株式日記と経済展望
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グローバリズムとは、アメリカ(巨大なファシズム国家でもある)を頂点とした
新帝国主義を云う。その中身は、新自由主義であり激しい競争社会である
2012年4月24日 火曜日
冷戦終結によって帝国主義時代が始まった。帝国主義とは、
他の国を食いものにして生きていくということである。
三人が語っている。
.デモや大規模集会で国を動かすことは出来ない。
ただ一つの例外は、軍事専門家の反対にも拘らず「中国を許すな」という素人の世論が誤って尻をたたいた結果、泥沼の戦争に突入していった。
そして、散々煽った新聞は「一億総懺悔」と言いだして責任を国民に擦り付けた。
まず、選挙に行くべきである。
.団塊の世代の政治運動は、「異議申立運動」であり生産的なものはなく、何も生み出すことはなく今も続いている。
.きれいな資本主義などない、きれいなウンコがないのと同じく。
少し汚れた程度の汚水がいいのに「潔癖症」の管直人はこともあろうに真水にしようとしたために政・官・業の連携をズタズタにしてしまい国家の力が極端に弱まってしまった。
.脱原発が金持ちのおもちゃになっている。朝日新聞の読者は相対的に金持ちで格差がひらいても朝日は生き残れる。
.冷戦終結によって帝国主義時代が始まった。帝国主義とは、他の国を食いものにして生きていくということである。
グローバリズムとは、アメリカ(巨大なファシズム国家でもある)を頂点とした新帝国主義を云う。
その中身は、新自由主義であり激しい競争社会であるため縁、絆、掟などと言っていられない。個人が全ての社会であり、そこはどうしてもコンプライアンスが中心となるため、人々は「無難で行こう」となる底の浅い社会であり元検事とか弁護士が前面に出て来る社会でもある。
.新自由主義とは、社会がバラバラにされて競争力の強いものだけが生き残る。国民全体を夢や希望で束ねることは出来ない。
.グローバリゼーションを進めると先進国の賃金が下がり購買力が下がる。景気が悪くなるのは当然の帰結である。
それを避けるためにはアメリカのように合理的保護主義を採ることだ。
.中国人、朝鮮人という民族をつくり出したのは日本である。日本人のそれはロシアである。
民族は、近代化が完了するまで「敵」を必要とする。
.「白か黒か」という考え方が今の日本をダメにしている。きれいな社会でないと我慢出来ない人が増えてきたがグレーゾーンという「のりしろ」がないと息苦しい社会となってしまう。
日本の社会が成熟した大人の社会から急速に単純な二項対立的子どもの社会に変容しているという事実と理由がわかる。
そして、今後についても語られていて思いのほか濃い内容である。
▼「一番の経済大国が一人勝ちする」システムが進行中
田原
日本人が内向きになって、夢が小さくなった原因は団塊の世代にあるという佐藤さんの話はおもしろかったけど、僕はそれだけじゃないと思うんです。外的な要因もありますよね。要するに、よくも悪くも、戦後目本はディスニーランドになったんですよ。おとぎ話に出てくるような平和な国。戦争に駆り出される心配もなく、毎日を天真欄漫に生きていける。ディズニーランドの本家であるアメリカよりも、ディズ二-ランド化してしまった。もちろん、日本がディズニーランドでいられるのは、アメリカというガードマンがいるためです。たしかに、敵がいないという状態は、それ自体は悪くはないですが、そのために政治にしても経済にしても、国民のモチベーションが高まらない。
宮崎
いや、それでも一九九一年の旧ソ連の崩壊までは、冷戦という形で、日本にも潜在的な敵はいたんです。現実に、朝鮮戦争やベトナム戦争は資本主義陣営と社会主義陣営という体制の対決だったわけで、日本も間接的にせよ巻き込まれていた。それが、冷戦終結によって初めて、体制の違いに基づく敵がいなくなったと考えたほうがいいと思います。
田原
佐藤さんに前から聞きたかったことがある。そもそも冷戦が終わったというのは、何を意味しているのか?
佐藤
冷戦が終わったというのは、帝国主義が始ったということです。
田原
一般的には冷戦が終わったというのは、ソ連帝国主義とアメリカ帝国主義の戦いが終わったことだと考えられています。一九八九年一二月に、ブッシュとゴルバチヨフが地中海のマルタで会談をして冷戦終結宣言をした。それで、帝国主義の時代が終わったのだと捉えられている。当時、すでに首相を退いていた中曽根康弘さんが、僕に言ったことをよく覚えています。「これは神が人類にくれた休息の時期だ。今までは緊張を緩めることができなかった。だが、今こそ東がどうした、西がこうしたと言わずに、仲よく手をつないでやるべき時期だ」そう中曽根さんが言ったんです。それなのに、なぜ帝国主義が始まったと佐藤さんはおっしゃるのか?
宮崎
単純な話です。ソ連帝国主義が崩壊しても、アメリカ帝国主義は残るじゃないですか。だから、けっして帝国主義の終わりじゃないんです。
田原
でも、アメリカ帝国主義が残っても、対立する帝国主義がないでしょう。それなら、対立する必要がないわけだから:…・。
宮崎
いや、対立の時代じゃなくなって、一人勝ちの時代に入ったということです。つまり、冷戦のような二極対立の構造ではなくて、アメリカ帝国主義を頂点にした秩序体系ができあがっていくわけです。
田原
ちょっと、いいですか? そもそも帝国主義とは何ですか?
佐藤
学者によっていろいろな定義がありますけど、要するに、他の国を食い物にして生きていくのが帝国主義と定義すればいいと思います。そう考えると、冷戦終結によって、真の帝国主義の時代が始まったんです。社会主義の親玉であるソ連がなくなったから、資本主義陣営では社会主義革命の恐れがなくなった。そこで、資本が暴走を始める。資本と国家が結びつくと帝国主義になる。資本家同±が叩き合い、強い国家が貧しい国や人びとを搾取するシステムが定着してしまった。
宮崎
まさに、それが新自由主義(82ぺージ)であり、グローバリズム(87ぺージ)なんですね。どちらも、アメリカ帝国主義を頂点にした秩序体系ですよ。アメリカに都合のいい仕組みになっている。自由にモノやカネが行き来できるのならば、経済的に一番力のある国が一人勝ちするのは決まっている。
▼日本はなぜ「アメリカ以上にディズニーランド化」してしまった?
田原
たしかに、ソ連が解体して社会主義革命の恐れがなくなった。ちょっとそこでお聞きしたいことがある。過去においても、本当の社会主義革命というのは起きていないんじゃないか。僕の認識を述べますので、もし違っていたらぜひ佐藤さんに訂正してほしい。カール.マルクス(一八一八〜一八八三)の有名な『資本論』によれぱ、資本主義が高度に発達すると、資本家は労働者を徹底的に搾取するようになる。すると、それに耐えかねた労働者たちが蜂起して革命が起きるはずだった。ところが実際には、当時の先進工業国であったイギリス、ドイツ、オランダでは革命が起きなかった。起きたのは資本主義がほとんど発達していなかった農業国家のロシアや中国だったんです。おかしいですよね。なぜ先進国で革命が起きなかったか。それは、先進国の労働者は、そこそこいい給料をもらえたからでは、なぜいい給料がもらえたかというと、先進国は世界各地で侵略戦争に成功して、植民地をつくったからでしょう? 殖民地をつくる目的は、よく言われるように、「労働力、市場、資源」の三つです。イギリスのインド支配で言えば、インド人を安く使い、イギリスでつくったものをインドで売る。そして、インドでとれる資源をイギリスに持ってくるというわけです。植民地を搾取したおかげで、イギリス国内では労働者の給料が上がった。だから、資本家対労働者の激しい対立にはならなかったというのが僕の考えです。
佐藤
そのとおりです。帝国主義政策は本国の階級対立を緩和します。
田原
要するに、資本家と労働者という対立の図式は、本国と植民地に置き換わったんですね。これが帝国主義の正体だと思うんです。ひるがえって、日本の現状を見るとどうか。戦争には負けたけれど、トヨタにしてもホンダにしても、どんどん海外に進出をしていますよね。安い労働力を中国やベトナムに求めて使うことができる。そして、日本でつくったものを中国やインドで売っている。資源だってそこそこ安く買っている。労働力、市場、資源の三つを手に入れているわけです。これは侵略戦争に勝ったのと同じ状態じゃないか。違いますか?
宮崎
まさにそのとおりだと思います。私は、今こそ帝国主義の時代なんだという問題意識をずっと持っています。植民地こそ持っていないけれども、目本は帝国主義としての国家の競争を全面的に続けている。
佐藤
それは私も同意します。なにも帝国主義だからと言って、必ずしも植民地や戦争と結びつける必要はない。要するに、他国を踏み台にすることによって、自国の利益を得る構造がつくれれば、それは帝国主義国と言っていいんです。では、なぜ植民地を持たないか。現に、イギリスもアメリカも持っていませんが、それは植民地を持つコストが高いからなんです。
田原
今どき、植民地の不満を抑え込むのは不可能に近い。暴動やストライキとなれば、大変なコストがかかる。
佐藤
もちろん、日本もそれはわかっている。コストが高いことはやらないというだけの語で、本質において帝国主義です。
田原
でも、日本は戦争で徹底的に負けた。その敗戦国が帝国主義国として復活したのは奇妙な話ですよね。どうやって復活できたんですか?
宮崎
大きな転換点は一九五〇年に起きた朝鮮戦争でしょうね。あの戦争は、ご存じのとおり、北を支援した中国・ソ連と、南を支援したアメリカの代理戦争でした。そこで、日本という国は、米軍が朝鮮半島で戦うための物資補給の最前線となったわけです。いわゆる朝鮮特需が起きて、在朝鮮米軍、在日米軍から、戦地で使用する物資が大量に発注された。それがきっかけとなって工業生産力がアップして、一九六〇年代あたりから帝国主義の力をつけていったんです。
田原
確かに、朝鮮特需は決定的だった。あれがなければ、戦後の日本の歩みはかなり違っていたでしょうね。そう考えると、一九六〇年に池田勇人首相が打ち出した「所得倍増計画」は、単に高度成長の開始宣言というだけでなく、まさに帝国主義復活宣言だったわけだ。経済的な殖民地を持ったおかげで、日本の労働者はそこそこいい給料をもらえるようになった。資本家対労働者の対立は先鋭化することなく、社会主義革命も起こらなかった。そして、軍事的にもアメリカの傘の下に入って、戦争の心配もなくなった。そうしたことがあって、日本のディズニーランド化が完了したわけです。(P78〜P87)
(私のコメント)
いよいよ今週末からゴールデンウィークが始まりますが、日本人は円高で海外旅行に出かける人も多いようです。それに対してドルやユーロを使っている欧米では通貨の値下げ合戦が行なわれて、欧米に出かける人も多いだろう。近場では中国や韓国が人気ですが、私は不動産を管理する仕事柄、海外旅行が出来ない。
毎朝ビルの玄関を開けて、ゴミ片付けや清掃などをしなければなりません。夜になったらドアを閉めて防犯設備のスイッチを入れなければならない。つまり24時間365日仕事をしていなければならないわけで、旅行することが出来ない。その辺が不動産業の辛いところです。
「日本人のための新幸福論」は、田原氏と佐藤氏と宮崎氏の対談本ですが、人生論よりも社会情勢分析などの対談といったほうが良いだろう。グローバリズムや原発問題など今時の課題を切り込んだ本であり、1000円と言う安い本なので連休中に買って読むには手ごろな本だと思う。新自由主義に対する批判も話し合われていますが、まさに経済帝国主義の基本なのだ。
中国も欧米よりも資本主義的な経済政策をとるようになり、酷い格差社会になり経済的な歪が生じている。韓国も事情は同じであり、日本も格差が拡大して来ている。冷戦時代は資本主義対共産主義の戦いであり、資本主義国家は社会主義的な政策も取り入れた穏健なものでしたが、91年にソ連が崩壊すると共にアメリカは帝国主義国家として牙をむき始めた。
帝国主義と言っても、20世紀初頭までの帝国主義とは異なり、武力で植民地を搾取するのではなく、資本や技術を経済植民地に投資をして、その国の労働者を低賃金で働かせることで搾取するのが新しい帝国主義だ。これにはグローバリズムとか新自由主義経済とか言われていますが、要するに新帝国主義を言い換えただけに過ぎない。
植民地も搾取するばかりではなく、資本と技術を投資して、その国は一見経済発展したかのようになり、新興国ブームが起きた。大英帝国はインド人を使ってインド人を支配することで支配してきましたが、新興国もグローバル企業を受け入れることで、安い労働力と工場用地を提供することで利益を得る者が出て来て、支配階層と被支配階層に分かれた。
新自由主義経済は、弱肉強食の世界であり、それまでの社会主義的な政策は捨てられて露骨な資本主義が復活して、マルクスの「資本論」に出てきたような豊かな者はますます豊かになり貧しき者はますます貧しい生活を強いられる社会となった。中国や韓国のように通貨を安くすれば外資系大企業は潤いますが労働者は低賃金で働かされて搾取される。
グローバル経済の下では、世界で一番の経済大国が繁栄を独り占めする世界であり、新興国は経済は高度成長はしても利益はみんな大株主たちが持っていってしまう。しかしこのような構造はなかなか表には出てこないから気がつきませんが、帝国は新興国を安い通貨と安い労働賃金で働かせて利益を確保している。そして新興国が豊かになるにつれて市場となり帝国は市場と言う植民地を得ることが出来る。
戦前においては、日本帝国は武力で韓国や中国を支配しましたが、現代では経済力で植民地市場を支配しているように見える。中国や韓国の経済発展は外資の資本と技術による発展であり、決して自力によるものではない。そして輸出依存度の高さは何よりの証明だ。そして労働賃金を引き上げれば外資は因り易い国に工場を移していまうから、一気に失業大国になってしまう。
現代の世界においては、どの国が帝国であり、どの国が植民地であるかを見分けることは難しい。国家別に見るよりもグローバル企業別に見るべきであり、ソニーやキヤノンは日本企業ではなくグローバル企業だ。韓国のサムスンやLGなども同じであり資本構成を見れば隠れた資本帝国主義の姿が見えてくる。
資本から見れば超円高の日本は資本の輸出国であり、IMFに5兆円もの資金を出したり、ミヤンマーに6000億円ものODAを出したり、まさに日本は金満大国だ。過去にも中国には6兆円ものODAを出したり韓国には国家予算を上回るような資金援助をして経済発展を支えてきた。そのようにして市場を育てることで日本のグローバル企業は世界進出している。このようにしてみればまさに日本は資本帝国主義国家なのだ。いずれは中国やアメリカも日本の資本帝国主義の市場(植民地)になるだろう。