9.11から丁度11年目の同日、野田総理が突然尖閣諸島を国有化するとしたことから、中国の反日感情に火がつき、尖閣を巡って軍事衝突も発生しかねない事態となった。
この緊迫する領土問題を背景に、自立した国家にふさわしい憲法に変え、日本も普通の他国と同様、主体的に戦闘のできるものにするべきであるという改憲派の論調が高まっている。
深刻な放射能汚染の国難に加え、安易な政治判断で国際紛争を拡大してしまうような歴史的愚挙を犯さぬためにも、ここで改めて、憲法問題の核心と、日本という国の特異な立場を再認識してゆくことが肝要と思われる。
特に、日本国憲法の成立に携わった関係者たちの記録をたどると、看過しがたい奇跡的ともいうべき背景を知って驚く。しかも、殆どの日本人がいまだにこのことを正しく知らないのである。
日本人たる者、いかなる憲法観にせよ、先ず一度は日本国憲法が成立した経緯というものを知った上で構築すべきものとも痛感し、これはその一参考資料として述べさせて頂いたものである。