ったことがある。

 しかし、診てもらっても「何も異常はない」「入院するほどでもない」と言われた。

 A子さんの夫は、病気で入院の末、すでに亡くなっていた。夫が入院したとき、医療費が支払えず、自動車を売却。それでも、貯金が底をつき、自己破産せざるを得なかった。

「車がなければ仕事ができない」
「車を返せ」

 息子は、引きこもってから、そのことをずっと恨み続けた。

 A子さんは、生活ができず、生活保護を受けた。

 しかし、「アパートの家賃に光熱費を入れると、生活保護だけでは足りない」と、毎日、朝と夜、2ヵ所でパートを続けている。

 働くと、生活保護が減らされる。それでも、「働けるうちは、働かないといけない」と思っているからだ。

 アパートのふた間の間取りの中で、息子はカーテンを閉め切って、電気もつけずに引きこもる。

 A子さんが、仕事で疲れて家に帰ってきて寝ていると、昼夜逆転した息子に「おまえのせいだ!」「車返せ!」と言われて起こされる。急に起きて、壁にゲンコツの穴を開けたこともあった。

 A子さんは、敷布団をきちんと敷いて、寝たことがない。掛け布団をかけていても、剥ぎ取られて起こされるため、服を着たまま寝ている。

「誰にも当たる人がいない。だから、何でもかんでも、私なんです」

 息子は外に出ないため、A子さんが食べるものを買っていく。

 時々、本や雑誌を買ってくるように言われる。従わないと、モノが飛んで来たり、暴言を吐かれたりする。

 台所の洗面台やガスコンロは占拠されているため、料理を作ることができない。何かを食べようと思って、外で買ってきても、冷蔵庫に入れると、A子さんの分は投げられる。電子レンジも使うことができないため、自分の部屋に持ち帰って、ストーブで温めたりして食べている。

 洗濯機も「うるさいから」と言われるため、洗濯は手洗い。掃除機もかけられないため、コロコロを使う。足音も静かに歩かなければいけない。

「死にそうだ」

 そうA子さんはぼやく。

 行政が行う無料の訪問スタッフが月1回、訪れる。本人も訪問スタッフと会って話をするものの、状況は変わらない。

「1人になりたい。ゆっくりしたい。考えることは、息子のことだけです」

 そんなA子さんは、「温泉療養とかに出かけたら」と勧められるが、生活に追われ、旅行に行くような金銭的余裕などまったくないという。

「子どもと、どう向き合ったらいいのか、わからない」

子どもが引きこもるのは
家が裕福だから、個室があるからではない

 お金のない親が、自立できずにいる子どもと共依存のようになって思い悩む話は、決して特別ではない。とくに地方の町へ行けば、ありふれた話だ。

「家が裕福だから」とか「個室を与えるから」といった理由で「引きこもりが生まれる」という説を聞くが、取材等で私の知りうる限り、実態とは違っている。

「今日は、皆さんの引きこもりの話を聞きたくて伺いました。ここに来てよかったです。しっかりした親の会の組織ができたら、出てくる人は、たくさんいると思います。私も一生懸命、通おうかなと。一生懸命、勉強して、(息子が)引きこもりから脱出できるようにしてあげたいと思っています」

 A子さんは、家族会の設立に、そんな期待を込める。

「我が子の快復を1人の専門家(精神科医やカウンセラーなど)に任せないこと」

 2002年から、「親の学習会」で効果を上げる池田代表は、そう説明する。

「限られた家庭の中で、長い間、困っているだけでは解決にはほど遠い。第3者の力を借り、柔軟に行動してみることから始めましょう。親が第3者の力を入れていくことにより、人間関係の幅を広げ、時流をつかみ、世の中へ出ていく。こうして、親に力を与えたほうが、日本全国に早く広まり、“引きこもり”脱出支援の糸口をつかむことになるのです」

 改めて設立された同会の秋田支部では今後、定期的に「家族会」が開かれる予定だ。

 秋田支部への問い合わせ先は、
TEL 03−5944−5250
FAX 03−5944−5290
NPO法人 全国引きこもりKHJ親の会(池田佳世)まで。


<お知らせ>
筆者の新刊『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)池上正樹/加藤順子・共著が刊行されました。3.11、学校管理下で、なぜ74人もの児童たちが、大津波の犠牲になったのか。なぜ、「山へ逃げよう」という児童たちの懸命な訴えが聞き入れられず、校庭に待機し続けたのか。同書は、十数回に及ぶ情報開示請求や、綿密な遺族や生存者らの取材を基に、これまでひた隠しにされてきた「空白の51分」の悲劇を浮き彫りにしていく。

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記事 [戦争b10] 「井戸掘った人を忘れぬ」ではない 中国は「2人で井戸をのぞけぬ」怖い国

【軍事情勢】
「井戸掘った人を忘れぬ」ではない 中国は「2人で井戸をのぞけぬ」怖い国
2012.11.4 11:26
 《中国の影響は(日本人)個々の人格、その魂には決して及ばなかった》

 国際連盟事務次長まで経験した第一級の国際人・新渡戸稲造(1862〜1933年)が遺した言葉である。中国外務省が10月22日に行った記者会見に、

日本人との「人格」「魂」の違いを見た。憤るより、むしろ悲しかった。

新渡戸稲造の慧眼

 沖縄県沖公海上で炎上中だった大型貨物船から中国人乗組員64人全員を救出した海上保安庁に、最後まで感謝の言葉が無かったのだ。あまつさえ

、この日夕には、中国海軍のミサイル駆逐艦など3隻が沖縄本島沖を、沖縄方面に向け威嚇航行している。

 もっとも、さしたる驚きはない。沖縄県石垣市の尖閣諸島に対する日本の領有意志を挫くべく官製暴動を企て、中国の近代化を手伝ったパナソニ

ックの中国工場を破壊する国。中国は「井戸を掘った人を忘れない」国ではない。「一人で廟に入るな、二人で井戸をのぞくな」という諺の方が中

国文化の正体を真に言い当てている。一人で廟に入ると、悪い坊主に殺されて金品を奪われる。二人で井戸をのぞくと、もう一人に突き落とされる

-という意味。怖い。

 9月の国連演説で、中国の楊潔チ外相(62)は「日本は釣魚島(尖閣諸島魚釣島の中国名)を盗み取った」と、自らの品性を卑しめる発言を行っ

たが、中国の側こそが、国家ぐるみで「悪い坊主」と化している。中国南海研究院の呉士存院長は8月、米ニューヨーク・タイムズ紙上でこう放言

した。

 「中国は南中国(シナ)海全域の支配を望んでいるわけではなく、わずか80%の支配を求めているだけである」

 「80%の支配」も有り得ぬ話だが、「80%の支配」を「求めているだけ」と「だけ」で片付ける傲岸ぶり。後の20%を、フィリピンやベトナムなど

そのほかの“夷狄”で分け合え、と言っているように聞こえる。「野蛮な異民族」「未開の民」を指す「夷狄」。東南アジア各国と領有権問題を有

する南沙・西沙・中沙各諸島を管轄する三沙市(市庁舎ウッディー島/中国名・永興島)をこしらえ、南シナ海の紛争海域を担任する三沙警備区を

設置した件につき、米国務省が8月に懸念表明した際もそうだった。中国外務省はこう反論した。

一貫性もない中国の主張

 「南沙と周辺海域に、議論の余地無き主権を有するし、十分な歴史的証拠も有している」

 しかし、中国には「議論の余地無き主権」も「十分な歴史的証拠」も無い。まず、中国はモンゴル支配下の13世紀末、中国船がスカボロー礁(フ

ィリピンや台湾、中国が領有権を宣言)を訪れた“実績”を領有権の論拠として挙げる。だが、遥か前からフィリピン人、マレーシア人、インドネ

シア人、ベトナム系が往来している。

 中国はまた、1898年12月のパリ条約で、スペインが米国に主権委譲した範囲にスカボロー礁が入っていなかった点を主張する。だが、米西戦争(

98年4〜8月)に勝った米国は条約において、カネでスペインからフィリピンの主権を買い、直後比独立まで否定した。条約は、フィリピンの対西独

立宣言から半年後に交わされているが、フィリピン人の意志は反映されていない。

 さらに中国は、中華民国水陸地図審査委員会が1935年にスカボロー礁を自国の版図に入れたことを強調。従って、フィリピンが解決策として訴え

る国連海洋法条約(94年発効)の規制を受けない、とする。歴史が法に勝るという理屈だ。

 ところが中国は96年、歴史を主権の根拠として認めない海洋法条約を批准した。条約に基づき「沿岸から370キロをEEZ=排他的経済水域」と主張

。「国際法と平等の原則に基づき」個々の国々と協議すると、高らかに謳っている。

歴史と法をつまみ食い

 中国は「版図拡大」の道具として、長い歴史と法律をつまみ食いし、都合良く解釈している。米国務省が8月、2002年の中国・ASEAN行動宣言

(DOC)を尊重し、緊張緩和に向け法的拘束力を有した行動規範の実現を求めた際は、こう開き直った。

 「一部国家はDOCを順守していない。挑発的方法で度々、DOCの理念を踏みにじった。関係国にDOCの厳格な順守を要求する」

 「一部国家による石油開発区設定や島嶼・海域を確保するための違法な国内法整備に何故、目をつぶるのか。一部国家の海軍戦闘艦艇による中国

漁船威嚇を何故、議論せぬのか」

 「一部国家」「関係国」という主語を「中国」に、「中国漁船」を「東南アジアの漁船」にそれぞれ置き換えると、現状が正確に把握できる。新

渡戸の言葉は、斯くも歪んだ中国の国柄を語り切っている。曰く-

 《彼らの精神構造には、自分の責任を免れるために、他人や世間をなじるという習性があり、自分に関係のない原因や他者に責任をおしつけてし

まう》

 実際、中国外務省は、官製暴動における日系企業の甚大な被害の「責任は日本が負うべき」、日本を畏怖させるべく行った東シナ海での中国海軍

・国家海洋局による合同訓練には「中日対立エスカレートの責任は全て日本側にある」、日中国交40年記念式典中止にも「全ての責任は日本側にあ

る」と述べた。

 その親しさ故に、民主党の「責任転嫁」体質はまさか、中国譲りであるまい。前原誠司国家戦略担当相(50)と岡田克也副総理(59)は、東京都

による尖閣諸島国有化の動きが中国を怒らせたと、石原慎太郎知事(80)を指弾した。知事が指導力を発揮し、慌てて地主と交渉を始めた見苦しさ

は最早忘れている。新渡戸はこうも記した。

 《中国の影響は、何世紀にもわたって及んだにもかかわらず、浸透しはしなかった》

 女性宮家創設や南京大虐殺捏造への沈黙、公人の靖國神社不参拝…。日本文化を極限まで薄めんと欲す「中国の影響」を受けた政治勢力「浸透」

は予見できなかったようだ。(政治部専門委員 野口裕之)
http://sankei.jp.msn.com/world/print/121104/chn12110411260001-c.htm

http://www.asyura2.com/12/warb10/msg/404.html

記事 [戦争b10] 海外で大反響! 人類の夢を叶えた日本製の1億円巨大ロボット「クラタス」 注文3000件超

海外で大反響! 人類の夢を叶えた日本製の1億円巨大ロボット「クラタス」 注文3000件超

1 名前: ラ・パーマ(埼玉県):2012/11/07(水) 17:45:22.56 ID:umNuvF9qP
日本のエレクトロニクスメーカー「「水道橋重工」によって制作された、人が乗って操縦することができる巨大ロボット「クラタス」が海外で大反響を呼んでいる。「クラタス」の生みの親は、鍛冶師・造形作家(鉄鋼アーティスト)として知られる倉田光吾郎氏。倉田氏は「水道橋重工プロジェクト」を立ち上げ、ロボット操作用ソフトウェア「V-Sido(ブシドー)」の開発者である吉崎航氏の協力を得て、約2年半を費やして完成させた。

「クラタス」は、ボディ、2本の腕、車輪付きの4本足で立つ全身鉄製のロボットだ。高さ約4m、幅約3m、重量約4.5t(移動速度は未計測)。ボディ部分にあるコックピットに
搭乗可能(定員1人)で、トランスフォームオペレーションデバイスと呼ばれるロボットと同じ形をした
周辺機器を動かすことで操縦できる。タッチパネルモニターによる操縦も可能だ。「クラタス」の頭部
にはメインカメラが搭載されており、外の様子がコックピット内のモニターに表示される。動力は、
ディーゼルエンジンによる油圧駆動だ。

この、超本格仕様の「クラタス」。価格は、カスタマイズなしの状態でなんと135万3500ドル
(約1億600万円)。そんな高額なのにも関わらず、受注開始から1ヶ月程の時点で、注文が
3000件を超えているそうだ。水道橋重工公式Webサイトでは、武器や、パーツなどを選んで、
カスタマイズもできる。ちなみに、「ハンドガン」は70000ドル。「カーボンシールド」は75000ドル。
コックピットにつける「ドリンクホルダー」は100ドルなど、遊び心を交えたカスタマイズが可能だ。

http://www.su-gomori.com/2012/11/(短縮).html

特に海外での反響は凄いことになっているそうで、
ブラジル『このロボットには俺の夢が詰まっている!』
トルコ『ありがとう日本!』
アメリカ『日本のおもちゃはレベルが違うな〜』
アメリカ『今年のクリスマスプレゼントはこれをねだってみる!』
などと盛り上がっており、アメリカ、イギリス、韓国、中国など、
さまざまな国のメディアから取材依頼が殺到しているのだとか。

倉田氏は、「アラブの石油王が『日本スゲー』と勘違いしてうっかり買ってくれないかなぁ」と話しているが、
ホントに買ってくれそうなくらい、カッコ良くて素晴らしい出来だぞ!やっぱ「巨大ロボは日本が作らなきゃ!」
人類の夢を叶えた「水道橋重工」に、今後の発展と夢にあふれた未来を期待したい。

http://www.su-gomori.com/2012/11/(短縮).html


2

1

2

■水道橋重工 http://suidobashijuko.jp/

YouTubeから、
KURATAS - Suidobashi heavy industry



HOW TO RIDE KURATAS - Suidobashi heavy industry



3 : アジアゴールデンキャット(神奈川県):2012/11/07(水) 17:46:49.32 ID:86filadj0
3000億!!! 億万長者!!!

5 : アメリカンボブテイル(茸):2012/11/07(水) 17:47:49.43 ID:g3Rwmyoq0
これは流行る
三年後は一家に一台になりそう

7 : ヒマラヤン(WiMAX):2012/11/07(水) 17:48:10.18 ID:15dIamR60
3000台ってすげーな
そんなに量産できんのか

9 : 白(大阪府):2012/11/07(水) 17:48:50.35 ID:vMZg5yfz0
ちょっと高いんだよな
しょうがねーけど

11 : チーター(岐阜県):2012/11/07(水) 17:49:30.79 ID:+Y7hLZ+E0
海外でならホンモノの武器付ける人とかいそうだな・・・

12 : ボルネオヤマネコ(九州地方):2012/11/07(水) 17:49:36.40 ID:sbJR4LZ60
正直、乗ってみたい

13 : コラット(山口県):2012/11/07(水) 17:49:48.23 ID:GLWgTonE0
ヴァンツァーじゃねーか

14 : サバトラ(新疆ウイグル自治区):2012/11/07(水) 17:50:04.06 ID:lCxIAbN60
歩かねーんだろ?まだまだだな
俺が生きてる間にスコープドッグくらいは実現して欲しいな

15 : ジャングルキャット(やわらか銀行):2012/11/07(水) 17:50:08.78 ID:RUvrt6L00
工場で勝手に動いている搬送ロボットを格好良くした感じだな

19 : ジャガーネコ(大阪府):2012/11/07(水) 17:50:48.40 ID:4B7iwOT00
4.5dwwwwww

16 : キジ白(家):2012/11/07(水) 17:50:14.90 ID:abksXpi50
1億っつったら富豪のおっさんばっかだろ
想像したら吹く

23 : スミロドン(長屋):2012/11/07(水) 17:51:31.11 ID:xYDJy1g60
買ってからガッカリしそう

24 : マンチカン(チベット自治区):2012/11/07(水) 17:51:34.07 ID:84C2O/SW0
マジでこれほしい
問題は道路使用許可がおりるかどうかだけどな

26 : アムールヤマネコ(三重県):2012/11/07(水) 17:51:43.94 ID:7j80vKyB0
まさか本当に売る気とは・・・

28 : ウンピョウ(WiMAX):2012/11/07(水) 17:52:17.89 ID:WE80GA2y0
こんなのどこで乗るんだよ

29 : ジョフロイネコ(長野県):2012/11/07(水) 17:52:19.75 ID:4v+18aXO0
RPGよけられるの

33 : アビシニアン(三重県):2012/11/07(水) 17:53:14.62 ID:L+UHrH2G0
兵器に転用出来る物は輸出出来ないんじゃなかったの?

34 : ターキッシュアンゴラ(北海道):2012/11/07(水) 17:53:35.79 ID:SQ6DBqD50
アーマードコアごっことか始まるんだろうな

36 : ボルネオヤマネコ(アメリカ合衆国):2012/11/07(水) 17:53:50.78 ID:iOSWyEC/0
日本始まってた

どこぞのテロリスト御用達になって即製造禁止になりそう
イソゲ!

37 : ジャガランディ(宮崎県):2012/11/07(水) 17:53:51.43 ID:HRn5siwt0
え、いつの間にこんなんできてたんだ
知らんかった
いいぞもっとやれ

39 : カラカル(東京都):2012/11/07(水) 17:54:36.04 ID:T7RgkNEu0
こういうのがガンダムやマクロスに繋がっていくんだろうな

40 : 茶トラ(大阪府):2012/11/07(水) 17:55:40.94 ID:aPPNKaGX0
フロントミッションかよ

41 : オリエンタル(北海道):2012/11/07(水) 17:55:43.14 ID:pVWcXZ430
ボトムズ級の奴はまだか

43 : ジャガランディ(福岡県):2012/11/07(水) 17:55:57.48 ID:p3T8t9JD0
>>1
>受注開始から1ヶ月程の時点で、注文が3000件を
>超えているそうだ。

4,060,500,000ドルw
次は軍用つくれそうだなw

47 : ユキヒョウ(愛知県):2012/11/07(水) 17:57:55.70 ID:KQ3Z2nqC0
軍用化はアメリカかロシアがするのが先だろうな
Appleみたいに特許とりまくっとけよ知らんけど

45 : ペルシャ(新疆ウイグル自治区):2012/11/07(水) 17:57:13.17 ID:ma96bQWm0
タチコマもお願いします

52 : ラガマフィン(東京都):2012/11/07(水) 17:58:22.55 ID:PiHYiBnr0
想像より動きが遅い
キュイーンキュイーンて動くのかとおもたわ。

53 : ベンガル(長野県):2012/11/07(水) 17:58:39.01 ID:yDWqdCTO0
3000件って売り上げ3000億じゃんw
9割冷やかしじゃないの?

54 : カナダオオヤマネコ(青森県):2012/11/07(水) 17:59:11.55 ID:ak+E6Icf0
送料いくらよこれw

57 : ベンガル(長野県):2012/11/07(水) 18:00:15.70 ID:yDWqdCTO0
もし3000機も量産するには工場作るところから始めないと無理じゃね?

59 : ヨーロッパヤマネコ(神奈川県):2012/11/07(水) 18:00:46.49 ID:9XoIaAAN0
ロボヲタも、ここまで行くと尊敬に値するな

62 : イエネコ(東日本):2012/11/07(水) 18:02:02.55 ID:nQRNgzoMO
どんな人が予約してるのか興味ある。

67 : マレーヤマネコ(愛知県):2012/11/07(水) 18:03:52.22 ID:Z9brV3rQ0
先払いなの?

69 : チーター(dion軍):2012/11/07(水) 18:05:48.81 ID:n23KhD6CP
どうみても勘違いして購入する外人が
発狂して返品の嵐になるオチが見えるわ

73 : トラ(大阪府):2012/11/07(水) 18:06:42.14 ID:tkiZEBJt0
夢はあるが動きがまだまだだからな。

75 : キジ白(岩手県):2012/11/07(水) 18:07:06.42 ID:OqeQjIzg0
完成度低いだろ、とろい移動しか出来ないって遊園地の熊じゃねーんだから

79 : ヨーロッパヤマネコ(関東・甲信越):2012/11/07(水) 18:07:35.41 ID:NCf9BUBsO
レイバーか攻殻か

80 : ラ・パーマ(SB-iPhone):2012/11/07(水) 18:08:17.43 ID:0r/j/LqpP
完璧にヴァンツァー・・・近い将来、フロントミッションが現実に。

81 : 黒(カナダ):2012/11/07(水) 18:08:33.72 ID:CsSOp9a60
どうやって地球の裏側まで輸出するんだ?
現地で組立とコンピューターの設定するのか?

85 : スナドリネコ(大阪府):2012/11/07(水) 18:09:51.66 ID:GJ9G/X4F0
免許はいらんよな?

93 : ヒョウ(福岡県):2012/11/07(水) 18:11:25.68 ID:1fWscPM70
3000とか金持ち多すぎだろう・・・

95 : スミロドン(東京都):2012/11/07(水) 18:11:53.26 ID:jcHwZhc60
フェラーリ買うならこっちだな

101 : ラガマフィン(茸):2012/11/07(水) 18:15:34.42 ID:cHMeeY740
鉄の棺桶呼ばわりされるのはいつ頃だろうな

104 : サイベリアン(関東・甲信越):2012/11/07(水) 18:17:58.98 ID:7zrJyRB5O
本当に3000台も注文があったの?
世界不思議発見って感じだよ。

109 : ライオン(dion軍):2012/11/07(水) 18:20:57.18 ID:uCMZUx2c0
シャープの生き残る道はコレしかないだろ?
どうせ潰れるなら、最後の賭けで
本格生産の協力申し出ればいいのに。

112 : ボルネオヤマネコ(関東・甲信越):2012/11/07(水) 18:23:29.28 ID:4THT1DGF0
これを魔改造する国が出てくるだろう

116 : セルカークレックス(関東地方):2012/11/07(水) 18:24:24.86 ID:+EiX07NBO
軍事目的に買うきだと考えるとなんか怖いな…

120 : アビシニアン(やわらか銀行):2012/11/07(水) 18:25:56.55 ID:qxxgLcK30
数年後、両腕に銃火器を着けて内戦地帯を爆走するクラタスの姿が・・・

127 : アメリカンワイヤーヘア(大阪府):2012/11/07(水) 18:27:37.45 ID:E6bi9p7L0
今は時期が悪い
ガンダム出るまで待つ

132 : ラ・パーマ(庭):2012/11/07(水) 18:29:50.37 ID:nDCm93U8P
尖閣に上陸させろ

136 : シンガプーラ(栃木県):2012/11/07(水) 18:31:53.50 ID:aT8/iFh40
弾出るの?

141 : ヒマラヤン(鹿児島県):2012/11/07(水) 18:33:39.10 ID:rf08ksmz0
ドリンクホルダーはオートバックスで買います

142 : ヨーロッパオオヤマネコ(家):2012/11/07(水) 18:33:51.39 ID:uq5DZYrd0
このゴミのハリボテで1億とか一円置くんとちがうの?
単なる造形作品だろ

攻めて耐久性とか使い物になるものにしてから売りだせや

155 : デボンレックス(茨城県):2012/11/07(水) 18:40:22.08 ID:jMSg3J9X0
今時、遊園地のオブジェでもすぐに3〜4千万する。
別に悪くない値段。

158 : カナダオオヤマネコ(福岡県):2012/11/07(水) 18:42:04.24 ID:KyN/f9jw0
動くスコープドッグはよ

160 : キジ白(大阪府):2012/11/07(水) 18:43:51.06 ID:jNUZm7XV0
等身大メイドロボならほしい

163 : ボルネオウンピョウ(広島県):2012/11/07(水) 18:48:05.48 ID:qoRYFicR0
3000台ってライン作れるレベル?
てか純利益どんくらいなんだろ

173 : マレーヤマネコ(芋):2012/11/07(水) 18:59:12.58 ID:GCLj4K8f0
記事が吹かし入ってて、実際は結構キャンセルしまくりだと聞いたが。

しかし、ウルフファングが作られるとはなあ。

176 : セルカークレックス(兵庫県):2012/11/07(水) 19:03:04.18 ID:ICVyF93d0
パトレイバーの時代がくるの?

121 : ジャガーネコ(富山県):2012/11/07(水) 18:25:59.12 ID:A3F5Hctw0
遂にロボの時代突入か・・・



http://monkeyfarm.cocolog-nifty.com/nandemo/2012/10/post-c390.html
なにやら受注3000台と話が盛り上がってる模様。
一人で作ったら、3000年かかるんだろうな、、。
3000億ほしいけど、3000年働くこと考えたら悩むな、、。

真相
ここの取材大丈夫かいな、、と思ってた所が元みたいだ、。
水道橋サイトのBTO受注メールが3000超えたのは事実だし、今はもっと増えているのも事実、、、なんだけども。
同じ勢いで、焦った外人のキャンセルメールが来てる〜という話を適当に書いたんだな、。

元スレ:http://hayabusa3.2ch.net/test/read.cgi/news/1352277922/
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1737568.html
http://www.asyura2.com/12/warb10/msg/405.html
記事 [原発・フッ素28] 原発甘かった断層評価
https://aspara.asahi.com/blog/science/entry/rgZc4fp89P

原発甘かった断層評価

                  東京科学医療部・小池竜太、今直也


原発敷地内の断層が活断層かどうかをめぐって全国の原発で検証を進めてきた、経済産業省原子力安全・保安院の評価結果がほぼまとまった。6原発は活断層ではないと否定するだけの根拠が不十分として、追加の地質調査をすることになった。結果次第では廃炉や長期停止になる可能性がある。敷地外の断層も一緒に動いて想定を上回る揺れが原発を襲う恐れがあり、見直しが迫られている。


◇6カ所で追加の地質調査

2010年に国が作った原発の耐震指針の手引は、活断層の真上に原子炉などの重要施設を造ることを認めていない。地震が起きた場合に、建屋や機器が壊れたり、傾いたりして安全性が担保できないからだ。


「活断層である可能性を否定できない。むしろ典型的な活断層の破砕帯に非常に似ている」。今年4月、保安院による日本原電敦賀原発(福井県)の現地調査。原子炉建屋直下を走る断層をみた、産業技術総合研究所の杉山雄一主幹研究員は話した。


この断層は、原発敷地内を走る活断層「浦底断層」が動くと、引きずられて一緒に動く可能性が指摘されていた。日本原電の調査が遅々として進まない中、保安院が現地調査に乗り出したものだった。


敦賀原発の調査結果を受け、保安院は7月、全国の原発敷地内の断層の再検証を開始。その後、動く可能性が否定できない断層が次々と浮上。再調査が必要な原発は6カ所に上った。


7月17日の保安院の専門家会合では、北陸電力志賀原発(石川県)の1号機の直下を通る断層も活断層の疑いが出た。


北陸電力が提出した掘削調査時のスケッチを見た、委員の今泉俊文東北大教授は「典型的な活断層」「よく審査を通ったなとあきれている」などと発言。北陸電力は1987〜88年の審査時、「浸食で生じた」もので活断層ではないとし、保安院も原子力安全委員会も追認していた。


◇新指針でリスク浮上

なぜ今まで、これらの原発の断層が見逃されてきたのか。


活断層の定義は2006年、国の耐震指針改定で拡大した。旧指針では、5万年前までに動いた活断層が対象だったが、新指針は12万〜13万年前以降の活動が否定できない断層にまで対象を広げた。これによって、これまで活断層ではないと判断してきた断層も活断層の可能性が指摘されるようになった。


審査の甘さも否定できない。耐震指針の改定に伴って志賀原発は08〜09年にかけて再評価されたが、07年に能登半島地震が起きて海底活断層の検討に重点が置かれ、原発敷地内の断層は審査されなかった。保安院の森山善範・原子力災害対策監は「もう少し丁寧に見れば良かった」と話す。


設置後に原子炉の直下に活断層があると分かった場合、廃炉にするかどうかの明確な基準はない。近く発足する原子力規制委員会の判断に委ねられる。規制委員長候補の田中俊一氏は、国会で「新たな調査の結果、活断層による影響があるとの判断となれば、運転の停止を求めるべきだ」と明言している。


◇連動揺れ、想定見直し

原発敷地外の断層についても、周辺に複数ある活断層が一緒に動き、想定を超える地震の揺れを引き起こす恐れがあるとの指摘が出ている。各原発の耐震性を評価し直す動きが進む。


東日本大震災が起こり、保安院は従来の考え方にとらわれない検討が必要と判断。それまで一緒に動かないとみていた5キロ以上離れた断層がともに動くかどうかを再検討するよう、電力会社に指示。専門家会合で議論してきた。


その結果、北海道電力泊など5原発で、周辺の活断層の連動が否定できず、従来の揺れの想定を超えることがわかった。


敦賀原発は、敷地外の活断層と敷地内の活断層「浦底断層」が一緒に動く可能性が指摘されている。浦底断層は原子炉建屋から200メートルしか離れておらず、従来の方法で揺れの大きさを評価して良いかわからないとして、計算方法自体を見直すことになった。


断層が問題視されなかった原発でも、安全が確認されたわけではない。


敷地外の活断層の連動では問題ないとされた中部電力浜岡原発(静岡県)は、プレートが沈み込む境界型の東海地震の想定震源域の真上にあり、巨大津波への対応が迫られている。保安院は、福島第一原発事故を踏まえ各原発への津波の影響を検討しているが、「あまり経験がなく難しい」(保安院幹部)として、作業が遅れている。


      ◇       ◇


《筆者の一人、小池竜太から》

全国の原発敷地内の断層を原子力安全・保安院があらためて見直しました。6カ所の原発では、断層が動く可能性が否定できないと指摘し、追加調査を指示しました。特に敦賀、志賀、美浜、もんじゅの4カ所では、原子炉建屋の直下に、こうした断層があります。


今回の再検証で新たに見つかったものではありません。いずれも、以前から国も事業者も知っていて、「動かない」と説明してきたものです。活断層の専門家からは「報告をした事業者だけでなく、審査にあたった国や専門家の責任は重い」との指摘も出ています。


追加調査の指示を受けた事業者は、地面に溝やトンネルを掘って断層を直接観察したり、土を分析したりして、これらの断層の動いた時期を調べることにしていますが、動かないことを証明するのは難しく、調査には相当長い時間が必要になるでしょう。


私は入社してから来月で丸9年になります。このうち7年半を原発立地県で過ごしてきました。


昨年の東日本大震災、そして福島第一原発の事故発生時には、伊方原発がある愛媛県にいました。福島の事故後、地元の人たちの原発への見方ががらりと変わったことを肌で感じました。


福島の事故以前とは全く違う厳しい視線が注がれていること、そして万一の際には大きな被害を受ける原発所在地の人たちの不安をしっかりと受け止めて、事業者と国は徹底的な調査と説明を尽くしてほしいと思います。

コメント一覧 (3件)
人里離れた海岸に潜む二重のリスク
投稿者:SARU 投稿日時:12/09/05 15:28
地震国日本で起こるべくして起こったという原発事故が福島であった。余りにも事後の経過が不安定で処理に住民・国民に不信感をもたらした。にもかかわらず原発再開に動いてしまった。しかも活断層の上に設置されたところのようだ。そもそも一般的に分かりにくいのだが地下の地層が新しく動きが活発なのだろうか。こういった箇所が全国にはあるのだろう。想定の基準がどのようであったのかは見えないが災害の起こる危険な箇所の原発の立地の検証はいるのだろう。その結果はメディアの報道の公表を待つことになる。福島の事故の検証がないまま再稼動に走った経緯は国民の生活の安定とはいえないリスクを負わされることになるのだろうか。
「結論ありき」の調査では?
投稿者:MMMK 投稿日時:12/09/03 12:32
原発政策を推進してきた保安院が、活断層の再点検を始めたと聞いても、俄に信じることはできません。「安全でした」という結論を出すことが、決まっているのではないでしょうか。
若い方々はご存じないでしょうが、数十年前に原発建設が決定すると、建設省(当時)の地質図から活断層が消されたという噂が、度々、囁かれていたのです。当時は半信半疑でしたが、今になって考えれば本当だったのだと思います。そうでもしなければ、地震大国の日本に、54基もの原発が作れるはずはありません。なぜ、そこまで無理をして、原発を造ったのかも謎です。
それは別にして、本来なら廃止されるはずだった保安院が、「駆け込み的」に調査を始めた意図に、疑問を持たなくてはいけません。研究者から「活断層の可能性が高い」と指摘された大飯原発を、証拠資料を隠蔽したまま再稼働させてしまった理由に、疑問を持たなくてはいけません。
再調査による安全宣言で、新しく発足する規制庁を縛るのが目的ではないでしょうか。
最悪32万人死亡
投稿者:Say爺ちゃん 投稿日時:12/09/01 05:09
朝刊(8/30)一面が、科学面を飲み込んだ。ギョッとする見出し(かつ中央見開大特集)だが、膾を吹く感じの注意喚起記事。ところが、通読中に2発大揺れ。
各紙似たような大見出しらしく、早朝ラジオがその32万人を読む。国会の茶番劇よりこの方が大切・インパクトありと各紙が判断したところが寂しくも面白い。
さて活断層。小池・今両記者は、今さら何を!と地団駄を踏みながら書いたのではないか。調査が遅々として進まない日本原電をさておいて、産総研が早々と調査し、結果を公表出来たのは、その昔、自らと同一組織内の産総研指摘(貞観津波)を無視し続けた保安院を含む原子力ムラの反省(の姿勢だけ?)の現れか。また東北大・今泉教授の「よく審査を通ったものだ」も同じことがいえる。その昔なら、発言が削除されるも何よりも、当時なら担当委員に選ばれていたか否か。
活断層精査による不測の事態の予測もよいが、世界の地震2割が日本(8/27朝刊)だけで原発断念材料だ。
http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/568.html

記事 [原発・フッ素28] 国会同意再び見送り〜復活する原子力ムラ(東京新聞:こちら特報部)
国会同意再び見送り〜復活する原子力ムラ
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2012110802000133.html
2012年11月8日 東京新聞[こちら特報部]


「規制当局は事業者の虜」と原子力ムラの構造を看破したのは、7月に公表された福島原発事故の国会事故調報告書だった。それから4カ月。政府は委員の利益相反が指摘されている原子力規制委員会委員人事の国会同意を再び反故にした。本来、「コケにされた」と怒るべき国会も沈黙している。そうした状況を尻目に次々と旧来のムラ支配が復活する。福島原発事故の教訓が霞みつつある。(出田阿生、上田千秋)


◆国会同意なき規制委人事

「国会の状況を考えると、不承認のリスクがゼロと言えない」─。
政府は2日、独立行政(3条)委員会である原子力規制委員会委員の同意人事について、通常国会に続いて臨時国会でも見送ることを決めた。冒頭の言葉は藤村修官房長官の理由説明だが、不承認の可能性のない同意人事など意味がない。

一部の野党議員は反発したが、国会はこの説明に総じて沈黙。慶応大の金子勝教授(財政学)は「委員を選んだのは原子力ムラ寄りの政治家と官僚。発足時点から正統性がなく、国会同意が委員会の独立、透明性を担保する要だった。これでは無法地帯だ」と語る。

原子力委員会の新大綱策定会議の委員も務めた金子教授は「こうした大事なことを見過ごし続けたら、なし崩し的に以前の状態に戻るだろう」と憤りを隠さない。

委員人事の危うさはかねて指摘されてきた。規制委設置法は原子力事業にかかわる者は委員の資格がないとし、政府が7月に示した委員の要件では、原子力事業者などから一定の報酬を受けた者は除かれるとした。

しかし、5人の委員のうち、田中俊一委員長、中村佳代子、更田豊志両委員の3人は2009年度以降、原子力関連の団体から講演料など約20万〜約66万円を受け取っていた。中村、更田両委員は直前まで原子力事業者に属していた。

こうした利益相反ぶりは委員だけにとどまらない。規制委は2日、原発の新たな安全基準検討チームの専門家6人のうち4人が、直近3〜4年間に電力会社などから寄付金などの名目で、計約4,500万円を受け取っていたことを公表した。

とりわけ、名古屋大の山本章夫教授にいたっては計2,714万円を原子炉メーカーの三菱重工などから得ていた。

ただ、規制委傘下の専門家については利益相反を禁じる規則はなく、報酬金額などを自己申告すればいいだけだ。原子力規制庁の担当者は「金額を自主的に明らかにすることで透明性は確保できる」と説明する。

◆「ずさんさ」 保安院譲り

これではムラからの決別は程遠い。実際の作業でも、規制委が前身の旧経済産業省原子力安全・保安院から脱皮できていない証左が露呈した。

6日に発覚した規制委公表の過酷事故における放射性物質拡散予測地図のミス。原因は作業委託を受けた原子力安全基盤機構(JNES)が、九州電力提出の誤った気象データをそのまま試算していたためだった。

1JNESをめぐっては保安院時代の昨秋、原子炉の燃料検査で、燃料製造会社作成の書類を丸写しして、手順書を作成していたことが明るみに出た。丸写しの作法が継承されていた形だ。

◆「もんじゅ」も巻き返し

こうした原子力ムラの復活とも映る事例は、規制委にとどまらない。

以前から「税金のむだ遣い」と批判の強い高速増殖原型炉・もんじゅ(福井県敦賀市)。政府の新エネルギー戦略の素案では「廃止する」と明記されていたが、9月の発表時には消えていた。

今後の計画を議論するのは、従来通りの開発推進を主張する文部科学省だ。具体的には原子力科学技術委員会の作業部会が議論する。委員会の委員には、もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構の理事長が名を連ねる利益相反ぶりだ。

作業部会も脱原発派はゼロ。先月末の初会合では「高速増殖炉の研究を維持するべきだ」との意見が大勢を占めた。

それどころか、1995年のナトリウム漏れ事故について「表現に抵抗がある。何とかならないか」との発言も出た。「事象」「トラブル」といった緩い表現に変更するという意向だった。

発言した村上朋子委員は財団法人日本エネルギー経済研究所の所属。同研究所の非常勤理事には東電や関電などの役員が並んでいる。作業部会は年末までに中間報告を出して方向性を打ち出す予定だが、こうした流れでは”延命”という結論がすでに見えている。

発電に占める原発依存度を検討する経産省の諮問機関、総合資源エネルギー調査会の基本問題委員会も同じだ。

委員長は元経団連副会長で、新日本製鉄会長の三村明夫氏。「2030年代に原発ゼロを目指す」とした政府方針の実現を検討することが仕事だが、三村氏は9月の会合で「(使用済み核燃料の)再処理、日米関係、核不拡散といった問題をどう解決するのか」などと発言。委員長であるにもかかわらず「原発ゼロ反対」と表明している。


[黒川元国会事故調委員長に聞く]

◆政治は行政を監視せよ

なぜ、原子力ムラが復興しつつあるのか。国会事故調で委員長を務めた政策研究大学院大学の黒川清教授は「政治の力が弱くて、行政を監視できていないことが最大の問題」と指摘する。

「立法府が政策を決めるのが本来の姿なのに、いまだに役所が政策をつくっている。行政はこれまでやってきたことを間違いとは認めない。これでは福島の事故後も政策が変わるわけがない」

黒川教授は「この事故で、政府や東電、学者、さらに大手メディアがグルになり、『原発はメルトダウンしていない』と言った結果、すべての権威がメルトダウンした。経済大国で科学技術先進国のはずが、実にいいかげんな国だと世界の信用を失った」とみる。

どうしたら、信用を回復できるのか。それは「立法府の機能強化」であり、具体的には国会事故調のような国会が設置する独立した委員会で重要な政策について議論することが不可欠という。

「国会事故調は立法府が初めて機能した事例。政府や事業者から独立していたからこそ、信頼性を確保できた。使用済み核燃料の問題など重要な政策決定の際には、こうした委員会を必要に応じて設置するべきだ」

事故調の報告書では、国会に向けて7つの提言をまとめた。新たな規制当局に対しては「国会が委員会を設置して監視」「高い独立性や職務への責任を持たせる」とした。だが、黒川教授は「それが実現できているとは思わない」と話す。

「提言の実現は、この国で真の民主主義を機能させる第一歩になる。次の総選挙で、国民が候補者に提言を実現する意思があるか否か、という問いを突きつけなければ」


[デスクメモ]
あれだけの原発事故を体験しても、この社会の骨に染み込んだ悪弊は拭えていない。3・11は「第二の敗戦」と言われたが、うやむやになった戦争責任同様、3・11までの原子力ムラの構造は温存されたままだ。特効薬などない。叫び続けること。一人一人が抵抗をやめれば、本当の悪夢がやってくる。(牧)

http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/569.html

記事 [経世済民78] カリフォルニアでの投票結果は、TPP通商協定に影響を与える
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/tpp-3545.html
(Press Release: GE Free NZ)

大統領選挙と同時にカリフォルニアで投票される遺伝子組み換え食品ラベル法案は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPPA)国際交渉の行方を決定する可能性がある。
修正法案37号が可決されれば、ニュージーランドの食品ラベル法規の下で、わが国民が享受している、何を食べているのかを知るという同じ権利を、カリフォルニアの住民も得ることになる。

カリフォルニアで、遺伝子組み換え食品ラベルが可決すれば、ニュージーランドの貿易大臣ティム・グローサーが、我が国のラベル法規がTPPAの下でも必ず守られる様にするのがやりやすくなり、他の国々にも拡張されるだろう。
国民が遺伝子組み換え食品を避ける権利が、大企業が政府を動かすことができるTPP密室交渉で脅威に曝されているのだ。

"ティム・グローサー貿易大臣は、TPPAで、遺伝子組み換え食品ラベルが犠牲にされることはないとニュージーランド国民を安心させていますが、国民は依然、裏切られることを心配しているのです"とGE-Free NZ in food and environment広報担当ジョン・キャラピエットは述べている。

"カリフォルニア州の修正法案37号が可決されれば、モンサント等の遺伝子組み換え推進派ロビイスト達がラベル法規を覆すことがより困難となり、ニュージーランド貿易大臣がニュージーランド国民の権利を擁護しやすくなります。

"いずれにせよ、TPPAの下で人々が遺伝子組み換えでない食品を選ぶ権利を否定しようとする大企業のあらゆる企みは受け入れがたく、協定を頓挫させることになるでしょう。"
カリフォルニア州での修正法案37号投票に至るまでの論争では、知る権利を否定する宣伝の為に何千万ドルもの寄付のおかげで、遺伝子組み換え食品推進派の大企業による活動の激しさは新たなレベルに達した。主な資金源は、農業関連産業、化学や食品産業の、モンサント(800万ドル以上)、デュポン(500万ドル以上)、ペプシコ(200万ドル以上)やクラフト(160万ドル以上)等を含む大企業だと報じられている。

これまで、アメリカの他の州で遺伝子組み換え食品をラベル表記させようという取り組みは、こうした強力な勢力に反対されたために失敗している。それで、たとえ遺伝子組み換え食品ラベルが、ニュージーランド、オーストラリア、ヨーロッパやアジア中の多くの国々では必須であっても、アメリカの消費者は、遺伝子組み換え食品の情報を知らされない状態におかれている。

ニュージーランド国民には、遺伝子組み換え食品ラベル擁護者で、我々の権利を守るべき、ティム・グローサーがいる。遺伝子組み換え食品ラベルを禁じて、アメリカ人のみならず、あらゆる人々の選択する権利を否定するのであれば、受け入れ可能な条約を合意するのは不可能だ。知る権利は、TPPA加盟国地域の全てで守られ、拡張されるべきだ。

記事原文のurl: www.scoop.co.nz/stories/PO1211/S00085/vote-in-california-will-impact-tppa-trade-deal.htm



http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/436.html

記事 [経世済民78] トヨタにドコモ、日立も 中国系ファンドに買われた日本企業238社の行方
http://biz-journal.jp/2012/10/post_771_2.html

日本政府が尖閣諸島を国有化したことをきっかけに、日中関係の緊張が高まっている。日中関係は「政冷経熱」から「政冷経寒」の氷河期に突入したといえるだろう。

 東京株式市場では、日本企業の株式を大量に買い漁っていた中国の政府系ファンド「OD05・オムニバス」が、どう出るかに注目が集まる。同社の正式名称は「SSBT OD05 OMNIBUS ACCOUNT−TREATY CLIENTS」(以下オムニバスと略)。名目上の本拠地はオーストラリアのシドニーにあり、香港上海銀行東京支店が常任代理人を務めている。配当を受け取るための信託上の名義で実際の株主の素姓は、もう一つはっきりしない投資ファンドなのだ。

 尖閣諸島問題によって、オムニバスが持つ日本企業の株を叩き売ればどうなるか。市場関係者の間には“尖閣暴落”と呼んで、これを懸念する声がある。日経平均株価は7000円。最悪のシナリオだと5500円〜6000円まで崩落する。

 東洋経済の「大株主調査」(2012年7月24日付)によると、12年3月期末時点で、オムニバス名義の株主が登場した日本企業は238社にのぼった。3月期決算の会社のうち、11社に1社が株式を保有されている勘定になる。オムニバスが初めて登場した07年3月期はわずか5社だったが、その後、5年間で238社に達し、保有する株式の時価総額は3兆5000億円を超えた。

 同社の保有比率は、12年3月期に新たに登場したトヨタ自動車(保有比率1.9%)では第9位の大株主。日立製作所(同2.9%)、三菱UFJフィナンシャル・グループ(同2.6%)、三井物産(同2.4%)は3位、ソニー(2.4%)、NTTドコモ(同0.9%)、オリックス(同3.8%)は4位。武田薬品工業(同2.2%)が5位、コマツ(同2.5%)が6位、ホンダ(同2.2%)は7位の大株主となっている。

 銀行、証券、商社、自動車、機械、医薬品、建設、不動産などの有力企業を総なめしている。しかもここに挙げたのは、ベスト10に登場した企業に限ってのこと。公表されていない11位以下の企業も含めると投資額はさらに膨れる。

 では、オムニバスとは、一体何者なのか? 中国政府が国庫から資金を出している政府系ファンドというのが大方の見方だ。中国は輸出振興のため元高を避けたい。そのため巨額のドル買い元売りの市場介入をしている。

 中国の外貨準備高は、円換算で世界最大の300兆円を誇る。これを国家外為管理局と国策ファンドの中国投資有限責任公司が運用している。前者は米国債で運用し、後者は株式や債券などで運用。オムニバスは、中国投資有限責任公司の別働隊と見られている。中国政府は08年頃に「将来は幅広く日本企業の株式を買い集めたい」と発言、この時期からオムニバスの名義が出てきた。

 中国政府系のファンドは何をしようとしているのか。運用方針は不明だ。「何をするかわからない」と不安を抱いている企業もかなりある。これまでは配当金を受け取るだけの“物言わぬ株主”だったが、これからは違う。中国は政治が主、経済が従のお国柄だ。これまでも投資を常に政治のカードとして使ってきた。

 そして、いまや米国債を一番多く保有しているが中国。欧州の通貨危機ではギリシャやスペインなどの国債を買い集めた。狙いは中国の存在感を高めて、国際的にイニシアチブを握ることだ。

「中国は、米国債の最大の保有者となったことを外交カードとしてフルに使った。中国が米国債を売れば米国債は大暴落し米国経済は崩壊する。だから、米国政府は中国に強くモノを言えなくなった。国債の大量保有は、米国の大統領の喉元にアイクチをつきつけたようなものだ」(在米の証券アナリスト)

 日本では国債の代わりに大企業の株式を大量に買った。日中の緊張が高まるなか、このカードを使って揺さぶりを仕掛けてくるのは必至だろう。
「オムニバスが保有している株式を一斉に売却すれば、東京市場の株価を暴落させることも可能でしょう。中国から撤退の意向を示す企業に対しては、『株を叩き売って企業価値を下げるぞ』と、恫喝することだってできる。産業人&経済人をパニック状態にするために有名企業の株式を買い増して経営権を握ることだってやりかねない。日本経済を根底から揺さぶるために、かなり荒っぽい手口を使ってくることが予想される

 尖閣諸島を国有化した日本政府に、政治や外交だけでなく経済・産業面でも圧力をかけてくる。その有力なカードが、オムニバスが保有している大量の日本企業の株式であることは間違いない。

 フリーキックのボールは中国側が握っている。日本側に尖閣暴落を防ぐ手立てはあるのか。中国政府系ファンドに翻弄されっぱなしになる懸念すらある。


http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/437.html

記事 [昼休み52] 尖閣諸島問題が、日本の「命取り」に、ならなければいいのだが。
 野田内閣総理大臣には日本の代表として、特に国際会議で斬新な提案等で存在感を世界に示して欲しいと常々願っているが、今回のラオスの首都ビエンチャンで開催された、アジア欧州会議(ASEM)でも、大きな世界的視野を示せず、相変わらず尖閣諸島問題に拘り、世界に日本の存在感をさらに狭めてしまった上に、「トラブルメーカー」としての本領を発揮してしまった。
 ASEM国際会議に出て、野田首相は良くお分かりになったと思う。
 世界が日本に期待しているのは、尖閣諸島の問題よりも、日本が世界経済建て直しに、たとえばクリーンエネルギー技術や、先進科学技術等々の分野でいかに貢献していくかなのである。
 また尖閣諸島のような島嶼問題の扱いについては、ベトナムやフィリピンの方が、国際的な流れを洞察し、より巧妙に対応しているのに対して、日本が相変わらず、杓子定規に物事を考えている「硬直した社会」であることをも、野田首相が世界に曝してしまった。
 日本国民は、元来もっと発想が柔軟で斬新かつ、創造的思考を世界に先駆けて示してきた国民なのである。しかるに、特にこの1年有余、日本国民から世界に、発信していく度合いが減少している。
 日本人は、柔軟で独創的な生き方を取り戻そうではないか。野田首相もまた、発想を柔軟にし、日本国民に未来への希望を与えるアピールをしていただきたい。

http://www.asyura2.com/12/lunchbreak52/msg/464.html
記事 [国際7] チャネラーたち、お前らもか?:「チャネラー情報」もまた「NWOの手下」だった!?
http://quasimoto.exblog.jp/19170086/

いまやテレビでも関なる謎の人物が「信じる信じないはアナタ次第です」などといって「陰謀論ビジネス」を行っている。アメリカでも元プロレスラーで元ミネソタ州知事が「ザ・陰謀論」というテレビ番組をやっている。

私はこの世界ではかなり前から、日本で故太田龍がデービッド・アイクを取り上げるようになる1990年代後半よりはるか前から、つまり、矢追純一の宇宙人・UFO話の1970年代の頃から、こういった陰謀めいた話は個人的に観察して来た方である。

特に、2001年の911事件の頃から、陰謀のスケールと本気度が180度異なるレベルに来たなと感じ始めた頃から、同時にインターネットの発達もあり、そして私のパソコンの買い替えも相まって(それまでの90年代パソコンでは最近のパソコンスピードについて行けず、YouTube動画が観ることが出来なかったため)、世界中のリーク情報をつぶさに観察するというようにしてきたわけである。

そんな中、最初の「ワクチン・ビジネス」(不妊ワクチン)やマイクロチップの導入へのアイクの警告あたりから、その後の「ケムトレイル・ビジネス」、そして「フリーメーソン」、「イルミナティー」、「ニューワールドオーダー」などの話をいろいろと調べて、ここやその前の拙ブログに数年メモして来たわけである。

そういう中で、ある時期から突然「マヤの予言」とリンクさせて、急激に「地球最後の日(ドゥームズデー)」や「アセンション」話が出て来るようになったのである。日本でこの「アセンション・ビジネス」に飛びついたのが中丸薫であった。

当時に、海外でもさまざま連中が自称「チャネラー」と称して、「チャネリング情報」なるものを流布するようになった。私の知る限り、わざわざサイトを立ち上げて自分がチャネラーだという本物のチャネラーは存在しない。本物は人知れずその能力を使う。さもないとその能力が失われるというようなものらしい。

そんなわけで、この「チャネラー・ビジネス」はいったいどこから来るのか?どこから仕込まれたのか?
ということにかなり前から静かに観察してきたのである。私は長らく静かにHAARPモニターを観察してしかるべき310に危険を警告したのと同じようにである。

最近やっとその根源がどの辺りかということを理解したので、ここにメモしておこう。

結論からいえば、やはり米CIAである。それもオバマよりのジェイ・ロックフェラー系列のCIA筋からだと思う。言い方を変えれば、チャネラーサイトを運営しているものは全部CIAのエージェントだろうということになる。

大分前からそうではないか、と見て来たし、実際CIA自ら「実はチャネリングサイトはCIAが仕込んだ」という自らのリークもYouTubeにある時期出たのだがすぐに削除された。だから、決定的証拠が出されるまで、私はずっと静かに観察していたというわけである。

今回のハリケーン「サンディー」とそれを巨大化させたHAARP気象兵器。これは物理的に明らかに痕跡を残した。だから、これが操作された人工ハリケーンであったことはまちがいない。もちろん、ハリケーンの卵は自然にできる。そしてある程度は自然に巨大化もする。しかし普通ではあり得ない奇跡を描いたり、ある時期じっとそこに居座ったり、そして時期が来ると堰を切ったかのように急襲するというのは自然ではあり得ないのである。

問題はその軌道であったが、「サンディー」は見事にロックフェラーの本拠地を迂回し、ニューヨークを襲った。そしてそれを予想していたかのように、ゴールドマンサックスは自家発電で問題なく過ごしていた。

NYハリケーンは気象兵器テロだったのか?!
問題は、大統領選のど真ん中で、南部ネオコンのロムニーと北部NWOシオニストのオバマの新たなる「南北戦争」の最中に、このハリケーン「サンディー」はどちらに味方するためのものだったかということである。

私はオバマの「神風」のためだと理解したが、結果ももちろんそういうふうに展開した。

そこで、チャネラーたちがこの事件をどう主張するのだろうか?
と観察していたわけである。

その結果、大半のチャネラー情報が、
「オバマは光の天使」、
「銀河連邦はオバマを支持する」、
「オバマはライトワーカー」(オバマ大統領こそ、黄金時代の導き手)、
「オバマの前世はインカ帝国の最後の王様」(中丸薫談、大統領選挙記念「オバマの使命」)、
「今回のハリケーンはHAARPの仕業ではなく、自然のものだ」(マシュー君のメッセージ(10/21、11/1))
などなど、オバマ礼賛、オバマ・マンセーのオンパレードとなったのである。逆に言えば、それだけ、今回のオバマ再選を彼らは重要視しているというわけである。そうでなければ困る事情があるというわけである。

ちょっと前に「アセンションのための祈り」の集団セレモニーを開催というようなもものもあった。その人境に「次元上昇する」というものだった。

私はその日を境に何か変わるかと観察していたが、何一つ変わらない。当たり前である。この自然界は人間が思考したかどうかで相転移を起すというようなやわな代物ではまったくないからである。もちろん、自分自身が心機一転というようにメンタルに変化することはあり得る。しかしメンタルにもまったく変わらなかった。さらに回りが変化するかと観察したが、やはりまったく変わらなかった。

変わったのは、大統領選にどんぴしゃりの形で、チャネラー情報の提供者たちが、一斉にオバマ支持を打ち出したということだけであった。

とまあ、そういうわけで、いわゆる「チャネリング情報」や「チャネラーサイト」というものは、やはり米CIA工作員による「シープル」や「B層」のためのものだという結論になるというわけですナ。これではもし本物のチャネラーがいたとすれば心底怒っているに違いない。

いずれにせよ、その昔の「人民寺院の集団自殺」事件のような結末にならないことを祈るのみである。チャネラー情報は要注意である。要するにこれもまたNWOの仕込んだワナの1つということのようですナ。
これにて一件落着。めでてえナ。「信じる信じないはアナタ次第です。」

**** おまけ:
オバマ米大統領の再選確実…CNNが速報
【ワシントン=中島健太郎】米大統領選は6日、全米各地で投開票が行われ、米メディアによると、民主党のバラク・オバマ大統領(51)が共和党のミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事(65)を破って、再選を確実にした。

★チャネラーたちも一安心したことだろうナア。これでアメリカの終焉がほぼ決まったナ。


http://www.asyura2.com/12/kokusai7/msg/174.html

記事 [原発・フッ素28] 大飯原発の断層 関電に追加調査指示/関電の調査は問題/専門家には活断層否定の意見はなかった
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye5176092.html

大飯原発の断層 関電に追加調査指示(TBS Newsi)

 関西電力・大飯原発の敷地内を通る断層に活断層の疑いが指摘されている問題で、現地調査を行った原子力規制委員会の調査団は結論を先送りしました。

 「もう少し慎重に調査すべきでないか」(原子力規制委員会・島崎邦彦委員長代理)

 その上で、関西電力に対し追加の調査を指示したほか、調査団も再度、現地調査を行う方針を明らかにしました。

 一方で、傍聴者からは不満の声も・・・。

 「(原発を)止めてから調査してください」
 「1年8か月前のことを忘れたんですか」(傍聴者)

(07日21:55)

--------------------------------------

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121107/k10013324531000.html

大飯原発の“断層”結論出ず(NHKニュース)
11月7日 20時8分

国内で唯一運転している福井県の大飯原子力発電所の断層が、活断層かどうかを評価する国の原子力規制委員会の専門家会議は、7日改めて議論しましたが結論は出ませんでした。
専門家会議は関西電力に追加の調査を求め、判断するまでには時間がかかる見通しです。

国の原子力規制委員会の2回目の会議には、島崎邦彦委員と専門家の合わせて5人が参加し、大飯原発の敷地を走る「F−6破砕帯」という断層が活断層かどうかや、今月2日の現地調査で見つかった地層のずれが「活断層」か「地滑り」かについて議論しました。

7日の会議では、まず関西電力の担当者が説明し、「F−6破砕帯はこれまでの想定より短く600メートルにとどまっていて活動性はない。また地層のずれは地滑りによるものだ」として、ずれや破砕帯は活断層ではないと主張しました。

これに対し専門家から「破砕帯の立体的なデータが不足している」「地層のずれの付近をさらに掘って調べるべきだ」といった意見が相次ぎ、活断層について結論が出ませんでした。
規制委員会の島崎委員は「非常に限られたデータを基に議論しているので、原子炉の近くで地面を掘るトレンチ調査を改めて行ったうえで、誰が見ても『そうである』という形で決着したい」と述べました。

規制委員会は関西電力に対し前回、議論が集中した敷地北側の「ずれ」の周辺などを掘ることや、建設前にF−6破砕帯を確認した掘削場所の南側を300メートル程度掘るよう指示し、必要に応じて専門家の現地調査を改めて行うということですこのほか会議では、島崎委員が再調査を指示する考えを明らかにしたことについて東洋大学の渡辺満久教授が「大飯原発は運転中でスピード感を持って判断することが使命で、悠長なことを言っている場合ではない」と述べ、調査の進め方に異議を唱える場面もありました。

規制委員会は、活断層だと判断した場合、大飯原発の運転停止を求める考えですが、次回の会議は追加の調査で重要な成果が得られてから行われることになっていて、専門家が判断するまでには時間がかかる見通しです。

会議のあとの記者会見で、原子力規制委員会の島崎邦彦委員は今後の調査の進め方について、「どこまで掘り進めれば判断できるかは現段階では言えないが、『これだったらこうだ』という段階に至れば、当然判断したい。状況によっては急きょ会合を開いて判断することもあり得る」と話しました。

一方で「大飯原発を止めなくても安全上問題はないか」という質問に対し島崎委員は「『完全に安全』ということはこの世にありえないので、どの程度で判断するかは難しい問題だ。『止める、止めない』はきょうの会合の議題ではない」と述べて明言しませんでした。

==============================================

【関連記事】


「しんぶん赤旗」 2012年11月8日 日刊紙 1面


「しんぶん赤旗」 2012年11月8日 日刊紙 15面

http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/570.html

記事 [原発・フッ素28] 大飯原発の断層 関電に追加調査指示/関電の調査は問題/専門家には活断層否定の意見はなかった

大飯原発の断層 関電に追加調査指示 投稿者 gataro-clone

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye5176092.html

大飯原発の断層 関電に追加調査指示(TBS Newsi)

 関西電力・大飯原発の敷地内を通る断層に活断層の疑いが指摘されている問題で、現地調査を行った原子力規制委員会の調査団は結論を先送りしました。

 「もう少し慎重に調査すべきでないか」(原子力規制委員会・島崎邦彦委員長代理)

 その上で、関西電力に対し追加の調査を指示したほか、調査団も再度、現地調査を行う方針を明らかにしました。

 一方で、傍聴者からは不満の声も・・・。

 「(原発を)止めてから調査してください」
 「1年8か月前のことを忘れたんですか」(傍聴者)

(07日21:55)

--------------------------------------

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121107/k10013324531000.html

大飯原発の“断層”結論出ず(NHKニュース)
11月7日 20時8分

国内で唯一運転している福井県の大飯原子力発電所の断層が、活断層かどうかを評価する国の原子力規制委員会の専門家会議は、7日改めて議論しましたが結論は出ませんでした。
専門家会議は関西電力に追加の調査を求め、判断するまでには時間がかかる見通しです。

国の原子力規制委員会の2回目の会議には、島崎邦彦委員と専門家の合わせて5人が参加し、大飯原発の敷地を走る「F−6破砕帯」という断層が活断層かどうかや、今月2日の現地調査で見つかった地層のずれが「活断層」か「地滑り」かについて議論しました。

7日の会議では、まず関西電力の担当者が説明し、「F−6破砕帯はこれまでの想定より短く600メートルにとどまっていて活動性はない。また地層のずれは地滑りによるものだ」として、ずれや破砕帯は活断層ではないと主張しました。

これに対し専門家から「破砕帯の立体的なデータが不足している」「地層のずれの付近をさらに掘って調べるべきだ」といった意見が相次ぎ、活断層について結論が出ませんでした。
規制委員会の島崎委員は「非常に限られたデータを基に議論しているので、原子炉の近くで地面を掘るトレンチ調査を改めて行ったうえで、誰が見ても『そうである』という形で決着したい」と述べました。

規制委員会は関西電力に対し前回、議論が集中した敷地北側の「ずれ」の周辺などを掘ることや、建設前にF−6破砕帯を確認した掘削場所の南側を300メートル程度掘るよう指示し、必要に応じて専門家の現地調査を改めて行うということですこのほか会議では、島崎委員が再調査を指示する考えを明らかにしたことについて東洋大学の渡辺満久教授が「大飯原発は運転中でスピード感を持って判断することが使命で、悠長なことを言っている場合ではない」と述べ、調査の進め方に異議を唱える場面もありました。

規制委員会は、活断層だと判断した場合、大飯原発の運転停止を求める考えですが、次回の会議は追加の調査で重要な成果が得られてから行われることになっていて、専門家が判断するまでには時間がかかる見通しです。

会議のあとの記者会見で、原子力規制委員会の島崎邦彦委員は今後の調査の進め方について、「どこまで掘り進めれば判断できるかは現段階では言えないが、『これだったらこうだ』という段階に至れば、当然判断したい。状況によっては急きょ会合を開いて判断することもあり得る」と話しました。

一方で「大飯原発を止めなくても安全上問題はないか」という質問に対し島崎委員は「『完全に安全』ということはこの世にありえないので、どの程度で判断するかは難しい問題だ。『止める、止めない』はきょうの会合の議題ではない」と述べて明言しませんでした。

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【関連記事】


「しんぶん赤旗」 2012年11月8日 日刊紙 1面


「しんぶん赤旗」 2012年11月8日 日刊紙 15面


http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/571.html

記事 [お知らせ・管理20] 削除依頼
投稿に失敗しました。

正しいものを再度投稿しましたので失敗投稿を削除してください。


削除するのはこちら ↓

大飯原発の断層 関電に追加調査指示/関電の調査は問題/専門家には活断層否定の意見はなかった
http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/570.html
投稿者 gataro 日時 2012 年 11 月 08 日 09:44:31: KbIx4LOvH6Ccw


残すのはこちら ↓

大飯原発の断層 関電に追加調査指示/関電の調査は問題/専門家には活断層否定の意見はなかった
http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/571.html
投稿者 gataro 日時 2012 年 11 月 08 日 09:46:29: KbIx4LOvH6Ccw


http://www.asyura2.com/11/kanri20/msg/830.html

記事 [原発・フッ素28] リンゴジュース25ベクレル、ブルーベリージャム(ナツハゼジャム)42ベクレル、ゆずコショウ15ベ (乖離のぶろぐ) 
http://ameblo.jp/pochifx/entry-11399251324.html
2012-11-08 07:34:00NEW  乖離のぶろぐ(*´∀`)吸い込んで応援


http://radiation7.blog.fc2.com/blog-entry-851.html

子供の飲み物に注意!リンゴジュース25ベクレル、ブルーベリージャム(ナツハゼジャム)42ベクレル、ゆずコショウ15ベクレル、コメ140ベクレル、梅干し130ベクレル、ドライフルーツ21ベクレル(11/7 緊急時モニタリング又は福島県の検査結果)

by 東京江戸川放射線


http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002nxj3.html
食品中の放射性物質の検査結果について(第516報)平成24年11月7日


緊急時モニタリング又は福島県の検査結果

 ※基準値超過(23検体)
  福島県産玄米
   No.3,21(Cs:120 Bq/kg)
   No.7,8,12,22,24,27(Cs:110 Bq/kg)
   No.25(Cs:140 Bq/kg)
   注)いずれも事前出荷制限区域の全量全袋検査で確認されたもの。
  No.80,81,82,145,146:福島県産コモンカスベ(Cs:250,150,120,280,210 Bq/kg)
  No.121,122:福島県産アイナメ(Cs:180,270 Bq/kg)
  No.129:福島県産ウスメバル(Cs:230 Bq/kg)
  No.142:福島県産カムシカジカ(Cs:110 Bq/kg)
  No.149,150:福島県産シロメバル(Cs:300,700 Bq/kg)
  No.166:福島県産ヒラメ(Cs:130 Bq/kg)
  No.195:福島県産ムラソイ(Cs:360 Bq/kg)
  No.292:福島県産梅干し(Cs:130 Bq/kg)

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002nxj3-att/2r9852000002nxnf.pdf



http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/572.html

記事 [社会問題9] これは酷い!青森の在日朝鮮人ホスト畠山真一、タクシー運転手(68)をボコボコに殴って逮捕
http://www.news-us.jp/article/300755976.html

十和田署は6日、タクシー運転手に暴行しけがを負わせた傷害の疑いで、十和田市東五番町、飲食店経営畠山真一容疑者(38)を逮捕した。本紙取材によると事件の関係者が撮影したとみられる犯行の様子を映した動画がインターネット上に投稿されており、同署によるとこの動画が容疑者逮捕の手掛かりの一つになった。
同署には同日夜までに県内外の動画閲覧者から数十件の通報があったという。
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2012/20121107084947.asp

●ふざけんじゃねーーーーーーーーよ!
このくそがき!!!
まじこいつゆるせねぇ。はらわた煮えくり返る。
てめえお年寄りでがんばって働いてる人に
なんてことしてんだ顔出せこら!!!!!!!
警察よべだ?
ならネットに顔さらせや。住所氏名全部出せ
いきがってる餓鬼がそんな適当なごたくならべてんじゃねーよ!
撮ってるやつも全員くそだ。人間の恥でしかない。
いや人間じゃない。

●おじいちゃんが深夜から早朝にかけて一生懸命働いてるのに。年寄りに冷たい若者ってなんなんだろうね。本当に悲しくなってきた。こいつらに人権なんぞいらない。

(↓2ch転載)
740 :名無番長 [sage] :2012/11/07(水) 05:58:13.26 0

408 名前: ゆきんこ 投稿日: 2012/11/06(火) 18:17:11 ID:N6EUB7zA
ちらっとしか映ってないのもいるけど、
葛西、畠山、三浦、佐々木(撮影者)だな
伊藤会傘下葵組の新山の、いつでも切離し可能なパシリ

これ本当だったね

ホスト「客が酔っ払ってるからタクシーまで運べ」

運んだら「痴漢行為」と言いはり金を要求予定(だから撮影係がいた)

タクシー業界で知られた手口なのでおっさん拒否

ホストが逆ギレしおっさん暴行

底辺DQNなので自ら暴露

291 :名無しさん@13周年 [sage] :2012/11/07(水) 10:15:08.30 ID:tL3B7MWI0
まーた在日朝鮮人かよ
好い加減にしろ

78 :名無番長 :2012/11/05(月) 23:35:17.03 0
小さい頃愛情の無い家庭で育ったんだろうな
人格が破綻してる
撮影してる奴もこの動画を投稿したら
どうなるかも想像する力が無い小学生以下の頭脳
ホストやヤクザもこういう系統の人間が多い

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/11/07(水) 07:29:21.92 ID:aICGxdo40
こいつは元々前科持ちだからなw

434 :名無番長 :2012/11/06(火) 12:15:47.68 0
あの理不尽なキレ方は朝鮮系なん?
とうほぐにも朝鮮人っておるん?

818 :可愛い奥様 :2012/11/07(水) 00:44:20.95 ID:JeKP3zTJ0
犯人が在日であればネットで騒げば
あるいは在特などの市民団体を動かして
このゴミ屑を
もっともっと追い込む事は出来るよね
※やっぱり在日朝鮮人だった

75 :名無番長 :2012/11/05(月) 23:30:09.28 0
そもそもオーナーが構成員だからねぇ

91 :名無番長 :2012/11/06(火) 00:12:10.37 0
>>88
隣の三沢市もそうだけど
この地域のメンパブは構成員のしのぎ
昔北里大学生をたくさん使って流行ってた店に
バキュームカーで糞尿を撒き散らし
閉店させたのは有名なお話。

105 :名無番長 :2012/11/06(火) 00:57:58.60 0
>>91
青森で水商売やる奴は「朝鮮人率が高い」と

166 :名無しでいいとも! :2012/11/07(水) 10:03:39.61 ID:oNTXVjLG
ホストって朝鮮人の巣窟だろ

334 :名無しさん@13周年 [sage] :2012/11/07(水) 10:20:30.38 ID:9+uQu46e0
http://area-info.jpn.org/area022063.html
十和田市の青森におけるランキング1位がw
十和田市(青森県) Towadashi 十和田市(とわだし)は、人口66,110人、面積726km2の『感動・創造都市 〜人が輝き自然が輝きまちの個性が輝く理想郷〜』を標語・キャッチフレーズとする地域です。

韓国人・朝鮮人比率ランキングでは、全国全地域で1802地域中902位、青森県内で29地域中1位です。

交通事故発生率ランキングでは、全国全地域で1949地域中576位、青森県内で40地域中1位です。

828 :可愛い奥様 [sage] :2012/11/07(水) 00:50:51.67 ID:P5SVRhfP0
朝鮮のことわざ
「溺れた犬は棒で叩け」
まさにこの動画じゃねえか

http://iup.2ch-library.com/i/i0780059-1352237602.jpg

http://www.asyura2.com/12/social9/msg/189.html

記事 [原発・フッ素28] 政府も認める、恐るべき脱原発のコスト   
経済産業大臣名で出されている『「エネルギー・環境戦略策定に当たっての検討事項について』という資料があります。ここにはかなり驚愕の事実がいろいろと銘記されています。

この中で、総電気代が現在の15兆円が脱原発によって最大で38.1兆円にまで2倍以上増え、家計の電気代が月平均9900円が最大で2万712円へと2倍以上に膨らみ、就業者数が6257万人から最悪で5223万人へと1000万人以上減り、貿易収支が17兆円の黒字から最悪で9.7兆円の赤字へと大転換するという、驚愕の内容になっています。

総電気代(コスト)15兆円→38.1兆円(最大)
家計の月平均の電気代 9900円→2万712円(最大)
就業者数 6257万人→5223万人(1000万人以上の減少)(最悪)
貿易収支 17兆円の黒字→9.7兆円の赤字<(最悪)

つまり、脱原発を推進しようとすると、日本国民の暮らしが破壊されるものであることを、脱原発を推進する政府自身が理解しつつ進めているのが現実であるというわけです

この資料には、「まず向き合わなければならない課題」として、「電力需給のひっ迫」と「電気料金の上昇」及び「原子力政策変更に伴う影響」から来る「追加的国民負担」が挙げられています。つまり、現在脱原発を推進すると、電力の需給が逼迫して電力の供給の安定を損ねる危険があり、電気料金は大幅に上昇せざるをえず、廃炉などに伴う追加的な国民負担も多額にのぼっていくことを、率直に認めているわけです。

また「不可逆な影響がでる課題」として「原子力安全を支える技術と人材の喪失」「日米関係を含む外交・安全保障への影響」「エネルギー調達における交渉力の低下」などを、きちんと挙げています。

つまり脱原発によって、原子力の安全を支える技術と人材がなくなっていき、日米関係を含む外交・安全保障に対しても大きな影響が及んでいきます。そして、エネルギーが逼迫することから、石油や天然ガスなどの燃料を購入するにあたっての価格交渉力が低下せざるをえなくなるわけです。

さらには「ホルムズ海峡封鎖による供給逼迫懸念が生じた場合には、エネルギー価格が史上最高値を付ける可能性や安定的なエネルギー・電力供給に支障が生じるおそれ」があることも、率直に認めています。

ホルムズ海峡というのは、ペルシャ湾の出口にあたる海峡で、アメリカとイランの対立によって緊張が高まっているところです。このホルムズ海峡でいったん有事が発生した時に、石油や天然ガスの値段が高騰するどころか、そもそも石油や天然ガスが必要量輸入できない事態さえ発生しかねないわけです。ホルムズ海峡の位置については、以下の地図を参照してみて下さい。

では、脱原発を実施して、別の電力で代替しようとすると、どのくらいのコストがかかることになるのでしょうか。まず住宅太陽光について見てみましょう。原発1基分の電力(福島第一原発に6基ある原発の1基分の電力)を代替するのに、住宅太陽光では1.6兆円から3.3兆円が必要で、しかも必要となる住宅の戸数は175万戸だそうです。

ちなみに原子力発電1基なら、投資額0.4兆円だということも書かれていますから、これに相当する住宅太陽光では原発に比してコストが4倍から8倍も必要になるというわけです。住宅太陽光で原発を代替しようとするというのがどれほど非現実的な選択肢であるかは、政府自身が認めているのも同然なわけです。

ちなみに、原発1基分の電力をメガソーラーで代替しようとすると5800カ所であり、風力発電で代替しようとすると2100基であり、地熱発電だと35地点だとされています。念のために確認しますが、これだけ作って原発1基分にしかならないのです。

そして、脱原発に走り出すと、電気代が跳ね上がり、国内の産業の競争力が奪われて雇用が大幅に喪失し、大幅な貿易黒字が大幅な貿易赤字へと転換することが、実は政府の見通しによっても示されているわけです。

こうした情報を持ちながら、進んで広報しない政府にも大きな責任はありますが、このように埋もれた情報を取り上げて伝えるべきマスコミが、全くその機能を果たしていません。この結果、国民はこうした事実についてほとんど何も知らないまま、脱原発の流れが進んできているというわけです。

現在、東電OL殺人事件で、7日の再審判決公判で無罪とされたゴビンダさんの記事が紙面を賑わかしているが、
まさか、この記事のリークも、復興予算や、東電の広報予算を使っているのじゃないだろうねぇ・・・。
相変わらず、東電利権で蠢く、議員、官僚、企業、学者、マスコミたちの姿が、見え隠れしているようだ。


2012/11/08
http://hellow42.blog.fc2.com/blog-entry-123.html

http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/573.html

記事 [原発・フッ素28] 既存原発すべて不適合/放射性物質拡散予測 吉井議員が追及/衆院経産委(しんぶん赤旗)〔質問動画付き〕

既存原発すべて不適合 吉井英勝衆院議員(共産) 投稿者 gataro-clone

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http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-11-08/2012110802_03_1.html

「しんぶん赤旗」 2012年11月8日(木)
既存原発すべて不適合/放射性物質拡散予測 吉井議員が追及/衆院経産委

 日本共産党の吉井英勝議員は7日の衆院経済産業委員会で、原子力規制委員会が発表した放射性物質拡散予測によっても、旧原子力安全委員会が設けた原発敷地境界での放射線量の基準値100ミリシーベルトをすべての原発が超えることを示し、「日本の全原発が審査指針に不適合になる」とただしました。

 原子力規制委員会の田中俊一委員長は「一般論としてはご指摘のとおり」だと認め、「基準を満たさないものは動かさない」と述べました。

 吉井氏は、福島原発敷地境界では年間で956ミリシーベルトに達しており、今回の拡散予測でも、すべての原発で10キロ以遠の地点でも1週間累積で100ミリシーベルトを超えていることを指摘し、不適合となるのは明らかだと強調しました。

 田中委員長は「大変納得できる質問だ」と述べ、福島原発事故のような放出量を仮定しなければならないような原発の稼働は「困難だ」と表明するとともに、放射能放出量を防ぐためにどうすべきかバックフィット(遡及〈そきゅう〉適用)規定を含めて検討していると答えました。

 また吉井氏は大間原発(青森県)について、設置許可や工事認可が完了しているとして建設続行を認めた問題を追及。運転を認めると「2030年代稼働ゼロ」とはならないと批判し、「大飯原発以外の全原発を行政指導で再稼働を差し止めている。行政指導で大間原発の建設再開を止めることはできる」とただしました。

 枝野幸男経産相は、認可ずみの原発建設停止は「行政指導できる範囲を逸脱する」として立法措置が必要だと答弁しました。


http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/574.html

記事 [自然災害18] グアテマラでM7.4の地震 39人死亡、多数不明 (朝日新聞) 
グアテマラでM7.4の地震 39人死亡、多数不明
http://www.asahi.com/international/update/1108/TKY201211080340.html
2012年11月8日9時15分 朝日新聞


中米グアテマラの首都グアテマラ市から西に約240キロ離れたサンマルコスで7日、地震で壊れた家=AFP時事
http://www.asahi.com/international/gallery_e/view_photo.html?international-pg/1108/TKY201211080343.jpg

 【ロサンゼルス=藤えりか】米地質調査所(USGS)によると、中米グアテマラ西部沖で7日午前10時35分(日本時間8日午前1時35分)、マグニチュード(M)7.4の地震があった。ロイター通信などによると、地元知事は39人が死亡したと発表。ほかにも多数が行方不明になっているという。

 震源はメキシコ国境に近いグアテマラ西部チャンペリコの南24キロで、深さは41.6キロ。メキシコやエルサルバドルでも揺れが感じられたという。地元報道によると、揺れは30秒続き、建物が崩れて複数の人が下敷きになっているほか、サンマルコスのほぼ全戸が停電。モリーナ大統領は軍隊約2千人を現地に送り、救出にあたると発表した。

 在グアテマラ日本大使館によると、在留邦人は約360人で、被害があったとの情報は寄せられていない。現場付近は停電も起きて電話も使いづらくなり、土砂崩れも起きているという。


       ◇

グアテマラ沖の地震 死者30人に
動画 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121108/t10013336061000.html
11月8日 8時16分 NHK

中米のグアテマラ沖で、日本時間の8日未明、マグニチュード7.4の地震があり、各地で建物が倒壊するなどの被害が相次ぎ、これまでに30人が死亡しました。

アメリカの地質調査所によりますと、中米のグアテマラ沖で、現地時間の7日午前10時35分ごろ(日本時間の8日午前1時35分ごろ)、マグニチュード7.4の地震がありました。

震源地は首都グアテマラシティーから160キロ余り離れた太平洋の沖合で、震源の深さは41キロ余りと推定されています。

グアテマラの防災当局によりますと、メキシコとの国境に近いサンマルコスを中心に建物が倒壊するなどの被害が相次ぎ、これまでに30人が死亡したということです。また、およそ30人の行方が分からなくなっているということで、建物が倒壊した現場などで救助作業が進められています。

サンマルコスで撮影された映像には、建物の壁が崩れ落ちて、車が押し潰されたり、地滑りが起きたりした様子が映されていました。ハワイにある太平洋津波警報センターによりますと、この地震で隣国のエルサルバドルの太平洋沿岸で7センチの津波が観測されましたが、今のところ津波による被害の情報は入っていません。



http://www.asyura2.com/12/jisin18/msg/604.html

記事 [原発・フッ素28] そもそも大飯原発に活断層はあるの?ないの? 2012.11.8(モーニングバード・そもそも総研)

そもそも大飯原発に活断層はあるの?ないの? 投稿者 tvpickup

モーニングバード・そもそも総研 2012.11.8。

いま調査が進行中の大飯原発活断層が、ほんとにあるのか、ないのか。
規制委員会の田中委員長は、黒か濃いグレーのときは止めていただく‥と発言している。
有識者の4人のうち、渡辺教授は活断層があるのは確実とし、岡田教授は地滑りに見えるとして、意見が割れている。
渡辺教授がなぜこれを地滑りではなく活断層と判断したのか話を聞く。
渡辺氏は原発を止めて調べるべきだと主張するが、島崎規制委委員長代理は止めて調べる気はない。
重要施設の下に活断層があったら何がまずいのか、小出裕章氏に聞く。
原発を動かしながら調べるというのは言語道断だと小出氏は言う。
関西電力のコメントも紹介。

http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/575.html

記事 [原発・フッ素28] 「11月9日金曜日国会前ファミリーエリア抗議行動」 →明日、国会前の抗議行動はあります。この日しか来れない人に!
http://illcomm.exblog.jp/17129292/

▼「11月9日金曜日国会前ファミリーエリアは6時半〜8時抗議行動を行います」

 「11月11日の抗議行動の準備のために官邸前抗議行動はお休みなのですが、国会前ファミリーエリアはいつもの場所でいつもどおり抗議行動を行うことにしました。現在ファミリーエリアはお子様やパパママに限らず、様々な方が毎回たくさん参加してくださっています。今回ファミリーエリアを単独で開催しようと思ったのは、インターネットを使われないご年配の参加者もいらっしゃるので、お休みと知らず遠方から来られる方もきっといらっしゃるのではないかと思ったこと。そして「9日も抗議をぜひやりたい、金曜日の抗議をお休みしたくない、ぜひやって欲しい」との声を参加者の方からたくさんいただいたからです。この私達の提案を主催の反原連さんも快く了解してくださいました。11月9日金曜日6時半〜8時。国会前右側。いつもより規模は小さいかも知れませんが、ご一緒に「再稼働反対・原発いらない」の声をあげましょう!」


http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/576.html

記事 [戦争b10] 中国との緊張の中、米国と日本は軍事演習を始める(BBC)
(US and Japan begin military drills amid China tension: BBC NEWS Asia)
http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-20202357


2012年11月5日最終更新08:43GMT

中国との緊張の中、米国と日本は軍事演習を始める


picture

米国と日本は、隔年の「鋭利な剣」軍事演習を実施している


東シナ海上の論争の島々をめぐり、中国との煮えたぎる緊張の中、米国と日本は合同軍事演習を始めた

少なくとも47,000人の軍人が、隔年の「鋭利な剣」演習に参加する予定だ。演習は11月16日まで行われる。

演習は沖縄の沖合、日本と中国が領有権を主張する島々の北で実施される。

日中両国は、日本では尖閣、中国では釣魚で知られる島々をめぐる外交紛争で、組み合っている。

日本の施政下にあるこの島々は、台湾も領有権を主張している。日本政府は9月に、島々のうち3島を日本人の個人所有者から購入したことから、中国の外交的な抗議と民衆からの抗議が沸き上がった。

それ以降、中国と台湾の船舶が島々の周辺海域を出入りするようになった。

日本の海上保安庁は日曜日、この海域で中国船4隻がまたもや確認されたと報告した。

両国は紛争が発生してから3度の対話を実施しており、最近では、日・月曜日に中国・武漢で対話が実施されたと、日本の共同通信は伝えた。

双方は副大臣レベルで対話を継続することで合意したと、その記事は述べた。


「戦略的な不信」

米国の声明は、演習の詳細についてほとんど伝えていないが、演習の狙いは「効果的な日本の防衛とアジア太平洋地域の危機対応に求められる、相互運用能力の向上」にあると述べている。

演習では当初、米国と日本の部隊による、日本の南岸沖の無人島模擬攻略の実施が計画されていたと、BBC・東京のルーパート・ウイングフィールド・ヘイズは語る。

結局、これは中国をいささか過度に挑発すると判断されたと、このBBC記者は付け加える。

中国はこの数週間、演習を実施する計画を激しく非難している。

月曜日、国営・人民日報海外版の1面論説には演習への言及はなかったものの、領土紛争に対する米国のスタンスを批判している。

米国がこの問題で中立を主張し、一方で、日本の防衛に関与を強めることはあり得ないと、人民日報は述べ、関与する国々との間の「戦略的不信」は増大するかも知れないと付け加えている。



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(投稿者より)

BBCサイトに掲載された記事です。誤訳があるかも知れません。ご容赦下さい。

「鋭利な剣」、"keen sword"です。

米軍の思惑としては、日本と米国の軍事力を日本のお金で米国の意のままに使いたい、という意図があるのかも知れませんが、沖縄での一連の出来事から、沖縄の米軍の存在は、尻に火がついた状況にも見えます。尖閣を守る以前の問題として、米軍が沖縄から叩き出される日が来るかも知れません。

米国は、中国と日本に両天秤をかけています。日本が中国と軍事的に衝突したときに、米国が日本に付くとは限りません。それでなくとも、この数十年、日本の弱体化を狙って次々と手を打ってきたのは米国です、というより、日本の一部の権力者が、米国に尻尾を振ることで自分の立場を守ってきたのです。

演習は必要です。奪われた日本の国土を取り返すことが必要な状況が想定されるなら、上陸訓練も行うべきでした。別の国の顔色を見てそれをしないのは、論外です。

それでもやはり、自主防衛を整備し、国力を回復させ、喜々として米国に隷属する国のあり方を変えるべきです。その過程で、あるべき日米同盟の姿が見えてくるはずです。

記事に言及のあった論説は探し出せませんでしたが、同じような主旨の日本語の論説が、人民網の日本語版にありました。ただ、わかりにくい文章です。

また、何が書かれてあるかは分からないのですが、人民網の中国語版が、この演習の特集を組んでいるようです。中国はこの演習をかなり意識しているのかも知れません。
http://www.asyura2.com/12/warb10/msg/406.html
記事 [日本の事件30] 木谷明さんに聞く なぜ、検察官の主張ばかり通るのか(朝日新聞)
http://digital.asahi.com/articles/TKY201211070933.html?id1=2&id2=cabcbbai

朝日新聞デジタル朝刊 2012年11月803時00分
木谷明さんに聞く なぜ、検察官の主張ばかり通るのか
(元東京高裁部総括判事)

 再審で無罪となったゴビンダ・プラサド・マイナリさんの裁判をめぐっては、真相解明より有罪判決の維持を優先させた検察の姿勢だけでなく、検察の主張通りに有罪と認めてしまった裁判所にも疑問が投げかけられた。
刑事裁判ではなぜ、検察官の主張ばかりが通るのか。
30件以上もの無罪判決を出した木谷明さんに聞いた。

■マイナリさん勾留、検察に応じた高裁 迎合生む「仲間意識」

 ――マイナリさんの再審までの検察側の姿勢をどう見ましたか。

 「弁護団が再三、被害者の遺体から採取された付着物などの証拠の開示を求めてきたのに、小出しにして再審決定を先延ばししようとした検察のやり方は強く批判されるべきです。
少なくとも、体液などからマイナリさんとは違うDNAが検出された昨年7月の段階で再審開始は必然でした。
マイナリさんが1年も長く不当に服役させられることになったわけですから、検察の責任は大きい。
なぜあのような開示の仕方をしたのか検証すべきです」

 ――検察に対して「証拠隠しではないか」との批判もあります。

 「過去に、松川事件で被告人のアリバイを示す『諏訪メモ』が上告審段階で明らかになったことや、布川事件のように、被告人に有利な証拠が隠されていたことが再審請求審段階で明らかになったケースなど、検察が被告人に有利な証拠を隠した事例は枚挙にいとまがありません」

 ――裁判官当時に経験は?

 「証拠隠しとはいえませんが、ある女性が覚醒剤の共同譲り受けの罪で起訴された事件の裁判で、本人が『尿検査を受けた』と法廷で供述したので、検察官に聞くと『検査は実施していない』と反論。
即座に警察の科学捜査研究所(科捜研)に照会したところ、『尿検査をしたが、覚醒剤は検出されなかった』との回答があったケースがあります。
尿から覚醒剤反応が出れば、証拠の薄い譲り受けも有罪らしく見えるので、反応が出ることを期待して検査したのでしょう。
この時はすぐに照会したので科捜研と口裏合わせをされずに済んだのですが、のんびりと構えていたらウソをつかれたままでした」

 ――東京地裁の無罪判決後、検察は控訴した後に、東京高裁に職権でマイナリさんを勾留するよう求めましたが、木谷さんが勾留を認めませんでした。

 「直接の理由は『裁判記録が高裁に届いていないので、現時点では職権で勾留する権限がない』ということでしたが、無罪判決の重みを考えて勾留すべきではないと考えました。
刑事訴訟法は無罪判決によって勾留状が効力を失うとしているのに、その直後に勾留したのでは、意味がなくなる。
検察官は『早く勾留しないと帰国してしまう』と急いでいましたが、外国人だからといって別にするのはおかしいのです」

 ――ところが、約3週間後に別の刑事部が勾留状を発付しました。

 「通常、地裁から高裁に記録が移るのに1カ月以上かかるのですが、この時は控訴から約2週間という異例の早さで高裁に移り、第4刑事部が記録だけで心証をとって勾留状を出しました。
同じ部が控訴審も担当するのですが、勾留状を出してしまえば、無罪判決は出しにくくなる。
高裁は、最初に記録を読んだ時の心証に引きずられて逆転有罪判決まで行ってしまったと見ることもできます。
検察の意向に迎合した拙速な勾留状発付だったように思います」

 ――検察官主導で進められる現在の刑事裁判を「検察官司法」と名付けて批判していますが。

 「現行制度では、起訴便宜主義といって、検察官は犯罪の嫌疑があっても起訴しないことができますから、有罪の確信が得られた事件だけを起訴します。
その結果、起訴される事件はほとんど事実認定に問題のない事件ばかりになり、有罪率99.9%という現状が生まれました」

 「裁判官も日常的に、争いのない事件ばかり扱っていますから、検察官の言うとおり有罪判決を出していれば間違いないという『有罪ボケ』のような状態になります。
まれに被告人が無罪を主張しても、その弁解を素直に聞けない。
『罪から逃れたくてウソをついている』と見て、取り合おうとしない態度が裁判官に生まれやすいのです」

 ――マイナリさんの一連の裁判を見ると、控訴審以降の裁判官は検察官の言いなりのように見えます。

 「裁判官は伝統的に検察官に対する親近感が強いのです。
戦前は、司法省という同じ役所の同僚でしたから。
戦後、裁判官は最高裁、検察官は法務省と役所は分かれましたが、同僚意識は連綿と続いています。
ある事件の合議で、検事に違法行為があったのではないかという意見を述べたら、裁判長から『検事がそんなバカなことをするはずがないじゃないか』と一喝された経験があります。
また、起訴された犯罪事実の立証が弱いと感じると、検察官に電話して、予備的に別の犯罪事実を加えるよう忠告する裁判官もいました」

 ――なぜでしょうか。

 「ある時、友人の検事から忠告を受けたことがあります。
『裁判官は検事の主張と違うことをしない方がいいぞ。
我々は難しい問題については庁全体、高検、最高検も巻き込んで協議してやっている。

それに比べ、裁判官は1人かせいぜい3人じゃないか。
そんな体制で俺たちに勝てるはずがない。
一審で無罪判決を出しても、俺たちが控訴すれば、そんな判決は吹っ飛んでしまう』と。

裁判官が検察官の主張を否定しそうになると、高圧的で威迫するような態度になることさえあります」

 ――裁判でも経験はありますか。

 「私が扱った事件で、うつ病にかかった母親が3人の子を殺した上で自分も自殺しようとしたことがありました。
捜査段階の鑑定では『うつ病はそれほど重くなく、限定的な責任能力がある』とされていました。
ところが、裁判所が鑑定を命じた鑑定人は『うつ病は相当重く、責任能力はない』という趣旨の鑑定書を提出。
私は後者の鑑定の方が説得力があると思い、無罪に傾きました。
それを感じた検事が、再鑑定を請求してきます。却下してもまたしつこく請求します」


 「最後に論告で『懲役13年』を求刑した揚げ句、『再鑑定をしないまま無罪判決をしたら審理不尽になる』とまで声高に叫びました。
これは、『再鑑定しないまま無罪にしたら控訴するぞ。
そうしたら、お前の無罪判決などすぐ吹き飛んでしまうぞ』という意味の恫喝(どうかつ)です。
結局、無罪判決をしましたが、検事は控訴できず、無罪が確定しました」

 「そこまで検事に抵抗されると、それを振り切って無罪判決に踏み切るにはかなりの勇気が要ります。
結局検事に妥協してしまう人がかなりいるだろうと思いました」

 ――無罪判決を多く出しました。

 「十分な審理を尽くし穴のない判決を書くようにしています。
審理・判決にスキがあれば、控訴審で検察官に必ず突かれます。
だから、考えられるあらゆる点を審理して、想定される検察官の反論にもすべて答えるような判決文を目指しました」

 ――「検察官司法」の現状を打破するには、何が必要ですか。

 「取り調べの完全可視化(録音・録画)や証拠開示の一層の拡大は当然ですが、それと共に上訴審の運用改善がとりわけ重要です。
日本では、一審の無罪判決に対して検察側が控訴することができます。
そしてその場合に高裁で破棄される割合は、被告人が控訴した場合よりはるかに多かったのです。
しかし、裁判員裁判で無罪とした判断をプロの裁判官だけの高裁が覆すようなケースが相次げば、裁判員制度の意義が失われてしまいます。
さすがに最高裁も、今年2月に言い渡した判決でこの問題に一応の決着をつけました」


 ――どんな判決ですか。

 「裁判員裁判の無罪判決第1号となった千葉地裁の覚醒剤密輸入事件です。
被告人が荷物の中にあった缶に覚醒剤が入っていることを知らなかった可能性があるとして無罪を言い渡しましたが、東京高裁は被告人の弁解は信用できないとして逆転有罪判決を言い渡しました。
これに対し上告審で最高裁は『一審判決を高裁が破棄するには、一審判決の事実認定が論理則、経験則などに照らして不合理であることを具体的に示す必要がある』、
つまり、よほどおかしな事実認定でなければ破棄してはならないとして、高裁判決を破棄し一審判決を支持しました」

 「この判例によって、検察官控訴で一審判決が破棄される割合が、被告人控訴の時の破棄率と比べ圧倒的に高い現状は解消されるのではないかと期待しています。
マイナリさんの控訴審判決もこの最高裁判決の後だったら、全く違った展開になっていただろうと悔やまれます」

■取材を終えて

 新たなDNA鑑定の結果を待つまでもなく、12年前に東京地裁は「現場に第三者がいた可能性」を指摘して無罪判決を出していたのだ。
それを東京高裁が逆転有罪として、最高裁も追認した。
今回の再審無罪は、検察官だけでなく、検察の主張に安易に追従した裁判官にも、大きな課題を突きつけたと言える。

(山口栄二)

     ◇

 〈きたに・あきら〉 1937年生まれ。
63年判事補任官。最高裁調査官、水戸地裁所長、東京高裁部総括判事を経て、今年3月まで法政大法科大学院教授。現在は弁護士。


http://www.asyura2.com/11/nihon30/msg/624.html

記事 [昼休み52] 原発をミサイル攻撃すれば日本を消し去ることができる

「原発をミサイル攻撃すれば日本を消し去ることができる」

 北朝鮮幹部、内部講演で 2012.11.7 21:02 [北朝鮮]

 韓国のネットメディア「デーリーアン」は7日までに、2007年に北朝鮮の朝鮮労働党宣伝扇動部が海外の同胞団体幹部向けに行った講演内容とされる音声ファイルを入手し、内容を報じた。 消息筋から得たという。

 報道によると、講師の宣伝扇動担当書記は講演の中で、北朝鮮のミサイルについて


「日本全土を打撃できる」

「北海道から九州の南端までを攻撃するならば(射程は)1500キロで可能で、(ミサ
イルは)すでに地下開発施設でできている」


と主張。その上で、


「ロケット(ミサイル)1発で、原子力発電所1カ所を攻撃すれば広島に落とされた原爆の320倍の爆発が起こり、日本という国を地球上から消し去ることができる」


と発言して いる。(ソウル 加藤達也)

http://sankei.jp.msn.com/world/news/121107/kor12110721030001-n1.htm
http://www.asyura2.com/12/lunchbreak52/msg/465.html

記事 [経世済民78] 企業が貯め込む現金:「死に金」 日本版「財政の崖」懸念は行き過ぎ 財政赤字と金融緩和の行き着く先 日本の貿易赤字過去最大

JBpress>海外>The Economist [The Economist]
企業が貯め込む現金:「死に金」
2012年11月08日(Thu) The Economist
(英エコノミスト誌 2012年11月3日号)

企業のバランスシートには危機の前から現金が積み上がっていた。

 金融面の景気刺激策は、ある程度の成果しか出せない。トムソン・ロイターによると、米国ではS&P500株価指数を構成する企業の利益と売上高は今年第3四半期に、2009年以来初めて前年比で減少に転じた模様だ。欧州のストックス600指数を構成する企業では、これまでのところ、その約半分で利益が予想を下回っている。

企業が直面する4羽のグレースワン

 犯人探しをする企業は、鏡を覗き込んでみた方がいいかもしれない。企業は、英国の大手広告マーケティング会社WPPのマーティン・ソレル氏が4羽の「グレースワン」(ブラックスワン*1と違ってグレースワンのことは誰でも知っている)と呼ぶものに直面し、技術コンサルティングサービスから半導体機器に至るまで、あらゆるものの予算を削減している。

 企業の自信をなくさせている4つの懸念要因とは、ユーロ圏の危機、中東の激変、中国の景気後退の可能性、そして米国の経済状況と「財政の崖」――今年末に起きる予定の増税と歳出削減の組み合わせ――だ。

 これは新しい問題ではない。景気後退が終わってから、投資は着実に増加してきたが、利益ほど大幅には伸びていない。例えば米国では、今年の名目設備投資が2007年に比べて(年率換算で)6%増加している。一方、内部キャッシュフローは32%増加している。

 純額ベースで見ると、企業は2008年以降、資金の使用者ではなく、経済の他部門への資金供給者になっている。トムソン・ロイターによると、S&P500株価指数を構成する企業は6月末現在で約9000億ドルの現金を保有していた。1年前からやや減少しているが、2008年に比べるとまだ40%も多い水準だ。

 企業経営者や保守的な評論家は、このような現金の山は、連邦政府の余計な規制と米国の高い法人税率が現金を閉じ込め、投資意欲を削いでいる証拠だと言う。だが、それでは同じ現象が世界中に広がっている理由を説明できない。

政策立案者を苛立たせる死に金

 証券会社のISIグループによると、日本企業の流動資産は2007年以降、約75%も急増し、2兆8000億ドルに達しているという。現金の蓄積は英国やカナダでも増え続け、両国の政策立案者をひどく苛立たせている。

 カナダ中央銀行のマーク・カーニー総裁は、カナダの企業が現在保有している3000億ドル近い現金(2008年から25%増加)のことを「死に金」と表現している。カーニー総裁は企業に対して「資金を有効に働かせるか、どうしていいか分からないのなら株主に返還すべきだ」と忠告した。

*1=事前に予測できず、実際に起きると衝撃が大きい事象を指す

 企業が多額の現金を貯め込む理由を説明するのは1つの要因だけではないように見える。イングランド銀行は、天然資源会社が現金蓄積の過大な割合を占めていると指摘する。これはコモディティー(商品)価格の高騰と有望な新規供給源の不足を反映しているのかもしれない。

 BCAリサーチによると、低金利が借り入れコストを引き下げ、米国企業の利益率を約1ポイント押し上げているという(ただし、超低金利は現金を保有する魅力も低下させている)。

 金融危機によって、企業は資金を銀行や証券市場に頼ることを警戒するようになっている。ゼネラル・エレクトリック(GE)の金融部門が自社の運転資金を賄う能力について2008年に疑問が提起されて以来、GEは現金を貯め込んできた。その額は第3四半期末に850億ドルに達し、S&P500構成銘柄の中で最大となっている。

金融危機などより根深い問題

 こうした傾向が急激に反転する可能性は小さい。企業の貯蓄の増加は、金融危機やコモディティーブーム、今回の金利サイクルよりも根が深いからだ。

 シカゴ大学のルーカス・カラバルボニス、ブレント・ニーマン両氏は最近の研究で、1975年から2007年にかけて調査した51カ国で、民間貯蓄に占める企業の割合が全体で20ポイント上昇したことを発見した。企業の貯蓄が増加した国では、企業部門におけるGDPベースの労働分配率が全体で5ポイント低下していた。

 両氏は、企業の貯蓄増加と労働分配率低下の両方を、1980年代初めに始まった投資財の相対価格の下落と関連付けている。こうした価格下落は、大幅に下がったコンピューターのコストか賃金の安い発展途上国への資本財の生産移転、あるいはその両方によるものかもしれない。

 どのような理由であれ、企業は労働から資本へシフトし、しかも教科書の経済モデルが示すよりも大幅に労働を資本で代用することで対応してきた。

そして、こうした投資の資金を捻出するために、企業は時間をかけて着実に貯蓄を増やしてきた(家計が毎年貯金しながら住宅ローンを組めるのと同じように、このことは企業が借り入れを止めたことを意味しない。事実、見方によっては米国企業はここ数十年間で債務を増やしてきた)。


 カラバルボニス、ブレント・ニーマン両氏は、51カ国すべてについて2007年以降の比較可能なデータを持っているわけではない。だが、4大経済大国については数字を持っている(図参照)。

 そのデータが示すのは、民間貯蓄に占める企業の割合が2007年以降やや低下していることだ。家計の貯蓄が増えたことが一因だが、絶対額では依然多額だ(GDPベースの労働分配率は低水準で安定した)。

 貯蓄に対する衝動は弱まっているのかもしれない。国内で成長見込みがほとんどない日本企業は、海外企業を買収するようになっている。JPモルガン・チェースのマーク・ゼナー氏は、過去18カ月間に買収を発表した企業は株価上昇という見返りを得ていると指摘する。

倹約姿勢は揺るがない?

 ただ、たとえ企業が財布の紐を少し緩めているとしても、近い将来に倹約的な姿勢を放棄する可能性は小さい。法人税率の低下は労働よりも資本の魅力を高めている。不確実性の高まりや気まぐれな資金調達市場は、繰り返し発生する景色の一部のように見える。それだけに企業はより一層、成長を内部資金で賄う決意を強くしているはずだ。

 GEは今から2016年までに、投資、買収、配当の資金を賄い、さらに発行済み株式を危機以前よりも少なくするだけの自社株買いに十分な1000億ドルの現金を生み出すことを見込んでいる。

 少し前、GEは現金の山の中からもっと多くの資金を買収に使う誘惑に駆られないかと聞かれた時、CEO(最高経営責任者)のジェフリー・イメルト氏はこう答えた。「急いで使いたいとは思わない」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/36494


JBpress>海外>Financial Times [Financial Times]
日本版「財政の崖」に対する懸念は行き過ぎ
2012年11月08日(Thu) Financial Times
(2012年11月7日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)


「近いうち」とはいつのことか〔AFPBB News〕

 「近いうち」という言葉の意味が最近論議の的になっていることは、日本の政治討論のレベルについて実に多くを物語っている。

 このため、今年度の巨額の財政赤字の補填に必要な38兆3000億円の資金を政府が借りられるようにする、遅れに遅れた法案の成立を実現する日本政府の力量について、国際的に懸念が高まっているのも無理からぬことだ。

 メキシコシティで開催された主要20カ国・地域(G20)の会議に集まった各国財務相と中央銀行総裁は5日、大幅な歳出削減と増税が実施される、迫り来る米国の「財政の崖」と並び、日本の赤字補填問題を世界経済が直面する最大級のリスクとして強調した。

 だが幸いなことに、日本がまるでレミングのように崖から飛び降り、財政破綻に向かおうとしているとの懸念はほぼ確実に行き過ぎだ。

米国とは事情が違う

 参議院で過半数を占める野党陣営は、8月初旬に「近いうち」に総選挙を実施すると誓った野田佳彦首相に約束の履行を迫る武器として赤字国債法案を利用しようとしてきた。

 米国の政治家と違って、日本の政治家は既に、財政の断崖へ至る前に、このチキンゲームをやめる意向を示している。

 実際、G20の高官らがメキシコに集う前から、野党・自民党の安倍晋三総裁は、同党が赤字国債法案の国会審議に応じるとの声明を出していた。11月5日には、同法案の成立を総選挙の日程問題と「切り離す」ことを確約している。

 自民党の心変わりは、日本が、中央政府の資金が枯渇し始める前に赤字国債を発行できなかった場合に生じかねない市場の混乱と歳出削減を回避できることを意味している。自民党の譲歩はまた、先月、今国会の開会にあたっての所信表明演説で、法案成立に消極的な野党側の姿勢を「不毛な党派対立の政治」と評した野田首相にとっても後押しとなる。

 赤字国債を巡る論争では、不信感が一定の役割を果たした。租税政策に対する民主党と共和党の意見の相違の結果として「財政の崖」の脅威が生じているワシントンとは異なり、日本では与党・民主党と野党・自民党は今年、社会保障と税の一体改革について合意に至った。

 しかし野田首相は、自民党が財政責任を受け入れたことを到底喜べない。「近いうち」に総選挙を実施することに合意して以来――現在5%の消費税率の倍増に向けた法案可決に対する野党の協力への対価――、衆院解散への圧力が高まっているためだ。

 首相は「近いうち」が何を意味するのかを明確にすることを拒んでおり、他の民主党幹部らは、総選挙を年内に実施できるのかどうか、あるいは実施すべきなのかどうかを巡って意見が割れている。

 野田首相は先月、この1年で3度目となる内閣改造を行い、主導権を取り戻そうとした。だが、この目論見は裏目に出た。法相に任命した田中慶秋氏が、30年前にヤクザと呼ばれる暴力団幹部の結婚式で仲人を務めたことが明るみに出て、辞職に追い込まれたためだ。

急落する首相の支持率、「財政の崖」がなくても問題は山積

 世論調査によると、野田首相の支持率は急落している。11月4日に共同通信が配信した世論調査の結果では、野田内閣を支持すると答えた回答者の割合は18%を下回り、過去最低となった。

 日本では、これほど低い支持率は大抵、政権が末期にある兆候と受け止められる。だが、解散・総選挙の時期を決定できるのは首相だけだ。

 これはつまり、「近いうち」という言葉の定義を決めるのは野田首相であることを意味しているが、事態の展開に対する首相の影響力は一段と弱まる恐れがある。中国との間で燃え上がっている領土紛争などの外交政策上の問題や、形式的な景気後退へ逆戻りしかねない景気回復の衰えなどに直面してリーダーシップが必要なことを考えると、これは日本にとって悪材料となる可能性がある。

 たとえ財政の崖がなくても、世界3位の経済大国である日本には、まだ心配すべきことが多々あるのだ。

By Mure Dickie in Tokyo

http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/36500


【第42回・最終回】 2012年11月8日 野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

財政赤字と金融緩和の行き着く先はどこか?

 ジョン・モールディン、ジョナサン・テッパー著『エンドゲーム――国家債務危機の警告と対策』(山形浩生訳、プレジデント社、2012年8月)も、この連載で取り上げてきたテーマについて論じている。

 本書が描く世界経済の推移は、つぎのとおりだ。

(1)過去60年にわたって「負債のスーパーサイクル」があった。これは、民間部門が負債を増加させていく過程だ。

(2)それは、2008年のリーマンショックで終わりになった(p21。なお、ページ数は邦訳のもの。以下同様)。そして、これからは「エンドゲーム」になる(p14、p18、p23)。これは、国などの公的セクターが債務を増大させていく過程だ。

(3)しかし、この過程はいつまでも続けられず、いずれ政府が現在のように安い金利では借りられなくなる。ギリシャはその段階に達したが、他の先進国も、いずれはそうなることを免れない。その場合の選択肢としては、デフォルト、インフレ、通貨切り下げがある。先進国政府は、国債の貨幣化を行なっている(p36)。

民間の負債が
増えたのはなぜか

 まず上記の(1)の過程について見よう。

 民間部門が負債を増大させてきた期間を、本書は「60年間」としているのだが、これは長すぎるのではないだろうか?

 ただし、1980年代あるいは90年代以降に、これがアメリカを中心として生じたことは明らかだ。これは、「グレート・モデレーション」と呼ばれた現象だ。ただし、日本ではそうならず、不況が続いた。また、企業の負債も減少し続けた。だから、日本人には理解しにくい。

 では、なぜ民間の債務が増えたのか? 本書の説明は、つぎのとおりだ。インフレ退治のため高金利を続けた結果、インフレは収まった。また金利も低下した。このため、借りやすくなり、負債が増えた(p25)。とくに膨張したのは、家計と住宅ローン負債だ(p26)。

 また、証券化やシャドーバンキングなどの金融技術の進展も寄与したことを指摘している(p30)。

 先進国一般に金融緩和へのバイアスが生じたことは事実だ。しかし、これは、「引き締め政策の結果インフレが退治された」というよりは、外部的要因でインフレがなくなったからではないか? とくに重要なのは、新興国が工業化したからである。なお、新興国工業化が重要な変化であることは、本書も認めている(p23)。

民間の負債が政府の負債に
変わったのはなぜか

「負債は、消えたわけではなく、移転されただけ」だ(p32)。本書は、アメリカの場合について、民間債務から公的債務への転換を示す図を掲載している(p32)。そして、これを、本書の最も興味深い図だと言っている。確かにそうだ。

 問題は、なぜこうなったかだ。

 前回述べたように、ラインハートとロゴフは、経済が不況になったから税収が減ったためであって、銀行に公的資金を注入したためではないとしている。

 本書は、理由については、あまりはっきりしない。

 日本については、財政出動が原因だという。「景気下降のショックを和らげるべく、日本政府は無意味な橋など、実体経済の生産性をまったく高めないような公共事業に、狂ったような金額を注ぎ込んだ」(p273)。しかし、これは誤解である。

日本は押しつぶされた虫?

 本書の日本経済に対する評価は、かなり厳しい。すなわち、「日本は、どこかの車のフロントガラスで押しつぶされた虫のようなもの」だという(p20、p271、p282)。そして、巨額の政府負債を政府が返済できないことは明らかだから、「日本で行きづまるのは明らかだ」という。

 国債の海外消化を求めざるをえず、そうなれば、調達金利は上昇する。問題は、「そうなるかどうか」でなく、「いつそうなるか」だけだ(p281)。

 そうだろうか?

「返済できない」と言うのは、その通りだ。しかし、本書の診断にはいくつかの疑問がある。

 第1に、民間債務減少について。

 本書は、アメリカについて、上記(2)の過程(民間債務から公的債務への転換)を示す図を示している。では、日本についてはどうか? 確かに企業の債務は減少している。しかし、これは、投資が低調であるために民間企業に資金需要が発生しないためだ。

 また、日本国内の国債保有者が国債を売れば、状況は大転換して円安になるとしている(p282)。これまでも、日本は180度の転換を行なったことが何度もあるから、今後も起こる可能性があるというのだ。

 しかし、国債保有に関する限り、そうした現象は見られない。他に投資対象がないからだ。とくに、地銀、生保はそうである。国債の消化にまったく変化は見られない。

デフレの可能性

 本書は、デフレについても触れている。そして、先進国においては、インフレとデフレの両方の可能性があるという。

 デフレの(古典的な)定義は、「一般物価水準の実際の低下と、総需要の不足や不十分で特徴づけられる経済環境」だ(p145)。

 デフレの原因としては、生産性の上昇によるもの(例えば、PCの性能向上。これを「良いデフレ」と呼んでいる)もあるが、それ以外の要因によるものもあるとし、つぎのようなものをあげている(pp148−152)(注1)。

(1)過剰生産能力と需要不足

(2)過剰な債務の圧縮

 デフレの定義の中に上のように「総需要の不足」を入れてしまうと、(1)は「定義によって」ということになってしまう。

 (2)は、いわゆるバランスシート不況だ。これをデフレの原因と考えることに対する私の批判的な意見は、この連載の前回に書いた。

(注1)ただし、この部分の記述は、デフレを引き起こす原因と、デフレがもたらす結果とが混在しており、読みにくい。例えば、「富の破壊」が挙げられているが、これはデフレの原因でなく、結果と解すべきものだろう。

貨幣の流通速度低下について

 本書は、デフレに関する議論と関連して、「貨幣の流通速度」に関しても議論を行なっている(pp151−163)。後述のように流通速度が低下するとデフレが深刻な問題となるからだ。

「流通速度」とは、貨幣数量説の式 Mv=PY におけるv(=PY/M)のことだ。ここで、Mは貨幣ストック、Pは物価水準、Yは実質国民所得である。「国民所得PYの取引のために貨幣が一定期間に用いられた平均回数」と解釈することができる(注2)。

 データを見ると、最近時点の貨幣の流通速度は、明らかに低下している。流通速度が低下すると、貨幣供給量Mを増大させても、PYは増加しない。つまりインフレは起こせないわけだ。

 フリードマンが「インフレはいつでもどこでも貨幣的現象だ」と言ったとき、彼は流通速度が一定であると仮定していた。しかし、その仮定は満たされない。

 では、なぜ流通速度が下がったのか? 本書は、1990年代には流通速度が顕著に上昇したことに注意すべきだという。そして、これは、証券化などの金融イノベーションの結果だという(p159)。金融イノベーションが崩壊したために、流通速度が低下しているというのだ。

 これについては議論の余地があると思うが、中央銀行がインフレを起こすのが難しくなったことは間違いない。

 さらに、中央銀行は、貨幣供給量Mにも影響を与えられないようになっているのだ。本書では、それを図7.6(p159)で示している。

 FRB(米連邦準備制度理事会)が量的緩和を行なってマネタリーベースを増加させたにもかかわらず、M2はそれに応じて変化しなかったのだ。これは、本連載ですでに論じたことである。また、日本でもそうであることを、この連載で示した。

 しかし、奇妙なことに、本書では図7.6についての議論が行なわれていない。

(注2)ケンブリッジ方程式 M=kPYにおけるk(=1/v)を「マーシャルのk」と呼ぶ。これは、貨幣保有に対する選好度を示すと考えられている。

インフレになるのか?

 エンドゲームの結末は、インフレである可能性も高い。

 これに関して、本書は2つの歴史的データ研究を紹介している。

 第1は、この連載の前回で紹介したラインハートとロゴフによるもので、彼らの結論を要約すれば、銀行危機→政府のデフォルト→インフレとなる(p178)。その説明は、銀行危機→負債圧縮と貨幣速度の低下によるデフレ圧力→外国人投資家が通貨売却→通貨下落→輸入インフレということだ。

 第2は、インフレ研究家であるバーゼル大学のベルンホルツの研究で、それによれば、(1)支出の4割以上の財政赤字は維持不可能、(2)ハイパーインフレ(貨幣供給量の伸び率が月率50%以上)は、赤字が貨幣創造で資金調達されるときに起きる(p185)。

 これらを踏まえて、本書はつぎのように診断する。

(1)中央銀行による赤字ファイナンスが行なわれれば、インフレになる(p180、p186)。

(2)日本とアメリカは、ベルンホルツの水準からあまり遠くない。ただし、中央銀行による大規模な貨幣化は行なわれていない(p185)。

(3)だから、日本やアメリカがハイパーインフレになることはなさそうだ。しかし、中央銀行が独立性を失ったり、財務省と協調し続けたりすれば、そうした状況は将来変わりかねない(p191)。

 本書が刊行された2011年では、確かに(2)(3)の状況だった。しかし、いまは事態は違う。実際、日本では、つい先ごろ財務省と日銀の共同声明が出された。

 だから、いまハイパーインフレに突入してもおかしくないことになる。

 インフレとデフレのどちらになるかで、保有すべき資産も変わる(pp321−324)。だから、「本当にインフレになるのか?」というのは、多くの人の最大の関心事だ。では、どうなるのか?

日本の財政再建はできない

 日本の将来を見たとき、つぎの諸点は明らかである。

(1)どんな政権が誕生しようが、現在の歳出を大幅に削減することはできない。社会保障制度を大きく改革することもできない。

 だから、高齢化に伴って社会保障支出は増大を続け、歳出も膨張を続ける。

(2)消費税増税が予定通りにできたとしても、5%の引き上げでは、財政赤字を中期的に縮小する効果は期待できない。つまり、これは「焼け石に水」だ。

 そして、それ以上の消費税率引き上げはほとんど不可能だ。相続税などの税目での増税は行われるだろうが、多額の税収を期待することはできない。

(3)日銀に対する政府の圧力はますます強まり、国債の貨幣化は続く。そして、毎年の新規国債発行額のすべてを日銀が購入するような事態になる。

しかし、インフレや
通貨安の兆候は見えない

 上の状況下で、日本政府の債務膨張はいつか行き詰まると、私は考えていた。

 その理由は、これまでの国債消化は、銀行のポートフォリオの組み替え(企業貸出が減少して国債保有が増加する)によって行なわれてきたが、このプロセスには明らかに限界があるからだ。そして、現在のような国債発行が続けば、2028年頃に限界に達すると考えていた(詳しくは、拙著『消費増税では財政再建できない』、ダイヤモンド社、2012年、第2章参照)。

 しかし、この推計を行なった時にはなかった2つの新しい事態が、その後生じた。

(1)ユーロ危機によって、巨額の資金が日本に流入してきた。ユーロ危機が簡単には解決できそうにないので、この傾向は当分の間は続きそうだ。この意味で、現在の日本は、「ユーロ危機に助けられている」と言ってよい。

(2)それに加え、日本銀行の財政ファイナンが始まった。10月30日の金融政策会合で、国債購入基金の残高は11兆円増額された。

 この2つの変化によって、日本の債務膨張が行き詰まる様子はまったく見えていない。

 (1)がなく(2)だけであれば、円安が生じた可能性が強い。(1)による資金流入があるために、そうはなっていない。

 興味深いのは、本書の翻訳者が本書の内容に「まったく同意しない」と言っていることだ(p326)(注3)。アメリカでも日本でも、金利は低下し、ドルも円も強くなっているからだ。破綻の兆候は見えない。

(注3)なお、訳者は、原著には、経済理論をまったく誤解している部分もあり、それは翻訳で削除したと述べている。原著の著者は、投資家、あるいは投資評論家であり、専門の経済学者ではない。

この状況は続けられるのか?

 しかし、現在の状態がいつまでも続く保証もない。

 いまの財政状況をいつまでも続けられるとも思えない。

 理由について議論の余地はあるものの、日本が公的債務を積み上げているのは、間違いない事実だ。そして、日銀がこの貨幣化を行なっているのも事実だ。

 では、この状況は続けられるのか?これは、日本経済にとって、最大の問題だ。

 海外からの資金流入が続けば、当然、国債の外国人保有比率は上昇する。外国人投資家は、これまでサブプライム証券化商品や南欧国債を買ってきたときと同様、短期に資金調達して運用している。だから、市況が変化すれば、簡単に売りに転じる可能性がある。

 第2に、「日本国内の国債購入者である金融機関は、簡単には国債を売却しない」と述べた。しかし、金融機関のうち、メガバンクは、保有国債のデュレーションを著しく短期化している。これは、将来起こりうる金利高騰に備えた行動であると解釈することができる。

 インフレの兆候はないが、バブルはすでに起きている。国債バブルだ。それが崩壊すると、金融機関に巨額の損失が発生する。

 現在の世界経済は、ユーロ危機の行方(収束するかどうか)、アメリカ金融政策(緩和からの転換が起きるか)、中国経済の動向(成長減速が続くのか)に大きく影響される。

 これらの一つでも大きく変わると、日本経済は変調する。すでに中国の減速が、大きく影響している。日本の将来は、大きな不確実性に包まれていると言わざるをえない。

●野口教授が監修された経済データリンク集です。ぜひご活用ください!●

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自動車や電機など製造業の輸出が落ち込み、日本を支えてきた輸出主導型の経済成長モデルが崩れはじめている。日本は円安・輸出頼みを捨て、新たな成長モデルを確立しなければならない。円高こそが日本経済に利益をもたらす、新興国と価格競争してはならない、TPPは中国との関係を悪化させる、「人材開国」と「金持ちモデル」を目指せ…など、貿易赤字時代を生き抜くための処方箋を示す。
http://diamond.jp/articles/print/27579

東京市場 日本の貿易赤字、半期ベースで過去最大に
:2012/11/08 (木) 09:52

朝方発表された2012年度上半期(4-9月)の国際収支速報で、貿易収支は2兆6191億円の赤字と、比較可能な統計が始まった1985年以降の半期ベースでの最大の赤字となった。為替市場では円安の材料と捉えられそうだが、現状は反応薄。

USD/JPY 79.91 EUR/JPY 101.91 AUD/JPY 83.26

(再送)豪州経済指標【雇用統計】
:2012/11/08 (木) 09:43

*雇用者数(10月)9:30
結果 10.7千人
予想 0.5千人 前回 15.5千人(14.5千人から修正)

*失業率(10月)9:30
結果 5.4%
予想 5.5% 前回 5.4%
http://www.gci-klug.jp/fxnews/


http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/438.html

記事 [経世済民78] ギリシャ議会が財政緊縮法案を可決、反緊縮デモが拡大 フランス政府、企業向け税控除で産業支援へ舵 
ギリシャ議会が財政緊縮法案を可決、反緊縮デモが拡大
2012年 11月 8日 11:19 JST

トップニュース
情報BOX:オバマ米大統領が選ぶ次期財務長官候補と目される顔ぶれ
米「財政の崖」、回避に向けた道筋は依然不透明
注目集まる次期米国務長官の人選、「スター性が重要」との声も
日経平均は4日続落、米株急落で100円超の下げ

[アテネ 8日 ロイター] ギリシャ議会は8日未明、欧州連合(EU)などから追加支援の条件として求められている財政緊縮策をかろうじて可決した。

ギリシャ政府は11日に2013年予算案を採決する予定で、これが承認されれば財政破綻を避けるために不可欠な315億ユーロに上る追加融資を受けることが可能になる。

一方、国民の間では緊縮策に対する反発が高まっており、この日も議会周辺にデモ隊が集結。アテネ中心部の広場では10万人近い人々が「彼らはわれわれの血を吸っている」と抗議の声を上げた。

議会内でも、賃金がカットされることが判明した職員が職場を放棄し、議会の審議が一時中断するなど、混乱が見られた。

この日可決された一連の緊縮策には、総額135億ユーロに上る歳出削減策や増税策、それに労働者の雇用や解雇を容易にする制度などが盛り込まれている。

採決では、300人の議員のうち153人が緊縮策を支持した。連立与党の一角を占める民主左派が棄権に回ったほか、サマラス首相率いる主要与党の新民主主義党(ND)と全ギリシャ社会主義運動(PASOK)からも若干の造反が出たもよう。

NDは1人、PASOKは6人の議員を、緊縮策を支持しなかったとして採決後に除名処分にした。

サマラス首相は採決後、記者団に対し「われわれは予算案も通さなくてはならない。その後、景気回復に向けた努力を行う」と語った。

為替相場では、緊縮策可決を受けてユーロが若干上昇。採決前の1ユーロ=1.2765ドルから1.2780ドル前後に値を上げている。

BKアセット・マネジメントのマネジングディレクター、キャシー・リエン氏は「ギリシャがユーロから離脱するリスクが薄れたため、ユーロ相場が若干回復した。ギリシャは痛みを伴う緊縮策を通じて前進するため、困難な決定を下した」とコメントした。

議会周辺では、議会内に突入しようとしたデモ隊と警察隊が衝突。警察側は催涙ガスなどを用いて鎮圧に努めた。初めて放水銃も用いられた。

警察によると、デモでは少なくとも35人が拘束されたが、重傷者や死者が出たという報告はない。

一方、主要労組は前日から48時間ストに突入しており、公共交通機関がマヒしているほか、学校や銀行、政府機関のオフィスが閉鎖され、路肩にはごみが積み上がっている。

アナリストは、11日に2013年予算案が可決されれば、ユーロ圏の財務相は12日にブリュッセルで開く会合で、ギリシャの財政目標達成期限を2014年から2016年に2年先延ばしすることを承認すると予想している。

*本文2段落目のドル換算額を削除しました。。 
関連ニュース

ギリシャ財政緊縮法案、議会承認に必要な151票確保 2012年11月8日
ギリシャで反緊縮策の48時間スト始まる、過去2カ月で3度目 2012年11月6日
ギリシャ緊縮策の協議終結、主要与党の賛成で議会可決の公算 2012年10月31日
ギリシャが再び反緊縮策のストへ、EU首脳会議にあわせて実施 2012年10月18日
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE8A609320121108?sp=true


JBpress>海外>Financial Times [Financial Times]
フランス政府、企業向け税控除で産業支援へ舵
2012年11月08日(Thu) Financial Times
(2012年11月7日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)


ガロワ報告書は葬り去られるとの懸念もあった(写真はオランド大統領)〔AFPBB News〕

 フランソワ・オランド大統領率いるフランス社会党政権は6日、200億ユーロの企業向け税控除措置を発表した。数カ月間にわたりフランス産業の競争力低下に対処する緊急対策を求めてきた企業からの圧力にようやく応えた格好だ。

 発表された対策は、航空宇宙大手EADSの元経営者ルイ・ガロワ氏が政府に委託されてまとめた競争力に関する報告書(5日発表)で提言した300億ユーロの「競争力ショック」には及ばなかった。

 だが、ジャンマルク・エロー首相が発表した35の措置の目玉である税控除の規模は、ガロワ報告が「葬り去られる」のではないかとの憶測を覆した。政府は左派勢力から、フランスの高い労務費の引き下げを求める産業界の手前勝手な要求に屈してはならないという圧力を受けている。

 急上昇して今や10%に達した失業率の重圧と来年景気後退に陥る恐れが、政府の消極姿勢を打破したようだ。

コスト競争力の問題を初めて認めた政府に一定の評価

 ピエール・モスコビシ経済相は、一連の措置は5年間で30万人の雇用創出につながり、同じ期間の年間成長率を0.5ポイント押し上げると述べた。「これは決定的な瞬間であり、過去にどんなフランス政府も取ったことのない措置だ」と経済相は語った。

 労務費の大幅削減を求める運動を率いてきた経営者団体「フランス企業運動(MEDEF)」のロランス・パリゾ会長は、政府提案は「有益で重要な意味を持つ」と語った。会長によると、ドイツと並ぶためにはフランスの労務費を700億ユーロ減らす必要があり、MEDEFは政府がさらに踏み込むことを望んでいたという。

 だが、パリゾ会長は本紙(英フィナンシャル・タイムズ)に「フランス政府は今回初めて、コスト競争力の問題があることを明確に認めた。フランス経済にとっては、本当に重要な局面だ」と述べた。

 しかし政府は、ガロワ氏が削減の必要があるとした、雇用主と従業員の双方にかかる重い社会福祉税を直接削減することは避け、複雑な福祉制度の財源手当に関する改革を来年に先送りした。

 ウニクレディトのエコノミスト、トゥリア・ブッコ氏は、政府の対策は「労働者にかかる税負担の大半を占める高水準の社会保障費に対処できていないため、問題の核心に迫るものではない」と指摘する。

 その代わり政府は企業向けに、2013年に100億ユーロ、2014年と2015年に年間50億ユーロずつの税控除を実施する。合計すると200億ユーロの恒久減税で、フランスの国内総生産(GDP)の1%に相当する措置になる。

 雇用に対して導入され、黒字企業のみならず赤字企業も受けられる税控除は、輸出企業だけでなく、すべての企業に適用される。税控除による利益は、投資と雇用の拡大のために使われなければならず、配当金や自社株買いに使ってはならない。

「新たなフランスモデル」に向けた一歩

 エロー首相は、今回の税控除は労務費の6%削減に当たると述べた。フランスの労務費は欧州で有数の高さで、企業はこうしたコストのせいで、諸外国、特にドイツの競合企業と競争する力が損なわれていると述べていた。

 税控除の財源の一部は、既に計画されていた来年の歳出削減に加え、2014〜15年に追加で実施する100億ユーロの公共支出削減(詳細は未定)によって賄われる。フランスの公共支出はGDP比56%に上っており、政府はより大幅な支出削減を迫られている。今週は国際通貨基金(IMF)からも圧力をかけられた。

 残りのコストは、付加価値税(VAT)と環境税の増税で賄われる。VATの基準税率は現行の19.6%から20%に引き上げられる一方、主に外食に適用される軽減税率は現行の7%から10%に引き上げられる予定だ。

 オランド大統領にとっては、これは幾分きまりの悪い方針転換だった。というのもオランド大統領は先に、企業にかかる社会費用削減の見返りとしてVATの税率を一律1.6%引き上げるという、中道右派の前大統領が残した計画を破棄していたからだ。

 だがエロー首相は、今回の措置はフランス経済を「より競争力が高く、より大きな連帯感をもたらせる」ものにするために「新たなフランスモデル」に向かう「重要かつ決定的な」一歩だと述べた。政府の戦略は、ドイツが成し遂げたように、国内産業の付加価値を高め、より高品質な製品を扱うようにすることだ。

構造改革に対する意欲は依然不透明

 ガロワ氏は、投資の拡大やスキルの向上、中小企業の強化に関する自身の提言を多く取り入れた提案は、政府が「問題の大きさを理解した」ことを示していると言う。

 だが、硬直化した労働市場などの分野で企業経営者や国際機関が求めているような大幅な構造改革については、フランス政府がどれほど切り込む覚悟があるのか依然不透明だ。IMFは5日、イタリアとスペインで実施されている改革についていけなければ、フランスはさらに競争力を失う恐れがあると警告した。

By Hugh Carnegy

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36497



http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/439.html

記事 [経世済民78] そう言えば気持ちがいいのだろうが、日本が持つ供給力や資本力の代替は強化される傾向で、中国が持つ需要力の代替はない。

 中国政府や中国国民に媚びを売ったり卑下する必要はまったくないが、たわけた説明で溜飲を下げるようなことはやめて欲しい。

 中国が自分のクビを絞めているだけで、中国経済がぼろぼりになるだけであれば、面白い話として聞くこともできるが、最良で“骨を切らせて肉を切る”という関係性であることを理解すれば、“自分のクビを絞めていることに気づかないおバカな国よ”とはとても言えないはずだ。

 記事は、「中でも進出数が世界一の日本企業は1000万人規模の雇用を支えているため、日本製品の減産によって中国経済が大打撃を受ける」とか、「今回の反日運動で、日本の自動車メーカーは多大な影響を受けていますが、同時に中国の自動車メーカーも相当な打撃を被っています」と説明しているが、今回の騒動で、日本企業と中国企業のどちらが、より強い打撃を被るのかということが問題である。

 日産自動車と中国で合弁を組む東風汽車(中国の三大自動車メーカーの一つ)は、日産とだけ合弁しているわけではない。ホンダ、プジョーシトロエン、起亜自動車などとも合弁し、自動車を生産・販売している。
 今回の騒動で労働者の収入や総需要にも影響が出るのは確かだが、中国の自動車需要は、増加率が縮小することはあっても、総販売台数が大きく減少することはないから、東風汽車にしてみれば、合弁相手別の生産・販売構成比が変わるだけという見方もできる。しかし、日産には“逃げ場”がない。

 それ以上に、日本経済にとって決定的に大きな損失は、日本からの輸出低迷に見舞われていることである。

 仮に中国経済が大きな打撃を被るにしろ、日本経済も同時に“少なからず”打撃を受ける話なのに、「自分のクビを絞めていることに気づかないおバカな国よ」と書いてしまう無神経を疑う。

 週刊現代の記事は、「こうした行為が、中国経済をさらに窮地に追い込んでいる。日本企業だけではなく、欧米など世界中の企業がチャイナリスクを嗅ぎ取り、「離中」を加速させようとしているのだ」と書いているが、かつての“日本叩き”でも見られた、米国の“安全保障”的理由での中国企業阻害政策以外に、どのような「離中」が加速しているのか具体的に書くべきであろう。

 一人当たりGDPで象徴されるように、中国の発展段階は日本の60年代と考えることができる。しかし、圧倒的な人口と外資に支えられた経済成長は、日本以上の購買力を示すようになっている。沿岸部の2億人は、現在の日本国民と同等の購買力であり、それだけで、日本以上に“魅力的”な市場になっている。傾向としても、縮み続ける日本経済と5%以上は拡大し続けている中国経済なのである。

 中国は、あと15年ほどで、GDPレベルで米国を追い抜くはずだ。

 日本の持つ技術力は、ドイツや米国と並び、中国や韓国を凌駕している。
しかし、中国は、これからの10年で、多くの産業分野で日本にキャッチアップするだろう。
 日本が、米国の産業力にキャッチアップし、家電や自動車などで世界トップの地位を維持してきたように、中国も、これから同じ経過をたどるだろう。
 日本人の特殊能力のみが、日本の技術力発展と経済成長を可能にしたわけではないのである。

 資本力も、資本自体が不足しているから日本のものが欲しいというわけではなく、現在は差がある日本の技術力が欲しいという意味での誘致である。



http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/440.html

記事 [経世済民78] 米「財政の崖」、回避に向けた道筋は依然不透明   崖の先に日本のリスク 再選 日本に一段と要求厳しく
米「財政の崖」、回避に向けた道筋は依然不透明
2012年 11月 8日 11:59 JS

トップニュース
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[ワシントン 7日 ロイター] 米民主党と共和党の指導部は7日、「財政の崖」を回避するための策として、増税や歳出削減をいつどのように行うかについて、それぞれ異なる見解を示した。「財政の崖」回避に向けた両党の交渉は難航が予想される。

共和党のベイナー下院議長は「レームダックセッション中に財政不均衡の問題を一夜にして解決することはできない」と述べ、「財政の崖」を回避するため、まず短期的な解決策を見つけ出し、その後2013年に実質的な債務削減策の策定に取り組むべきと主張した。

一方、民主党のリード上院院内総務は、富裕層向けの減税を打ち切るべきと主張し、13日から始まるレームダックセッション中に民主党と共和党が主要な措置で合意できることを望むとの考えを示した。オバマ米大統領は年収25万ドルを超す富裕層向けの減税打ち切りを唱えている。

一方、オバマ大統領は7日、共和党のベイナー下院議長と民主党のリード上院院内総務に電話をかけ、財政赤字を削減し、減税や雇用創出で議会と協力していく姿勢を示した。

年末に重なる6000億ドル規模の自動的な歳出削減と減税措置の失効を回避するためにホワイトハウスと議会に残された時間は2カ月足らずとなっている。

*情報を追加して再送します。 

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焦点:米債券投資家の「財政の崖」めぐる懸念、大統領選後も消えず 2012年11月6日
情報BOX:米大統領選後に迫る「財政の崖」のポイント 2012年11月5日
G20財務相会合、米「財政の崖」回避に向けた対応促す 2012年11月5日
雇用拡大には「財政の崖」への対処必要=ダラス地区連銀総裁 2012年10月11日
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE8A700320121108


『from 911/USAレポート』第598回

    「オバマ政権の「二期目」はどうなる?」

    ■ 冷泉彰彦:作家(米国ニュージャージー州在住)


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 ■ 『from 911/USAレポート』                 第598回
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 オバマ「二期目」のスタートは、何もかもが一期目とは異なることになると思われ
ます。「チェンジ」とか「イエス・ウィ・キャン」といったスローガンが熱気をかき
立てる中で就任式を迎え、高い支持率でのスタートをした自分の一期目とも、地滑り
的という勝利で「信任」された、レーガンやクリントンの再選とも違うのです。

 逆に、今回の僅差の勝利は、大統領への信任というよりも、半分は不信任という重
たい事実を突きつけていると言えます。これに加えて、アメリカの課題は、何もかも
がオバマの責任という事実がのしかかってきます。

 一期目の時は「リーマン・ショックはブッシュ政権の経済失政」であるとか「イラ
ク戦争はブッシュが始めた悪い戦争」更には「一旦クリントンが均衡財政を実現した
のに、ブッシュが赤字を積み上げた」など、大きな問題は全て前政権のせいにできま
した。ですが、今回は違います。何もかもが大統領の責任であり、その問題を解決す
るのも大統領の責任だということになるのです。

 ということは、世論からの「白紙委任」はないと考えるべきですし、アメリカでよ
く言われる「政治的資産」はゼロからのスタートと見るべきでしょう。オバマに任せ
てとにかく「やらせてみよう」という選択ではなく、世論の期待は「問題は解決して
欲しい。そのためにロムニーよりオバマはややましだと思った」という極めて冷めた
視線なのだと思います。

 もう少し客観的な表現をするならば、今回は「改革者」であるとか「理念の体現者」
という期待を込めて選出されたのではないということです。とにかく中道実務家とし
て、また4年間の実績について「優秀な成績ではないが、落第にはしない」というこ
とで信任を受けたということです。となれば、オバマがすべきことはただ一つ、実務
的な成果を出すことになります。

 まず、再選されたオバマの直前に立ちはだかるのは、「フィスカル・クリフ(財政
の崖)」です。現在、2012年10月のアメリカ政治は、巨大な崖に直面していま
す。2010年の秋以来続いている財政規律論議が、2011年には日本の「公債特
別法案」とよく似た「債務上限バトル」になり、そこで中長期の政策が合意できな
かったために、自動的に巨大な「歳出カット」へ向けた法案が2013年の年初には
効力を持つことになっているのです。

 同時に、ブッシュ時代の減税が、オバマ政権によって暫定的に延長されてきたので
すが、これが失効します。つまり「巨大な歳出カット」と「巨大な増税」が瞬間的に
発動されるわけで、財政規律という観点からは一見すると良さそうですが、「生身の
米国経済」には巨大な影響が出るというのが一般的な見方となっています。何しろG
DPの3%が吹っ飛ぶというのだから、国際経済にも大きな影響があるでしょう。

 選挙でとりあえず信任を受けたオバマは、この問題に対処しなくてはなりません。
元はといえば、2010年に諮問委員会を作って「財政規律」論議を始めたのもオバ
マであるし、現在の財政赤字の責任も「景気刺激策」や「アフガン増派」などオバマ
が始めた政策に端を発するものが多い中、オバマが責任をもって解決しなくてはなら
ないのです。

 ここでは、3つのファクターが絡み合っています。

 一つは、自分は選挙に勝ったのだから「民主党の立場が信任された」として、あく
まで「歳出カットは押さえ気味」にして、一方で「富裕層への課税強化」へ突き進む
という力です。民主党の中には、前回の1990年代後半には、この手法に似た形で
極端な歳出カットを避けた後に、ITや金融に牽引された好況がやってきて、税収が
大幅に増えたために均衡財政が実現できた、その際の「夢よもう一度」という意見が
多く、こうしたセンチメントを後押ししているのです。今回、大統領選と同時に行わ
れた選挙でも、上院では民主党が健闘していることも、この動きを後押ししています。

 ですが、これは共和党が今回も多数派を取った下院が許さないでしょう。「財政の
崖」に関する対処法案は、今年中、つまり今回の大統領選と同時に選挙で選ばれて1
月に就任する「新議会」ではなく、任期切れ寸前の「旧議会」が決めることになるの
ですが、この点に関しては新旧両議会では大きな変化はないので、オバマとして押し
切るのは大変に難しいわけです。下手をすると合意に失敗して、崖から本当に落ちて
しまうこともありうるのです。

 二つ目は、今回の選挙が「辛勝」であったことに謙虚となり、オバマが改めて共和
党側に大きく歩み寄るという可能性です。富裕層課税を相当程度諦めると同時に、歳
出カットにも相当に応じて行く、そうして大統領としてのメンツにこだわらずに超党
派合意に持っていくという大胆な行動、オバマがそうした決意をしている可能性もあ
ります。

 三つ目は、何らかの駆け引きが行われるという可能性です。例えば一番最初の諮問
委員会報告である「シンプソン=ボウルズ案」に戻るということや、「増税」+「歳
出カット」の組み合わせではあるが、何もせずに「財政の崖」を転落するほどのGD
Pへのインパクトはないという、「落とし所」を見つけるという方向性です。

 いずれにしても、以上の複雑な政治的ファクターに上手く乗って、何とかこの「財
政の崖」を回避しなくてはならないのです。

 ところで、オバマ大統領は再選されたのだから、少なくとも一期目の4年間の政策
はそのまま継続される、というわけには必ずしも行かないでしょう。というのは、主
要閣僚のうちの何名かは、既に閣外へ去るという意志を表明しているからです。

 その筆頭は、ヒラリー・クリントン国務長官です。ヒラリーは、2007年から0
8年の民主党予備選では、オバマと最後まで指名争いを行ったばかりか、大統領候補
からの撤退後も「副大統領候補」に取り沙汰されましたが、それも逃しています。通
常なら「怨念」を残すところですが、オバマに請われて国務長官に就任し、アメリカ
外交の責任者となってからは着実に職務をこなすだけでなく、オバマの「忠臣」とし
て息の合ったところを見せてきています。

 このヒラリー外交ですが、大きく分けて3つの特徴が指摘できるように思います。

 一つは、アフガン=パキスタンへの対応です。ヒラリーは、90年代の「ファース
トレディー」の時代から、タリバンの無害化=承認が可能かという検討を夫のビル・
クリントンが行い、最終的に断念した経験、更にはアフリカでの米大使館連続爆破テ
ロなどの攻撃を受ける中で、対アルカイダの空爆などを経験しつつ、アルカイダとい
う反米運動との「戦い」をずっと戦ってきた人物でもあるわけです。

 また、911以降の状況下では、パキスタンのムシャラフ政権を支えつつ、ブッ
シュがアフガンでの対タリバン戦争を戦う中で上院議員として戦地にも赴き、また対
パキスタン外交を担当することもあったわけです。その長い経験の延長上に、201
1年のオサマ・ビンラディンの所在把握から殺害までの「オペレーション」の責任の
一端も担っているのです。

 二つ目は、対アラブの外交です。確かに「アラブの春」の行く末は不透明であり、
エジプトやリビアが果たしてどのように安定するのか、現時点でも不確定要素は大き
いわけです。ですが、いくらムバラクや軟化後のカダフィが「アメリカのパートナー」
であったからと言って、こうした「民衆の支持を失った独裁者」をアメリカがいつま
でも支えることは不可能でした。その意味で、オバマの決断でアメリカは「アラブの
春」の支持を決定し、ヒラリーは外交工作でこの判断を支えたわけです。

 三つ目は、対中国外交です。オバマは、明確に「今後の米国の軍事的関心はアジ
ア・太平洋にあり」ということを宣言しており、これをヒラリーの外交と、パネッタ
国防長官の軍事戦略が支える形になっていたわけです。特にヒラリーは、南沙諸島の
問題で南シナ海全体の支配を狙う中国に対して強い牽制を行う中で、ベトナムやオー
ストラリアとの連携を密にして、軍事バランス、外交のバランスの確保に注力してき
ました。

 例えば、ミャンマーの軍事政権を軟化させ、スーチー女史の解放と自由な選挙の実
施、西側との和解という流れを作ったのもヒラリー外交ですし、この問題は中国の影
響力を外してゆくという深謀遠慮の下で行われているということも指摘できます。そ
のヒラリー・クリントンという「片腕」をオバマは失うのです。

 後任はどうなるのでしょうか? 例えば、スーザン・ライス現国連大使では線が細
すぎるし、民主党の外交というと、一時期は影響力のあったビル・リチャードソン
(元ニューメキシコ知事)はスキャンダルでほぼ過去の人になっているという具合で、
民主党系の人物としては人材難という面があります。

 そんな中で、2004年に大統領選で敗北した後も、実力上院議員として活動して
いるジョン・ケリー氏が「国務長官をやりたがっている」という報道もあります。

 いずれにしても、同じオバマ政権が続くとは言っても、外交は大きく見直しになる
と思われます。特に、中国に関しては、相手の政権交代も重なる中で、「関係改善」
への動きが出て来ると思われます。

 閣外に去ることが決まっているのは、ヒラリー・クリントンだけではありません。
2009年の組閣にあたって、最も重要視されたポストであったティモシー・ガイト
ナー財務長官も、家庭の事情で退任を表明しています。

 金融危機における公的資金の注入、そしてその後の通貨政策など、オバマ「第一期
政権」を大きく支えてきたこの人物が去るというのは、非常に政権にとって大きな問
題になるでしょう。ですが、この問題はガイトナー財務長官の去就だけでは終わりま
せん。

 ガイトナー氏とコンビを組むように、景気、金融の危機を脱するべくQE1からQ
E3に至る流動性供給を発動してきた連銀のバーナンキ議長も、2014年1月に任
期が切れます。バーナンキ議長に関しては、2010年の再任時にも、上院で多くの
反対票が出ていますし、今回の選挙戦でオバマに挑戦したロムニー候補は、自分が大
統領になったらバーナンキ氏を交代させると言明までしていました。

 一部には、バーナンキ氏自身が2014年には再任を求めず、愛着のあるプリンス
トン大学の教授に復帰するという観測もあります。まだまだ景気の底力が出てきてな
い不安定なアメリカ経済をどう運営していくのか、財務長官人事に加えて、FRB議
長の人事というにもオバマ「二期目」に取っては難題になるように思います。

 こうした人事は政策に直結して行きます。今回の選挙では、ロムニーが勝てばドル
高になるという予測もありましたが、オバマになっても、向こう何年もドル安が続く
とは限らない、そうした見方もしておく必要があるようにも思われるのです。

 では、オバマのメッセージ発信ということでは、二期目はどうなるのでしょうか?
2009年にオバマはノーベル平和賞を受賞しました。その理由となったのが、プラ
ハでの「核廃絶スピーチ」であり、カイロでの「イスラムとの和解スピーチ」でした。
中長期の長いレンジを視野に入れつつ、往年のアメリカが持っていたような底抜けの
理想主義を訴えるオバマの姿には、世界中が熱狂したのでした。ですが、そうした
メッセージの発信者としてのオバマは姿を消していきました。

 一連の「アラブの春」という運動は、明らかにオバマの2009年のスピーチに触
発されていますし、オバマもその初期には運動に対する明確な支持をしています。で
すが、リビア、エジプトなどの「ポスト独裁政権」の姿が迷走する中で、オバマの言
動は「アメリカの国益」を第一とした現実的、あるいは利己的なものに変わっていま
す。

 また、日本では「ヒロシマでの献花」の実現ということで、オバマという大統領な
ら実行してくれるのではという期待があるわけです。オバマと個人的にも近いルース
現駐日大使が、積極的に広島や長崎での慰霊活動を行なっていることも、オバマ自身
が献花を行いたいという個人的な意志のあることを匂わせています。

 こうした問題に関しては、リーマン・ショック以降の景気回復に忙しく、またアフ
ガン戦争への決着をつけるなど「前任から引き継いだ負の遺産」を処理する「一期目」
には不可能でも、多くの票を得て信任を受けた「二期目」には可能になるのではない
か、私はそのように見ていました。

 ですが、今回の再選のされ方は、恐らく「オバマのヒロシマ献花」というような
「メッセージ発信」を困難にするのではないか、私はこの点では悲観的に見ざるを得
ないのです。

 一つには、余りにも僅差の弱々しい勝利であったという点です。一期目には一旦は
現実主義に走ったが、二期目には国民の信任を得て改めて核廃絶や国際協調のメッ
セージ発信ができるようになるという目論見は、こうした「弱々しい勝ち方」では難
しいように思われるのです。

 更に言えば、本書で追跡してきたようにオバマ自身が「チェンジ」を放棄している
こと、また具体的にはメッセージ発信型の改革者ではなく、中道実務家というカテゴ
リの政治姿勢を明確にすることで、辛うじて再選されたということがあります。この
点で、改めて国際協調や核軍縮のメッセージを華々しく訴え、国内の批判を抑えてヒ
ロシマ献花を行うという可能性は薄くなってきたと見るべきでしょう。

 この点に関しては、中国や韓国との論争の中で日本がアジアでの孤立を深めて行っ
た場合には、まず不可能となるという点も指摘しておかねばなりません。

 いずれにしても、今回のオバマの勝利は「ほろ苦さ」こそ感じられるものであって、
熱狂とは無縁のものでした。下手をすると、4年間をかけての「オバマ政権の終わり」
が始まったという印象も出かねません。こうした印象を打破するためにも、とにかく
中道実務派として歴史に残る調整能力を発揮して行かねばならないのです。その最初
のハードルが「崖」への対処であり、ここに落とし所を見つけて景気の回復基調をよ
り確実なものにすることが求められるのです。

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冷泉彰彦(れいぜい・あきひこ)
作家(米国ニュージャージー州在住)
1959年東京生まれ。東京大学文学部、コロンビア大学大学院(修士)卒。
著書に『911 セプテンバーイレブンス』『メジャーリーグの愛され方』『「関係の空
気」「場の空気」』『アメリカは本当に「貧困大国」なのか?』。訳書に『チャター』
がある。 またNHKBS『クールジャパン』の準レギュラーを務める。

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【発行】  有限会社 村上龍事務所
【編集】  村上龍
【発行部数】101,417部
【WEB】   ( http://ryumurakami.jmm.co.jp/ )


オバマ氏再選 日本に一段と要求厳しく…対中政策、アジア太平洋で連携強化
産経新聞 11月7日(水)19時19分配信
 【ワシントン=佐々木類】アジア太平洋最重視戦略を掲げるオバマ大統領の再選は、沖縄県・尖閣諸島など中国に主権を脅かされている日本にとり、停滞気味の日米同盟を深化させる仕切り直しの機会となる。

 スタインバーグ前国務副長官は「中国にも国益はあるが、国際法を守り他国の権益を脅かしてはならない」と語る。その一方で、東シナ海や南シナ海で挑発行為をエスカレートさせる中国海軍の動きを念頭に、日米同盟に加え「米国は、東南アジアやインドと新たな連携強化を図る必要がある」と2期目のオバマ政権の課題を指摘する。

 日本にとって対中、対日政策をめぐる1期目のオバマ政権の最大の成果は、尖閣諸島が米国の日本防衛義務を明記した日米安全保障条約の適用対象だと明言したことだ。米歴代政権の基本的立場が、尖閣諸島の領有権そのものについては態度表明しないというものだけに、中国や、日本を取り巻く安保環境に与えたインパクトは計り知れない。

 オバマ大統領はロムニー候補との討論会でも、「中国の軍事力が将来強大になるからこそ、アジア太平洋に軸足を移したのだ」と明言した。昨年11月、オーストラリア訪問時にアジア太平洋最重視戦略を打ち出したことについても、「中国の軍事的脅威に対抗するためだ」と語っている。

 これに対し、日本では民主党の鳩山由紀夫政権が東アジア共同体構想からの米国はずしを画策したり、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題をめぐり軽率な発言をしたりするなど、迷走を極めた。

 日米同盟も深化どころか関係修復に多大な時間と労力を浪費している間、中国が公船や艦船を使った挑発的な活動を活発化。同盟立て直しの区切りをつけたのは今年4月、日米両国の外務・防衛閣僚級協議で在日米軍再編見直しを共同発表してからだ。

 財政悪化で議会から国防費の削減圧力を受けているオバマ政権にとって、日本やオーストラリアなど同盟国への期待は大きい。

 米海兵隊をグアムやハワイに置き、ローテーションでオーストラリア・ダーウィンに分散展開するのはその証左だ。だがそれは、軍事費の負担と応分の汗をかくことを同盟国に求めるもので、とりわけ、日本への要求は今まで以上に厳しくなる可能性がある。

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大統領を大事にする米国 日本はフワフワせず重厚な新政権を
律儀なオバマ大統領が使い続ける腕時計
最終更新:11月7日(水)23時21分

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121107-00000602-san-int


アングル:オバマ氏勝利でドル安路線のあおり受ける日本
2012年 11月 7日 18:15

[東京 7日 ロイター] 米大統領選挙でオバマ氏が勝利し、経済政策は従来路線が継続される見込みとなった。金融政策もバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が少なくとも2014年1月までの2期目の任期を全うする予定で、日本にとっては同議長によるドル安政策のあおりを受ける構図が続きそうだ。

同議長は12月にもQE3を強化するとの観測から円高懸念が浮上、日銀も通貨競争から降りる訳にはいかないとの声も市場には強い。ただ来年に向けた世界経済の情勢を見渡せば、米国の強さが相対的に際立ち、円高ドル安傾向は和らぐとの見方も政策当局内に浮上している。

<バーナンキ議長のドル安政策続く>

オバマ大統領が再選され、議会は下院が共和党、上院は民主党が多数という現状維持となりそうだ。市場関係者は「これでは選挙前と何も変わらないことになる。ドル安政策も変わらないだろう」(クレディスイス証券チーフエコノミスト・白川浩道氏)と見ている。

「財政の崖」問題は、こうした議会のねじれ状況のもとでも、年明けのいずれかの時点で何等かの形で回避策がとられるというのが、内外での一般的な見方だ。社会保障年金減税は継続措置となる可能性が高い一方で、争点となるのは富裕層減税だが、打ち止めとなっても富裕層への影響は軽微と見られている。歳出の強制削減で、重点的に削減されるのは国防費で、関連産業への打撃が中心となりそうだ。ただその分財政再建は遅れることとなり、米国の経済は財政の重しや家計のバランスシート問題を抱えて、緩やな成長にとどまる構図が続くことになる。

他方、米国の金融政策は従来通りバーナンキ議長が担う。議長の任期は2014年1月までだが、FRBの経済見通しでは失業率が望ましい水準まで低下しそうにない。在任中はQE3からの脱却は難しそうだ。日本はこれまでもバーナンキ議長のドル安政策のあおりを受けてきたわけだが、「景気対策はFRBの金融政策に偏らざるを得ない図式。景気低迷の下、追加金融緩和が予想され、為替レートの基調はドル安・円高が続くだろう」(第一生命経済研究所・主席エコノミストの熊野英生氏)ということになりそうだ。

しかも、来月の米公開市場委員会(FOMC)では「ツイストオペの終了とともに、QEを上乗せしてくる可能性がある。そうなれば再び円高懸念が出てくる」(野村総研金融ITイノベーション部長・井上哲也氏}とも言われている。

<大胆な緩和政策打てない理由>

日本にとってドル安円高に対抗する手段はほとんどない。いくらG20共同声明で「過度な為替変動が望ましくない」との認識が示されても、為替介入への理解を得られたわけではない。政府が機動的な経済対策に動けなければ、必然的に日銀への期待感が高まることになる。

JPモルガン証券のチーフエコノミスト、菅野雅明氏は「円安は日銀だけでは実現できず、相手との相対的な関係。FEDやECBと比べて市場が日銀の方が緩和的だと判断することで初めて可能となる」と説明する。

そうしたもとでも日銀が米国同様の大胆な金融緩和に踏み切れないのは、財政事情が重しとなっている。白川総裁が繰り返し説明しているように、大規模な国債買い入れは財政ファイナイナンスと受け止められかねない。また 「買い入れた国債をFEDのように将来の売却を前提にすることは、日本の財政状況からみて難しい」(第一生命経済研究所・熊野氏)との指摘がある。

<QE3下では円高進まず>

一方、このままQE3のもとで円高ドル安傾向が続くわけではないとの見方も浮上してきた。世界経済の変化が認識され始めてきたためだ。

一部の日銀関係者の間では、今後も米国の金融政策にはほとんどオプションもなく、現在の緩和路線は変わらないとしながらも、QE2とQE3で金融市場への影響は異なるとの見方がある。以前は、世界の投資家が新興国の成長を前提にしたドル売り・他国資産買いに動き、ドル安傾向となっていたが、現在はリスクオフ姿勢が強まり、ドルというハードカレンシーを保有するようになった。そのためドル安はそれほど進んでいないというものだ。

さらには、そうしたリスクオフの背景にある欧州不安、中国の構造的な成長鈍化、それに伴う新興国全般の減速などもあり、世界経済のけん引役が米国になるとの見方が出ている。シェールガス革命も米経済への期待感を高めていることから、ドルが売れられにくいという事情がある。

オバマ政権の下でバーナンキ路線が継続され、ドル安路線におびえる日本にとっては、こうした米国への期待感が円高進行を食い止めるてくれるなら何よりだ。景気後退に陥った日本経済にとっては、追い風が吹く日が待たれる情勢だ。

(ロイターニュース 中川泉;編集 石田仁志)

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ドル80円前半、オバマ氏再選でドル売り/円売り 2012年11月7日
オバマ氏再選で米金融政策めぐる不透明感緩和、株安・債券高の可能性 2012年11月7日
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE8A607420121107?sp=true


アングル:大統領再選で政治勢力分布に変化なし、経済状況は逆風
2012年 11月 7日 17:56 JST
[ワシントン 7日 ロイター] 米オバマ大統領の再選が確定した。大統領は直ちに増税と歳出削減による「財政の崖」問題への対応を迫られる。長期的に持続可能な連邦財政に向けた調整も求められるが、議会は上院が民主党、下院は共和党が制する現状に変化はなく、難航が予想される。

以下は今回の大統領・議会選を受けたポイント分析。

◎ワシントンでの勢力分布

政治的に変化はない見通し。下院は引き続き共和党が制する一方、上院は現状どおりオバマ大統領の民主党が多数派となる。ただ上下両院の議会選の結果、両党の穏健派は減少する見込み。

両院のねじれが続くため、税制や歳出をはじめ多くの面で議会審議が暗礁に乗り上げると予想され、所定の法案可決も困難になる可能性がある。

プリンストン大学のジュリアン・ゼルツァー教授(歴史)は「党派性が一段と強まる」と予想している。

◎国内経済の選挙への影響

国内経済は引き続き回復期にある。過去の例からみて、選挙の年に経済が緩やかながらも拡大している場合、大統領は再選されており、今回も踏襲した。

オバマ大統領は、景気後退の要因はブッシュ前大統領にあるとの有権者の判断にも支えられた。

◎財政の崖

オバマ大統領は1期目に共和党との間で財政赤字削減で合意できなかったが、2期目も引き続き困難が予想される。

大統領は富裕層への増税と国防予算削減で10年間で4兆ドル以上の赤字削減を訴えているが、共和党には不評だ。赤字削減策が完全に実施されれば2013年の経済成長率を押し下げることになり、エコノミストの一部はこの影響を和らげるために、家計の税負担軽減が必要と指摘している。

◎オバマ大統領が直面する景気の現状と雇用問題

国内経済は依然2007―09年の景気後退(リセッション)からの回復途上にあり、。過去2年の経済成長率は平均で2.1%に過ぎず、景気後退期に失われた870万人の雇用のうち450万人しか取り戻していない。2300万人が失業あるいは潜在失業者で、多くがパートタイム職しか得ていない。

大統領が議会と財政赤字削減策で合意したとしても、経済成長率を0.2―0.3%程度押し上げるだけで、景気後退期の多大な富の喪失という、景気押し下げの主因への対策が必要だ。

2007年から10年の間に住宅価格が下落するなか、家計資産額(中央値)は38%と記録的に減少しており、住宅の価値を上回る住宅ローン残高を抱えている人は1100万人に上る。

景気後退期に失われた雇用のうち、建設や、金融などの住宅関連の職種は回復が遅れており、将来的に熟練労働者の不足につながる可能性がある。

メジロウ・ファイナンシャル(シカゴ)の副首席エコノミスト、アドルフォ・ローレンティ氏は、「失業の大部分は構造的なものと判断しており、今後問題になるだろう。景気が力強くなっても失業率を7%以下に引き下げるのは難しくなると思われる」と述べた。

欧州債務危機や中国の景気減速などによる需要減退も打撃となる。ローレンティ氏は「経済成長への健全な世界的な推進役がいないという状況にある。これが問題であり、オバマ大統領も容易には解決できない」と述べた。

◎共和党

共和党の大統領候補は前回に引き続き中南米(ヒスパニック)系の有権者から3分の1も支持を得られなかった。選挙人に占めるヒスパニック系の割合が増えていることを踏まえると、今後に課題を残した形。

共和党の主流は、保守的な地域を地盤とする議員が多い下院となった。

ブルッキングス研究所のフェロー、ジョン・ハダク氏は、次の大統領選で共和党は一段と保守的な候補を選んだほうがよいとの声が党内で高まる可能性を指摘する。「右派に軸足を移すだろう。穏健派を候補にしなければよかったとの声が強まる」と述べた。

◎オハイオ州はオバマ大統領制する

激戦州となったオハイオ州はオバマ大統領が制した。自動車が主要産業である同州で、オバマ大統領による2009年のゼネラル・モーターズ(GM)やクライスラー救済が影響したとみられ、白人男性からも一定の支持を得た。

ロイター/イプソスの出口調査によると、白人男性の得票でオバマ大統領は全国平均では20%ポイントの差で敗れているが、オハイオ州ではその差は13%ポイントだった。
http://jp.reuters.com/articlePrint?articleId=JPTYE8A604720121107


米大統領選はオバマ氏が再選へ:識者はこうみる
2012年 11月 7日 14:42
トップニュース
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[東京 7日 ロイター]  米主要メディアは、大統領選で民主党のオバマ大統領が共和党のロムニー候補に勝利したと伝えた。オバマ氏は、MSNBCが再選を報じると、ツイッターで「皆さんのおかげだ。ありがとう」とコメントした。

オバマ大統領再選に関する市場関係者の見方は以下の通り。

●「快勝」で株価には短期的にプラス

<立花証券 顧問 平野憲一氏>

オバマ大統領が早い時間に「快勝」したことで、短期的には株価にプラスとみている。オバマ大統領の再選を織り込んできたことから、外為市場で急激なドル安・円高が進むということもないだろう。日経平均は200日移動平均線をいったん上抜ける可能性もある。ただし「財政の崖」問題が今後、マーケットを振り回す要因となりそうだ。

●議会のねじれ解消せず、財政問題で現実的な着地

<みずほインベスターズ証券 チーフマーケットエコノミスト 落合昂二氏>

米大統領選挙で、予想通りにオバマ大統領が再選を果たしたことで、市場の不透明要因がなくなった。東京市場はひとまず、選挙結果を消化した。

今後の焦点は財政の崖問題への対応に移る。議会のねじれ現象が解消しなかったことで、オバマ大統領は難しい政策運営を余儀なくされるだろうが、同問題を放置すると米景気に深刻な影響を与えかねないだけに、支出削減を取り込みながら財政支出による現実的な着地を模索することになるのではないか。

●1期目はリーマン・ショックのリカバリー、2期目から本領発揮

<トヨタアセットマネジメント 投資戦略部 チーフストラテジスト 濱崎優氏>

当初からオバマ氏優勢が伝えられていただけに、予想どおりの結果と言える。マーケットの反応も米S&P総合500種先物が一段安と想定した動きを見せている。ただ、ひととおり織り込まれれば、徐々に落ち着いていくのではないか。

今の米経済は自由化、規制撤廃、優勝劣敗という政策を軸に据える共和党のやり方に耐えられるとは思えない。こうしたやり方が結果としてリーマン・ショックを招いた経緯もあり、1期目のオバマ政権は2回もの大規模な財政出動を行って景気崩壊を防ぐといったことに追われ、リカバリーに精一杯だった。2期目からは強いリーダーシップのもと、本領を発揮すると予想している。

ロムニー氏が勝利した場合と異なり、オバマ氏だと現在の金融緩和路線が継続するとの安心感はある。財政出動が封じられている状況下では、金融緩和が経済を下支えする。金融緩和の恩恵から個人消費、住宅投資は好調だ。

「財政の崖」への対応はいずれは通過しなければならない問題。旧議会では決められず、年明けの新議会に委ねられるとみている。このため、この問題は若干、先送りされるというのがメーンシナリオだ。

●FRB金融政策への大きな影響ない

<SMBC日興証券 チーフ債券ストラテジスト 末澤豪謙氏>

オバマ大統領再選、上院が民主党、下院が共和党の過半数維持ということで、基本的にメーンシナリオに落ち着いた。したがって、マーケットへの影響は限定的だろう。また、大統領選挙を終えたことで、当面は不透明要因が払しょくされ、市場は安定化するのではないか。今回の選挙結果を受けてリスクオフが進むとみていない。

今後は年末から年明けにかけて、財政の崖やシーリングの問題をどのように調整していくかということになる。さらに景気動向、欧州のギリシャ、スペイン救済問題、中国の指導部交代後の財政・経済政策にターゲットが移るとみている。財政の崖に関しては、議会がねじれ継続となり、昨年の夏同様に相当もめるとは思うが、昨年も超党派で妥協がはかられた経緯があるので、時間はかかると思うが、最終的には相当程度緩和される結果になるとみている。金融政策については、現状の米連邦準備理事会(FRB)の政策への大きな影響はないだろう。

今回の選挙結果を受けた米国、日本の10年債は、米債に関しては年末にかけての景気動向、円債は政局がポイントになるとみている。円債は0.7─1%を中心にしたレンジが年内は想定される。米債の場合は、景気が回復傾向にあるので、金利にやや上昇圧力が加わりそうだ。

●リスク資産価格は上昇へ

<オムニベスト・グループの共同社長兼最高投資責任者、トム・ソワニック氏>

オバマ大統領の勝利で、バーナンキ氏が引き続き連邦準備理事会(FRB)議長を務めるとみられるため、リスク資産が上昇するだろう。今夜はドルが軟調で、量的緩和が続くとの見方が反映されている。

オバマ大統領の勝利は、FRBが安定し、富の再配分に焦点があてられることを意味する。ドッド・フランク法(金融規制改革法)も維持されるだろう。

オバマ勝利で、銀行に対する規制が強化され、銀行ビジネスと証券ビジネスが分離される可能性があることは誰でも知っている。それは証券会社の追い風となる可能性はあるが、銀行にとってはいいことではない。

●株価の大きな要因にはならず

<ジャナス・キャピタル・グループの債券戦略担当グローバル責任者、コリーン・デンツラー氏>

過去数日間の市場の無風状態から判断して、市場は既にオバマ大統領の勝利を織り込んでいる。従って上下どちらにも大きな動きは必ずしも予想されない。

企業が経営に関する決定を下し始めることができるといった安心感から来る相場の反騰を除き、株価が大きく上昇するとは見込んでいない。

市場を動かす大きな要因にはならないだろう。

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ツイッター時代の米大統領選、TV局は出口調査の流出阻止に躍起 2012年11月6日
米大統領選、オバマ氏勝利の予想=英YouGov調査 2012年11月6日
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE8A604120121107?sp=true

【第4回】 2012年11月8日 長野美穂
なぜオバマは続投できたのか?
失業率が最悪の激戦地・ネバダ州から
人々の歓喜と落胆を実況中継
――ジャーナリスト・長野美穂
「もうロムニーの悪夢を見ない」
オバマ続投に湧くサポーターたち


オバマ再選が決まった瞬間、ラスベガスのホテルで喜ぶオバマのネバダチーム。 写真右は、州の精神病院で働くセラピストのアルシア
 オバマ続投。それが決まった瞬間、ネバダ州・ラスベガスのホテルの宴会場に集まっていたオバマ陣営のサポーターたちは湧き返った。

「もう、ロムニーが大統領になる悪夢を見て、夜中にうなされて跳び起きることもなくなるんだ……」

 レズリー・ニューマンはそう言って胸を押さえた。涙が彼女の目尻に溜まっていた。68歳のレズリーはリーマンショック後、持ち家だけは何とか死守したが、老後の蓄えを全て失った。42歳の息子は職を失い、医療保険もない。

「でも、これからきっと良くなる。ロムニー政権になったらどうなっていたかと思うだけでぞっとする。オバマの医療保険改革で、息子が医療を受けられるようになるんだもの」


サインを抱えた女性の写真
 ネバダ州は、リーマンショック以降、全米で最悪の失業率を記録し続けてきた。全米の失業率が8%を少しだけ下回った今も、ネバダの失業率は11.8%とダントツに高い。2年前には14%を突破したこともある。多くの住民が職を失い、家を失い、干上がっている砂漠の州だ。

 別のオバマ支持者、アルシア・クラークは、公立の精神病院で働くサイコセラピストだ。彼女もため息をついて胸をなで下ろしていた。

「ロムニーが大統領になったら、福祉関連の予算はごっそり削られるから、心配だった。私の患者は自殺寸前の重症の人が多いから、州や国からの予算維持は死活問題なの」


ニューヨークのコロンビア大学の学生、アレキサンダー。激戦地の故郷・ネバダでオバマに投票するために大陸を横断してきた
 オバマ勝利と、民主党が上院の過半数を占めたことに喜びを隠しきれず、ダンスのステップを踏んでいたフランク・ディクソン(68)は、ネバダ州の保護観察員の仕事を28年間勤め、リタイヤしたばかりだ。

「共和党はこれに懲りて、法案成立を阻止するためだけに議会でノーと投票する無意味な抵抗を辞めてほしいね。まだフロリダの選挙結果が出てないのに、オバマが勝ったってことは、フロリダで共和党がどんなに汚い手を使って票を盗もうと、無駄だってことの証明なんだから」

「また共産主義の独裁政治か」
明暗分かれたロムニー陣営の落胆


敗戦が確定したロムニー陣営。「すべての票が開票されるまで、信じない」と右の男性
 その30分後、ラスベガスの別のホテルの大ホールでは、ロムニー支持者たちが苦虫を噛みつぶしたような顔で、ロムニーの敗北スピーチを聞いていた。

 オバマ再選に怒りを隠さないのは、娘が軍隊に入隊しているというラリー・クラークだ。

「イスラエルをないがしろにしているオバマが、イスラム勢に肩入れして、アメリカ市民を危険にさらしている。シリアやリビアなど中東がとんでもないことになっているのに、弱い大統領を選んだこの国をどこが攻撃してくるかわからない」


オバマ再選に涙を流す女性
 あまりの怒りで首の神経が痛むと言うラリーは、ポケットから携帯用の鍼を出して、首のツボに刺した。

「だいたい、本当にアメリカで生まれたかどうかも怪しい人間が、大統領をやっていること自体おかしいのよ。出生届だってフォトショップでつくったに違いない」と言うのは、ロムニー支持者のアニタ・プロウト。

 ロムニー陣営では、オバマはBOという略語で呼ばれ、「共産主義の独裁政治のBOの4年間が始まるなら、いっそカナダへ移住でもするか」と言うジョークも聞こえた。

 リベラルと保守の激戦地の1つ、ネバダでオバマが勝つまでの軌跡、そしてロムニー陣営が最終週をどう闘ったのかを振り返ってみよう。


ラスベガスのカジノ街。「リーマンショック以降、ヨーロッパからの観光客がガタ落ちした」と、あるタクシーの運転手
 ど金色のトランプタワーがそびえ、巨大カジノやホテルが並ぶ「ラスベガス・ストリップ」と呼ばれる繁華街を少し離れると、ホームレスが家財道具を詰めたカートを引いて歩く光景が目に付く。高金利のペイデイ・ローンの新しい店が、雨後のタケノコのように道の角に次々と出現し、その隣にはポーカーやギャンブルの店、そして質屋や酒屋が並ぶ。

 そんな中、これまで一度も政治運動をしたことがなかったというミッキー・オー(55)は、初めて家のドアを恐る恐るノックし、ロムニー陣営のボランティアとして、サンダルの底をすり減らしていた。

55歳で貧困層に転落した会計士も
失業率が最悪を続けるネバダの実情


ロムニーの敗戦スピーチを聞くロムニー支持者
「オバマには失望した。この国に韓国から移民してきて30年。これまで会計士としてキャリアを順調に積み上げてきたのに、生まれて初めて職を失った。ロムニーなら経済を何とかできる。職を創造する環境にしてくれるはず」

 独身のミッキーは、ラスベガスでも比較的裕福なサマーリン地区に自力で3ベッドルームの家を買い、心地良い生活をエンジョイしていた。だが、13ヵ月前、勤めていた食品会社の「USフードサービス」が会計部門を他州に移し、職を失った。


料理がふんだんに用意されたロムニー陣営。敗戦で、パーティームードはなし
「ずっと中流だと思っていた自分が、今では一気に貧困層に転落よ。健康保険も買えない。情けなさと敗北感で胸が張り裂けそう。55歳でもっと稼ぐぞと思っていた矢先に、今ではたとえ時給15ドルでも、誰も私を雇ってくれないんだから」

 12月1日には失業保険の支給が切れる。1日に8〜15通のレジメを応募先に送ってきたが、この1年1ヵ月、面接の通知はゼロだ。

「ロムニーがもし当選しても、翌日、私が仕事にありつけるわけじゃないことくらいわかってる。そこまで楽観的じゃない。でもオバマよりロムニーの方が圧倒的にビジネスの実績がある。そこに賭けるしか、私、もう後がない」

 ライアンがロムニー陣営に副大統領候補として加わったとき、無職のミッキーは15ドルをロムニー陣営に寄付した。ライアンの国家赤字削減案に共感したからだ。


写真左が失業13ヵ月目の会計士のミッキー。「私の時間とエネルギーをロムニー再選のために投資する」
 同じ頃、ラスベガス市内に複数あるオバマ事務所の1つを訪ねてみた。ドアを開けると、数十人のヒスパニック系の高校生たちで溢れかえっていた。1人ずつクリップボードを持ち、市内の住民の氏名、電話番号が載った紙の束を抱えている。

「おーい、皆! バンのピックアップの時間を間違えないように。自分の担当地域、わかってるな!」

 リーダーの声が響く。駐車場ではミニバンが待機し、高校生たちを乗せてそれぞれの住宅地へと向かう。

 当然だが、18歳以下には選挙権がない。だが、ここラスベガスでは、オバマ陣営の票集めをする主な「ソルジャー」たちは、16歳や17歳のあどけない高校生たちなのだ。サウル・ゴンザレス(16)と従兄弟のマリア・ヘルナンデス(17)もその1人だ。


投票日前日。オバマ事務所で電話で市民に投票を呼びかける高校生たち
 黒人やヒスパニック系住民が多い北ラスベガス市の住宅街をあてがわれた2人は、1日70件近いノルマをこなすべく、ドアをノックする。

「まず民主党員か無党派の人の家に行くように言われてる。共和党員の家に行ってもまず無駄だし」とサウル。彼がオバマを支持する最大の理由は「ヘルスケア」だ。

「今、僕の家族には健康保険はないけど、オバマのプランで家族が病院に行けるようになるから」

「医療、教育、移民政策に共感」
オバマ陣営は高校生の人海戦術も


投票権のない高校生のマリアとサウルはオバマ票獲得のために、1日70件個別訪問のノルマをこなしていた
 さらに将来の大学の学費ローンも、オバマ政権下なら安く抑えられるはずだとサウル。医療と教育。この2点のために「自分ができることは今やらないと」と彼は言う。

「高校生人海戦術」は、電話ボランティアでも威力を発揮していた。別のオバマ事務所では、高校生4人のグループが、携帯電話で住民に片っ端から電話をかけていた。

「オバマの名を出すと、突然怒鳴られたりすることもあるんだ。正直ビクビクしちゃうよ」「だいたい、俺たち男が電話かけると怒鳴られるよな。女の子の声の方が得だよ」

 そう言いながら、スタッフからあてがわれた古い携帯電話で1件1件に電話をかけているのは、ヘスースとワンという名の男子高校生だ。


ボランティアの中でもダントツの票獲得を果たしたバイリンガルのケンシー
 彼らの隣で圧倒的な票獲得実績を誇るのが、17歳のケンシー・ヘレラ。ホンジュラスから移民してきた両親を持つ彼女は、スペイン語に堪能で、持ち前の明るさもあって、ヒスパニック系の住民たちをオバマに投票するように何人も説得した「凄腕ボランティア」だ。

 男の子たちが冷たく電話を切られるその横で、ケンシーは電話の相手と談笑し、会話をキープしている。

「私がオバマを支持する理由は、移民政策よ。特に若い違法移民に在留資格を与える案には大賛成」

労働者地区のオバマ事務所と対照的
裕福な住宅地にあったロムニー事務所


オバマ事務所はラスベガス市内だけでも複数箇所ある。ここはヒスパニック系住民の多い地域にある事務所
 オバマの事務所が労働者が多く住む地区に点在してるのに対し、ネバダ州のロムニー選挙本部は裕福な住宅地のサマーリン地域にある。「イン・アンド・アウト」という人気のハンバーガーチェーン店の真向かいにあるロムニー事務所は、赤と青と白の3色で綺麗にデコレーションされていた。部屋の角には共和党のシンボルであるゾウのぬいぐるみがある。

 受付の前に行くと、「ご用を承りましょうか?」とさっと数人から笑顔で声がかかる。ほとんどが白人スタッフ、白人ボランティアだ。

「適当に歩き回って写真撮ってっていいですよ」と言うオバマ事務所とは違い、ロムニー事務所では、広報担当が写真のアングルを指定する。「選挙日まであと4日! 電話を徹底的にかけまくろう」という手書きの張り紙とゾウのぬいぐるみを写真に撮ろうとしたら、「それはちょっと」とやんわり止められた。


ロムニー陣営のネバダ事務所は、こんな大きな家が建ち並ぶ高級住宅街にある
 電話ボランティアの隣には「ベル」が置いてあり、1票獲得ごとに「チン!」と鳴らしている。ボランティアの多くは中高年だ。軍事産業の会社をリストラされた中年白人女性が電話をする横で、同じく失業中のミシェル・ワーネックが6時間、電話をかけ続けていた。

「先週は5人の民主党員をロムニー支持者に転向させたの。秘訣は、オバマケアになると、シニア層がどれだけ損するかを説明すること」


ロムニー事務所で投票日4日前に電話をかけるボランティアたち。白人の中高年が多い
 選挙直前にニューヨークやニュージャージーなど東部の州を襲ったハリケーン・サンディ。ニュージャージー州を訪れたオバマは、宿敵だったはずの共和党のクリス・クリスティ知事から大統領としての働きを大絶賛され、一気に好感度を上げた後、大打撃を受けたニューヨーク州には寄らず、ネバダへ飛んできた。

 共和党と民主党の激戦地・ネバダにオバマが来たのは、この選挙戦中10回目だ。北ラスベガス市の黒人が多く住む地域にやってきたオバマは、30分間の短いスピーチを終えて、瞬く間に間に飛び去った。

 マーティン・ルーサー・キング牧師と一緒に黒人公民権運動のために行進した経験を持つ72歳のローズ・ジョーンズ・ウェイドは、オバマのスピーチを聞きに来た。

「職が争点なのは明らかだけど、自分たちが失業したからって、オバマに怒りをぶつけるのは筋違い。企業が利潤追求のために存在する限り、リストラはなくならないし、それはオバマのせいではない。ブッシュが滅茶苦茶にした国をたった4年で建て直せという方が、もともと無理な注文なんだから」

貧困の実情なんて
裕福なロムニーにわからない


同じくオバマの遊説で。「女性の労働者に男性と同等の賃金を約束する法律をロムニーは通さないはず」とビバリー
 カジノ産業に頼るネバダの失業率が高く、人々の間の不満が高まっているのはどうなのだろう?

「仕事がないって言うけど、隠れた求人って口コミやオンラインでくまなく探せばあるはずなのよ。私は58歳でリタイヤしたけど、いまだに『働いてくれ』って何ヵ所からもせがまれてるわよ」と言うのは、62歳のビバリー・アン・リッチモンドだ。オバマ支持者で、18歳でホテルの夜勤からスタートし、人事関係のキャリアを積み、家も買った。

 1987年に5万9000ドルで買った家は、その価値が4倍になったこともあったが、今では買い値よりも下がってしまった。それでも40年間、男性と対等に仕事をしてきて、自分の名で土地や家を所有できていることは、何にも代え難い達成感だとビバリーは言う。


「ブッシュと共和党が残したツケをオバマが払ってきた4年間だった」とローズ。オバマの選挙直前のネバダ遊説で
「ロムニーが討論会で『女性の名前で一杯のバインダーを持ってる』という言葉で、いかに女性雇用を促進したかを強調しようとしたのは、女性への侮辱でしかない」とも。

「貧困とは何か、シングル・マザーの家庭で育つとはどういうことかを、銀のスプーンを口にくわえて生まれてきて、一生裕福な生活を送るロムニーに理解できるわけがない」と8人の子どもを育てたローズは言う。


投票日直前にネバダを訪れ、アジア系の票集めに奔走するロムニーの政策担当ディレクター、ラニー・チェン
 オバマがネバダに駆けつけたすぐ後に、ロムニー陣営の副大統領候補であるポール・ライアンも予告なしにラスベガスを訪れた。さらにその後、ロムニーの政策ディレクターである34歳のラニー・チェンもラスベガスにやってきた。

 台湾系アメリカ人の彼は、共和党のブレーンのトップに登りつめた数少ない若きアジア系の1人。ラスベガス市内のアジア系食料品店でロムニー支持者たちを集め、最後の激励をした。

「アジア系はネバダ人口の11%にもなり、アジア系の投票が勝利のカギを握っている。特に労働組合の勢力が強いこのクラーク郡では、あなたたちの投票が決め手になる」

 アジア系のロムニー支持者の中には、オバマの医療保険改革を鋭く批判する医師がいた。外科医であるレディ・ダンドルは、オバマケアが実施されれば、5年以内にアメリカの医療は世界一の水準から滑り落ち、イギリス並みになるという。

「無保険の人間をカバーするために、金銭的にもしわ寄せが他の人間にいく。患者ケアにとっても最悪だ。この国で医療費がこれだけ高いのは、医療の訴訟が多いからだが、オバマケアでは、訴訟については何ひとつ言及していない」

この国はチャンスをくれる
これからも同じであってほしい


韓国系アメリカ人のミ・パク。中絶と同性婚に断固反対
 韓国からの移民ミ・パク(62)は、中絶と同性婚に断固反対であり、「オバマには怒りしか感じない。有色人種初の大統領という点は尊敬するけど、私の息子たちも満足な職をまだ得られていないし」と語る。

 投票日前に、ヘンダーソン地区のショッピング・センターに開設された投票ブースでさっさと投票を済ませていたのが、72歳のディエター・シュワイツだ。製薬会社のファイザーで科学者として働き、高コレステロール血症治療薬の「リピトール」の開発も行なったディエターは、ドイツから1960年代にアメリカに移民してきた。

 ケネディが暗殺されたのを実験室のラジオで聞いたのを、昨日のことのように覚えているという。

「オバマに投票したよ。ロムニーはビジネス減税でスモール・ビジネスに活気が戻ると言っているけど、そんなことで経済は立て直せない」


ドイツからの移民で科学者のディエター。ショッピングセンターの投票所でオバマに投票
 ディエターいわく、レストランが潰れるのも、小売業がうまくいかないのも、不況でお客が来ないのが原因であって、税制の問題ではないという。

「失業者や失業を恐れる人間が、外食するわけないじゃないか。そんな庶民の懐具合は、富裕層のロムニーには想像できないんだろう」

 ナチ政権下のドイツで育ったというディエターは、「I Voted」のステッカーをみんなが胸に着けて誇らしげに歩いている中で、「とにかく政治的には目立ちたくない」派だ。オバマTシャツを着たり、ステッカーをつけたりは決してしない。だが、こう断言した。

「この国は移民してきた自分にとって、最高の国だ。惜しみなくチャンスを与えてくれた。だから、これからやって来る人たちにも、同じであってほしいと思って投票した」
http://diamond.jp/articles/print/27596


コラム:オバマ再選が導く強力緩和体制、崖の先に日本のリスク
2012年 11月 7日 17:24 JST
田巻 一彦

[東京 7日 ロイター] オバマ米大統領の再選が決まり、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長のリーダーシップによる量的緩和第3弾(QE3)路線が強くサポートされるだろう。懸念される財政の崖をめぐる米経済へのマイナス効果は、短期的にはQE3の強化で乗り切るシナリオが予想される。

仮に米金融政策の余波でドル安/円高が進展しそうになれば、12月にも日銀が追加緩和に踏み切るシナリオも排除できないだろう。欧州では欧州中銀(ECB)による新たな債券買い入れプログラム(OMT)が導入され、米欧日とも強力な金融緩和政策を推進し、その効果が出ている間に財政赤字削減に向けた構造改革に取り組む体制が出来上がったと言えるのではないか。

ただ、米国が財政の崖を克服した後に、大きな地殻変動が待ち受けている可能性がある。住宅や自動車販売などの回復、シェールガス・シェールオイルを背景にしたエネルギー革命が奏功し、米経済が目覚ましく回復すれば、米長期金利は上昇に転じるのではないか。その動きが日本国内に波及すると、先進国で最も安定している金融システムが一転、激しく動揺するリスクも出てくる。

<6000億ドルの米財政の崖、放置なら米経済下押し>

共和党のロムニー候補が当選した場合、米国のマクロ経済政策で最も影響を受けるのは、金融政策の運営スタンスであるとみられてきた。ロムニー候補はQE政策に批判的で、QE3政策の変更やバーナンキ議長の任期切れ前の辞任の可能性なども予想される展開の1つだった。

しかし、オバマ大統領が再選されたことで、バーナンキ議長の強い指導力で進められているQE3が、このまま遂行されることが決まったと言える。強力な金融緩和政策で米経済のリスクを低減しながら、オバマ大統領による米経済の構造変革を促す政策を実行していくかたちが整ったと見るべきだろう。

当面は、米財政に待ち受ける財政の崖の問題をどのように解決していくのかが、最大の問題となる。上下両院選の結果、上院の民主党多数と下院の共和党多数も確定し、ねじれた米議会とホワイトハウスの調整が難航すれば、約6000億ドルという財政からのサポートがなくなる事態に直面する。これは米国内総生産(GDP)の約4%に相当し、米経済を大きく下押しする力になる。

<早ければ12月にQE3の下で緩和強化へ、円高進展なら日銀追加緩和も>

12月に入っても調整の難航が予想されれば、FRBがその機動性を生かしてQE3の枠組みの中で緩和を強化する可能性が高まるだろう。今年12月末には長期国債を買って短期国債を売却するいわゆる「ツイストオペ」が終了する。1つの選択肢として、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で短期国債売却の停止後も長期国債の購入を継続する対応を決める可能性がある。また、モーゲージ担保証券(MBS)の購入額を毎月400億ドルから引き上げる選択肢も検討される可能性がある。

12月FOMCにおいて、QE3の枠組みの下で緩和が強化された場合、ドル安の観測がマーケットに広がりやすくなるだろう。2年米国債利回りの低下余地はほとんどなく、ドル安/円高にはなりにくいとの見方もあるが、10年米国債利回りには低下余地があり、対ドルで円高の圧力が高まりやすくなると予想する。

円高の進展が強まれば、企業や個人のマインドが冷え込み、輸出主導で落ち込んできた日本経済の一段の下振れリスクを大きくさせかねない。中国や欧州、米国など海外経済の減速度合いによっては、日銀が9月、10月に続いて12月にも追加緩和に踏み切る展開もあり得るのではないか。

<米欧日の緩和体制、リスクオン心理呼ぶ要因に>

一方、米欧日の先進国経済に視野を広げてみると、オバマ大統領の再選によってFRBのQE3路線が維持されたことで、強力な金融緩和体制が米欧日の三極に出来上がったとも言える。QE3で財政の崖を克服しようとする米国、OMTで南欧国債の利回り上昇を回避しようとしている欧州、そして共同文書を作成して政府・日銀がデフレ脱却に向け強力に連携することを示した日本と、仮に危機的な状況に陥っても機動的に対応できるスキームは整った。

その意味で、市場関係者の中から今回のオバマ大統領の勝利を以て、リスクオンの機運が高まってくる機会になるとの見方が出てきたのも、うなづける点が多い。この時間的な猶予を有効に使って、米欧日とも政府が財政赤字の削減や経済構造の改革に向け、思い切った対応策を打ち出すべきだ。もし、足元での温和的な市場の動向を横目で見つつ、米欧日の政府がともに何もせず、惰眠をむさぼっていれば、大きなしっぺ返しを市場から受けることになると予想する。

<崖乗り切り後、米経済回復と長期金利上昇のシナリオ>

また、別の次元でも油断のならない状況が待ち受けている。もし、QE3の下での緩和強化によって、米経済が財政の崖を乗り切ったとしたら、その後には予想を超えるスピードで米経済が回復する展開もあるのではないか。

FRBによる累次の金融緩和政策の結果、自動車ローンを中心にしたローン残高は拡大傾向を示しており、最近の米自動車販売の急回復は、その反射的効果の側面が大きいようだ。さらに住宅市場も長らく続いた下降局面から持ち直しに入っており、足元でのローン金利の低下が需要を押し上げる要因として働きだしている。

また、シェールオイルの増産の結果、米国の原油産出高は2013年にはサウジアラビアを抜いて世界トップに躍り出るという予測もあり、エネルギーコストの低下を背景にした「交易条件の好転」をテコにした米経済のエンジン温度上昇が、だれの目にも明らかになる展開が考えられる。

2013年半ばにかけ、こうした点がマーケットに認識されれば、米長期金利は現在の1%後半から2%台ないし3%台に上昇し、4%をうかがうこともあり得ると考える。その時に欧州情勢が小康を維持していれば、米独日の長期金利は、米長期金利の上昇を起点として、上昇過程に入る可能性がある。

<米長期金利上昇に無防備な日本の銀行と金融システム>

ここで問題なのが、わが日本の実態だ。国内銀行はメガバンクから地方銀行に至るまで国債保有比率を高めてきた。もし、日本の長期金利が米長期金利上昇の波及を受け、現在の0.7%台から1.7%台へと100bp上がると、銀行の資産状態を直撃することになる。そればかりではない。長期金利の上昇によって、日本の財政赤字が発散する懸念について、海外からの厳しい目にさらされるリスクも増大するだろう。

短期的なドル安/円高のリスクばかりに目を奪われ、中長期的な対応策を取らなければ、その先に何倍もの高いツケを払わされるリスクがあると指摘したい。
http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPTYE8A606620121107?sp=true
http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/441.html

記事 [中国3] 中国共産党大会が開幕、胡主席「汚職は厳罰に」政治改革に決意   
中国共産党大会が開幕、胡主席「汚職は厳罰に」政治改革に決意
2012年 11月 8日 13:11

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情報BOX:オバマ米大統領が選ぶ次期財務長官候補と目される顔ぶれ
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[北京 8日 ロイター] 中国共産党の第18回党大会が8日、北京の人民大会堂で開幕した。胡錦濤国家主席は政治報告で、汚職が党の崩壊や国家の衰退を引き起こす可能性があると述べ、政治改革を実施する方針を表明した。

今回の党大会は、社会不安や汚職、貧富の差への国民の不満が高まるなか、10年に1度の指導部交代が行われる見通しで、習近平氏が胡錦濤氏から党総書記のポストを引き継ぎ、来年3月に国家主席に就任するとみられている。

胡主席は「われわれが(汚職の)問題にうまく対応できなければ、党にとって致命的な結果となりかねず、ひいては党の崩壊、国家の衰退を引き起こす可能性がある」と主張。

「政治構造の改革は、中国の改革全般の重要部分だ。政治構造の改革を実施し、民主主義を一段と広めるため、積極的かつ慎重な努力を続けなければならない」と述べた。

ただ、完全な民主主義に向けた動きは見込まれていない。共産党のCai Mingzhao報道官は7日、一党支配は侵されざるものであるとの見解を明確にしている。

共産党では、職権乱用や収賄などが指摘されている薄煕来・前重慶市党委書記が失脚。党籍を剥奪される不祥事に発展した。

胡主席は「言葉が法律の代わりになってはいけない。(個人的な)権力が法律に取って代わることがあってはならない。個人的な利益のために法律を無視することがあってはならない」と訴えた。

胡主席は「現在、世界や国家、われわれの党の状況は引き続き大きく変化しており、われわれはこれまでにないほどの発展の機会と同時に、未知のリスクと課題にも直面している」と指摘。汚職がまん延していると述べ、汚職を罰するべきとの見解を示した。

中国共産党はここ数年、経済成長に注力し、多くの国民が貧困から抜け出した。

だが専門家らは、新指導部が改革を実行しない限り、中国は景気低迷や社会不安の高まりに直面する恐れがある上、党の権力支配さえも脅かされる可能性があると警告している。

<海洋権益「断固として守る」>

中国では領土問題をめぐって各地で反日デモが起きた。胡主席は今回の政治報告で、軍を強化し、海洋権益を守る必要があると主張。情報化時代の「局地戦」に備えるべきだとの認識を示した。

胡主席は「われわれは、海洋資源の開発能力を高め、中国の海洋権益を断固として守り、中国を海洋国家としてつくり上げるべきだ」と述べた。

中国は東南アジア諸国とも南シナ海で領土問題を抱えている。

党大会の会期は7日間。11月14日に閉幕する。

*情報を追加して再送します。

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関連ニュース

中国共産党大会が開幕へ、次期指導部は格差への取り組み重要に 2012年11月8日
情報BOX:胡錦濤国家主席の演説要旨 2012年11月8日
第18回中国共産党大会、14日に閉幕=党スポークスマン 2012年11月7日
中国の胡主席と習副主席、新指導部選出で初の選挙実施提案=関係筋 2012年11月7日
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE8A700S20121108?sp=true



http://www.asyura2.com/12/china3/msg/318.html

記事 [中国3] 中国の高齢化問題、内陸部でより深刻に 老人しか残らず

中国の高齢化問題、内陸部でより深刻に 老人しか残らず
2012.11.7 08:25
 中国の高齢化社会到来へのピッチが速まっており、60歳以上の高齢者人口は来年には2億人を突破するという。しかも高齢化問題が深刻なのは、上海、北京といった沿海部ではなく、むしろ重慶、四川など内陸農村部であることがはっきりしてきた。内陸農村部は所得格差だけでなく、人口高齢化の面でも沿海都市部との「格差」問題を抱えることになりそうだ。(フジサンケイビジネスアイ)

 このほど北京で国連人口基金と全国老齢委員会弁公室が共催して、高齢化問題に関するシンポジウムが開かれた。その中で特に注目を浴びたのは、中国人民大学老年学研究所の杜鵬所長が「中国で最も高齢化が進んでいるのは、戸籍人口では上海だが、居住人口でみると重慶だ」との調査結果を発表したことだった。

 同調査によると、重慶はすでに2010年段階で、60歳以上の人口(居住ベース)が17%に達している。このほか四川とか安徽といった内陸部の高齢化が進んでいて、従来最も高齢化率が高いとされてきた上海は第5位にとどまっている。

 内陸農村部からは多くの農民が都市部に農民工として働きに出ている。沿海部への流出はやや減ったとはいえ、いまでも1億人を超える農民工がとどまっている。こうした農民工のほとんどは若者なので、上海、北京などでは高齢化率を低める働きをしている。反対に内陸農村部には老人しか残らないというわけだ。

 杜鵬所長は、内陸部がさらに悲惨なのは、老齢年金の制度が不十分なことだと指摘した。「2010年段階で、高齢者のうち主な生活資金を老齢年金に頼っているのはわずか24.1%のみ。しかも都市部では66.3%が老齢年金を受給しているが、農村部はわずか4.6%でしかない。都市と農村の二元構造がくっきり浮かび上がってきた」というのである。農村部の高齢者の41.2%は老体にむち打って、いまなお農作業など「労働収入」に頼っている。

 もうひとつ注目されたのは「女性の方が年老いた両親の面倒をよく見ているとの結果が出た。高齢者の死亡率も女性に見てもらっていた方が10%低かった」(北京大学健康老齢・発展研究中心の曽毅主任)との調査結果だ。この傾向は特に農村部で顕著だという。農村部では伝統的に「重男軽女」(男尊女卑)の傾向が強かったが、高齢化の進展によって、「重女軽男」への変化が表れるかもしれない。(拓殖大学国際学部教授・藤村幸義)
http://sankei.jp.msn.com/world/print/121107/chn12110708260002-c.htm


http://www.asyura2.com/12/china3/msg/319.html

記事 [経世済民78] ルネサス、希薄な危機意識 旧三洋電機・冷蔵庫工場を蘇らせた ハイアールの若き経営者の汗と決断

ルネサス、希薄な危機意識

2012年11月8日(木)  阿部 貴浩 、 白石 武志

ルネサスエレクトロニクスの経営が迷走している。官民ファンドによる買収提案にも、経営陣は沈黙したまま。危機意識の薄さが、企業価値を傷つけている恐れはないか。

 過去最悪の赤字決算にもかかわらず、トップがメッセージを発信しないという経営感覚が、迷走ぶりを印象づける記者会見だった。


4〜9月期決算を発表するルネサスエレクトロニクスの佐川雅彦・執行役員
 経営再建中の半導体大手、ルネサスエレクトロニクスは10月29日、2012年4〜9月期の連結最終損益が1150億円の赤字になったと発表した。本業の儲けを示す営業損益が233億円の赤字になったことに加え、国内での早期退職優遇制度の実施に伴う特別損失を約840億円計上した。半期ベースで見た赤字額としては過去最大だ。しかし、決算会見の壇上に赤尾泰社長の姿はなかった。

 ルネサスを巡っては、官民ファンドの産業革新機構を中心とする企業連合や、米系投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が出資交渉中であることは周知の事実。ルネサスの大株主であるNECの遠藤信博社長は、10月26日に開いた決算会見で「産業革新機構から会社として説明は受けている。資金の余力はあった方がいい」と述べたうえで、「判断するのはルネサスの経営陣だ。蘇るためのプロセスをしっかりと見守っていく」とコメントしている。

 大株主からも意思表示を求められた格好だが、決算会見に出席したルネサスの佐川雅彦・執行役員は「(一連の報道は)当社から発表したものではない」として、産業革新機構などとの交渉に関するコメントを拒否。資本増強策についても「いろいろな観点から検討していく」と言葉を濁し、明確な方針を示すことはなかった。

綱渡りが続く資金繰り

 ルネサスの手元資金は9月末時点で700億円弱と半年前の半分近くまで減少している。10月1日付でNECなど大株主3社と主力取引行4行から総額970億円の資金支援を受けて当面の危機は脱したが、フリーキャッシュフローは赤字から抜け出せず、資金繰りはなお綱渡りが続く。自己資本比率は13%と半年前の半分程度の水準で、財務の再建は喫緊の課題になっている。

 ルネサスが9月に募集した早期退職優遇制度には想定を2000人程度上回る7446人が応募した。固定費の削減にはつながるが、グループ全体の2割近い急激な人員削減は両刃の剣だ。残った従業員の残業時間を増やしたり、期間工を採用したりすることで業務への影響を最小限に抑えるというが、既に売却や譲渡を表明している工場の従業員は忠誠心を保てるだろうか。品質低下や納期遅れなどが発生すれば、競合他社への顧客流出などを招く可能性もある。

 米インテルの2012年7〜9月期決算が減収減益となるなど、世界の半導体景気が曲がり角を迎えているにもかかわらず、ルネサスが今回、2013年3月期の業績計画を据え置いたことにも疑問符がつく。

 同社は2013年3月期に通期で210億円の営業黒字を予想している。単純計算すれば、下半期で443億円の営業黒字を稼がなければならない。半期ベースで3期連続で営業赤字が続くルネサスにとって、簡単に達成できる数字ではない。

 しかも、ルネサス経営陣は2013年3月期の業績予想について「欧州の債務・金融問題の長期化などが業績に与える影響を慎重に精査し、修正が必要となった場合には速やかに公表する」としている。危機的な状況に直面しているはずなのに、対外発表している現在の業績予想が必達目標だという覚悟があるわけでもなさそうだ。

 29日の会見では、業績不振の理由を外部要因にばかり求める経営陣の態度に業を煮やした1人の記者から、「あなた方は何が起これば経営責任を取るのか」との厳しい質問も飛んだが、佐川執行役員らがその質問に答えることはなかった。


阿部 貴浩(あべ・たかひろ)

日経ビジネス記者。日本経済新聞で中堅・ベンチャー企業部や証券部、名古屋編集部などを転々とし、2011年春から日経ビジネス編集部の片隅に席を見つける。製造業とのかかわりが長く、自動車や機械、造船など「物づくり企業」を幅広く担当。メーカーのおじ様方と飲みに繰り出しては経済実態とかけ離れた円高に憤り、震災復旧の苦労話に涙ぐむ。いつの間にやら会社近くの「六本木・麻布」より「神田・新橋」を好むようになった。

白石 武志(しらいし・たけし)

日経ビジネス記者。

時事深層

“ここさえ読めば毎週のニュースの本質がわかる”―ニュース連動の解説記事。日経ビジネス編集部が、景気、業界再編の動きから最新マーケティング動向やヒット商品まで幅広くウォッチ。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20121106/239093/?ST=print

【第129回】 2012年11月8日 莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
旧三洋電機・冷蔵庫工場を蘇らせた
ハイアールの若き経営者の汗と決断
 前回のコラムでは、旧三洋電機のタイ工場がずっと赤字状態から抜け出せなかったが、ハイアールに買収されて2年間経ったころ、呉勇という30歳の男性がそこに送り込まれ、それからわずか3年で、初めて黒字を達成したことをレポートした。

 コラムがネットにアップされると、いろいろなところから反響があった。とくに呉さんの年齢に感嘆の声を挙げた読者が多い。しかし、私はその年齢のことに対しては、逆にそんなにはびっくりしていない。今や世界を舞台にしてビジネス活動を展開させるレノボを率いる楊元慶さんも32歳で副社長、36歳で社長になったのだ。若いだけに楊さんも呉さんも懸命に働いて実績を作り、まわりの人間たちを束ねることができたと言えよう。

ハイエンド路線へ転換を決断

 ハイアールに買収された時、タイで販売されている三洋ブランドの製品はわずか4万台しかなかった。冷蔵庫の生産台数こそ62万台となっていたが、ほとんどはOEM生産で生産台数を稼ぎ、工場をなんとか維持していたのだ。

 ただ、2007年にタイ工場をハイアールが引き継いだからといって、すぐに大きく局面を打開できたわけではない。2ドア冷蔵庫といくつかの1ドア冷蔵庫がなんとか販売されているが、タイ全国でハイアール製品を販売する店舗は30にも満たなかった。トップの人事異動も頻繁に行われていたので、呉さんの赴任を冷ややかに見るタイ社員も多かった。長く勤まらないだろうと見ていたからだ。「成功するまで絶対ここを離れない」と呉さんは社員たちの不安を払しょくするのに懸命になった。

 同時に現状をどう打開するのか、社員たちと一緒に考えた。人口が約6600万人のタイには、たくさんの海外資本系の家電メーカーが進出し、いろいろなブランドもある。海外ブランドだけでも10以上あり、うち9つがタイに現地工場を持っている。冷蔵庫市場はもっと厳しい。市場需要が年間150万台くらいであるのに、工場の製造能力は700万台にも達しており、過当競争にさらされている。

 三洋電機時代は、この過酷な市場に低機能・低価格の冷蔵庫を出すという対応策を取っていた。経営が委譲されてからのハイアールもその路線を2年間続けていた。しかし、呉さんは、「ローエンド戦略では、短期間で収益を引き上げることができるが、長期的には無理だ。ハイエンド路線を選べば、これから進む道は大変かもしれないが、大きく成長につながる可能性がある」と見た。私の取材に対して、呉さんは、「ある程度自信ももっていた。世界一の製造力をもっている本社に支持してもらえば、比較的手ごろな価格でハイエンドの新製品を開発できると思っていた」と答えた。

門前払いを乗り越えて

 問題は、ものを製造すれば必ず売れるとは限らないことだ。販路を切り開かなければならない。タイでは、日本、韓国の家電メーカーが数十年来同国の市場を制覇しているため、そのブランドの認知度がものすごく高く、後発組のハイアールの存在やそのブランドに対する認識はないに等しい。デパート、スーパー、ショッピングセンターなどに専門店をもつ大手販売業者とのビジネス関係の構築は、そう簡単にできるものではなかった。

 タイには、バンコク首都府のほかに76県もある。それで呉さんは販売会社の社員を連れて、その70以上の県を回った。しかし、ハイアールのブランドが深く認知された中国国内と違って、海外での市場開拓は大変だった。門前払いを何度も食わされた。

 たとえば、チエンラーイ県にあるハイエンド販売チャネルをもつ販売会社を訪問したとき、1回目はあっさりと断られた。辛抱強く交渉して2回目の訪問を受け入れてもらったが、開口一番、「中国製品は品質が悪くて、信用度も低い。さらにハイアールはタイで自社のブランドを作り上げる意識もあまりないため、消費者はハイアールを信じてくれない。ハイアールと提携することは、弊社のイメージに悪影響を与えるおそれがある」と言われてしまった。

 深夜のバンコクの喫茶店で、こういった苦労話に思いを馳せる呉さんの表情は先ほどの笑顔から厳しいものへと変わった。

「中国貴州で合弁会社の社長を務めていた時も大変だったが、会社のブランド力という大きなバックアップが背後にあった。しかし、ここは海外だ。ハイアールのブランドイメージは国内とはまったく違う。すべてゼロから、いや、マイナスという状態からスタートしなければならない、と販売会社を回ってから意識し始めた。ただ、逃げ道はない。他の企業ができたことは、ハイアールにも絶対できる。実績を作り、実力をみせてやるしかない、とタイに来てからまずこの決意を固めた」

 絶対逃げない姿勢で取り組んだ販路拡大作戦は、次第に効果がでてきた。呉さんの説明にいくらか心を揺るがした大手販売業者のHomePro社の社長は、傘下の1店舗に限り、3ヵ月の期限でハイアールの製品のテスト販売を認めた。3ヵ月後にもし販売成績に評価できるものがなければ終わり、という条件付きの協力を認められた。

 それからの3ヵ月間で、呉さんと販売チームの共同努力で、そのテスト店舗でのハイアールの売り上げが十数ブランドの中で上位3位に入った。こうしてこの貴重なチャンスから、ハイアールの製品がHomePro傘下のすべての店舗に進出することができた。そして、それはまた噂になり、他の業者もこれまでかたくなに閉めていた門戸を開け、ハイアールを受け入れるようになった。

 こうして三洋電機時代からハイアールに変わった5年間で、タイ市場におけるハイアールの売り上げは7.5倍増え、毎年の伸び率が30〜50%に達し、製品の平均価格も倍増し、今年ついに黒字になったのである。
http://diamond.jp/articles/print/27572


http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/442.html

記事 [国際7] イラン米国大使館人質事件秘話 「アルゴ」が思い起こさせる米国の闇   環境問題解決し、夢は火星旅行

JBpress>リーダーズライフ>映画の中の世界 [映画の中の世界]

イラン米国大使館人質事件秘話 「アルゴ」が思い起こさせる米国の闇

2012年11月08日(Thu) 竹野 敏貴
 米国大使館人質事件から33年、11月2日、イラン各地で大規模な反米デモがあった。

 その一方で、10月3日には、マフムード・アフマディネジャド政権に抗議するデモ隊と治安部隊が衝突している。核開発疑惑尽きないイランに対する経済制裁は強化されるばかり、いまや通貨リアルの暴落や物価高など社会不安が広がっているのだ。

イランの米大使館人質事件


イランの首都テヘランの顔アーザーディー・タワー
 そんな中、大使館人質事件を描いた米国映画が世界中で公開されている。日本では「CIA史上、最もあり得ない救出作戦 それはニセ映画作戦だった」と宣伝されている『アルゴ』(2012)である。

 映画でも、冒頭、事件に至る経緯が簡単に語られているので、ここでも軽く(とはいえ、もう少し細かく)おさらいしておこう。

 1951年、イランでは、民族主義的なモハンマド・モサデクが首相に選出され、英国にいいように支配されてきた石油利権の国有化に成功した。

 ところが、1953年、CIAがMI6と共謀してクーデターを起こし、モサデク政権は崩壊。事実上亡命状態にあったパーレビ国王が復権し、以後米国の強力なバックアップの下、上からの改革で経済成長を目指す開発独裁を進めていく。

 しかし、大胆かつ急速な近代化、すなわち西洋化を進めたことで、保守層は激怒。秘密警察SAVAKにより権威主義体制を強化したことも住民を苦しめ、広がり続ける格差のなか、左翼とイスラム主義者による反体制運動が激化することになる。

 そんな1979年1月、パーレビはイランの地から逃げ去り、米国への入国を希望する。時の大統領ジミー・カーターは、予測され得る対立を思い、入国を回避しようとするも、ヘンリー・キッシンジャーなどの働きかけもあり、ガンを患うパーレビへの「人道的見地」による入国をしぶしぶ認めたと言われている。

 そして、亡命していた宗教指導者ホメイニ師が入れ替わるように2月に15年ぶりに帰国しイスラム革命が成立、11月4日、米国大使館にパーレビの引き渡しを要求する国民が大挙押し寄せ、52人の外交官や海兵隊員などを人質としたのであった。

 こうして、ペルシャ湾における米国の重要な親米国家イラン、米国とイランとの特別な関係は消え去ったのである。

 ここまではよく知られた話だが、これにはちょっとした秘話もある。

 この時、6人が脱出に成功、カナダ大使の私邸に匿われていた。しかし、いずれその身元は割れるはず、と早急なる国外脱出作戦が遂行されたのである。

ありがとうカナダ!


Ksar Hedadaは「スターウォーズ・エピソード1・ファントムメナス」のロケ地であることを示す看板
 無事帰国を果たした時、至る所に「Thank you Canada」なる横断幕が掲げられ、カナダ大使ケン・テイラーは米国市民を救った英雄として米国議会から表彰された。

 この「秘話」は、米加の人にはお馴染みかもしれない。しかし、『アルゴ』が語るのはその脱出にCIAの極秘作戦が遂行されたというさらなる秘話。

 事件から18年経った1997年9月、機密扱いを解除されているのだが、世間に広く知れ渡ることがなかったものだ。

 もはや米国人が国内で大手を振って活動できない状況にあったイランで、考えついたシナリオは、6人をSF映画のロケハンで訪れたカナダ人スタッフになりすまさせ脱出させるというものだった。

 荒唐無稽にも思えるこの「イランでSF映画を撮る」という話が信じるに足り得たのも、SF映画に沸く時代の空気があったから。

チュニジアの観光名所となったロケ地


『007 リビング・デイライツ』のアフガニスタンのシーンは、チュニジア同様の北アフリカの国モロッコで撮られており、アイト・ベン・ハッドゥーは数々の映画のロケ地として知られ、観光客も数多く訪れる。
 遡ること2年、1977年にはSF映画ブームの起点となる『スター・ウォーズ』が公開されていた。そして、この映画で未知なる星の雰囲気を作り出したのがチュニジアの風景。

 シリーズを通じてロケ地となったこの地は、今や、チュニジアの観光名所となっている。

 同様に変化に富んだ風景に恵まれているイランは抜群のロケ地とも言え、雨後の筍の如くB級SF映画が製作され続けていた時代にはまことに自然なことだったのである。

 「この米国CIAの関与を公表すれば自分の点数稼ぎになったかもしれないが、安全第一と考えそうしなかった」旨、ジミー・カーターのコメントが最後に流され映画は終わる。

 そんな奥ゆかしい姿勢に、映画を見た者は感心させられたかもしれないが、6人の脱出劇が成功したとはいえ、52人は大使館に残されたままという現実を忘れてはならない。

イランと似た境遇の国、ニカラグア


スター・ウォーズのチュニジアのロケ地
 当然、脱出計画が練られ、4月、陸軍海軍空軍海兵隊総動員で「イーグルクロー作戦」なる人質奪還が試みられた。

 しかし、結果は不測の事故が相次いだこともあり、大失敗。そのことがさらなるイラン政府の態度の硬化を招き事件は長期化、カーター政権への風当たりも強くなる一方だった。

 1980年7月、パナマなどを経て亡命していたエジプト・カイロでパーレビが死去、81年1月20日、ようやく人質は解放されることになるのだが、それは、80年11月の大統領選に惨敗したジミー・カーターがホワイトハウスをロナルド・レーガンに明け渡した日という皮肉なものだった。


ニカラグア 高台に展示されている戦車
 中米にもイランとよく似た境遇の国があった。ニカラグアである。

 1936年から続くソモサ一族3代に渡る長期独裁に住民は苦しみ続けていたこの国は、米国の強力なバックアップの下、政権は安定していた。

 ところが、キューバ危機の頃から、「サンディニスタ運動」なる反政府運動が展開され、1979年、イラン同様にソモサ一族は追い出されてしまう。こうして革命政府は成立した。

 ところが、それから10年間にわたり、新たなる敵「コントラ」との戦いを強いられることになってしまうのである。


オアシスの伝統的住居Ksar Hedada
 そんな時代のニカラグアで内戦に巻き込まれていく英国人の物語『カルラの歌』(1996)でも語られているのが、「コントラ」の後ろ盾がまたもや米国という事実。

 そしてそこへの援助資金が、もう1つの反米革命政府イランへ武器を売却して稼いだ裏金だった、というあきれるばかりの政治の闇は「イラン・コントラ事件」として、レーガン政権を揺るがす大スキャンダルとなった。

 今ニカラグアは、かつて「コントラ」と戦った時代に大統領だったダニエル・オルテガが大統領に復帰、変わらぬ反米姿勢を示し続けている。

 米国は、中米ではニカラグアからの革命の伝染を恐れ、中東ではイラン革命の影響を心配した。しかし、革命の蔓延は米国のみならずイランの近隣諸国にとっても脅威だった。

 長い間、イランとの国境紛争があった西隣のイラクはスンナ派がシーア派を支配する構図もあって、シーア派によるイラン革命を機に、サダム・フセインはイランイラク戦争を始めてしまう。

 その脅威は、東隣のアフガニスタンに、1979年12月、ソ連が侵攻する要因の1つにもなった。そしてソ連軍が支援する共産勢力政府に対し、米国は反政府勢力ムジャヒディンを支援する様が『007リビング・デイライツ』(1987)にもあるのだが、そんななかにウサマ・ビンラディンがいたのである。

ムハンマドを侮辱したとされる映像から反米デモが広がった


ルーカス・フィルムでは、『レイダース 失われた聖櫃』のエジプトのシーンも、チュニジアで撮っている
 こうして、イラン革命のあと、隣国でサダムとオサマという難敵を自ら養成してしまった米国。

 11年後の湾岸危機に始まるイラクとの対立、そのさらに11年後に発生した9.11同時多発テロに続くアルカイダとの戦い、そんな泥沼の戦いも自ら招いたもの。そして、今に至るまでイラク、アフガニスタンの地に平穏な時は訪れていない。

 事件から11年、今年の9月11日を迎えるに当たって、バラク・オバマ大統領は対テロ戦争の成果を訴えるだけで、それ以上踏み込んだ発言はしなかった。

 しかし、その直後、エジプト、リビア、イエメン、スーダン、チュニジア、インドネシア、パキスタン、アフガニスタン・・・、預言者ムハンマドを侮辱したとされる映像をめぐり、反米デモが世界各地に広がっていった。

 それでも、大統領選の討論会で「イラク戦争を終結させ9.11をもたらした者たちに再び焦点を当てた」と、同じようにイラク戦争終結とビンラディン殺害の意義を強調するばかりだったオバマ大統領。

 そんなオバマ大統領と友人関係にあるというハリウッド・リベラルの代表ジョージ・クルーニーが製作した『アルゴ』では、初めわずか2分ほどだが、米国の介入がイランに独裁政権を呼び込んだ経緯について触れてはいる。

 しかし、本筋に入ってからは米国人目線に終始しているから、映画を筋だけで追う人々のイランへの印象はよくないはずだ。

 特に若年層には敵国としてのイメージしかないわけだから、これでは米国に非の一因があるのでは、と自省することなど望めそうにない。

 9月にはカナダが外交凍結を発表するなど、イランと西欧諸国の間の緊張が高まりつつあるなか、政治への関心高まる大統領選直前というタイミングで公開されただけに、ちょっと残念・・・。

(本文おわり、次ページ以降は本文で紹介した映画についての紹介。映画の番号は第1回からの通し番号)

(643)アルゴ (222)(再)スター・ウォーズ (190)(再)007リビング・デイライツ
(644)カルラの歌
643.アルゴ Argo 2012年米国映画


アルゴ
(監督・主演)ベン・アフレック
(出演)アラン・アーキン、ジョン・グッドマン

 1979年、テヘランの米国大使館がイラン国民に占拠され52人が人質となった。

 その混乱のなか、6人が逃亡に成功、カナダ大使の私邸に潜んでいることは、まだイラン当局には知られていなかった。

 それでもいずれは分かること。その前に国外に逃げなければ命が危ない。そこで呼び出されたのが人質奪還のプロであるCIAのトニー・メンデス。

 トニーはハリウッドの大物プロデューサーと特殊メイクの第一人者の協力を得、6人を架空のSF映画のスタッフに仕立て逃亡させるというシナリオを思いつく。

 そしてイランへと向かったトニー・・・。

 本作での描き方はCIAの活躍ばかりが目立ち、カナダの果たした役割が無視されているとの批判がカナダでは少なからず起きた。

 この脱出劇が露見した1980年、カナダはイランと国交を絶った。しかし、米国とは違い1990年代には国交は正常化していたのだが、今年9月、核開発を続けるイランは世界の脅威として、外交関係を凍結すると発表している。

222. (再)スター・ウォーズ Star wars 1977年米国映画


「スター・ウォーズ」
(監督)ジョージ・ルーカス
(出演)マーク・ハミル、ハリソン・フォード
(音楽)ジョン・ウィリアムス

 1970年代後半、一部のパニック映画(ディザスタームービー)を除外すると、規模も人気も落ちる一方だったハリウッド映画に再び活気を取り戻させる契機となった記念碑的SF大作。

 スケール感たっぷりの宇宙を舞台にして、ヒーロー、ヒロインが大活躍するというまさに娯楽映画の原点へと回帰した作品である。

 スティーブン・スピルバーグ監督作『未知との遭遇』とともに、映画界にSFブームを巻き起こした。

 予算の関係もあり小編成の曲に頼っていた映画音楽にも、ジョン・ウィリアムスの手によるドラマチックなスコアにロンドン交響楽団という超一流オーケストラの堂々たるフルオーケストラ演奏を配し、今では誰もが知る映画音楽の「クラシック」となっている。

 スピルバーグやルーカスの細部にまでこだわる姿勢から、2人はいわゆる「オタク文化」の雄ともされ、社会の裏側に潜伏していた「オタク」たちが市民権を得ていく礎ともなった。

189. (再)007/リビング・デイライツ The living daylights 1987年英国映画


「007 リビング・デイライツ」
(監督)ジョン・グレン
(出演)ティモシー・ダルトン、ジョー・ドン・ベイカー
(音楽)ジョン・バリー (主題歌)アーハ

 シリーズ第15作で、4代目ジェームズ・ボンド、ティモシー・ダルトン登場作。前作まで続いた荒唐無稽さが目立ったロジャー・ムーアのボンドと対照的に、醸し出すシリアスなムードがスパイの世界をリアルに感じさせると評判となった。

 物語後半になって、ボンドはアフガニスタンのソ連軍基地へと連行されることになる。そこには、武器商人や麻薬を資金源にしているソ連軍将校がいるのだが、ボンドはムジャヒディン幹部の協力を得て脱出に成功する。

 本作が製作された1987年は、ソ連アフガン戦争末期の頃。

 1978年に成立したアフガニスタンの共産政権に反抗する勢力だったムジャヒディンが、79年に侵攻してきたソ連に対しても抗戦したことから、米国もCIAを通じて支援を続けていた。

 この組織に、ウサマ・ビンラディンがいたことは今では有名な話である。

644.カルラの歌 Carla’s song 1996年英国映画


カルラの歌
(監督)ケン・ローチ
(出演)ロバート・カーライル、オヤンカ・カベザス

 1987年の英国グラスゴー。バス運転手のジョージはニカラグア人女性カルラと知り合い心惹かれていく。

 そんなある日、ジョージはカルラの自殺未遂の場に遭遇。カルラの心のうちにあるかつての恋人のことを知ることになったジョージは、ともにその故郷ニカラグアに向かうことを決意する。

 しかし、その地でジョージが目にした現実は・・・。

 サンディニスタとコントラの間で内戦が続くニカラグアを舞台に愛する者のかつての恋人を探す旅に、顧みられることの少ないニカラグアの現実と切ない恋物語をオーバーラップさせている。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36493


環境問題解決し、夢は火星旅行

2012年11月8日(木)  Bloomberg Businessweek

NASAの委託で今年、国際宇宙ステーションに無人宇宙船で物資を運ぶことに成功した。民間宇宙旅行の実現を間近にする一方、EV事業や太陽光発電事業も展開するマスク氏。人間を炭素と地球から解放するとの目標を掲げる異色の起業家の素顔に迫る。
 イーロン・マスク氏(41歳)は毎週金曜日、同氏が創業したEV(電気自動車)ベンチャー、米テスラ・モーターズのエンジニアを、ロサンゼルスにある古い格納庫に集めて会議を開く。この建物は現在、同社の研究開発拠点だ。

 会議でマスク氏は、開発チームの進捗状況を確認し、デザインについて率直、というより往々にして辛辣な批評をする。7月の会議もそうだった。格納庫には、次に発売予定のSUV(多目的スポーツ車)「モデルX」のパワートレイン(駆動システム)の試作品と車内の実物大模型が置かれていた。

 マスク氏は前方座席上にある「サンバイザー(日よけ)」に目を留めた。気に入らなかったらしく、縫い方が悪いために布地が盛り上がっているのを発見すると、「魚の口みたいだ」と痛烈な一言を発した。そして、世界一のサンバイザーを見つけてきて、それよりいい物を作れ、と命じた。

自社より大手のクルマも一刀両断

 会議の場はその後、ライバルのクルマが何台も置かれている駐車場に移った。マスク氏は190cm近い長身を曲げて、現代自動車の高級セダンやホンダの高級ブランド「アキュラ」のSUVに乗り込んだ。アキュラの窮屈な3列目の座席に座ると、「小人の洞窟みたいだな。ほかのクルマのひどさを知ることも重要だ」と言った。

 ちなみにホンダが昨年販売したハイブリッド車は20万台、トヨタ自動車のそれは62万9000台だ。これに対し、テスラが2003年の創業以来、9年の間に生産した台数は2450台だ。

 自動車業界は厳しい状況が続いている。テスラも開発の遅れや品質問題に悩まされ、財務面で倒産の危機にも直面した。にもかかわらず、恥ずかしげもなく自社より圧倒的に大きいライバルの努力の結晶を一刀両断にする。だが、そんなマスク氏を友人も同僚も驚かない。彼らによるとマスク氏は、スティーブ・ジョブズ氏と米石油王ジョン・D・ロックフェラー氏と実業家ハワード・ヒューズ氏*1を足したような人物だ。

*1=1905年12月24日〜1976年4月5日。父親が開発した石油・ガスの掘削機の特許から莫大な資産を手にし、それを元手に映画製作や飛行家活動を展開、米国を代表する実業家として知られる

無人宇宙船のドッキングにも成功

 マスク氏と米電子決済大手ペイパルを創業し、エンジェル投資家としても知られるピーター・ティール氏は、「彼が始めた会社は、数年先ではなく、何十年も先になって評価されるような構想を実行している」と話す。

 マスク氏のこの1年は、映画にでもなりそうだ。5月には2002年に創業した宇宙ベンチャー、スペースXが、フロリダ州ケープカナベラル米空軍基地から高さ69mのロケットを打ち上げ、民間企業としては初めて、地球から350km離れた軌道を回っている国際宇宙ステーションに無人宇宙船「ドラゴン」をドッキングさせることに成功した*2。

*2=同社は10月7日にもドラゴンを打ち上げ、国際宇宙ステーションに食料や実験機器などの物資を輸送、同28日無事地球への帰還を果たしている

 同社に物資の輸送を委託した米航空宇宙局(NASA)もこの快挙に、「文句なしの偉業だ」との賛辞を贈っている。

 一方、2010年に株式公開したテスラは、6月に新型セダン「モデルS」の出荷を開始、近く全米に築いた充電ステーション網も発表する予定だ。

 マスク氏が会長を務める米ソーラーシティは、住宅向け及び商業用太陽光発電ベンチャーで、既に2万8000強の顧客を持つ。間もなくIPO(新規株式公開)する予定*3で、時価総額は約15億ドル(約1200億円)に達するという。

*3=同社は米ナスダック市場に上場すべく、10月6日に株式公開の申請をした

 マスク氏はテスラとスペースXのCEO(最高経営責任者)も務め、この3社の最大株主でもある。彼の資産は、ソーラーシティIPO後には軽く30億ドル(約2400億円)を超えるとされる。

 3社がうまくいけば、今後もあり得ないことを実現し、人々に夢を与え続けるだろう。


スペースXは今年5月、無人宇宙船「ドラゴン」を打ち上げ、民間企業としては初めて国際ステーションへのドッキングに成功、NASAからも絶賛された(写真:ロイター/アフロ)
「問うべきを考え出せば後は簡単」

 マスク氏は、「今後半年がテスラにとって正念場となる。年間2万台以上生産し、25%以上の粗利益率を達成したい。実現すれば自動車業界では最高に近い水準となる」と話す。

 スペースXは、2017年までの宇宙旅行代として既に約30億ドル分の予約を抱えている。とはいえ、まだ有人の打ち上げも成功させていないし、その機材の開発も終えていない。

 マスク氏が狙うのは事業としての成功だけではない。「我々はまだ持続可能なエネルギー生産という課題を解決していないし、複数の惑星で生活することも実現していない」と同氏は言う。

 マスク氏は南アフリカ共和国のプレトリアで、アパルトヘイト(人種隔離)が残る最後の時期*4に、3人兄弟の長男として育った。父親は建設会社を経営し、母親は栄養士だった。

*4=アパルトヘイトは1991年にフレデリック・デクラーク大統領が廃止を打ち出し、94年に全人種による初の総選挙が行われ、完全に撤廃された

 両親は彼が9歳の頃に離婚、考えられないほどの自由を謳歌した。自家製爆弾やロケットを作るのが好きで、「指が全部残っているのは幸運だ」と話す。

 一方、10代前半で「自分はなぜ存在しているのか」という問題に直面し、哲学書から宗教関係まで本をむさぼるように読んだ。弟のキンバルによると、「彼は1日に2冊読んでいた」という。そうした中で、「尋ねるべき質問が何かを考え出すことが大変なわけで、一度それができたら、残りは本当に簡単だということを学んだ」とマスク氏は語る。そしてこう続けた。

 「我々がどんな問いをすべきかをより深く理解するには、人間の意識の範囲や規模を増やしたいと熱望すべきだという結論に達した。唯一道理にかなうと思えるのは、より大きな共有できる啓発を得ようと努力することだ」

 15歳で、自己実現すべく米国に行くことを決断。母親がカナダ人だったので、まずカナダのパスポートを入手し、航空券を買って、ほとんどカネを持たずにモントリオールに降り立った。

 その年、マスク氏は事前に連絡もせず、カナダにいる遠い親戚の家々を突然訪ねては、農場で働かせてもらい、野菜畑の面倒を見たり、穀物をシャベルで掘ったりして過ごした。

 結局、カナダのクイーンズ大学に進学し、2年学んだ後、米ペンシルベニア大学で経済学と物理学の学士号を取得。その間、書籍を電子スキャンするサービスとウルトラキャパシターを使ってエネルギーを蓄えるというベンチャー事業の計画も立てた。当時、デートの相手にEVの素晴らしさを滔々と語り、退屈させていたらしい。

スタンフォード大学院退学し創業

 ただ、自らの壮大な事業計画を実行に移すには資金が必要だった。そこで1995年、スタンフォード大学の大学院で応用物理学を学んでいたマスク氏は大学院を辞め、弟のキンバルとZip2というネット上で地図や住所録を提供する会社を創業。2人は4年後、この会社を米コンパック・コンピューターに3億ドル(約240億円)強で売却した。

 マスク氏はこれを原資に、オンライン金融サービスを展開するX・ドット・コムを立ち上げた。後にペイパルとなる会社だ。マスク氏は、同社の最大株主で、2002年に米イーベイに15億ドル(約1200億ドル)で売却するまでCEOを務めた。

 この売却で1億8000万ドル(約144億円)を手にすると、その資金をスペースXとテスラ、ソーラーシティ、そしてデータセンター向けソフト会社のエバードリームなどに投じた。

 だが、テスラが2008年に開発の遅れとそのコスト増から倒産の危機に瀕すると、「素人の遊び」に天罰が下ったのだと批判され、自動車業界のブログ「クルマの真実*5」は、「テスラが死ぬのを見よう(Tesla Death Watch)」と題した特集まで展開した。

*5=The Truth About Cars

 そうした中、マスク氏は自分の最後の資金300万ドル(約2億4000万円)を投じ、友人から借金も始めた。既に大学時代の恋人だった妻との結婚生活は破綻しており、当時世界で最も高価なクルマだった愛車「マクラーレンF1」も売り払った。「最悪だ。『俺は一体、どうすればいいんだ』という感じだった」と、マスク氏は当時を振り返る。

絶体絶命の事態に救いの神登場

 ところが、そこに救いの神が現れたのだ。米デルがエバードリームを買収、最大株主だったマスク氏の手元に2009年初め、1億2000万ドル(約96億円)が転がり込んだ。

 トヨタが2010年、カリフォルニア州フレモントにある工場を閉鎖すると、マスク氏はこれを4200万ドル(約34億円)で購入。同工場はトヨタが「カローラ」「タコマ」などを1日に1452台生産していたが、今ではテスラがモデルSを1日に6台作っている。

 巨大なアルミ板が切り分けられ、大型プレス機でモデルSのシャーシとボディーに作り込まれていく。別の場所では従業員がリチウムイオン電池パックを組み立て、ロボットが微妙なタッチで部品を取りつけていく。

 完成車は厳しい検査を受ける。出荷前にはマスク氏も自ら1台1台を確認する。生産担当の副社長ギルバート・パシン氏は、「年末までに日産100台になる見込みだ」と言う。テスラやスペースXの多くの社員と同様、パシン氏も大手ライバル(彼の場合はトヨタ)から引き抜かれた。

 モデルSの価格は約5万ドル(約400万円)から。7人乗りで、4.4秒で時速約100kmに加速、1回の充電で300マイル(約480km)走行できる。モーターがスイカくらいの大きさしかないので、車内スペースは大きい。後方のトランクに加えて、前方にはエンジンを置く代わりに同社が「フランク」と呼ぶ荷物を置くスペースもある。

 テスラは、従来のようなディーラー網は展開していない。小さな店をサンノゼの高級ショッピングモールのような場所に出店しているだけだ。同店がアップルストアに似ているのは偶然ではない。マスク氏が2010年に、アップルの小売り戦略を考案したジョージ・ブランケンシップ氏を雇ったのだ。

 サンノゼ店の中央には、赤のモデルSが置かれている。隣には車体を外し、電池パックとモーター、パワートレインだけを載せたフレーム部分だけを見せている。壁のタッチパネルでは、EVを買うと燃料代をどれだけ節約できるか計算したり、自分で好きなデザインのクルマを決めて中央の大型スクリーンに映し出したりもできる。

 販売員は歩合制ではない。「ディーラーは在庫をなくそうと自分が抱えるクルマを売りたがるが、我々のゴールは、顧客とテスラやEVとの間に関係を築くことだ」とブランケンシップ氏。

 つまりテスラは、米アップルの「iPod」や「iPhone」と同じように、クルマを「道具」であると同時に「主張の手段」としても位置づけたいと考えている。「モデルSは(試乗なしで)、既に数千件の予約を抱えている」(ブランケンシップ氏)。テスラの店舗は今、世界に24店あるが、年内に10店以上増やす計画だ。

3年以内に宇宙旅行を実現

 スペースXの本社は、テスラのR&Dセンターの隣にある。米ボーイングが以前、機体を生産していた場所で、現在同社から借り受けている。スペースX本社の入り口近くの様子はまさにハイテク企業で、オープンフロアには何列も机が並ぶが、30mも進むと様相が一変する。そこには、約8340坪もの組み立てスペースが広がるのだ。

 ここで同社のカプセル型の宇宙船ドラゴンの部品の80%が作られる。圧搾空気の音や金属ドリルの騒音の中、数百人がフロアを歩き回ってカスタムメードの機械を扱っている。床にはロケットのエンジンと高さ約4.3mのドラゴンが点在する。

 ドラゴンは、約5.9トンの物資を運べるよう設計されており、マスク氏は近い将来、このドラゴンに毎回7人を乗せて宇宙に運びたいと考えている。

 スペースXは来年8回、再来年には16回の打ち上げを目指している。この目標を達成すれば、同社は世界の商用宇宙飛行の大半を担うことになる*6。同社は、宇宙ステーションに1人送るのに現在は6300万ドル(約50億円)かかるが、3年以内に2000万ドル(約16億円)に引き下げることを目標にしている。

*6=英ヴァージン・グループのリチャード・ブランソン会長が創業したヴァージン・ギャラクティックといった企業も宇宙旅行の予約を既に受け付けている

 スペースXは、マスク氏が今、手がけている事業の中で最も堅実で、多数の予約も抱えていることから利益も確保されている。

 スペースXの役員スティーブ・ジャーベットソン氏は、マスク氏が宇宙で動くものについて並外れた直観を持っていると言う。同氏によると、最大積載量に応じてエンジン仕様を適合できるモジュールデザインを考案したのはマスク氏で、これにより過去にない安全で、コスト効率の高い宇宙船を開発することができたのだという。そして、このことが同社を米国で唯一、宇宙ステーションへの人や物の往来を担える企業にしたのだ。

新たな移動手段も開発中

 マスク氏は一緒に働きやすい人間ではない。元従業員は皆、オフレコで彼が独裁的で他人の感情を害しても気づかない人物だと言う。だが、そばを離れない社員は彼を愛しているようだ。

 スペースXの社員は、宇宙ステーションにカプセルを飛ばしている間、ずっと徹夜が続いたが、工場には常に誰かいた。生産ラインから完成したモデルSが出てくるのを見たテスラの社員は、星条旗を振って涙を流していた。

 マスク氏は毎週数日ずつ、それぞれの工場で過ごす。地球の足かせはもちろん、人類を炭素の被害から解放する挑戦は同氏の私生活に打撃を与えている。8月には、2番目の妻とも離婚した。

 過去4年間に1回しか休暇を取らなかったマスク氏はこの夏、双子と三つ子の息子5人を連れてマウイ島へ行った。 「仕事と子供たちとの時間はうまく割り振れているが、デートにもう少し時間が取れたらと思う。でも、女性には週にどれくらい時間を割けばいいのか、10時間くらいか」とマスク氏。

 人類はもうしばし地球で暮らすと仮定して、マスク氏は「ハイパーループ」という新たな移動手段も開発中だ。詳細は語らないが、チューブのようなもので、サンフランシスコとロサンゼルス間を30分で運べる。

 「今望まれているのは、絶対衝突しなくて、飛行機より倍速く、動力源は太陽エネルギーで、駅に着いたらすぐに出発できる移動手段だ」(マスク氏)

 友人によればこの夏、技術的ブレークスルーがあったようだ。「知事や大統領と話したい。カリフォルニア州で計画中の600億ドル(約4兆8000億円)の新幹線はコストが高すぎるしスピードも遅い」(マスク氏)。両都市間でハイパーループを建設すると約60億ドル(約4800億円)程度で済むという。

 マスク氏は新しいタイプの飛行機も開発を計画中だ。「ボーイングは200億ドル(約1兆6000億円)と10年の歳月をかけて、飛行機の効率性を10%向上させた。私は垂直に上昇する超音速ジェット機を考えている。これなら飛躍的な改善となるだろう」。

 マスク氏と数時間過ごしたら、超音速チューブもジェット機も実現が目前に迫っているような気になる。だが惑星間旅行はどうだろうか。

 彼は10〜15年以内に、宇宙船で火星に行けるようになると言う。その宇宙船には多分彼も乗っているだろう。何しろ、「火星で死にたい。衝突事故ではなく」と語っているのだから。

Ashlee Vance

Bloomberg Businessweekは米ブルームバーグ社が発行するビジネス雑誌である。1929年、大恐慌の年に創刊されて以来、世界中に読者を拡大してきた。現在の読者数は約470万人を誇る。本コラムではBloomberg Businessweek誌およびBusinessWeek.comから厳選した記事を日本語でお届けします。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20121101/238902/?ST=print


http://www.asyura2.com/12/kokusai7/msg/175.html

記事 [経世済民78] 新卒採用論で無視され続けている普通の学生たちを助けよ  就職活動における「負のスパイラル」 「親バカ・バイアス」 

「新卒採用論で無視され続けている普通の学生たちを助けよ」

海老原嗣生氏に聞く「日本の雇用」(前編)

2012年11月8日(木)  金野 索一

 日本政策学校代表理事の金野索一です。
 「日本の選択:13の論点」と銘打ち、2012年の日本において国民的議論となっている13の政策テーマを抽出し、そのテーマごとに、ステレオタイプの既成常識に拘らず、客観的なデータ・事実に基づきロジカルな持論を唱えている専門家と対談していきます。政策本位の議論を提起するために、1つのテーマごとに日本全体の議論が俯瞰できるよう、対談者の論以外に主要政党や主な有識者の論もマトリックス表に明示します。さらに、読者向けの政策質問シートを用意し、読者自身が持論を整理・明確化し、日本の選択を進められるものとしています。
 今回は【雇用】をテーマに海老原嗣生氏(株式会社ニッチモ代表取締役)と対談を行いました。
 海老原氏は、産業構造の変化により製造業の仕事が減り、対人折衝能力が必要なサービス系の仕事が増えたことで雇用のミスマッチが起こっていることを関心事として述べられています。また雇用についての的外れな議論の多さを指摘しており、例えば「正社員の代替で非正規社員が増えた」という定説を否定し、データを示して、雇用問題として取りざたされている論点の多くは論理的でないと指摘しています。
 対談の中で「大企業が非正規化させたとか、大企業が悪だという話に行ってしまうから、何も解決しないのでしょう。新卒偏重の超大手が3年既卒OKにしたって、それで救われるのは、一部のエリート大学を出た人のみ。それよりも、普通の学生に、割れ鍋に綴じ蓋なペアが見つかる仕組みが欲しい」と語っており、派遣労働は雇用調整の為に維持し、それぞれに合った仕事をみつける仕組み作りを提案されています。本当は何が問題なのか、読者自身が客観的なデータから日本の問題を考えていただければ幸いです。
(協力:渡邊健、藤代健吾、高橋淳、高井栄輔)
海老原嗣生
株式会社ニッチモ代表取締役。株式会社リクルートエージェント ソーシャルエグゼクティブ、株式会社リクルートワークス研究所特別編集委員。大手メーカーを経て、リクルートエージェント入社。人事制度設計などに携わった後、リクルートワークス研究所へ出向、「Works」編集長に。著書に、『雇用の常識 決着版:「本当に見えるウソ」』、『女子のキャリア:〈男社会〉のしくみ、教えます』、『「若者はかわいそう」論のウソ』、『日本人はどのように仕事をしてきたか』、等がある。
「新卒一括採用が悪いので、若者が苦しんでいる」の嘘

金野:今回は雇用全般をテーマにさせていただいています。まずは入り口として、日本全体の雇用の現状分析から聞かせていただければと思います。

海老原:まず、なぜ地に足のついていない話ばかりが流れるのかというのが、一番の問題だと思っています。雇用の論客は、ほとんど専門にやっている人ではないわけです。濱口桂一郎さんや僕はニッチだと思います。

 例えば、新卒一括採用が悪いから若者が苦しんでいるという話は、雇用の現実からすると、逆なんですね。

金野:そうですか。

海老原:よく考えてほしいんです。まず1つ目は、ヨーロッパ型社会、欧米型社会だとどうなっているかというと、雇用というのはエリートとノンエリートの2つに完全に分かれています。日本人は欧米の働き方を語る時、多くは上位1割、若しくは数%のエリートたちを指して話をします。みな、グローバルエリート教育がされている、とかですね。

 一方で、階層化という概念がないから、同じように、ノンエリートのこともごっちゃまぜに語ります。例えば、向こうではワークライフバランスが整っていて、それで男性社員でも育児休暇をとって9時−5時で残業がない。これは明らかに、ノンエリートの話です。あちらを指して、「いいな」と言っているけれど、ノンエリートとエリートがごっちゃになって言っています。午餐(シェスタ)をとって5時即しているノンエリートに、グローバル教育なんてしてませんし、逆に、パイプライン任用で世界を飛び回るエリートが、育児休暇なんて取ってません。

若者採用、エリートしか新卒で採用してない事実

 さて、年功制の話です。欧米も日本も年齢別給与カーブを見ると、ほぼ同じ形をしています。ただし、この中身が全く違います。日本は階層分化されていないから、同じ企業に勤める限り、平均的なところの上下1〜2割にほとんどの人が入る。プラスマイナス1割5分の中にほぼ9割の人が入ります。ほぼみんながその形に沿って年功序列型企業になっているのが日本です。

 欧米はどうかというと、同じ会社の社員でもノンエリートとエリートに分かれていて、ノンエリートは年をとっても、例えば、初任給の1.5倍もいかない給与で働き続ける。例えばフランスだったら、職務階層は、一番上がカードル、その下がエタム、その次が職務限定ホワイトカラー、そしてブルーカラーとなっていますが、エタムクラスのかなりハイレベルのミドルワーカーでさえも、大体課長までしか行けません。

 その下の職務限定社員は─日本ではなぜか、スペシャリストと称揚されていますが―、係長(プロジェクトマネジャー)までしか行けない。だから、多くの人たちは、例えば、大企業に400万円で入ったとしても、500〜600万円ぐらいで生活を終えるわけです。

 ただ、カードルやLP(アメリカ)、ライテンデ・アンゲシュタルテ(ドイツ)などの、エリート階層が、超高給を稼ぐので、平均値で見れば熟年層は若年の2〜2.5倍ぐらいで日本と余り変わりません。が、中身はそういうふうに分かれている。このグラデーションだとどうなるでしょうか? 職務主義で、同一労働同一賃金に近い線で働いている人たち、せいぜい1.5倍ももらえないような人たちは、30年間、営業をやっていて、50歳過ぎても、年収は500〜600万円ぐらいです。新入社員と100万円か150万円しか違わなくて、教育の必要もない、管理の必要もない。そういう社会です。だから、若者を採る必要がないわけです。

 だから、向こうは若者の仕事が全然ない。逆に言うと、向こうの若年雇用はどういう形になっているかというと、エリート層のLPやカードルと言われている人たちは、猛烈なハイパフォーマーで、東大、京大クラスの人しか採用されない。そういう人は卒業時点で採らない限りほかの会社に採られてしまうから、大学の出口で待っていて、やはり新卒採用を行っています。キャンパスリクルーティングといって、大学の中に入っていって採用しているわけです。そういう人たちは新卒で楽々入れる。つまりあちらでも、エリート層は新卒採用なんです。

 一方で、ノンエリートの職務採用者は、基本、仕事ができない限り採用されません。なぜなら、熟年層が安いお金で働いてくれてるんだから。とすると、ノン・エリートは、卒業後、無給に近い形で丁稚奉公して仕事を覚えなければいけません。これが、インターンとかアソシエイトとか呼ばれる「若者の辛い」下積みですね。こんな感じ。つまり、企業は安くて仕事がこなせる熟年労働者が多数いるから、欧米はことのほか若年雇用に冷たい。向こうの若年失業率は大体日本の2〜3倍です。こんな感じだから、フランスでは「若年未経験者を採用した場合、2年間に限って、クビ切り放題」なんていうCPE法という名の法律が通りそうにもなりました。そうでもしないと、若年雇用をしないんですよ、企業は。

 翻って、日本ではどうか。

「誰もがエリート」の仕組み

 というと、年功序列型で、熟年層はアウトプット以上に給与をもらっている。欧米のように、仕事のできる一部のエリートの給与が高いのではなく、みんな一律に近い形で、若者の2倍以上も給与をもらっている。明らかに、払い過ぎだから企業にとっては厄介です。だから、定年によって大量に排出している。その前に役職定年があって、大幅に給与を下げている。

 一方で、そうした熟年層に比べると、若年は給与が半分以下と極めて安い。だから喜んで採用する。しかも、それだけ安いから、下働きをやりながら仕事を覚えるのも、社内でしてもらって構わない。というわけで、社外で低給の丁稚奉公するような、インターンなど経ずに採用される。こうした好循環があるわけです。

 この日本型雇用の仕組みは、若年に仕事を与えるというメリットだけでなく、もうひとう大きな長所があります。エリート・ノンエリートに分かれていないから、誰もが「昇進」を夢見て一生懸命頑張ることですね。欧米のように、社内の9割のノンエリートは、午餐だ!九時五時だ、と言わないわけです。企業経営的にみると、管理も育成もし易い。だから、この仕組みはなかなか壊れず連綿と続いています。「誰もがエリート」という夢を用意して、尻を叩く、その結果、社員全体が頑張る、という仕組みです。

データを見てみると、論理的でない

海老原:例えば、従業員数1000人以上の大卒の新卒採用が見られるマクロデータは、雇用動向調査しかありません。これは継続性のあるすばらしいデータです。このデータで見ると、従業員数1000人以上の─1000人というのは大した大企業ではないですが、1000人以上のくくりしかないので―大手企業の新卒採用数を見ると、直近5年間の平均が13万人強で、最多です。

 バブル期に当たる86〜90年でさえ11万人弱です。当時よりも1〜2割多い。80年代前半と比べると、1.8倍になっています。1970年代前半と比べると3倍になっています。景気のアップダウンがあるから短期的には循環がありますが、長期的トレンドで見れば、今は圧倒的にふえている。

 一括採用を壊せと言う人たちのロジックが僕はわからないのは、まず、1000人以上の大企業で見ると、今が13万人ぐらいです。1000人以上ではなくて、これを人気ランキング100位に置きかえて、もっとずっと狭くします。でも、世の中の学生は人気ランキング100位の企業しか知らないわけです。僕らだってそれ以外は余り知らない。

 その超有名企業に限ると、ここはここ10年の平均で1万8000人しか採用していない。リーマン・ショック前の多いときが2万6000人でした。一番少ないときが2001年のロスジェネ世代のときで1万2000〜3000人ぐらいだから、採らないときでも半分は採っている。平均が1万8000人なので、平均より3割増えるか、3割減るかというのが世の相場です。ゼロになってしまうようなことを言いますが、これは間違いですね。トータルで見ると、一番採っていない時と採っている時でも倍ぐらいの差に収まる。

トップレベルの大学を出ても「2人に1人の現実」

 でも、どちらにしろ、考えてほしいんです。ここに入れる人は、平均の2万人内外という現実を。東大と京大と旧帝大、早稲田と慶應と一橋と東工大と東京外語大学、いわゆるその筋のトップランクの大学を全部合わせると、卒業生はもう4万5000人近くいるわけです。つまり、このレベルの大学を出ても、2人に1人も入れない。そんな雇用吸収力の小さいのが、人気企業なのです。ここの雇用慣行をどうこうしろと騒いでも、それほど意味がないのではないでしょうか。

 ここを既卒3年OKにしたって、無名大学を出て、フリーターとなった人が救われるわけはないでしょう。救われる可能性があるのは、今名前を出した超上位大学の卒業生で、たまたま卒業年次が不況だった、若しくは、留学などをしていて遅れたという人ばかり。要は、「エリートの卵に、さらにチャンスを与える」だけだと思うのです。多くの、「就職できない」といっている普通の大学生には、チャンスはないでしょう。

頭を冷やして考えて欲しい

 そんなことより、頭を冷やして考えてほしいのです。

 新卒一括採用は、日本の多くの企業で行われていますが、「新卒一括採用しかしていない」企業は、超大手に限られます。一般的な大手は新卒だけでなく、第二新卒も中途も採用しています。例えば、雇用動向調査で、20代前半の転職市場(パート・バイト・学生ものぞく)は、新卒比8割の規模があることが分かります。この中には、従業員数1000名以上の大手企業が約8万人の採用をしています。新卒が13万人だから、大手に限っても6割以上の規模ですね。

 中小企業となると、既卒フリーターも多々採用しています。前期の雇用動向調査では、20代前半の既卒者からの一般社員登用が、9万人以上ある、とわかります。つまり、新卒でダメでも、こうした一般大手や中堅中小でやり直せることはいくらでもできるのです。それも、欧米のような、「インターン」だの「アソシエイト」だのといった厳しい丁稚奉公ではなくて。

金野:今言われたことは、大学生の雇用というテーマのお話だと思いますが、一方で、高卒というか、ブルーカラーの、製造業の仕事が減っていって、対人折衝能力が必要な、いわゆるサービス系の仕事がふえて、ミスマッチというお話をされていると思います。その部分についていかがでしょうか。

海老原:そうですね。そこが私の一番の関心事でもあるから、その話をしたいのですが、若者かわいそう論に入る前に、海外空洞化によってなくなったのはブルーカラーであり、不景気になってなくなったのは建設業であり、自由化によって競争力がなくなったのは農業だと、そこに気づいてほしいのです。

 これらの領域で雇用が失われ、かつて働いていた人があぶれた。非正規問題とは、この延長線上にあると思います。例えば、町工場で働いていた人たちが、工場が潰れて50歳で、工員しかやったことのない人を、どこで雇ってくれますか。実際に、非正規のデータを見ればわかりますが、40歳以上が59%、39歳以下は41%しかいません。40歳未満には学生もいますから彼らを除くと、その比率は37%にまで減ります。39歳というのは別に若者ではないですが、39歳まで含めても、学生を除くと37%しかいない。これを、35歳以下に絞ると、学生を含めても24%、学生を抜いたら、18%になります。これでも非正規は、若者の問題と言えるでしょうか。

 海外進出で確かに雇用がなくなっている。言ったように、建設業、工業、自営業、農業がなくなっている。そこのあおりを食ったのは、まずそこで働いていた人たちです。彼らは路頭に迷うか、さもなくば、非正規になるしかない。この構造をまず1つ目に僕は言っておきたい。若者かわいそう論に対して言いたいことは、現実の数字から発していない話だということです。

(後編に続く)

注釈:マトリックス表、論点表における有識者、政党の見解、ポジションについては、各有識者・政党の公表されている資料や著作物、発言等を参考に、著者と日本政策学校専門チームが、独自のフレームワークで分析・推察したものです。

金野 索一(こんの・さくいち)

日本政策学校 代表理事
コロンビア大学国際公共政策大学院修士課程修了。
政策・政治家養成学校、起業家養成学校等の経営、ベンチャーキャピタル会社、教育関連会社、コンサルティング会社等の取締役、公共政策シンクタンク研究員を歴任。
このほか、「公益財団法人東京コミュニティ財団」評議員など。
《主な著作物》
・『ネットビジネス勝者の条件ーNYシリコンアレーと東京ビットバレーに学ぶ』(単著:ダイヤモンド社)
・『Eコミュニティが変える日本の未来〜地域活性化とNPO』(共著:NTT出版)
・『普通の君でも起業できる』(共著:ダイヤモンド社)

13の論点

2012年の日本において国民的議論となっている13の政策テーマを抽出し、そのテーマごとに、ステレオタイプの既成常識にこだわらず、客観的なデータ・事実に基づきロジカルな持論を唱えている専門家と対談していきます。政策本位の議論を提起するために、1つのテーマごとに日本全体の議論が俯瞰できるよう、対談者の論以外に主要政党や主な有識者の論もマトリックス表に明示します。さらに、読者向けの政策質問シートを用意し、読者自身が持論を整理・明確化し、日本の選択を進められるものとしています。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20121031/238856/?ST=print


2000人の保護者が押しかけた就活説明会で感じた“違和感”

日経ウーマン発行人が考えるシューカツ問題の本質(第1回)

2012年11月7日(水)  麓 幸子

 「文系の保護者の方はこちらですよー」
 「理系はこちらです!」
 「今、順番にご案内いたしますので、列にお並びになってお待ちください!」

 今年10月のある晴れた土曜日、私は娘の通う大学に足を運んだ。娘はある私立大学の3年生。そう、現役の就活生である。その日は大学で就活生の保護者のための就職懇談会が開催されたのだ。行ってみて驚いた。

 会場までは保護者で長蛇の列ができており、1000人以上を収容するホールは、2階席までぎっしり埋まっていた。その模様をライブ中継し、別会場で見ている保護者もいるとのこと。主催者側が冒頭の挨拶で、その説明会には2000人もの保護者が参加していると説明した。就職指導が熱心なことで有名なその大学でも、過去最高の人数だという。

 今、大学生の就活が本格的にスタートするのは、学部生であれば、3年(大学院の場合は1年)の12月である。2014年の春に卒業予定の今の3年生の就活も、あと3週間ほどでいよいよ開始となる。首都圏では、11月の第1週目に多くの大学が学園祭を開催しているが、大きな祝祭が終わり、キャンパスはこれから日一日と就活ムードが色濃くなるだろう。

「親バカ・バイアス」が働く就活初期

 就活が本格化する前に開催された、保護者向けの説明会。子供のシューカツがどうも大変らしい、じゃあ行ってみるか――。そんな思いから、参加したに違いない保護者で会場はあふれていた。が、母親同士、夫婦連れで来た人たちからは、講演の途中で時折、笑い声や私語も聞こえて、そんなに会場はピリピリしてはいなかった。子供の就活への関心は高いものの、就活に強い大学だから大丈夫と思っているのかもしれない。筆者は、「ああ、ちょっとノンビリムードだな、今の就活の厳しさを分かってないのかもしれないな」と思った。

 そして、マズイなと思った。

 なぜ、そう思ったのか? それは、筆者は既に「就活生の親」を経験済みだったからである。

 筆者には、娘より3歳年上の息子がいる。彼は、2011年4月に社会人として働き始めた。同年3月には東日本大震災が起こり、息子の大学の卒業式は中止となった。日本中に、いや世界中にとてつもない大きな衝撃が走る中、彼は慌ただしく社会人デビューし、今2年目を迎えている。

 その息子の就活が、予想以上に大変だったのである。当時の就活は3年次の10月1日から始まっていた(2011年から2カ月遅くなり、12月となった)。だから息子の時は、もう今時分、就活の真っ最中だった。ほぼ毎日のように、リクルートスーツを着てどこかに出かけていたのを思い出す。

 当時、私は日経ウーマン編集長で、女子学生を対象とした就活用の別冊も作っていた。企業の人事関係や雇用問題の取材もしていた。新卒採用時の面接官の経験もある。つまり、就活に関しては、普通の親御さんよりも多少は詳しいと思っていた。しかし、事態は全く違っていた。本当のところは何も分かっていなかった。いや客観的な状況は把握していたとしても、それが腑に落ちるまでには至っていなかった。

 3年前、初めて就活生の親になった時に、「うちの子に限って…」という心理が働いてしまったのである。

 「シューカツは大変だって聞くけど、うちの子に限って大丈夫よね」

 「上位大学ではないけれど、それなりの有名私大だし、成績も悪くないし、サークル活動もバイトも熱心にやっているし、ルックスもまあまあだし、結構要領もいいから、サッとどこかいいところに決まるんじゃないかしら」と。

 つまり親バカなのである。そんな根拠のない自信が、就活初期の頃にはあった。しかし、それは大いなる誤算だった。息子の就職先が決まったのは、何と、それから444日後、大学4年の12月18日だったのである。もうすぐ卒論の締め切りで、さらに3カ月後には卒業というそんなギリギリのタイミングだった。

 「就活生の親」になって経験したことは、まさに想定外のことだった。今の学生の就活が大変だ、大変だと聞いていたが、まさか、ここまでとは思わなかった。

 だから、今回、娘の保護者会での多少のノンビリムードを見た時に、3年前の親バカ・バイアスのかかった就活初期の自分を思い出し、「マズイな」と思ったのだ。だからこそ、就活が始まるこの時期に、この連載で、保護者の方向けに、既に就活生の親を1回経験している身として、また就活問題を取材してきた一記者として、今の就活事情をお伝えしたいと思った次第である。

就活で孤独になる子供をさらに追い詰める親たち

 ちなみに、筆者は1962年生まれで、今年50歳。1980年に大学に入学し、1984年に社会人になった。たぶん、就活生の親御さんとは、ほぼ同世代であろう。

 そして、皆さんと一緒に、就活における親の適切な支援のあり方を考えたいと思う。

 「え、就活まで親がしゃしゃり出るの? なんと過保護な…」と思うなかれ。私も就活生の親になるまではそう考えていた。でも今は違う。

 取材を通して、子供の就活の邪魔をする親のパターンを多く見聞きした。

 「○○大学ならいい会社に行って当たり前だろ」
 「何でまだ決まらないんだ」と無用なプレッシャーをかける親。
 「男子なら銀行か商社、女子なら航空会社のCA(客室乗務員)」。
 そんなブランド就活にこだわって子供を振り回す親。

 せっかく内定をもらっても「お母さん(お父さん)、こんな会社知らないから、もっといいところにしなさい」とさらに就活を続けさせる親。

 「どこでもいいから内定をもらってきて」と焦らせる親。

 あまりに就活が決まらないため、「もう、大学院進学(または留年や海外留学)したら」と安易に先送りをすすめる親。

 これでは、子供自身が満足のいく就活はできない。なぜなら親世代の就活と今は全く違う構造になっているからだ。

 高度経済成長期の名残があり、大学から企業への移行がスムーズだった我々親の世代の就活とは、平成の「シューカツ」は全く違う。就職大困難時代を子供たちは迎えている。それを正しく理解せずに、親が昭和そのままの価値観や常識を押し付ければ、子供たちは混乱してしまう。

 就活が始まれば、子供はたくさんの情報の渦の中に巻き込まれてしまう。友達同士もライバルにもなってしまう。1人ひとり状況が違うため、相談したり、情報をシェアし合うこともできにくくなる。ツイッターで何人フォロワーがいようが、フェイスブックで承認した友達が何人いようが、就活時期は、子供は孤独になる。不安になる。

 ある大学のキャリアセンターの職員は言う。

「就職相談の時に、ワッと泣き出してしまう学生さんが多いですよ。内定が1社も決まらないと、自分の将来がどうなるか分からず不安なんでしょうね。そのうえに親御さんからもプレッシャーをかけられているようで、かわいそうになります」

 就活の主役はもちろん子供である。子供たちが主体的に進めるべきものである。しかし、親の関わり方で、子供の気持ちが楽になったり、逆にさらに苦しんだりと、様相は180度違ってくる。

 2011年、私は初めて「就活生の親」となり、そこで経験した今の就活事情や日本の若年層の雇用問題をまとめた書籍『就活生の親が今、知っておくべきこと(日経プレミアシリーズ)』(日本経済新聞出版社)を出版した。444日もかかった息子の就活の経緯に触れているため、彼自身からは評判が悪いのだが、それでも本を出版したかったのは、当時、気になるある数字を見たからである。

 2010年の自殺者3万1690人のうち、就職の失敗が原因となった自殺者は424人で、前年より19.8%増えているというデータである(警察庁・2011年)。年間の自殺者総数は減少している中にあって、2割近い増加は目立つ。もちろんそれが若年層だけとは限らないが、その数字を見た時に、どんな事情があるにせよ、親が手塩にかけて育てた子供を、就職の失敗ごときで、自ら追い詰めるようなことがあってはならないと思った。それが執筆の大きな理由だった。

日本では生涯にもわたる初職の影響

 筆者は、この春に大学院(経営学研究科)に入学した。今、修士1年でもある(だから自分自身も就活の年次なのだが)。現在、大学院で、人的資源管理やキャリア開発、企業の女性活用などを研究している。そこでますます今の若者の就活の難しさを知る。

 就活を考える前に、日本の雇用システムをおさらいしよう。

 日本型雇用システムの大きな特徴は、「終身雇用制度(長期雇用制度)」「年功序列賃金制度」「企業内労働組合」である。これは「三種の神器」とも呼ばれてきた。このシステムは高度経済成長期に基礎が形成され、1980年代に確立したと言われる。1980年代、そう我々親世代が就職した時期である。

 このシステムの「入り口」が、新卒一括採用である。一度にある程度の人数を一括採用し、長期雇用を前提として年齢別・階層別に研修を実施し、OJT(職場内訓練)やOff-JT(社外での研修など)で人材を育成する。ランク・ヒエラルキーを昇進してキャリアを形成し、管理職ポストに就き、それに見合った賃金で処遇される。そして、一般的には、60歳を定年年齢とし会社を退職する定年制が、このシステムの「出口」となる。

 経営者が、他の会社勤務の経験のない新卒者を何色にも染めやすい「白い布」に例え、それを選好する「白い布仮説」という説があるのだが、その白い布の段階で、新卒一括採用のルートに乗り、正規採用されないと、外部流動性が低く内部労働市場が発達した日本では、リカバリーが難しくなる。

 最初に就いた職業(初職)が非正規雇用だった場合は、その後の職業遍歴や総収入や年金見込み額も低い傾向にある。これは「バッドスタート・バッドフィニッシュ(Bad Start,Bad Finish)問題」と呼ばれ、欧州各国で関心が高まりつつあるのだという(出所:日本経済新聞2012年10月26日付け朝刊「経済教室」の記事)。30歳代の男性の正規就業者の未婚割合は30.7%だが、非正規就業者は75.6%というデータもある(厚生労働省・2010年)。

 つまり、就活で得た初職が生涯にわたって公私ともに大きな影響を与えることになる。だからこそ、就活が大事になる。

大卒者の5人に1人以上が安定雇用を獲得できず

 この8月、文部科学省は、平成24年度(2012年3月)の大学(学部)の卒業者55万9000人のうち、就職者は35万7000人であり、就職者のうちの「正規の職員等でない者」と、「一時的な仕事に就いた者」「進学も就職もしていない者」の合算が12万8000人となると発表した(このデータについては、日経ビジネスオンラインの上西充子氏の連載コラム「その数値にダマされるな!」の2012年8月31日の記事を参照)。


(出所:文部科学省「学校基本調査-平成24年度(速報)結果の概要‐」)
 この調査では、その12万8000人は、大学を卒業しても「安定的な雇用に就いていない者」と定義され、卒業者に占めるその割合が22.9%となったと報告された。つまり、大学まで出ても5人に1人以上が安定した雇用を獲得できていないことになる。それをこの連載では「就職難民」という言葉で呼ぶことにする。

 就職が大変だというときに、「学生が大企業をえり好みするから」「学生がしっかりしないから」「日本の学生は海外の学生に比べてキャリア意識が低いから」と、学生にだけその責任を押し付ける向きもあるようだが、筆者はその説には与しない。

 若者が大学から初職にスムーズに移行できず5人に1人以上が「就職難民」となる事実。誰が若者を就職難民にしているのか、その原因は何か、その解決策はあるのかということも一緒に考えていきたいと思っている。

 長い前置きになって恐縮だが、今回は、保護者の方に理解していただきたい4つのポイントを以下に記す。

 第1のポイントは、就活と受験は全く違うということだ。

 たぶん皆さんのお子さんは、これまで受験戦争を勝ち抜いてある程度の大学に入っているであろう(と想定する)。そうすると、その延長戦上に就活があると思いがちだが、それは間違いである。

 受験であれば、経済変動で毎年そうそう合格定員が変わるということはないし、子供が一生懸命に勉強すれば(親も塾代など経済的に支援すれば)、第一志望の大学受かることはそう難しくはないだろう。学校の指導のみならず、塾や予備校など受験のための学校外の支援システムが整っている。自分の強みや弱み、どこを伸ばしたらいいか、どこをどう補ったらいいかも分かる。合格までにやるべきことが明確である。

 しかし、就活は違う。景気変動で毎年採用人数が変わってくる。

 リクルートワークス研究所の「ワークス大卒求人倍率調査」で分かるように、2009年3月卒業の時には、求人総数が94万8000人だったが、リーマンショックの影響で、翌2010年には72万5300人まで減り、さらに2011年には58万1900人と50万人台となった(息子が就活したのはまさにこの時だった)。

大卒者を対象とした求人総数の推移

(出所:「第29回 ワークス大卒求人倍率調査(2013年卒)」 リクルートホールディングス リクルートワークス研究所)
 2012年55万9700人、2013年55万3800人で、2009年に比べると39万4200人も求人総数が減ってしまっている。それだけ就活は熾烈になっている。

受験とは違って頑張っても報われるとは限らない

 実際、受験と違って就活には頑張っても報われないことが多々ある。

 就職は、マッチングとタイミングが重要だと言われる。企業が欲しい人材の条件が、その学生とマッチしなければ、その学生がどんなに優秀でも採用とはならない。例えば、ネイティブ並みの英語力があっても、企業が中国語の堪能な学生が欲しい場合などはその学生は採用されない。そして企業が求めている条件とその学生がマッチングしていても、同じような能力やスキルを持つ学生に既に内定を出した後だったら、それも採用には結びつかない。

 また、就活はとても不透明である。受験の場合は、試験の点数という基準があるので、なぜ不合格だったかある程度自分で分かるだろう。しかし、就活の場合は、なぜ落ちたのか分からない。選考基準や選考過程がとても曖昧なのだ。

 ある上位大学の女子学生がため息をついていた。エントリーシート(ES)を30社に送ったが、そのうちの10社はエントリーシートも通らなかったという。

 「正直言ってうちの大学名があれば就活は大丈夫だろうと思っていた。まさか、ペーパーの段階で落とされるとは思ってもみませんでした」。こうした経験は、優秀な学生にとっては初めての挫折であろう。

 うちの息子は、大学4年の春に「ああ、またサイレントお祈りされているな」とつぶやいた。「サイレントお祈り」とは、筆者がこの時に初めて聞いた言葉だったのだが、企業から学生に送られる不採用通知の最後に「益々のご健闘をお祈り申し上げます」と結ばれていることから生まれた、平成のシューカツ用語である。つまり、「お祈り」とは「不採用」の意味なのである。サイレントとは、通知は来ないものの、既に不採用が決まっている状態を指す。

 面接の感触がとっても好感触に終わり、「これは面接には通った」と確信したのにNGだったという話もよく聞く。今、学生たちは、面接が終わったらすぐにその内容をSNSや就職関係のサイトに書き込む。もし、面接で学生たちに嫌な思いをさせてネットに悪口を書き込まれでもしたら企業イメージに響くことを警戒してか、見込みのない学生には優しく、上層部の面接に上げる学生には厳しく…ということもあるようだ。

 つまり、学生にしてみたら、なぜ落とされたのかさっぱり分からないということだ。そこで混乱が生じる。学生たちは人格が全否定されたような経験を何度もすることになる。前述の女子学生のように、優秀な学生ほどショックも大きいだろう。

就活は落ちるのが当たり前、その後が勝負

 第2のポイントは、就活で落ちるのは当たり前と思った方がいいということだ。

 我々親世代の頃の就活は、いろいろなところでフィルタリングがあった。大学、学部、専攻、ゼミ、性別などで、ふるいにかけられていた。志望する企業の採用試験を受けたいと思っても、自由に受けられなかった。その企業が採用しないグループに自分が属していれば、門前払いされていた。

 でも、今は違う。

 どんな学生でも志望する企業にエントリーできる。だから学生に人気のある企業には何万人もの単位でエントリーが集まる。ある人気企業では、エントリー数は4万人を超え、ES提出が1万2000人、そこから筆記試験や適性検査まで進めるのが8000人で、その後グループ選考に3500人が進み、そこから個別面接を何度か繰り返し、内定が出るのはたったの100人ほどだという。つまりエントリーからすると競争率は400倍なのである。

 人気企業はだいたいこのパターンではないだろうか。あなたは、自分の子供が400倍の競争を勝ち抜けるという確信を持てるだろうか。しかも、その選考基準は、明示されていないのだ。

 だから、就活は落とされて当たり前、第一志望に受かる方が奇跡と思った方がいいだろう。

 でも、今のこの時期、学生自身は「もしかしたら○○社に受かるかも」と思い、かつての私がそうだったように、親も「うちの子は案外いいところにいくかもしれない」と思いがちだ。この妄想段階から早めに抜け出して、一刻も早く現実を見た方がいい。

 3番目のポイントとして、就活には自分なりの戦略を持つべきだということを伝えたい。たくさんエントリーして、何社も何十社も落とされ続け疲弊して、「自分はダメだ」「どうせなにやっても無理」という負のスパイラルに陥るのは避けたい。

 もっと効果的に、戦略を持って就活を進めることが大事だと思う。就活は情報戦だと思う。イメージに振り回されず、自分なりの軸を定めて、正しい情報を集めて分析してそれを活用した方が、満足のいく就活ができる。これは次回以降に書きたいと思う。

 筆者の息子は、「音楽とお笑いと子供が好きだから」という理由で、テレビ局などマスコミやエンタメ企業にエントリーした。そして、4年の4月に第一志望である出版社の最終面接まで行くものの、そこで落とされてしまった。

 最終面接には4人が残り、そのうち2人に内定が出たという。4年次のゴールデンウイーク前に、多くの人気企業の採用活動はほぼ終わってしまう。息子はその段階で、エントリーした会社が1社もなくなった。いわゆる「持ち駒」がなくなった状態になったのである。

就活では想定外のことが連続して起きる

 さて、そこからどうなったか――。詳細は拙著を読んでいただくとして、いろいろな紆余曲折があり、今は、息子は学校で教師をしている。

 彼に言わせると「将来のホケンとして」取っておいた教員資格を生かして働いている。しかし、就活が始まった頃には、そのような結末は、親である筆者は想像できなかった。彼自身もそうだろう。

 最後のポイントは、就活はかように想定外の連続であるということだ。思いもがけないことが起こり、いろいろな気づきがあり、子供は成長していく。

 「就活は子育ての総決算なのかもしません」とある人が言った。

 大学3年である就活生は、成人式を済ませた大人ではある。しかし、就活が難しい時代、何度も挫折を経験する子供に対して、親にしかできない支援もある。そのために、親自身も正しい知識と情報を持つことが必要であろう。

■変更履歴
本文中で「CA(客室常務員)」「日本の雇用システムのおさらいしよう」とそれぞれしていましたが,「CA(客室乗務員)」「日本の雇用システムをおさらいしよう」の誤りでした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2012/11/07 10:44]

麓 幸子(ふもと・さちこ)

1962年秋田県生まれ。1984年筑波大学卒業。同年日経BP社入社。2011年12月まで5年間日経ウーマン編集長。2012年よりビズライフ局長に就任、日経ウーマンや日経ヘルスなどの媒体の発行人となる。日経BPヒット総合研究所副所長。筑波大学非常勤講師を務める。法政大学大学院経営学研究科在学中。著書に『就活生の親が今、知っておくべきこと(日経プレミアシリーズ)』(日本経済新聞出版社)。


我が子を就職難民にしないために

親世代とは全く異なる、今どきの「シューカツ」。取材ではなかなか分からなかったその実態を息子の就職活動を通じて痛切に思い知った日経ウーマン発行人が、就活生の親が知っておくべきことと就職大困難時代の乗り切り方を伝える。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20121102/238969/?ST=print

【第2回】 2012年11月7日 辻太一朗 [大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる会(DSS)代表]
日本の学生、大学、企業を骨抜きにした
就職活動における「負のスパイラル」の正体
 みなさんは就職活動の際、大学の「成績証明書」を企業に提出されたでしょうか?

 恐らくされていない方が大半なのではないかと思います。今の就職活動も同じで、特に文系に言えることですが、一部を除くほとんどの企業で大学の成績を採用の参考にはしていません。なぜなら、成績が学生の能力を表す信頼できる指標となっていないため、企業側も学校の成績では学生を評価することができないという現状があるからです。

 つまり、この成績を採用の参考にできない状態が、今の就職活動と大学教育のねじれを生んでいるのです。

 そこで今回は、そのねじれを生んだ就職活動における「負のスパイラル」について、順を追って説明していきます。

企業は成績をあてにせず、面接で合否判断
「勉強より課外活動重視」の学生が増加

 現在、多くの企業の採用活動では大学の成績を参考にしないので、市販のテストや、エントリーシートで足切りをして、その後は面接で合否を判断します。

 面接は少ない企業で3回程度、多い企業では10回以上の企業もあります。

 面接での質問は、

「学生時代にチームで何かを成し遂げたことはありますか?」
「アルバイトは何をやっていたのですか?その中でどんなことを学びましたか」
「大学時代に一番力入れたことを教えてください。そこで身についたことを教えてください」
「友人からはどのような人だと思われていますか。それを表すようなエピソードを教えて下さい」
「自分の長所は何ですか?それを表す具体的なエピソードを教えて下さい」

 というようなものです。

 企業は面接で人物像を判断する必要があるため、具体的なエピソードや、例を話すように学生に求めます。学生は、具体的なエピソードを話しやすいサークル活動やアルバイト等の課外活動の経験を話すことになります。

 面接の会話内容で合否が決定するので、学生側もそれに対応するために様々な課外活動に力をいれます。留学経験者や学生起業家、世界一周旅行者などを面接の会場では多く見かけます。

 また、就職活動で希望の企業から内定を得るためには「勉強より課外活動が大事」という話は、入学したらすぐにサークルの先輩が教えてくれます。

 実際、大学生に、就職と授業に関連してどのような話を先輩から聞いたことがあるかを尋ねたところ、

「就活で成績って見られないらしいよ。ほとんど可の先輩が大企業に内定をもらった」
「勉強するより課外活動で変わったことやった方が受かりやすい」
「自分の経験をうまく盛って話すことが重要」
「○○先生は、簡単に単位くれるからとっておくほうがいいよ」

 というような回答が返ってきました。

 ある大学の学生によると、先輩に「どんな授業をとったらいいですか?」聞くと、「楽に単位がとれる授業がいいよ。あとは課外活動やったほうが就活に有利だよ」という答えが返ってきたそうです。

 事実、ある有名大学では、楽に単位がとれることで有名な授業に、毎年定員の5倍もの受講希望者がいるそうです。

 このように、大学生は、楽に単位をくれる授業を選択して、できるだけ課外活動に力を入れるようになります。学生にとっては、授業よりも課外活動に力を入れている方が楽しいし、就職活動を考えるとその方が有利になります。

熱心に授業をするほど嫌われる先生たち
学生はつまらない授業に居眠り、私語

 そうなれば、大学の先生の考え方も変わってきます。

 学生の教育や育成に力を入れようとすると、必然的に事前の課題も出すでしょうし、授業中には学生を指名して質問もするでしょう。また宿題やレポート等を出す必要もあります。それに定期試験も、きっちりした厳正なものになるはずです。中学や高校の授業は一般的にそういうものです。しかし、大学では学生が自分で授業を選択するので、このような先生の授業を学生は選択しない傾向があります。

 このような先生は「厳しい先生」「面倒な授業」などと言われ、選択する学生が減ります。一方で、教育に力を入れれば入れるほど、自分の研究に使える時間が減ります。自分が頑張れば頑張るほど、学生も研究時間も減るのです。

 しかし、毎年同じ講義を一方的に話し、課題も出さず、ある程度出席さえしていれば単位を自動的に出す先生は、自分の授業をとる学生も多く、適当に教育をしているだけなので研究にかけることのできる時間も多いのです。

 これは、ビジネスマンでいえば、仕事に力をいれたら、顧客からは逆に評価は下がってしまい顧客は離れていくようなものです。

 今の大学の授業風景を学生に聞いてみると、授業をまともに聞いているのは前の一列に座っている学生だけだそうです。残りの学生はほとんどがスマートフォンをいじっているか、机に突っ伏して寝ているみたいです。中には先生の声が聞こえないほど、私語の多い授業もあるそうです。それでも先生は何事もないように授業をすすめています

 また試験では、普段は教室内にまばらに人がいる程度なのに、試験のヒントがもらえる可能性の高い最後の授業と当日の試験の時だけ、人が入りきらないほどの学生が出席するようです。

 試験の内容も、毎年同じテストをし、テストは記述の中に一定の語句があれば合格という先生もいます。そういう先生の試験は毎年過去問と答えが出回っていて、それを覚えれば誰でもいい成績がとれる状態だったりします。

「ねえねえ、あの授業のノート見せて!ごはんおごるから」
「先輩、○○論の去年の過去問もっていませんか?」

 というやりとりが頻繁にされているのが現状です。

 この結果、学生はますます勉強しなくなります。

「いい成績なんて何の意味もないんです。学校の授業もつまらないし、毎授業寝て、テスト前になったらとりあえず友達のノートをコピーして暗記することの繰り返しです」

 と、都内の有名大学に通うある学生は言います。

学生、大学、企業が個々のメリットを求めることで
「負のスパイラル」が起こる

 今、大学はこんな状態ですから、もちろん企業は学生の成績を採用の参考にすることができません。成績を参考にできないので、面接や自社の実施するテスト等で合否を判断する必要があります。

 そうなると、企業にとってはいつから選考を始めても同じです。4年生でも3年生でも場合によっては2年生で選考しても、結局は自社の面接等で判断する必要があるからです。そうなると、企業はいい人材を採用するためには、早くから多くの人と会う方にメリットがあります。

 また面接で判断する比重が大きいので、詳しい話、具体的な話を学生に聞くようになります。そうなれば学生はさらに勉強しなくなり、課外活動によって面接に対応できるエピソードを作ることに力を入れるようになります。

 これは、学生・大学・企業がそれぞれの状況に合わせて最もメリットがある行動をすることが、結局は他者に影響し、自分の首を絞めるような行動になっているスパイラルの構造です。

 私はこれを就活と教育の「負のスパイラル」と呼んでいます。


 このスパイラルを繰り返していくことにより、日本の大学生の学力はどんどん下がります。ただでさえ日本の経済が停滞し、大学進学率上昇に伴い大学生の希少価値は低くなりつつあります。国内に限らず、アジア各国でも大学生の数は急上昇しています。

 そんな中で諸外国の学生は目の色を変えて勉強しているにもかかわらず、日本の学生は授業に出てもスマートフォンをいじっている状態です。こうして海外と日本の知的能力差はますます広がっていきます。

 では、なぜこのスパイラルはなくならないのでしょうか。

 デフレスパイラルとは、「モノが売れないから値段を下げる」「値下げが企業利益を圧迫し、従業員の給与が下がる」「給与が下がるからモノを買わない」というものです。もともと当事者は自らの置かれた状況に対応して、メリットのある行動をしています。それが回りまわって自らの首をしめているので、なかなか解消しにくいものです。

 それに加えて就活と教育の「負のスパイラル」は、より解消されにくい要素を持っています。それは「当事者がなんとなく楽で幸せ」な状態だということです。学生にすれば、勉強するより課外活動にいそしんでいた方が面白いはずです。それが就職活動において役に立つのならなおさらです。

 学校の先生からしても、時間を割いて学生の指導に尽力するより、毎年なんとなく同じ授業をしていた方が楽です。ましてやその方が自分の研究に時間を割くことができます。企業の採用担当者側からしても、既に確立している採用方法に則ったほうが安心して採用活動にとりくむことができます。

 つまり、当事者である3者(特に学生と先生)にとっては、今がぬるま湯のような状態になっているのです。

 だからこそ、こうした状態が何十年も続いてきました。しかし、アジア近隣諸国が圧倒的成長を誇る現在、日本の学力が低下している状態は非常に危険な事態です。

 これまでの説明で、就職活動の開始時期を変えても、学生が勉強をするようにはならないことはおわかりいただけたでしょうか。日本の大学生(特に文系学生)が勉強するようになるためには、「負のスパイラル」を解消することが重要なのです。
http://diamond.jp/articles/print/27491

【第3回】 2012年11月7日 横山信弘 [アタックス・セールス・アソシエイツ代表取締役社長、米国NLP協会認定トレーナーアソシエイト]
【第3回】
「自分探し」をする前に
「目の前のこと」をやれ!
『絶対達成マインドのつくり方』を発刊した横山信弘氏は、「自信をつけるのに、モチベーションは100%必要ない!」と言い切る。年間100回以上のセミナー、講演会で5000人以上を変える現場コンサルタントが「科学的に自信をつける方法」を紹介する5回連載の3回目。
今回のテーマは、「自分探し」と「夢」について。ふわふわした考え方がはびこるなか、目の前の仕事をやりきる「絶対達成マインド」の根っこを紹介する。

ワークライフバランスは、強固な「ラポール」から

コラム第1回では、「自信をつけるのに、モチベーションは100%必要ない!」という話をした。

第2回では、困難なことでも「思考を『あたりまえ化』する4つのステップ」について触れた。

今回は「自分が何をしたいのかわからない」、だから「自分探し」の旅に出ている、という人に向けたメッセージを書きたいと思う。

近年、「ワークライフバランス」という言葉をよく耳にするようになった。
ワークライフバランスとは、仕事と生活との調和のことで、やりがいのある仕事と充実した私生活を両立させようという考え方だ。
しかし、ワークライフバランスという言葉が使われるようになってから、自分の余暇活動を充実させたい、「やりがい」や「働きがい」を求める人が増えているように感じる。
それは私だけだろうか。

もちろん、ワークライフバランスの考え方は間違っていない。
私自身も、毎年100回以上のセミナー、講演を実施し、コラム連載や取材対応をしながらも、できるかぎり子どもたちが寝る前に家へ戻るようにしているし、20年以上続けている、知的障がい者のボランティア活動には毎月欠かさず参加している。

充実した余暇をすごす人が増えるのはいいことだ。
仕事に「やりがい」を求めるべきだし、そのように工夫したらいい。
しかし、なによりもまず、ワークライフバランスを整えようという風潮には疑問を感じずにはいられない。

マズロー「欲求段階説」の「自己実現」から満たそうとする人たち

アメリカの心理学者であるアブラハム・マズローは、「欲求段階説」の中で、人間の欲求を5段階のピラミッドに分類し、人は下の階層の欲求が満たされるとその上の欲求の充足を目指すと提唱した。
その欲求とは、下から順に、生理的欲求、安全欲求、社会的(親和)欲求、承認欲求、自己実現欲求だ。

下位の生理的欲求や安全欲求とは、人間が生存するために必要な衣食住に対する欲求である。
必要最低限の食事が与えられ、雨風を防げる住居で誰にも脅かされることなく安心して生活できれば、これらの欲求は満たされる。

もしも生理的欲求が満たされなければ、病気になるだけでなく、生命すら維持できないだろう。
また、暴力などで生存を脅かされたり、不安定な収入でその日暮らしをしていて安全の欲求が満たされなければ、いかに危険を回避するか、どうやって安定した暮らしを手に入れるか、ということに必死になる。

要するに、生理的欲求や安全欲求が満たされて初めて、上位の社会的(親和)欲求、承認欲求、自己実現の欲求を満たす余裕ができるのだ。
自分の生命すら危ういときに「自分はこうありたい」という意志を持つことは、普通の人には難しいだろう。
ピラミッドは、下から積み上げていかなければ完成しないからだ。

ところが、ワークバランスという言葉がもてはやされるようになったことで、多くの人が下位の欲求を完全に満たすことのないまま、上位の欲求を満たそうとしている気がする。

ワークライフバランスを整えたいという、いちばん上位の自己実現の欲求から満たそうとしているように感じるのだ。
多くのサラリーマンは、毎月会社から給料をもらっていることで、「自分は生理的欲求も安全の欲求も満たされている」と勘違いしているのではないか。

しかし会社からすると、目標予算を達成していないかぎり、安全の欲求を満たしていることにはならない。

しかも時代は変わり、年功序列制や終身雇用の保障もなくなった。
いま、受け取っている給料が3年後も5年後ももらえるかどうかはわからない。
客観的に考えれば、自分のやるべきことをやって会社の経営を安定させないかぎり、社員一人ひとりの安全の欲求も満たされないのだ。

そんな状態でワークライフバランスを求め、「やりたい仕事をやらせてほしい」「余暇活動を楽しむ時間が十分ほしい」と要求するのは、順序が違う。
まずは、目標を「あたりまえ」のように達成するのだ。
なにもかも、そこから始まると言っていい。

夢をあきらめるのは、挫折ではない

夢を叶えたいというのも、「欲求段階説」の最上位の欲求の一つにほかならない。
自分の夢を持ち、それに向かって努力するのはすばらしいことだが、その前に下位の欲求を満たす必要があるのではないか。

以前、私にはどうしても叶えたい夢があった。
そして夢を語ると、多くの夢を持つ人との出会いがあった。朝まで飲んで語り合い、夢が実現したときのすばらしさを共有した。

しかし、なかなか私の夢は実現しなかった。
苦しい時期が何年も続いた。
私の周りにいる友人たちも同じだったと思う。夢を語る分だけ、愚痴も多くなり、世の中に対する不平・不満も募らせていった。
些細なことで苛立ち、同じように夢を持っているのにもかかわらず、子どもじみたケンカをした。
30歳をすぎても、「棘」ばかりが増え、自分を見失うことが多々あったようだ。

私はいろいろなものを犠牲にした。お金も、時間も、友人も、支えてくれた恩師さえも浪費した。
いまだからよくわかる。

下位の欲求が満たされないまま自分の夢を追い続けるのは、非常に難しいということを。

それができるのはごく一部の天才だけではないか、と。

自己実現欲求をあまりに求めすぎて、目の前の仕事に身が入らず、家族との関係も悪くし、体調もおかしくなって入院したりと……、心も体も、周囲からの視線さえも不健全になっていた私は、目指していた夢に近づくどころか、ドンドン怠惰になっていき、当然のことながら夢から遠ざかっていった。

あげくのはてに自己啓発セミナーの講師から、「あなたが本当にやりたいことをやりなさい。そうすれば夢は叶う」と言われ、その言葉を真に受けて実践したところ、多くの人から失望された。
取り返しがきかないほど信頼を失ってしまった。
あたりまえのことが、まるであたりまえのようにできなくなっていったからだ。

いまの仕事ができることに感謝

私は以前、「夢」のない人生なんて意味がないと思い込んでいた。
私の周囲にもそういう人ばかりいた。

しかし、いまはこう考えている。

普通の仕事に就いて普通の生活ができること、衣食住が満たされて経済的にも健康的にも困らずに生きていけること、その生活に夢がないと言ったら、とんでもない話だ、と。

それに、現在その「あたりまえのように思える生活」が満たされていない人が大勢いる。

「夢のない人生なんて意味がない」などと言ってしまったら、その人たちに対して失礼だ。

その人たちにとっては、毎日きちんと食事ができて、健康にすごせるだけでものすごく夢のある生活だからだ。
よく「本当は○○になりたかったけれど、挫折してサラリーマンになった」という人がいるが、一般企業に入って一所懸命に仕事をし、家族との生活を守っているのなら、それはそれですばらしいことであり、決して挫折でも失敗体験でもない。消去法によって選択した生き方でもない。

もちろん、夢を持つことを否定しているわけではない。
夢を叶えたいという気持ちが原動力となって、目の前の仕事に一所懸命取り組める人もいるからだ。
過去の私のように大きな夢にだけ焦点を合わせ、脳に巨大な空白をつくっておきながら、その埋め方もわからないまま、人生をすごすことだけはしてほしくないということだ。

目の前の仕事をやりきる「絶対達成マインド」

壮大な夢を持つのはいい。
だが、その夢を叶えるためにはどうしたらいいか具体的に考えられないまま、「いつか夢を叶えたい」と息巻いているだけでは夢には近づかない。

それならば、とりあえず目の前の仕事をやりきるという目標を持って、小さな空白をつくり、それを埋めていってはいかがだろうか。

空白を埋める回数が増えていけば、自信がつき、マインドが鍛えられていく。
そうして鍛えられた「絶対達成マインド」があれば、大きな空白も埋められるようになっていくはずだ。
そのほうが夢を叶えるにも近道なのだ。

それに目の前の仕事を一所懸命やり続けることにより、その仕事が好きになり、天職になるかもしれない。
それがやりたかった仕事かどうかなんて関係なく、人には自分が過去から現時点までやり続けたことを一貫して正当化したくなる「一貫性の法則」があるからだ。

もしも「ミュージシャンになりたい」という漠然とした夢を持っているなら、いつまでに、どんなミュージシャンになりたいのか、臨場感を持って具体的にイメージしてみればいい。
オリコンで何位以内に入れば満足するのか、どのくらいの人にコンサートにきてもらいたいのか、目指すミュージシャンの姿は人それぞれだから、自分の目指すミュージシャンの姿を明確にするのである。

「山登りの人生」と「川下りの人生」

登山をするとき、いきなり山に登り始めることはない。
山について詳しく調べるのはもちろん、登山ルートや登頂予定日などの登山計画を立ててから登山を開始する。
登頂に成功するためには登山計画をつくることが必須なのだ。
夢を実現させるときも同じだ。
実現すべき夢がよくわからないまま闇雲に突き進んでも、夢は叶えられない。
夢を実現させたいなら、できるだけ具体的な計画を立てるべきだ。

そうして夢を叶えるための計画が立てられたら、頂上に向かって一歩一歩前進していく。自分のあるべき姿に近づいていることを実感しながら山を登り続ければ、充実した毎日をすごせる。

困難を乗り越えて登頂したときには、これ以上ない達成感を得られるはずだ。それはそれでとてもすばらしい人生と言えよう。

しかし、そうした夢を持っている人はどのくらいいるのか。
世の中には「夢があるのが当たり前」「夢を持たずに生きるなんてありえない」という風潮があるが、本当に叶えたい夢を持っているのは一部の人だ。
自分が本当に何をやりたいのか、自分の夢は何なのかよくわからなくて悩んだり、迷ったりしている人のほうが多いはずである。

夢がないからと、自分を責める必要はまったくない

しかし、夢を持っていないことで、「どうして夢くらい持てないのだろう」「夢がないなんてダメな人間だ」などと自己否定する必要はまったくない。

なぜなら、山登りだけが人生ではないからだ。
自分のあるべき姿を見つめ、それに一歩一歩近づいていく山登りの人生も素敵だが、どこに向かって進むのかわからないけれど、目の前のことを一所懸命にやって乗り越えていく「川下りの人生」もすばらしい生き方ではないかと私は思っている。

私は山登りの経験も豊かにあるが、青年海外協力隊でコスタリカにいたときにやったラフティングも刺激的な体験だった。
舟で激流を下っていくと、目の前に巨大な岩が立ちふさがったり、対流で渦を巻いていたり、小さな滝になっていたりする。それに巻き込まれないように一所懸命漕いで避けて通ったり、乗り越えたり、飛び越えたりしていくわけだ。

もちろん、流されてはいけない。
自分でコントロールできなければ、いずれ岩にぶち当たったり、渦に巻き込まれたりして溺れてしまう。
しかし自分で舟をあやつり、目の前に現れた障害物を乗り越えたときは最高の気分が味わえる。

このコラムを読んでいる人の中にも、将来どんな会社に就職したいのか、どんな職業に就きたいのか、どのように大成したいのか、自分が何をしたいのか、わからなくて悩んでいる人もいるだろう。

だが、わからないまま就職しようが、進学しようが、いまの職場で働き続けようが一向にかまわない。

やりきった「自信」が、思考をさらに「あたりまえ化」する

どんな道に進むにせよ、目の前の仕事や勉強に真剣に取り組み、やりきればいい。
目標を達成させればいいのだ。目の前にやるべきことがある。それをやるのだ。
そうして目の前の目標を一つひとつ達成していくことで、間違いなく「自信」が芽生えていく。

第1回のコラムで書いた「逆算思考」で考えよう。

自信がつくから結果が出るのではなく、結果を出すから自信が芽生えていく、のだと。

目の前にやるべきことがある。会社から与えられた目標があるのなら、まずはそれを「絶対達成」させる。
どんな目標であろうが、それを達成させるのは「あたりまえ」だという思考を手に入れるのだ。
そうすることで「マインドチャージ」され、たとえ現時点で「自分のやりたいこと」が見つからなくても、いずれ夢が見つかったときに、培ってきた「自信」が必ずや成功への階段へと導いてくれるだろう。

だから、大きな夢があっても、まったく夢がなくても、どちらでもいい。
目の前にやるべきことがあるなら、それは後回しにせずやるのだ。やりきるのだ。

拙著新刊『絶対達成マインドのつくり方』には、どのようにすれば目標達成を「あたりまえ」にできるのか。その手順をNLP理論の「学習の4段階」をもとに解説している。ぜひ参考にしてほしい。

(次回は11月8日更新予定です。)

【横山信弘著『絶対達成マインドのつくり方』出版記念講演会のお知らせ】

<名古屋会場>
・日時:11月30日(金)19:00〜20:15(開場18:30)
・場所:ミッドランドホール会議室A
※要整理券。三省堂書店名古屋島屋店にて、書籍『絶対達成マインドのつくり方』をお買い上げの先着80名様に、整理券をお渡ししております。(お電話でのご予約も承っております。整理券がなくなり次第、配布終了となります)。
・お問合せ:三省堂書店名古屋島屋店(052-566-8877)

<東京会場>
・日時:12月5日(水)19:00〜20:30(開場18:30)
・場所:丸善・丸の内本店 3階日経セミナールーム
※要整理券。丸善丸の内本店にて、書籍『絶対達成マインドのつくり方』をお買い上げの先着100名様に、和書売場各カウンターにて整理券をお渡ししております(お電話でのご予約も承っております。整理券がなくなり次第、配布終了となりますので、お急ぎください)。
・お問合せ:丸善丸の内本店(03-5288-8881)


【新刊のご案内】
『絶対達成マインドのつくり方』〜科学的に自信をつける4つのステップ〜


「自信をつけるのに、モチベーションは100%必要ない!」「仕事の意味など、考える必要はない!」
年間100回以上のセミナー、講演で、5000人を変える現場コンサルタントが、「科学的に自信をつける4つのステップ」をはじめて公開!「あたりまえ化」4ステップで、必ず自信が芽生えるプログラム。先送り習慣を治療する絶対達成仕事術「倍速管理」を初公開!著者が35歳から大きく人生を変えた話と、メガバンクから小さな会社まで、再現性のある事例満載。心構えや訓示とは大きく異なります。ぜひご一読ください。

ご購入はこちらから!→ [Amazon.co.jp] [紀伊國屋書店BookWeb] [楽天ブックス]


横山信弘(よこやま・のぶひろ)
アタックス・セールス・アソシエイツ代表取締役社長。1969年、名古屋市生まれ。年間100回以上のセミナーは5000名超の経営者/マネジャーを集め、常に満員御礼。企業研修は基本的に価格がつけられず、「時価」。それでも研修依頼はあとを絶たず、向こう8ヵ月先まで予約は埋まっている。ポリシーとして、コンサルティングは質を保つため、年間7〜8社しか請け負わない。著書に、第9刷突破の『絶対達成する部下の育て方』(ダイヤモンド社)と、『脱会議』(日経BP社)がある。
http://diamond.jp/articles/print/27062

大学で実感した米国の競争の厳しさと挑戦を促す風土

バブル期の日本が別世界に感じられた勉強漬けの毎日

2012年11月8日(木)  上阪 徹

 グーグルジャパンの最高幹部の1人、徳生健太郎は1986年に日本の有名進学校を退学、アメリカの高校に編入し、異端ともいえるそのキャリアをスタートさせることになる。そして高校を卒業後、徳生が進学先として選んだのが、コンピューターサイエンスではアイビーリーグで高く評されていたコーネル大学だった。

 だが、実はこの進学先は、徳生にとって第1希望ではなかった。ただ、この結果に対して、不思議な感覚を持ったことを徳生は覚えているという。

 「もし、ずっと日本にいてどうしても行きたい大学に落ちてしまったら、ものすごいショックだったと思ったんです。これぞと決めていた大学にいけなかったら、どうすればいいんだろうとか。でも、この時は、そういうショックはなかったんですよね。そうか、難しくてダメなのか、くらいの感覚で」

 それが何であるのか、徳生は後になって理解する。アメリカの持つ“失敗”に対する感覚だ。

勝利へのこだわりの裏にある失敗への寛容

 「アメリカはWinとLoseがすべてだ、と言われることがあるんですが、確かにそれが顕著だと思います。Winner takes allという言葉もあるし、勝つための技術をスポーツでも教え込まれる。2番でも3番でも、勝って1番になるのとでは、成果に対する評価に格段の違いがありますしね」

 だから、勝つために貪欲になるし、そのための準備も徹底的に考え抜かれて、実行されていく。

 「でも、結果として負けてしまったとしても、これですべておしまいだ、ということにはならないんです。日本では、勝ち組、負け組みたいな言葉もありますが、そこには、いずれの組に入ってしまうとそれで固定されてしまうニュアンスがありますよね。でも、これはアメリカにはない。一回負けたらすべて終わり、というコンセプトはアメリカにはないからです。負けるのもレッスンであり、悔しいけれど、ほかの競ったり挑戦する場に向けての糧になる、という意識がある」

 勝ち負けの捉え方が、実は日本とアメリカでは大きく違うということだ。アメリカでの勝ち負けのニュアンスは、日本の資格取得に似ているのではないか、と徳生は言う。

 「資格にも何級とかいろいろとランクがあって、努力をし続けることで進化していくわけですが、1度の資格試験に落ちたら何もかもおしまいだ、という人はいないでしょう。次のチャンスでまた頑張ればいいし、実際にチャンスはやってくる。アメリカの勝負で負けた時には、そういう感覚が持てるような気がするんです」

 もちろん勝ちにはこだわるが、負けや失敗も怖いものにはならない。だから、思い切ったチャレンジができる。それは、次の勝ちや成功のためのバネにできる、という意識があるからである。

 わずか数年のアメリカ暮らしで、徳生はこの感覚をいつの間にか持つようになっていた、というのだ。そしてこれが、後のキャリア形成をはじめ、思い切った選択、大胆な人生を可能にしていくのである。

 結果的にコーネル大学に入学したことは、大きな意味を持ったと徳生は語る。後に大学院でスタンフォード大学に行くが、東海岸と西海岸の両方を経験することができたからだ。

 「実際、東海岸って、美しい季節の遷移があったり、文化的な資産が豊富で、実はいいよね、ということでアメリカ人と盛り上がったりすることも多いんです。両方を経験してきたという自負というか、自信もあります。そして何と言っても、世界で一番と今でも思えるほどの美しいキャンパスで4年間を過ごせた経験は貴重でした」

 コーネル大学はニューヨーク州のど真ん中、壮大な自然に囲まれたイサカ市の一角にある。徳生の第一印象は、やはりキャンパスの美しさと巨大さにあったらしい。

徳生健太郎氏が進学した米コーネル大学の美しいキャンパス
cCornell University Photography, 312 College Ave, Ithaca, NY 14853; 607-255-7675; photo@cornell.edu; http://photo.cornell.edu
 「本当にきれいなんです。渓谷が2つくらいあるところに大学が建っていますからね。ホテル経営学科も有名ですが、キャンパス内にホテルもある。吊り橋もたくさんあって、景色も素晴らしいんです。特に冬の美しさは、本当に印象的でした」

コーネル大学の寮で受けた洗礼と新たな気づき

 徳生は2年まで大学内の寮に入ったが、ここで1つの洗礼を浴びせられている。

 「立派な寮でした。一年生は同じフロアなんですが、驚くべきことに男女に分かれていないんですよね。もちろん男性のルームメートは男性ですが、その部屋の隣が女性の部屋、というのも普通でした。子供扱いはされない、ということですね。この時は、ほぼ全員が初めての出会いですから、まずは自己紹介から始まりました。ワクワク感があって面白かったですね。ただ、僕はルームメートがとんでもないアメリカ人になってしまって(笑)」

 そのルームメートは生活がすこぶるルーズだった。部屋の掃除をしないので汚い。宿題を放置たり、単位取得のかかる期末試験の勉強もする気配もなく、州の法律に抵触するのではないかという行動も見受けられる。高校時代、育ちのいい仲間たちと一緒に過ごしてきた徳生にとっては、「アイビーリーグにもこのような生徒がいるのか」と驚きだった。

 「でも、いいヤツなんですよ。嫌いになったわけでもなかった。秋休みには彼の故郷に遊びに行ったりもして。思ったのは、自分と正反対のスタイルを持っていたということです。ものすごくいい加減にやっているのに、ちゃんと結果は出していて。思えば、そんな彼に対して、自分にはないものがあるという羨望感の裏返しもあったのかもしれない」

 徳生は、彼から高校時代には見えなかったアメリカ人の別の面を知る。

 「勉強になりましたね。すべて何から何までをきっちりきっちりやらなくてもいいんだ、適当に力を抜いてもやるべきことはできる。こういう生き方もあるんだな、と。彼も僕のことを悪く思っていなかったし、卒業以来音信不通になってしまいましたが、今でも声を掛けられれば友達にすぐ戻れると思います」

 コンピューターサイエンスを専攻した徳生は、入学時に大学から分厚いカタログを手渡された。そこに記されていたのは、必須科目や選択科目だった。日本との違いは、1年からかなりの選択科目があるということだ。しかも、専攻内のコースにもいろいろな選択肢があって、基本的に自分で4年間のコースを組み立てなければならない。

 「要するに、各自の責任で、ということなんです。もちろん見本のようなものはあるんですが、時間のぶつかってしまうものが出てきたり、毎学期出てこないコースもあったりして、これをどうオプティマイズして4年間で終わらせるかを考えるのは、なかなか大変です。何か1つ間違えると、4年間では卒業できない、なんてことにもなりかねない」

 しかも、授業についていくのは、それなりの大変さが伴う。「日本の大学は、入るまでは大変で、出るのは難しくない。逆に、アメリカの大学は、出るのは大変だ」という話を聞くことがあるが、まさにそうだった。

高校でオールAでも授業についていけないことも

 「授業の出席を取ったりはしません。休むのも自由。でも、出席していないと困るのは自分なんです。だから、みんな真面目に出てきます。これは理系も文系も同じです。宿題もたくさん出ます。自分で実験をして結果を出す、みたいな宿題もあった。すべての授業が、というわけではありませんが、やっぱり大変でしたね」

 特に理系は、できる、できないが白黒はっきりする。それだけ「A」も取りやすいが、真面目にやらないと、やはり良い成績は取れない。

 中には、授業についてこられない学生もいたという。日本の入試のように一律の学力を問う形での入試が行われるわけではないため、入学後に困るリスクもあるのがアメリカなのだ。

 「出身した高校でオールAを取っていたとしても、大学で授業が分かるとは限らないんです。学科によっては、いきなり厳しい評価をつけられてしまうこともある。そうなると、やっぱりショックだし、優等生だったのにどうしたんだ、なんて親が非難してしまったりすると、余計落ち込んでしまうわけですね。これはコーネルに限ったことではないと思いますが、プライドを傷つけられたり、プレッシャーが重なったりして、精神的に追い込まれる学生が出ていたのも事実です」

 順風満帆で来た学生ほど、この落とし穴にはまりやすい。とにかく大学に入ってしまえば、という感覚もある日本では、留年や就職留年も珍しいことではないが、アメリカの一流大学は学費もばかにならないので、就職はもちろん卒業にもかなり真剣に取り組む必要がある(莫大な学費ローンを抱えて卒業する生徒も多い)。その意味では、プレッシャーは、日本とはまた違うようである。もっとも前述したように、これで人生はおしまい、という感覚は、あまりないようではあるが。

 ちなみに授業の評価は、セメスター(学期)の末に行われる試験のみならず、総合評価で行われる。

 「特に理系は、即戦力養成キャンプみたいな雰囲気がありました。だから、暗記が問われるようなものはまずない。数学であれば、問題をその場で解いたり、コンピューターサイエンスであれば、試験だけではなくて試験の日までにプロジェクトを自分で推し進めたりすることが求められたり」

 だが、「成績は納得のいくものだった」と徳生は語る。アメリカの高校でもそうだったが、どうすれば「A」を取れるのか、そのコツも分かってくるというのだ。

 「それこそ高校時代は、歴史なんて最初の試験はDマイナスでしたよ。基礎的なことがほとんど分かっていなかったですから。日本にいる時、年号とか覚えるのが大嫌いで、『こんなの覚えて、いったい何の役に立つのか』と思ってまるっきり興味を失ってて。ところが、アメリカは違うわけです。当時の人の考え方や、それがどう歴史に反映されたか、考えたりする。あるいは自分で試験問題を作れと言われたり」

次第に分かったアメリカの大学における授業の面白さ

 自分で答えを作って授業をしろ、と言われたこともあった。

 「これは面白かった。しかも、勉強して理解が深まれば、DマイナスがちゃんとAになったりするわけです。評価を正しく行ってくれるんですね」

 大学では、試験も含めた総合評価となったわけだが、ではどうやって普段の授業で評価が行われていたのか。これが、面白い仕組みになっていた。

 「授業を担当する先生だけが、一人で全部見るわけではないんです。ティーチング・アシスタント(TA)と呼ばれているアルバイトの上級生が見るんです。これには、僕も最初はびっくりしました」

 例えば、週に3回、授業があるとすれば、担当の先生が教えるのは、1回だけ。大きなレクチャーホールで教える。そして残りの2回はTAセッションと呼ばれる、少ない人数のプログラムが組まれる。

 「TAセッションで授業がフォローされるんです。解き方やプログラムソリューションが教えられたりする。これは、学生にもありがたかった。ただ、教えるTAは、実は大学の上級生で同じ学生なんです。だから、TAのクオリティー次第で成績は大きく左右されたかもしれないですね」

 それだけに、フィードバックシステムも用意されていた。教授たちはもちろん、TAについても学生たちが評価できる仕組みだ。

 「時々、ものすごく優秀なTAがいたりするんです。しかも、稀ですが、同級生のTAもいたりする。まさに教えるのが天職と思えるような、教え上手のTAがいたり。3 、4 年生の学生か大学院生のアルバイトでしたが、教える側にも利点が大きな仕組みだと思いました」

 もう1つ興味深かったのが、体育の授業だった。なんと、徳生が選択したのは、ウィンドサーフィンだった。

 「大学から車で5分くらいのところに湖があるんですよ。谷もあるのでけっこう、いい風が吹くんです。そこで夏はウィンドサーフィンをして、冬はまた近くのスキー場でスキー、というカリキュラムで。無料ではありませんが、破格に安い。週1回、土曜にスキー場や湖までバスで連れていってくれて。かなり本格的で、僕は大学院で行ったスタンフォードで、生徒にウィンドサーフィンを教えていた時期もあるんです。無償の趣味でしたけど(笑)」

 冬のスキーは、セントラルニューヨークで夜間スキーをした。これも、バスのお迎えが来る。

 「スキーは大学から始めたんですが、楽しかった。基本レッスンが終われば、自由に滑っていいんです。一度、楽しみすぎて帰りのバスを乗り遅れてしまって、ヒッチハイクしたこともあります」

 コーネル大学のあるイサカは、田舎町だった。治安は良かったが、遊びに行く盛り場もなかった。徳生は3年からアパート暮らしをしたが、基本的に朝、起きたらすぐに授業に向かうのが、日常だったという。授業の合間は図書館などで勉強。夕方、授業が終わるとクラスメートや友達とスポーツをしたり、しゃべったり。その後はまた勉強して6時くらいに夕食。その後はまた勉強する。

 「だから、ウィークデーは遊ぶという感覚は全くなかったですね。高校もそうでしたけど、部活以外は勉強。それこそ、遊ぶ場所もないですから」

夏休みに日本に帰ってきた時に感じた違和感

 週末になると、あちこちでパーティーが開かれ、よく参加した。

 「そういうところでは、バカ騒ぎになりますね、やっぱり。アメリカでは未成年の飲酒にものすごく厳しいんですが、その分、21歳を過ぎたら反動でみんなものすごく飲むんですよ。しかも、地方都市から出てきた自由さも手伝って、いつも賑やかでした」

 パーティーも飲食店で行われるわけではない。卒業生などがパーティーを支援することも多く、ほとんどお金はかからなかった。

 「あまりお金をかける遊びはしないんです。するとしても、ささやかです。春休みに、車を十数時間飛ばして、男女5人でサウスカロライナの(リゾート地として有名な)ヒルトン・ヘッドに行ったのを覚えています。お金を出し合って短期アパートを借りて1週間くらいビーチで過ごして。途中は日帰りでフロリダ州のディズニーワールドまで片道5時間、車を飛ばしたり。ガソリン代を割り勘して、当地ではスーパーで買い物して自炊したり。みんな20歳前後でしたから、1年に1回の春休みを低予算でどうやって楽しむかというのが基本的な考えでした」

 それだけに、夏休みに日本に帰ってきた時には違和感を持った。当時の日本はまさにバブル絶頂期だった。

 「友達に横浜の巨大なディスコ、西麻布のバーやクラブに連れて行ってもらって、びっくりしたのを覚えています。学生もたくさんいましたが、学生なのに、どうしてみんなこんな羽振りがいいんだろう、と思いましたね。日本の大学生ってこんなにお金使えるんだ、と。」

 「帰国した時は翻訳のバイトやインターンシップをしていたんですが、ずうっと同じペースで遊んでいたら収支マイナスになっていたと思います。お金のないアメリカの大学生が、ニューヨーク州の田舎から迷い込んでしまった、みたいな感覚もありました。」

 それこそアメリカでは、外食することも滅多になかったという。

 「普段は大学の寮で食べられるわけです。まとめてお金を払ってありますから。おいしいとは言えませんが、ちゃんと栄養は取れる。だから、大学の中にいれば、お金はかからないんですよ。まともな外食なんて、月に1回ぐらいだったでしょうか。友人と楽しみにするごちそうでした」

 日本でありがたかったといえば、アルバイトだった。長い夏休みを利用して、徳生は日本で翻訳のアルバイトをしていた。

 「日本でお金を稼いで、それをお小遣いにしようとアメリカに持って帰る。そんな感じでしたね。思えば、出稼ぎみたいなもので(笑)」

 ただ、翻訳ばかりでは変化がない、と、翌年は単発で別のアルバイトもしてみようとジャパンタイムズの小さな広告で見つけたのが、子供のための3泊4日の教室キャンプだった。

 「英語がちゃんと話せる日本人の大学生を募集していたんです。電話で突然に申し込んで、自分のバックグラウンドを説明したら、もう10分もしないくらいの会話で、本決まりになっていました。内心こんなのでいいのかな、と思いましたが(笑)」

 当時21歳。実はこのキャンプのアルバイトで、徳生はある女性と出会っている。彼女は、カナダへの留学が決まっていた。徳生が通っていたコーネル大学からも車で4時間半。遠くはなかった。2人は意気投合する。彼女こそ、後に妻となる女性である。

やがて日本よりもアメリカをホームと感じるようになった

 日本を離れてから3年、4年と経過すると、日本よりもアメリカに馴染んでいる自分がいたことに、徳生は気がついていく。アメリカに戻ると、ホッとするのだ。

 もちろん懐かしい日本の同級生たちと会えるのは、喜びだった。アメリカ人の友人たちとは、また違う楽しさがあった。友人たちは、アメリカで徳生がどんな暮らしをしていたか、細かく問うたりもしなかった。昔話に花を咲かせ、懐かしい再会を喜んだ。

 将来についての話が出てくることもあった。友達たちも、自分たちなりに将来のことをしっかり考えていることを知った。意外に、日本の伝統的なエリートコースを歩もうとしている仲間が自分の周りには少ないことにも気がついた。そして誰一人として、「日本に戻ってこいよ」とは言わなかった。

 「僕自身ももうこの頃は、大学を卒業してから、日本に(長期的に)帰ってこようという気は起こらなかったです。大学でコンピューターサイエンスを専攻として勉強しながら、当時その業界のメッカとなりつつあるシリコンバレーが刻々と進化しているのを見ていると、いつかはあの場所で力を試してみたいと思うようになりました。また、そうした道へ進むのが、いわゆる日本で言う『エリートコース』が漠然とそこにあったのと同じように、自分にとって、しかるべき道みたいに見えてくるんですよ」

 「人間って、やっぱり周りの人に染められちゃうものですよね。その意味では、アメリカで仕事をして生活していく、という考えが、その数年前に日本を飛び出した時に感じたような“冒険”というものではなく、僕の中で新しいベースラインになっていったのだと思う」

 そしてもう1つ、日本では就職しないことを徳生に決定づけた出来事が起こる。それは、日本の大企業でのインターンシップだった。徳生は何を見たのか、次回、お届けする。

(文中敬称略)


上阪 徹(うえさか とおる)

1966年、兵庫県生まれ。89年、早稲田大学商学部卒。リクルート・グループなどを経て、95年よりフリー。経営、金融、ベンチャー、就職などをテーマに、雑誌や書籍などで幅広く執筆やインタビューを手がける。インタビュー集に累計40万部を超えるベストセラーとなった『プロ論。』(B-ing編集部編/徳間書店)シリーズ、『外資系トップの仕事力』(ISSコンサルティング編/ダイヤモンド社)、『我らクレイジー★エンジニア主義』(リクナビNEXT Tech総研編/講談社BIZ)がある。著書に『新しい成功のかたち 楽天物語』(講談社)、『六〇〇万人の女性が支持するクックパッドというビジネス』(角川SSコミュニケーションズ)、『リブセンス<生きる意味>25歳の最年少上場社長 村上太一の人を幸せにする仕事』(日経BP社)など。


グーグルで最も活躍する日本人の軌跡

 検索エンジンからスタートし、サービスを徐々に拡充して、今や世界に冠たるIT(情報技術)の巨人に成長した米グーグル。同社の草創期から共に歩み、グーグルジャパンの「顔」としてメディアに登場する徳生健太郎・製品開発本部長──。
 日本がプラザ合意を経てバブル経済による空前の好景気を謳歌し始めた1986年、東大合格者数ランキングで全国トップテンに入る名門高校を3年の半ばに中退し、当時不況のどん底にあった米国に渡るという異例の決断を下した同氏の半生を、ノンフィクション作家がたどる。渾身のドキュメンタリー。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20121104/239009/?ST=print


10月豪就業者数は予想外に増加、12月利下げ観測後退
2012年 11月 8日 12:12
[シドニー 8日 ロイター] オーストラリア連邦統計局が8日発表した10月の雇用統計によると、就業者数は季節調整済みで前月比1万0700人増加し、失業率は5.4%となった。

ロイターがまとめた市場予想では、就業者数は変わらずで、失業率は5.5%と見込まれていた。

フルタイム雇用者は季節調整済みで1万8700人増加、パートタイム雇用者は同8000人減少した。

予想外の就業者数増加を受けて、豪ドルは対米ドルで若干上昇。オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)が12月に利下げするとの見方は弱まっている。インターバンク先物をみると、来月利下げの確率は48%織り込まれており、雇用統計発表前の60%から低下した。

中銀は今週、一部の利下げ予想に反して政策金利を3.25%に据え置いた。

RBCキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、Su-Lin Ong氏は「フルタイム雇用者数が4カ月連続で増加している。この点に少し驚いた」と発言。「おそらく、RBAはもう少し長く様子見姿勢を取る方向に傾く。RBAは労働市場は軟化しているが依然悪くはない状態との見解を維持するだろう。われわれは来年第1・四半期に(政策金利の)動きがあると予想する」と述べた。

関連ニュース

豪中銀、オフィシャルキャッシュレートを3.25%に据え置き 2012年11月6日
ドル一時80円割れ、米大統領選前のポジション整理 2012年11月6日
豪中銀、自国通貨高の是正に乗り出した可能性=市場関係者 2012年10月29日
9月米雇用統計、失業率7.8%で約4年ぶり低水準 2012年10月5日
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE8A701J20121108


7−9月GDPは大幅マイナス成長へ−業績悪化、景気後退の公算も 
  11月8日(ブルームバーグ):海外経済の減速を受けて、7−9月の実質国内総生産(GDP )成長率は大幅なマイナスになったと見込まれている。企業業績の悪化で設備投資など国内経済への波及も懸念されており、日本経済は既に景気後退局面に突入したとの見方も出ている。
内閣府は12日に7−9月の実質GDP成長率を公表する。ブルームバーグ・ニュースの事前調査では、前期比年率3.4%減と、昨年4−6月以来5期ぶりのマイナス成長になると予想されている。予想通りなら、東日本大震災で大きく落ち込んだ昨年1−3月以来の大幅なマイナス成長となる。
輸出企業は長引く円高や世界経済の減速の長期化で苦境に陥っている。ブルームバーグが集計したデータによると、日経平均株価を構成する225社中、既に公表された171社の7−9月期純利益は累計で前年同期比34%減少した。シャープ は今期(2013年3月期)連結純損失予想を4500億円に下方修正。パナソニック も今期純損益予想を7650億円の赤字に下方修正した。ファナックも今期は3期ぶりの減益見通しで、資生堂 は来期以降のコスト削減目標を発表した。
伊藤忠商事の丸山義正主任研究員は「世界経済の減速や日中間の問題により輸出が落ち込んでしまった。企業は業績悪化により先行き不透明感から設備投資を絞っており、国内の景気にも悪影響を及ぼしている」と指摘。「日本経済は7−9月期から景気後退に陥っている」と語る。内閣府が6日発表した9月の景気動向指数は、景気の現状を示す一致指数が6カ月連続で悪化。内閣府は「下方への局面変化を示している」として、日本経済が景気後退局面に入った可能性を示唆した。
2期連続のマイナス成長も
BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「輸出減少により収益が悪化し、先行きに関しても海外経済に対する不確実性が極めて高い中、製造業を中心に2012年度設備投資計画の実行を先送りする企業が増えていると見られる」と指摘。個人消費についても「生産活動の減速に伴い所定外給与も減少するなど、家計の所得環境が限界的に悪化に向かい始めている」という。
第一生命経済研究所の新家義貴主任エコノミストは「10−12月期も状況は厳しい。輸出の回復が見込み難いこと、自動車販売の悪化が続くこと、といった悪材料があるため、2四半期連続マイナス成長となる可能性も否定できない」としている。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 日高正裕 mhidaka@bloomberg.net;東京 氏兼敬子 kujikane@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Paul Panckhurst ppanckhurst@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net
更新日時: 2012/11/08 00:01 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MD3XVR6K50YS01.html
ECB、新債券購入策で国債市場への上限ない介入可能に=総裁
2012年 11月 7日 23:55 JST 記

トップニュース
ロシアのプーチン大統領、オバマ米大統領の再選歓迎=報道官
東電が政府に支援策見直し訴え、巨額負担への懸念表明
オバマ米大統領が再選確定受け勝利演説、共和党との協力表明
アングル:オバマ氏勝利でドル安路線のあおり受ける日本

[フランクフルト 7日 ロイター] ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁は7日、新たな債券買い入れプログラム(OMT)によりECBは国債市場に対し上限のない介入を実施できるようになり、これによりユーロ圏崩壊に関する市場の懸念を払しょくすることができると述べた。

ドラギ総裁は銀行関連の会議に出席し、債券買い入れ策は、最悪のシナリオに対する信頼ある安全装置として機能するとの考えを示し、「OMTにより債券市場に上限のない介入が可能になり、こうした安全措置を提供することができる」と述べた。

ただ、「市場がどのように機能するか理解する必要がある。ECBはこの措置を通して、ユーロ圏に関する懸念には根拠がないという明確なメッセージを市場に送る必要がある」とし、ユーロ圏の各国政府が一段と緊密な金融、財政、政治上の同盟の構築に向け努力を続ける必要があるとの見方を示した。

そのうえで「ECBの措置により短期的にはユーロ圏の信頼を構築することができる。ただ、ユーロ圏における長期的な信頼を確保するには、政府の行動以外の手段はない」と述べた。

ユーロ圏経済については、ECBは「短期的に」弱い状態が続くとみていると述べた。インフレ率は「非常に抑制されている」とし、「来年は2%を下回る水準に低下する」との見通しを示した。

ECBは8日の理事会で金融政策を据え置くとみられている。

また、ユーロ圏は安定化しているとの見方を示し、「投資家はユーロ圏に再び投資し始めている」と述べた。


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独財務相、ギリシャ国債「ヘアカット」は不可能=報道 2012年10月29日
スペイン、差し迫った救済の必要ない=オーストリア中銀総裁 2012年10月29日
米国株続伸、米雇用指標やECB総裁発言を好感 2012年10月4日
ECB、主要政策金利を0.75%に据え置き 2012年10月4日

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE8A608C20121107


http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/443.html

記事 [中国3] 中国共産党大会開幕!習近平新体制の行方 国内は政治改革、対外的には強硬路線
【第9回】 2012年11月8日 
中国共産党大会開幕!習近平新体制の行方
国内は政治改革、対外的には強硬路線
――日本総合研究所理事 呉軍華
11月8日、5年に一度開かれる中国共産党第18回全国代表大会が開幕した。2002年から続いた胡錦濤(総書記)体制が終わり、習近平新体制が誕生する。本稿では、新体制の下で中国の経済、政治がどのような方向に向かっていくのか、二つの問いに答えてみたい。一つ目の問いは、中国経済の高成長時代が終焉したのかということであり、二つ目の問いは習近平新体制の下で、中国が本格的に政治改革に踏み切る可能性はどれだけあるか、ということである。


ご・ぐんか
日本総合研究所理事・主席研究員。日総(上海)投資コンサルティング有限公司董事長・主席研究員。ウッドローウィルソンインターナショナルセンター公共政策研究フェロー。1983年中国復旦大学卒業、90年東京大学大学院博士課程修了。日本総合研究所入社後、香港駐在首席研究員、香港駐在事務所所長、ハーバード大学客員研究員、米AEIリサーチフェロー、ジョージワシントン大学客員研究員などを経て、現職。『中国 静かなる革命―官製資本主義の終焉と民主化へのグランドビジョン―』(日本経済新聞出版社)など著書多数
足下の景気減速は一時的か
高成長期の終焉か

 まず一つ目の問いから検討してみよう。中国のGDP(国内総生産)は、2010年の第2四半期をピークに、減速が続いている。前回の景気後退は08年のリーマンショックによって引き起こされたが、4兆元に及ぶ政府の景気対策で、09年の第1四半期をボトムにして、V字回復を果たした。今回の景気減速はリーマンショックのときのように急激ではないが、前回よりも長期間にわたって、成長率の低下が続いている(図1)。

 PMI(購買担当者景気指数)は、50%を超えると景気拡大を、50%を下回ると景気減速を示しているが、HSBCが発表している中国の製造業PMIは、過去11ヵ月連続で50%を割っている。最近になって、サービス業PMIも急速に低下し始めた(図2)。


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 では、以上のような足下の景気減速をどう見るべきなのだろうか。意見は大きく二つに分かれており、中国国内でも大論争になっている。

 一つが、景気減速は循環的・一時的なものであり、いずれ高成長路線に戻るという見方だ。景気減速の原因は、欧州危機、米国の景気の足踏み、4兆元の景気対策の効果が終盤に差し掛かっていることによるもので、一時的なものとみている。その代表が、台湾出身で元世銀副総裁の林毅夫氏で、中国経済は向こう20年間にわたって、高成長が可能であると予想している。

 もう一つが、今回の景気後退は高成長終焉の「兆し」であるという見方だ。私もそう考えており、中国は「中所得国の罠」の初期の段階にさしかかった可能性があるとみている。「中所得国の罠」とは、世界銀行が打ち出している概念で、低開発国は一定の要件が整うと、労働、資本などを投入すれば、高成長を実現することができるが、中所得国になると、労働・資本の投入を「量的」に拡大するだけでは、成長を続けることができず、長期的な停滞に陥ってしまうというものだ。

 今の中国は一人当たりGDPが約5000ドルとなり、中所得国の域に達している。私は次の三つの根拠から、中国は「中所得国の罠」の初期段階にあるとみている。

 これまで中国は安い労働力を大量に投入して。高成長を実現してきた。ところが、今、景気が減速しているにもかかわらず、面白い現象が起こっている。景気が減速しているのに、これまでと違い失業が増加していないのだ。これまで8%の成長率がないと、失業が増加して社会不安が起こるため、政府は8%成長を死守すると言ってきたが、今回の景気減速局面では、農民工の大量の帰郷などは起こっていない。つまり、中国では、生産年齢人口が増え経済成長にプラスに働く「人口ボーナス」の時代が終わり、労働力不足の時代に入ったと思われる。これが第一の根拠だ。

 二つ目の根拠は、環境負荷が限界水準に達してきたということである。数年前までは、政府の関係者も環境よりも成長と言っていたが、現在は環境破壊が大きなテーマになっている。一般市民も、環境破壊には「ノー」を突き付けるようになっており、デモなどの紛争も頻発している。もはや環境を犠牲にした高成長は難しくなっている。

 三つ目の根拠は、大衆の不満が社会変動につながりかねない水準にまで、高まっていることである。今の中国では、億万長者から一文無しまで、多くの国民が何かしらの不満を抱いている。

 もちろん、中国が「中所得国の罠」の初期段階にあると言っても、すぐに経済が失速するとは考えていない。ただ、かつてのような10%以上の成長という時代には戻らないだろう。さらに、後述する構造問題を中長期的に解決しないと、いずれハードランディングを迎える可能性もある。

「中所得国の罠」から
脱出する条件

 では、中国がハードランディングを回避して、安定成長路線にソフトランディングするには、どうしたよいのだろうか。課題は山積しているが、私は次の二つが重要だと考えている。

 第1は、国有企業の独占・寡占構造の打破である。国有企業=政府が経済成長の最大の恩恵を受けるという体制を改めないといけない。私的財産制を守り、「国進民退」から「民進国退」の流れを作り出す必要がある。

 中国の高度成長は改革の流れと重なっている。1980年代は民進国退で、政府部門・国有企業は縮小の方向にあった。ところが、90年代後半以降、とくに21世紀に入ってから、流れは国進民退に逆戻りし、政府・国有企業はますます強くなっている。もっとも、国有企業中心の経済でも、中国経済はうまくやっていけるという主張もあるが、そうであるならソ連邦の崩壊もなかったし、中国も改革・開放路線に踏み出す必要もなかったはずだ。

 第2は、量から質へと転換するために、輸出・投資偏重の量的拡大型成長から、質的向上を伴う消費主導型成長へ転換しなければならないということである。90年代半ば以降、中国は私が言う「官製資本主義」的な成長を遂げてきたため、富がますます「官」に集中し、民間部門の消費が思うように拡大していない。そして、最終消費の構造を見ると、消費全体の比率が低下してきたなかでも、とくに家計の比率の低下は顕著であり、つまり、政府(最終消費)の比率がむしろ相対的に拡大してきた(図3)。


 消費主導型成長への転換を進めるにあたって、中国社会の価値観が官本位から知識・人材を尊重するものに、改められなければならない。これによって富の流れは初めて官を中心とする構造から、民を中心とする構造に変えることが可能になる。この意味で、経済成長モデルの転換は実質的に官の自己変革の遂行を前提条件とする。どの社会でも、最も難しい改革は既得権益への改革であり、それを遂行するためには政治システムの改革は不可欠になる。だからこそ、社会構造を決定する政治が新体制でどのように変化するのかを予想することに、大きな意味がある。

激動の時代を迎えた政治
中国政治問題を考える基本視点

 新体制下の中国政治を展望する前に、一つクイズを出してみたい。次の文章はどこの国を描写していると思いますか?

「…この政府がこれだけ侵略的であり専制的であったにもかかわらず、最も微小な犯行や軽微な批判でも極度な不安に陥ってしまう…。…人々の拝金的な欲望を刺激してはそれを挫折させ、恰も相反する二つの方向から自らの破滅を促している……」。

 答えはフランス。この文章はフランスの19世紀の政治学者トクヴィルが『旧体制と大革命』という著書で、革命前夜のフランスの状況を描いた一節である。この本は、習近平指導部のキーパーソンである李克強氏と王岐山氏が愛読し周辺に薦められているといわれる。この本で描いた革命前夜のフランスの状況が、今の中国の状況にあまりに似ているために、指導部に大きなショックを与えたそうである。

 この一節を念頭に入れて、中国政治の将来を展望するために、二つの基本的な視点を提示したい。

 第1の視点は、いまの中国には二つの中国が存在しているということである。つまり、世界の昇竜=ライジングパワーとしての中国と、崩壊の懸念が払しょくできない中国だ。自信過剰の中国と、自信崩壊の中国と言い換えてもいい。

 自信過剰の一面は中国の対外政策を見ると分かる。とくに2010年以降の、南シナ海や東シナ海における中国のアグレッシブな行動がその表れだ。一方、国内ではどんなに小さな騒動に対しても、ナーバスになりすぐに鎮圧してしまう。その過剰な反応は国内の安定を維持するに当たっての自信が、かなり崩れている表れと言えるだろう。

 第2の視点は、中国がアイデンティティ・クライシスに直面していることである。改革路線のもとで、中国経済が1970年代末以降高成長の時代を迎えたが、政治的にも経済的にも中国がメジャーパワーとして本格的に国際社会に台頭するようになったのは今世紀に入ってから、とくにリーマンショックに端を発した国際金融危機以降のことであった。いわば、中国の台頭はかなり短い間で成し遂げられたのであった。

 つまり、新指導部入りした人たちを含めてほとんどの中国人にとって、つい近年まで夜空に輝く月のような存在であったアメリカや日本を中心とする先進国が、急に中国と対等であるというばかりか、時にはこうした国を上から目線で見るようになった。ごく短期間であまりにもドラスティックな変化であったために、多くの中国の人々が自分を客観的に見ることができないある種のアイデンティティ・クライシスに陥ってしまった。

習近平新体制のパーソナリティと
そこから得られる示唆とは?

 このような複雑な人格を持った中国で、習近平新体制はどのようになっていくのだろうか。まず、習近平体制のパーソナリティについてみてみると、その特徴は次の四つを取り上げることができる。

 一つ目がいずれも「紅二代」、「官二代」と呼ばれる幹部を親に持つことである。ちなみに、紅二代とは、毛沢東やケ小平とともに党の最高指導部で活躍していた幹部の子弟を指すのに対して、官二代とは中高級レベルの党幹部を親に持つ人たちを指す。新体制のリーダーたちのほとんどは、このどちらかの出自をもっている。したがって、現体制の維持に強い使命感を持っている。

 二つ目は紅衛兵世代であることだ。紅衛兵は既存秩序、ルールの破壊者であると同時に、理想主義者であるという側面をもっている。

 三つ目はほぼ全員が文化大革命時代(1966年〜77年)に、中学校や高校を卒業した後、いわゆる「知識青年」として農村に送られた経験を持っているということである。したがって、貧しい農村に代表される底辺の社会に理解がある。

 四つ目は彼らがいずれも「老三届(かい)」か「新三届」であったことだ。ちなみに、老三届とは、66年〜68年に中学か高校を卒業した人たちのことを言い、新三届とは文化大革命の終了とともに復活した大学受験制度のもとで、最も早く大学に進学した77年〜79年に大学に進学した人たちを指している。このため、彼らはそれなりに良好な教育のバックグラウンドを持っており、中には留学経験があって、流ちょうに英語を操り、グローバルな視野を持つ人もいる。

 こうした新体制のパーソナリティから得られる示唆は何だろうか。

 まずは混沌とした現状を打破し中国を何とか前に率いていこうとする努力をすると思われる。つまり、現状維持は胡錦濤・温家宝体制の最大のプライオリティーであった。この施政の目標を達成するために、どんな手段でも使われた。よって、新体制にとって、現状維持は達成不可能なことになっている。それに新指導部は上述のようなパーソナリティを持っているために、中国は現状維持から現状打破の段階に入った。

 「紅二代」、「官二代」であるために、現状打破の目的は当面、ある程度の政治改革を進めて、共産党の一党支配体制を維持することだと思われる。しかし、一口に共産党と言っても毛沢東路線を礼賛する勢力もいれば、民主化を進めるべきだ主張する勢力もいる。このため、現体制の維持を目的とする改革がいずれ行き詰まり、指導部はより抜本的な政治改革に踏み切らなければならない状況に直面すると予想される。

 政治的な激変が起こるとすれば、そのタイムスパンは向こう10年以内ではないかと予想される。なぜなら、習近平氏がトップリーダで最大にいられる期限は10年であり、新体制のメンバーが年齢的に50歳代の後半から60歳代前半であるために、現役として頑張れるのも向こう10年くらいだからである。

 繰り返しになるが、彼らの出自からすると、できれば、共産党支配体制を維持していきたいだろう。このため、政治改革は共産党内部の改革から始まると思われる。例えば、党の下部組織の代表をより自由な選挙で選ぶことや最高指導部である共産党政治局のメンバーを、より民主的な選挙で選出するといった改革で腐敗問題を解決し、官民対立を緩和することによってまず共産党の指導体制を維持しようと努力する。しかし、絶対の権力は必ず腐敗を生み出すというこれまでの人類の歴史で示される通り、党内改革だけではいずれ限界に突き当たるだろう。

薄熙来事件の
本当の意味

 ここで少し視点を変えて、薄熙来(元政治局員・重慶市総書記)事件の影響を考えてみよう。薄熙来事件を新指導部の結成に向けての権力闘争や中国の進路をめぐっての路線闘争の一環としてみる意見が根強くある。

 確かに、この事件は権力闘争と路線闘争と絡んでいる部分がある。しかし、薄熙来氏が失脚に追い込まれた最大の原因は、権力闘争でもなければ路線闘争でもない。共産党指導部で結果的に薄熙来氏をめぐってコンセンサスが形成できたのは、薄熙来氏が既存の権力秩序を打ち破ろうとしたためであった。

 共産党の最高意思決定機関である政治局常務委員会は、中国という巨大な株式会社を運営し、その利得を分かち合う株主会、或いは取締役会のようなものとして見立てることができる。内部では担当によって、あるいは利益の配分によって意見対立や衝突もあろうが、こうした対立や衝突がいずれも会社の存続を前提としており、いわば一定の秩序のもとで展開される。対立は自らの権力のためかもしれないが、薄熙来は取締役会の秩序自体を打ち破ろうとした。

 今後の中国の政治を展望するに当たって、薄熙来事件からもう一つ注目に値するものがある。つまり、党内闘争に民意を利用することである。毛沢東以降、薄熙来氏は民意を積極的に利用した最初の共産党指導者であった。

二つの大きなシナリオ
四つのサブシナリオ

 最後に、習近平新体制がどこに向かうのかを予想してみよう。大きく二つのシナリオと四つのサブシナリオを提起できる。

 第1が政治改革拒否のシナリオである。そのうちケースAは現状維持。これはゼロではないが、可能性は一番低い。ケースBは毛沢東時代への復帰である。これはケースAよりも可能性は高いものの、実現の可能性はかなり低い。

 第2が政治改革遂行のシナリオである。そのうちケースAは政治改革の遂行ととともに、対外協調路線を継承するというもの。ケースBは政治改革を遂行しつつ、対外強硬路線を指向するというものである。

 習近平新体制のもとで、国家主義的傾向が高まると予想される。現時点までの状況を分析する限り、シナリオ2のケース、つまり国内的に政治改革を遂行しつつ対外的には強硬路線をとる確率が最も高いとみている。
http://diamond.jp/articles/print/27606

http://www.asyura2.com/12/china3/msg/320.html

記事 [音楽10] 渋谷陽一 批判

上記は渋谷がロックのひな型的な曲として取り上げていた曲
Led Zeppelin- Communication Breakdown

渋谷陽一批判を書こうと思う

私が、中学生くらいの頃、私の周りでは渋谷陽一教の信者が数多く存在し、私にとっては、彼らは奇異なる存在として思えた。

私が、「誰だ、それは?」というと、
「お前、「若いこだま」聴いてないのか?」との答え・・
私が「聴いてないよ〜」というと、
「だめだな〜」という感じ・・

その後、正確な時期は、覚えていないが、
NHKFM「ヤング・ジョッキー」という番組になってから、
渋谷という男の語りを聞かされることになる。

その時の印象は、
「なんだか、コイツキザな奴だな〜」
という印象・・
でもって、なんだかんだと、能書き垂れる・・

まさにこの男の言いたい放題、やりたい放題で、
独壇場である・・

よく、覚えているのが、

led zeppelin、
ボブ・ウェルチ、
ビートルズ(特にジョン)、
ジミヘンを絶賛していたことである。

ジミヘンとキング・クリムゾン(フリップ、クロス、ビル、ウェットン)の
ライブは観てみたかったとも言っていたが・・
叶わなかったとのことである。

で、コテンパンに悪意を持って批判するのは、
ウィッシュボーン・アッシュとかキャメルとか、
メロディアスで、
彼が言うには抒情的(と言っていた)な曲調のバンドである。

それも、なぜ、抒情的な曲調が、
ダメなのか?
そういたバンドがダメなのか?
の「具体的」な説明が一切ないのに驚いた・・

は〜ん、ようするに、
もっともらしいこと言ってるようだが、
結局は、
感情的に言ってるんだな・・コイツ・・と
すぐ、思ったが・・
抒情的っていいながら、
自分が一番、抒情的な判断をロック・ミュージックに対して
行っている自己矛盾の塊のような男であった。

もうひとつ、
バカのひとつ覚えのように言っていたのが、
ロックの本質は「暴力衝動である」的な発言である。

この言葉の具体的な説明も私は番組中で聞いたことがない。
他ですでに述べているかもしれないが、
番組中では、私は聞いたことがない・・

ということで、
彼のロック・ミュージックの評論(?)の基本は、
まず、彼の主観、もっと単純に言えば、好き嫌いで、
語るだけなのであるが、これに、少々
塩コショウなるものを加え(暴力衝動やら抒情的なる言葉)
・・・。
具体的な裏付けや説明がいかなる場合も
皆無なのである。
そんな、お粗末な論評ではあるが、
おめでたいことに、
信者は、思考停止し、私のように批判しなかった。

一度、渋谷がレイ・デイビスにインタビューした時の話を聞いたことがあるが、

レイが渋谷を結構、嫌ったらしく、
要は、
「シブヤ!お前のインタビューなんか受けたくないんだゾ!
マネージャーがやれって言うからやってんだ・・
早く終わらせえてとっとと消えやがれ!」
みたいな、雰囲気だったらしい・・

サンドイッチを食いながら、
サンドイッチのパンとハムを一枚一枚はがしながら、
渋谷を睨みつけるように、
インタビューにいやいや答えていたという・・

そのことを、くどくどくどくどと国営放送の電波で語っていた。

グレッグ・レイクの時には、
冒頭から、キング・クリムゾンのファースト・アルバムのエピタフの
「コンフュージョン・ウィル・ビー・マイ・エピタフ」歌詞について、質問したとたん、グレッグを怒らせ
「そんな昔の話のインタビューするんなら、俺は帰るぜ!」
と怒らせたという・・
その場は、「では、まあまあ、ELPの話をしましょうや〜」
ということで、一応は、丸くおさまったが・・
最後の最後で、
「グレッグ、俺のことジェントルマンといってくれたんだ・・」
みたいなこと言って喜ぶ・・幼稚の極みである。

結局は、この渋谷という男、内容は何もないのである。
以前、私は、イギリスのあるロック評論家なる人物について書いたが、
そのザコ男と大差ないような男なのである。

ブライアン・フェリー、1975年頃、ある評論家に酷評されるが・・ 相手にするまでもなかったようである
http://www.asyura2.com/12/music9/msg/739.html
投稿者 BRIAN ENO 日時 2012 年 10 月 22 日 08:47:56: tZW9Ar4r/Y2EU


それなのに、当時の私の周りは、
渋谷教が蔓延して、私が渋谷批判をすると、
いきなり、「貸してあるあのレコード早く返してもらおうか!」
とすごまれたり、尋常ではなかった。
なんなんこれは?みたいな・・

たかが、ロック・ミュージックである。
それも、馬の骨だか何だかわからない、
自称ロック評論家と評する渋谷という男を教祖と崇め、
連なる連中が多く、そして、
渋谷の出版するくだらない雑誌にまでお金をつぎ込むようになってくるのである・・
愚かしや・・

聞くところによると、
渋谷は、一切、楽器も演奏できない、歌も歌えない、曲もかけない、
たいそうな音楽音痴だそうである・・
そもそも、そのようになったのも、
友人の家に遊びに行ったときに、
ギターを触ろうとしたら、
「お前は、さわるな!」といわれたことが、
トラウマになっているから、
音楽に疎くなったという、理由にならない理由を
堂々と述べている。

自分は音楽のことがさっぱりわからないのであると堂々とうそぶき、
開き直って見せるのである。
そんなことくらいでトラウマになること自体、
私から言わせれば、お話にならない、
私なんぞ、先輩の家ドラム叩かせてもらっていて、
「お前、そろそろ、うるさいから帰れや!」
なんて言われても、翌日に「また、お前来たのか?」
とか言われながら、呆れられながら、嫌われながら、
うまくなっていったから、この渋谷の弱気な反応・・
モチベーションの低さ、理解不能です。

何の世界でも、その道を極めたり、
究めようとした求道師が、なんらかの理由で、
引退したりして、
その道の解説をしたり批判したり論評したりするのがふつうである。

野球にせよ、ゴルフにせよ、囲碁にせよ、スキーにせよ、
馬術にせよ・・解説者として呼ばれるのは、
選ばれしそれなりの求道師達である・・

渋谷のような楽器も弾いたことがない、
作曲もできない、
歌も歌えない、
コードもわからない、
ベース音もわからない、
アレンジもわからない人間に、
はたして音楽をロック・ミュージックを語れるのであろうか?
いや、語っていいのであろうか?

いや、彼は、その、耳触りのよい「暴力衝動」やら、「抒情的」
やらの抽象的な言葉で、
多くの迷える子羊たちを騙し、
生計を立ててきたのである。

ロック・ミュージックの本質や
ロック・ミュージックのあるべき姿を、
具体的に一切提示せずに・・

自らの具体的裏付けのない空虚な論をむなしく語り、
それに、無批判で付き従う、
愚かな騙されることを欲する信者がここの世界にもにも大挙して存在するのである。

で、そのことを、私なんぞが、
つっこむと、たぶん、こういうだろう・・
「私はミュージシャンじゃないし、音楽のことは、わからない、ギターも弾けないし、作曲もできないし、アレンジもコードもわからない・・・ベース音もね・・」

渋谷の評論とやらの本質は、
「暴力衝動」やら「抒情的」やら、耳触りのよい抽象的な言葉を用い、己の主観(好き嫌いに任せ)にたより、具体的な音楽論に立ち入らないで、
空虚で嘘八百な事をもっともらしく書いただけである。
こんなものを読んでも時間の無駄である。

彼は犯罪者ではないが、
オウムの麻原なんかの信者(迷える子羊)を騙す手法とほとんど同じである。

私は、渋谷カルト教に信心している信者に、聞いてみた・・
「渋谷のなんとかって雑誌そんなにいいのか?」

「あったり前だろう・・じゃあ、お前、まだ、ミュジック・ライフ読んでんのか?」

なる答えが返ってきた・・


「あんなもん、見ない方がいいよ、ミーハーの雑誌だから・・」

こんな具合で、彼らにしてみれば、
ミーハーでレベルの低いロック愛好家は
「ミュージックライフ」を愛読している。
という公式が成り立つのである。

志の高いレベルの高いロック愛好家は「ロッキングオン」を読むのだ・・
まさしく、渋谷教の経典さながらの位置づけである。

人間の心理(優越感や劣等感)を利用したような

くだらない階級論理があったようである。

ロック・ファンを、読む雑誌によって格付けする・・
愚かな行為である・・
ここのところは、渋谷が意図としたのか、
しなかったのかは不明だが、
渋谷が、「ミュージック・ライフ」を意識していたのは確かであろう・・

渋谷批判のまとめ

1.一見耳触りのよい、一見すると哲学的とも感じさせる抽象的なる言葉を弄して、ロッ ク・ミュージックを語るが、内容を吟味するとその、抽象的なることばの音楽的な具 体的説明は一切ない。

2.一切具体的説明のない耳触りのよい、迷える子羊を騙すのに格好の抽象的なことばの 具体的な説明や実例の列挙を求めた場合、渋谷は、「私は音楽のことは、わからない ので、その説明はできないというであろう。」(そんな質問をするのは、私くらいし かいないであろうが・・)

3.自分の論説を高貴なものとし、その論説に付き従う信者を、高レベルなロック・ファ ンと位置付けし、彼らにその優越感を体験させ、その為にはロッキングオンを購読す ることが必要不可欠なものと意識させ、自らの出版物の営業成績を上げて行く。(カ ルトの販売と同じ手法)



http://www.asyura2.com/12/music10/msg/133.html

記事 [経世済民78] 変貌・製造業 大量生産を超えて:3Dプリンター、速く安く誰でも 多品種開発容易に:1人でもメーカー 下がる起業のハードル

(上)3Dプリンター、速く安く誰でも 多品種開発容易に

 国内製造業の現場がデジタル技術の革新によって変わり始めた。簡単に試作部品を製造できる3次元(3D)プリンターなどを使えば、開発期間の短縮だけでなく、投資を抑えた効率的な多品種少量の生産も可能になる。巨大な設備や多くの人材を抱えて大量生産を追求した製造業のあり方が、変革を迫られる可能性もある。最前線の動きを追った。


フィギュア1日で

 東京都浅草に近いバンダイ本社。正面入り口を入ると、ガンダムなどキャラクター模型が並ぶ。10月に放送が始まったばかりのテレビアニメ「超速変形ジャイロゼッター」のロボット玩具も人気だ。ヒット製品を生み出す陰の主役が高性能の3Dプリンター。原料の樹脂を入れれば、粒子を噴射して短時間で試作部品を成形できる。

 フィギュアの製作は各部品の高い精度が求められる。従来は精密な金型の製作に2〜3週間必要だが、「3Dプリンターなら試作が1〜2日でできる」と設計チームの古沢北斗リーダーは語る。

 同社は2005年に最初の機械を導入。現在は新型機を含めて5台まで増やしており、愛好家を納得させる製品作りにフル稼働している。

 家庭用品大手のライオンでも3Dプリンターが活躍する。同社の包装技術研究所(東京・江戸川)では歯ブラシの取っ手などの樹脂部品を試作する。「設計データを入れておけば、一晩で模型ができる。開発効率が一気に上がった」という。現在は韓国やタイの拠点への導入も検討している。

 世界の製造業は今、歴史的な転換期にある。米フォード・モーターが量産車「T型フォード」を発売してから100年余り、多くの企業が大量生産によるコスト削減を追い求めてきた。それは巨額投資による規模の拡大こそが利益を増大させる「勝利の方程式」だったからだ。
 だが、最近は顧客ニーズの多様化を受けて製造業大手も新製品を短サイクルで投入する必要に迫られている。重要なのは3Dプリンターのようなデジタル技術。これを生かせば、中小企業もモノづくりへの参入ハードルが低くなる。

 米調査会社ウォーラーズ・アソシエイツによれば、11年の3Dプリンターの世界販売台数は10年前の5倍の約6500台だ。金額ベースで17億ドル程度(サービス含む)。現在は米ストラタシスなど海外大手3社が6〜7割の世界シェアを握り、日本でも価格を抑えながら高精度の造形ができる機種を投入している。


日本勢にもろ刃

 もちろん、最近10年で急速に技術開発が進んだ3Dプリンターも魔法のつえではない。成形は樹脂品が対象で、金属材への対応は難しい。低価格化が進んでも、まだ1000万円を超える高額機も多い。今後の普及には成形速度や精度向上に加え、一段の価格引き下げが課題となる。
 ただ、昨年新規参入したキーエンスなど日本企業を含めて3Dプリンターの開発競争は一段と激しくなる。使い勝手の良い次世代機が登場することは間違いない。

 ここで見逃せないのは日本の製造業にとってもろ刃の剣になりかねないことだ。日本は金型のような基盤技術に強く、中国などの企業に対する優位性を維持してきたが、デジタル機を購入すれば同じような生産技術を確保できる。製品開発に不可欠な試作では投資負担が軽くなり、アジアの新興企業も様々な製品に参入しやすくなる。
 日本の大手製造業は今後も急速に革新が進むデジタル化の時代でもモノ作りの強さを維持できるのか。新たな試練に直面することになりそうだ。


▼3次元(3D)プリンター 3次元の設計データをもとに立体の模型を作り出す装置。成形には熱した樹脂を歯磨き粉のように絞り出して重ねたり、粒状にした樹脂を吹き付けたりする方法が使われている。ねじのような小さなものから自動車のバンパーまで様々なものを成形できる。材料の樹脂の開発も進み、色付きや透明の模型も作れる。自動車や家電などの試作部品の製造に使われることが多い。最近では歯の治療用模型など医療分野で活用されるケースも増えている。

[日経新聞11月7日朝刊P.11]


(下)1人でもメーカー 下がる起業のハードル


 今春、池袋パルコ(東京・豊島)のショーウインドーで動くマネキンが注目を集めた。手掛けたのは従業員が社長を含めて3人の杉浦機械設計事務所(横浜市)。3次元(3D)プリンターで腕や肘を製作し、モーターで動く仕組みにした。

 杉浦富夫社長は「3Dプリンターの価格が下がり、買いやすくなった」と話す。思いついたアイデアをすぐに試せる。マネキン部品の製作期間は1カ月。通常の3分の1以下だ。他百貨店から引き合いもある。


大手が駆け込む

 精密機械産業の集積地、長野県伊那市にあるスワニーは3Dプリンターで復活した。モーター部品などを手掛け、最盛期に60人の従業員がいたが、取引先の海外移転で橋爪良博社長が家業を継いだ2010年は両親2人だけ。「このままでは生き残れない」と設計会社への転換を決意。優秀な設計者を採用、現在は13人まで増やした。
 スワニーは今、医療や家電などの大手が頼る「駆け込み寺」として知られる。図面がない顧客のアイデアでもすぐにデータ化し、3Dプリンターを使って最短1日で試作品をつくれるからだ。

 製造業はインターネット関連と異なり起業が難しかった。生産は外部委託できるが、製品化には試作の金型などに初期投資として数千万円単位の資金が必要。3Dプリンターの低価格化などで資本力という高いハードルが下がり、極端に言えば1人でもメーカーになれる時代が訪れつつある。

 「新産業革命」――。米誌「ワイアード」編集長のクリス・アンダーソン氏は近著「メイカーズ」で、こうした変化のうねりをこう表現した。「誰でも(製品を)デザインし生産できるようになった」という。

 米オバマ政権も製造業復興のために3D関連技術を支援。米マサチューセッツ工科大学(MIT)も個人が3Dプリンターなどを安いコストで使える市民工房「ファブラボ」を提唱、普及を後押ししてきた。現在は世界35カ国に広がる。
 日本でも今月、東京・渋谷に3カ所目がオープンした。ファブラボ渋谷の梅沢陽明代表は建機大手の元設計技術者だ。「作りたいものを作れる場を提供したい」。若者などの利用を見込む。


試作2万円以下

 個人から3Dプリンターで試作などを請け負う「出力サービス会社」も増えている。
 金型製造のインクス(東京・千代田、古河建規社長)もその一つ。同社は「金型の無人工場」を建設するなど積極経営で知られたが、08年秋のリーマン・ショック後に受注が低迷、民事再生法の適用を申請した。出力サービスでは試作部品を2万円以下で提供、個人顧客を開拓する。約800人の技術者を抱え、うまく加工できないデータの修正も助言する。

 米ストラタシスの3Dプリンターを販売する丸紅情報システムズも11年11月から、樹脂部品の受託製造サービスを始めた。ベンチャーを含めて「3Dプリンターを試してみたい」との声が多いからだ。「開始後、半年間だけで100件以上の受注があった」という。

 日本の製造業にとって強さの源泉は優れた中小企業の集積にあった。3Dプリンターなど革新技術を活用、ものづくり分野の有力ベンチャーが相次いで誕生すれば、日本の競争力が再び高まることになる。
 
 中村結、伊藤大輔、三浦義和、松本支局 岩戸寿が担当しました。

[日経新聞11月8日朝刊P.15]


http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/444.html

記事 [社会問題9] 大学を出ても大卒の能力があるわけでもなく、名前だけの大卒者を企業は採用しない。問題なのはトップレベルの大学生の質の低下
株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu275.html
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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大学を出ても大卒の能力があるわけでもなく、名前だけの大卒者を企業は
採用しない。問題なのはトップレベルの大学生の質の低下であり使えない。

2012年11月8日 木曜日

◆「真紀子爆弾」が突きつけた大学倒産時代の現実 政治家を「まつり上げる」官僚機構が元凶だ 11月8日 池田信夫
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36502

田中真紀子文部科学相が3つの大学の新設を認可しなかった事件は、結果的には彼女が処分を白紙撤回して決着したようだ。大臣の唐突な行動は関係者を混乱させたが、その問題提起は重い。

 「戦後たくさんの大学が創られてきたが、大学教育の質が低下している。それが就職できない理由の1つになっている」という彼女の指摘に胸を張って反論できる大学関係者はいないだろう。

学生が減るのに増え続ける大学
 日本の4年制大学は現在783校。1992年には523校だったが、90年代は「団塊ジュニア」の増加で学生数が増え続けた。学生数は2000年代には減少に転じたが、小泉内閣のとき大学の設置基準を緩和したため、図1のように大学は増え続けた。

このため最近は大学の定員と学生数がほとんど同じになり、今春の入学試験では私立大学の46%が定員割れになった。大学を選ばなければ、ほぼ全員が入学できる「大学全入時代」である。

 このように大学生の量が増えると同時に、質は低下した。当コラムでも指摘したように、2割以上が卒業しても就職も進学もできない「無業者」になる。若年失業率が高いことがよく問題になるが、求人倍率は1を超えており、中小企業の求人倍率は4倍以上だ。

 大学生は増えたが、ホワイトカラーの需要はIT化で減っている。多くの大学生には高卒の職場しかないが、学生が中小企業をいやがるため、ミスマッチが起きているのだ。

 こういう状況で大学を増やし続けると、経営の破綻する大学が出てくる。群馬県高崎市の創造学園大学は経営が悪化し、文科省は2013年3月までに解散命令を出す方針だ。多くの大学で合併も進んでおり、これから「大学倒産時代」がやってくることは間違いない。

官僚がすべて決めて審議会も政治家も追認するだけ
 関係者が驚いたのは、2013年4月に開校する大学の許可を半年前になって取り消す乱暴なやり方だが、これ自体は違法ではない。

 大学設置審議会は、文科相の諮問に対して答申するだけで、最終判断するのは大臣である。田中氏が最初「法にのっとって判断した」と主張し、事務方もそれを容認したのはこのためだろう。

 しかし今まで大学設置審の答申をくつがえして認可されなかった前例はなく、各大学は準備を終え、受験生への説明会を行う予定だった。このため「ちゃぶ台返しだ」と大騒ぎになったわけだ。

 しかし、この手続きはおかしい。文科省の 提出書類の作成の手引きによれば、図2のように大学を開設する場合はその前年の3月末に文科省に「申請」し、それを審査して10月末に認可することになっているが、新設大学の建物を半年で建てることはできないので、このスケジュールは不自然である。

実際には、大学は2年ぐらい前から文科省に根回しし、内定をもらって教員を募集する。3月末に申請する段階では、すべての教員の名簿が揃っていなければならないが、公募できないので縁故採用するしかない。

 このとき文科省は、教授や事務総長などに天下りの就任を要請する。それを承諾すると申請が受理されるので、大学は準備作業を開始する。大学を生かすも殺すも官僚の裁量ひとつなので、大学側は戦々恐々だ。

 大学設置審は官僚の決定を追認するだけなので、大臣は答申が出た段階では認めるしかない。実質的な決定権は官僚にあり、審議会も大臣も形だけなのだ。これが霞が関の典型的な手続きであり、これでは「政治主導」なんてできるはずもない。

政治の転換を阻む「まつりごと」の構造
 このように最高責任者に実質的な決定権を与えない政治システムを、政治学者の丸山眞男はまつりごとの構造と呼んだ。やまとことばで政治を「まつりごと」と呼ぶのは、古代に祭政一致だったからではなく、天皇を「まつり上げる」ことから来ている。

この場合の政治(まつりごと)の主語は摂政・関白や征夷大将軍などの臣下であり、天皇は彼らの決めたことを追認するだけの「みこし」のような存在である。さらに臣下の意思決定もその部下(家司や執権など)に委任される入れ子構造になっている。

 このような形式的な最高責任者と実質的な決定者の二重構造は、官庁だけではなく企業にも遍在している。経営者の仕事は現場の決めたことを承認して対外的な交渉を行うことだから、組織のバランスをとる調整型の人が出世し、田中氏のような人は通常はトップにはならない。

 この方式は日常業務を既定方針どおり続けるときはいいのだが、トップが現場の積み上げた既成事実を拒否できないので、危機に直面したとき方向転換できない。かつて日本が勝てないと分かっている戦争に突っ込んだ原因も、この無責任の体系にあったと丸山は指摘している。

 今回の騒動は、政治の転換を阻む「まつりごと」の構造を鮮やかに見せ、政治家が官僚に振り回される実態を白日のもとにさらした。こういう欠陥を残したまま「政治主導」などというスローガンを掲げても、何もできるはずがない。

 大学は明らかに供給過剰なのだから、政府が補助して供給を促進する政策はやめるべきだ。今年度は国立大学法人に1兆1600億円の運営交付金、私立大学には3200億円の私学助成が出ているが、大学は「レジャーランド」になっており、企業は大学教育には何も期待していない。

 日本の大学のほとんど唯一の役割は、学歴によって学生を振り分けるシグナリングであり、社会的には浪費だというのが多くの調査結果の示すところだ。また大学の私的収益率は高いので政府が補助する必要はなく、貧しい学生には奨学金を出して返済させるべきだ。

 もちろん、これには官僚も大学関係者も反対するだろう。それを押し切って大学を減らそうという田中氏の着眼はいい。今回は拙速すぎたが、これぐらいの爆弾を落とさないと、政治家も役所も目が覚めない。

 日本の未来を担うべき大学教育の劣化は深刻である。これを機に大学設置審の手続きと人選を見直し、トップダウンで大学を見直すべきだ。

(私のコメント)


田中真紀子文部大臣の大学新設不許可の問題は、結局は許可されるようですが、学生数が減っているにも拘らず大学の数は増え続けている。おかげで大学全入時代となり、希望すれば誰もが大学に進学できるようになりました。大学生になれたおかげで一生懸命勉強して能力の高い大学生が生まれればいいのですが、実際には逆であり、バイト生活に明け暮れる学生が多い。

社会が求めている大学生と、実際の大学生の教育内容には問題があるようですが、特に文科系の学部に問題があるようだ。受験戦争とか詰め込み教育だとか言う批判は昔の話であり、今では早稲田や慶応といった大学でもAO入試の割合が多くなり、受験勉強しなくても入学が出来る。しかし受験勉強せずにいつ学力を身に付けるのだろうか? 

新卒者の就職難も新卒大学生の能力に問題があるからだろう。特に問題なのはトップクラスの大学生の質の低下であり、東大からノーベル賞学者が一人しか出ていない。社会科学系の分野では日本は一人もまだ受賞者がいない。一般的に言われている事でも、企業に東大出が増えるとその会社の業績が落ちると言われるのはなぜなのだろうか? 

東京電力でも歴代の社長は東大出が多く、エリートが集まる会社ですが福島第一原発事故は東大教育のシステムに問題があったからでは無いだろうか? 東大のエネルギー工学の教授はどれだけ原子力発電所の仕組みを知っていたのだろうか? テレビに出て解説していた東大教授は最近は見かけませんが、水素爆発の危険性を一言も言わなかった。

池田氏が指摘しているように、大学の数が1992年は500校足らずから現在では800校近くに大学が増えた。それだけ大学教授も大学関係者も増えてきたわけであり、官僚の多くがそこに天下っている。いったん大学教授になれば碌に、研究論文を発表しなくても定年まで安泰であり高給が保証されるからこれほどいい職業は無いだろう。だから大学の数は学生の数に関わらず増え続ける。

田中真紀子文部大臣の投じた問題は、池田氏が言う様に法律上は何の問題も無い。しかし実情は大臣には権限が無く審議会の決定が文部省の決定になってしまう。他の省庁も同じなのでしょうが形ばかりの審議会が決定すると大臣がハンコを押して決まってしまう。審議会のメンバーの選定は官僚が行うから実質的には官僚がすべてを決めてしまう。だから原発災害にも原発関連の委員会は機能しなかった。

経済産業省の原子力保安院も東大出の技官が仕切っていたのでしょうが、彼らは現場の事が分からない。日本のエリートは現場を知らず責任も取らない事が特色であり、経済官僚も経済の現場の事が分からない。経済が停滞して税収が落ち込んでいるにも拘らず財務省官僚も日銀官僚も東大出のエリートがどうしていいかわからず増税だけしている。

池田信夫氏自身も大学教授であり、大学の当事者の一人でもあるから大学教育の現状も分かっているのでしょう。大学教授になりたければ官僚に口を聞いてもらえれば何処かの大学教授になりやすい。最近では落選した国会議員の先生が客員教授とかなれるようですが、最近ではタレントなども学生を集める為の手段として客員教授とか学長とかになっている。

大学にしてみれば、学費を払ってくれる学生が確保できればいいわけであり、どうせならAKB48のメンバーを客員教授に迎えれば男子学生が集まるだろう。お笑いタレントだって大学教授になれるのであり、大学教授には教員国家資格免許がいらない。大学がレジャーランドと言われるようになって久しくなりましたが、大学は官僚の天下り法人が出来るのとよく似ている。官僚にとっては天下り法人はこの世の天国だ。

田中真紀子大臣がやった事は極めて民主党のマニフェストに忠実であり、正しい事だ。大学生が300万人で頭打ちなのに大学が500から800に増えてしまっては赤字の大学が多くなり、幾ら補助金を配っても足らないだろう。しかし特殊法人が潰せないようにFランク大学も潰せない。昔は女子大生亡国論がありましたが、女子大生が就職して5,6年働いたら30歳になってしまって婚期が遅れて少子化の原因になるだけだ。

本来は大学は学者を養成する機関であり、今ではサラリーマン養成所になっていますが、会社経営者になるには大学を出ていたら手遅れになるだろう。ビルゲイツもスティーブジョブスも大学を中退しており、20代半ばまで大学にいたら何をするにしても手遅れになることが多い。芸能人にしてもスポーツ選手にしても10代で頭角を現していなければ一流に離れない。ビジネスでも同じだろう。


http://www.asyura2.com/12/social9/msg/190.html

記事 [ペンネーム登録待ち板6] ケッシュ財団のフリーエネルギー技術、日本政府受け取る!
http://ski.vitaljapan.net/?eid=1283459より転載


かねて、ベルギーのケッシュ財団が
各国政府に無償提供を申し出ていた
フリーエネルギー技術ですが、
ついに
11/2 13:30 に
SSP(Space Ship Program)を日本政府が受け取ったことが
ケッシュ財団のサイトに紹介された模様です!
http://www.keshefoundation.org/phpbb/viewtopic.phpf=2&t=2924&sid=334f60facfc64ecc786706dbd5011af5


いやぁ、よかったよかった!!


いうまでもなく、
米国は、この呼びかけを無視している様です。

既に、フリーエネルギー技術を所有・実用化しているアメリカ政府は、
これまで フリーエネルギー技術の研究自体を禁止する法律を制定している位ですから、何としてもフリーエネルギー技術が世界に知れ渡ることを阻止したかったのでしょうが。


しかし、
このような形で、フリーエネルギー技術が世界中に公表されても
潰されなかった!、公開できた!
・・という事実に、旧闇の支配勢力の没落を実感することが出来ます。


何度かblogでも述べましたが、
フリーエネルギー技術が実用化されるということは、
日本の福島原発事故による放射能汚染も解決できる、ということです。

そして、タイムトラベルや過去観察も、
技術的に可能になるハズです。

タイムトラベル技術や過去観察機が実用化されれば、
これまで恣意的に中国や韓国等が行ってきた「歴史的捏造」などは、
一切、通用しなくなります。
真実の地球の歴史、日本と世界の歴史が、
客観的に検証されることになるでしょう。


チャンネリングメッセージで「光」のサイドといわれている
オバマ氏が米国大統領に再選されたことで
地球世界は、一気に新しいステージへと
量子的に飛躍するのではないか!
・・と強く期待します!

ちなみに、日本政府が、
ケッシュ財団の技術を受け取ったとしても
そのことをすぐにマスコミ等を通して公開する、とも思えません。

ここは、気づいている人達が一丸となって
積極的に政府に圧力をかけていくことが必要と感じます。

以下、銀河連邦新日本より転載

*******************************

超朗報!Keche技術が日本政府に渡された!

"万爺" さんによる投稿 (11 月 7, 2012 1:29pm)

皆さん、大変素晴しいーニュースが昨日Keshe財団のサイトに公開されました。http://www.keshefoundation.org/phpbb/viewtopic.php?f=2&t=2924

早くマスメディアのニュースに取り上げて欲しいし、政府も隠さず公表してもらいたい所です。

******

Keshe財団は光栄をもってこの発表します、2012年11月2日に天皇皇室国家の日本がKeshe財団より宇宙船USBスティックを受け取った最近の国です。

SSPプログラムのギフトを日本大使に2012年11月2日13:30に手渡しました。

この日より日本国は環境や周囲の地域に漏洩した放射能を包み込む重力場宇宙技術を使って福島の核汚染を除去し人々を助けることができます。

日本政府へ技術移転するという事はその国が新しいエネルギー供給システムを自ら開発する事を認めています。

それはこの国はここ数年という事態でエネルギー輸入から自己充足する国家へと自立させます。

全ての国に渡すSSP USBスティックの中身は完全に同じであり、同じマスターファイルからコピーされています。それゆえに全ての国はKeshe財団より宇宙リアクター技術の同じ特許並びに設計図を受け取ります。

私達は日本国家がSSB USBスティックを受け取ったことを祝福します。

私たちはこの国の核の問題の現状を助けるため一刻でも早くこの技術を実現化し達成するよう日本政府に我々の技術的フルサポートを提供します。

日本政府への技術移転はKeshe財団より勤勉国家日本へのフリー贈り物として無償にて行われます。

私達は日本国がSSPプログラムの一員になることを歓迎します。

M T Keshe

http://www.asyura2.com/10/nametoroku6/msg/2802.html

記事 [経世済民78] [人口減社会を考える]少子化前提に発想転換を: 久々に出会ったすばらしい論考

[人口減社会を考える](中)少子化前提に発想転換を

松谷明彦 政策研究大学院大学名誉教授

財政・福祉、見直し急務 生活費下げ、住宅政策カギ

<ポイント>
○持続性確保へ財政や社会福祉モデル模索を
○日本企業の競争相手は途上国でなく欧米勢
○高齢化時代に備え公共賃貸住宅の整備急げ

 人口の減少と高齢化が加速している。人口増加、中でも労働者数の増加を大前提に構築されたわれわれの社会や経済にとっては存立にも関わる大事件である。現に財政収支は年々悪化し、年金などの社会福祉も既に持続可能性を失っている。企業収益も低下の一途にあり、賃金コストなどの削減で補おうとして、逆に経済の低迷を招いている。

 政府は少子化対策を強調するが、誤った政策対応である。人口の減少や高齢化がもたらす問題は深刻だが、解決がどうにも困難というほどの問題ではない。にもかかわらず現に社会や経済が悪化しているのは、対応を誤りいわば袋小路に陥っているからである。

 少子化対策で人口構造を変え、問題自体を回避しようとしても、残念ながら急激な少子化の流れは変えられない。なぜならそれは、出生率の低下ではなく、母胎の激減によるものだからだ。出産の可能性の高い25〜39歳の女性人口は、外国人の流入を含めた総人口ベースでも、今後半世紀で55.1%も減少する(国立社会保障・人口問題研究所推計)。一方、フランスや英国では逆に3.7%、1.3%の増加である(国連推計)。

 優生保護法による戦後の大規模な産児制限が形成した「いびつな人口構造」が背景にある。西欧諸国では子どもの数が今後半世紀で1割以上も増えるのに対し、日本では半分以下に激減せざるを得ない。子どもの増加を夢見るのではなく、子どもが減っても持続可能な財政や社会福祉のモデルを模索することこそが賢明な対応といえるだろう。

 加えて、そこまで子どもの数が違えば、後世代が前世代を支えるという西欧流の社会福祉は、日本では成り立ちにくいとの認識も必要となる。社会福祉が袋小路にあるのは、政府が年金という西欧流に固執し、他の政策手段を持とうとしないからである。

 財政もまた同様に、袋小路にある。政府は増税で財政収支を改善しようとし、多くの人もある程度の増税は必要と考えた。しかしそれは人口増加時代の発想である。
 高齢化が急速に進行する時代には、国民1人あたりの財政支出をおおむね横ばいとしない限り、増税で財政収支を改善することはできない。1人あたり国民所得がおおむね横ばいとなり、1人あたり税収もおおむね横ばいとなるからである。にもかかわらず政府は財政支出を伸びるに任せ、増税だけで財政収支を改善しようとしている。

 その状況を図1に示した。図の左側が人口増加時代、右側が高齢化時代である。人口増加時代には、1人あたり税収の増加速度は1人あたり財政支出の増加速度とほぼ同じであった(実質値は1955年からの半世紀で約10倍)。労働者の人口比率が上昇を続けていたからである。それなら増税は収支改善の手段たり得る。増税は図の税収のラインを上方に平行移動させることだから、一度の増税で中長期的に収支は改善する。
 しかし図の右側では、何度増税しても収支が改善することはない。「ある程度」ではなく際限ない増税地獄となり、遠からず財政は崩壊する。政府は頭の切り替えが必要だろう。1人あたり財政支出の傾きを国民所得の傾きと同じにすることが、人口減少時代に必須の財政規律なのである。

 旧来の手法に固執している点では、民間企業も同様だ。経団連は外国人労働力の活用を主張するが、それでは未来は開けない。労働力の輸入により維持しようとしている現在の日本企業のビジネスモデルそれ自体が既に国際競争力を失っているからである。

 欧米からの技術輸入と安価な労働力による大量生産という、いまだに大半の日本企業が基盤とするモデルは、途上国企業との激烈な競争にさらされている。図2のように、日本企業の利益率は、上昇基調にある欧米企業とは逆に、低下の一途をたどっている。なすべきは安価な労働力の確保ではなく、自前の技術開発力を基盤とする先進国モデルへの転換である。近年「アジア戦略」が花盛りだが、日本企業が競争すべきは欧米企業であって、途上国企業ではない。

 その場合、東京の徹底した国際化が不可欠となる。技術先進国に共通するのは、国内市場に極めて多くの外国企業・外国人が参入し、そこで活発な国際競争が展開されている点である。日本企業同士、日本人同士の競争というぬるま湯に浸っていては、先進国モデルへの脱皮のための技術基盤は生まれ得ない。自国の技術開発力を支えるのは自国民である必要はなく、自国民の富を生み出すのも自国企業である必要はないというのが、先進国の常識である。

 そうして外国企業も含めた日本経済の利益率が格段に向上すれば、人口減少社会は明るいものとなる。生涯所得が大きく増えるから、個人も、社会福祉も、はるかに老後を描きやすくなる。貯蓄の増加で、社会資本もそろえられる。時間あたり賃金がドイツの3分の2以下という日本の低賃金の是正こそが、最も急ぐべき課題かもしれない。

 高齢化時代に必須の社会資本は公共賃貸住宅であろう。年金には持続可能性はないが、発想を転換すれば、安定的な社会福祉も可能である。年金というフローで高齢者の収入を増やすのではなく、公共住宅というストックで高齢者の生活支出を減らせばよい。まず100年以上の耐久性と維持経費の極小化のための住宅技術開発を推進する。その建設のための超長期の公債を発行する。公共用地や公共施設の上部を建設用地として活用する。以上3点で、家賃補助をせずとも格段に低家賃の賃貸住宅を大量に建設できる。
 公債償還は家賃収入のみで可能だから、財政負担が増加することはない。官民パートナーシップ(PPP)を活用すれば、民業圧迫の非難も回避できる。都市部では4割もいる借家の高齢者だけでなく、今後終身雇用の消滅で持ち家が困難となる多くの働く世代も助けられる。持ち家の高齢者にとっても、賃貸住宅に移り、自己のストック(持ち家)を生活費に回すという選択肢ができる。今後の社会福祉は年金一辺倒でなく、もっと多様であるべきだろう。

 財政はどうあるべきか。高齢者が急増し公債費が膨張する中で、1人あたり財政支出を横ばいにとどめることは不可能だと政府はいうだろう。小さな政府を主張する向きもあるが、時計の針は逆に戻せまい。発想を変えよう。政府の大きさは変えずに、「小さな財政」とするのである。

 現状は放漫財政といってよい。巨大な官僚機構に加え、財政の支出ルートに膨大な団体・企業が絡んでいる。それらを整理し、国や自治体から出たお金が本当に必要なところにだけ届くようにする。また政府の調達価格は「官庁価格」と呼ばれ、民間の取引価格よりはるかに高い。これを公正な競争で民間並みの価格にする。それらだけで現在の単年度赤字のかなりの部分が解消する。さらに合理化に努めれば、現時点で財政収支を均衡させ、今後の1人あたり財政支出を横ばいとすることも不可能ではない。そうすれば増税の必要もなくなる。

 増えることが当たり前だった人口や国内総生産が減るのだから、人も社会もそのままでいられるはずがない。容易でないことは確かだが、発想を変え、仕組みを変えれば、豊かな人口減少社会とすることは十分に可能である。
 
 まつたに・あきひこ 45年生まれ。東京大経卒、旧大蔵省へ。専門はマクロ経済学

[日経新聞11月8日朝刊P.28]

http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/445.html

記事 [日本の事件30] 六本木襲撃のクラブ、実質経営者逮捕 風営法違反容疑:難しいとは思えない、肝心の六本木クラブ襲撃殺害犯逮捕はどうした?!

六本木襲撃のクラブ、実質経営者逮捕 風営法違反容疑

 9月に襲撃事件が発生した東京・六本木のクラブ「スタジオゲート」(旧店名・スタジオフラワー)の無許可営業事件で、警視庁生活安全特別捜査隊は7日までに、クラブの実質的経営者、安倍秀彦容疑者(43)=東京都新宿区新宿6=ら3人を風営法違反(無許可営業)容疑で逮捕した。同隊によると、3人は「間違いない」などと容疑を認めている。

[日経新聞11月8日朝刊P.43]


http://www.asyura2.com/11/nihon30/msg/625.html

記事 [戦争b10] 「伝説の島」めぐり中韓紛争 尖閣が寝た子起こす?
桜井紀雄の劇的半島、熱烈大陸】
「伝説の島」めぐり中韓紛争 尖閣が寝た子起こす?
2012.10.7 07:00
 韓国で「伝説の島」とされてきた東シナ海の暗礁が中韓紛争の火種になりつつある。海中に没し、厳密には島ではないため、双方が「領土」とはみなさず、これまで大きな波風は立たずにきた。それが尖閣問題の余波で中国がにわかに管轄権を強調し始め、韓国世論が中国の「海洋覇権」に警戒感をあらわにしている。韓国にとって日中対立が中韓の寝た子を起こす事態に見舞われている。

「竹島争い冷めぬ中、中国に強硬姿勢」

 焦点となっているのは、韓国最南端の島から149キロ、中国最東端の島から247キロにある「離於(イオ)島」(中国名・蘇岩礁)だ。

 中韓の排他的経済水域(EEZ)が重なる海域にあたる。中韓は1996年以来、16回にわたってEEZの画定交渉をしてきたが、交渉はまとまらず、この暗礁がいずれのEEZ内にあるか未画定のままだ。

 そんな中、9月24日の中国メディアの報道が韓国に強い警戒感を呼び起こすことになった。

 中国国家海洋局が、尖閣諸島やフィリピン、ベトナムと領有権を争う南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島、西沙(同パラセル)諸島などを遠隔操作で監視する無人機の導入を計画。そのデモンストレーションのもようを報じたものだが、同局の担当者が監視対象に「蘇岩礁も含む」と説明したためだ。

 計画の主眼はあくまで尖閣や南シナ海にあるとみられるが、「蘇岩礁」発言に韓国メディアが一斉に反発。「中国が尖閣問題で日本の実効支配を揺るがした成果をもとに離於島周辺でも領有権の主張を強める」(韓国紙、朝鮮日報)とみなしたのだ。

 世論のあおりを受け、李明博大統領も同日、「韓国政府は最近、独島(竹島の韓国名)や離於島に対する警備をいっそう強化している」と発言。韓国大統領が竹島と同列に扱う存在に浮上した。

 これに対し、中国共産党機関紙、人民日報傘下の国際情報紙「環球時報」は「日本と独島をめぐる争いが冷めやらぬ中、中国のEEZ内の蘇岩礁への警備を強め、中国への強硬姿勢を訴える声が出ている」と竹島問題と関連付けて韓国世論の硬化を警戒する報道を行った。

「見たら帰れない」「永遠の理想郷」

 離於島は韓国で長い間、波浪島とも呼ぶ、伝説の島して扱われてきた。

 海面下4〜6メートルに没し、韓国南部、済州島の漁民の間で「荒波のときだけ姿を現し、見たものは帰れない」といったおどろおどろしい言い伝えの一方、「海で行方不明になった漁師が暮らす神秘の島」や「永遠の理想郷」とも伝えられた。

 1951年に韓国海軍などがこの暗礁を探索し、「大韓民国領土 離於島」との銅板碑を設置。韓国は米国などに対し、竹島と並んで波浪島の領有権を主張しながら、その場所さえあやふやだったが、いわば強引に伝説の島と、この暗礁を結び付け、同一だとした。

 この暗礁に対して最初に行動をとったのは韓国側だった。中韓のEEZが重なる海域にあるが、その中間線から見て韓国の島により近いとして、2003年、一方的に暗礁上にやぐら式の海洋科学基地を建設した。

 貿易立国を標榜(ひょうぼう)する韓国にとって海上輸送量の9割が離於島南方を通るという海上の要所である上、周辺一帯に膨大な原油と最大72億トンの天然ガスが眠ると推定されたことが背景にあった。

 韓国の基地建設に中国は「一方的な行為に対してはいかなる法的効果もない」と抗議したが、表立った紛争には発展しなかった。互いに管轄権を主張しながら「島ではなく、海中の岩礁であり、領土とみなさない」と領有権は主張せず、領土紛争の存在も否定する奇妙な状況が続いた。

 中国側も「EEZの画定交渉の中で話し合うべきもの」との態度で、紛争化しない「静かな外交」(有力紙、中央日報)を維持した。

「尖閣の火の粉が降りかかる」

 それが一転、昨年ごろから中国が強硬姿勢を取り始める。

 昨年6〜7月、離於島周辺で沈没船の引き揚げ作業をしていた韓国船に対して中国の官公船が「中国の管轄水域だ」と警告。昨年12月に中国が大型海洋監視船の東シナ海投入を決めたことや今年3月、国家海洋局長が、監視船や航空機による定期パトロールに「蘇岩礁周辺が含まれる」と発言したことが韓国メディアに大きく取り上げられた。

 中国が尖閣をにらみ、東シナ海の監視を強化した余波に離於島が巻き込まれた形だ。

 9月25日に就役した中国初の空母「遼寧」についても韓国では「離於島周辺海域も行動半径に含まれる」ともっぱら離於島と関連付けて警戒を呼んでいる。

 本来、他人同士の“けんか”に過ぎなかった尖閣問題も「火の粉は離於島にも降りかかる」とわがこととして報じられるようになった。

 中央日報は「東アジア全体が軍拡競争の泥沼に陥る危険が高まっている」と尖閣問題が日中の軍拡競争を呼び、韓国もそれに巻き込まれるという過剰反応といえなくもない論理を展開。「中国と対等でなくとも、軽視されないほどの海軍力を備える必要がある」と警鐘を鳴らす。

 朝鮮日報は「朝鮮半島を挟んで日中が繰り広げる対立は韓国の命運に直結している。日中は過去にも朝鮮半島を舞台に覇権を争った国だ」と強調する。

 さらには「日本が尖閣で中国にされたのと同じことをする可能性もある」として、日本が「尖閣の敵を竹島で討つ」ことを危惧したこじつけともいえる日本警戒論も唱えている。(外信部記者)
http://sankei.jp.msn.com/world/print/121007/kor12100707010000-c.htm
http://www.asyura2.com/12/warb10/msg/407.html

記事 [戦争b10] シリアや欧州債務問題などで解決支援を−オバマ氏再選、世界中から要望の声
シリアや欧州債務問題などで解決支援を−オバマ氏再選、世界中から要望の声
2012年 11月 8日 13:32 JST 
 世界各国の指導者たちは7日、オバマ米大統領の再選を祝うと同時に、シリアなどの紛争解決や欧州の債務危機からの脱出支援といったさまざまな問題に一層対処するよう、同大統領に要請した。2期目を迎える同大統領が直面する複雑な外交政策上の問題を浮き彫りした形だ。

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AP
再選を喜ぶオバマ大統領とミシェル夫人(6日、シカゴ)
 オバマ大統領の再選は世界の多くの国々を安堵(あんど)させた。多くの国々でなお人気を保っており、ミット・ロムニー共和党候補よりも多くの点で人気がずっと高いからだ。しかし、海外の反応は、同大統領が2008年に歴史的な勝利を収めた時に広範で見受けられた興奮と比較すると、かなり控えめになったのも事実だ。

 中東、アラブ、イラン、トルコ、それにイスラエルで、人々は期待感と同時に、一部の問題では懸念の声を上げた。2期目を迎えるオバマ大統領がもはや選挙に縛られなくなるため、米国が対中東政策を形作る上で、より自由になれるためだ。同大統領への要望リストは即座にさまざまな方面から持ち上がった。シリアの反体制派への支援強化、イランの核開発に対するより強い外交姿勢、イスラエル・パレスチナの和平に向けた新たな取り組みへの着手などだ。また、中東アラブ諸国で民主化運動が展開され、多くはイスラム教の新政権が誕生したことを受けて、これら新政権との関係構築において米国がより能動的になるよう求められている。

 シリアの反体制組織の一つである「国民評議会」の広報担当者は「選挙の勝利によって、シリアや世界中で人々の自由と尊厳を後押しする正しい判断をオバマ大統領がより自由に下せるようになるよう期待している」と述べた。

 シリアの反体制派の多くは、アサド政権打倒のための軍事支援や軍事介入の要望に応じていないとして、オバマ政権を批判している。アサド政権と反体制派は19カ月にわたって戦い続けている。

 一方、オバマ再選の結果、イランが核兵器を保有するようになるのか、それとも外交努力や制裁あるいは戦争によって核兵器保有の野心がくじかれるのか、今後4年間が決定的に重要になる公算が大きい。

 イラン国内では、一般市民、野党支持者、それに保守的な宗教指導者が一様にオバマ大統領再選にホッとしているようだ。同大統領はイランの核開発問題への対応で、軍事攻撃よりも外交を選択する傾向があり、より穏健な候補者とみられていた。

 あるイラン人女性は、交流サイト(SNS)のフェイスブックの自身のページに「やったぁ!安心したわ。無人機による攻撃や制裁による経済的な困難は増えるだろうけど、イランが爆撃されることはないと思う。ありがとう、アメリカ!」と書き込んだ。

 イランの半国営のファルス通信社は解説記事の中で、ロムニー氏が勝利していれば、イスラム世界にとっては危険だっただろうと述べ、右派の保守的な勢力が米国の外交政策を支配する可能性が高かったことを理由に挙げた。

 この記事は「世界中の大半のイスラム教徒にとって、ロムニー氏はイラクとアフガニスタンにおけるブッシュ(前大統領)の犯罪を思い起こさせる人物だ」と指摘、「オバマ氏の政策もイスラム教徒にとって公平でないものの、少なくとも不快極まりないものではない」と主張した。

 これに対し、イスラエルの人々の多くは、オバマ氏のイランに対する好戦的な発言が選挙目当てだけで、2期目には一段とイランとの交渉に賭けるのではないかと懸念している。イスラエルは交渉が時間稼ぎの引き延ばし戦術に過ぎないと考えている。

 また、これらイスラエルの人々は、オバマ政権1期目に中東和平工作が失敗したことを受けて、2期目には新たな取り組みに着手すると予想している。イスラエルのネタニヤフ首相は「オバマ大統領との協力を続け、イスラエル国民の安全に不可欠な権益を確実にするつもりだ」と述べた。

 パレスチナ自治政府のアッバス議長は、オバマ大統領の再選を祝う書簡の中で、オバマ氏と協力してイスラエルとの和平を実現する用意があると述べた。しかし、多くのパレスチナ人は誰が大統領になったとしても、米国の政策がイスラエル寄りにとどまることは確実だと考えている。

 一方、アジアの指導者たちは、オバマ大統領に対し、軍事的・外交的なアジアシフト(アジア重視戦略)の一段の強化を求めた。このシフトは、同大統領が過去2、3年間にわたり外交資本の大半を投入した動きだ。しかし、このシフト遂行にあたっては、台頭する地域大国である中国と米国の関係を周到に管理する必要がある。中国との協力と競合(ライバル関係)という、2つの相反する要素の間でバランスをとる必要があるのだ。

 米国はとりわけ、南シナ海の領有権問題の多角的な解決を求める多くの東南アジア諸国を支持し、中国を怒らせた。

 マレーシアのナジブ首相は、オバマ大統領の再選は、米国とイスラム世界との関係改善の良い機会になるだろうと述べた。

 欧州問題では、ユーロ圏の債務危機が第1期オバマ政権の米欧関係の大半を支配し、米国はこの危機が世界経済にとって大きなリスクだとしばしば指摘した。オバマ再選を受けて、英国、ドイツ、フランス、スペインなど欧州各国政府は、オバマ大統領と今後も協力して、経済成長と失業克服という世界的な課題に取り組むとともに、米欧通商関係の深化で合意するよう希望していると述べた。

 欧州での主要な懸念は、米国が年末に一連の増税と支出削減、いわゆる「財政の崖」に直面し、その結果、既に苦境にある欧州経済に一層打撃になりかねないことだ。

 一方、ロムニー候補の敗北には、ロシアでも安堵感がある。ロムニー氏はこれまで、ロシアを米国にとって地政学上のナンバー1の敵だと述べていたからだ。プーチン大統領の報道官は、クレムリンはロムニー氏敗北を「極めて前向き」に受け止めていると述べた。同報道官はまた、プーチン大統領がオバマ大統領に祝電を送ったと述べた。その内容は米国が公表するまで秘密だという。

 それでも、米ロ関係は最近数カ月、低迷している。クレムリンが反プーチンの街頭抗議行動に対して治安を強化し、米国が支援するロシアの市民団体を騒動を助長するとして非難したからだ。

記者: Cassell Bryan-Low、Charles Levinson

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http://jp.wsj.com/US/Politics/node_544487?mod=WSJFeatures


http://www.asyura2.com/12/warb10/msg/408.html

記事 [音楽10] シャロン・テートを殺害された後に作られた「マクベス」惨殺がポランスキーのトラウマになり映画に反映する・・

私は高校生の時に、
我が母校で、3本の映画を観させられた・・

ロマン・ポランスキーの「マクベス」
ロシア革命の悲劇を描いた「ニコライとアレキサンドラ」
ジャック・ニコルソンの「カッコーの巣のの上で」

このマクベス・・

サード・イアー・バンドという
一応、プログレっぽいバンドが音楽を担当してるが、
語るまでもない・・

とにかく、シャロン・テートという
絶世の美女が妊娠中に、
惨殺される衝撃の事件の翌年に作られた作品である。

ポランスキー・・
ぼくちゃんのような容貌だが、

案外図太い精神の持ち主である・・

惨殺のトラウマが映画に反映しつつも、
しっかりと仕事はやり遂げている。

お城は、例のカトリーヌ・ドヌーブのお姉さんがでていた映画の
お城となぜか似ている・・

ロマン・ポランスキー監督の「袋小路」カトリーヌ・ドヌーブのお姉さん フランソワーズ・ドルレアック
http://www.asyura2.com/12/music9/msg/405.html
投稿者 BRIAN ENO 日時 2012 年 9 月 20 日 08:42:59: tZW9Ar4r/Y2EU


彼の勇気と心の強さに敬意を表する。

ちなみに、高校生の時にこの映画を
観たが、ラストシーンや
魔女の気持ち悪いシーンしか
記憶にない・・

先日、WOWOWで放送していたので、
録画した。今度、
今一度、見てみることにする。

やはり、ポランスキーの選ぶ女優は美人である。
http://www.asyura2.com/12/music10/msg/134.html

記事 [地域13] 長峯誠都城市長の学歴詐称を検証する−20(風雲告げる都城市長選挙)

◎ 風雲告げる都城市長選挙

民主党・自民党によるチキンレースが始まった。と言っても国会の話ではない。

 10月7日、大安吉日とあって、都城市北原町には市長選挙をにらんだ両陣営の選対事務所が店開きをした。
池田宜永陣営には長峯誠都城市長、古川禎久代議士を先頭に県議会議員、市議会議員がズラリと勢揃いして、必勝態勢を整えた。

 一方、三角光洋陣営は大将格が不在、地元県議一人が参加した。これをのぞき見した選挙スズメの一人は「勝負はあったようなもんやナア・・・・」と嘆いた。


◎ 「若さ」と「政策通」の対決

 次期都城市長選挙は若さの池田宜永か? 政策通の三角光洋か?が話題に上がっておるが、所詮、池田宜永は長峯ファミリーの後押しが無ければ、勝利はおぼつかない。

従って、池田宜永が勝っても、「長峯の、長峯による、長峯のための市政」が続く事には変わりはない。
政治家は若いに、こした事はないが、あやつり人形であっては若さの意味がない。


◎ 合従連衡

 8月4日、都城市内メインホテルナカムラで古川禎久代議士の資金集めパーティが開かれた。もちろん、長峯誠後援会も動員されていたが、そこに出席していた「池田宜永」に全員の目がそそがれた。

「何で、池田が来ちょっとけ?!!」
長峯誠後援会さえ、おどろいたが、その時、すでに古川代議士は長峯ファミリーの勢力下にあったのだ。

 大辞林に曰く、合従連衡とは「時々の利害に応じて団結したり離れたりする政策」とあり、当面は長峯誠が参議院、古川禎久が衆議院とすみ分ける事で、両者とも利益を分け合おうという訳だ。


◎ 「人は"論"より”利”で動く」

 県議会議員も、市議会議員も推して知るべしだ。ジバン・カバン・カンバンを大事にする議員さんは、勝ち馬に乗るのが常識。坂本竜馬も幕末の志士さえ「論」より「利」と唱えている。しかし、こと選挙は議員数で決まるものではない。

 "船頭多くして船山に昇る"のたとえ、議員には、それぞれに利害関係が絶えず、なかなか大同団結できないのだ。


◎ 呉越同舟

 ところが、ここに来て、実に奇妙な現象がおきた。民主党の基盤である連合が池田宜永を推薦と来たもんだ。
池田宜永は前述の通り、100%自民党なのに・・・・・。それとも民主党をやめた"外山イツキ"(国民の生活が第一)腹いせか?それとも次期衆議院選挙に出馬が決定している社民党へのあてつけか?
連合が長峯誠ファミリーの"あやつり人形"を推薦しても、とても連合のために動くとは考えにくい。 
http://www.asyura2.com/09/ishihara13/msg/614.html

記事 [原発・フッ素28] 申し訳ありませんが、吉田所長も“重犯罪人”
01.のsZsKIIORZAさんへ:

【引用】
「>吉田元所長法的責任を

吉田所長が海水注入実行したから、今の東京・世界がある。分かっているのか
そして自分もある。原発事故当事者としてベストをつくした。
 現場を捨てて逃げ出すことなく、
 間一髪のところでメルトダウンを低減させた功績は重い。」


【コメント】
 吉田所長は、残念ながら、原発運営施設の所長としては“無能”と言えます。
 彼と比較すると、外部電源が生きてたという大きな違いはありますが、福島第2の増田所長のほうがずっとまともな事故対応をしています。

 吉田所長が、2011年3月12日夕方に海水を注入したことで、メルトダウンが低減されたわけではありません。その時点では、すべての核燃料がメルトダウンし、メルトスルーも起きていたのです。

 1号機のICに関する知識不足や確認の怠りや事故対応への指揮の誤り、国家事業である事故対策であるのに、“駐車場のバッテリー”に依存するなどの“異様な対応”ぶり、2号機の圧力抑制室の水なし状況を放置してしまったことなどなど、吉田所長も“重犯罪人”なのです。

 そのような人を所長にした取締役連中の“任命責任”もありますが、時間的猶予がほとんどなかった1号機はともかく、3号機・2号機までメルトダウンさせた責任の相当部分を吉田所長が負っていると考えています。



http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/577.html

記事 [戦争b10] 中国の海洋権益、断固として守る=胡錦濤国家主席   危機にひんする中国社会 胡政権の失敗と不作為  “負の遺産”
中国の海洋権益、断固として守る=胡錦濤国家主席
2012年 11月 8日 14:05 JST 
トップニュース
中国共産党大会が開幕、胡主席「汚職は厳罰に」政治改革に決意
情報BOX:胡錦濤国家主席の演説要旨
10月豪就業者数は予想外に増加、12月利下げ観測後退
情報BOX:オバマ米大統領が選ぶ次期財務長官候補と目される顔ぶれ
[北京 8日 ロイター] 中国の胡錦濤国家主席は8日、この日開幕した中国共産党第18回党大会での政治報告で、同国の海洋権益を断固として守ると述べた。

胡主席は、中国が新たな段階に向けた積極防衛戦略(軍の準備態勢の拡大・強化)を実行し、幅広い軍の任務を遂行する能力を高めるべきだと指摘。中でも最大の任務は、情報化の時代における局地戦に勝利することだと付け加えた。

海洋資源については「われわれは、海洋資源の開発能力を高め、中国の海洋権益を断固として守り、中国を海洋国家としてつくり上げるべきだ」と強調した。

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情報BOX:胡錦濤国家主席の演説要旨 2012年11月8日 
[北京 8日 ロイター] 8日に開幕した中国共産党第18回党大会で、党総書記の胡錦濤国家主席は政治報告を行い、中国を世界第2の経済大国に押し上げた30年間に及ぶ経済成長をたたえ、将来の展望を示した。

演説の要旨は以下の通り。

<政治改革>

「政治機構の改革は、中国の改革全体の中で重要な部分だ。われわれは、政治機構の改革を実行するため、引き続き積極的かつ穏当に努力し、人民の民主主義をより広範に及ぼし、一層実践していかなくてはならない」

<全般的な挑戦>

「世界や国家、党の現状は引き続き大きな変化の中にあり、これまでにない発展の機会だけでなく、これまでに知られていなかったリスクや挑戦にも直面している」

「われわれは、時代がわれわれに与えた栄光かつ困難な任務を完遂するため、一段と高い目標を持ち、一層努力し、引き続き科学的な方法で発展を追い求め、調和のとれた社会を促進し、人民の生活を改善し続けなければならない」

<反汚職>

胡主席は、党は汚職撲滅に絶え間ない努力を注ぎ、品位を高め、衰退への警戒を怠ってはいけないと述べた。

「われわれがこの問題にうまく対応できなければ、党にとって致命的な結果となりかねず、ひいては党の崩壊、国家の衰退を引き起こす可能性がある」

<法治>

「決して言葉が法に優先させてはならず、(個人的な)権力が法に取って代わらせてもならない。個人の利益のために法を無視してはならない」

<経済目標>

「中国の発展を、よりバランスが取れ協調的かつ持続可能なものにするとの理念の下、われわれは(2020年までに)国内総生産(GDP)、都市・農村住民の1人当たりの収入それぞれ2010年比で倍増させる」

「われわれは内需を拡大することに注力した戦略をしっかりと維持する。消費者の需要を高める長期的なメカニズムの確立を急ぎ、潜在的な個人消費を引き出し、適切なペースで投資を増やし、国内市場を拡大する」

<経済改革>

「新たな成長モデルへの転換を進め、経済の質や効率を改善する努力をしなければならない」

「西部地域や農村の発展を促すため、われわれは一層の支援を行う」

「引き続き経済システムの改革を進め、内需拡大政策を堅持する」

「引き続き国内企業に対外投資を促す」

「われわれは、雇用を促進し、雇用拡大につながる起業を後押しするため、一段と積極的な政策を実行する」

<政府投資>

「われわれは公有経済をしっかりと強化、発展させるべきであり、さまざまな公有形態を認め、国有企業の形態を深化させ、全てのタイプにおける国有資産の運営メカニズムを改善するべきだ。経済のライフラインを構成し、国家の安全保障にとって死活的に重要な分野における主要産業向けに、一段と国家資本を投じるべきだ」

<金融改革>

「われわれは多層的な資本市場をつくり上げるべきであり、金利と人民元相場を一段と市場原理に基づくものにするため段階的に前進し、時期が来れば資本勘定の下で人民元の交換性を促進するべきだ」

<軍>

「われわれは中国の発展に応じた新たな要求や安全保障戦略に沿うように行動するべきであり、新たな世紀における新たな段階で、軍が歴史的な任務を完全に遂行できるようにするべきだ」

胡主席はまた、中国が新たな段階に向けた積極防衛戦略(軍の準備態勢の拡大・強化)を実行し、幅広い軍の任務を遂行する能力を高めるべきだと指摘。中でも最大の任務は、情報化の時代における局地戦に勝利することだと付け加えた。

<海洋資源>

「われわれは、海洋資源の開発能力を高め、中国の海洋権益を断固として守り、中国を海洋国家としてつくり上げるべきだ」

<台湾>

「いかなる人物、勢力であれ、いかなる方法においても、台湾を中国から引き離すことをわれわれが認めることは決してない」

*情報を追加して再送します。


中国共産党大会が開幕へ、次期指導部は格差への取り組み重要に 2012年11月8日
中国共産党大会が開幕、指導部交代へ 2012年11月8日
中国の胡主席と習副主席、新指導部選出で初の選挙実施提案=関係筋 2012年11月7日
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE8A702I20121108


【石平のChina Watch】
危機にひんする中国社会 胡政権の失敗と不作為 
2012.11.8 11:09
 10年前に胡錦濤政権ができたとき、中国国内では「胡温新政」という言葉がはやった。政治改革の停滞と腐敗の蔓延(まんえん)が彩った「江沢民時代」がやっと終わった後、多くの人々は清新なイメージの胡錦濤・温家宝両氏に多大な期待を寄せ、新しい国家主席と首相となったこの2人が政治を刷新して明るい時代を切り開いてくれるのではないか、との希望的な観測が広がっていた。

 だが蓋を開けてみれば、胡・温両氏が中国の政治をつかさどったこの10年間はむしろ、「新政」への期待が裏切られる日々の連続だった。待望の政治改革は10年にわたって一歩も進まず、「創新」よりも「守旧」の方が胡政権のモードとなったからである。

 政治改革が進まなかった結果、権力と市場経済との癒着から生まれた「権貴資本主義」の利権構造が空前の規模において拡大かつ強化され、腐敗の氾濫は未曽有の新境地に達した。政権末期になると、「清廉潔白」な政治家として腐敗の一掃を期待された温家宝氏その人の身辺でさえ、巨額の不正蓄財の情報が流されるありさまだ。

 「権貴資本主義」の利権構造が拡大されている中で、貧富の格差の是正と社会的対立の解消を目指した胡政権の「和諧社会(調和のとれた社会)建設」はただのかけ声だけに終わっている。胡政権成立時と比べれば、格差はむしろ数倍以上に拡大している観がある。

 人民日報系の雑誌「人民論壇」が今年10月に実施した意識調査で、回答者の70%が「特権階級の腐敗は深刻」とし、87%が特権乱用に対して「恨み」の感情を抱いていると回答したことは前回の本欄でも紹介した。それはまさに「和諧社会建設」の失敗に対する現実からの嘲笑であろう。

 貧富の格差が極端に拡大し「特権階級」に対する人々の「恨み」が増大すると、社会的不安はますます高まってくるものだ。全国で発生した暴動などの集団的抗議活動が年間9万件に上ったのは胡政権中盤の2006年のことだったが、政権末期の11年になると、暴動・騒動事件の発生件数が18万件を超えた。さすがの「胡温新政」、ただの5年間で「国民所得倍増」ならぬ「国民暴動倍増」を見事に実現させたのである。

 胡錦濤政権はその成立した日から、「維穏」、すなわち「社会的安定維持」を最重要課題にして国政の運営を行ってきたが、上述の「暴動倍増」の数字によっても示されているように、政権が「維穏」に熱を入れれば入れるほど社会的不安はむしろ高まってきている。揚げ句の果てには、胡政権最後の年である今年の国家予算に計上された「治安維持費」は当年度の国防費を上回る巨額となったほど、中国社会は完全に乱れている。

 こうしてみると、過去の10年間にわたって、胡錦濤政権が推進してきた諸政策はほとんどが失敗に終わってしまい、いわば「胡温新政」たるものは、単なる黄粱一炊(こうりょういっすい)の夢に過ぎなかった。そして、10年間にわたる胡政権の失敗と不作為の結果、中国社会全体はかつてないほどの危機にひんしているのである。

 今年9月、「中国経済学界の良心」と呼ばれている著名学者の呉敬●(=王へんに連)氏が「中国の経済・社会の矛盾はすでに臨界点に達している」と警告を発したことは、まさに「中国の危機」に対する知識人たちの現状認識を代弁したものであろう。

 危機打開の難題は結局、胡・温の後の新政権に委ねられることになる。ちょうど今日開かれる党大会で誕生する予定の習近平政権には果たして危機脱出の妙案があるのか。お手並み拝見である。

【プロフィル】石平

 せき・へい 1962年中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。

【石平のChina Watch】中国的「仇富と仇官」の背後
【石平のChina Watch】中国という「張り子の虎」
【石平のChina Watch】習近平氏の「罠」に要注意
【石平のChina Watch】中国の「沖縄工作」の狙い
【石平のChina Watch】“尖閣決戦” 「習近平政権」強硬姿勢は必至
http://sankei.jp.msn.com/world/news/121108/chn12110811090003-n1.htm

【中国共産党大会】習氏に「国民不満解消」課題 胡総書記が残す“負の遺産” ネット世論無視できず
2012.11.8 14:27
 【北京=河崎真澄、川越一】5年に一度開かれる中国共産党大会は今回、10年ぶりの指導部交代の節目の大会となる。新たに最高指導者の座に就く習近平国家副主席は、権力と同時に、貧富の格差や幹部の腐敗に対する国民の不満解消という大命題を、胡錦濤総書記(国家主席)から引き継ぐことになる。

 8日午前9時(日本時間同10時)、北京の人民大会堂のひな壇に、新旧指導者が入場してきた。胡氏に続いて江沢民前総書記が姿を現すと、会場の拍手がひときわ大きくなった。胡氏と温家宝首相の間に腰を下ろした江氏は、胡氏の活動報告を表情を変えずに聞き流していた。隣で微笑を浮かべる温氏と好対照な様子は、江氏の隠然たる権力を暗示していた。

 胡氏の出身母体である共産主義青年団派(共青団派)、習派の太子党(党高級幹部の子弟グループ)、江氏が率いる上海閥は、最高指導部人事をめぐって暗闘を続けている。今回の党大会には朱鎔基前首相、李鵬元首相らも顔を見せた。習氏は、長老や胡氏らからの圧力を背中に受けながら、胡錦濤指導部が残す“負の遺産”と向き合うことになる。

 胡氏は「和諧社会(調和社会)」を掲げ、格差是正や持続的成長の実現に取り組む姿勢を示してきた。しかし、実際には格差が拡大、環境破壊が進んだ。官僚の腐敗に庶民は敵意さえ覚えている。各地では住民による抗議活動が頻発している。インターネットの普及に伴い、絶対的な権力を維持してきた中国共産党も、ネット世論を無視できなくなっている。

 共産党の正当性を保ち、民意をつなぎとめるためには、国民にすり寄ることも一層必要になりそうだ。胡氏は「反腐敗闘争は依然として厳しい状況にある」と汚職がはびこる現状を認め、腐敗根絶を約束。2020年までの国内総生産(GDP)倍増計画を打ち上げたのも、国民の生活改善を重視している姿勢を繕う狙いがうかがえる。

 しかし、実際に難題に取り組むのは習氏を中心とする新指導部。胡氏が突きつけた“注文”は、重い足かせに他ならない。
http://sankei.jp.msn.com/world/print/121108/chn12110814290005-c.htm



http://www.asyura2.com/12/warb10/msg/409.html

記事 [音楽10] 何もんか、全く知らないけど、結構いいですこの女子「レスリー・ファイスト」ライブ

Europe 2 TV & Sequence SDP presents: Feist live at Trabendo in Paris.
(December 16, 2005)

Setlist:
1. When I Was A Young Girl
2. Secret Heart
3. Gatekeeper
4. Somewhere Down The Road
5. One Evening
6. The Build Up
7. Inside & Out
8. Now At Last
9. Sally's Song (1234)
10. Mushaboom
11. Sea Lion
12. Let It Die
13. Major Label Debut


http://www.asyura2.com/12/music10/msg/135.html

記事 [原発・フッ素28] 山下俊一教授の調査・研究によると“福島県の子供の10人に一人は癌になる”
福島県で、0歳〜18歳までの約4万人に対して行われた甲状腺検査の結果概要によると、結節や嚢胞が認められる割合は、23年度には35.8%であったが、24年度には43.7%へ増加している。特、6歳〜10歳では男児50.2%、女児54.1%に、11歳〜15歳では男児48.6%、女児55.3%に甲状腺の異常が確認されており、深刻な事態である。

 山下教授が2000年に長崎県でおこなった調査では、嚢胞が見つかった子どもはわずか0.8%だった。チェルノブイリ事故から5〜10年を経たチェルノブイリ地域でも、子どもたちの嚢胞は0.5%と報告されていおり、甲状腺異常を持つ福島の子供の割合は際立っている。山下教授の「今のレベルならば、ヨウ素剤の投与は不要だ」としてヨウ素剤を使用させなかったことも原因の一つかもしれない。

 例の如く山下教授が座長を務める『福島県民健康管理調査検討委員会』で5.1mm以上の結節、20.1mm以上の嚢胞という基準を勝手に作って、これに該当しなければ問題が無いかのように行っている。ところが、山下教授がチェルノブイリで行った健康調査では「1センチ以下や数ミリの結節がみつかってきたが、当初は甲状腺がんであるとは予想しなかった」が「大人では結節をさわると大体100人に1人か2人にがんの可能性があり」、「子供の場合は約20%ががん」であったと発表しているのである。

 にもかかわらず、日本甲状腺学会では会員に文書を配布して「異常所見を認めなかった方だけでなく、5mm以下の結節や20mm以下の嚢胞を有する所見者は、細胞診などの検査や治療の対象にならないものと判定しています。先生方にも、この結果に対して、保護者の皆様から問い合わせやご相談が少なからずあろうかと存じますが。どうか、次回の検査までの間に自覚症状等が出現しない限り、追加検査は必要がないことをご理解いただき、十分にご説明いただきたく存じます」(平成24年1月16日)と、検査や治療を妨げるような動きを見せている。

 実際に、会津若松市に避難したある母親が市内の5病院に電話をかけたが断られたケースでこの文書の影響が指摘する声もあり、甲状腺学会所属医師の一人は「この文書に従うと、医師は診療を拒否してはいけないという医師法に反してしまう」と話しているという。(クローズアップ2012:福島・子供の甲状腺検査 説明不足、不安招く 毎日新聞 2012年08月26日 東京朝刊)

 専門家も結果が予見できないために放射能被害が広がったと言うならある意味、不可抗力かも知れない。しかし結果が分かっていて被害の防止をしないのは犯罪である。チェルノブイリの調査では、「治療行為は放射能の影響を研究する上影響がある」といった、外国の医師の態度が批判されていたという。福島でも子供たちをモルモットにして研究データを収集しているのだろうか。

 山下教授は放射線健康管理について責任ある立場にあり、嚢胞や結節を持つ子供の20%が癌になる可能性を自身の調査で知っていながら、なんら有効な対策を取らない、更には受診を妨げるような行動は、子供達が癌になるのことを知りながら行っているわけで、「未必の故意による傷害」である。運悪く甲状腺の癌で死亡するケースが発生した場合は「未必の故意による殺人」である。それどころか、健康被害が疑われる子供たちの受診を妨げるような行動は「故意」の傷害や殺人かもしれない。

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チェルノブイリ原子力発電所事故の健康調査(Wikipediaより)

1990年に長崎大学教授に就任後、翌年の1991年から現地に入り、甲状腺がんの子どもの診療をした。山下は「母親とも触れ合う中、被災地が長崎の隣にあるような感覚になった」と語っている[29]。この時までは「(被爆)二世だから、何かしなくては」という気持ちはそれほど強くなかったが、「放射能が胎児に及ぼす影響におびえる母親の質問に『実は私も被爆二世ですが、こんなに元気です』と答えた途端、その目に漂っていた不安があっという間に消えた」ので、被爆二世が大きな意味を持つことに気付いたという[30]。

山下らが超音波を用いた甲状腺検診に従事するなかで、1センチ以下や数ミリの結節がみつかってきたが、当初は甲状腺がんであるとは予想しなかった。結節は「大人では結節をさわると大体100人に1人か2人にがんの可能性がありますが、子供の場合は約20%ががん」であり、現地の甲状腺がん発生率は1万人に1人となった[31](この発見について、被曝集団の数が大きいのでガン増加の立ち上がりが早く観察されやすいことと、ヨウ素不足地帯でガン誘発の感受性が大きい集団である可能性などが指摘されている[32] )。なお、日本の甲状腺がんの発生について山下は、「日本では思春期を超えた子供の甲状腺がんをまれに見るくらいです。その頻度は、年間100万人に1人といわれています。これは、欧米、日本、ほぼ変わりません」[33]としている。

また、大人と異なって小児甲状腺がんの約4割には、この小さい段階(1センチ以下や数ミリの結節)で見つけても既に局所のリンパ節に転移があるため、手術の方法はきわめて慎重でなければならないと指摘している[34]。

原発の事故が起こるとその大半のプルーム(放射性雲)は環境に放出された放射性ヨウ素であるが、ヨウ素剤を投与すれば甲状腺の被ばくをブロックし、その後の発がんリスクを予防できること、そしていったん被ばくをした子供たちが生涯続く甲状腺の発がんリスクをもつことを明らかにした[35]。

山下は、チェルノブイリ原子力発電所事故で世界中の科学者が合意した唯一の症状が小児甲状腺癌の増加のみであり、「現地では貧血や好酸球増加が多く見られ、免疫不全を示唆するデータの報告もあるが、いずれも放射線に起因する確かな証拠は無い。当然白血病の増加も確認されていない」としている[

29.^ 被曝医療の継承に不安09年6月27日 中国新聞ヒロシマ平和メディアセンター
30.^ 西日本新聞1992年08月07日朝刊 長崎原爆・草の根の検証<4>
31.^ 日本臨床内科医会会誌 第23巻第5号 山下俊一 536頁
32.^ チェルノブイリ原発事故による小児甲状腺ガン 今中哲二
33.^ 日本臨床内科医会会誌 第23巻第5号 山下俊一 536頁
34.^ 日本臨床内科医会会誌 第23巻第5号 山下俊一 536頁
35.^ 日本臨床内科医会会誌 第23巻第5号 山下俊一 537頁

http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/578.html

記事 [原発・フッ素28] 〈原発〉 値上げした電気代のうち千億円が原子力ムラに (語られる言葉の河へ) 
【原発】値上げした電気代のうち千億円が原子力ムラに
http://blog.goo.ne.jp/humon007/e/a6eb19527ac14199bb8cb5d64fbc96b2
2012年11月08日 語られる言葉の河へ


 (1)「値上げは権利だ」と西沢俊夫・前東京電力社長はうそぶいた。
 東京電力は、9月から家庭向け電気料金を平均8.46%値上げを実施した。
 続いて関西電力が、家庭向け電気料金を15%程度値上げに踏み切る、と目される。
 九州電力でも値上げの動きがある。

 (2)電気料金は、発送電コストに報酬を上乗せして算出する(総括原価方式)。電力会社が損をしない仕組みだ。
 東電の値上げをめぐる議論において、「原価」に含まれる保養所の維持管理費など福利厚生費、電力会社OBの天下り団体「電力中央研究所」への寄付金など非常識な費目が批判された。
 値上げの動きが全国に広まる中、また非常識な「原価」が発覚した。
 
 (3)原子力発電専業の卸電気事業者「日本原子力発電」は、東電や関電など電力会社が主要株主に名をつらねる。浜田康男・社長は、元関電副社長、さらに勝俣恒久・元東電会長が非常勤取締役に天下っている。
 その日本原電は、東海第2原発(5月21日から停止)、敦賀原発1号機(1月26日から停止)、2号機(5月7日から停止)を保有する。しかし、いま、まったく発電していない。
 ところが、東電が値上げした電気料金には、日本原電への支払い分が含まれているのだ。
 東電は、2011年度に「購入電力料」として日本原電に464億7,400万円を支払っている。そして2012年度も、売る電力がない日本原電に、昨年度とほの同じ400億円程度支払うことになっている。
 日本原電は、2011年度の発電量は10億kW時で、前年比93.8%減と大幅に落ち込んだ。しかし、電力収入は、2009年度(1,441億円)とほぼ同額の1,443億円だった。東電以外にも、2011年度は関電との取引額が340億円、中部電力307億円、東北電力116億円だった。要するに、発電していようがいまいが、電力各社から確実にカネが入る仕組みなのだ。
 そして、東電や関電などが日本原電へ支払うカネは、電気料金に転嫁される。

 (4)河野太郎・衆議院議員/「原発ゼロの会」のメンバーが、2011年度の日本原電の発電量で試算したところ、発電コストは83円/kW時程度になる。
 発電量が激減していたための価格だが、消費者は知らない間に「超高値」の電力を買わされていたことになる。
 この問題は、有識者会議ではほとんど話題にならなかった。経産省から注意喚起されていれば議論したが、説明はなかった。議論の俎上にのせなかった経産省の意図はわからない。【経産省の有識者会議の有力委員】
 東電の政府提出資料によれば、日本原電と東北電力の2社に対する「購入電力料」として原価に織り込んだ額は、1,003億円だ。固定費全体では、実に3,489億円だ。さらに、東電によれば、来年度から3年間は、年平均5,520億円まで跳ね上がる。これも「原価」に織り込まれている。
 この政府資料は、日本原電との長期契約について、こう記す。<基本契約の中では電力受給の終期や料金について明確な記載をしていませんが。(中略)お互いが認識・合意していることから、日本原電との間では期間の定めのない永続的な契約関係にあります>
 要するに、停止した原発維持のコストは「永続的」に消費者に転嫁される仕組みだ。これが、「原子力ムラ」の「互い」が「認識・合意している」常識らしい。
 電気料金の「原価」は、再度精査しなければならない。

 以上、徳丸威一郎(本誌)「東電値上げの『不実と非常識』」(「サンデー毎日」2012年11月18日号)に拠る。


http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/579.html

記事 [原発・フッ素28] 東電、新たな支援要請 経営方針発表 賠償・除染で負担増:金銭問題ではないが、それでも“経済性”で原発にこだわる愚者たち

 国費で賠償や除染を賄い、産業用電気料金にはほとんど上乗せされていないから言えるのだろうが、経団連など大企業経営者を中心とした、電気料金を抑制するために原発維持が必要という発想は“とんでも”の最たるものだ。

 原発廃絶と電力料金抑制をスムーズに実現する政策は、すべての原発を国庫で買い上げることであろう。

 稼働もさせたくないし、できてもいない原発の資産価値や減価償却・原発建設に関わる債務履行・使用前&使用済み核燃料の資産価値などが、原価や必要利益として電力料金に上乗せされている。

 経営という観点で見れば、電力会社が、膨大な投資を行った“原発にしがみつく”のもそれなりに理解できる。
 そのような“感情”を払拭するためには、国費による原発の買い上げと廃炉しかないだろう。

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東電、新たな支援要請 経営方針発表 賠償・除染で負担増

 東京電力は7日、福島第1原子力発電所事故の損害賠償や除染を継続するため、政府に新たな支援策の検討を要請することを盛り込んだ経営方針を発表した。東電の負担が、政府が当初見込んでいた5兆円を上回り、10兆円に達する可能性を指摘。今後もコスト削減を強化するものの、東電単独で巨額の負担増に対応するのは困難だと判断した。

 下河辺和彦会長ら社外取締役が記者会見し、2013〜14年度の新たな経営方針を公表した。5月に政府認定を受けた「総合特別事業計画」では、東電の賠償費用は国から原子力損害賠償支援機構にわたる交付国債で賄い、東電が将来返済することになっている。
 ただ除染や汚染土の中間貯蔵などの費用を考慮すると、現状の上限の5兆円を突破。場合によって費用が倍に膨らむ恐れもあるとし、「一企業のみの努力では到底対応しきれない規模となる可能性が高い」と指摘した。

 政府への支援要請は総合特別事業計画の前提が崩れていることを事実上認めた格好。新たな支援額や枠組みについて下河辺会長は「東電から具体的な申し入れは考えていない」とし、政府の議論を待つ姿勢を示した。

 東電は事故対応費用の負担に加え、来年4月に見込んでいる新潟県柏崎刈羽原発の再稼働も見通しが立たない。政府の対応を待ち、来春にも総合特別事業計画を改定する方針も明らかにした。

 福島県に「福島復興本社」(仮称)を来年1月メドに設けることも正式発表した。県内で4千人以上が賠償や除染、地域支援にあたる。持ち株会社化をにらんで来年から社内カンパニー制を導入し、国の電力システム改革を先取りする。

[日経新聞11月8日朝刊P.1]

http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/580.html

記事 [原発・フッ素28] 「運転のまま調査は本末転倒」NPOら声明 関西電力大飯原発 (オルタナ) 
「運転のまま調査は本末転倒」NPOら声明
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20121108-00000301-alterna-bus_all
オルタナ 11月8日(木)14時42分配信


NPOグリーン・アクションほか4団体は7日、関西電力大飯原発(福井県おおい町)の重要施設を横切る断層について「活断層であることを否定する証拠は何もない」として、大飯原発の即時停止を求める声明を発表した。

原子力規制委員会の調査団による大飯原発敷地内の断層の評価は、4日に続き7日の会合でも結論が持ち越された。調査団メンバーの渡辺満久東洋大教授は「いつまでに決着をつけるのか。大飯は稼働している。活断層ではないと言っている委員は一人もいない」と指摘したが、規制委の島崎邦彦委員長代理は「活断層の評価を決着するには追加調査が必要だ」と述べるにとどまった。

声明では「(島崎氏は)『安全性の確認のためには更なる調査が必要』と述べているが、そうであればなおさら、運転を停止して抜本的調査をやるべき。原発の運転を継続したまま調査に時間をかけることは本末転倒」としている。(オルタナ編集部=斉藤円華)



http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/581.html

記事 [経世済民78] ドイツが米国に預けている“金塊”(約1700トン)を回収へ:実存するかどうかも話題に:対米自立への道?日本は?

 金本位制云々など、金をめぐる話題も少し盛り上がっているようだ。
そのようななか、日本では報じられていないようだが、ドイツ政府とドイツ連銀が、米国NY連銀に預けている金塊(約1700トンと推測)を回収するという報道がなされた。

 ご存じのように、日本の金備蓄(約850トン)も、実物は米国NY連銀の金庫にあるとされる。
 金に限らず、外貨準備の中核をなしている米国債も、NY連銀の“帳簿”にのみ存在し、支払われる利息も、その“帳簿”に記載されるだけという仕組みである。それゆえ、米国連邦政府やFRBは、対日債務がどれほど積み上がろうともたいしたことだとは感じていない。

 被援助国の発展途上国もそうだが、日本やドイツといった敗戦国は、自国の公的保有金や対外公的債権が米国を中心とした連合国の“人質”に取られてきたと言えるだろう。


※ FRBが保管する米国の公的金自体が、“曖昧な存在”になっているともいう。
9千トン近いといわれる米国の公的保有金の“監査”を求める動きが何度かあったが、その都度、費用がかかり過ぎるという理由で却下されてきたといわれる。

 10月26日早朝にNHKBS1で放送された「ドイツZDFニュース」は、ドイツが保有する金3,936トンについて指摘されている問題や米国に預けているとされる部分について回収する意向であることを報じた。


報道された内容の要点:

● ドイツの公的保有金は、1/3(1,300トン)がフランクフルトのドイツ連銀金庫に保管され、残り2/3がニューヨーク・パリ・ロンドンに預けられている。

● 米国NY連銀に預けている金をドイツに移す意向

● これまで一度も、外国にある金が本物かどうか?重量もきちんとあるのか?が確認されていない。

● 与党であるキリスト教民主同盟国会議員団の外交担当責任者(スプレヒャー氏)
も、「ドイツ連銀が、これほど長い間、これほど杜撰に、ドイツの財産を取り扱っているのはなぜなのか説明できない。簡単に、ニューヨークとパリ・ロンドンに置きっぱなしにしているのは解せない」と問題している。

● ドイツの金取引業者の専門家も、「ドイツ連銀の金の備蓄は、数十年もチェックされていません。そのため、国民のあいだに、金の備蓄が実際にあるのかどうかよいう疑問を生じさせている」

● ドイツの会計検査院は、そのような輿論動向を受けて、27万3千本の金の延べ棒すべてを正確に数え点検するよう求めた。

● 外国に金を預けている理由として“東西冷戦”で起きるかもしれない不測の事態を考慮して、東ドイツとの国境線からできるだけ遠ざけたかったという説明がなされている。

● ドイツ納税者団体の会長は、「国外の備蓄場所をなくし、1ヶ所にまとめて備蓄することも考えるべきだ。東西冷戦はもうない」と語った。

● ドイツ連銀は、預けている各国の中央銀行に最高度の信頼を置いていると語り、数年前に、ロンドンに備蓄している金を検査したときは1gの不足もなかったと説明しているという。


http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/446.html

記事 [アジア14] 外相 日中首脳会談見送り示唆:18日からのASEAN関連首脳会議:韓国とも困難と

外相 日中首脳会談見送り示唆

 ■外相 玄葉光一郎外相は7日の記者会見で、18日からカンボジアで開く東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議の場での日中首脳会談の開催を見送る可能性を示唆した。「(沖縄県・尖閣諸島をめぐる)立場に開きがある。機は簡単に熟するものではない」と述べた。日中韓首脳会談の開催についても「簡単ではない」と指摘した。

[日経新聞11月8日朝刊P.4]


http://www.asyura2.com/12/asia14/msg/192.html

記事 [原発・フッ素28] 低線量被曝でも白血病 米追跡調査、チェルノブイリの作業員11万人対象 (産経新聞) 
チェルノブイリ原発事故で溶けた核燃料やコンクリート、鋼鉄が混じり合った「象の足」と呼ばれる塊(右)の近くで放射線測定をする作業員=1996年4月(ロイター)


低線量被曝でも白血病 米追跡調査、チェルノブイリの作業員11万人対象
http://sankei.jp.msn.com/life/news/121108/trd12110814250012-n1.htm
2012.11.8 14:22 産経新聞

 チェルノブイリ原発事故の収束作業などに関わって低線量の放射線を浴びた作業員約11万人を20年間にわたって追跡調査した結果、血液がんの一種である白血病の発症リスクが高まることを確かめたと、米国立がん研究所や米カリフォルニア大サンフランシスコ校の研究チームが米専門誌に8日発表した。

 実際の発症者の多くは進行が緩やかな慢性リンパ性白血病だったが、中には急性白血病の人もいた。調査対象者の被曝(ひばく)線量は積算で100ミリシーベルト未満の人がほとんど。高い放射線量で急性白血病のリスクが高まることは知られていたが、低線量による影響が無視できないことを示した形だ。

 チームは1986年に起きたチェルノブイリ事故で作業した約11万人の健康状態を2006年まで追跡調査。137人が白血病になり、うち79人が慢性リンパ性白血病だった。チームは白血病の発症は16%が被曝による影響と考えられると結論付けた。(共同)


http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/582.html

記事 [国際7] "バラク・オバマ米大統領、再選のスピーチ 全文和訳" を読む
件名:バラク・オバマ米大統領、再選のスピーチ 全文和訳
出典:http://news.goo.ne.jp/article/gooeditor/world/gooeditor-20121107-04.html
件名:Obama's Complete Victory Speech: Obama Wins the 2012 Election
出典:http://www.youtube.com/watch?v=nv9NwKAjmt0&feature=related
時 :2012年11月7日
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ありがとう、ありがとう。本当にどうもありがとう。

元植民地が自分たちの宿命を自ら決める権利を勝ち取ってから200年以上たったこの夜、この国の団結をより完成させるための仕事が、さらに前に進みます。前進するのは、皆さんのおかげです。戦争や恐慌に打ち勝った心を、皆さんが再確認してくれたからです。この国を深い絶望の淵から素晴らしい希望の高みへと引き上げてくれた心のことです。私たちが個々に個人の夢を追求する一方で、私たちはみな同じアメリカの家族なのだと。私たちはひとつの国、ひとつの国民として一緒に浮きも沈みもするのだという、信念のことです。

この夜、この選挙では皆さんが、アメリカの人たちが、念押ししてくれました。私たちの旅路は辛く長いけれども、それでも私たちは立ち上がり、巻き返すために戦ってきたのだと。そしてアメリカ合衆国にとって最高の日々はこれからなんだと、私たちは胸の奥底で承知しているのだと。

この選挙に参加した全てのアメリカ人に感謝したい思いです。初めて投票した人にも、投票するため延々並んだ人にも。ちなみにあれは直さなきゃならない。あちこちの歩道を歩き回った人も。電話をしてくれた人も。オバマ支持の看板を持った人も、ロムニーの看板を持った人も。皆さんは声を上げてくれた。そして変化をもたらしたのです。

つい先ほど、ロムニー知事と話をして、懸命に戦った選挙戦について知事とポール・ライアンに祝意を伝えました。私たちは激しく戦った。けれどもそれは、この国を深く愛しているからこそ。この国の未来をとても大事に思っているからこそです。ロムニー一家は、ジョージからレノア、そしてお二人の息子ミットに至るまで、公共への奉仕を通じてアメリカに恩返しをしてきました。私たちはこの夜、その伝統を尊重し称えます。これから数週間の間にロムニー知事と一緒になって、この国を前進させるためにどう協力できるかをじっくり話し合いたいと思い、楽しみにしています。

過去4年にわたり友人とパートナーでいてくれた人にも感謝したいです。アメリカの幸福な戦士、これ以上はないという最高の副大統領、ジョー・バイデンです。

そして20年前に結婚を承諾してくれた女性がいなければ、今の私はありません。ミシェル、公衆の面前ではっきり言わせてもらいたい。今までで一番、君を愛してる。僕が君を愛するように、アメリカ中が君をファーストレディとして愛するようになるのを、僕は眺めてきた。こんな誇らしいことはない。

サーシャとマリーア。みんなの目の前で君たちはどんどん大きくなって、お母さんにそっくりの、強くて賢くて美しい若い女性になっていく。本当にすごく誇りに思ってるよ。ただし当分の間は、犬は一匹で十分だと思う。

政治史上最高の選挙チームとボランティアのみんなにも。最高の、本当に最高の。今回初めての人たちもいたし、一番最初から私の横にいてくれた人たちもいる。みんな、家族です。みなさんが今後何をするにしても、どこへ行くにしても、みんなで一緒に作ったこの歴史の記憶はあなたの中に残る。そしてこの大統領はみなさんに終生、感謝し続けます。ずっと信じてくれて、ありがとう。あらゆる丘の上へ、あらゆる谷間へ、一緒に来てくれてありがとう。皆さんはずっと僕を盛り立ててくれた。皆さんの努力と素晴らしい働きに、僕はいつまでも感謝し続けます。

選挙戦というのはくだらないものに見えることがある。ばかばかしく見えることだってある。それは承知しています。そのせいで、政治なんてしょせんエゴのぶつかり合いでしかないとか、特定利益が支配する領域に過ぎないとか、そうやって斜に構える連中に冷笑されてしまう。けれども実際に私たちの集会に来てくれた人たち、高校の体育館でロープに沿って並んだ人たちの話を聞いてもらったら、あるいは自宅を遠く離れた小さな地区の選挙事務所で遅くまで働く人たちを見てくれたら、たぶん違うものを目にすると思います。

そうすれば、働きながら大学に通う若い活動員の決意のほどを聞くでしょう。どの子供も自分と同じように大学に行けるようにしたいという、彼の強い思いを知るでしょう。地元の自動車工場がシフトを増やしたからやっときょうだいが働けるようになったという、若いボランティアに会えば、彼女がどれだけ誇りに思っているかを知るでしょう。彼女はそうやって誇りをもって、一軒一軒を訪ねて歩いたのです。深夜遅くまで電話をかけ続けた軍人の伴侶からは、国を愛する思いの深さを知るでしょう。国のために戦う兵士が決して、帰国してから仕事や住居で苦労しなくて済むように、その人は電話をかけ続けたのです。

だからこそ、私たちはこうしている。政治にはそういう可能性がある。だから選挙は大事なんです。つまらなくなんかない。大きい。大事なんです。人口3億人の国の民主主義というのは、うるさくてごちゃごちゃしていて複雑なものになりがちです。みんな自分の意見を持っているし、誰もが信じる何かを深いところに抱いている。そして大変な時代を経験している時、国として大きな決断をする時、感情がかき立てられ、対立がかき立てられるのは当然のことです。この夜が明けても、それは変わらない。変わるべきじゃない。私たちが議論するのは、私たちの自由の印です。自分たちが何かを主張しているまさにその時、遠い国々の人たちは、大事な問題について言い争うチャンスのために戦い、命を賭けている。私たちが今日そうしたように、投票する権利のために命を賭けている。それは決して忘れられない。

私たちの間には色々な違いや対立がある。けれどもほとんどの人は、アメリカの未来はこうなって欲しいという一定の思いを共有しています。

子供たちは、最高の学校と最高の教師がいる国で育って欲しい。技術や発明やイノベーションにおいて、世界のリーダーとしての役割を果たす国であってほしい。それがもたらす良い仕事や新しい事業の恩恵を受けられる、そういう国であって欲しい。

子供たちには、借金の重みに苦しんでいないアメリカで生きて欲しい。不平等のせいで衰退したり、温暖化の進む惑星の破壊にさらされたりしない、そういうアメリカで暮らして欲しい。安全な国、世界中で尊敬され憧れられる国を子供たちに残したい。世界最強と最高の軍隊に守られる国を。と同時に、今の戦争の時代を自信をもって乗り越えて、全人類の自由と尊厳が保証される平和を築く側に立つ、そういう国を、子供たちに残したい。

私たちは寛大なアメリカ、思いやり深いアメリカ、寛容なアメリカを信じています。この国の学校で学びこの国の旗に忠誠を誓う移民の娘に対して、彼女の夢に対して寛大で思いやり深く寛容なアメリカを。シカゴのサウスサイドに住みながらもより広い世界を夢見る少年の夢に対しても。医者や科学者やエンジニアや起業家や外交官や、あるいは大統領にもなりたいと夢見る、ノースカロライナの家具大工の子供に対しても。

それが、それが、私たちが望む未来です。それが、私たちが共有するビジョンです。それが、私たちの目指すべきところです。前へ(forward)。私たちはそういう未来を目指さなくてはならないのです。

ただし、どうやってそこに行くべきかについては、意見がぶつかることもあるでしょう。時に、激しく。200年前からそうだったように、進歩のペースはまばらなものです。まっすぐ直線に進むばかりではないし、いつもスムースに進むとも限らない。同じ希望や夢を共有していると認識するだけでは、膠着はなくならないし、問題も解消しない。合意形成のために苦労する代わりにはならない。この国の前進に必要な妥協点を見いだすためには、大変な苦労が必要です。希望は一緒だと認識するだけでは、その代わりにならない。

けれども出発点は、私たちを結びつける共通点です。それが出発点でなくてはなりません。この国の経済は回復しつつあります。10年以上続いた戦争も終わりつつあります。長い戦いは終わりました。そして皆さんに投票してもらう資格が私にあるかどうかはともかくとして、私は皆さんの声に耳を傾けてきました。皆さんから学んできました。皆さんのおかげで、より良い大統領になれました。皆さんの物語や戦いを抱えて、私はホワイトハウスに戻ります。やるべき仕事、待ち受ける未来について、今まで以上に決意を固め、意欲をもって。

皆さんは今晩、行動を求めて投票しました。相変わらずの政治のままでいいと言ったのではない。私たちの仕事ではなく、自分たちの仕事が大事なのだと、皆さんはそのために私たちを選んだ。

なのでこれから私は、両党の協力がなければ解決できない課題に取り組むため、両党のリーダーたちに手をさしのべ、一緒に働くのを楽しみにしています。両党が協力しなければ、税制改革はできない。移民制度を直し、外国石油への依存から自由になることもできない。やるべき仕事はたくさんあります。

だからといって、皆さんの仕事がこれで終わりだというわけではありません。この国の民主主義における市民の役割は、投票でおしまいではないからです。アメリカは、何をしてもらえるかという国ではありません。そういう国だったことは一度もない。協力し合って何ができるか、それがアメリカです。自治という大変な、なかなか報われない、けれども必要な努力を通じて。その理念こそ、この国の建国の精神です。

私たちが豊かなのは、どの国よりも財力があるからではない。史上最強の軍隊を持つけれども、だから強いわけではない。この国の大学や文化は世界中からうらやましがられているけれども、世界中の人がこの国にやってくるのは、それが理由ではない。アメリカが特別なのは、地球上でもっとも多様なこの国をひとつに束ねる絆のおかげです。自分たちはひとつの運命を共有しているのだという、信念のおかげです。お互いや将来の世代に対する一定の義務を受け入れなければ、この国はうまくいかないという、そういう確信です。アメリカではあまりに多くの人が自由のために戦い、自由のために死んでいった。そうやって勝ち取った自由には権利もあれば責任もあるのだと。責任とはたとえば愛すること、思いやること、義務を果たし国を愛することだと。その信念があるからこそ、アメリカは偉大な国なのです。

その心がアメリカ各地で生きているのを見ることができたので、今の私は希望に満ちています。家業の経営に際して、近所の人たちをクビにするくらいなら自分の給料を減らした方がましだという人たちに、その心を見ました。友達が職を失うくらいなら自分の時間数を減らした方がマシだという労働者にも。手足を失ってもまた再入隊する兵士たちに。後ろからしっかり守ってくれる仲間がいると分かっているから、暗闇の中、階段を駆け上っていった海軍特殊部隊の兵士たちに。ニュージャージーやニューヨークの岸辺でも見ました。どの政党かどのレベルの行政府かを問わず、大勢のリーダーたちが、凄まじい嵐に破壊されたコミュニティーを再建するため、ふだんの立場の違いを脇に追いやる姿にも、その心を見ました。

そしてつい先日、オハイオ州メンターでも見ました。そこで会ったお父さんは、長いこと白血病を患う8歳の娘さんの話をしてくれました。保険会社がその子の治療費の負担を止めようというわずか数カ月前に、医療保険改革法案が成立したおかげで、彼女の治療を続けることができたと。そうでなければ、その家族は全てを失っていただろうと。このお父さんの話を聞くだけでなく、素晴らしい娘さんにも会うこともできました。そしてお父さんが会場で聴衆に自分たちの体験を語ってくれたとき、その場にいた全ての親御さんが目に涙を浮かべていました。あの小さい女の子は自分の子供だったかもしれないと、みんな分かっていたから。

そして、女の子の未来が自分の子供の未来と同じくらい明るいものでありますようにと、アメリカ人全員が願っている。私たちはそういう国民だからです。そういう国だからこそ、私は皆さんの大統領としてこの国を率いることができて、本当に誇りに思っているのです。

そして今晩、実にたくさんの困難を経験してきたけれども、ワシントンに不満はたくさんあるけれども、それでもこの国の未来についてこれほど希望を抱いたことはありません。アメリカについて、これほど希望を抱いたことはない。その希望が長続きするよう、皆さんにお願いしたいのです。

やみくもな楽観主義について話しているのではありません。前にたちはだかる仕事がいかに大変かをいたずらに無視したり、道をふさぐ障害物を無視したりする、そんな希望のことではありません。ただ高みの見物を決め込んだり、戦いから逃げ回るだけの脳天気な理想主義のことでもない。私はかねてから希望というのは、自分たちの中にある頑固な何かだと思ってきました。そんなの無理だとどんなに言われても、果敢に手を伸ばし続け、働き続け、戦い続ける勇気があれば、今より良いものが何か待っていると、頑なに信じ続ける何かだと。

アメリカの皆さん、私は信じています。これまでの成果をもとに私たちはさらに前進し、新しい仕事や新しいチャンスのため、中間層がより安心できる毎日のため、さらに戦い続けることができると。建国の約束を守ることができると。一生懸命働く気持ちがあるならば、何者だろうと構わない。どこから来たのでも、外見がどうだろう、どこを愛していようと構わない。黒人だろうが白人だろうが、ヒスパニックだろうがアジア系だろうがアメリカ先住民だろうが構わない。若くても年寄りでも金持ちでも貧乏でも、五体満足でも障害があっても、ゲイでもストレートでも。やる気さえあれば、ここアメリカではなんとかなる。

こういう未来を、みんな一緒につかめると私は信じています。この国の政治が言うほど、私たち国民は分断していないからです。評論家たちが言うほど、私たちはシニカルではないからです。私たちは、個々人の野心の総和よりもはるかに大きい。そして赤い州や青い州の寄せ集めよりも大きい。私たちはこれまでも、そして永遠に、諸州が団結したアメリカという国(the United States of America)なのです。

皆さんの助けと神の恩寵と共に、私たちは一緒になって前へ前へと旅を続けます。私たちが暮らすこの国がなぜ世界で最も偉大な国なのか、世界中に伝えながら。

ありがとう、アメリカ。神様の祝福がみなさんにありますよう。この団結した諸州(united states)を神様が祝福してくれますように。


Thank you. Thank you. Thank you so much.

Tonight, more than 200 years after a former colony won the right to determine its own destiny, the task of perfecting our union moves forward. It moves forward because of you. It moves forward because you reaffirmed the spirit that has triumphed over war and depression, the spirit that has lifted this country from the depths of despair to the great heights of hope, the belief that while each of us will pursue our own individual dreams, we are an American family, and we rise or fall together as one nation and as one people.

Tonight, in this election, you, the American people, reminded us that while our road has been hard, while our journey has been long, we have picked ourselves up, we have fought our way back, and we know in our hearts that for the United States of America, the best is yet to come.

I want to thank every American who participated in this election; whether you voted for the very first time or waited in line for a very long time, by the way, we have to fix that. Whether you pounded the pavement or picked up the phone, whether you held an Obama sign or a Romney sign, you made your voice heard and you made a difference.

I just spoke with Governor Romney and I congratulated him and Paul Ryan on a hard-fought campaign. We may have battled fiercely, but it’s only because we love this country deeply and we care so strongly about its future. From George to Lenore to their son Mitt, the Romney family has chosen to give back to America through public service. And that is a legacy that we honor and applaud tonight. In the weeks ahead, I also look forward to sitting down with Governor Romney to talk about where we can work together to move this country forward.

I want to thank my friend and partner of the last four years, America’s happy warrior, the best vice president anybody could ever hope for, Joe Biden.

And I wouldn’t be the man I am today without the woman who agreed to marry me 20 years ago. Let me say this publicly. Michelle, I have never loved you more. I have never been prouder to watch the rest of America fall in love with you, too, as our nation’s first lady.

Sasha and Malia; before our very eyes, you’re growing up to become two strong, smart, beautiful young women, just like your mom. And I am so proud of you guys. But I will say that for now, one dog’s probably enough.

To the best campaign team and volunteers in the history of politics, the best..., the best ever. Some of you were new this time around, and some of you have been at my side since the very beginning. But all of you are family. No matter what you do or where you go from here, you will carry the memory of the history we made together. And you will have the lifelong appreciation of a grateful president. Thank you for believing all the way, to every hill, to every valley. You lifted me up the whole way, and I will always be grateful for everything that you’ve done and all the incredible work that you’ve put in.

I know that political campaigns can sometimes seem small, even silly. And that provides plenty of fodder for the cynics who tell us that politics is nothing more than a contest of egos or the domain of special interests. But if you ever get the chance to talk to folks who turned out at our rallies and crowded along a rope line in a high school gym, or saw folks working late at a campaign office in some tiny county far away from home, you’ll discover something else.

You’ll hear the determination in the voice of a young field organizer who’s working his way through college and wants to make sure every child has that same opportunity. You’ll hear the pride in the voice of a volunteer who’s going door to door because her brother was finally hired when the local auto plant added another shift. You’ll hear the deep patriotism in the voice of a military spouse who’s working the phones late at night to make sure that no one who fights for this country ever has to fight for a job or a roof over their head when they come home.

That’s why we do this. That’s what politics can be. That’s why elections matter. It’s not small, it’s big. It’s important. Democracy in a nation of 300 million can be noisy and messy and complicated. We have our own opinions. Each of us has deeply held beliefs. And when we go through tough times, when we make big decisions as a country, it necessarily stirs passions, stirs up controversy. That won’t change after tonight. And it shouldn’t. These arguments we have are a mark of our liberty, and we can never forget that as we speak, people in distant nations are risking their lives right now just for a chance to argue about the issues that matter, the chance to cast their ballots like we did today.

But despite all our differences, most of us share certain hopes for America’s future. We want our kids to grow up in a country where they have access to the best schools and the best teachers, a country that lives up to its legacy as the global leader in technology and discovery and innovation, with all of the good jobs and new businesses that follow.

We want our children to live in an America that isn’t burdened by debt, that isn’t weakened up by inequality, that isn’t threatened by the destructive power of a warming planet. We want to pass on a country that’s safe and respected and admired around the world, a nation that is defended by the strongest military on earth and the best troops this world has ever known, but also a country that moves with confidence beyond this time of war to shape a peace that is built on the promise of freedom and dignity for every human being.

We believe in a generous America, in a compassionate America, in a tolerant America open to the dreams of an immigrant’s daughter who studies in our schools and pledges to our flag, to the young boy on the south side of Chicago who sees a life beyond the nearest street corner, to the furniture worker’s child in North Carolina who wants to become a doctor or a scientist, an engineer or an entrepreneur, a diplomat or even a president.

That’s the future we hope for. That’s the vision we share. That’s where we need to go: forward. That’s where we need to go.

Now, we will disagree, sometimes fiercely, about how to get there. As it has for more than two centuries, progress will come in fits and starts. It’s not always a straight line. It’s not always a smooth path. By itself, the recognition that we have common hopes and dreams won’t end all the gridlock, resolve all our problems or substitute for the painstaking work of building consensus and making the difficult compromises needed to move this country forward.

But that common bond is where we must begin. Our economy is recovering. A decade of war is ending. A long campaign is now over. And whether I earned your vote or not, I have listened to you. I have learned from you. And you’ve made me a better president. And with your stories and your struggles, I return to the White House more determined and more inspired than ever about the work there is to do and the future that lies ahead.

Tonight you voted for action, not politics as usual. You elected us to focus on your jobs, not ours. And in the coming weeks and months, I am looking forward to reaching out and working with leaders of both parties to meet the challenges we can only solve together -- reducing our deficit, reforming out tax code, fixing our immigration system, freeing ourselves from foreign oil. We’ve got more work to do.

But that doesn’t mean your work is done. The role of citizens in our democracy does not end with your vote. America’s never been about what can be done for us, it’s about what can be done by us together, through the hard and frustrating but necessary work of self- government. That’s the principle we were founded on.

This country has more wealth than any nation, but that’s not what makes us rich. We have the most powerful military in history, but that’s not what makes us strong. Our university, our culture are all the envy of the world, but that’s not what keeps the world coming to our shores. What makes America exceptional are the bonds that hold together the most diverse nation on Earth, the belief that our destiny is shared, that this country only works when we accept certain obligations to one another and to future generations, so that the freedom which so many Americans have fought for and died for come with responsibilities as well as rights, and among those are love and charity and duty and patriotism. That’s what makes America great.

I am hopeful tonight because I have seen this spirit at work in America. I’ve seen it in the family business whose owners would rather cut their own pay than lay off their neighbors and in the workers who would rather cut back their hours than see a friend lose a job. I’ve seen it in the soldiers who re-enlist after losing a limb and in those SEALs who charged up the stairs into darkness and danger because they knew there was a buddy behind them watching their back. I’ve seen it on the shores of New Jersey and New York, where leaders from every party and level of government have swept aside their differences to help a community rebuild from the wreckage of a terrible storm.

And I saw it just the other day in Mentor, Ohio, where a father told the story of his 8-year-old daughter whose long battle with leukemia nearly cost their family everything had it not been for health care reform passing just a few months before the insurance company was about to stop paying for her care. I had an opportunity to not just talk to the father but meet this incredible daughter of his. And when he spoke to the crowd, listening to that father’s story, every parent in that room had tears in their eyes because we knew that little girl could be our own.

And I know that every American wants her future to be just as bright. That’s who we are. That’s the country I’m so proud to lead as your president. And tonight, despite all the hardship we’ve been through, despite all the frustrations of Washington, I’ve never been more hopeful about our future. I have never been more hopeful about America. And I ask you to sustain that hope.

I’m not talking about blind optimism, the kind of hope that just ignores the enormity of the tasks ahead or the road blocks that stand in our path. I’m not talking about the wishful idealism that allows us to just sit on the sidelines or shirk from a fight. I have always believed that hope is that stubborn thing inside us that insists, despite all the evidence to the contrary, that something better awaits us so long as we have the courage to keep reaching, to keep working, to keep fighting.

America, I believe we can build on the progress we’ve made and continue to fight for new jobs and new opportunities and new security for the middle class. I believe we can keep the promise of our founding, the idea that if you’re willing to work hard, it doesn’t matter who you are or where you come from or what you look like or where you love. It doesn’t matter whether you’re black or white or Hispanic or Asian or Native American or young or old or rich or poor, abled, disabled, gay or straight. You can make it here in America if you’re willing to try.

I believe we can seize this future together because we are not as divided as our politics suggests. We’re not as cynical as the pundits believe. We are greater than the sum of our individual ambitions and we remain more than a collection of red states and blue states. We are, and forever will be, the United States of America.

And together, with your help and God’s grace, we will continue our journey forward and remind the world just why it is that we live in the greatest nation on earth.

Thank you, America. God bless you. God bless these United States.

(書き起こし・翻訳:加藤祐子)
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//Memo
//Hitokoto

http://www.asyura2.com/12/kokusai7/msg/176.html

記事 [原発・フッ素28] 「フクイチ周辺は放射能占領の領土」と認めよ [田中康夫 にっぽん改国] :政治板リンク 

「フクイチ周辺は放射能占領の領土」と認めよ [田中康夫 にっぽん改国] 

http://www.asyura2.com/12/senkyo138/msg/408.html


http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/583.html

記事 [アジア14] 情報集めに走る中国、非公表の日ロ新合意

情報集めに走る中国、非公表の日ロ新合意
 編集委員 秋田浩之
2012/11/6 7:00

 日本とロシア両政府は10月下旬、新たな覚書を交わした。一見すると、何の変哲もなさそうな合意文書だが、中国がこれに強い関心を寄せているとされる。
 文書の名前は「日本国外務省とロシア連邦安全保障会議事務局との間の覚書」。玄葉光一郎外相が先月23日、来日したパトルシェフ安全保障会議書記と会談し、署名した。


■ロシアとの間で安全保障協力を強化

 ロシア側の要望もあって、その内容は公表されていない。両国関係者によると、日ロの安全保障協力を強めていく方針が盛り込まれている。
 その具体策を話し合うため、「日本外務省―ロシア安保会議事務局」による対話を進めていくことも決まったという。
 日本には「安保会議」に当たる組織がないため、パトルシェフ氏の対話相手が誰になるのかはっきりしていなかった。覚書によってこの問題は解消され、今後は日本の外相がパトルシェフ氏と安保問題について協議していくことになる。

 この合意に注目しているのが、ロシアと蜜月の関係にある中国だ。さっそく情報収集に動いているとの情報もある。
 日ロは安保協力の推進について、9月の首脳会談でも合意している。覚書はその延長線にあるもので、さほど目新しくはない。それなのになぜ、中国は反応するのか。
 その理由は覚書の中身よりも、それに署名した人物にある。玄葉外相との署名式にのぞんだパトルシェフ氏は、プーチン大統領の「側近中の側近」。プーチン氏が心を許す、数少ない腹心とさえ言われる。


■プーチン氏に直結するチャネル確保

 そう考えると、中国が関心を抱く理由も分かる。日本政府は今回の覚書によって、パトルシェフ氏という、プーチン氏に直結する対話チャネルを確保したことになる。尖閣諸島をめぐり、日本と激しく対立する中国からすれば、こうした日ロ接近の動きは気になるところだろう。

 日本としてはロシアとの協力を進めることで、中ロが領土をめぐり、対日圧力で共闘するのを防ぎたい考えだ。一方、中国軍の増強に内心、懸念を抱いているロシアとしても、日本との協力はマイナスではない。

 そうした思惑が一致してか、玄葉氏とパトルシェフ氏は会談で、海上自衛隊とロシア海軍の共同訓練や防衛対話を加速することでも足並みをそろえた。
 日本側によれば、玄葉氏は「地域の安保環境は一層激しさを増している」と発言。尖閣をめぐる日中対立についてもふれた可能性がある。

 11月にはロシアからシュヴァロフ第一副首相が来日。12月には日本の首相が訪ロする日程も固まっている。年末にかけて日中ロの駆け引きがさらに激しくなりそうだ。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK31032_R01C12A1000000/


http://www.asyura2.com/12/asia14/msg/193.html

記事 [アジア14] 孤立する北朝鮮に迫る中国資本の手:韓国報道によれば、中国と国境に近い新義州や羅津は“人民元経済圏”の様相

孤立する北朝鮮に迫る中国資本の手
中国総局 島田学
2012/11/8 7:00

 9月末から訪れた北朝鮮・平壌。中心部は予想以上に都市開発が進み、至るところで中国経済が浸透している様子もうかがえた。金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は経済開発を中心とした国造りに着手する考えのようだが、急がなければ、中国依存は進むばかり。自主独立を強調する「主体(チュチェ)思想」を掲げる北朝鮮は今、経済的な自律性を失いかねない岐路に立っている。

 「良くも悪くも共和国(=北朝鮮)の人間は控えめで、残念ながら商売は苦手なんです」。北朝鮮側の案内人は、平壌で最大級のスーパー「光復地区商業センター」を案内しながらこう語った。

 同スーパーは今年1月にオープンした。中国側が65%、北朝鮮側が35%を出資した中朝合弁のスーパーだ。店内に特売品コーナーやお薦め商品コーナーを設けたほか、店頭で肉まんやソフトクリームを売る。ただ商品を置くだけの北朝鮮のスーパーにはない集客の工夫を施していた。

 昨年12月15日には故金正日総書記と金正恩第1書記がそろって訪れ、中国からノウハウを学ぶよう指示した。その2日後に死亡した金総書記にとって最後の現地指導場所となった。

 社会主義経済を維持する北朝鮮は私有企業を原則認めていない。平壌市内には市民があふれていたが、活気が感じられなかったのは個人レベルの「商売っ気」を感じないからだろう。
 ただ、中国企業は北朝鮮の「商売下手」を逆手に北朝鮮経済に侵食し始めている。光復地区商業センターも、当初は北朝鮮産品と中国産品を共に売ることになっていたが、今ではカップ麺などほとんどが中国産品だった。
 市内では、中国自動車大手の比亜迪汽車(BYDオート、広東省)や長城汽車(河北省)の車が行き交っていた。いたるところでマンションの新設が進んでいたが、セメント機械装置や資材運搬用の大型トラックは中国製だった。

 中国は、北朝鮮の経済開発と外貨獲得を側面支援するため、中朝境界地域の共同開発などを促している。中朝は9月に北京、10月には遼寧省丹東で中国企業向けの投資説明会を開催した。実際には北朝鮮にマツタケなどの農水産物以外に主な輸出産品はなく、北朝鮮は対中貿易赤字を埋めようと、貴重な地下資源の切り売りを余儀なくされている。

 平壌から車で1時間ほど離れた南浦市。港には中国向けとみられる無煙炭が山積みとなっていた。中朝は今年9月、30億元(約370億円)規模の基金設立で合意した。目的は北朝鮮鉱山への投資。中国企業による鉄鉱石や石炭、レアアースなどの開発が念頭にある。

 「このまま中国に資源を買いあさられたら、共和国の国力はやせ衰えるばかりだ」。北朝鮮関係者は、輸出産品を手がける自国産業の育成が喫緊の課題だと訴える。ただ、自国産業育成の原資を調達しようにも、国際社会からの経済制裁を受ける北朝鮮に投資しようという企業はほとんどいない。結局は中国に依存せざるを得ない状況だ。

 一方、中国は、表向きは朝鮮半島の平和的統一を望んでいるとしつつ、本音は「北朝鮮が緩衝材となる現状が心地よい」(中国外務省関係者)。一部では北朝鮮が崩壊した場合も想定し、今から半島北部に中国経済の影響力を根付かせておきたいとの考えも広がっている。北朝鮮に中朝境界地域の共同開発を促すのも、こうした考え方が反映されているとの指摘は多い。

 「資本家にも『良い資本家』と(労働者を搾取する)『悪い資本家』がいることがよく分かった」。故金日成主席は生前、第2次大戦前の朝鮮の女性実業家で、朝鮮民族の発展や教育振興に全財産をなげうった白善行(ペク・ソネン)の功績をたたえたという。

 現在、中国からの投資は北朝鮮の経済発展に真に役立つ分野に向けられているのか。中国という「赤い資本家」は、北朝鮮にとって「良い資本家」なのか、「悪い資本家」なのか――。当面、見極める必要がありそうだ。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM3104P_W2A101C1000000/


http://www.asyura2.com/12/asia14/msg/194.html

記事 [国際7] "ロムニー氏敗北の弁、全文翻訳" を読む
件名:ロムニー氏敗北の弁、全文翻訳 
出典・http://news.goo.ne.jp/article/gooeditor/world/gooeditor-20121108-01.html
件名:Romney's Complete Concession Speech: Romney's Loses the 2012 Election
出典・http://www.youtube.com/watch?v=IiQZBgdVn-A
時  :2012年11月7日
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ありがとう。ありがとう。ありがとう。ありがとう、みなさん。本当にどうもありがとう。

たったいまオバマ大統領に電話をして、勝利をお祝いしたところです。大統領の支援者と選挙スタッフにもお祝いを伝えたい。それくらい見事だった。全員におめでとうと言いたいです。中でも特に大統領とファーストレディと、娘さんたちに。

今のアメリカは大きな課題に直面しています。大統領がこの国をきちんと導いてくれるよう、祈っています。

ポール・ライアンに感謝したい。この選挙戦に、彼はとても貢献してくれました。この国のためにも、彼は一生懸命働いている。妻のアンを除けば、私にとってポールはまたとない最高の選択でした。彼の知性と努力、理念に対する真摯な姿勢は、今後もこの国のためになるものと信じます。

最愛の人、アンにも、ありがとうと言いたい。素晴らしいファーストレディになったでしょう。私や家族にとって彼女は前からファーストレディだったし、それ以上の存在でもあった。彼女の思いやりや優しさに直接触れた人たちにとっても、そうだと思います。選挙のために疲れ知らずで働いてくれた息子たちにも感謝します。そして息子たちが選挙戦のために何週間も家を留守にしている間、その穴を埋めてくれた奥さんたち、子供たちにも感謝したい。

実に熱心な選対チームを率いてくれたマット・ローズと、チームの皆さんにも感謝したい。私のためにだけでなく、みんなが愛するこの国のために、目を見張るほど努力してくれました。

そして今晩ここにいらっしゃる皆さんと、国内各地にいるチームのみんなにも。ボランティアの皆さん、資金を集めてくれた皆さん、寄付してくれた皆さん、代理人の皆さん、数年前から皆さんが続けてくれた努力は、共和党内でも出色だったと思います。本当にどうもありがとう。何時間も働いて、電話をかけたり演説したり色々なイベントに出席したり、色々なものを提供してくれたり、祈ってくれたり。本当にありがとうございます。みなさん、たくさんのものを提供してくれて、その活躍は見事でした。皆さんの姿に私たちは感動し、身が引き締まる思いでした。これ以上のものはないというくらい、見事な活躍ぶりでした。

ご承知のようにこの国は、重大な局面にあります。こんな時につまらない党派対立や政治的なスタンドプレーをしている場合ではありません。指導者たちが国民の代表として働くには、向こうの党に向かって手を差し伸べなくてはなりません。

そして私たち市民もこの事態にふさわしく行動しなくてはなりません。私たちは学校の先生や大学の教授に期待しています。ただ教えるだけでなく、学問や発見に対する情熱を子供たちに受け付けてほしいと。この国ではいつだって、正直と思いやり、誠実、そして家族といった価値観が社会の基礎を形作っています。こうしたものの大切さを説いてくれる牧師や僧侶、ユダヤ教指導者、色々なカウンセラーに、私たちは期待しています。そして最終的に全ては家庭がうまくいくかどうかにかかっているので、私たちは親たちに期待してします。色々な雇用を作り出す人たちに期待します。雇用を作り出す人たちが投資して、採用して、前に一歩踏み出してくれるよう、頼りにしています。そして色々な形で政府に関わる民主党と共和党の人たちに期待しています。政治よりも国民を優先してほしいと。

私はアメリカを信じています。アメリカの人たちを信じています。アメリカが心配だから、私は出馬しました。この選挙は終わったけれども、私たちの価値観は長続きします。この国の経済を回復させ、かつてのように偉大な国に戻るには、建国の精神を指標とするしかないと考えています。

多くの皆さんと同じように、ポールも私も現場に全てを捧げました。この選挙戦に全身全霊で取り組んだのです。

この国を違う方向へ導いてほしいという皆さんの期待に応えられたならと、本当に思います。けれども国民は、別の人をリーダーに選びました。なのでアンと私は、その人のために、そしてこの偉大な国のために、皆さんと一緒になって心から祈ります。

皆さん、どうもありがとう。そして神様がアメリカを祝福されますように。みんな最高です。本当にありがとう。ありがとう。みんなありがとう。

Thank you. Thank you. Thank you. Thank you, my friends. Thank you so very much. Thank you. Thank you. Thank you.

I have just called President Obama to congratulate him on his victory. His supporters and his campaign also deserve congratulations. I wish all of them well, but particularly the president, the first lady and their daughters. This is a time of great challenges for America, and I pray that the president will be successful in guiding our nation.

I want to thank Paul Ryan for all that he has done for our campaign and for our country. Besides my wife, Ann, Paul is the best choice I’ve ever made. And I trust that his intellect and his hard work and his commitment to principle will continue to contribute to the good of our nation.

I also want to thank Ann, the love of my life. She would have been a wonderful first lady. She’s -- she has been that and more to me and to our family and to the many people that she has touched with her compassion and her care. I thank my sons for their tireless work on behalf of the campaign, and thank their wives and children for taking up the slack as their husbands and dads have spent so many weeks away from home.

I want to thank Matt Rhoades and the dedicated campaign team he led. They have made an extraordinary effort not just for me, but also for the country that we love.

And to you here tonight, and to the team across the country -- the volunteers, the fundraisers, the donors, the surrogates -- I don’t believe that there’s ever been an effort in our party that can compare with what you have done over these past years. Thank you so very much. Thanks for all the hours of work, for the calls, for the speeches and appearances, for the resources and for the prayers. You gave deeply from yourselves and performed magnificently. And you inspired us and you humbled us. You’ve been the very best we could have imagined.

The nation, as you know, is at a critical point. At a time like this, we can’t risk partisan bickering and political posturing. Our leaders have to reach across the aisle to do the people’s work.

And we citizens also have to rise to the occasion. We look to our teachers and professors, we count on you not just to teach, but to inspire our children with a passion for learning and discovery. We look to our pastors and priests and rabbis and counselors of all kinds to testify of the enduring principles upon which our society is built: honesty, charity, integrity and family.

We look to our parents, for in the final analysis everything depends on the success of our homes. We look to job creators of all kinds. We’re counting on you to invest, to hire, to step forward. And we look to Democrats and Republicans in government at all levels to put the people before the politics.

I believe in America. I believe in the people of America. And I ran for office because I’m concerned about America. This election is over, but our principles endure. I believe that the principles upon which this nation was founded are the only sure guide to a resurgent economy and to renewed greatness.

Like so many of you, Paul and I have left everything on the field. We have given our all to this campaign.

I so wish that I had been able to fulfill your hopes to lead the country in a different direction, but the nation chose another leader. And so Ann and I join with you to earnestly pray for him and for this great nation.

Thank you, and God bless America. You guys are the best. Thank you so much. Thank you. Thanks, guys.

(書き起こし・翻訳:加藤祐子)
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//Memo
//Hitokoto


http://www.asyura2.com/12/kokusai7/msg/177.html

記事 [日本の事件30] 出所しました(つぶやきいわぢろう)/東電OL殺人事件 再審無罪にも「冤罪」と認めず―東京高検
http://blog.iwajilow.com/?eid=1071525

出所しました(つぶやきいわぢろう)

こんな人が検事をやっていることが信じられないと僕は思います。
記事を読んでたまげました。

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http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012110700983

「冤罪」と認めず=直接謝罪も否定―再審無罪に東京高検

時事通信 11月7日(水)20時22分配信

 ゴビンダ・プラサド・マイナリさんの再審無罪判決を受け、東京高検の青沼隆之次席検事は7日、取材に対し、「真相解明がなされていない。冤罪(えんざい)と言うのは時期尚早だ」と述べ、マイナリさんへの直接の謝罪は「現段階では考えていない」とした。
 判決直後の上訴権放棄については、「結果的に15年間の長きにわたって拘束した重みがある。不安定な地位はあまりにも酷だ」と説明。一審無罪への控訴は不当だったとする弁護側の訴えには、「当時の証拠関係では間違いではなかった」と反論した。

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一度、冤罪でぶち込まれてみたらどうでしょうか。

そして「真相解明がなされていない。冤罪というのは時期尚早だ」ということはまだゴビンダさんが犯人だと思っているということでしょうか?

「当時の証拠云々」と言っていますが、ゴビンダさんの逮捕前にすでに被害者の両乳房からゴビンダさんの血液型とは違うO型の唾液が検出されていました。検察が隠していただけです。

証拠を客観的に見る目もない、自分のことを客観的に評価することもできない人間が次席検事であることに吐気と恐怖を覚えます。

批判されることを許さない組織であるがゆえの傲慢さを感じます。

やはり検察は一度解体すべきではないかと強く思います。

さて一度痴漢「冤罪」で捕まり、有罪判決が確定し服役した後、今度は本当に痴漢をしてしまい、再び服役していたKさんから連絡がありました。

http://blog.iwajilow.com/?eid=1071484

29日に出所したということでした。
現在は施設に入り生活保護の申請をしならが就職活動をしているそうです。

出所してから昔から大好きだった新宿のアカシアの
ロールキャベツシチューを食べに行ったそうです。

「ホッとする味でした」と言っていました。

Kさんの「冤罪」事件は
京浜急行に乗っていた際に「太ももに手が3秒触れた」罪でした。

目撃者もなく、被害者証言のみで有罪。しかも裁判官は「疲れているのに急行電車にのるなど行動が不自然」として有罪判決(しかも実刑)を下した事件です。

この事件をきっかけに、Kさんは職を失い、離婚することになり、お子さんとも離れ離れになってしまいました。

だからと言って、今回の「痴漢」が許されるわけではありませんが
裁判所や検察の気の狂った判断は人生を大きく狂わせます。

そして、記事にある検察官のように多くの場合、彼らは謝罪も反省もしません。

自分たちを何様だと思っているのでしょうか?
「俺たちは検事様だ」
ああそうですか。。


http://www.asyura2.com/11/nihon30/msg/626.html

記事 [音楽10] El DeBarge ft. Faith Evans - Lay With You
一昨年16年振りにニューアルバム「Second Chance」をリリースしたEl DeBarge 。
これはその一曲目、Faith Evans(ゴリラ系?w) をフィーチャーしてるんだけど、それにしても相変わらず弱々しい El www

El DeBarge ft. Faith Evans - Lay With You

http://www.asyura2.com/12/music10/msg/136.html

記事 [音楽10] EPMD - Strictly Business
ナツカC〜www

EPMD - Strictly Business

http://www.asyura2.com/12/music10/msg/137.html

記事 [経世済民78] オバマ再選 高まる金融危機リスク (日刊ゲンダイ) 
http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-7345.html
2012/11/8 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ


急ピッチで進む緩和

米大統領選はオバマの再選で幕を閉じた。民主党が政権と上院、共和党が下院を支配する「ねじれ」も従来通り。「チェンジ」はないように見えるが、日本経済には打撃だ。

ねじれの副作用で、減税失効と歳出削減が重なる「財政の崖」への対応が遅れたりすれば、米国経済は失速する。第一生命経済研究所の桂畑誠治主任エコノミストは、「日本や新興国からの輸出にも影響が出る。自動車だけでなく、インフラやエネルギー投資が抑えられ、関連する日本からの輸出も停滞する」と予測した。

さらに大きいのは金融緩和の弊害だ。東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満氏が言う。

「オバマ大統領の勝利で、バーナンキFRB議長の続投も決まりました。バーナンキ議長はQE3(量的緩和第3弾)を主導し、15年半ばまでゼロ金利政策を続けると公言しています。一方で、オバマ再選でも、14年1月の任期で退任すると話している。となると、それまでにQE3を完結させるのでしょう。月額400億ドルの住宅ローン担保証券(MBS)の買い入れは規模が拡大し、対象となる金融商品も増やされる。ドルはどんどん刷られ、インフレ懸念も高まります」

それでも「財政の崖」問題があるうちは、将来不安から金利は上がらない。心配なのは、リーマン・ショックの大不況で控えられていた需要が、ムクムクと動き始めていることだ。

「住宅や自動車に上向く兆しがある上、シェールガス革命という明るい材料もある。フタを開けたら実質4%、名目5〜6%の成長となり、金利が一気に跳ね上がりかねないのです。この影響をモロに受けるのが、金融機関。金利が上がれば、保有する債券の評価損が発生する。米国の金融機関は、自国のことだから敏感に反応し、事前に売り逃げられるでしょう。問題は日本です。大手行はもちろん、ゆうちょや信金まで、米国債やMBSなど多数の金融商品を抱えている。大急ぎで債券を売ることになるだろうし、利益確保で日本国債も吐き出せば、国内の金利も上昇することになります」(斎藤満氏)

日銀は、債券投資の影響について、金利が1%上昇すれば、大手行で3・7兆円、地銀で3・0兆円、信金で1・6兆円の評価損が発生すると発表している。オバマ再選は新たな金融危機を招くリスクを高めた――。


http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/447.html

記事 [カルト10] 野田ブーが月末解散を決断したがその一週間前に落選確定の二百人がそっくり離党して結局は先輩の海部みたいになる筈である。
馬鹿田大学というのは私の親戚もそうだが馬鹿ばかりで松下政経塾で馬鹿に磨きをかけた野田ブーは久しぶりに海部劇場を
再放送してくれるようである。
御輿は軽くてパーな海部はそもそも小沢達が断ってお鉢が回ってきた訳だが敗者復活の野田ブーも体重は重いし顔はこたつ
を立て掛けたぐらいの大きさだが脳みそが軽くてパーなのは先輩と同じでさすが都の西北にある馬鹿田大学は伝統校である。
偽キムチ小泉がやはり馬鹿田大学を裏口入学した森と裏口コンビで缶クシャだの干からびチーズだの殺されてもいいだの主婦
の官邸突入だのと偽キムチ電通の台本に沿って憲法違反の偽キムチガリレオ解散をしたが馬鹿の早慶戦という感じである。
野田ブーもそれを真似てだちょう倶楽部ガリレオ解散を狙うのだろうが二匹目の豚どじょうという訳にはいくまい。
海部の時は重大な決意をして総辞職という重大な事をしたが野田ブーはもっと壮絶で解散を宣言しようとした前日に二百人が
そっくり離党し一瞬超少数与党の首相という面白い現象が置き閣僚も偽キムチ前原ぐらいしか残らず恥ずかしくて強行解散など
できずそのまま入院し偽キムチ前原が一日だけ万事よろしく頼まれて延命するも小田原攻めみたいに病院でパジャマ姿で総辞職
会見という海部先輩以上のみっともなさで退陣して次の首相が選出される頃に著名人の訃報くらいに小さく議員辞職が報道されて
おしまいである。
ロシアに来るなと言われた野田ブーはそれがお似合いでありどうせ落選するのだから最後くらいきれいに総辞職すべきである。
http://www.asyura2.com/12/cult10/msg/353.html
記事 [原発・フッ素28] さいたま市と同じ線量 ウクライナで健康な子どもは6% (日刊ゲンダイ) 
http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-7348.html
2012/11/8 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ


食品摂取で内部被曝!?

健康な子どもは6%――。昨年4月にウクライナ政府が発表した衝撃の事実。被(ひ)曝(ばく)者から生まれた子どものうち、健康なのは、チェルノブイリ事故から6年後の92年で22%だった。それが08年には6%に激減。一方で、慢性疾患のある子どもが20%から、78%に急増したという。

恐ろしい結果だが、他人事ではない。ウクライナの放射能汚染レベルは、さいたま市と同じなのだ。

9月24日〜10月4日にかけてウクライナで現地調査を行ったNPO法人「食品と暮らしの安全基金」代表の小若順一氏がこう言う。

「3地域の学校を調査したところ、一番線量の低かったコバリン村学校は0・03〜0・1マイクロシーベルト。さいたま市と同じ水準なのです。残りの2つ、ピシャニッツァ村学校は0・09、モジャリ村学校は0・12でした」

小若氏らが子どもたちの調査を進めると、新たな問題も発覚したという。コバリン村学校の生徒の7割が足の痛み、2割が頭痛を訴えた。ピシャニッツァ村学校では足の痛みが6割、頭痛は5割に。モジャリ村学校では7割が足の痛みを、8割が頭痛があると答えている。小若氏は、「これらの健康障害は、食品摂取による内部被曝しか考えられない」と言う。

「食品の検査で、モジャリ村のキノコは1キロあたり200〜400ベクレルでした。ウクライナの田舎では、森でキノコやベリー類をとって食べる。キノコは肉の代わりとして使われ、食事の5%を占めるのです。どれぐらいで健康被害を起こしているのか調べると、彼らは平均して10ベクレルの食品を摂取していた。10ベクレルは日本の基準の10分の1。訪れた地域の線量はうちの事務室とだいたい同じでしたが、その地域でとれたライ麦を検査に出したら昨年の埼玉の小麦より低い線量でした。さいたま市でとれる食物が、どのくらい汚染しているか分かりませんが、汚染度が高い地域ほど危ないのは間違いない。政府は責任を持って調査すべきです」

放射線量が落ち着いているからといっても安心はできない。放っておけば、子どもたちは内部被曝でジワジワとやられてしまう。国は真剣に対策を急ぐべきだ。


http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/584.html

記事 [中国3] 中国共産党大会、開幕 政治改革も「権力独占に触れないこと」  
写真は天安門前の警備

【大紀元日本11月8日】4年に一度の選挙と5年に一度の大会、重なるのは20年に一度。今年はそんな珍しい年。激闘が繰り広げられた米大統領選はオバマ大統領の再選で閉幕した翌日に、暗闘が未だうごめく中国共産党大会が開幕した。

■せめぎ合いで迎える党大会

8日から北京の人民大会堂で始まる第18回共産党大会では、10年に一度の中国の指導部交代が行われる。胡錦濤氏から習近平氏へと、共産党トップの座となる党総書記のポストが引き継がれると見られるが、指導部人事をめぐり、各勢力のせめぎ合いが直前まで続いた。

党大会開催日は通常より1ヶ月遅い9月の末にようやく発表され、同日には、重慶市元トップで江沢民一派の実力者だった薄煕来氏の党籍剥奪と司法機関への送致が決定された。一定の収束を見せた党内の対立はその後、温家宝首相一族の不正蓄財が報道されたことで再び浮上。江沢民と周永康(政法委書記)サイドのリークによるものとも見られる同報道の直後、薄氏に対する刑事捜査を開始することが発表され、江一派の巻き返しを封じ込む胡主席ら指導部の姿勢が示された。

さらに、これまで党大会後に発表されていた軍指導部人事も今回は開催前から胡氏寄りの人事が相次ぎ発表され、激しい権力闘争の中、胡氏が軍部で足元を固めることを優先させた構図が浮かび上がった。

■抜本的政治改革は不可能

そういった中で迎えた今日の開幕。党内の権力闘争が激化するかたわら、中国社会は経済成長の鈍化や環境問題、共産党幹部の腐敗や所得格差の拡大など、日々深刻化する課題に直面している。これらの問題で国民の不満がくすぶり、抗議活動の激増は今や共産党の支配体制の存続まで脅かしている。

「中国のいい時期は過ぎた。制度全体を変えなければならない」。老幹部の子弟となる太子党メンバーは英フィナンシャル・タイムズの取材でこう認めた。

同紙はほかの太子党メンバーの話として、中国は今、「もっともやらなければならないことは政治改革である」「体制内の人も含め、すべての中国人はこのことに賛成している」と指摘。人民日報傘下の環球時報もこのほど、全国代表都市で行ったアンケート調査では、8割を超える回答者が政治改革を支持するとの結果が出たと報じ、注目されている。

一方、政治改革の内容について、回答の多くが「政府は市民やメディアの監督を受けるべき」「政策決定が民主的になるべき」などに止まっていることについて、香港城市大学の鄭宇碩教授は、独立で自由なメディアがない限り、人民代表大会制度である限り、施策への監督や民主的な政策決定は実現されないとの見方を示した。

共産党指導部が瀬踏みしようとする政治改革は、「限度ある改革」であり、「共産党の政治権力独占に触れないことが条件だ」と同教授は指摘。フィナンシャル・タイムズも、多くの改革推進派は新体制が抜本的な政治改革を行うことを楽観視していないと報じている。

今日から14日までの党大会では約200人の党中央委員が選ばれ、続く15日からの党中央委員会第1回全体会議(1中全会)で、今までの権力闘争の狙い目となった政治局員と政治局常務委員の構成が明らかになる。

「共産党は過去30年ですでに、手の届く果実はすべて摘み取った」。北京大学の張健助教授はこのように語り、新体制がどのようなメンバー構成であっても、「共産党は自らを制限し、権力を国民に返すような改革を実施することは不可能だ」と指摘した。(翻訳編集・張凛音)

2012/11/08
http://www.epochtimes.jp/jp/2012/11/html/d87186.html



http://www.asyura2.com/12/china3/msg/321.html

記事 [テスト27] 大学の不認可問題、学生を人質にする大学側の偽善 (まるこ姫の独り言)
大学の不認可問題、学生を人質にする大学側の偽善
 2012.11.08 : (まるこ姫の独り言)


結局、あの大騒動はなんだったのか。
田中大臣が突然、来春開港予定の大学を不認可とした事で上へ下への大騒動になってしまったが、二転三転の末、最後は不認可を認可すると置き換えてしまった。

勿論、今更の不認可は大きな影響を与えるものではあるが、文科省、審議会、大学側の行動も、初めに開校ありきで動いている。

素人が考える開校の条件とは、まずはじめに計画書を提出しその計画書に基づき、本当に適切な内容なのか審議すると思っていたが、手審議会の答申が出る前から、大学側は教員を確保し、校舎を手当てし、志望者の説明会を開き、人員を募集している。
これでは、審議会の答申は単なるアリバイ作りで、初めから来春の開校は決まっていたも同然だと感じる。
大学側は、文科省の指導を仰ぎ、既定のルールにのっとって手順を踏んできたと言うから、文科省と大学側は慣れ合いの仲か。
審議会にも大学関係者が多数入っていると言うし、多分多数の大学にも文科省から天下りされていると推測できる。

田中大臣のいきなりの不認可発言は、大きな波紋を呼んで、大学側は、今回の不認可で学生が泣いているとか、学生が実害を被るとか言うが、今となっては本当にそうなのか。
大学側は、初めに開校ありきで物事を進めていた。

苦戦しています、うんうんと思ったらクリック宜しくお願い致します。
もちろん直接の学生には罪はないと思うが、それでも大学側がお涙頂戴のような発言をするたびに、へそ曲がりな私は、学生を人質にとって、大学側がいかにも弱者のような言い方をする度に、すごい、違和感を持ってしまう。

本当に大学側は、弱者なのだろうか。
田中真紀子大臣は、あまりに唐突に後先の考えもなしに、不認可を言い出したから、大学側が悲劇の主人公のようになっているが、世間や政治家の猛反発を食って、田中氏をやり込められたし、当分、学校行政が抱える負の部分にも手がつけられることもなさそうだし、願ったりかなったりではないか。

大学側は、今回の騒動で良い宣伝になったとして、また不認可撤回で田中真紀子に勝ったと言っているそうだが、それで終わりではこの国に明日はない。

せっかくの田中大臣の問題定義が、田中大臣の政治的、個人的資質の問題で終わりにされそうな感じもする。
本当は、せっかくの問題定義を、これからもっと掘り下げて行き、少子高齢化に対応できるような政策にしないと、何の問題解決にもならない。

今回の騒動で、教育行政の負の部分、根はものすごい深いと感じた。
このままこの問題を放置しておくと、倒産連鎖は絵空事ではない。


元記事リンク:http://jxd12569and.cocolog-nifty.com/raihu/2012/11/post-fce0.html


http://www.asyura2.com/12/test27/msg/413.html

記事 [テスト27] TEST




http://www.asyura2.com/12/test27/msg/414.html
記事 [カルト10] 二十代7割の男子が一生結婚しないできないと考えている、つまり同じ数の女子が結婚できない訳でそれが街コンブームの背景である
偽キムチ小泉と偽部落竹中は若者の人生設計を狂わし正社員を派遣に派遣をバイトに陥れてしまい真面目な男子であれば
結婚しても子供のかわりに犬で我慢し結婚を我慢し交際を我慢するのは当然である。
そうなると同じく7割の女子も結婚できても子供を諦めて不倫に走り結婚を諦めてスケベ親父の愛人になり交際を諦めて
キャバ嬢になるしかなくやはりスケベ親父の相手をするしかなくまるで戦後の焼け野原と同じである。
そこで出てきたのが婚活であり街コンだが結婚できるのは公務員や大企業社員か後先考えず結婚して子供もポコポコ作り
パチンコ屋の駐車場に子供を置き去りにする馬鹿夫婦だけであり真面目な男女は独身を通す事になる。
街コンとは派遣とバイトと風俗嬢が月給15万円を二人で合わせて30万円の暮らしを選択する相手探しという事であり
それも麗しいが殆どの者が独身を選択する筈である。
しかし大丈夫である。
彼らを苦しめているのは根本的には偽ユダヤと偽キムチの強欲だが当面の敵は高い家賃と食費でありそれがタダみたいに
なれば彼らも安心して結婚し子育てもできるのである。
それには丸の内や大手町や六本木を農村のど真ん中に持ってくればよく大企業が決断すれば簡単なのである。
社員はタダみたいな社宅長屋に住み出勤前に家庭菜園で一汗流し米も野菜も作り豚も鶏も牛も家庭酪農すれば食費もタダ
であり百姓をしながら派遣やバイトをすればいいのである。
仕事が終わったら山の上や森の中にある六本木で街コンに参加して相手をゲットすればいいのであり万事めでたしである。
若者は車離れで音楽離れで新聞・テレビ離れでとうとう結婚離れを始めたがIラブyouから始めようではないがトラクター
から始めればいいのである。
偽ユダヤの嫌がらせを逆手に取り農村を若者王国にすればいいのであり簡単である。
http://www.asyura2.com/12/cult10/msg/354.html
記事 [不安と不健康15] やはりそうだった! 40代後に○○すると平均寿命が7.2年のびる! (税金と保険の情報サイト) 
http://www.tax-hoken.com/news_anZ0smtNoG.html
2012年11月8日 22:00 税金と保険の情報サイト


■米がん研究所が新発見

運動の健康効果はよく知られているが、40代以降では、その量が平均寿命と密接に関係しているようだ。米、国立がん研究所の研究員がこのほど、新しい調査結果を発表した。

■運動で平均寿命が延長

運動量と平均寿命の関係について研究を行ったのは、米国立がん研究所のスティーブン・ムーア研究員。同氏のチームは過去に行われた6つの研究から、65万人以上のデータを抽出して、運動量が平均寿命の延長にかかわることを発見した。

40代以降では、体重にかかわらず、運動量が増えるほど平均寿命がのびる現象が見られたという。その効果は大きく、週あたり75分程度ウォーキングするだけで、平均寿命は1.8年のび、死亡率が19%減少した。


■推奨レベルの運動なら最大7年以上

40代以降の平均寿命は、運動の量にともなってのびる。米国政府が推奨する週あたり150〜299分のウォーキングでは、3.4年、よりハードな450分のウォーキングでは4.5年の延長が見られた。

標準体重の人が推奨レベルの運動を行った場合には、運動しない肥満の人に比べて、7.2年も平均寿命がのびることがわかった。運動には心臓病やある種のがんを防ぐ効果がある、とされており、寿命ののびはこの効果によるものと考えられている。

研究は6日付けの「PLoS Medicine」誌オンライン版に掲載された。



http://www.asyura2.com/09/health15/msg/642.html

記事 [雑談専用40] リトルボーイの鈴
2012年11月8日、午前11時半頃。店において、知人と二人で昼食を食べていた。隣には3人組の男がいた。年齢は、若者と言える年齢でもないが、老人というほどでもないように見えた。30歳代か、その前後のようだった。男のくせに、やたらに女のようにベラベラとしゃべっていた。しばらくすると、携帯電話の呼び出し音がなり、店内でその男は、会話を始めた。商売上の話のようであり、何かに憤慨していた。商取引の期限とかに関することのようだった。別にこんな連中の会話などは、聞きたくもないし、知りたくもないが、大声でわめくように喋っていたので、嫌でも聞こえた。その会話の内容は楽しいものではなく、ヤクザのように恐喝し、恫喝し、おどしていた。店内の男は、携帯電話の相手に対して、大声で罵声を浴びせ続け、脅し続け、脅迫した。それが実に30分以上も続いた。相手が沈黙したらしく、「なぜ黙っているのか」「そんなことで済むと思っているのか」「なめているのか」「この落とし前はどう付けるのか」「もうお前との取り引きはお断りだ」などと脅し続けた。そばらくすると、表面的に助け舟を出すかのように「どうして、すべて言われた通りにしますと約束できないのか」「そんなことで仕事ができるのか」「何年仕事をやってきたのか」「どうして同じことばかり繰り返し言わせるのか」等と、さらに罵倒し続けた。その後も延々と一方的にしゃべりまくり、大声で喚き続け、その声は店内のあらゆるすみずみまで響き渡った。まるでこの人物の毒舌講談会のようになってしまった。その最中に驚いたことに、店員は見て見ぬふりをした。まったく注意もせず、何も言わず、全く何も聞こえないかのようなふりをした。非常に情けないことになった。その店内の他の客も関わり合いにならないように避けていた。私は警察に通報するべきかどうか迷った。もしも一人で店内で食事をしていたら、迷うことなく即座に通報していただろう。しかし、この時には、知人といっしょだったので、そういう時に、騒動になると困ると判断した。この人物は、電話が終了しても、まだ興奮が消えないようで、今度は、店内の他の客に当たり散らし始めた。その群れは、ちょうど、おかわり自由のコーナーがあるすぐ近くにいたので、自分達の近くを通行する人々に対して、因縁をつけ始めた。まったく決まりきったパターンのように、片っ端から嘲笑し、侮辱し、からかってきた。あれやこれやと言いたい放題であり、あたかもその店の支配者であるかのようだった。そういう状況になっても、まだ店員は、完全無視の態度であり、誰も対応しようとしなかった。これには非常に驚いた。その場は、非常に恐ろしいことになり、まるで無法地帯であるかのようだった。まるで学級崩壊が、そのまま店崩壊に移行したかのようだった。恐ろしまでの無秩序ぶりであり、それを誰も静止する者がいない。完全にごろつきの支配下になったかのようだった。こんなことが繰り返されるなら、いつか必ず喧嘩が起きるだろう。それも深刻な事件となるだろう。あるいはまた、普通のまともな客は寄り付かなくなり、無法者のたまり場となるだろう。
http://www.asyura2.com/12/idletalk40/msg/259.html
記事 [原発・フッ素28] 東京電力が水処理設備の放射能濃度を測定 Co60,Mn54,Ru106,Sb125,H3 検出 (まっちゃんのブログ) 
http://ameblo.jp/misininiminisi/entry-11399812084.html
2012-11-08 22:15:31NEW  まっちゃんのブログ


東京電力が11月8日に発表した資料によると

水処理設備の放射能濃度を測定した結果、Cs134、137、Co60

Mn54,Ru106,Sb125、H3が検出されました。

http://ameblo.jp/misininiminisi/image-11399812084-12276795439.html


ソース
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/images/handouts_121108_02-j.pdf


H-3(トリチウム) 半減期 12.3年

天然に存在する人工放射能の一つ。

人工的には、リチウム-6(6Li、同位体存在比7.5%)と

中性子の反応でつくられる。

ソース
http://www.cnic.jp/modules/radioactivity/index.php?cat_id=1


Co-60(コバルト) 半減期 5.27年

代表的な人工放射能。コバルトを中性子で照射した時に

コバルト-59(59Co、同位体存在比100%)の中性子捕獲によって生成する。

ソース
http://www.cnic.jp/modules/radioactivity/index.php/6.html

Mn-54(マンガン)半減期 312日

人工的につくられる放射能。鉄を中性子で照射すると

鉄-54(54Fe、同位体存在比5.8%)と中性子の反応によって

生成する放射化生成物である。

ソース
http://www.cnic.jp/modules/radioactivity/index.php/5.html

Ru-106 (ルテニウム) 半減期 373.59日

ルテニウム (Ru) の同位体のうち、天然に産するのは7種類の

安定同位体である。さらに、34種類の放射性同位体がしられており

それらの中で安定なものは 106Ru(半減期 373.59 日)

103Ru(半減期 39.26 日)、97Ru(半減期 2.9 日)である。

ソース
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%86%E3%83%8B%E3%82%A6%E3%83%A0%E3%81%AE%E5%90%8C%E4%BD%8D%E4%BD%93



http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/585.html

記事 [カルト10] 尖閣と北方は共同管理又は三国管理、竹島は偽キムチ追放、これが一番すっきりして偽ユダヤが一番嫌うシナリオである。
偽ユダヤは借金踏み倒しの為に対米債権国ベストスリーの日中露を何としても仲違いさせて踏み倒すどころか逆に乗っ取りたい
のであり多重債務者と行動原理は同じである。
その為に世界中でわざと領土問題という火種を残してきた訳であるがそれに乗って日中戦争などしては駄目である。
日中両国は民生の分野では世界最大の貿易相手国同士でありその影響は全世界に及ぶのであり一時的に気まずくなってしまった
のは仕方ないが早く関係修復を図り更に貿易を拡大させて偽ユダヤが目論む米中戦争詐欺を未然に防ぐと共にロシアも巻き込んだ
3国貿易を世界最大にして三本の矢で天下を取るべきである。
それが世界にとって一番いいのであり偽ユダヤの開始した異常気象詐欺や天体詐欺を中止させて米国を自己破産させて債権回収で
一息つくべきである。
今や米英イは世界のお荷物以外のなにものでもなく中東での戦争詐欺もゲームオーバーにさせるべきである。
連中から我々の先祖が奪われた富を取り返してもいいし手切れ金としてくれてやってもいいしそのかわりに連中抜きの金融システム
と経済運営をすれば全部タダでみんな平等の社会を簡単に作れるのであり仕方ないなどと奴隷ノスタルジーに浸っている場合では
ないのである。
二十代の男子の7割が結婚を諦めているなど異常であり大和民族存亡の危機であり一人一人が暴走族みたいにうんこ座りして諦めて
いる場合ではなく立ち上がるべきである。
具体的にはパソコンを開きネットに接続しモニターに向かって一億人が偽ユダヤのバカヤローと叫んでみるべきである。
ネットじじいが一人でやったら恥ずかしいが奥さんも子供も孫もさあ皆さんご一緒にという感じで叫んでみるべきである。
それだけでもスキッとするしそれだけでなく日本中で化学変化が起こり偽キムチも偽ユダヤも追い出せるのである。
まずお前がやってみろと言われるが総司令官として私情は捨てなければならない立場にあり私も心の中で大声で叫ばせて頂くがまず
皆さんが一億火の玉になって叫ぶ事である。
ネットカフェで叫ぶのもいいが店員に追い出されても自己責任である。
http://www.asyura2.com/12/cult10/msg/355.html
記事 [日本の事件30] 美代子容疑者、弁護士も洗脳されかけた(日刊スポ)←本文から多分書いた記者も洗脳されているのでは?
中高時代に髪染めていた奴は例外なく外来種のクソガキだったわけか♪


やっと、角田美代子以外の関係者の写真が出てきた。
名前も通名報道から徐々に変わりつつある。
美代子の内縁の夫は鄭頼太郎。
「鄭」は韓国語で「チョン」と言うらしい。

・・そのまんまじゃねーか

大体、通名報道するから事件がややこしくなるんだ。
今すぐ通名報道はやめろ。

ところで、内縁の夫って何だ?って思ったけど
社会的には夫婦と認められるけれど、
婚姻届が出されていない場合を言うらしい。

あいつら、散々養子縁組は繰り返すくせに
自分自身は書類出してないんだな。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121107-00000533-san-soci
兵庫県尼崎市の連続変死・行方不明事件で、兵庫県警の尼崎東署捜査本部は7日午前、男性の遺体を岡山の海に捨てるなどしたとして、死体遺棄容疑で、角田美代子容疑者(64)=同容疑で逮捕=の内縁の夫、鄭頼太郎容疑者(62)、実子の角田優太郎容疑者(25)、養子の角田健太郎容疑者(30)、美代子容疑者の義理の娘、瑠衣被告(27)=窃盗罪で起訴=の夫の仲島康司容疑者(42)−の4容疑者を逮捕した。

☆本文ここから


美代子容疑者、弁護士も洗脳されかけた

 兵庫県尼崎市の連続変死事件で、尼崎東署捜査本部は7日、橋本次郎さん(当時53)の遺体を岡山県の海に遺棄したなどとして、死体遺棄容疑で、無職角田(すみだ)美代子容疑者(64)、義理のいとこの李正則容疑者(38)ら8人を逮捕した。また美代子容疑者と接見した弁護士がマインドコントロールされそうになっていたことも分かった。

 尼崎東署捜査本部が事件の中心とみるのが美代子容疑者と李正則容疑者だ。美代子容疑者の指示で李容疑者が暴力を振るい、狙いを付けられた家族は引き裂かれ、離散した。「とにかく口がうまい。相手の心をすぐに引き込むことができる」とは美代子容疑者を知る弁護士。「接見した若手弁護士が長時間密室で話しているうちにマインドコントロールされかけたと聞いた」という別の弁護士の話もある。捜査関係者は「計算ではなく直感的にやっていると思う」と話す。

 美代子容疑者と李容疑者は義理のいとこで血のつながりはない。周囲の証言からは、人を巧みに操り意のままに支配する美代子容疑者と、側近のように行動を共にし、暴力で信頼に応えようとした李容疑者の姿が浮かぶ。「まさ、まさ」と息子のようにかわいがる美代子容疑者を、李容疑者も「おばちゃん」と慕った。

 李容疑者は甲子園を夢見た野球少年。実力を認められて進学した香川県の高校を退学、約1年後に愛知県の高校へ編入した。「監督を甲子園に連れて行く」と練習に励んだ。李容疑者は高校卒業後、尼崎市に戻って正社員として働いたが、約2年で退職。02年ごろ、美代子容疑者と知り合い、04年に叔父の養子になった。

 [2012年11月8日9時1分 紙面から]
http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-20121108-1043942.html

弁護士の気持ち

「待ってくれ ことばの洪水を ワッと いっきに 浴びせかけるのは」


  ↑


たぶんこんな感じ。人が話そうとするところを「あ?」と張り上げ
他人に意見させないようにするクレーマーやチンピラヤクザと同じような威圧態度をとる。

都合悪くなると出てくる人もどきの衝動行為そものもだ。


都合悪くなると出自やレッテル貼りして萎縮させる似非左翼の連中とはまた違うタイプ♪


となると


素人「たかがババアに洗脳ってありえねえだろww」

美代子と接見

素人「角田さんの言ってることは理にかなってる。世界は一つだと思う」


で、現在その有害悪しき諸悪の根源は

兵庫県警本部の3階でふてぶてしくしているらしく
県警本部のベテランの取り調べ官が今回の事件について角田に問うても
「何の事か分からんへんし、私には一切関係のない話や!アホか」
とキッパリ、ハッキリと答えているようだ。


キチガイに多いタイプですな。


そして本文の内容も


記事読んだら容疑者どもが良い人っぽく書かれていて吹いたw
これ書いた記者は確実に洗脳されてるね


関東連合もそのテだろうね
朝青龍や海老蔵みたいな有名人相手に揉め事起こして
マスコミにバラされたくなけりゃ金払えって典型的な手口
援公やってた厨房も一流企業勤務や医者等エリート狙って
シャワー浴びてる隙に勤務先や実家住所調べて
バラされたくなきゃ金払えとかさ  

社会的名誉や信用が命な人を狙うよね
悪知恵が働くんだと思う

関連

尼崎事件 美代子容疑者の内縁の夫、実子ら4人も逮捕 兵庫県警
産経新聞 11月7日(水)11時29分配信

 兵庫県尼崎市の連続変死・行方不明事件で、兵庫県警の尼崎東署捜査本部は7日午前、男性の遺体を岡山の海に捨てるなどしたとして、死体遺棄容疑で、角田美代子容疑者(64)=同容疑で逮捕=の内縁の夫、鄭頼太郎容疑者(62)、実子の角田優太郎容疑者(25)、養子の角田健太郎容疑者(30)、美代子容疑者の義理の娘、瑠衣被告(27)=窃盗罪で起訴=の夫の仲島康司容疑者(42)−の4容疑者を逮捕した。

 逮捕者は、美代子容疑者を含め5人となった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121107-00000533-san-soci

角田容疑者の内縁の夫、鄭頼太郎容疑者
fc9ce5d4.jpg
http://livedoor.blogimg.jp/newsfact/imgs/f/c/fc9ce5d4.jpg

再逮捕された角田美代子容疑者
long737577.jpg
http://long.2chan.tv/jlab-long/10/s/long737577.jpg



http://www.asyura2.com/11/nihon30/msg/627.html

記事 [国際7] 米大統領選 ロムニーに投票したのは88%白人だった(Newsweek日本語版)
http://www.newsweekjapan.jp/stories/us/2012/11/88.php

米大統領選
ロムニーに投票したのは88%白人だった
Eighty-Eight Percent of Romney Voters Were White

ロムニー敗北の最大の原因は、アメリカの現実である黒人やラテン系、アジア系を軽視した政治姿勢にある

2012年11月08日(木)18時36分
トム・スコッカ

 結局、共和党のロムニーに「人種バブル」は起きなかった。6日に投開票された米大統領選の出口調査結果によれば、ロムニーは白人票の59%を獲得した。目標とした60%に若干届かなかったものの、上々の出来だ。ただ白人票を60%獲得したとしても、一般投票数で勝利はできなかっただろう。

 その理由はこれまで通り、共和党支持者に人種的な広がりがなかったからだ。極論すれば、ロムニーに投票したのは白人だけだった。

 もちろん、すべてが白人だったというわけではない。ただロムニーの得票率は48・1%で、そのうち白人は42・5%。つまり、彼に投票した人の88%は白人だった。ちなみに黒人は2%、ラテン系は6%、アジア系は2%、そしてほかの人種はすべて合わせても2%だ。

 一方、オバマに投票した有権者の内訳は白人が56%、黒人が24%、ラテン系が14%、アジア系は4%。その他の人種は2%だった。

 白人が支配的な政治メディアは最後まで、ロムニーが限られた人種にしか支持されていないことから目をそむけていた。今やアメリカの現実とかなりずれている白人有権者層が、一般的な政治状況を反映していると勘違いしていた。だからこそ、選挙戦の最終週にニューヨーク・タイムズ紙はペンシルベニア州から次のようにリポートした。

 確かな手ごたえがある――郊外の富裕層地域の邸宅に掲げられたロムニー支持の看板や、空いた時間にロムニーへの投票を呼びかける電話をかける共和党支持者の母親たちの興奮した声が示すのは、選挙戦の流れが今やロムニーに傾いているということだ。

だが、実際にはペンシルバニア州はオバマが5ポイント差で制した。

 白人の「分離主義」は、オバマ支持者を分裂させるのにも不十分だった。オバマへの支持はかなり広範囲で、もし白人のオバマとロムニーの支持が50%と50%だったら、オバマは総得票の58%を獲得していた可能性がある。

 米FOXニュースのキャスターであるビル・オライリーは我慢できなかったのだろう。出口調査と開票速報でロムニーの敗北が分かると、人種差別的な偏見をあらわにした。

 アメリカはもはや伝統的なアメリカではない。50%のアメリカの有権者は、とにかく物をほしがっている。物がほしいのだ。彼らに物を与えるのは誰か? オバマだ。オバマはそれ分かっていて、乗じたのだ。

 20年前なら、オバマはロムニーのような立派な候補者によって完全に打ち負かされていただろう。白人の権力者層は今や少数派になってしまった。そして有権者の多くが今の経済システムは自分たちにとって不公平で、とにかく物をほしいと感じている。

白人の権力者層は、さまざまな肌の色をした物欲まみれの人々によってバラバラにさせられたと言いたいらしい。白人層が広がらなかったため勝てなかったと認めたにも関わらず、オライリーはオバマの支持者を同じアメリカ人だとは見ずに、画一的な反対勢力だと捉えているわけだ。

 オバマはラテン系有権者の71%を(ロムニーは27%)、アジア系有権者の73%を(ロムニーは26%)をそれぞれ獲得した。こうした有権者は、ロムニー側にとってすべて同じに見えた。それこそが彼らの敗因だ。

© 2012, Slate

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英文元記事はこちら。紙面クリックでソースへ。 ぁ・・・




http://www.asyura2.com/12/kokusai7/msg/178.html

記事 [音楽10] HERBIE HANCOCK - Cantaloupe Island

http://www.asyura2.com/12/music10/msg/138.html

   

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