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「マイノリティ」の世界から“透明人間”まで――“複合現実感”を楽しめる「MR-EXPO」(1/2)【zdnet 記事。まるでSF小説みたいな、、】
http://www.asyura2.com/2us0310/it03/msg/158.html
投稿者 クエスチョン 日時 2003 年 10 月 10 日 22:15:59:WmYnAkBebEg4M

ZDNN 2003年10月9日 10:57 PM 更新

「マイノリティ」の世界から“透明人間”まで――“複合現実感”を楽しめる「MR-EXPO」(1/2)【zdnet 記事。まるでSF小説みたいな、、】
http://www.zdnet.co.jp/news/0310/09/nj00_mr_expo.html

MR(Mixed Reality)の体験イベント「MIXED FANTASY〜MRテクノロジー
EXPO2003」が10日から都内で開催する。HMD(ヘッドマウントディスプレ
イ)をつけてCGと現実世界を融合させる“正当派MR”だけでなく、透明人
間に変身したり、自分の黒い影がカラフルになったりと、SF映画で描かれ
る世界が体験できる。


 MR(Mixed Reality)の最先端技術やエンタテインメント作品が体験で
きる「MIXED FANTASY〜MRテクノロジーEXPO2003(略称MR-EXPO)」が東京
都港区のコクヨホールで開催される。10月9日、一般公開(10月10〜12日)
前に報道関係・学会関係者向けにイベント内容が紹介された。

 「MR(複合現実感)」とは、CGの3次元映像などで表現された「仮想世
界」と、われわれが実際に生活する物理的な「現実世界」をリアルタイム
に継ぎ目なく融合させる先端技術。今回のMR-EXPOには、産官学における
MR技術の最先端研究成果から芸術性/エンタテインメント性の高いものや、
産業分野への応用が期待されるものなど計9作品が国内外から集まった
(当初は10作品だったが、セントラルフロリダ大学の出展が通関手続き不
備で中止となった)。

 MR-EXPOは、まず会場入り口で驚かされる。なんと、自分の影が黒から
カラフルなチェック模様に変わっているのだ。


自分の影がカラフルなチェック模様に

 これは、人物の左右両方から光を当てて、光が遮ぎられた(影となる)
ところに映像を映し出すという仕組み。東京大学が出展した「Textured
Shadow」だ。

 2台のプロジェクターを用いて補色の原理を応用した映像投影を行うこ
とで、“時間遅れ”や“解像度の粗さ”を感じずに影に彩りと動きを与え
るのだ。応答速度や解像度は本物の影そのものだが、リアルタイムにカラ
フルな影が表示されるのは今までにない体験だ。

 TVや一般紙などの報道関係者に注目を集めていたのが、フリーランスで
映像アーチストの浅井和広氏とキヤノンとの共同作品「ジェリーフィッシ
ュ・パーティー」。これは複合現実型エンターテインメント協議会(略称
MREC)が昨年行ったMR技術応用ソフトのコンテスト「MREC 2002」のグラ
ンプリ受賞作品だ(別記事を参照)。

 ジェリーフィッシュ・パーティーは、プレーヤーがMR技術によるシャボ
ン玉のクラゲ(シェリーフィッシュ)を作って幻想的な空間を楽しむソフ
ト。 プレーヤーが持つデバイス「ストローガン」で吹き込む息によって、
CGの仮想オブジェクトを操作するところがポイントだ。


「ストローガン」で吹き込む息によって、CGのシャボン玉クラゲ(シェリ
ーフィッシュ)を作る

 プレーヤーはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)越しに、CGと現実の
世界が融合した幻想的な空間を体験することができる。ストローに吹き込
む息の量やスピードに応じてCGの振舞いが変化し、クラゲだけでなくクリ
オネも出現する。


CGと現実の世界が融合した幻想的な空間がHMDに広がる(画面は俯瞰カメ
ラからの映像)

 また、MREC2002受賞作品からは、筑波大学(竹村雅幸氏、原口俊吾氏)
の「BLADE SHIPS」も出展。HMDの向こうに広がるCGと現実世界が融合した
MR空間の中で、手につけた磁気センサーを駆使してCGの飛行体を操作する
対戦型ゲームだ。


手につけた磁気センサーを駆使してCGの飛行体を操作する「BLADE SHIPS」


“マイノリティ・リポート”の世界を体験

 HMDを使って仮想空間と現実世界とを融合させるパターンはMRの基本だ
が、HMDがなくてもMRは体験できる。


[西坂真人, ZDNet/JAPAN]

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ZDNN 2003年10月9日 10:59 PM 更新

「マイノリティ」の世界から“透明人間”まで――“複合現実感”を楽しめる「MR-EXPO」(2/2)
http://www.zdnet.co.jp/news/0310/09/nj00_mr_expo_2.html

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 スティーブン・スピルバーグ監督の作品「マイノリティ・リポート」の
中で、トム・クルーズが特殊なグローブを手に装着してコンピュータ内の
情報を手の動きで操作・閲覧する場面がある。このSF映画の世界を再現し
たのが、NTTマイクロシステムインテグレーション研究所の「ミラーイン
タフェース」だ。

 カメラで撮影・鏡像反転して半透明化したユーザーの映像と、遠隔地の
部屋の映像とを重ね合わせて大型ディスプレイに表示させる。ユーザーは
半透明になって別の部屋にいる自分を見ながら、手を動かして画面上の物
体映像に触ることで、その物体を動かしたり情報を取得・表示させること
ができる。


半透明化したユーザーの姿が別の部屋に立っている姿がPDPに映し出され
ている。手に持った赤い目印を使って、別の部屋にある飛行船の模型を動
かしている

 別の部屋(遠隔地)の物体には、位置認識用の赤外線タグが装着されて
おり、各物体の位置をリアルタイムで認識。合成した映像上の物体をあた
かも直接自分の手で扱っているかのような感覚で遠隔操作できる。

 「マイノリティ・リポートではコンピュータ内の情報操作だけだったが、
ミラーインタフェースは現実空間の物体も操作できる。家電機器の操作を
はじめ、ビジネスシーンではTV会議などで先方の空間にある物体を動かし
たり、機器の操作も可能」(NTTマイクロシステムインテグレーション研
究所)


邪魔な物体を視覚的に消去する「光学迷彩」

 “透明人間”が可能になるMR技術――百聞は一見にしかず。下の画像を
見て欲しい。


 衣服があたかも透けているようになり、向こう側にいる人や壁に張られ
た説明パネルが衣服越しに見ることができる。

 電気通信大学が出展した「光学迷彩」と名づけられたMR技術は、その名
の通り、光学的に物体をカムフラージュするための技術だ。MR技術での映
像は、仮想空間と現実空間の映像を重ね合わせる「加算」方式が一般的。
光学迷彩では、実空間内で邪魔な物体を視覚的に消去する「映像の“減算
”」を行っている。

 その仕組みはこうだ。衣服が透けて見える男性のすぐ後ろにはビデオカ
メラが設置されてあり、正面からは見えない背景映像を撮影している。そ
の映像をPCを経由してプロジェクターで出力し、それをハーフミラーで反
射させて衣服の男性に映像を投射する。

 透明化の秘密は、男性が着ている衣服にある。

 レインコート風の衣服には、光が入射した方向に反射する素材「再帰性
反射材」が使用されている。これは、交通標識や自転車のペダルに使われ
ているのと同じものだ。この再帰性反射材に、背景映像を映し出すことに
よって、衣服があたかも透けているように見えるわけだ。


再帰性反射材を使ったレインコート風の衣服。右の写真はカメラのフラッ
シュを当ててみた様子。光が反射されているのがわかる

 この技術は観察者側にプロジェクターなどを用意しなくてはならないた
め、“透明人間”を作り出すことは現時点では非常に難しい。ただし、観
察者と透明にする対象物が固定されるケースでは、有効な利用法も考えら
れるという。

 「自動車に設置すれば、バックの時に後方の視野が半透明になって見や
すくなる。また、飛行機のコクピットに設置すれば、床面が半透明になり
着陸時の支援につながる。再帰性反射材は塗料として壁面に塗布すること
も可能なので、さまざまな応用が考えられる」


関連記事
複合現実感のコンテスト「MREC 2002」

関連リンク
MRテクノロジーEXPO2003ホムページ

[西坂真人, ZDNet/JAPAN]

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