[小沢裁判] 指定弁護士トンデモ論告も白旗揚げた検察審査会のデタラメ
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2012/3/10 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
無理スジ事件でも引き返せない
小沢裁判の論告求刑では、検察審査会の“欠陥”が、あらためて浮き彫りになった。そもそも、小沢事件をめぐる検察審は、メンバーの年齢も議決も当初から疑惑まみれだったが、検察官役の指定弁護士もまるでその存在意義を否定したのだ。
小沢弁護団は、虚偽の捜査報告書などを判断材料にした検察審の強制起訴議決そのものが無効だとして、公訴棄却を主張している。これに対し、9日、指定弁護士が行った論証が噴飯モノだった。耳を疑うような屁理屈の連発なのである。
「捜査関係者や裁判関係者でも証拠の信用性に関する判断を誤ることはある。いわんや、捜査の専門家でもない一般市民である検察審査員が判断を誤ることは想定内」
「裁判所が証拠を総合評価し、判決で無罪を言い渡せば足りる」
「仮に、検察官に審査員の判断を誤らせる意図があったとしても、審査手続きの違法とは次元が異なり、議決の効力に影響を及ぼすことはない」――。
コイツら本当に法律家なのか? 検察が“意図的”にシロウト集団を起訴議決に誘導することを認めている。そのためにウソの説明をしようが、虚偽の捜査資料を出そうが、裁判でシロクロつければナーンも問題ないというのだ。あまりに乱暴な論理である。これでは、「検察が起訴できないなら検察審でやっちまえ」という司法の暴走を許してしまう。恐ろしいことだ。一般人にとっても他人事ではない。
さらに、指定弁護士は「そもそも検察審査会法には、議決が無効となる場合の定めがないから、審査員が判断を誤っても、議決が錯誤によるものであっても無効となることはない」と言ってのけた。こうなると、完全な開き直りである。
裁判を傍聴したジャーナリストの江川紹子氏が言う。
「指定弁護士の論告を聞いて、破れかぶれになっているようにも感じました。マトモな論告ができないのは、指定弁護士が無能というより、最初から無理な事件だったということ。本来なら途中で引き返すべきなのに、検察審査会法には議決無効の定めがない。途中でやめる手立てがないのです。小沢さんの裁判では、制度の欠陥が次々と明らかになった。法の不備は見過ごせません。虚偽の報告書が提出されるといった想定外のことが起きた時のために、少なくとも指定弁護士が公訴を取り下げたり、論告を放棄する権限や手続きについて法に明記しておくべきでしょう」
誰もが「この裁判は無意味だ」と感じながら、途中でやめることもできず、小沢もこの国もムダな時間を浪費してきた。こういう不条理を正すのが国会議員の仕事じゃないのか。増税法案なんかより、検察審査会法の見直しが先決だろう。一刻も早く手をつけるべきだ。