大飯原発再稼動へ 疑惑の「2.16秒」問題は放置か
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2012/4/10 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
どこが安全なのか
予想通り、野田内閣が大飯原発の“再稼働”にゴーサインを出した。
きのう(9日)再稼働を協議する4回目の閣僚会議を開いた野田内閣は、会議後、枝野経産相が会見し「大飯原発3、4号機の安全対策は、おおむね再稼働の判断基準に適合している」とお墨付きを与えた。何が何でも今週中に再稼働させるつもりだ。
しかし、安全と判断するなんてデタラメもいいところ。関西電力がきのう提出した安全対策の「工程表」を基に判断しているが、「工程表」は、計画だけで具体策が何もないからだ。
「工程表では『フィルター付きのベント設備を設置する』などと、対策が列挙されていますが、計画だけで工事が始まっていないものばかりです。ベント設備は15年度に設置予定、非常用発電機の設置時期も15年度の予定、15年度の完成を目指す“免震事務棟”は設置場所も決まっていない。津波対策の防波堤のかさ上げも13年度です。もし再稼働した後、年内に大地震が起きたら、ひとつも対策は完成していないから、福島原発の二の舞いです」(関係者)
しかも、大飯原発の最大の“欠陥”が見落とされている恐れがある。
地震が発生した時、真っ先に求められるのは、原子炉を停止させる「制御棒」が正常に挿入されることだ。制御棒が挿入されないと、核分裂の連鎖反応が起きてしまう。ところが、本当に制御棒が挿入されるのか、疑惑が持ち上がっているのだ。
これまで関西電力は、制御棒が挿入される時間を「2・16秒」としてきた。ところが、今年2月、突然「1・88秒」に短縮している。わずかな差に見えるが、活断層が連動した巨大地震が起きた場合、「2・16秒」では挿入できない可能性があり、「1・88秒」だと余裕をもって挿入できるという。決定的な差があるのだ。当然「2・16秒」では再稼働は認められない。本当に「1・88秒」で挿入できるのか、疑問の声が上がっているのだ。