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http://www.okinawatimes.co.jp/day/200310051300.html#no_1
復帰後三十年間、県民は戦争に対する不安を持ち続け、人権に関する不安も米軍基地がらみの事件・事故などから不安感が強まっていることが、琉球大学法文学部の中村完教授(心理学)を代表とする研究者グループの調査で明らかになった。「県民個々人の意思や努力によって沖縄の社会全体を良くすることは可能か」との問いに、78・4%が「思わない」と回答。中村教授は「慢性的な不安体験は、県民の日常の生活行動にネガティブな影響を及ぼす」とみている。
研究結果は四日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで開かれた「琉球大学サイエンスフォーラム」で中村教授が発表した。
調査は琉大心理学教室が主体となり、沖縄が復帰した一九七二年と十年後(八二年)、二十年後(九二年)、三十年後(二〇〇二年)の四回にわたり、県民約五百―千五百人を対象に実施。沖縄の社会状況に関する七十二の質問への回答結果から、「戦争不安」「自治不安」「人権不安」の三つの観点で、その変化を調べた。
「米国が沖縄の基地を自由に使って外国を攻撃すると思うか」の問いに対し、「思う」の割合は一九七二年の35%から八二年の46%、九二年の48%、二〇〇二年の57%と調査のたびに増加。戦争不安に関する二十五項目の質問を総合した結果でも、復帰後三十年にわたり悲観的な態度が目立った。
「米国の軍事優先政策によって沖縄の住民の人権が侵害されていると思うか」の問いに対し、一九七二年に75%が「思う」と回答。以後も六割近くが米軍による人権侵害を訴えた。「人権不安」の質問全体では八二年、九二年は楽観的な態度が示されたものの、二〇〇二年の調査では再び悲観的態度が強まっている。
自治不安に関する質問で「日本の政治に少数意見や地方住民の意見が十分に反映されているか」の問いには、一九七二年に67%だった「思わない」が八二年に71%、九二年75%、二〇〇二年79%と毎回増加。政治不信も強まる傾向にある。
中村教授は「先のことが不確実だったり、予測できないときに不安は強まる。基地にかかわる事件や事故などは予測できず、劣化ウラン弾問題などに見られるように情報がなかなか伝わらない。不安解消には正確な情報を県民に伝えることが大切だ」と話している。
(10月5日)