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グローバル経済下の日本の経済は、地政学的国政(小泉内閣)ではなく通貨のポジションで規定されるのが世界の常識。ドルについてはドルが支配している経済圏での経済ファンダメンタルがポジションである。ドルの支配下ではドルが国際決済通貨(基軸通貨)であることから、債務を他国のように労働と生産の結晶(富)によって返済する必要がない。アメリカはドル札をプリントして返済に回す。このようなアメリカと他国との違いがアメリカをユニークで唯一変った国にしている。
アメリカでは子供のときから「無駄は美徳」と教え、常に消費性向は100%。国民は借金の返済を新たな借金で支払う。国民のこうした経済態度が国家に集約されるからアメリカは常に世界最大の対外債務国になるのである。
アメリカは国債償還日になると必ず新規国債発行で現金をかき集めて返済する。だからドルは潜在的に、また永遠に下落する運命にある。
では何故ドルは上昇するのだろうか。確かに1ドル=148円にまで上昇したことがあった。実はアメリカ以外の対米輸出国(日本など)は自国の通貨が上昇すると対米輸出競争力が落ちるため、必ず自国通貨を売ってドル高誘導に努めるので、投機筋もそれを先取りしてドル買いに走ってドル高を加速させる。その結果アメリカに輸入先(日本)の通貨がどんどん滞留してくる。アメリカは自国の経済状況を見合わせながら、他国通貨で他国の資産(株式、債券等)を買う量を自由に調整することが出来る立場になる。つまり為替市場は市場に任せれば常に円高になり、日本が介入すれば、円がアメリカに渡り、アメリカは日本から得た円で日本の株を買って株価を上げる自由と、株を買わず債権その他の資産に向けて日本株を下げる自由を持つことになる。世界最大の現金と対外債権保有を誇る日本に為替コントロールの自由はない。
今、アメリカの製造業は設備投資と増産に踏み切ったが、消費が伸び悩んできたので、今後生産過剰状態に陥る。そのため日本の為替介入にブレーキをかけ円高誘導で日本からの輸出量を落としてアメリカの製造業をバックアップし、同時にアメリカに滞留し続ける円で日本株を買って株価を上げて日本の景気をよくする。景気が回復すれば、今までリストラで生産力を落としてきた日本はBuy Americaにならざるを得ない。
今日本は、小泉構造改革ではなく、アメリカの都合で好況になりつつある。
【増田俊男の時事直言!213号 (2003年10月10日号)】
http://www.chokugen.com/opinion/backnumber/h15/jiji031010_213.htm