2011年を予兆する あるいは再考のため フォーリンアフェアーズ2010年度論文から次の2論文に注目してみた ズビグニュー・ブレジンスキー サイバーテロの脅威
ここ数年 毎年1年の締めくくりにフォーリナフェアーズの論文目次にざっと目を通すことが習慣になっている。
フォーリンアフェアーズリポートの2010年と2009年の目次にざっと目を通してみると 2010年はインターネット 2009年の金融・グローバリズムによる覇権→崩壊から 2010年サイバー戦略へと視線がシフトしているように感じられる ウィキリークスの情報リーク問題や尖閣諸島のビデオ流出問題 中国におけるGoogleの撤退問題 ペンタゴンの新サイバー戦略などは その前兆としてあげられるのかもしれない。
2011年を予兆する あるいは再考のため フォーリンアフェアーズ2010年度論文から次の2論文に注目してみた。
ズビグニュー・ブレジンスキー ブレジンスキーが読み解く
三つの地政学アジェンダと今後の大国間関係
――オバマ外交の真価が問われるのはこれからだ
From Hope to Audacity
Zbigniew Brezezinski ズビグニュー・ブレジンスキー/元米国家安全保障問題担当大統領補佐官
http://www.foreignaffairsj.co.jp/archive/yoshi/2010_02.htm#6
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ブレジンスキーが「早急な対応を要する地政学アジェンダ」として具体的に特定しているのは、中東和平プロセスの再開と決着、イラン問題、アフガン・パキスタン問題。そして、重要な大国間関係として描いているのは、ロシア、中国、ヨーロッパとの関係だ。注目すべきは、「中国を経済パートナーとしてだけでなく、地政学的なパートナーとして扱う」ことをオバマ政権がすでに決めていると指摘していること、さらに、ブレジンスキー自身、「米中首脳レベルでのサミットを「地政学的な米中G2」として育んでいくべきだと提言していることだ。冷戦に敗れた事実を認め、帝国の過去へのノスタルジアをモスクワが捨て去ることが、旧ソビエト地域の安定と民主化につながると提言するブレジンスキーは、「ヨーロッパ」についても、「世界でどのような役割を果たすかについての内的なコンセンサスを持たない相手と、グローバル規模での純然たる戦略的協調を形成していくのは難しい」と厳しい判断を下している。
(リンク先がWEBニュースのため文面を再UPしておきます)
ズビグニュー・ブレジンスキー 元米国家安全保障問題担当大統領補佐官
■イスラエル・パレスチナ交渉を先に進めるには 2010年2月10日発売号
切実なアジェンダの一つが中東和平プロセスだ。大統領は先に、中東和平問題については自分が関与し、比較的短期間で状況を打開したいと語っている。こうした彼の立場は歴史的にみても正しいし、アメリカの国益にも合致する。イスラエル・パレスチナ和平は、すでに膠着状態に陥って長い時間が経過しており、このまま状況を放置すれば、パレスチナ、中東地域、アメリカが重大な帰結に直面するだけでなく、イスラエルも大きな痛手を受けることになる。
このようなことを言うのはいまや流行ではないかもしれないが、これまでの経緯からみても、中東とイスラム世界でのアメリカに対する敵意の多くは、長期におよんでいるイスラエル・パレスチナ紛争の流血の惨事と苦しみが背景となっている。一方、オサマ・ビンラディンが9・11の正当化に中東紛争を持ち出したことを考えれば、アメリカもまたイスエラエル・パレスチナ間の混迷の犠牲者であることは明らかだ。
すでに、イスラエルが西岸を占領して40年以上、和平交渉が開始されて30年の歳月が流れており、イスラエル、パレスチナの当事者だけでは問題を解決できないのは明らかだろう。その理由は数多くあるが、基本的に和平交渉を前進させるような重要な決定を下すには、パレスチナはあまりに分裂し、弱体化しているし、イスラエルも分裂し、強硬な立場を崩さないからだ。つまり、両勢力間の交渉を一気に再開させるには、最終合意の基準を定義する外からの強い働きかけが必要になるし、それができるのはアメリカだけだ。
しかし、アメリカの国益やポテンシャルからみて、そうした合意のベースラインを提案する動きが今後自然に出てくるとは考えにくい。2009年春に一度は入植地問題を取り上げつつも、イスラエルに提案を拒絶されると立場を後退させたオバマ政権は、イスラエルの強硬派に近づき、パレスチナの穏健派からは距離を置いた路線をとるようになった。その後、9月の国連総会を利用してイスラエル・パレスチナ間の最終合意に関する包括的なコンセンサスを世界レベルで形作っていく機会はあったが、オバマはこれを生かすのではなく、単にイスラエルとパレスチナに対して「誠意を持って交渉するように」と促しただけだった。
しかし、すでに存在するグローバルなコンセンサスをバックにして、次に指摘する四つの基本ポイントを起点に事態を先に進めることができるだろう。
第1に、現在はイスラエル領とされている地域にパレスチナ難民の帰還を認めるべきではない。端的に言って、イスラエルが和平のために国家的自殺を受け入れるとは考えられないからだ。難民は現在のパレスチナ領土に再入植させ、補償金を支払うだけでなく、難民が置かれてきたこれまでの窮状に対してイスラエルは「遺憾の意」を表明すべきかもしれない。帰還権を拒絶されることは、パレスチナ民族にとっては受け入れ難いことかもしれないが、他に選択肢はない。
第2に、エルサレムを真の意味で共有する必要がある。もちろん、イスラエルの首都は西イスラエルに置くべきだが、パレスチナが東エルサレムを首都にすることを認め、旧市街については何らかの国際合意を通じて双方が共有すべきだろう。エルサレムに関する妥協を最終合意の一部に位置づけない限り、西岸での反発は尾を引き、パレスチナは和平プロセスを拒絶するだろう。もちろん、イスラエルにとっても、そうした妥協を受け入れるのが難しいのは間違いない。だが、妥協しない限り、和解による平和は実現しない。
第3に、最終合意は1967年の休戦ラインを基準とすべきだが、領土スワップによって入植地の多くをイスラエル領土に編入し、一方でパレスチナに代替地を提供すれば、パレスチナ側の領土が少なくなることもない。具体的には、西岸の北と南でイスラエルと接する領土の一部を、パレスチナに委ねればよい。いまや人口面ではイスラエルとパレスチナは拮抗しているが、1967年の休戦ラインを前提にすれば、パレスチナ人が暮らしていたのはかつてのイギリスが信託統治していた地域のわずか22%。一方、イスラエルはその78%を占有していた。
第4に、アメリカ、あるいはNATOはヨルダン川沿いに平和維持部隊を駐留させることにコミットしなければならない。こうした流れになれば、イスラエルの安全保障に戦略的奥行きがもたらされ、「独立したパレスチナ国家がいずれ、イスラエルに対する攻撃の足場にされるのではないか」という懸念も緩和されるはずだ。
オバマ大統領が2009年9月の国連総会の場を利用して、こうした好ましい国際的な見取り図を表明していれば、イスラエルとパレスチナ双方に大きな衝撃を与え、世界的な支持を直ちに得られたはずだ。イスラエル・パレスチナ間の和解に向けた力強い処方箋としての「二国家解決策」への信頼が揺らぎだしているだけに、この青写真を表明する機会を生かさなかったのは実に残念だ。実際、2009年6月のカイロ演説を通じてオバマが修復と再確立へと向かわせつつあった、アラブ世界におけるアメリカへの信頼が再び揺らぎ始めている徴候もある。
今後数カ月がきわめて重要な時期であり、決意に満ちた行動をとるべきタイミングは次第に失われつつある。とはいえ、オバマは国連の演説で、ここに示した四つのポイントを含めて「最終地位交渉を速やかに開始するように求め、両勢力が主要な問題に取り組むように働きかけていく」とその決意を再確認しており、この演説は、(ホワイトハウス内部での路線対立はあるものの)パレスチナでは期待をつなぐ拠り所とされているかもしれない。さらに彼は、交渉の最終目標は「1967年に始まる占領を終わらせ、(イスラエルと隣接する)力強く、独立したパレスチナ国家の誕生を模索することだ」と明確に述べている。この点からも、オスロでのノーベル平和賞の授賞式で、大統領はより具体的に中東和平構想を示すべきだった。だが現状では、オバマ政権の外交チームは、中東和平交渉を進展させるための戦術的なスキルも戦略的な決意も示していない
Asahi.com http://www.asahi.com/international/fa/TKY201002100323.html
(コメント)
いやはや こんな爺さんがいつまでも権力の中枢で指揮執ってるなんて イスラエルのそもそも論からしてめんどくさい話ですが・・・唖然際まれりってとこでしょうか? それでことが両者にしこりの残らない唯一の方法だと考えているのでしょうか?まさかね?(w) 問題はそこには無いのでしょう だからいつまでたっても現状維持 現状維持は国益に合致するからです。 覇権主義の権化が権力中枢にある限り中東問題の解決など現状維持の方がましかもしれません。 この政治家・複合産業体・覇権・権力の亡霊たちは 狭窄視野の思考しかできません。国取り合戦に夢中なのでしょう 70億の一人一人の生活・人生など眼中になく 現実世界を舞台にしたGEMEにぞっこんなんですね。 呆れます ああ戦争中毒者の声が聞こえる (w)
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ペンタゴンの新サイバー戦略
―― なぜアメリカはサイバー軍を立ち上げたか
Defending a New Domain ― The Pentagon's Cyberstrategy ウィリアム・J・リン三世
William J. Lynn III ウィリアム・J・リン三世/米国防副長官
http://www.foreignaffairsj.co.jp/archive/yoshi/2010_10.htm#2
いまやアメリカ政府のデジタル・インフラは、あらゆる敵対勢力に対する圧倒的な優位を確立している。だが、その優位がコンピュータ・ネットワークに依存しているために、一方で脆弱性からも逃れられない。相手に攻撃の意図さえあれば、わずか数十人のコンピュータ・プログラマー集団でも、アメリカのグローバルな後方支援ネットワークに脅威を与え、作戦計画を盗み出し、情報収集能力を攪乱し、兵器の輸送を妨害できる。このポテンシャルを理解している諸外国の軍部はサイバースペースでの攻撃能力を整備しており、100を越える外国情報機関がアメリカのネットワークへの侵入を試みている。なかにはアメリカの情報インフラの一部を混乱させる能力をすでに獲得している外国政府機関もある。・・・アメリカは新たにサイバー軍を創設し、各軍を横断的に網羅するサイバー防衛作戦を立ち上げ、・・・国土安全保障省と協同で政府ネットワークと重要インフラの防衛体制を構築していく。これは、友好関係にある同盟国とも連携してサイバー防衛体制を国際的に広げていく構想だ。
サイバーテロの脅威 - FOREIGN AFFAIRS JAPAN
http://www.foreignaffairsj.co.jp/archive/focalpoints/201008.htm
( コメント )
2010年度個人的にフォーリンアフェアーズの特集で面白く読めたものは実はこれです 2010年8月27日更新 「サーバーテロの脅威」 別に定期購読者でもなく たまにしか目を通さないんですが 時折面白い記事が特集されています。 なぜだか反応はいまいちだったような気もするけど 明らかに2011年を予見させる特集だと思い再UPしてみました。
フォーリンアフェアーズ・リポートより サイバー攻撃という非対称の ...
http://www.asyura2.com/10/warb5/msg/550.html
2010/12/30 2011年を予兆する あるいは再考のため フォーリンアフェアーズ2010年度論文から次の2論文に注目してみた ズビグニュー・ブレジンスキー サイバーテロの脅威 http://blog.livedoor.jp/shiryuhoshi/archives/51515408.html
2010/12/29 特集 WALL STREET JOURNAL日本版の選んだ2010年注目ニュースを見て思うこと(ウィキリークス&地検特捜部情報操作)shiryu星
http://blog.livedoor.jp/shiryuhoshi/archives/51515128.html
( 2010年度年末ご挨拶&2010年版リスト )
http://wiki.livedoor.jp/shiryuhoshi/d/2010%c7%af%c8%c7%a5%ea%a5%b9%a5%c8
http://www.asyura2.com/10/warb7/msg/147.html