http://www.chosunonline.com/news/20110621000017
: 2011/06/21 09:01:19
北朝鮮、「平壌10万戸建設事業」を大幅縮小
北朝鮮が2009年から野心的に進めてきた「平壌市10万世帯住宅建設運動」が、資金や建設資材不足のため、およそ2万世帯規模へと大幅に縮小されたことが20日までに分かった。
北朝鮮が自ら「2012年強盛大国建設の柱となる事業」と宣伝してきたこの運動に、深刻な問題が発生しているという。
韓国政府の消息筋によると、北朝鮮は当初、平壌市内の竜城・西浦・力浦地区で昨年末までに3万5000世帯、万景台地区で今年末までに3万世帯、来年4月までに3万5000世帯の計10万世帯分を建設する計画だった。
ところが昨年末の時点で完成したのは、集合住宅9棟(500世帯)だけだった。計画完了まで残り10カ月という状況で、進ちょく率は0.5%。数十億ドル(数千億円)にもなる工事費の調達に失敗したのが原因だという。これにより北朝鮮は目標を引き下げ、万景台地区はあきらめ、竜城・西浦・力浦地区に限って2万から2万5000世帯を建てることにした、と消息筋は伝えた。
10万世帯住宅建設運動は、強盛大国建設の中核事業であると共に、金正日(キム・ジョンイル)総書記の後継者とされる三男・正恩(ジョンウン)氏の業績づくりのために企画された。正恩氏のおじに当たる張成沢(チャン・ソンテク)労働党行政部長の主導で、09年9月から推進された。対北消息筋は「北朝鮮経済の状況から見ると、大規模な外資の誘致なしにはそもそも実現不可能な事業だった。建設の責任者らに対する過酷な問責が予想される」と語った。
こうした状況にもかかわらず、北朝鮮は今年1月から4月にかけて、故・金日成(キム・イルソン)主席の遺体が安置されている錦繍山記念宮殿に通じる道の舗装や景観工事を行い、先月からは高さ23メートルの金日成像の保守作業を行っている。また、体制宣伝の観点から、この銅像が見下ろしている万寿台交差点やチャンジョン交差点一帯を新たに「万寿台地区」に指定、特権階層のための超高層マンション(77階建て)新築計画を立てたという。
李竜洙(イ・ヨンス)記者