「小沢は嫌いだが、今回は筋が通っている」という声が多い [これまでとこれからの「小沢一郎」の話をしよう・衆議院議員 石川知裕]
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2012/6/29 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
26日の衆議院本会議で増税法案の採決が行われました。13・5兆円もの大増税が民・自・公の談合によって事実上、決まってしまい、採決では与党・民主党からどれだけ反対票が出るかに注目が集まりました。
結局、57人が反対票を投じ、政権に大ダメージを与えています。
私自身、かなり悩みました。離党した身ですが、今まで地元の北海道では、民主党と協力をしながら政治活動をしてきた。反対票を投じれば、連携にヒビが入りかねない。当初は欠席・棄権という選択肢を取るつもりでした。
実は先週、民主党の小沢元代表から「会いたい」と連絡があったのですが、お断りしてしまった。小沢氏は怒っているかもしれませんね。ただ、私もひとりの政治家として、小沢氏に相談することなく、自分で考えて決断しなければならないと思ったのです。
最終的に反対票を投じることに決めたのは、国民生活のことを考えたら、この時期の増税はあり得ないこと。そして、民主党は4年間は消費税を上げないと言って政権を取ったのだから、こんな法案を国会に提出することが間違っているからです。どんなに取り繕っても国民の信は得られない。民主党の幹部は「消費税アップは2014年からだから、公約違反ではない」という言い方をしますが、詭(き)弁(べん)もいいところです。
地元・十勝で後援者や道議会議員の賛否をじっくり聞いたところ、古くからの民主党支持者が一番怒っている。「小沢は嫌いだけど、今回はどう考えても小沢の方が筋が通っている」という声も多い。民主党への造反より、国民への造反の方が、政治家としてよっぽど深刻な問題です。
小沢氏はきのう(28日)、輿石幹事長と会談して、増税法案の撤回を求めました。国民との約束を軽視してはいけない。こんなやり方がまかり通れば政治が国民から見放される。日本の民主主義は立ち行かなくなる。民主党が政権交代の原点に立ち戻れないのなら、離党して新党を立ち上げるしかない――。これは、小沢氏からの「最後通(つう)牒(ちよう)」でした。
大マスコミは、60人程度の小沢新党に展望はないと断じていますが、そんなことはない。2000年の自自公政権離脱の時も、自由党は約50人から22人に減り、小選挙区選出の議員もほとんどいなくなりました。当時も「小沢は終わり」と言われましたが、直後の衆院選で、小沢氏は比例代表で約660万票を獲得し、議席を増やした。その後、民主党に合流して政権交代まで成し遂げたのです。
国民は、今回の筋の通し方について一定の評価をしていると思う。信念を貫けば、必ず道は開けてくると思うし、そういう世の中であって欲しい。小沢氏には、これからも政治家としてあるべき「生きざま」をしっかり示していただきたいと思っています。