04. 2011年6月10日 13:38:19: pNBzGFnHZA
■大きな政府、小さな政府、シンプルな政府。
一般的に、政府の大きい小さいは “予算規模”で区別される。
けれど、ブログ界隈で議論される政府の大きい小さいの場合は必ずしも予算規模の話ではなく、
政府を構成する組織・人員の大きさが焦点になっている場合が多い。
「小さな政府」を主張すると、(予算規模の話だととられて)
「福祉の切り捨てだ」「弱者の切り捨てだ」「所得の再配分ができない、格差を増大させる」と言われたりするけれど、
所得の再分配・福祉と(規模の意味で)小さな政府は両立可能だと思う。
ただ、それは小さな政府というより「シンプルな政府」なんだと思うけれど。
たとえば、ベーシックインカムや負の所得税を導入して年金・保険・育児教育補助を根本的に整理しなおして
厚生労働省の役割を1/5以下に縮小したら、それは予算的には「大きい政府」だけど、
機能的には「小さな政府」であり、よって「シンプルな政府」だ。
予算も機能も福祉もない“夜警国家”へ立ち返るのはやりすぎだと思うけれど、
18世紀から積み上げた経済学的知見や計算機科学を活用すれば、
規模を大きくせずに機能のみを伸ばした政府を実現するのも不可能ではないと思う。
複雑な政府では、みんなの目が届かないところでルールが悪用されたり、理不尽な運用がなされたりすることが多い。
一方、シンプルな政府はシンプルであるがゆえに悪が露見しやすい。
シンプルな政府は公正な政府により近い。
シンプルであるがゆえに行き届かない部分は、“時限的な”例外を設けて対処すればよい。
◇
政府機能は所詮必要悪だ。税金なんか払わずに済むのならばそうしたい。
しかし、それでは公共的な財やサービスの供給がなされず、長期的にみれば多くの可能性をコロしてしまう。
だから、社会的ゆるやかな合意のもと、みんなの信頼の上に政府という機構を構築している。
しかしそこで、複雑で規模が大きいがゆえ政府のX非効率、機能不備、汚職が増大すれば、
政府への信頼が揺らぎ、公共の仕組みとしての政府が支持されず、結局は破綻してしまう。
だから、いつの時代もヒトは本能的な嗅覚として政府の汚職と無能を嫌悪し、公正な政府を求めている。
http://www.be-styles.jp/archives/3213
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