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身内の乱首相窮地 小佐古内閣参与が辞任
2011年4月30日 06時58分
参与を辞任する意向を伝え、記者会見で涙ぐむ小佐古敏荘・内閣官房参与=29日夕、衆院第1議員会館で
菅直人首相に新たな痛手が二十九日、加わった。自身が内閣官房参与として起用した小佐古敏荘・東大大学院教授が首相の原発事故対応を批判して辞任。休日を返上しての衆院予算委員会での答弁でも、首相は野党の追及に対し、反省の言葉をしきりに口にするなど、力がなく、首相の苦しい立場を示した。 (城島建治)
小佐古氏の辞任は首相への抗議の意味が強く、これによって、首相のメンツは大きく傷ついたほか、ただでさえ批判が強い首相の原発対応は信頼をさらに失うことになった。
小佐古氏は放射線の専門家。専門家が政府内で見ていた結果として、放射性物質の拡散予測のデータ公表の遅れなど、政府の対応はおかしいと認定したことになり、首相への打撃は極めて大きいといえる。小佐古氏は記者会見で「何を提言しても無意味だ」と首相をなじった。
一方、衆院予算委員会でも首相は一連の対応などで厳しく批判された。首相を支えるはずの渡部恒三・民主党最高顧問は、首相が自民党の谷垣禎一総裁に電話で入閣要請したことに対し、「政治経験が浅い。手をついて頼めば、谷垣氏も断らなかった」と苦言。
首相は「謙虚さに欠けるとみられがちで、おわびする」と非を認めるしかなかった。
自民党の石破茂政調会長が首相の唐突な大連立模索を批判すると、首相は「思慮に欠けるものだったと反省している」と頭を下げた。
被災地で首相への不満が高まっているとの指摘に対しても「被災者に心が見えないと指摘される。首相という立場の大きさに対し、十分な形で気持ちを伝えることができていない」と首相としての苦悩を口にした。
与野党内で高まる退陣論に対し、首相は「神経質になっている」(政府関係者)という。この日の腰の低い答弁ぶりは与野党をいたずらに刺激したくないとの判断だが、震災復興、原発事故にどう対応するのか首相の思いきった考えや流動的な政局にどう対応するのかはまったく見えなかった。
(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011043090065846.html
http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/283.html#c357