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1号機の核燃料、完全露出し溶融 圧力容器の底で冷却か
2011年5月12日 12時36分
福島第1原発の状況について説明する、東京電力の松本純一・原子力立地本部長代理=12日午前、東京・内幸町の本店
東京電力は12日、福島第1原発1号機で、調整をした水位計で原子炉圧力容器内の水位を測定したところ、水位は通常時の燃料上端から5メートル以下で、長さ4メートルの燃料が完全に露出して溶け落ち、圧力容器底の水で冷やされているとみられると発表した。
調整前の測定では、約1・5〜1・7メートルが露出している状態とされていたため、想定外の低水位。ただ圧力容器の表面温度は、上部から下部まで100〜120度と比較的低く、東電は「(燃料の)冷却はできている」と強調している。
東電は燃料を冷やすために圧力容器内に毎時6〜8トンの注水を続けていたが、対策が的確でなかったおそれがある。1号機は新たな冷却システムの設置を準備しているが、いまだに圧力容器内の状態を把握しきれていないことで、今後の計画にも影響しそうだ。
東電はこれまで、炉心の損傷割合は55%と推定していた。
東電は原子炉建屋内に作業員を入れ、大まかに水位変化が分かる程度だった水位計を調整した上で測定し直した。その結果、通常時の燃料上端から5メートル下の測定下限まで水があることが確認できなかった。水位計に異常は見つかっていない。
東電は、1号機の原子炉格納容器を水で満たし、燃料の入った圧力容器ごと冷やす「冠水」に向けた作業を続けているが、格納容器の水位も不明という。
一方、東電は、温度が高い3号機の圧力容器に確実に水を入れるため、これまでの注水経路を切り替える作業を継続。新たな経路に水漏れがないか、確認を進める。