http://www.chosunonline.com/news/20101103000023
哨戒艦沈没:北朝鮮、「真相公開状」を発表
韓国左派の主張を取りまとめ
哨戒艦沈没
北朝鮮は2日、韓国の軍民合同調査団による「哨戒艦『天安』沈没事件最終報告書」に反論する資料を発表した。これは「国防委員会検閲団の真相公開状」と名付けられたもので、朝鮮中央通信を通じて公開された。北朝鮮の国防委員会は今年5月28日に内外の報道関係者を招いて会見を開き、韓国の調査結果に反論したことはあるが、このように国防委員会検閲団名義で「真相公開状」を発表するのは今回が初めてだ。しかし北朝鮮による反論の内容は、韓国の左傾マスコミや団体などがすでに主張してきた疑惑を、再び切り張りしてまとめたものにすぎなかった。
韓国の安全保障関連部処(省庁)の当局者は、「最近、政府は北朝鮮が求める大規模支援の条件として、“天安を沈没させたことに対する謝罪”などを強く求めているが、北朝鮮側は“謝罪できない”との反応を示したようだ」と述べた。この点について北朝鮮は、歩み寄りの姿勢をまったく示そうとしないという。北朝鮮は1週間前の赤十字会談で、コメ50万トンと肥料30万トンを要求していた。
朝鮮中央通信によると、北朝鮮は魚雷の設計図、魚雷推進体に書かれた「1番」という文字、水柱の形成、アルミニウム吸着物、座礁の可能性、TOD(熱感知装置)動画などに関するこれまでの議論を13項目に分けて取り上げた上で、韓国による調査結果に対しては「特大の謀略劇」と非難した。しかしその内容の多くは、韓国の左寄りのマスコミや団体がすでに取り上げたものばかりだ。ちなみに韓国の調査団が提示した魚雷の破片(アルミニウム合金)について北朝鮮は、「われわれ(北朝鮮)はアルミニウム合金ではなく、鋼鉄の合金で製造した主体式魚雷を使う。主体魚雷の鋼鉄合金破片を米帝と逆賊のやからに提供する用意もある」と主張したが、新しく提示されたものがあるとすれば、これだけだった。
国防部はこの日、「北朝鮮が提示した真相公開状は、すでに何度も提起された疑惑を繰り返したものにすぎず、一考の価値もない」とコメントした。さらに、「われわれが回収した魚雷の推進体や動力装置の金属成分を分析したところ、固定舵(だ)と軸は100%の鉄製で、プロペラはアルミニウム合金だったことが確認されている。アルミニウム合金でないという主張は、欺くための常とう手段にすぎない」とも反論した。
北朝鮮はこれまで天安問題に関して沈黙を守っていたが、今回このように突然「真相公開状」を発表したことについて、一部では、韓国の安保関連部処の当局者が最近発言した内容と関連があるとの見方もある。
統一部の玄仁沢(ヒョン・インテク)長官は先月29日に行われた本紙とのインタビューで、「北朝鮮は天安事件に対して責任のある姿勢を示さなければならない」「(そうでなければ)主要20カ国・地域(G20)首脳会議以降、南北首脳会談や高官級会談などを行う考えはない」と明言した。昨年10月に北朝鮮と南北首脳会談に向けた水面下での接触に臨んだ任太熙(イム・テヒ)大統領室長も今月1日、「(首脳会談が実現するかどうかは)全面的に北朝鮮の態度にかかっている」「(北朝鮮は)真摯(しんし)な態度で何らかの変化を示さなければならない。変化の方向性は誰もが知っているはずだ」などと述べた。
最近、北朝鮮は韓国に対して「融和攻勢」を仕掛けているが、これについて「G20後には韓国政府による対北朝鮮政策も、徐々に変わってくるのではないか」という見方もあった。しかし玄長官と林室長による上記の発言は、このような見方にくぎを刺した。とりわけ南北関係の改善に積極的なことで知られる林室長まで「北朝鮮の変化」を要求したため、北朝鮮はこの状況を深刻に受け止めた可能性もある。韓国政府の当局者も、「北朝鮮がどのような態度を示したとしても、“北朝鮮の態度が変わることが先”という政府の立場に変わりはない」とコメントしている。
韓国政府の中には、このような状況を心配する声もある。安保関連部処のある関係者は、「天安問題で南北が歩み寄りそうな兆しはまったく見えない。またこの状況を打開できそうな糸口もない」と述べた。北朝鮮はこの日、「(韓米両国が)天安事件を口実に反共和国対決に狂奔すればするほど、捏造(ねつぞう)劇の実態が次々と明らかになるだろう」とのコメントを発表した。
アン・ヨンヒョン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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