集団辞任、30人超に=首相ら慰留へ−民主
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2012040200846
2012/04/02-21:39 時事通信
民主党内で、消費増税関連法案の閣議決定に抗議して党役職の辞表を提出した国会議員は2日、29人に達した。政務三役を含む辞表提出や、離党の動きは30人超に拡大。野田佳彦首相は同日夜、首相官邸で輿石東幹事長らと政府・民主三役会議を開き、辞表は受理せず、慰留に努めることで一致した。ただ、辞任の動きはさらに広がる可能性があり、混乱を収拾できるかは不透明だ。
消費増税法案をめぐっては、既に松崎哲久政調副会長らが前原誠司政調会長に辞表を提出。これとは別に、小沢一郎元幹事長に近い鈴木克昌幹事長代理が2日、自らを含む21人分の辞表を出した。辞任の意向を固めていた樋高剛総括副幹事長らが含まれているとみられる。また、木内孝胤衆院議員(東京9区)は同日、離党届を出した。木内氏は当選1回で、元代表に近い若手でつくる「北辰会」のメンバー。
藤村修官房長官は2日、黄川田徹総務副大臣、森裕子文部科学副大臣ら辞意を示した政務三役4人に個別に電話し慰留した。しかし、4人とも辞任の意向は変わらないことを伝えた。
輿石氏は記者会見で「(鈴木氏らの辞表は)受け取っていない。今後も職責を全うしてほしい」とし、政務三役4人についても続投を求める考えを示した。さらに「必要があれば小沢元代表とも会って話をしたい」と述べた。
一方、元代表周辺は「一緒に辞めさせてほしいと言う人がもう何人かいる」と述べ、辞任の動きが続くとの見方を示した。
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“小沢氏系”議員29人が辞表提出
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120402/t10014155671000.html
4月2日 20時39分 NHK
民主党の小沢元代表に近い鈴木幹事長代理は、記者団に対し、消費税率引き上げ法案に抗議して、みずからも含め、合わせて29人が党の役職の辞表を提出したことを明らかにしました。
これに対して輿石幹事長は、記者会見で、慰留に努める考えを示しました。
消費税率引き上げ法案を巡っては、閣議決定当日の先月30日、小沢氏に近い牧厚生労働副大臣ら政務三役の4人が辞表を提出するなど、政府や党の役職の辞表を提出する動きが出ているほか、木内孝胤衆議院議員が、2日、離党届を提出ました。
こうしたなかで鈴木幹事長代理は、2日、記者団に対し、「預かっていた辞表を、役員会のあと、輿石幹事長宛てに提出した。先に政策調査会に提出されているものもあるので、全部で合わせて29人になる。理由は、一身上の都合だ」と述べました。
一方、これに先立って輿石幹事長や前原政策調査会長らは、党の役職の辞表が提出されたことへの対応を協議し、辞表は受理せず、慰留することを確認しました。
輿石幹事長は、記者会見で「私は、鈴木氏らの辞表を受け取っていない。鈴木氏からは『消費税率の引き上げに反対する署名活動をしたので、責任を感じている』という話はあったが、私からは『過去のことであり、それはそれとして役職を続けてもらいたい』と伝えた」と述べ、慰留する考えを示しました。
また、輿石氏は、木内氏が離党届を提出したことについて「対応はまだしていない。ぜひ党に残ってもらいたい」と述べました。
このあと開かれた「政府・民主三役会議」でも、辞表を提出した政務三役や党役員の慰留に努める方針を確認しました。
会議のあと樽床幹事長代行は、記者団に対し、「これまで野田総理、輿石幹事長の体制をみんなで支えてきたから、これからもみんなで支えていきたい。できるだけ早く党内がまとまるよう努力したい」と述べました。
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小沢系が波状攻撃=執行部、対応に苦慮−民主
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012040200982
2012/04/02-20:28 時事通信
民主党内で、消費増税関連法案の国会提出に反発する議員が、執行部に波状攻撃をかけている。政務三役4人に続き、2日には鈴木克昌幹事長代理が、自身を含む29人が党役職の辞表を提出したことを明かした。木内孝胤衆院議員は離党届を提出。いずれも小沢一郎元代表に近い議員とみられる。執行部は慰留に努める方針だが、翻意させる見通しは立っていない。
鈴木氏は、元代表を支持する中堅・若手でつくる「一新会」の会長。2日の役員会で司会を務めた後、輿石東幹事長に辞表を出した。「元代表とは関係ない」としているが、額面通り受け止める向きは皆無だ。衆院議員会館の自室で鈴木氏の報告を受けた元代表は「それはご苦労さま」とねぎらった。
木内氏は記者団に「自分の信念を貫き通すには離党するしかない」と強調。「改革を先送りしても消費税増税というのは、既得権益を守る悪い増税だ」とも語り、野田佳彦首相が政治生命を懸ける消費増税を「悪」と断じた。
消費増税法案の衆院採決では、53人が反対に回ると民主党単独で可決できない。辞表、離党届を提出した議員は2日までで30人超。元代表を支持する政務三役で、まだ辞表を出していない議員は他にもいる。「慰留されて辞任の意思が覆ることはない」(元代表周辺)。元代表はじわじわと「否決ライン」をたぐり寄せ、執行部に圧力をかける考えとみられる。
輿石氏は2日の記者会見で、こうした動きについて「大きな問題になっているとは思わない」と強調。しかし、自民党の石原伸晃幹事長が消費増税法案に賛成する条件の一つに挙げた「小沢切り」に質問が及ぶと、「毛頭考えていない」と語気を強め、動揺もうかがわせた。
ただ、木内氏が離党に及んだのは元代表にとっても誤算だ。首相の党代表任期満了に伴う9月の代表選をにらむ元代表にとっては、基礎票が減ることに他ならない。東京9区選出の木内氏は、石原慎太郎都知事を党首とする新党構想を意識して行動しているとみられており、元代表の影響力の限界も露呈している。