14. 2012年10月09日 16:18:29 : gfy2Px3YGk
>>13
我所写的不是什麽“評論”,只是対現在的形勢略述了一些個人看法而己。
確かに中国側が「70年代初めまでに日本に一度も抗議していなかった(これは「抗議していなかった」というより、「自国の主権を主張していなかった」というのがより適切と思う)」のは確かにその通りで、それは1953年1月の『人民日報』記事、その後に出版された地図類の記載でも明らかだ。それは明らかにこの期間、中国側がこの尖閣諸島についての主権という意識すら無かったことを示している。そうでなければ、例え沖縄の米軍占領下の時期でも「国務院声明」などを発表して主権を主張することはいくらでもできたはずなのだが、その形跡は全くない。おそらく1968年の「国連調査」による海底資源の存在が判り、しかも台湾が主権を主張し始めたことに「後出しジャンケン」で乗っかって来たというのが真相なのだろう。
だから72年の国交正常化交渉の中で周恩来が「これについては話さないことにした」というのは、当時まだ中国側も主権主張のための論理的組み立てが出来ていなかった、それよりも日中国交正常化というはるかに大きな課題を実現することの方が最優先だったからだと思う。1978年の「日中平和友好条約」の時点でも、この状態はあまり大きく変わっていなかったので、ケ小平は「棚上げ」を主張した。
だが現在は違う。中国側では漁船だって当時より大きくなっているし、加えて「海監」、「漁政」などの海洋機関の巡視船も充実しつつある。更に海軍の艦隊の巡航能力も格段にアップした。だから日本側と「互角に」渡り合える条件ができたので、あの海域では巡視船同士の「鬼ごっこ」が日常化し、中国側の言う「日本側の実効支配を崩し、事実上の共同管理、あるいは重畳管理状態に持ち込む」という状態が現実のものになろうとしている。不当であろうが何だろうが、日本側もこの状態を現実のものとして受け留めざるを得ないのだ。問題はそこからだ。この期に及んで「棚上げなど約束していない」とか「領土問題は存在しない」というのは既に現実に全く合致しない戯言に過ぎない。「紛争が存在する」ことを認めるのは後退でも、日本にとって不利でもない。虚構に縋るのではなく、まさにイーブンの状態から論争を開始するのであり、そうしない限り何も進まず、それどころか軍事的対決と言う最悪の陥穽に堕ち込んでしまう。
長期的には中国の勢力拡張はますます進むだろうし、今は「アジア回帰」とか言っているがアメリカのこの地域における覇権はますます後退せざるを得ないだろう。これは動かし難い趨勢だ。
日本はこの地理的位置にある限り、その大きな転換の中で生存して行かなければならない。そのためには「対米従属」という立ち位置の変更は必須になるだろう。ではどうすれば良いのか? 簡単に言ってしまえば日本の「永世中立化」だ。スウェーデンのように武装しつつも、あらゆる二国間あるいは多国間の軍事同盟には一切参加しない。「日米安保条約」は当然廃棄しなければならない。外交は完全な等距離外交が基本だ。拡張を続ける中国には少なくとも「敵対国」でないことを強力にアピールする。経済貿易関係は大いに進める。米国に対しても同じだ。これは非現実的な話ではない。それが今後の長期的な世界情勢の変化の中で、日本に残された唯一の選択だと思う。また中韓のように常に「歴史認識」を投げかけて来る国々に対してもこれ以上の回答はないだろう。その場凌ぎの「謝罪」などいくら繰り返すよりも「日本は過去の反省に立ち、平和国家として永世中立を選択する」と宣言し、そのように行動すれば、もはや二度と再び戦後処理問題を持ち出す理由もなくなるだろう。
http://www.asyura2.com/12/china3/msg/275.html#c14