小沢元代表9日に論告求刑 間接証拠重ね立証へ
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120308/trl12030821420005-n1.htm
2012.3.8 21:40 産経新聞
資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件で、政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第15回公判が9日、東京地裁(大善文男裁判長)で開かれ、検察官役の指定弁護士による論告求刑が行われる。地裁は小沢被告への「報告・了承」を認めた元秘書らの供述調書の大部分を却下。指定弁護士側は有罪を求刑する方針だが、共謀を裏付ける直接証拠がほぼ失われた中で、間接証拠を積みあげ、どのような構図を描くのか注目される。
「分かった、分かった。きっちりやっておいてくれ」「ああ、そうか。分かった」。昨年10月の初公判。指定弁護士側は冒頭陳述で、元秘書らの捜査段階の供述調書を多数引用し、小沢被告が元秘書から虚偽記載の「報告を受け、了承した」とされる場面を詳細に“再現”した。
しかし、地裁は第14回公判で、元秘書、石川知裕衆院議員(38)=1審有罪、控訴中=への取り調べを「虚偽供述に導く危険性の高い違法・不当な方法があった」と認定。「報告・了承」を認めた内容を含め、多数の調書を証拠採用しないことを決めた。池田光智元私設秘書(34)=同=の「報告・了承」調書も一部のみを採用。却下された調書は論告で引用することはできなくなった。
公判では、石川議員の再聴取についての捜査報告書に、実際にはないやり取りが記載されていたことも判明。東京地検が、報告書を作成した田代政弘検事(45)について、虚偽有印公文書作成容疑などでの立件の可否を検討する事態に発展している。
ただ、指定弁護士側は「調書が採用されないのは想定内。証拠は十分にそろっている」と立証に自信をみせる。論告の柱に据えるのは間接証拠だ。
指定弁護士側は、小沢被告が土地購入に際し、銀行の融資書類に自ら署名した事実や、土地原資の4億円を用立てながら、元秘書からの報告について「記憶にない」と繰り返した法廷での説明の不合理さなどを強調し、小沢被告の関与を印象づける構えだ。
弁護側は「報告は受けていない」として、無罪を主張。「虚偽の捜査報告書に基づく起訴議決は無効」と公訴棄却も求めている。弁護側の最終弁論は19日に行われ、判決は4月26日で調整されている。