◇党内対立、公約破り…怒り爆発
http://mainichi.jp/chubu/seikei/news/20110218ddq041010009000c.html
6日のトリプル投票大敗を受けて、民主王国・愛知の足元が大きくぐらつき始めた。来月以降続く県議選などの候補者からは「民主の看板では戦えない」と、河村たかし名古屋市長率いる「減税日本」や大村秀章県知事の「日本一愛知の会」にくら替えする動きが活発化。17日には東海地区の比例選出4議員が衆院新会派結成の動きに加わるなど党内対立の表舞台に上がっており、体制立て直しのきっかけをつかめない状態だ。
【宮島寛、丸林康樹、山盛均】
「知事選の結果を見て、民意は大村氏にあると確信した」。16日、民主系と見られていた愛知県蒲郡市議3人が会見し、愛知の会蒲郡支部の設立を発表した。4月の蒲郡市議選に向け、愛知の会の公認や推薦の取得を目指す。
愛知の会は党派や現職、新人を問わず大村知事の理念に賛同する同志を募り、半田市や岡崎市にも支部を設立。県議選春日井市選挙区では民主党現職市議が愛知の会から立候補する意向を示した。17日には民主党愛知県議の安藤雅彦氏(43)=名古屋市東区=が4月の県議選に減税日本から立候補すると表明。トリプル投票以降、雪崩をうつように河村・大村新党へのくら替えが続いている。
県連は造反行為に除籍などの厳格処分で臨んでいるが、有効な抑止策とはなっていない。若手県議は「菅政権のマニフェスト破りに小沢一郎元代表を巡る党内対立。先のトリプル投票で、民主党への厳しい視線を肌で感じてきただけに、見限る気持ちも正直分かる」と自嘲(じちょう)気味に語った。民主県議団は当初、新人を大量擁立し県政第1党への躍進を目指していたが、河村・大村新党の登場で「現有議席をどれだけ守れるか」(ベテラン)が目下の関心事。
17日に衆院民主党会派からの離脱届を提出した小沢元代表系とされる16人の中には、三輪信昭氏など愛知県連所属議員のほか、支援組織などでつながりのある岐阜県連所属の笠原多見子議員らも含まれる。民主岐阜県連の渡辺嘉山幹事長は同日、「比例での当選は民主党ということでの当選。地元に何の説明もなく、突然の行動はいかがなものか」と困惑の表情を浮かべた。
「党内ががたがたしていては、統一地方選に影響を与える」(大西健介衆院議員)と16人を突き放す声がある一方で、愛知県連代表を務める牧義夫衆院議員が「気持ちの上では16人に限りなく近い。怒りが限界に近いところまで来ている」と嘆くほど混迷が深まっている。
◇三重知事選、候補選び難航
愛知と同様に「民主王国」と呼ばれる三重県でも党の支持率低下が影を落とし、4月10日の知事選まで2カ月を切った今も候補者が決まらない異常事態に陥っている。
昨年12月26日の知事選候補者選考委員会後、党県連代表の芝博一参院議員は「他党との相乗りはしない」と断言した。あくまで民主単独での候補擁立を目指す姿勢を強調した。連合三重や県議会の民主・連合系会派「新政みえ」の幹部からは「後に他党が推薦するのを禁止することまでは了承していない」との反発もあった。幅広い候補者の中から人選を進めようとの配慮からだった。しかし、愛知のトリプル投票で民主候補が惨敗すると、状況は一変。「知名度のある人でないと勝てない」との空気が強まり、候補は現職参院議員や津市長に絞り込まれたが、いずれも固辞し続けている。【田中功一】
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