選挙:民主と生活、次期衆院選控え応酬 県連同士で対立深まる 民主、元雫石町長を除籍/生活、民主秘書が移籍 /岩手
http://mainichi.jp/area/iwate/news/20121006ddlk03010080000c.html
毎日新聞 2012年10月06日 地方版
小沢一郎氏の離党で分裂した民主党県連と新党「国民の生活が第一」県連の間で、次期衆院選をにらみ応酬が繰り広げられている。民主党は繰り上げ当選が浮上した元雫石町長、川口民一氏(81)を「『生活』に近い」と5日付で除籍。一方、民主党の階猛衆院議員(岩手1区)の公設第1秘書が生活県連に移籍。「引き抜き」との臆測も飛びかう。【金寿英、宮崎隆】
5日にあった民主党の常任幹事会では、川口氏が生活県連結成大会に出席したことなどを「明白な反党行為」と認定。また、生活の主浜了参院議員事務所から提出された離党者名簿に、川口氏の名前が記載されていたことなどから、民主県連の渡辺幸貫代表代行は「離党者名簿や状況証拠を基に党本部が判断した」と説明する。だが、県連内では当初から川口氏が当選後に小沢氏に同調するのではとの疑念が根強く、除籍を求める声が上がっていた。同党は離党者が相次いでおり、これ以上、離党予備軍を抱えたくないとの判断も働いたとみられる。
川口氏は「県連大会に出席したことは軽率だった」と認めつつも「付き合いで出席しただけ。民主県連で私を強く否定した人がいると聞いているが、国会議員が多ければ岩手にとっても良いはずなのに納得できない」と不満を漏らす。
一方、先月末に辞職した民主党の階衆院議員の公設第1秘書が、今月1日から、生活県連の岩手1区対策室長に就任したことも波紋を広げている。
階事務所によると、男性は、達増拓也知事が衆院議員時代から秘書を務めるベテラン。達増氏の知事選転出に伴い、07年に階氏が衆院1区補選で初当選し、公設第1秘書に就任。9月の代表選後に、体調不良を理由に辞職を申し出た。階氏が慰留したが意思は変わらなかったという。
生活は1区に階氏の対抗馬を擁立する方針で、選挙区事情に詳しいベテラン秘書の移籍に民主党のある県議は「これまでは達増知事と階議員が一枚岩でやってきたが、分裂で後援会もどちらにつくか考えあぐねている。移籍は痛い」と漏らす。
一方、生活県連の佐々木順一幹事長は「(移籍は)本人の意思」と「引き抜き」を否定。そのうえで「長年の政治活動を生かして即戦力として(生活の)党勢拡大に努めてほしい」と期待を込める。
◇
民主離党のつもりないのに…除籍の川口氏が反発
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20121006-OYT1T00236.htm
2012年10月6日18時02分 読売新聞
5日の民主党常任幹事会で除籍処分が決まり、衆院比例東北ブロックでの繰り上げ当選がなくなった川口民一・元雫石町長(81)が5日、読売新聞の取材に応じ、新党「国民の生活が第一」の県連大会出席などが処分理由とされた点について、「軽率な判断で納得できない」と反発した。
処分に対する法的措置などは行わない考えを示した。
常任幹事会は除籍理由に〈1〉「生活」設立の際、民主党県参議院選挙区第2総支部から県連に提出された離党者名簿に記載があり、「生活」の県連大会にも出席した〈2〉「生活」に参加した複数の国会議員の後援会会長や後援団体副会長を務めている――などを挙げた。
川口氏が「生活」の小沢一郎代表に近いこともあり、当選後に「生活」に移籍する可能性が高いと判断したとみられる。
これに対して川口氏は、離党者名簿は勝手に提出され、「生活」議員の後援会長も務めていないと反論。当選した場合は民主党にとどまるつもりだったとして、「県連大会には深く考えずに出席しただけ。支援者にも納得してもらえる説明を求めたい」と訴えた。
処分は後日、党の倫理委員会に諮問されるが、覆る可能性は低い。川口氏も、「争っても仕方がない」と徹底抗戦は控える意向だ。
民主党県連にとっては、国会議員を1人増やす機会だったが、渡辺幸貫代表代行は5日、県庁で記者会見し、「川口氏が『生活』を応援する姿勢は明白だった。除籍は当然だ」と述べた。