野田首相・米倉経団連会長のおぞましい蜜月関係
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2012/3/13 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
「過去一番素晴らしい首相」のぶっ飛び発言
大震災から1年。各界がコメントを寄せていたが、経団連・米倉弘昌会長(住友化学会長・74)の発言にはブッたまげた国民も多いのではないか。野田ドジョウ首相について「過去数代にわたって一番素晴らしい首相」とベタ褒めしたのである。震災復興どころかガレキ処理すらままならない無能首相を持ち上げる財界トップの不気味。そこにはどんな怪しげな思惑があるのか。
国民をア然とさせた米倉会長のインタビューは、10日付の産経新聞に載った。「政府を叱る」というタイトルで、前首相の菅に対してはボロクソだったが、野田についてはどういうわけか、歯の浮くようなセリフを連発したのだ。
〈今から言っても仕方がないが、菅直人前首相の対応がまずかった。野田佳彦首相はあらゆることをよく理解し、国益や国民生活の観点からみている。過去数代にわたって一番素晴らしい首相だが、ほかの閣僚も同じかというと、そうではないのが残念だ〉
目をこすりたくなる発言ではないか。財界関係者は米倉氏の意図をこう話す。
「あくまでも前任者たちとの比較でしょう。米倉会長は、普天間で迷走した鳩山さんと原発事故で場当たり的な対応をした菅さんに、かなり腹を立てていました。自民党政権の安倍、福田、麻生の3首相も短命で、何の実績も上げられずに終わった。その一方で、野田さんはTPPや消費税増税という大きな政策に真剣に取り組もうとしている。そこを評価しているのです」
しかし、ここが怪しげなのである。米倉氏は原発事故直後から「東電は被災者だ」と福島県民の感情を逆なでするような発言をした。完全に東電擁護派で、だから、東電に怒鳴り込み、脱原発に傾倒した菅のことは毛嫌いしたのだ。それに対し、財界が主張する法人税減税や消費税アップ、TPP推進に“政治生命”をかけてくれる野田は“素晴らしい首相”というわけだろう。
世論は消費増税に5割以上が反対している。昨日(12日)開かれた反TPPシンポジウムには1300人もが参加した。それなのに“国民生活の観点”で野田を評価する米倉氏は我田引水と言うしかない。
「米倉氏のTPP推進は自社の利益とも絡みます。TPPによって、遺伝子組み換えビジネスで世界最大シェアの米モンサント社が潤い、そのモンサント社と提携している米倉氏の住友化学も儲かるという構図があるのです」(霞が関関係者)
経済ジャーナリストの有森隆氏がこう言う。
「かつて財界総理の発言は凄みがあり、政界に対し『本当にそれでいいのか』と疑問を呈するチェック機能を果たしていた。いまは、政界も財界もリーダーはスカスカ。霞が関も一体となって、政益、官益、財益優先なのです」
野田・米倉のコンビに国の行く先を任せていいのか。今度のインタビューで国民はハッキリ、その答えを知ったはずだ。
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【政府を叱る】経団連の米倉弘昌会長「復興特区で東北に新事業を」
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120309/biz12030920510035-n1.htm
2012.3.9 20:50
−−震災復興の現状は
「がれき処理など本格的な復興に備えた準備作業が進んでいない。復興庁ができたのだから、国と地方自治体の壁や、省庁間の垣根を越えて総合的な観点で復興を進めてほしい」
−−行政の対応が遅れているということか
「非常に遅れていたのは事実だ。今から言っても仕方がないが、菅直人前首相の対応がまずかった。野田佳彦首相はあらゆることをよく理解し、国益や国民生活の観点からみている。過去数代にわたって一番素晴らしい首相だが、ほかの閣僚も同じかというと、そうではないのが残念だ」
−−救援物資やサプライチェーン(部品供給網)の復旧など企業の対応は早かった
「経済活動が破壊されたとき、企業は従業員や株主のために復興に向けた意欲を出す。国には官僚がおり、政治家がいるが、何がドライビングフォース(原動力)になっているかわからない。まず被災地のためにどうあるべきなのかということを考えるべきだ」
−−電力問題をどうみる
「今まで電力供給の基本的役割を果たしていたのが原子力だ。いったん動かしたら供給量が変動することはなく、火力、水力、風力など他電源との組み合わせができた。発送電分離(が必要)とか言うが、送電線が握られているから独占だというわけではない。政府が何をしようとしているのかさっぱりわからない」
−−原発の再稼働は
「短期的なエネルギー安定供給の観点から避けては通れない。前政権時、ずいぶん原発に対する国民感情を反対の方向にリードした形跡がある。定期点検が終わってストレステスト(耐性検査)も合格し、安全が確保された原発は再稼働へ向け政府自ら住民の説得に当たらないといけない」
−−復興2年目の経済界の役割は
「事業を東北地方に持っていきたい。そのため政府に復興特区を設けてくれと要請したが、法人税軽減でも複雑な条件があり、まだ規制緩和が足りない。もっとインセンティブを与え、東北に新しい事業を興さなければ日本の復興はあり得ない。公的な資金は復興のためのインフラ整備に使い、他方で企業意欲をかき立てることによって事業を興す。そうすれば雇用がどんどん生まれてくる」
(マニラ 早坂礼子)