○ 民主党は時計の針を巻き戻せ!
2011年12月19日 :(言わずもがな)
資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件(以下、陸山会問題)の第10回公判で、前田恒彦元検事(証拠改竄事件で有罪確定)が出廷して証言した。
その要旨は、(MNS産経ニュースより)
@木村主任検事から「この件は特捜部と小沢の全面戦争だ。小沢を挙げられなければ、
(特捜部は)負けだ」と言われた。
A裏献金で小沢先生を立件しようと積極的なのは、東京地検特捜部特捜部長や木村主任
検事など一部で、現場は厭戦ムードであった。東京高検検事長も立件に消極的と
聞いていた。
B陸山会事件の捜査に参加して後、「当時の東京地検、特捜部の捜査には確かに
問題があった」と再三述べ、何が問題かと問われると「いろいろあります。
筋が違うし、捜査の進め方もある」と語った。
C4億円が企業からの献金と『妄想』する人もいたが、正直ついて行けなかったし、
ついて行かなかった。(捜査が)変な方向に行っているなと思った。
Dこの事件では捜査態勢が、途中でものすごく拡充された。元秘書ら逮捕者の取り調べを
行う『身柄班』に対して、『業者班』。ゼネコンや下請けの捜査員を増やした。
E「水谷(建設)で言えば、4億円の原資として、5千万円は水谷かもね、となっても、
残りの3億5千万円については分からない。何十人の検察官が調べて、出てこない。
F私が裁判官なら、小沢さんは『無罪』と判決を書く。
である。
私は、この詳報を読んで戦慄を覚えた。
なぜなら、巷間で言われてきた「西松事件」、「陸山会事件」なるものは政治謀略であったという事実が、当時の特捜検察官により白日のもとに晒されたからである。文字通り、虚構・虚偽により、物語がつくられ「罪人」を生み出すべく謀られていたのである。
いわゆる「小沢問題」は、昭和9年に起こった疑獄事件の「帝人事件」と列して語られてきた。この帝人事件は、石田和外という左陪席判事が判決を起案し、一連の事件が事実無根であることを暴き出して、全員無罪となった。
しかし、立件に伴う政治責任を問われ、胆沢郡水沢(現奥州市水沢区)出身の齋藤實首相は総辞職を余儀なくされた。この後を引きついた岡田啓介内閣は2・26事件に遭遇し、我が国は先の大戦へとひた走るのである。歴史に「もし」は禁物だが、この帝人事件が無かりせばと、私はいつも考える。齋藤内閣は、経済恐慌に苦しむ農村の救済に業績を上げ、軍部との決定的対立は避けつつも、避戦の立場を守ろうとした。故に仕組まれたのが「帝人事件」であったと聞く。
民主党国会議員は前田証言を精査し、時計の針を平成21年3月3日まで戻す努力を直ちに始めるべきではないか。それは、暮れも正月もない。東北の、そして福島で災害に苦しむ人たちには、この寒風の中で命を張っているのである。TPP、消費税はその後でも十分に間に合う。政治課題の順番がまったく違う。
帝人事件までも時計の針を戻すのは夢幻だが、平成21年3月3日まで戻すことは可能ではないだろうか。無論のこと、前田証言は玉石混淆で、すべてが正しいか否か、それを検証せねばならない。これこそが、憲法が規定する「国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である」とする権能を活かす、国会議員の仕事である。
小沢さんは、この裁判の冒頭陳述に「本件で特に許せないのは主権者たる国民から何も負託されていない検察、法務官僚が土足で議会制民主主義を踏みにじり、それを破壊し、公然と国民の主権を冒涜侵害したこと」と述べているが、前田証言はこの主張を担保したのである。
続けて、「国家権力の乱用を止め、政党政治への国民の信頼を取り戻し、真の民主主義、議会制民主主義を確立する以外にはありません。まだ間に合う。私はそう信じます」と結んでいる。
私は、大久保元秘書逮捕のすぐ後に、「このまま推移すれば、小沢さんの政治責任は免れず、稀代の政治家・小沢一郎を失うことで損なわれる国民の損失は誰にも償うことはできないと、The JOURNALに投稿したことがあるが、この足かけ3年目の間に失われた経済・外交・防衛に関する逸失利益は如何ほどになるのだろうか。
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