以下は本日(1月10日付)の朝日新聞朝刊一面トップからの転載です…
転載開始〜
原発投票「5万人署名」、大阪必要数越す
大阪と東京で原発の是非を問う住民投票を目指す市民グループ「みんなで決めよう原発国民投票」は9日、投票条例制定を大阪市に直接請求するために市民から集めた署名が地方自治法で定められた必要数(有権者の50分の1)を超えたと発表した。
16日に署名簿を大阪市選管に提出する予定で、市選管の審査でも必要数が認められれば橋下市長に条例制定を請求する。投票の実現には市議会で過半数による可決が必要で、議会の対応がカギとなる。原発の立地。誘致自治体以外で住民投票が実現すれば全国で初めてで、消費者の意思を電力会社や自治体に明示する機会となる。
署名集めは昨年12月10日にスタートし大阪は9日が期限だった。発表によると、9日時点で集計できた署名は必要数の4万2673人分を超え、5万人に達したという。最終的に約5万3500人分になる見込み。署名簿が提出されると、市選管は、名前・住所・押印があるかなどを審査する。審査は厳格だが、グループの事務局長でジャーナリストの今井一さん(57)は、「署名の有効性は厳しくチェックしている。仮に2割無効とされても大丈夫な数字だから請求までいけるはず」と話している。グループは関西電力と東京電力の大株主である大阪市と東京都で原発稼動の是非を問おうと活動してきた。原発の是非は国や電力会社でなく電力を使う市民が自ら決めるべきだと訴えている。
東京の署名集めは2カ月間のため期限は2月9日。グループは残り1カ月となった9日、前日までに7万8240人分の署名が集まったと発表した。必要な署名は21万4236人分。
<署名集め後の住民投票までの流れ>
選管が署名を審査(20日以内)
署名簿の縦覧(7日以内)
↓
(有効署名が50分の1に足りなければ…×)
↓
首長(知事や市長)に住民投票条例の制定を請求
↓
首長が議会を招集(20日以内)
↓
首長が議会に付議
↓
(過半数が賛成)
↓
住民投票実施
(転載終了)
以下、投稿者短評…
画期的な出来事だと思います。閉塞した情況を変革するためには、政治哲学者のアントニオ・ネグリは、「民主主義の領域において、様々なコントロール(管理や統治)に多数の人々が直接参加する、新しい民主主義」の力が必要だと語っています。今回の運動は、既成政党による代議制議会主義政治が国民大衆を裏切って、機能不全に陥っている現状に風穴をあける快挙だと思います。会社四季報を見ますと、関西電力の筆頭株主は大阪市で保有株・8374万株(8.9%)、東京都の場合、第3位の大株主で保有株・4267万株(2.6%)です。大阪市の橋下市長は、発送電分離を主張し、脱原発色に近い考え方を表明していました。大阪市で住民投票によって、脱原発の住民意思が確認されたら、国全体で一気に脱原発の流れが加速するに違いないと思います。今後の大阪の運動に日本はもちろん、世界の注目が集まることを期待します。