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ZDNN 2003年10月8日 03:28 PM 更新
Shiftキーを押すだけで、コピー防止CDが複製可能に【ZD Net記事】
http://www.zdnet.co.jp/news/0310/08/ne00_shift.html
米大学生が発見したCDコピー防止技術の解除方法は、Shiftキーを押すだ
けという単純なもの。しかしレコード会社は「一般ユーザーによるコピー
は防止できる」との考えだ。
プリンストン大学の学生が、コンピュータのShiftキーを押すだけでBMG
がテストしているCDのコピー防止措置を解除できる手法を発表した。
同大学博士課程の学生ジョン・ホルダーマン氏はこのほど自身のWebサ
イトで公表した論文で、BMGがソウルアーティストのアンソニー・ハミル
トンの新アルバムで導入している新種のコピー防止措置を解除する方法に
ついて解説した。
通常の環境で使用すると、このアルバムがコンピュータのCDドライブで
再生されるたびに、コピー防止ソフトが自動的にWindowsマシンにロード
され、従来型のコピーやMP3のリッピングはできなくなる。しかし、Shift
キーを押すという単純な操作によって、WindowsのAutoRun機能がコピー防
止ソフトをロードしなくなり、音楽が自由にコピーできるようになるとホ
ルダーマン氏は説明している。
この手法はBMGも、このコピー防止技術を開発した小規模企業SunnComm
Technologiesも確認済み。両社とも、CDのリリース前からこのことは知っ
ていたと語り、現在でも、この保護技術によって平均的なユーザーによる
コピーは防止できるとの考えだとしている。
「このことについては認識していた」とBMGの広報担当ナサニエル・ブ
ラウン氏は語る。「新しいコピー管理技術は、一般のユーザーが楽曲のコ
ピーを大量のCDに焼いたり、ネットにアップロードするのを防ぐための、
いわば“減速バンプ”として用意されている。この技術では、コピー防止
という点で支障があるとしても、再生のしやすさや融通が利くことをあえ
て優先することにした」
ホルダーマン氏が今回公表したようにBMGとSunnCommの最新のコピー防
止措置が簡単に解除できることは、顧客の反発を買うことなくコンテンツ
を保護するという、レコード会社と技術企業が目指している微妙な均衡を
浮き彫りにしている。
SunnCommのCDコピー防止技術は、市場に出回っているものの中で最も柔
軟性が高い。同社の技術では、あらかじめリッピングされたバージョンの
楽曲がCDに収められ、これらはコンピュータにコピーしたり、CDに数回焼
いたり、多様な携帯デバイスにコピーしたりできる。無制限に利用できる
MP3ファイルとは異なり、これらはコピーできる回数が制限されており、
すべての携帯音楽デバイスで再生できるわけではない。
アンソニー・ハミルトンのCDは、コンピュータで利用するためのこうし
た“セカンドセッション”トラックを収録した新世代のコピー防止CDの初
の製品だ。SunnCommのライバルのMacrovisionもこの技術方式を採用して
いる。レコード会社はこうしたトラック（主にMicrosoftのWindows Media
フォーマットで提供される）のコピー防止CDへの収録を推進することで、
自分のCDの音楽がコンピュータで楽しめなくなるのではないかというコン
シューマーの懸念を払拭することを目指している。
SunnCommの技術は将来版で改良される予定だが、同社の最高経営責任者
（CEO）ピーター・ジェーコブズ氏は、この技術は現時点でもレコード会
社にとって魅力的だろうと語る。コピーするためにShiftキーを押すのは
単純な操作だが、この操作をするときには、コンピュータユーザーは自分
が不正なことをしていると自覚せざるを得ない、と同氏は説明する。それ
だけでも、多くの人はコピーするのを思いとどまるだろうと同氏は付け加
えた。
「これは全か無かで考える問題ではない」とジェーコブズ氏。「鍵のピ
ッキング方法についての情報は出回っているから、自分の家が泥棒に入ら
れるというのはあり得ることだ。だからといって、鍵を買わないというこ
とにはならない」
コピー防止ソフトのロードを完全に防ぐには、CDをコンピュータで聴く
たびに、適切なタイミングを見計らってShiftキーを長い間押し続ける必
要がある。また、コピー防止ソフトをロードしないとセカンドセッション
トラックにはアクセスできなくなるが、このトラックにビデオなどのボー
ナスコンテンツを収めるCDが今後増えていくだろう、とレコード会社関係
者は話している。
ホルダーマン氏は、Shiftキーを押すという操作が簡単なだけに、その
影響がないようにするのは難しいと指摘する。また同氏は、コピー防止措
置の回避方法を解説する行為を違法とする法律に触れることは心配してい
ない。
「Shiftキーを押すとこうなるという説明を公開することは、コピー防
止技術の回避装置の取引という違法事項に含まれるとは思えない。あまり
心配していない」（ホルダーマン氏）
原文へのリンク
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。