現在地 HOME > 掲示板 > 日本の事件9 > 173.html ★阿修羅♪ |
|
東京都八王子市のスーパーで平成七年七月、アルバイトの女子高生ら三人が射殺された強盗殺人事件で、現場に残っていた弾丸の線条痕(ライフルマーク)が、平成九年に大阪市内の信用金庫で起きた強盗殺人未遂事件で使われた拳銃の弾丸と酷似していることが六日、警察当局の調べで分かった。警察当局は、信金事件を含む大阪で起きた四つの強盗事件に関与した疑いが持たれている男(七三)=別の事件で一審有罪判決を受け拘置中=の関係先から拳銃十数丁を押収しており、身柄を警視庁に移送し銃刀法違反容疑で再逮捕する方針だ。
≪当時現場近く居住≫
警察当局は、男が八王子や大阪の四事件に関与した疑いがあるとみて、押収した拳銃を詳しく鑑定している。
判決によると、男は昨年十一月、名古屋市内にあるUFJ銀行の駐車場で現金輸送車を襲撃。警備員に拳銃二発を発射し一人に重傷を負わせたうえ、現金五千万円入りのバッグを強奪したが、その場で取り押さえられた。強盗殺人未遂などの罪に問われ、一審で実刑判決を受け控訴中。
一方、大阪市内では九年八月、大阪厚生信用金庫深江支店に男が押し入り、男性職員に拳銃を突き付けたうえ、天井に向けて発砲し、現金三百二十万円を奪って逃走する事件があったほか、三和銀行玉出支店(十一年三月)、東海銀行今里支店(十一年七月)、三井住友銀行都島支店(十三年十月)で、それぞれ拳銃を使用した現金輸送車襲撃事件が発生。いずれも犯人は逮捕されていない。
警察当局によると、このうち信金強盗事件と東海銀行事件で使われた拳銃は、いずれも回転式拳銃のフィリピン製スカイヤーズビンガムとみられ、弾丸の線条痕が似ている。また、大阪の三つの現金輸送車襲撃事件と名古屋事件は、いずれも駐車場で現金輸送車を襲撃している点や、躊躇(ちゆうちよ)なく警備員に発砲している点など、現場の状況が似ていることから、大阪の四事件と名古屋事件は同一犯による犯行とみて捜査を進めていた。
さらに警察当局のその後の調べで、(1)男の拳銃に対する執着は異常に強く、射撃の腕前もプロ級(2)昭和三十年代に都内で警察官射殺事件を起こした際、弾丸を頭部に撃ち込んでいる(3)八王子事件が発生した当時、現場近くに居住していた−ことが判明。
警察庁科学警察研究所が信金強盗事件と八王子事件の現場に残されていた弾丸を鑑定した結果、最近になって、線条痕が酷似しており、同じ拳銃から発射された可能性があることが明らかになった。
また、大阪市内や東京都内にある男の関係先を捜索した結果、十数丁の拳銃や実弾数百発が見つかったという。警察当局は、男を銃刀法違反の疑いで再逮捕したうえで、関連が指摘されている一連の事件について慎重に捜査を進めることにしている。
◇
≪八王子スーパー強盗殺人事件≫ 平成7年7月30日午後9時20分ごろ、東京都八王子市大和田のスーパー「ナンペイ」(当時)2階事務所で、アルバイト店員の矢吹恵さん=当時(17)、前田寛美さん=同(16)、パートの稲垣則子さん=同(47)=の3人が頭や顔を拳銃で撃たれて死亡。金庫を開けようとした形跡があったが、現金400万円は奪われていなかった。現場に残された38口径の弾丸から、使用されたのは米国コルト社製回転式拳銃かフィリピン製模造銃のスカイヤーズ・ビンガム・コマンチとみられている。
≪線条痕≫ 拳銃から発射された銃弾に残る銃特有のすじ状の傷跡。銃弾が銃身内を回転しながら発射されるため、傷や溝が模様として残る。同種類の銃でも個々の銃で傷跡が異なることから「銃の指紋」ともいわれ、線条痕が一致すれば、同じ拳銃から発射された銃弾と断定される。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/07iti001.htm