「6・5 菅辞めろ! デモ」第2回 実施報告
今回はさいわい雨にたたられることはなく、多くの公衆に訴えることができる新宿で、西口高層ビル街を通り抜け、JR新宿駅南口が面する甲州街道〜明治通りを経過して靖国通りを辿り出発点に回帰するコースにて実施しました。
このたびの参加も約30名、前回と同じ方もいれば、はじめての参加者もおられました。
シュプレヒコール案を開催直前に公表しましたが、「あまりいろいろなことを並べると、見ている人にかえってわかりにくいから『菅辞めろ』だけでいいのではないか」とのご意見を、公園での準備中に参加者からいただき、それもそうかもしれないと、実施においては、ほとんどひたすら「菅辞めろ」コールを連呼しっぱなしにしました。併せていいたいことはもちろん、山とあるわけですが、目撃する人にとって、何のデモなのか明確なようにと考え、「菅直人辞めろ」の一点にほぼ特化しました。
日曜の新宿なので、おおぜいの通行者にアピールを行いましたが、先頭にいた私の実感だけでいいますと、観衆の反応は、前回よりもむしろ醒めた感じだったように思います。大きな応援をいただいたというわけでなく、かといって反感を示されたというわけでもない、やや当惑した様子がうかがわれたと受けとめています。「菅直人、すぐ辞めるんじゃないの?」という声が聞こえてくるような。
とはいえ、これは多少は予期してもいました。不信任決議の否決にいたるまでの経緯を観察していた多くの国民は今、つくづく、政治に期待するということを、むなしく、ばかばかしく感じてもいれば、どうせ他の誰がやったって変わりはしないという諦念を抱いてもいるものと思います。
またメディアによりすでに、菅直人早期退陣との予測が流布しており、われわれの「菅辞めろ」の呼号が、言わでものことをわざわざ言っているという印象をもって、受け止められたのかもしれません。
とはいえ、参加者の中には、「手を振って応援してくれた人もいた」とおっしゃる方もいるので、以上はあくまで私見なのですが。
いずれにせよ主催者としては今回、「たとえ馬鹿と思われてもやるべきだ」との考えで実施にのぞみました。
1時間弱のコースを、このたびも力強く、かつ粛々と、無事に終了できたこと、参加者の皆様の至心からの熱意と、秩序を保ったふるまいに、あらためての感謝を申し上げます。ありがとうございました。
今回のデモは、順当に見れば辞任に追い込まれること確実の菅直人を、さらに駄目押しで退陣に押しやることを主眼とし行いました。
デモ実施に先立ち趣意を申し上げた通り、菅直人という人物は、「ふつうの無能な政治家」ではない、と認識しています。保身とポスト獲得にかけての執念はけたはずれであり、自分が総理の座にありつづけるためには、どれだけの人にどんな迷惑がかかっても構わない、という究極の自己偏愛型の人間と、私はみなしています。
この報告を記している現在までにも、菅直人は、みずからの口からは一言も、「いつ辞める」という時期を明言していません。8月までとか秋までというのは、取り巻き閣僚の代言や、マスコミの解釈でしかない。最後まで絶対にあきらめない不屈の粘り強さを、ひたすら自分のためだけに、もっとも困った形で発揮する異様な人物であると私は見ています。本当に辞めるまで、油断すべきでないのです。
私の望みは、このように申しては怒られるかもしれませんが、このようなデモが結局は必要ではなかったというように、菅直人が首相の位置から、すみやかにこの6月に引継ぎを終え、実際に降板することです。せめて、自分のため「だけ」に生きているのではない誰かに代わってもらわなければ、日本はとりかえしのつかないことになるとの、切実な危機感を抱いています。
私個人としては今は、できれば、国民の被ばく防護や東北の除染など、緊急の課題に関して、微力をふりむけたいと願っています。脱原発社会へ向けての推進にも、携わりつづけるつもりです。
ですがまず、菅直人という人命軽視、ポスト維持最優先の人間が首相の位置にあるうちは、国民側のどんな働きかけも、充分な効力を発揮しえないと考えています。
文科省設定の、汚染地域の公衆被ばく上限の「年20ミリシーベルト」はいまだ撤回されておらず、「努力目標年1mSv」を対置して、茶を濁しただけであることを念頭に置く必要があるでしょう。努力目標を達成できなくても、誰も責任をとる必要はありません。政府本体が、「被ばく被害を過小に評価する」という態度を改めないかぎり、省庁の対応は後手に回り続けるでしょう。
6日、西岡参院議長が、内閣不信任を否決にみちびいた鳩山―菅の合意「覚え書き」に嚇怒を発し、記者会見にて所感文を発表しており、以下の記述を見ます。
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私が、参議院議長の立場で、菅首相に即時辞任を求め続けていることに、正直なところ、多くの匿名電話や手紙や葉書と、僅かの記名の抗議がきています。その趣旨は、「首相を取り替えている間に対策が遅れるではないか、与党のみならず野党も一緒になって震災対策、原発事故対策に取り組め。」というご意見です。
しかし、菅首相の指導力のなさ、構想会議に丸投げする無責任、場当たり、思いつき政治、原発事故後の避難地域20キロから30キロ指定や農作物出荷停止の際に見せた、国の責任逃れを前提とした卑怯(ひきょう)な行政手法等々をご覧になって、国民の皆さんも呆(あき)れておられたことでしょう。
総理大臣の権限は、実は、国民の皆さんが想像される以上に大きいのです。
菅首相の存在が、震災対策を遅らせ、原発事故収束に目処(めど)がつかない原因なのです。
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私は国民として、この見解に同意します。総理大臣には、ほとんどどんなことでもできるというほどの、きわめて大きな権限が付与されています。その権限を用い、菅直人がやってきたことは、何だったでしょうか。
さて、「菅辞めろ!」デモの継続ですが、現在、続けるべきかどうか、情勢を観察中です。
すでにデモ翌日早々、永田町では、前倒しの菅降ろしの動きが活発化しているもようです。その推移いかんによっては、3度目の実施は不要ということになるかと思います。また、日本のために、それが最善のことと存じます。
また、この週末は11日に、6.11 脱原発100万人アクションが催される予定ですが、これに合わせ、政情のいかんにかかわらず、11日(土)、12日(日)は、当実行委員会によるデモは実施いたしません。当会からはそれぞれが、一参加者として、脱原発の街頭行動に加わることでしょう。
6・5「一日も早く、菅辞めろ!」デモにご参加、ご協力の皆様、重ねまして、ありがとうございました。たいへんお疲れさまでした。声援くださり、賛同を示してくださった皆様にも、御礼申し上げます。ありがとうございました。
継続のさいにはなにとぞ、よろしくご協賛をお願いいたしたく存じます。また、そのようにはならないことを、今このとき心から望んでいる、と申し添えさせていただきます。
「国民の生命が第一! デモ」実行責任者 小吹 伸一
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