http://www.minato-yamaguchi.co.jp/yama/news/digest/2012/0922/7p.html
命を無視、強行に怒り 岩国、下関で市民ら抗議(山口新聞)
2012年9月22日(土)
米軍岩国基地に先行搬入されている米海兵隊の新型輸送機MV22オスプレイ12機の試験飛行が始まった21日朝、オスプレイ配備に反対する住民らが基地北側の今津川沿いに集まった。「危険なオスプレイを飛行させるのは許せない。国民の命をもっと大事に考えろ」と、政府が安全宣言し試験飛行を強行したことに強く反発した。
新滑走路が見える船だまりに同日午前8時ごろから岩国市内や広島県内のオスプレイ配備反対団体の住民が集まり始めた。約100人が「オスプレイ配備反対」「試験飛行は許さない」などの横断幕やプラカード掲げ、金網柵越しに基地内を注視した。オスプレイがヘリパットに現れると「オスプレイを飛ばすな」「試験飛行反対」とシュプレヒコールを繰り返した。
愛宕山への米軍住宅建設反対と合わせオスプレイ配備反対運動をしている地元住民組織「愛宕山を守る会」の岡村寛世話人代表は「試験飛行について市長は全ての責任を政府にとってもらうとしているが、それでは市民の安心安全は守れない。『やめろ」と言ってもらいたい。オスプレイ配備に国民は沖縄県民同様に賛成していない」と強調。
「試験飛行させない」とハンスト中の大川清・住民投票を活かす岩国市民の会代表も「全国民の反対を押し切って、危険なオスプレイを飛行させるのは許せない。国民の命をもっと大切に考えてもらいたい」と憤りの表情を見せた。
山口、広島両県の広域住民組織「瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク」の坂本千尋世話人は「怒り心頭。国民の声を封殺して試験飛行を始めた。瀬戸内海には島民や漁民がいる。米国が言うがままに進めて私たちの命をなんと考えているのか」と憤慨していた。
オスプレイの危険性を指摘している田村順玄岩国市議は1番機の離陸を見て「反対を押し切って試験飛行を始めたが安全に飛び続ける保証はない。近いうちに事故が起きると予兆させるような飛行だった」と感想を語った。
■市街地上空、次々と
オスプレイが21日に試験飛行で下関市上空を通過したのを受け、下関市役所前では市民団体「平和と民主主義をめざす下関革新懇話会」(石井末雄代表世話人)のメンバーら約40人が横断幕などを掲げて試験飛行に抗議した。
石井代表世話人が「政府の安全宣言はまやかしで、オスプレイは欠陥機以外の何物でもない。国民の生命と財産を守る立場から断固反対する」とあいさつ。参加者が次々とマイクを握って抗議の声を上げ、「オスプレイはアメリカに帰れ」などと声を合わせ訴えた。
同日朝には、市民団体の4人が下関市役所を訪れ、オスプレイの飛行中止を関係機関に求めるよう中尾友昭市長宛てに要望書を提出した。
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http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-09-23/2012092302_02_1.html
「しんぶん赤旗」 2012年9月23日(日)
オスプレイ/市街地上空を飛行 下関/「安全確保策」初日でほご
沖縄の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)への配備のため、同岩国基地(山口県岩国市)に一時駐機している垂直離着陸機MV22オスプレイの試験飛行が21日の初飛行に続き、週末かつ休日となった22日も強行されました。
21日の試験飛行では、オスプレイが山口県下関市の市街地上空を飛行したことが確認されました。
オスプレイ配備に関する日米合同委員会の覚書(19日発表)は、(1)米軍施設・区域上空や周辺の飛行経路は人口密集地を避けて設定する(2)移動の際には可能な限り水上を飛行する―としています。防衛省も当初、試験飛行は「岩国飛行場から瀬戸内海に抜け、海上を通りながら(下関沖の日本海上にある訓練空域)R134で行う」と説明していました。
ところが、日本政府の“安全宣言”の根拠とされた同覚書は、飛行初日からほごにされました。
オスプレイの市街地通過について下関市の中尾友昭市長は「市民の不安を増長させる行為で強く抗議したい」と述べています。(山口新聞22日付)
オスプレイの「安全確保策」については、すべて米軍の運用任せで、過去の同様の合意も守られたためしはないと指摘されてきました。早くもその指摘が証明された形です。
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(「しんぶん赤旗」 2012.09.23 日刊紙 2面)
(「しんぶん赤旗」 2012.09.23 日刊紙 3面)